JP2009092474A - 成形品のバリ検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検査成形品の外周部に生じた微小なバリを正確に検出して成形品の良否を判定できるとともに、被検査成形品に対する汎用性が高いバリ検出方法を提供する。
【解決手段】成形品のバリ検出方法は、被検査成形品2のバリ21aを有するV形溝の山部21を、山部21を照らす平行光透過照明器1に対向して山部21の接線方向に配置されたカメラ3によって被検査成形品2を回転させながら複数箇所において連続的に撮影し、撮影した複数の画像に処理を施してバリ21aを検出するものである。この処理は、連続的に撮影した複数の画像の中から、二つの画像を選択して比較し、この二つの画像を重ねたときの明るさが異なる部分の大きさを用いてバリ21aの有無を判定する。
【選択図】図2
【解決手段】成形品のバリ検出方法は、被検査成形品2のバリ21aを有するV形溝の山部21を、山部21を照らす平行光透過照明器1に対向して山部21の接線方向に配置されたカメラ3によって被検査成形品2を回転させながら複数箇所において連続的に撮影し、撮影した複数の画像に処理を施してバリ21aを検出するものである。この処理は、連続的に撮影した複数の画像の中から、二つの画像を選択して比較し、この二つの画像を重ねたときの明るさが異なる部分の大きさを用いてバリ21aの有無を判定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、被検査成形品の外周部に生じたバリを検出する検出方法に関するものである。
従来、被検査成形品の外周部に生じたバリを検査する方法として、例えば特許文献1に記載の方法が知られている。特許文献1に記載の方法は、被検査成形品であるOリングをその周面方向に回動させ、所定回動角度ごとにOリングの全外周を撮影カメラにより撮影し、撮影した各画像を画像処理して外バリの長さを測定するものである。さらに、この画像処理では、撮影カメラのエリアセンサにより画像のY方向にスキャンを行い成形品自体の形状を黒点の分布として捉え、次にX方向の縦スキャンを行いバリの頂点から根元までを黒点の分布として捉える。このように検出した成形品自体の形状とバリの形状とを測定して、予め用意した良否基準よりもバリの長さが長いときは不良品と判定し、短いときは良品と判定する。
また、他に、成形品の外周面に形成されたバリを検出する方法として図6に示すものが従来からよく知られている。このバリ検出方法は、被検査成形品にゲージを接触させた状態で被検査成形品を動かし、このときに検出されるゲージの変位量を用いて被検査製品の外周部に生じているバリを検出する方法である。
図6に示すように、この検出方法では、まず、被検査成形品の一例であるプーリ100を回転可能に設置し、プーリ100の外周部の形状に合わせて製作したゲージ101をプーリ100の外周部のV形溝に密着するように噛み合わせて設置するとともに、ゲージ101の径方向の変位量を測定できる変位計102を用意する。この状態でプーリ100を回転させると、ゲージ101はプーリ100のバリが形成されている部位に噛み合った時に径方向にずれるように変位する。この変位によるずれ量が変位計102によって検出され、このずれ量が所定量よりも大きいと、被検査成形品を不良品と判定し、逆に小さいと良品と判定することができる。
なお、出願人は、図6を用いて説明した上記成形品のバリ検出方法を開示した先行技術文献の所在を知らない。
特開平11−201739号公報
しかしながら、特許文献1に示す方法は、所定角度ごとに成形品の外周部を撮影するため、外周部の周方向に比較的広い範囲で形成されているバリの検出には適しているが、微小なバリについては正確に撮影することができない場合がある。
また、図6を用いて説明した上記方法では、実際にはバリの発生箇所やバリの形状によって、あるいは回転することによる被検査成形品の振れ等の発生によって、変位計の計測値がばらつくため、そのバリが良品の規格値内にあるか否かの判定が正確でないという問題があった。また、被検査成形品にゲージを接触させてバリを検出する方法のため、被検査成形品に傷等がついてしまう、また被検査成形品に適合するゲージを成形品ごとに準備する必要がある、等の問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検査成形品の外周部に生じた微小なバリを正確に検出して成形品の良否を判定できるとともに、被検査成形品に対する汎用性が高いバリ検出方法を提供することにある。
上記目的を達成するために以下に記載の技術的手段を採用する。第1の発明は、被検査成形品(2)のバリ(21a)を有する外周部(21)を照明装置(1)で照らし、照明装置(1)に対して被検査成形品(2)を間に置いて向かい合うように外周部(21)の接線方向に配置された撮影カメラ(3)によって、被検査成形品(2)を回転させながらその外周部(21)を連続的に複数箇所撮影し、撮影した複数の画像に処理を施してバリ(21a)を検出する成形品のバリ検出方法の発明であって、
上記処理は、連続的に撮影した複数の画像の中から、二つの画像を選択して比較し、この二つの画像を重ねたときの明るさが異なる部分の大きさを用いてバリ(21a)の有無を判定することを特徴としている。
上記処理は、連続的に撮影した複数の画像の中から、二つの画像を選択して比較し、この二つの画像を重ねたときの明るさが異なる部分の大きさを用いてバリ(21a)の有無を判定することを特徴としている。
この発明によれば、被検査成形品を回転させながら連続的に撮影した複数の画像の中から選択された二つの画像を比較することによりバリの有無を検出するので、検出したいバリが写っている画像とバリが全く写っていない比較的近隣の正常状態の画像とを比較することが可能であり、予め用意したバリのない正常画像と個々のサンプリングされた画像とを比較する場合と違って、回転による被検査成形品の振れの影響をキャンセルした正確なバリ検出を実行できる。したがって、被検査成形品の外周部に生じた微小なバリを正確に検出して成形品の良否を判定でき、さらに被検査成形品の大きさや形状にかかわらず汎用性、柔軟性の高いバリ検出方法を提供することができる。
また、上記連続的に撮影した複数の画像の中から比較される画像の組み合わせは、検出したい高さを有するバリ(21a)が撮影される直前の画像から検出したいバリ(21a)の断面形状が撮影される画像までの間に撮影された画像数と同じ画像数を間に挟んだ前後の画像とすることが好ましい。
この発明によれば、被検査成形品の回転による振れ幅が全周において比較的小さくゆるやかに変化する場合であっても、被検査成形品の外周部におけるバリのない正常な部分とバリが残っている部分との比較をより確実に実行することができ、バリ残り部分の検出精度をさらに向上することができる。
また、撮影カメラ(3)はテレセントリック光学系のレンズを備えていることが好ましい。この発明によれば、画像の中心部および周辺部において視差による画像のゆがみを抑制できるので、精度の高い上記画像処理を実施することができる。さらに被検査成形品(2)が外周部(21)にV形溝が形成されたクラッチのプーリである場合には、上記画像のゆがみ抑制効果がV形溝のような複雑な断面形状において顕著に発揮され、精度の高い上記画像処理を実施することができる。
また、照明装置(1)は外周部(21)に対して平行光透過照明を供給することが好ましい。この発明によれば、外周部を構成する壁面の裏側に回りこむ光の減少が図られ、複雑な断面形状の外周部であっても正確に撮像することができる。さらに被検査成形品(2)が外周部(21)にV形溝が形成されたクラッチのプーリである場合には、V形溝壁面に回りこむ光の減少が図られ、被検査成形品の外周部断面形状の輪郭が明確となり、精度の高い上記画像処理を実施することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の一実施例である第1実施形態について図1〜図5を用いて説明する。本実施形態は、成形品の外周部に発生するバリによる外周部断面形状の周方向変化に着目し、被検査成形品を所定角度ずつ回転させて外周部の断面形状を連続的に撮影し、撮影された画像に特有の画像処理を施すことにより、精度の高いバリ検出を実現するものである。
図1は本実施形態に係るバリ検出装置の概略構成を示した斜視図である。図1に示すように、バリ検出装置は、製品回転機構5によって回転可能に設置された被検査成形品2と、被検査成形品2の外周部に対して照明を供給する照明装置と、被検査成形品2を間に置いて照明装置に対向して外周部の接線方向に配置された撮影用のカメラ3と、カメラ3により撮影された画像に処理を施す画像処理装置4とを備えている。
被検査成形品2は、成形された外周部にバリが発生し得る成形品であり、回転されることにより、外周部の接線方向から撮影するカメラ3に一定の形状が映し出されるような回転体である。この回転体は、回転される軸を備える球体状物体、円筒状物体等である。被検査成形品2はその外周部が成形により形成されていればよく、必ずしもその全体が成形により形成されている必要はない。被検査成形品2は、バリが発生する成形品、例えば樹脂材、ゴム材の製品であれば検査することができる。
本実施形態では被検査成形品2の一例として外周部にV形溝が形成されているプーリを用いて以下に説明する。プーリは、電磁クラッチに備えられる部品であり、Vベルトと噛み合うって回転することで、Vベルトを介してエンジン駆動力をコンプレッサに伝達する。この電磁クラッチは、特にカーエアコンに用いられる場合には燃費向上の観点から軽量化が求められている。このため、プーリは軽量化、強度、耐食性等の面から熱硬化性樹脂を材料として成形される。
プーリの成形方法としては圧縮成形が用いられ、また安定的にV形溝が成形できるように必要樹脂重量より2〜3%多めで計量して成形を行っている。したがって、過重量分の樹脂は金型の合わせ面にバリとして押し出され、成形上、合わせ面が設けられるV形溝の外周面にバリが現れることになる。合わせ型は通常プーリをその半径方向両側から挟むように合わされるため、合わせ面に発生するバリはV形溝の山部21(外周部)に2箇所形成され、周方向に直交するV形溝の幅全域に微小な凸条部として形成される。
このように発生したバリは、V形溝と噛み合うVベルトに損傷を与える可能性があるので、製品設計上外周面からの高さを0.1mm以下に抑えることが求められ、これを超えるバリについてはワイヤーカットによるバリ取りが行われている。
このバリの検出には、検査作業員による全数の目視検査を実行することがあるが、バリは平滑面でない複雑なV形溝の表面に発生するので、検査作業員への負担が大きく非効率であるため、非接触方式で正確に検出できる本実施形態の検出方法が求められている。
カメラ3は、光電変換と走査の機能を備えた種々のタイプを使用することができる。カメラ3はレンズと固体映像装置を備えた高解像度カメラであり、固体映像装置にはエリアセンサが用いられている。
成形品のバリが良品であるか否かの判定にはバリ高さを正確に計測する必要があり、そのためにはV形溝の断面(山部21の断面)シルエットの正確な撮像が不可欠である。レンズには、画像処理分野で一般的に使用されているCCTVレンズを用いることができるが、山部21(外周部)の断面シルエットの正確な撮像を得るため、より好ましくはテレセントリック光学系のレンズを使用する。このテレセントリック光学系のレンズを使用することにより、例えばプーリのV形溝等の幾何学的な複雑な形状を撮像する場合には、画像の中心部から周辺部に向かうにつれてV形溝壁面の写りこみが大きくなって発生する画像上のゆがみを抑制することができる。
これは、テレセントリック光学系のレンズにおいてはレンズの結像原理から画角がほぼゼロにできるので、画像の中心部とその周辺部ともに視差の影響がなくなり、画像上のV形溝壁面のゆがみがなくなるからである。またこの光学系のレンズは、画像周辺のゆがみの原因となる歪曲収差が小さく、撮像対象物との距離が変化しても像の大きさが変化しないという利点がある。
照明装置は、透過照明に一般的に使用される拡散光タイプの照明装置を用いることができるが、より好ましくは透過光の平行度を高めるために、拡散光等の透過照明の前にスリットを有する板を設けたり、平行光の透過照明を供給する平行光透過照明器1を用いたりするとよい。このように透過光の平行度を高めることにより、例えばプーリの幾何学的な複雑な形状のV形溝壁面への光の回りこみを抑制して、画像上の形状の鮮明度を向上することができる。
特に平行光透過照明器1は、被検査成形品2の外周部に平行度の高い透過光を供給する装置であり、さらにV形溝断面シルエットのエッジ付近の明度のシャープさを増して画像として取り込まれるV形溝断面形状の輪郭を明確にできる。以上のことから、本実施形態においてはテレセントリック光学系のレンズおよび平行光透過照明を使用することが好ましい。
画像処理装置4は、通常のコンピュータであり、カメラ3による画像データ信号に対して所定の処理を行い、バリ高さの良否を判定し、成形品が良品か否かを判定する。本実施形態においては、連続的に撮影した複数の画像の中から二つの画像を選択し、この選択した二つの画像を重ねたときの明るさが異なる部分の大きさを用いてバリ残りの有無を判定する。画像処理装置4は、内部に周知のCPU、ROM、RAM、I/O等が備えられている。ROMには画像処理装置4が実行するプログラムが書き込まれており、このプログラムにしたがってCPU等が所定の演算処理を実行する。画像処理装置4は、機能部として回転角度演算部、画像数算出部、画像比較部および判定部を備えている。
回転角度演算部は、検出したい高さを有するバリ(ここでは0.1mm以上のバリ)が撮影される直前の画像からこの検出したいバリの断面形状が撮影される画像までの間に被検査成形品2が回転した回転角度を演算する。画像数算出部は、回転角度演算部によって演算された回転角度の間に撮影される画像数を算出する。
画像比較部は、画像数算出部によって算出された画像数と同じ画像数を間に挟んだ前後の画像を、連続的に撮影された全ての画像の中から選択し、これら全ての組み合わせの画像を重ね合わせて比較し、明るさが異なる部分を明確にするように処理を実行する。例えば、画像数算出部が算出した画像数が5である場合は、画像比較部は撮影された画像の1枚目から順に、1枚目と7枚目の比較、2枚目と8枚目の比較、3枚目と9枚目の比較、というように比較可能な全ての組み合わせを算出しこれら全てについて重ね合わせの比較を行う。
判定部は、画像比較部が全ての組み合わせについて行った重ね合わせの比較によって明確にされた明るさの異なる部分の大きさを用いて、バリ残りの有無の判定を実行する。各重ね合わされた画像について、明るさの異なる部分の大きさが所定の判定規格値以上である場合には不良品レベルのバリ残り有りと判定し、所定の判定規格値より小さい場合にはバリ残りなしと判定する。そして、この判定結果に基づいてバリ残りが検出された不良品と検出されなかった良品はシューター等により別々に仕分けられ、不良品についてはバリ取り工程が実施される。
次に、上記構成のバリ検出装置によるバリ検出方法について説明する。各装置が図1に示すように設置された状態からバリ検出の各工程を開始する。図2は、バリ検出装置における平行光透過照明器1、被検査成形品2およびカメラ3の位置関係を模式的に示した平面図である。
まず図2に示すように、製品回動機構5を作動させて被検査成形品2を所定回転角度だけ回転させ、カメラ3で最初の撮影位置における被検査成形品2のV形溝の山部21(外周部)を撮影する。そして、カメラ3からの画像データ信号を画像処理装置4に取り込み、この信号に所定の処理を行うことにより測定された山部21の断面シルエット画像を記憶する。さらに、被検査成形品2を所定回転角度分回転させ、次の撮影位置の山部21を撮影し、前回と同様の処理を行い、画像処理装置4に山部21の断面シルエット画像を記憶する。
以上の撮影、処理、記憶は所定回転角度ずつ被検査成形品2を回転させながら連続的にその全周に亘って実施される。これらの画像取り込みが完了すると、次にバリ残り有無の判定処理を実施する。
金型合わせ面に発生するバリ残りは、例えば本実施形態のプーリにおいては図3に示すように高さが0.1mm以上の微小なものである。図3はプーリにおけるV形溝の山部21およびバリ21aの断面形状を示した断面図である。
連続的に撮影された複数の画像は、例えば図4の(a)〜(e)に示す画像群である。これらの画像に示すように、被検査成形品2を所定回転角度ずつ回転させて撮影すると、撮像画像は順に、(a)バリが見えない状態、(b)次第にバリが写り始める状態、(c)バリの断面が写った状態、(d)次第にバリが小さくなって写る状態、(e)バリが見えない状態、と変化していく。
これらの画像の中からバリが発生している部分のみを取り出すためには、予め登録しておいた正常状態のV形溝の形状(登録マスター形状)と各撮像画像とを比較してその差分量をバリ残りとして検出する方法がある。しかしながら、この方法では被検査成形品2を回転させたときに起こり得るわずかな検査対象物の振れの影響を受けるため、微小なバリ残り部分を正確に検出することができない。
出願人は、被検査成形品2の一例であるプーリの回転による振れが全周に亘ってゆるやかに変化し、バリの形状も外周部においてゆるやかに変化することを確認している。このため、短い画像間、つまり少ない画像間隔で画像比較を行うとバリが写っている画像同士の比較になってしまい、正確なバリ残り部分の検出が実施できない。よって、実際には、比較する画像同士の間(比較画像間の回転角度は6.15°)には31個程度の画像が存在するように所定回転角度(本実施形態では0.2°)を設定している。
ところで図4および図5では、実際には比較画像間に数十個の画像が存在するところを、説明の簡単化のため、1個の画像が存在する場合を例に挙げている。図4(a)〜(e)は、第1実施形態に係るバリ検出方法において所定回転角度ごとにカメラ3により撮影された被検査成形品の画像群を示した一例である。
以下に連続的に撮影された複数の画像を用いたバリ残り有無の判定処理について説明する。まず、画像処理装置4の回転角度演算部は、図3に示すバリ高さla(mm)とV形溝の溝角度20°とを用いた次式(1)により、バリの径方向の長さlb(mm)を算出する。
lb=la/sin20° …(式1)
ここで、バリ取り処理を行うべきバリ高さは0.1mm以上であるからla=0.1とすると、lb=0.1/sin20°=0.29(mm)が算出される。
ここで、バリ取り処理を行うべきバリ高さは0.1mm以上であるからla=0.1とすると、lb=0.1/sin20°=0.29(mm)が算出される。
さらに回転角度演算部は、0.1mm以上の高さを有するバリが撮影される直前の画像からこの検出したいバリの断面形状が撮影される画像までの間に被検査成形品2が回転した回転角度θbを演算する。図2は、バリ21aが撮影される直前の状態を示している。この状態からさらに被検査成形品2が回転角度θb回転して、バリ21aがPB点に位置する状態になったときに検出したいバリ21aの断面形状が撮影されることになる。
図2に示すPA点およびPB点の関係と図3とから次式(2)が成立する。
cosθb=rwk/(rwk+lb) …(式2)
なお、rwkは被検査成形品2の半径である。
なお、rwkは被検査成形品2の半径である。
したがって、回転角度θbは、θb=cos−1{rwk/(rwk+lb)}を用いて演算される。
ここで、例えばrwk=50(mm)とすると、
θb=cos−1{50/(50+0.29)}により、回転角度θbは6.15°と演算される。
θb=cos−1{50/(50+0.29)}により、回転角度θbは6.15°と演算される。
そして、この演算により、被検査成形品2の振れの影響による画像変化量CVは、次式(3)によって求めることができる。
CV=振れ規格値Max×θb/360(°) …(式3)
=0.25(mm)×6.15(°)/360(°)=0.004(mm)
この0.004mmは検出精度0.02mmの1/5であるので、被検査成形品2の振れの影響を十分にキャンセルすることができる。
=0.25(mm)×6.15(°)/360(°)=0.004(mm)
この0.004mmは検出精度0.02mmの1/5であるので、被検査成形品2の振れの影響を十分にキャンセルすることができる。
次に画像数算出部は、被検査成形品2が回転角度θb分回転する間に撮影される画像数を算出する。この画像数は、上述のように便宜上、図4で説明すると1個である。図4の各画像を図2の各撮影位置に当てはめて説明すると、(a)はバリ21aがPA点の位置にあるときの画像であり、(b)はバリ21aがPA点とPB点の間にあるときの画像であり、(c)はバリ21aがPB点の位置にあるとき画像であり、(d)はバリ21aがPB点とPC点の間にあるときの画像であり、(e)はバリ21aがPC点の位置にあるときの画像である。
次に画像比較部は、画像数算出部によって算出された1個の画像数と同じ画像数を間に挟んだ前後の画像を、撮影された全ての画像の中から選択して重ね合わせて比較し、明るさが異なる部分を明確にする。図4では、最初に撮影された画像(a)から順に、画像(a)と画像(c)の比較、画像(b)と画像(d)の比較、画像(c)と画像(e)の比較をそれぞれ行う。各組み合わせについて、比較対象画像の重ね合わせを実施し、明るさが異なる部分を明示する。図5は画像(a)と画像(c)とを重ね合わせて比較したものであり、明るさが異なる部分を斜線部で明示している。
判定部は、画像比較部が重ね合わせの比較を行って明確にした明るさの異なる部分の大きさ、例えば図5に示す斜線部が所定の判定規格値以上(本実施形態では0.1mm以上)である場合には不良品レベルのバリ残り有りと判定し、逆に所定の判定規格値より小さい場合にはバリ残りなしと判定する。判定部は、この判定を全ての比較対象について実行する。この判定結果に基づいて検出された不良品は、後でバリ取り工程が実施され、バリ残りのない良品となる。
本実施形態に係る成形品のバリ検出方法は、被検査成形品2のバリ21aを有するV形溝の山部21を、山部21を照らす平行光透過照明器1に対向して山部21の接線方向に配置されたカメラ3によって被検査成形品2を回転させながら複数箇所において連続的に撮影し、撮影した複数の画像に処理を施してバリ21aを検出するものである。上記処理は、連続的に撮影した複数の画像の中から、二つの画像を選択して比較し、この二つの画像を重ねたときの明るさが異なる部分の大きさを用いてバリ21aの有無を判定する。
この方法によれば、検出したいバリ21aが写っている画像とバリが全く写っていない比較的近隣の正常状態の画像とを比較することが可能となる。したがって、撮影された画像同士の相対的な比較により、被検査成形品の回転による振れの影響をキャンセルでき、バリ残り部分の正確な抽出を実施できる。また、非接触の検出方法であり、光学系の撮影機器により撮影するため、被検査成形品の形状や大きさにかかわらず、汎用性の高い検査アルゴリズムを提供できる。
また、画像処理装置4は、検出したい高さを有するバリ21aが撮影される直前の画像から検出したいバリ21aの断面形状が撮影される画像までの間に被検査成形品2が回転した回転角度θbを演算し、この回転角度θbの間に撮影される画像数と同じ画像数を間に挟んだ前後の画像を比較する。
この方法によれば、被検査成形品2の回転による振れ幅が全周において比較的小さくゆるやかに変化する場合であっても、外周部21におけるバリのない正常な部分とバリ21aが残っている部分との比較をより確実に実行することができ、バリ残り検出精度の向上が図れる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、被検査成形品の外周部を照らす照明装置として平行光透過照明器1を用いているが、画像処理される上記外周部の断面形状が上記比較処理の可能なレベルの鮮明度を有するものであれば、この照明器に限定するものではない。
1…平行光透過照明器(照明装置)
2…被検査成形品
3…カメラ(撮影カメラ)
21…山部(外周部)
21a…バリ
2…被検査成形品
3…カメラ(撮影カメラ)
21…山部(外周部)
21a…バリ
Claims (5)
- 被検査成形品(2)のバリ(21a)を有する外周部(21)を照明装置(1)で照らし、前記照明装置(1)に対して前記被検査成形品(2)を間に置いて向かい合うように前記外周部(21)の接線方向に配置された撮影カメラ(3)によって、前記被検査成形品(2)を回転させながら前記外周部(21)を連続的に複数箇所撮影し、前記撮影した複数の画像に処理を施して前記バリ(21a)を検出する成形品のバリ検出方法であって、
前記処理は、前記連続的に撮影した複数の画像の中から、二つの画像を選択し、前記二つの画像を重ねて比較したときの明るさが異なる部分の大きさを用いて前記バリ(21a)の有無を判定することを特徴とする成形品のバリ検出方法。 - 前記連続的に撮影した複数の画像の中から比較される画像の組み合わせは、検出したい高さを有するバリ(21a)が撮影される直前の画像から検出したいバリ(21a)の断面形状が撮影される画像までの間に撮影された画像数と同じ画像数を間に挟んだ前後の画像であることを特徴とする請求項1に記載の成形品のバリ検出方法。
- 前記撮影カメラ(3)はテレセントリック光学系のレンズを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の成形品のバリ検出方法。
- 前記照明装置(1)は平行光透過照明を供給することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の成形品のバリ検出方法。
- 前記被検査成形品(2)は、前記外周部(21)にV形溝が形成されたクラッチのプーリであることを特徴とする請求項3または4に記載の成形品のバリ検出方法。
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