JP2009093051A - ホイールカッター、基板切断装置、及びそれらを用いた液晶表示装置用基板の切断方法 - Google Patents

ホイールカッター、基板切断装置、及びそれらを用いた液晶表示装置用基板の切断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶表示装置用基板のスクライブ工程において、歩留りが高く安定して基板切断のできるスクライブラインを形成することが可能な基板の切断方法、基板切断装置、及び該基板切断装置に用いられるホイールカッターを得る。
【解決手段】この発明に係るホイールカッター10は、切断する基板に接触しながら回転し、この基板に切断傷を形成するホイール1と、ホイール1と軸2により同軸に連結され、切断する基板に傷を生じることなく基板との間に生じる摩擦力により回転し、この回転により前記のホイール1が連動することにより、ホイール1の回転を補助する補助ローラ3とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は液晶表示装置の製造方法において用いられる基板の切断方法、基板切断装置、及び該装置に用いられるホイールカッターに関するものである。
従来の液晶表示装置の製造方法において用いられる基板の切断方法は、軸により回転可能に取付けられた基板切断用ホイールを一定の圧力を加えて基板に押し付け、ホイールを回転させながら基板上を走査させ、基板表面に基板分断の起点となる連続的な切断傷であるスクライブラインを形成するホイールカッターを用いたスクライブ工程と、その後、基板に圧力を印加してスクライブラインに沿って基板を分断するブレイク工程とからなっている。
然しながら、基板のスクライブ工程においては、安定して基板切断のできるスクライブラインを形成することは難しく、以後のブレイク工程によってワレやカケを生じて製造歩留りを下げていた。スクライブラインにより基板切断が不安定となる要因としては、スクラブライン近傍での傷の発生や、ホイールの滑りによって発生するスクライブラインの途切れ或いは幅のバラツキなどが主なものである。この様なホイールの滑りは、他のスクライブラインを跨ぐ場合に発生し易い。これについて図12を用い簡単に説明する。なお、図中において、ホイールカッター、基板、及びスクライブラインの関係のみを図示し、切断に用いられる基板切断装置など、他の部分については図示を省略している。図12(a)に示す様に、他のスクライブラインSL01が既に形成された基板SUBに対し、ホイールカッターWHを走査して新たなスクライブラインSL02をスクラブラインSL01に交差して形成する際、他のスクライブラインSL01を跨ぐことが必要になる。この様な場合、図12(b)に示す様に、其々のスクラブラインの交差部(図中、破線で囲まれる部分)において、スクライブラインSL02に途切れが発生してしまう。これは、ホイールカッターWHにおける切断するホイールは、基板SUBとの間の摩擦により回転して動作することから、スクライブラインSL01を跨ぐ場合には基板SUBとの接触状態が変動することにより滑りを生じ、その結果、回転が不安定となる為である。特に、近年において切断工程の処理能力の向上が要求されてきており、それに対してホイールカッターWHの走査を高速化して対応する場合には、更にホイールの滑りが発生しやすくなる。
この様な問題を改善すべく、ホイールの回転を安定させる為、ホイールの軸受けをボール軸受けとして回転の抵抗を少なくする技術が提案されている(特許文献1)。また、ホイールの表面にV字型の刃を形成しホイールと基板との間の摩擦力を上げて、ホイールの回転を安定させる方法(特許文献2)や、目的は異なるが、スクライブラインの近傍の基板表面に粗面を形成する為の凹凸面をホイールの側方に備えることにより、特許文献2と同様に基板との間の摩擦力が上がりホイールの回転が安定することが期待される方法(特許文献3)が提案されている。
特開平7−223830号公報(第3頁、第3図) 特開平6−56451号公報(第2−3頁、第1図) 特開2004−117540号公報(第6頁、第4図、第5図)
然しながら、特許文献1の方法を用いた場合にも、ホイールの回転自体は抵抗が少なくスムーズに動作可能であるものの、基本的にはホイールと基板との間の摩擦力も小さいことから、別のスクライブラインを跨ぐ場合などの基板との接触状態が大きく変動する場合には滑りの発生を完全には防止することができない。また、特許文献2や特許文献3の方法においては、基板との間の摩擦力が向上されていることから比較的ホイールの滑りについては発生し難いと考えられる。然しながら、スクライブラインの側面やスクラブライン近傍に凹凸や傷が形成されることから、それら凹凸や傷を起点とした切断不良が発生してしまい結果として歩留りは低下してしまう。以上の様に、従来のホイールにおいては一つのホイールが切断傷を形成する役割とホイールを回転させる役割を兼ねていることから、ホイールを切断傷の形成を重視した硬度の高い金属などにするとガラス上を滑り易く回転が不安定となり、逆に摩擦力を向上する凹凸をホイールに形成し回転を重視した場合には切断傷の形状が基板切断に悪影響を及ぼすなど、何れにしても安定して基板切断のできるスクライブラインを形成することは難しかった。
この発明は、上述の様な問題を解決するためになされたもので、液晶表示装置用基板のスクライブ工程において、歩留りが高く安定して基板切断のできるスクライブラインを形成することが可能な基板の切断方法、基板切断装置、及び該基板切断装置に用いられるホイールカッターを得ることを目的とする。
この発明に係る液晶表示装置用基板の切断に用いるホイールカッターは、切断する基板に接触しながら回転し、この基板に切断傷を形成するホイールと、このホイールと同軸に連結され、前記の基板に傷を生じることなく、この基板と接触しながら、基板との間に生じる摩擦力により回転し、この回転により前記のホイールが連動することにより、このホイールの回転を補助する補助ローラとを備えるものである。
本発明によれば、液晶表示装置用基板の切断において、安定して基板切断のできるスクライブラインを形成でき、基板切断歩留りを向上することができる。
実施の形態1.
図1〜図3は本発明の実施の形態1におけるホイールカッター及びそのホイールカッターを備えた基板切断装置の概略図である。以下、このホイールカッター及び基板切断装置の構成について図1〜図3を用いて説明する。なお、図は、模式的なものであり、示された構成要素の正確な大きさなどを反映するものではない。また、図中、既出の図において説明したものと同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。以下の図においても同様とする。
図1(a)は本実施の形態1のホイールカッターの正面図、図1(b)は側面図を示したものである。図に示す様に、このホイールカッター10は、基板に基板分断の起点となる切断傷を形成するホイール1と、ホイール1の両側に軸2により同軸に連結され、ホイール1と連動することによりホイール1の回転を補助する補助ローラ3より構成されている。なお、ここでいう同軸とはホイール1と補助ローラ3は図中一点鎖線により示される中心位置を共通の回転軸とした回転体であることを意味し、以下も同様の定義にて使用する。
続いて、図2は本実施の形態1の基板切断装置の概略図であるが、図2に示す様に、この基板切断装置100は、液晶表示装置用の基板であるガラス基板4と、このガラス基板4を保持するステージ5と、このガラス基板4上に配置されるホイールカッター10、このホイールカッター10が回転自在に取付けられた取付け部6、及び、この取付け部6が図中矢印Z方向と平行な方向に上下動作可能に支持される支持部7よりなる走査ヘッド部50と、この走査ヘッド部50が図中矢印X方向と平行な方向に動作可能な様にガイドするガイド部8と、このガイド部8を支持する柱である支柱9より構成されている。ホイールカッター10は支持部7により図中矢印Z方向と平行な方向に動作してガラス基板4に接触状態とされることができ、この接触状態のまま、ガイド部8に従って走査ヘッド部50が走査されることにより、図中矢印X方向と平行な方向に直線状にガラス基板4に切断傷を形成することが可能である。更に、このステージ5はガラス基板4を載せたまま図中の矢印θの方向に回転動作可能であり、更にステージ5と支柱9及びガイド部8は相対的に図中矢印Y方向と平行な方向に動作可能とした。この様な構成とすることによりガラス基板4上の任意の位置及び方向に直線状の切断傷を形成することが可能である。
ここで、本実施の形態1のホイールカッター10が取付けられる走査ヘッド部50について更に詳細に説明しておく。図3は走査ヘッド部50の概略図であり、図3(a)は走査ヘッド部50の正面図、図3(b)は側面図を示したものである。図に示す様に、走査ヘッド部50において、ホイールカッター10は取付け部6に、ホイール1、軸2、及び補助ローラ3が、図中一点鎖線により示される中心位置を共通の回転軸として回転自在となる様に取付けられている。また、取付け部6は上下動作可能であると共にガラス基板4に対する接触圧力を調整可能な様に支持部7に取付けられている。
更に本実施の形態1におけるホイールカッター10における補助ローラ3は、ガラス基板4と密着し易く、接触するガラス基板4との間に生じる摩擦力が大きいことによりガラス基板4上を滑ることなく接触しながら回転できる材料、更にガラス基板4との接触時にもガラス基板4の表面に傷を生じない様に、少なくともガラス基板4との接触面がガラス基板4よりも柔らかい材料から構成されることが望ましい。本実施の形態1では、弾性材であるゴム材よりなる補助ローラ3を用いた。ゴム材は、弾性材であると共に、ガラス基板4と密着し易く、摩擦力が大きい、更にガラス基板4よりも柔らかい材料である。また、補助ローラ3の直径をホイール1よりも大きくなる様に設定した。なお、ここでいう弾性材とは、ゴム、アクリル、ビニールなど外部からの応力印加による形状変形と変形後に可逆的に元に戻る性質をもつ、いわゆる弾性的な挙動を示す材料を意味し、以下も同様の定義にて使用する。一方、ホイール1については、切れ味良く切断傷を形成できる様にガラス基4板よりも硬い材料、例えば炭化タングステンなどからなる合金である超硬合金を用い、切断傷の端部に不要な凹凸や傷が形成されない様に凹凸の無い平滑な表面となる様に加工されている。
なお、以上説明した構成は、基板切断装置において、スクライブラインを形成するスクライブ工程を行う構成のみであり、ガラス基板に圧力を印加してスクライブ工程により形成されたスクライブラインに沿ってガラス基板を分断するブレイク工程を行う構成については一般的な構成で良いことから説明を省略する。
続いて、図4及び図5を用いて本実施の形態1のホイールカッターの動作について説明する。なお、図4及び図5では、図中において、ホイールカッター、ガラス基板、及びスクライブラインの関係のみを図示し、切断に用いられる基板切断装置など、他の部分については図示を省略している。先ず、動作中のホイールカッターとガラス基板の関係について図4を用い説明する。図4(a)はガラス基板上をホイールカッターが走査し、連続的な切断傷であるスクライブラインを形成するスクライブ動作中の状態を説明する概略図であり、図4(b)は図4(a)における断面線A−A間における断面図を示したものである。
図4(a)に示す様にガラス基板4上を横断する様にホイールカッター10が走査し、スクライブラインSLが形成されスクライブ動作が行われる。また、ホイールカッター10はガラス基板4に押し付けられることにより、図4(b)の断面図に示す様にゴム材よりなる補助ローラ3を変形しホイール1がガラス基板4に接触する。その結果スクライブラインSLが形成される。所定の深さのスクライブラインSLが形成可能な様に所定の圧力に接触圧力を調整してホイールカッター10は押し付けられる。
次に、通常はスクライブラインにより基板切断が不安定になり易い場合である他のスクライブラインを跨ぐ場合における本実施の形態1のホイールカッターの動作について図5を用い説明する。図5(a)はスクライブ動作中の状態を説明する概略図であり、図5(b)はスクライブ動作後のスクライブラインの状態を示した概略図である。図5(a)に示す様に、既に一本のスクライブラインSL1が形成済みのガラス基板4に対し、このスクライブラインSL1と平行では無い方向、例えば垂直な方向に新たなスクライブラインSL2を形成する場合においては、既に形成されたスクライブラインSL1を新たなスクライブラインSL2が跨ぐ必要が発生する。この様な場合、従来のホイールカッターを用いた場合には其々のスクライブラインの交差部においてスクライブラインSL2に途切れを発生する場合があったが、本実施の形態1におけるホイールカッター10を用いた場合には、図5(b)に示す様に、スクライブラインSL2とスクラブラインSL1の交差部(図中、破線で囲まれる部分)においても途切れを発生することなくスクライブラインSL2を形成することができた。その結果として、その後のブレイク工程においてもスクライブラインを原因とする切断不良がほとんど発生することがなかった。
続いて、実施の形態1のホイールカッターの作用について詳細に説明する。ここでは、本実施の形態1のホイールカッターによる利点が顕著に発揮されるホイールカッターとガラス基板との接触状態が変動する場合、特に他のスクライブラインを跨ぐ場合における作用について図6〜図8の概念図を用いて説明する。図6は動作説明時に用いた図5においてホイールカッター10が既に形成されたスクライブラインSL1上に差し掛かった時点におけるガラス基板4と走査ヘッド部50との関係を示した図である。図6より、ホイールカッター10がスクライブラインSL2を形成しながらスクライブラインSL1上に跨った状態であることが判る。補助ローラ3は、ホイールカッター10がガラス基板4に押し付けられることにより変形されているが、スクライブラインSL1に掛かる部分ではスクライブラインSL1の溝内に食み出しスクライブラインSL1に噛み込んだ状態となる。
続いて、ホイールカッター10が既に形成されたスクライブラインSL1上に差し掛かった時点におけるホイール1と補助ローラ3とガラス基板4との接触状態について、図7及び図8の断面図により詳細に説明する。図7(a)及び図7(b)は図6におけるホイール1部の断面となる断面線B及び補助ローラ3部の断面となる断面線Cにおける断面図を其々示したものである。また、図8(a)及び図8(b)は、図7(a)及び図7(b)の状態より若干走査が進んだ時点における同じ位置での断面図を其々示したものである。なお図中矢印はホイール1及び補助ローラ3の回転方向を示している。
図7(a)に示す様に、既に形成されたスクライブラインSL1の部分においては、スクライブラインSL1の溝が形成されていることから、ホイール1とガラス基板4表面との接触面が小さくなり接触の弱い状態となる。その結果、ガラス基板4とホイール1との間の摩擦力は低下し、ガラス基板4により受けるホイール1を回転させる力は低下する。一方、図7(b)に示す様に、補助ローラ3については、スクライブラインSL1の溝内に食み出しスクライブラインSL1に噛み込んだ状態となる為、ガラス基板4と補助ローラ3との間の摩擦力は低下することなく補助ローラ3は回転を続ける。この補助ローラ3の回転によって駆動され、補助ローラ3と連動するホイール1についても、本来単独ではガラス基板4との摩擦力が低下して滑る可能性が高まっているのにも関わらず安定して回転を続けることができる。
また、図8(a)に示す様に、スクライブラインSL1の溝に入ったホイール1が溝から出る場合についても上方向へ力が加わる為、ガラス基板4とホイール1との間の摩擦力はさらに低下する。状況によってはホイール1はガラス基板4の表面より浮いてしまい全く摩擦力が働かなくなる場合もある。一方、図8(b)に示す様に、補助ローラ3についてはガラス基板4との接触面が弾性材からなる為、収縮していた弾性材が戻りガラス基板4との距離の変動を吸収してガラス基板4との接触を続ける。更に弾性材であることによりガラス基板4との摩擦力も大きいことから補助ローラ3の回転が止まることは無い。なお、本実施の形態1においては、補助ローラ3をホイール1よりも直径が大きなものを用いたことにより、少なくともホイール1がガラス基板4の表面より浮いてしまい全く摩擦力が働かなくなる場合についても確実にガラス基板4との接触を続けることが可能である。従って、ホイール1が溝から出た直後の様に、ホイール1が浮き上がるなど、極度にホイール1とガラス基板4間の摩擦力が低下する場合についても補助ローラ3と連動してホイール1は安定して回転を続けることができる。
以上の様にして、ホイールカッターが他のスクライブラインを跨ぐ場合の様に、ホイールカッターとガラス基板との接触状態が大きく変動する場合においても、弾性材よりなる補助ローラ3がガラス基板4との距離の変動を吸収し接触を続けることによりホイールカッター10が回転を続ける為、スクライブラインSL2に途切れを発生することが無くスクライブラインSL2を形成できる。
また、上記作用の説明は本実施の形態1の利点が顕著に発揮される他のスクライブラインを跨ぐ場合について行ったが、ガラス基板の表面状態の細かい変動に対しても、摩擦が大きく滑りにくい補助ローラが安定して回転を続けホイールの回転を補助することから、通常のスクライブ動作においてもホイールの滑りを生じることなくスクライブラインを安定して形成することができる。
また、実施の形態1のホイールカッターにおいては、切断傷を形成する役割をするホイールと別にホイールカッターの回転を行う役割をする補助ローラを備えている為、ホイールは切断傷を形成する役割を重視して、硬度が高いがガラス基板上を滑り易い材料である超硬合金としても、ホイールの回転は摩擦力が大きく安定して回転する補助ローラにより補助されることから、基板の切断性と安定性を両立したスクライブラインを形成できる。
以上の説明の様に、本実施の形態1のホイールカッター及び基板切断装置においては、基板に切断傷を形成するホイールと基板に傷を生じることなく基板と接触しながら回転しホイールの回転を補助する補助ローラを設け、それらが同軸に連結され連動する構成のホイールカッター、そのホイールカッターを用いた基板切断装置としたことにより、安定して基板切断のできるスクライブラインを形成できる。また、液晶表示装置用の基板の切断方法として、これらホイールカッター及び基板切断装置を用いることにより基板切断歩留りを向上することができる。
以上説明した本実施の形態1においては補助ローラにゴム材からなる弾性材を用いた。基板と密着し易く補助ローラを回転させる基板との間に生じる摩擦力が大きい、更に基板と接触時にも基板表面に傷を生じない特徴があれば、ゴム材に限られず例えばウレタン、ビニール、アクリル、ナイロンなど様々な弾性材が適用可能である。
実施の形態2.
以上説明した実施の形態1においては補助ローラに弾性材を用いた。基板と密着し易く補助ローラを回転させる基板との間に生じる摩擦力が大きい、更に基板と接触時にも基板表面に傷を生じない特徴があれば例えば表面が平滑な金属などの剛性材を用いても良い。そこで、補助ローラについて剛性材で構成する様に変形した実施の形態2について説明する。本実施の形態2では、ホイールカッターの構成のみが実施の形態1と異なるが、このホイールカッター以外の部分における基板切断装置の構成などは実施の形態1と同様である為、説明を省略する。なお、ここでいう剛性材とは、金属の塊などの様に外力による変形がしにくく、しなったり、ねじれたりしにくい特性を示し、ホイールカッターに通常印加される圧力範囲では変形が無視でき、いわゆる剛体として扱うことができる材料を意味し、以下も同様の定義にて使用する。
先ず、図9は本発明の実施の形態2おけるホイールカッターの概略図である。以下、このホイールカッターの構成について図9を用いて説明する。図9(a)は本実施の形態2のホイールカッターの正面図、図9(b)は側面図を示したものである。図に示す様に、このホイールカッター20は、基板に基板分断の起点となる切断傷を形成するホイール11と、ホイール11の両側に軸12により同軸に連結され、ホイール11と連動することによりホイール11の回転を補助する補助ローラ13より構成されている。また、補助ローラ13の直径をホイール11よりも小さく、図中に示す様にホイール11の補助ローラ13からの突出量がGとなる様に設定した。
本実施の形態2おけるホイールカッター20における補助ローラ13は、材料として、剛性材である金属、例えばステンレスにより構成した。また、ガラス基板4との接触による摩擦力を高める為に、補助ローラ13の幅を少なくともホイール11の幅よりも太くなる様に比較的太めに設定した。またガラス基板4との接触面となる補助ローラ13の表面は平滑なものとしガラス基板4と密着でき傷を生じないものとした。以上の構成とすることにより補助ローラ13はガラス基板4と密着し易く、接触するガラス基板4との摩擦力が大きいことによりガラス基板4上を滑ることなく接触しながら回転できる。更にガラス基板4との接触時にもガラス基板4の表面に傷を生じない。
続いて、以上の様な構成の本実施の形態2のホイールカッターの作用について、このホイールカッター以外の部分における構成を実施の形態1と同様にした基板切断装置を用いたスクライブ動作により詳細に説明する。ここでも、実施の形態1における作用説明と同様に本実施の形態2のホイールカッターによる利点が顕著に発揮される他のスクライブラインを跨ぐ場合における作用について図10の概念図を用いて説明する。図10は実施の形態1における図6に該当し、ホイールカッターが既に形成されたスクライブライン上に差し掛かった時点におけるガラス基板と走査ヘッド部との関係を示した図である。
図10に示す様に、図9を用い説明したホイールカッター20が図6と同様に取付け部6を介して支持部7に取付けられ走査ヘッド部60を構成している。また、図よりホイールカッター20がスクライブラインSL2を形成しながら既に形成されたスクライブラインSL1上に跨った状態であることが判る。補助ローラ13は、ホイールカッター20がガラス基板4に押し付けられているが、剛性材により構成されることから変形することは無い。従って、ある程度以上の押圧でホイールカッター20を押し付けることにより、形成されるスクライブラインSL2の溝の深さはホイール11の補助ローラ13からの突出量Gにて略一定に安定して形成される。また逆にある程度以上の押圧であれば押圧に関わらずスクライブラインSL2の溝の深さが一定となり、溝が深くなりすぎてガラス基板4が割れてしまうことも無いことから、比較的強い押圧でホイールカッター20を押し付けることができる。
この様に強い押圧でホイールカッター20を押し付けることにより補助ローラ13とガラス基板4間の接触による摩擦力を大きくすることができ、その結果、補助ローラ13はガラス基板4上で滑りを発生し難く安定して回転を続けることができる。同様に補助ローラ13がスクライブラインSL1上に跨った状態であってもホイール11を単独で用いるのに比べて摩擦力が格段に大きい為、滑りを生じ難い。また、スクライブラインSL1の溝に入ったホイール11が溝から出る場合については、実施の形態1においても説明した様に上方向へ力が加わる。この場合、本実施の形態2の補助ローラ13については、剛性材により構成されることから弾性変形を伴わず、状況によってはホイール11と同様にガラス基板4の表面より浮いてしまい全く摩擦力が働かなくなる場合もあり得る。然しながら、本実施の形態2においては、比較的強くホイールカッター20を押し付けることができる為に、上記の様な浮きの発生自体が起こり難くい。また、たとえ浮きを生じた場合にも、その後、ガラス基板4上に戻り接触を開始した際には、摩擦力についてホイール11単独の場合より確実に大きくなる。従って、滑りについては起こりにくく、補助ローラ13及びホイール11は即座に回転を開始する。この様にしてスクライブラインSL2の不具合を最小限に抑えることができる。
また、本実施の形態2のホイールカッター及び基板切断装置においては、補助ローラ13が剛性材により構成されており変形することが無く、耐久性が高い。
以上の様に本実施の形態2のホイールカッター及び基板切断装置においても、実施の形態1と同様に基板に切断傷を形成するホイールと基板に傷を生じることなく基板と接触しながら回転しホイールの回転を補助する補助ローラを設け、それらが同軸に連結され連動する構成のホイールカッター、そのホイールカッターを用いた基板切断装置としたことにより、安定して基板切断のできるスクライブラインを形成できる。また、液晶表示装置用の基板の切断方法として、これらホイールカッター及び基板切断装置を用いることにより実施の形態1と同様に基板切断歩留りを向上することができる。
以上説明した本実施の形態2においては補助ローラを金属であるステンレスからなる剛性材を用いた。ステンレスなどの金属と同様に変形、しなり、或いはねじれの生じ難い材料であれば、金属に限られず例えば強化プラスチック或いはセラミック材料など様々な剛性材が適用可能である。
実施の形態3.
続いて、実施の形態1の弾性材よりなる補助ローラにおいて、一部を実施の形態2の剛性材に置き換えた構成に変形した実施の形態3について説明する。なお、本実施の形態3では、ホイールカッターの構成のみが実施の形態1と異なるが、このホイールカッター以外の部分における基板切断装置の構成などは実施の形態1と同様である為、説明を省略する。
先ず、図11は本発明の実施の形態3におけるホイールカッターの概略図である。以下、このホイールカッターの構成について図11を用いて説明する。図11(a)は本実施の形態2のホイールカッターの正面図、図11(b)は側面図を示したものである。図に示す様に、このホイールカッター30は、基板に基板分断の起点となる切断傷を形成するホイール21と、ホイール21の両側に軸22により同軸に連結され、ホイール21と連動することによりホイール21の回転を補助する補助ローラ23より構成されている。
更に、図に示す様に本実施の形態3おけるホイールカッター30における補助ローラ23は、基板との接触面となる表面部23aについては弾性材であるゴム材により構成され、それ以外の部分である基部23bについては剛性材である金属、例えばステンレスにより構成されている。また、補助ローラ23の直径は実施の形態1と同様にホイール21よりも大きくなる様に設定した。
続いて、以上の様な構成の本実施の形態3のホイールカッターの作用について、このホイールカッター以外の部分における構成を実施の形態1と同様にした基板切断装置を用いたスクライブ動作により詳細に説明する。本実施の形態3におけるホイールカッター30においては、実施の形態1と同様に補助ローラ23についてはガラス基板との接触面である表面部23aが弾性材からなる為、ホイールカッターとガラス基板との接触状態が変動する場合においても、弾性材がガラス基板との距離の変動を吸収し接触を続けることができる。更にガラス基板との間の摩擦力も大きいことから補助ローラ23の回転が止まることがなく、補助ローラ23と連動してホイール21も安定して回転を続けることができる。なお、本実施の形態3においても、実施の形態1と同様に補助ローラ23をホイール21よりも直径が大きなものを用いたことにより、少なくともホイール21がガラス基板の表面より浮いてしまい全く摩擦力が働かなくなる場合についても確実にガラス基板との接触を続けることが可能である。以上の様にして、本実施の形態3においても、補助ローラの基板との接触面が弾性材からなることによる実施の形態1の効果と同様の効果を得ることができる。また、補助ローラ23の基部23bが剛性材により構成されており変形することが無いことから、全て変形可能な弾性材により構成されるのに比べ補助ローラ23の全体の形状が歪み難く耐久性が向上する。また、ガラス基板に押し付けた場合における弾性材の圧縮率についても、全て変形可能な弾性材により構成されるのに比べて大きくなる。これにより弾性材による反発力も上がることからガラス基板と補助ローラ23との摩擦力を大きくすることが可能である。以上の理由により、本実施の形態3の補助ローラ23は実施の形態1よりも滑りを生じ難く更に安定した回転を得ることができる。
以上の様に本実施の形態3のホイールカッター及び基板切断装置においても、実施の形態1と同様に基板に切断傷を形成するホイールと基板に傷を生じることなく基板と接触しながら回転しホイールの回転を補助する補助ローラを設け、それらが同軸に連結され連動する構成のホイールカッター、そのホイールカッターを用いた基板切断装置としたことにより、安定して基板切断のできるスクライブラインを形成できる。また、液晶表示装置用の基板の切断方法として、これらホイールカッター及び基板切断装置を用いることにより実施の形態1と同様に基板切断歩留りを向上することができる。
以上、実施の形態1、2及び3においては、補助ローラを軸を介してホイールの近傍の両側に少し隙間を空けて配置する構成を一例として説明したが、補助ローラをホイールの片側にのみ配置したり、更に少し離れた位置に配置しても良い。また、逆に補助ローラをホイールと近接して、軸を用いずに隙間無く一体になる様に配置しても良い。これらの場合においてもホイールと同軸に配置してホイールと連動させることにより、ホイールの回転を補助するという実施の形態1、2及び3と同様の効果を得ることが可能である。但し、片側にのみ配置するよりも両側に配置する方が、基板への押し付け圧力が基板と垂直な方向に均等に掛かり、補助ローラの回転もホイールの回転も安定することから好ましい。
実施の形態1のホイールカッターの概略図である。 実施の形態1の基板切断装置の概略図である。 実施の形態1の基板切断装置の走査ヘッド部の概略図である。 実施の形態1のホイールカッターの動作中の状態を示す模式図である。 実施の形態1のホイールカッターの動作について説明する模式図である。 実施の形態1のホイールカッターの作用について説明する模式図である。 実施の形態1のホイールカッターの作用について説明する断面模式図である。 実施の形態1のホイールカッターの作用について説明する断面模式図である。 実施の形態2のホイールカッターの概略図である。 実施の形態2のホイールカッターの作用について説明する模式図である。 実施の形態3のホイールカッターの概略図である。 従来のホイールカッターの動作について説明する模式図である。
符号の説明
1、11、21 ホイール、3、13、23 補助ローラ、4 ガラス基板 、10、20、30 ホイールカッター、表面部23a、基部23b、100 基板切断装置、SL、SL1、SL2 スクライブライン。

Claims (9)

  1. 液晶表示装置用基板の切断に用いるホイールカッターであって、前記基板に接触しながら回転し、該基板に切断傷を形成するホイールと、該ホイールと同軸に連結され、前記基板に傷を生じることなく該基板と接触しながら、前記基板との間に生じる摩擦力により回転し、該回転により前記ホイールが連動することにより該ホイールの回転を補助する補助ローラとを備えていることを特徴とするホイールカッター。
  2. 補助ローラはホイールの両側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のホイールカッター。
  3. 補助ローラは基板との接触面が該基板よりも柔らかい材料より構成されることを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載のホイールカッター。
  4. 補助ローラを構成する材料は、弾性材よりなることを特徴とする請求項3に記載のホイールカッター。
  5. 補助ローラはホイールよりも直径が大きいことを特徴とする請求項4に記載のホイールカッター。
  6. 補助ローラは基板との接触面が該基板より柔らかい材料より構成され、その他の部分は剛性材より構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のホイールカッター。
  7. 補助ローラは剛性材より構成され、平滑な基板との接触面を持つことを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載のホイールカッター。
  8. 請求項1〜請求項7の何れかに記載のホイールカッターを用いたことを特徴とする基板切断装置。
  9. 請求項8の基板切断装置を用いたことを特徴とする液晶表示装置用基板の切断方法。
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