JP2009089733A - 飲料抽出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、成分抽出動作が繰り返し実施される場合に成分濃度を一定にでき、抽出水の成分濃度のばらつきを抑えることができる飲料抽出装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】成分抽出制御部583は、濃度調整動作として、成分抽出動作を実施する際に初回の成分抽出動作であるか否かを判定し、2回目以降の成分抽出動作であると判定した場合に、成分抽出動作の実施時間を初回の第1抽出設定時間よりも短い第2抽出設定時間とする。第2抽出設定時間は、予め実験的に求められた成分抽出動作の実施時間であり、希釈水を原水として成分抽出動作を実施した場合に、初回の成分抽出動作と等しい成分濃度を得られる時間である。
【選択図】図11
【解決手段】成分抽出制御部583は、濃度調整動作として、成分抽出動作を実施する際に初回の成分抽出動作であるか否かを判定し、2回目以降の成分抽出動作であると判定した場合に、成分抽出動作の実施時間を初回の第1抽出設定時間よりも短い第2抽出設定時間とする。第2抽出設定時間は、予め実験的に求められた成分抽出動作の実施時間であり、希釈水を原水として成分抽出動作を実施した場合に、初回の成分抽出動作と等しい成分濃度を得られる時間である。
【選択図】図11
Description
この発明は、例えば薬草、山野草、及び茶葉等の被抽出物の成分を抽出し飲料を生成する飲料抽出装置に関するものである。
従来用いられているこの種の飲料抽出装置は、被抽出物を収納したフィルターバッグに熱水を通すことで、飲料用の有効成分を被抽出物から抽出し抽出水を得ている。そして、フィルターバッグに抽出水を再び通すことで抽出水の成分濃度を高め、この抽出水の循環を繰り返すことで、所望濃度の抽出水を得ている(例えば特許文献1,2参照)。
また、高濃度の濃縮抽出水を貯湯タンクに貯めておき、この濃縮抽出水をコップ等に注ぎ出す際に希釈するものも提案されている(例えば特許文献2〜5参照)。
さらに、大量に抽出した抽出水の劣化度を計測し、劣化度が基準値を超えた場合に抽出水を廃棄するものも提案されている(例えば特許文献6,7参照)。
また、高濃度の濃縮抽出水を貯湯タンクに貯めておき、この濃縮抽出水をコップ等に注ぎ出す際に希釈するものも提案されている(例えば特許文献2〜5参照)。
さらに、大量に抽出した抽出水の劣化度を計測し、劣化度が基準値を超えた場合に抽出水を廃棄するものも提案されている(例えば特許文献6,7参照)。
いずれの従来装置においても、抽出水の注出が複数回行われ、貯湯タンクの抽出水が下限水位まで減ると、貯湯タンクに水が注ぎ足されて、成分抽出動作が改めて行われる。しかしながら、貯湯タンクには抽出水が残っているので、抽出水を希釈した希釈水が成分抽出動作に用いられることになり、初回と同じ条件で成分抽出動作を実施すると、初回に比べて抽出水の成分濃度が高く(濃く)なってしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、成分抽出動作が繰り返し実施される場合に成分濃度を一定にでき、抽出水の成分濃度のばらつきを抑えることができる飲料抽出装置を提供することである。
この発明に係る飲料抽出装置は、改めて貯湯タンクに水が供給される場合に、貯湯タンク内の抽出水の残量、又は前記貯湯タンクへの給水量に応じて、抽出水の成分濃度を一定にするための濃度調整動作を行う濃度調整手段を備える。
また、濃度調整手段は、濃度調整動作として、2回目以降の成分抽出動作の実施時間を初回の成分抽出動作の実施時間よりも短くする成分抽出制御部を含む。
さらに、濃度調整手段は、濃度調整動作として、2回目以降の貯湯タンクへの給水を行う際に、初回と同量の水を貯湯タンクに供給する給水制御部を含む。
さらにまた、貯湯タンクに供給される初回の水量には、貯湯タンクから注ぎ出される第1水量と、濃度調整動作が実施される際に貯湯タンクに残る第2水量とが含まれており、給水制御部は、改めて成分抽出動作が行われる前に第1水量の水を貯湯タンクに供給し、成分抽出動作が終了した後に第2水量の水を貯湯タンクに供給する。
また、濃度調整手段は、濃度調整動作として、2回目以降の貯湯タンクへの給水が行われる前に、貯湯タンクに残っている抽出水を排水する排水制御部を含む。
さらに、濃度調整手段は、濃度調整動作として、2回目以降の成分抽出動作が行われる場合に、被抽出物の量を、初回の被抽出物の量よりも少なくするように報知する報知制御部を含む。
さらにまた、被抽出物は、所定量ずつフィルターバッグに密封されており、報知制御部は、初回の成分抽出動作時に第1包数を報知し、2回目以降の成分抽出動作時に、第1包数よりも少ない第2包数を報知する。
さらに、濃度調整手段は、濃度調整動作として、2回目以降の貯湯タンクへの給水を行う際に、初回と同量の水を貯湯タンクに供給する給水制御部を含む。
さらにまた、貯湯タンクに供給される初回の水量には、貯湯タンクから注ぎ出される第1水量と、濃度調整動作が実施される際に貯湯タンクに残る第2水量とが含まれており、給水制御部は、改めて成分抽出動作が行われる前に第1水量の水を貯湯タンクに供給し、成分抽出動作が終了した後に第2水量の水を貯湯タンクに供給する。
また、濃度調整手段は、濃度調整動作として、2回目以降の貯湯タンクへの給水が行われる前に、貯湯タンクに残っている抽出水を排水する排水制御部を含む。
さらに、濃度調整手段は、濃度調整動作として、2回目以降の成分抽出動作が行われる場合に、被抽出物の量を、初回の被抽出物の量よりも少なくするように報知する報知制御部を含む。
さらにまた、被抽出物は、所定量ずつフィルターバッグに密封されており、報知制御部は、初回の成分抽出動作時に第1包数を報知し、2回目以降の成分抽出動作時に、第1包数よりも少ない第2包数を報知する。
この発明の飲料抽出装置によれば、濃度調整手段が、改めて貯湯タンクに水が供給される場合に、貯湯タンク内の抽出水の残量、又は前記貯湯タンクへの給水量に応じて、抽出水の成分濃度を一定にするための濃度調整動作を行うので、成分抽出動作が繰り返し実施される場合に成分濃度を一定にでき、抽出水の成分濃度のばらつきを抑えることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による飲料抽出装置の断面図である。図2は、図1の飲料抽出装置を示す正面図である。図1において、筐体10は、前面開口を有する箱形である。筐体10の前面上部には、筐体10の前面開口を開閉するドア体36と、ドア体36の開閉状態を検出するドアスイッチ56(図2参照)とが取り付けられている。ドア体36には、利用者によって操作される操作盤37が取り付けられている。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による飲料抽出装置の断面図である。図2は、図1の飲料抽出装置を示す正面図である。図1において、筐体10は、前面開口を有する箱形である。筐体10の前面上部には、筐体10の前面開口を開閉するドア体36と、ドア体36の開閉状態を検出するドアスイッチ56(図2参照)とが取り付けられている。ドア体36には、利用者によって操作される操作盤37が取り付けられている。
筐体10の前面下部には、断面L字状の受皿25が取り付けられている。この受皿25の上部には、断面コ字状の載置台26が配置されている。載置台26は、利用者がコップ等を置くためのものである。載置台26の上方には、出口管43が配置されている。利用者による操作盤37の操作に応じて、この出口管43から載置台26上のコップ等に飲料が注がれる。この載置台26の上面には、複数の開口26aが設けられている。受皿25は、例えばコップから溢れる等して開口26aから流れ落ちた飲料を受ける。筐体10の内部下側には、外部排水系(図示せず)に接続された排水本管23が設けられている。受皿25が受けた飲料は、排水本管23を通って外部排水系に排出される。
筐体10の背面上部には、外部水道系20が接続されている。この外部水道系20は、給水弁21及び給水管22を介して、筐体10内の金属製の貯湯タンク11に接続されている。貯湯タンク11は、上部開口の容器形状である。貯湯タンク11の上部開口は、タンク蓋体12によって覆われている。貯湯タンク11の底部11bの下面には、加熱手段であるヒータ17が密着固定されている。外部水道系20からの供給水は、ヒータ17により熱せられる。すなわち、貯湯タンク11内には、所定温度の熱水が貯められる。
筐体10の内部前側には、抽出室30が配置されている。貯湯タンク11の下部には、貯湯タンク11内の熱水を抽出室30に供給するための供給路200が接続されている。詳しく説明すると、供給路200は、排水管14、吸入管28、ポンプ27、及び吐出管29により構成されている。排水管14の一端は、貯湯タンク11の底部11bに接続されており、他端は排水弁24を介して排水本管23に接続されている。吸入管28は、排水弁24よりも貯湯タンク11側で排水管14から分岐された配管である。すなわち、貯湯タンク11内の熱水は、排水弁24が閉弁された状態でポンプ27が作動された場合に、排水管14、吸入管28、及び吐出管29を通って、抽出室30に供給される。
抽出室30は、底部を構成する底板30bと、側部を構成する前板30e、後板30a、及び側面板30c,30d(図2参照)とからなる上部開口の容器形状である。吐出管29は、抽出室30の底板30bに接続されている。抽出室30の後板30aの上端には、抽出室蓋体31の後端が回動可能に取り付けられている。抽出室蓋体31は、抽出室30の上部開口を開閉するものであり、抽出室蓋体31が後上方へ回動されることで開放される。この抽出室蓋体31は、抽出室30の上部を構成している。なお、図示はしないが、抽出室30の上部端面、又は抽出室蓋体31の下面には、パッキンが取り付けられており、抽出室30の上部開口からの蒸気洩れが防止される。
抽出室30の下部には、平板状の誘導部材32が配置されている。この誘導部材32は、吐出開口端29aから吐出された熱水を周囲の隙間に向けて分散させる。なお、図示はしないが、誘導部材32は、脚部を介して底板30b上に載置されてよい。また、誘導部材32は、後板30a、底板30b、側面板30c,30dの少なくとも1つに一体に設けられてもよい。
後に詳しく説明するが、誘導部材32の上部には、例えば薬草、山野草、及び茶葉等の被抽出物を収納したフィルターバッグや抽出容器が投入される。抽出室30に熱水が供給されることで、被抽出物が熱水に浸漬されて、被抽出物から飲料用の有効成分が抽出される。抽出室30の後板30aには、底板30bから所定寸法だけ立ち上がった位置に還流路15が接続されている。還流路15の他端は、貯湯タンク11の前板11cに接続されている。この還流路15は、被抽出物から成分を抽出した抽出水を貯湯タンク11に戻すための配管である。貯湯タンク11内に戻された抽出水は、再び抽出室30に供給される。この抽出水の循環である成分抽出動作が所定時間継続されることで、抽出水すなわち飲料の濃度調整が行われる。
なお、図2に示すように、還流路15は長穴形状にされている。つまり、還流路15は、後板30aの横幅全体に延在されており、開口面積ができるだけ広くされている。これは、循環水量を多くして抽出時間を短くするため、及びメンテナンスを容易にするためである。
図1に戻り、抽出室30は、貯湯タンク11の上限水位Aよりも上方に配置されている。すなわち、抽出室30は、抽出室30内に水が供給されているときに、抽出室30内の水面が貯湯タンク11内の水面よりも高くなる位置に配置されている。これにより、ポンプ27が停止されたときには、水面の差による圧力によって、抽出室30内の殆どの水が供給路200側に戻される。従って、ポンプ27が停止されると、被抽出物の浸漬が解除されて、成分抽出が終了される。
貯湯タンク11の前板11cの下限水位B付近には、注出管16が接続されている。注出管16は、注出弁42を介して出口管43に接続されている。すなわち、注出弁42が開弁されると、貯湯タンク11内の飲料が出口管43から注ぎ出される。
タンク蓋体12には、水温検知センサ18と、水位センサ19とが取り付けられている。水温検知センサ18は、貯湯タンク11内の水温を検知するためのセンサである。水位センサ19は、ステム19a、フロート19b、ストッパ19c、上限水位スイッチ19d、及び下限水位スイッチ19eを有している。ステム19aは、貯湯タンク11の高さ方向に沿って延在している。フロート19bは、ステム19aに案内されて貯湯タンク11内の水面とともに変位する。また、フロート19bは、図示はしないが磁石を内蔵している。ストッパ19cは、ステム19aの下部に取り付けられた板である。このストッパ19cは、フロート19bの下方への変位を規制するものである。上限及び下限水位スイッチ19d,19eは、上限水位A付近と下限水位B付近にそれぞれ配置されている。これら上限及び下限水位スイッチ19d,19eは、リードスイッチにより構成されている。すなわち、上限及び下限水位スイッチ19d,19eは、フロート19bが内蔵する磁石の磁力によりON,OFFされるスイッチである。上限及び下限水位スイッチ19d,19eは、貯湯タンク11内の水面が上限水位A又は下限水位Bに達したことを示す信号をそれぞれ出力する。
筐体10内の前側上部には、制御盤44が配置されている。制御盤44は、操作盤37、ドアスイッチ56(図2参照)、水温検知センサ18、及び水位センサ19からの信号に基づいて、給水弁21及び注出弁42の開閉とポンプ27の動作とを制御する。なお、制御盤44及び操作盤37の構成については、後に詳しく説明する。
貯湯タンク11の後板11aには、オーバーフロー管13の一端が接続されている。このオーバーフロー管13の一端は、上限水位Aよりも上方に配置されている。オーバーフロー管13の他端は、排水本管23に接続されている。オーバーフロー管13は、仮に水位センサ19、給水弁21、又は制御盤44に異常が生じて、上限水位Aを超える水が外部水道系20から供給された場合に、排水本管23を通して過剰な供給水を外部排水系に排出するための配管である。
次に、図3は、図1の抽出室30にフィルタ800が取り付けられた状態の飲料抽出装置の断面図である。図4は、図3の抽出室30を正面から見たときの断面図である。図において、抽出室30には、枠体800a及び網体800bからなるフィルタ800が取り付けられている。具体的には、フィルタ800は、抽出室30の上部開口端付近に設けられた掛け金具(図示せず)により吊り下げ固定されている。このフィルタ800は、被抽出物を収容するためのものである。網体800bは、枠体800aに固着された容器形状の金属網である。網体800bとしては、被抽出物が通過できない細かな網目のものが採用される。誘導部材32は、フィルタ800と抽出室30の底板30bとの間に配置されている。なお、フィルタ800は、吊り下げ固定でなく、誘導部材32上に載置してもよい。また、抽出室30の上部開口をフィルタ800により塞ぐようにするのが好ましい。
フィルタ800が抽出室30に取り付けられることで、抽出室30内に、網体800bの周囲の隙間と誘導部材32の下部の隙間とを含む直接連通部300と、網体800b内の空間であるフィルタ介在連通部310とが形成される。直接連通部300は、供給路200及び還流路15に直接連通する空間である。フィルタ介在連通部310は、フィルタ800を介して供給路200及び還流路15に連通する空間である。被抽出物は、このフィルタ介在連通部310内に収納される。
次に、図5は、図4のフィルタ介在連通部310内に被抽出物が収納された状態を示す説明図である。図6は、図5とは別の方法でフィルタ介在連通部310内に被抽出物を収納した例を示す説明図である。一般的に、被抽出物の形態は、粉体、葉体、根体、豆体など数多くある。そこで、フィルターバッグ802(図5参照)や、金属製の網体からなる抽出容器803(図6参照)を利用して、種々の形態の被抽出物を所定量ずつまとめて用いる。なお、抽出容器803は、下網体803aと上網体803bとから構成されている。図示はしないが、下網体803a及び上網体803bの開口端には、オス・メスのネジ体が設けられている。上網体803bは、上網体803bのネジ体が下網体803aのネジ体にねじ込まれることで、下網体803aに固定されている。すなわち、上網体803bは、下網体803aに回動係止されている。
次に、抽出室30内での水の流れについて説明する。図7は、図4の抽出室30を拡大して示す断面図である。図8は、図7の抽出室30を側方から見たときの断面図である。なお、図中の矢印は、水の流れを示している。図において、吐出開口端29aから吐出された水は、直接連通部300を通って還流路15に向かう。すなわち、吐出開口端29aから吐出された水は、誘導部材32に衝突し、誘導部材32に沿って水平方向全周囲(360°)に向かう。水平方向に流れを変えた水は、抽出室30の後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eに到達すると上方へ流れを変える。この後、誘導部材32と、後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eとの間の隙間を通るとともに、網体800bの周囲の隙間を通って還流路15に向かう。すなわち、誘導部材32は、網体800bと抽出室30との間の直接連通部300に水の流れを誘導する。還流路15に到達した水は、還流路15を通って貯湯タンク11に戻される。
このとき、直接連通部300を通る水の一部は、フィルタ800を抜けてフィルタ介在連通部310内に流入する。フィルタ介在連通部310内に水が流入されると、フィルターバッグ802や抽出容器803(図5,図6参照)内の被抽出物が浸漬されて、被抽出物の成分が抽出される。
ところで、直接連通部300を通る水の流れは、層流でなく、乱流状態である。このため、フィルタ介在連通部310への水の流入及びフィルタ介在連通部310からの流出が無数の箇所で行われる。これにより、フィルターバッグ802や抽出容器803内の被抽出物が乱流水中で揺動され、成分の抽出が促進される。なお、図示はしないが、乱流を促進するための凹凸を抽出室30の後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eに設けたり、突起程度の部材を後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eに固着させたりすれば、さらに好適である。
ここで、フィルターバッグ802に破れが生じたり、抽出容器803が開いたりして、フィルターバッグ802及び抽出容器803から被抽出物が流出したとする。まず、網体800bとして目が細かいものが採用されているので、被抽出物のフィルタ介在連通部310外への流出は防止される。これにより、飲料の混濁が防止される。次に、フィルタ介在連通部310への水の流入及び流出が無数の箇所で行われるので、網体800bへの被抽出物の吸着及び剥離が無数の箇所で行われる。これにより、網体800bの網目全体が完全に塞がれることが防止される。さらに、供給路200からの水は、直接連通部300を通って還流路15に向かうことができるので、万が一、被抽出物が軟化し膨潤する等して網体800bの網目全体が完全に塞がれたとしても、直接連通部300での流速が速くなるだけで、抽出室30の上部開口から水(熱水)が溢れ出ることは防止される。
次に、飲料抽出装置の制御系の構成について説明する。図9は、図1の操作盤37を示す正面図である。図において、操作盤37の前面には、第1運転ランプ38、準備中ランプ39、注出スイッチ40、表示パネル41が設けられている。第1運転ランプ38は、飲料抽出装置が運転状態であるか否かを示す表示ランプである。準備中ランプ39は、成分抽出動作が実施されている途中か否かを示す表示ランプである。注出スイッチ40は、載置台26(図1参照)上のコップ等に飲料を注ぐための操作スイッチである。
ここで、被抽出物の種類は、例えば薬草、山野草、及び茶葉等、数多くある。一般に、成分抽出は、それぞれの被抽出物に適した温度及び時間で行われる。表示パネル41としては、例えば液晶タッチパネル等が用いられ、利用者に被抽出物の種類を決定させるためのものである。すなわち、表示パネル41は、種類別に被抽出物の例を表示する。また、表示パネル41は、利用者により選択された被抽出物の種類を示す信号を出力する。
次に、図10は、図1の制御盤44を示す正面図である。制御盤44の前面には、電源スイッチ45、運転スイッチ46、第2運転ランプ47、抽出スイッチ48、抽出ランプ49、抽出温度設定手段50、抽出温度表示部51、抽出時間設定手段52、抽出時間表示部53、保存温度設定手段54、保存温度表示部55、注出時間設定手段59、及び注出時間表示部60が設けられている。
電源スイッチ45は、電源投入のための操作スイッチである。運転スイッチ46は、電源が投入された後に飲料抽出装置を運転状態にするための操作スイッチである。第2運転ランプ47は、第1運転ランプ38と連動して動作する表示ランプであり、飲料抽出装置が運転状態であるか否かを示す表示ランプである。
抽出スイッチ48は、抽出動作を開始させるための操作スイッチである。抽出ランプ49は、成分抽出動作が行われているか否かを示す表示ランプである。抽出温度設定手段50は、成分抽出の温度を手動で設定するための操作部であり、約40〜95℃の範囲で設定できる。抽出温度表示部51は、表示パネル41で選択された被抽出物に対応する抽出温度、又は抽出温度設定手段50で変更された抽出温度を表示する表示部である。抽出時間設定手段52は、成分抽出の時間を手動で設定するための操作部であり、数分〜数十分の範囲で設定できる。抽出時間表示部53は、表示パネル41で選択された被抽出物に対応する抽出時間、又は抽出時間設定手段52で変更された抽出時間を表示する表示部である。
保存温度設定手段54は、成分抽出後の飲料の保存温度を手動で設定するための操作部である。保存温度表示部55は、表示パネル41で選択された被抽出物に対応する保存温度、又は保存温度設定手段54で変更された保存温度を表示する表示部である。
注出時間設定手段59は、コップ等の大きさに応じて注出弁42(図1参照)の開弁時間を設定するための操作部である。注出時間表示部60は、注出時間設定手段59で設定された注出弁42の開弁時間を表示する表示部である。
次に、図11は、図10の制御盤44に内蔵されている制御装置58を示すブロック図である。図において、表示パネル41には、タッチパネル部分である種別設定操作部41aと、被抽出物の種類等の情報を表示する表示部41bとを有している。種別設定操作部41aは、利用者が被抽出物の種別を選択する際に用いる操作部である。制御装置58は、制御盤44に内蔵されている制御ユニットである。
制御装置58の入力側には、表示パネル41の種別設定操作部41a、電源スイッチ45、抽出温度設定手段50、抽出時間設定手段52、保存温度設定手段54、注出時間設定手段59、運転スイッチ46、上限水位スイッチ19d、水温検知センサ18、抽出スイッチ48、ドアスイッチ56、注出スイッチ40、及び下限水位スイッチ19eが接続されている。
制御装置58の出力側には、表示パネル41の表示部41b、第1運転ランプ38、第2運転ランプ47、抽出温度表示部51、抽出時間表示部53、保存温度表示部55、注出時間表示部60、準備中ランプ39、給水弁21、ヒータ17、抽出ランプ49、ポンプ27、及び注出弁42が接続されている。
図示はしないが、制御装置58は、プログラム等の情報を記憶しているメモリ、タイマ、及びマイクロコンピュータを有している。すなわち、制御装置58は、メモリの情報と、タイマの情報と、入力側から入力される情報とに基づいて、出力側の動作を制御する。この制御装置58には、設定処理部580、給水制御部581、加熱制御部582、成分抽出制御部583、及び注出・保存制御部584が設けられている。
設定処理部580は、電源スイッチ45がONされた場合に、設定処理動作を行う。すなわち、設定処理部580は、種別設定操作部41aが操作された際に、被抽出物の種類に応じた設定情報、すなわち抽出設定温度、抽出設定時間、及び保存設定温度をメモリから取得し決定する。また、設定処理部580は、メモリから取得した設定情報を抽出温度表示部51、抽出時間表示部53、及び保存温度表示部55にそれぞれ表示させる。さらに、設定処理部580は、メモリから取得し決定した設定情報を、利用者による抽出温度設定手段50、抽出時間設定手段52、及び保存温度設定手段54の操作に応じて変更する。
給水制御部581は、運転スイッチ46が操作された際に、給水動作を行う。すなわち、給水制御部581は、運転スイッチ46が操作された際に、第1及び第2運転ランプ38,47と準備中ランプ39とを点灯させる。また、給水制御部581は、給水弁21を開弁し、外部から貯湯タンク11に水を供給する。さらに、給水制御部581は、上限水位スイッチ19dがONした場合に、給水弁21を閉弁し、貯湯タンク11への給水を停止する。
加熱制御部582は、給水制御部581による給水動作が行われた後に、加熱動作を行う。すなわち、加熱制御部582は、水温検知センサ18により検知された水温が、設定処理部580により決定された抽出設定温度に達しているか否かを判定する。また、加熱制御部582は、抽出設定温度に達していなければヒータ17をONして、貯湯タンク11内の水を加熱する。さらに、加熱制御部582は、水温検知センサ18により検知された水温が抽出設定温度に達していると判定した場合に、ヒータ17をOFFして、貯湯タンク11内の水の加熱を終了する。
成分抽出制御部583は、加熱制御部582による加熱動作が終了されるとともに、抽出スイッチ48がONされた場合に、成分抽出動作を行う。すなわち、成分抽出制御部583は、抽出スイッチ48がONされた場合に、抽出ランプ49を点灯させるとともに、ポンプ27をONして、熱水の循環を開始する。このとき、抽出室30の被抽出物が熱水に浸漬されて成分が抽出される。また、成分を抽出した抽出水が循環されることで、抽出水の成分濃度が除々に高められる。成分抽出制御部583は、抽出スイッチ48がONされてからの成分抽出動作の実施時間が、設定処理部580により決定された抽出設定時間に達した場合に、ポンプ27をOFFし、抽出水の循環を停止する。このとき、ポンプ27が停止されると、被抽出物の浸漬が解除されて、これ以上の成分抽出は行われない。
ここで、成分抽出動作が行われる場合としては、以下の2つの場合が考えられる。すなわち、成分抽出動作が行われる場合としては、貯湯タンク11内が空の状態で外部から水が供給されて行われる場合(以下、初回の成分抽出動作と呼ぶ)と、少なくとも1度は成分抽出動作が行われ、抽出水の水位が下限水位B(図1参照)まで減った後に、改めて水が供給される場合(以下、2回目以降の成分抽出動作と呼ぶ)とが考えられる。換言すると、外部から貯湯タンク11に水が供給される際に、貯湯タンク11内に被抽出物の成分が無い場合と、被抽出物の成分が既に有る場合とが考えられる。なお、初回の成分抽出動作時には、貯湯タンク11だけでなく、供給路200等の水路にも抽出水は残っていない。
初回の成分抽出動作では、成分抽出動作を開始する際の原水が水道水であるので、成分抽出動作の実施時間が抽出設定時間に達したときに、抽出水の成分濃度が最適になる。換言すると、抽出設定時間は、水道水が原水である場合に成分濃度が最適になるように設定されている。しかしながら、2回目以降の成分抽出動作では、成分抽出動作を開始する際の原水は水道水でなく、貯湯タンク11及び水路に残留していた抽出水を水道水で希釈した希釈水である。従って、被抽出物の成分が既に原水に溶け込んでおり、成分抽出動作の実施時間を初回と同程度とすると、抽出水の成分濃度が初回に比べて高く(濃く)なってしまう。
そこで、成分抽出制御部583は、成分抽出動作を実施する場合に、初回の成分抽出動作であるか、2回目以降の成分抽出動作であるかを判定する。具体的には、成分抽出制御部583は、成分抽出動作を1度実施した場合に実施フラグ情報を作成する。また、成分抽出制御部583は、貯湯タンク11の抽出水が完全に排水された場合に実施フラグ情報を消去する。さらに、成分抽出制御部583は、実施フラグ情報が作成されていない場合に、初回の成分抽出動作であると判定する。さらにまた、成分抽出制御部583は、実施フラグ情報が作成されている場合に、2回目以降の成分抽出動作であると判定する。なお、貯湯タンク11内の抽出水の排水は、排水弁24と下限水位スイッチ19eとの動作を監視することで検出できる。すなわち、図示しないセンサにより排水弁24の開弁が検出されるとともに、下限水位スイッチ19eがONした場合に、抽出水が下限水位Bまで排水されたことを検出できる。また、下限水位スイッチ19eのONが検出された後に、排水弁24の開弁が、予め実験的に求められた所定時間継続した場合に、貯湯タンク11から抽出水が完全に排水されたと検出できる。
また、成分抽出制御部583は、初回の成分抽出動作であると判定した場合に、設定処理部580により決定された抽出設定時間(以下、第1抽出設定時間と呼ぶ)だけ、成分抽出動作を実施する。一方、成分抽出制御部583は、2回目以降の成分抽出動作であると判定した場合に、第1抽出設定時間よりも短い第2抽出設定時間だけ、成分抽出動作を実施する。
第2抽出設定時間は、希釈水を原水として、初回の成分抽出動作と等しい成分濃度が得られる成分抽出動作の実施時間である。具体的には、第2抽出設定時間は、2回目以降の成分抽出動作が行われる前に貯湯タンク11及び水路に残留していた抽出水の量、成分抽出動作の実施回数、及び被抽出物の種類等を考慮して実験的に求められる実施時間である。すなわち、抽出水の残量が多ければ抽出しなければならない成分量が少ないので、第2抽出時間は短時間でよく、残量が少なければ長時間としなければならない。なお、抽出水の残量は、貯湯タンク11の容量や下限水位Bの設定位置等から機械的に決定される。また、被抽出物から溶出する成分の量は、抽出を開始したときに多く、時間が経つにつれて減少していく。つまり、続けて行われる成分抽出動作の実施回数が多くなるにつれて第2抽出時間を長時間としなければならない。さらに、成分の溶出し易さが被抽出物の種類に応じて異なるので、被抽出物の種類に応じて第2抽出時間を変える必要がある。ここで、前述の第1抽出設定時間は、抽出開始からの経過時間による溶出成分量の減少、及び被抽出物の種類毎に成分の溶出し易さが考慮された設定時間である。すなわち、この実施の形態では、第1抽出設定時間に対応して第2抽出時間を決定する。成分抽出制御部583は、抽出水の残量や成分抽出動作の実施回数等を考慮して実験的に求められた係数を予め記憶している。また、成分抽出制御部583は、記憶している係数を第1抽出設定時間に乗算する比率計算によって、第2抽出設定時間を決定する。すなわち、第2抽出設定時間は、例えば10%〜30%だけ減った状態で、第1抽出設定時間に対応して成分抽出制御部583により自動的に決定される。
つまり、成分抽出制御部583は、貯湯タンク11内の抽出水の残量、すなわち貯湯タンク11内の抽出水の有無に応じて、抽出水の成分濃度を一定にするための濃度調整動作を行う。この実施の形態では、成分濃度調整手段は、成分抽出制御部583により構成される。なお、貯湯タンク11への給水を行った際に、貯湯タンク11の容量に対する給水量から、抽出水の残量を推定できる。すなわち、成分抽出制御部583は、給水量に応じて濃度調整動作を行ってもよい。
注出・保存制御部584は、成分抽出制御部583による成分抽出動作が終了された後に、注出・保存動作を行う。すなわち、注出・保存制御部584は、準備中ランプ39と抽出ランプ49とを消灯させるとともに、保存時間の計時を開始する。また、注出・保存制御部584は、注出スイッチ40のON,OFFの状態を監視する。さらに、注出・保存制御部584は、注出スイッチ40がONされたと判定した場合に、設定処理部580により決定された注出設定時間だけ注出弁42を開弁して、貯湯タンク11の抽出水を出口管43から注出する。
また、注出・保存制御部584は、抽出水を注出した後に、下限水位スイッチ19eがONされたか否かを判定する。注出・保存制御部584は、下限水位スイッチ19eがONされたと判定した場合に、表示部41bに注出終了を表示させるとともに、保存時間の計時を終了する。給水制御部581は、下限水位スイッチ19eがONされた場合に、準備中ランプ39を点灯させて、改めて貯湯タンク11に水を供給する。すなわち、この実施の形態では、下限水位スイッチ19eがONされた場合に、改めて給水動作が行われる。
これに対して、注出・保存制御部584は、下限水位スイッチ19eがONされていないと判定した場合、計時している保存時間が、設定処理部580により決定された保存設定時間に達しているか否かを判定する。注出・保存制御部584は、保存時間が保存設定時間に達していると判定した場合、表示部41bに保存終了を表示させるとともに、保存時間の計時を終了する。利用者は、保存終了の表示を確認した場合に、排水弁24を開弁し、貯湯タンク11及び水路内の抽出水を排水すればよい。なお、制御盤44に排水スイッチが設けられ、この排水スイッチが操作されることで排水弁24が開弁されるように構成してもよい。また、注出・保存制御部584によって保存時間が保存設定時間に達していると判定された場合に、排水弁24が自動的に開弁されるように構成してもよい。
一方、注出・保存制御部584は、成分抽出動作が終了された直後、及び保存時間が保存設定時間に達していないと判定した後に、注出スイッチ40がONされていないと判定した場合、水温検知センサ18により検知された水温が、設定処理部580により決定された保存設定温度よりも低いか否かを判定する。また、注出・保存制御部584は、検知水温が保存設定温度よりも低いと判定した場合、ヒータ17をONして、抽出水を加熱する。さらに、注出・保存制御部584は、検知水温が保存設定温度よりも高いと判定した場合、ヒータ17をOFFして、抽出水を自然放熱させる。
次に、飲料抽出装置の動作について説明する。図12は、図11の制御装置58の制御による飲料抽出装置の動作を示すフローチャートである。図13は、図12の続きの動作を示すフローチャートである。図において、電源スイッチ45がONされると(ステップS1)、設定処理部580による設定処理動作が行われる(ステップS2)。すなわち、表示パネル41の表示部41bに種類別の被抽出物の例が表示される。このとき、利用者は、被抽出物を収納したフィルターバッグ802や抽出容器803をフィルタ介在連通部310内に投入するとともに、種別設定操作部41aを用いて被抽出物の種類選択を行う。種別設定操作部41aを用いての被抽出物の種類選択が行われると、選択された被抽出物の種類を示す信号が種別設定操作部41aから制御装置58に入力される。被抽出物の種類を示す信号が制御装置58に入力されると、被抽出物の種類に応じた設定情報、すなわち抽出設定温度、抽出設定時間、及び保存設定温度がメモリから取得され決定される。また、メモリから取得された設定情報が抽出温度表示部51、抽出時間表示部53、及び保存温度表示部55にそれぞれ表示される。これ以降、利用者による抽出温度設定手段50、抽出時間設定手段52、及び保存温度設定手段54の操作が有れば、設定情報がそれぞれ変更される。
設定処理動作が終了されると、運転スイッチ46がONされた場合に、給水制御部581による給水動作が行われる(ステップS3〜S7)。すなわち、運転スイッチ46がONされると第1及び第2運転ランプ38,47が点灯されるとともに(ステップS3)、準備中ランプ39が点灯される(ステップS4)。その次に、上限水位スイッチ19dがONされているか否かが判定され(ステップS5)、ONされていないと判定された場合に、給水弁21が開弁されて、貯湯タンク11内に水が供給される(ステップS6)。一方、上限水位スイッチ19dがONされていると判定された場合、給水弁21が閉弁されて、給水動作が終了される(ステップS7)。
給水動作が終了されると、加熱制御部582による加熱動作が行われる(ステップS8〜S10)。すなわち、水温検知センサ18により検知された水温が抽出設定温度に達しているか否かが判定され(ステップS8)、達していないと判定された場合に、ヒータ17がONされて、貯湯タンク11内の水が加熱される(ステップS9)。一方、水温が抽出設定温度に達していると判定された場合、ヒータ17がOFFされて、加熱動作が終了される(ステップS10)。
加熱動作が終了されると、成分抽出制御部583による成分抽出動作が行われる(ステップS11〜S18)。すなわち、抽出スイッチ48がONされているか否かが判定され(ステップS11)、ONされていないと判定された場合、前述の給水動作及び加熱動作が繰り返し行われる(ステップS5〜S10)。これに対して、抽出スイッチ48がONされていると判定された場合、抽出ランプ49が点灯されるとともに(ステップS12)、ポンプ27がONされて、抽出時間の計時が開始される(ステップS13)。
このとき、ポンプ27がONされることで、貯湯タンク11内の水が、排水管14、吸入管28を通ってポンプ27に吸入される。ポンプ27で加圧された水は、吐出管29から抽出室30内に吐出されるとともに、誘導部材32に衝突されて、網体800bの周囲の直接連通部300に誘導される。水位上昇すると、被抽出物が熱水に浸漬されて成分が抽出される。このときの水の流れは乱流状態であり、フィルタ介在連通部310への水の流入及びフィルタ介在連通部310からの流出が無数の箇所で行われる。これにより、フィルターバッグ802や抽出容器803内の被抽出物が乱流水中で揺動され、成分の抽出が促進される。さらに水位上昇した水は、還流路15から貯湯タンク11に戻されて、再びポンプ27に吸入され、吐出管29から抽出室30内に吐出される。この水の循環が行われることで、被抽出物から抽出される成分の濃度が徐々に高まる。
抽出時間の計時が開始された際に、初回の成分抽出動作、すなわち貯湯タンク11及び水路内が空の状態で外部から水が供給されて行われる成分抽出動作であるか否かが判定される(ステップS14)。このとき、初回の成分抽出動作であると判定されると、計時されている抽出時間が、設定処理部580により決定された抽出設定時間、すなわち第1抽出設定時間に達したか否かが判定される(ステップS15)。この判定時に、第1抽出設定時間に達したと判定されると、抽出時間の計時が終了されるとともに(ステップS16)、ポンプ27がOFFされて、成分抽出動作が終了される(ステップS17)。すなわち、抽出室30内の抽出水が供給路200側に戻され、被抽出物の浸漬が解除されて、これ以上の成分抽出は行われない。
一方、初回の成分抽出動作でなく、2回目以降の成分抽出動作、すなわち下限水位Bまで抽出水が減った状態から上限水位Aまで水が注ぎ足されて行われる成分抽出動作であると判定された場合、計時されている抽出時間が、第1抽出設定時間よりも短い第2抽出設定時間に達したか否かが判定される(ステップS18)。この第2抽出設定時間は、貯湯タンク11及び水路内に残留していた抽出水が希釈された希釈水で成分抽出動作が行われる場合に、初回の成分抽出動作と等しい成分濃度を得られるように設定された時間である。すなわち、2回目以降の成分抽出動作において、初回と等しい成分濃度が得られるように成分濃度調整動作が行われる。計時されている抽出時間が第2抽出設定時間に達したと判定されると、初回の場合と同様に、抽出時間の計時が終了されるとともに(ステップS16)、ポンプ27がOFFされて、成分抽出動作が終了される(ステップS17)。
成分抽出動作が終了されると、注出・保存制御部584による注出・保存動作が開始される(ステップS19〜S31)。すなわち、抽出ランプ49及び準備中ランプ39が消灯されるとともに、保存時間の計時が開始され(ステップS19)、注出スイッチ40がONされているか否かが判定される(ステップS20)。このとき、注出スイッチ40がONされていると判定された場合、注出弁42が開弁されて飲料の注出が行われる(ステップS21)。その次に、飲料を注出している時間が、設定処理部580により決定された注出設定時間に達したか否かが判定され(ステップS22)、注出設定時間に達したと判定された場合、注出弁42が閉弁されて飲料の注出が終了される(ステップS23)。
飲料の注出が終了されると、下限水位スイッチ19eがONされたか否かが判定され(ステップS24)、下限水位スイッチ19eがONされていないと判定された場合に、計時されている保存時間が保存設定時間に達したか否かが判定される(ステップS25)。保存時間が保存設定時間に達していないと判定された場合、注出スイッチ40がONされているか否かが再度判定される(ステップS20)。
ここで、成分抽出動作が終了した直後、又は飲料の注出動作が終了した後に、注出スイッチ40がONされていないと判定された場合には、水温検知センサ18により検知された水温が保存設定温度よりも低いか否かが判定される(ステップS26)。このとき、検知水温が保存設定温度よりも低いと判定されると、ヒータ17がONされて貯湯タンク11内の飲料が温められる(ステップS27)。これに対して、検知水温が保存設定温度よりも低くないと判定された場合には、ヒータ17がOFFされて、貯湯タンク11内の飲料が自然放熱される(ステップS28)。なお、この実施の形態では、抽出設定温度と保存設定温度とを同程度としており、成分抽出動作が終了した直後に飲料を注出できるようになっている。しかしながら、抽出設定温度と保存設定温度とが大きく異なる場合もある。この場合、検知温度が保存設定温度になるまで準備中ランプ39を点灯しておき、検知温度が保存設定温度になった後に飲料を注出できるようにしてもよい。また、抽出水が通常よりも高温又低温であることを、利用者が認識できるように表示部41bに表示すれば、この動作説明と同様に成分抽出動作が終了した直後に飲料を注出できるようにしてもよい。
これに対して、飲料の注出によって貯湯タンク11内の水位が下がり、下限水位スイッチ19eがONされていると判定された場合、表示部41bに注出終了が表示されるとともに保存時間の計時が終了される(ステップS29)。その次に、準備中ランプ39が点灯されるとともに(ステップS4)、給水動作(ステップS5〜S7)、加熱動作(ステップS8〜S10)、及び成分抽出動作(ステップS11〜18)が行われる。すなわち、この実施の形態では、下限水位スイッチ19eがONされると、2回目以降の成分抽出動作及びその準備動作が自動的に実施される。このとき、貯湯タンク11内には、下限水位Bまで抽出水が残留している。この抽出水は、保存設定温度の熱量をほぼ維持しているので、水道水で希釈された場合でも、希釈水は水道水の温度よりも高くなる。従って、ヒータ17の稼動時間を短縮でき、使用電力を抑えることができる。
一方、下限水位スイッチ19eがONされてないと判定された場合でも、計時されている保存時間が保存設定時間に達した場合には、表示部41bに保存終了が表示されるとともに保存時間の計時が終了され(ステップS30)、第1及び第2運転ランプ38,47が消灯されるとともに、運転スイッチ46が自動的にOFFされる(ステップS31)。
保存終了の表示は、電源スイッチ45がOFFされるまで継続される。利用者は、保存終了の表示を確認した場合、電源スイッチ45をOFFにするとともに、排水弁24を開弁し、飲料抽出装置内に残っている抽出水をすべて排水すればよい。また、抽出室蓋体31を開放して、フィルターバッグ802や抽出容器803を取り出して被抽出物を廃棄すればよい。なお、被抽出物の廃棄は、抽出ランプ49が消灯された後であれば、いつでも可能である。そして、電源スイッチ45が改めてONされると、前述の給水動作、加熱動作、成分抽出動作、及び注出・保存動作が改めて実施される。
このような飲料抽出装置によれば、成分抽出制御部583は、濃度調整動作として、成分抽出動作を実施する際に初回の成分抽出動作であるか否かを判定し、2回目以降の成分抽出動作であると判定した場合に、成分抽出動作の実施時間を第1抽出設定時間よりも短い第2抽出設定時間とするので、成分抽出動作が繰り返し実施される場合に成分濃度を一定にでき、抽出水の成分濃度のばらつきを抑えることができる。
また、成分抽出動作が繰り返し実施される場合に、保存設定温度まで温められている残留の抽出水を利用するので、水道水よりも温かい希釈水を原水とすることができる。これにより、2回目以降の加熱動作においてヒータ17の稼動時間を短縮でき、使用電力を抑えることができる。
ところで、成分濃度のばらつきの原因は、貯湯タンク11内の抽出水の残留である。そこで、貯湯タンク11内に抽出水が残留しないように、注出管16、注出弁42、及び出口管43(図1参照)を、貯湯タンク11又は供給路200の最下部に配置する構成も考えられる。しかしながら、注出管16、注出弁42、及び出口管43を最下部に配置すると、ヒータ17の配置等が複雑になるとともに、装置の高さが高くなるという問題が発生する。特に、装置の高さが高くなると、不安定になるとともに、被抽出物の出し入れ等のメンテナンスが不便になる。これに対して、この実施の形態1の装置では、注出管16、注出弁42、及び出口管43を最下部に配置せずに、成分濃度のばらつきを抑えることができるので、ヒータ17の配置等が複雑になる問題や、装置高さが高くなる問題の発生を防ぐことができる。
また、成分抽出動作が繰り返し実施される場合に、保存設定温度まで温められている残留の抽出水を利用するので、水道水よりも温かい希釈水を原水とすることができる。これにより、2回目以降の加熱動作においてヒータ17の稼動時間を短縮でき、使用電力を抑えることができる。
ところで、成分濃度のばらつきの原因は、貯湯タンク11内の抽出水の残留である。そこで、貯湯タンク11内に抽出水が残留しないように、注出管16、注出弁42、及び出口管43(図1参照)を、貯湯タンク11又は供給路200の最下部に配置する構成も考えられる。しかしながら、注出管16、注出弁42、及び出口管43を最下部に配置すると、ヒータ17の配置等が複雑になるとともに、装置の高さが高くなるという問題が発生する。特に、装置の高さが高くなると、不安定になるとともに、被抽出物の出し入れ等のメンテナンスが不便になる。これに対して、この実施の形態1の装置では、注出管16、注出弁42、及び出口管43を最下部に配置せずに、成分濃度のばらつきを抑えることができるので、ヒータ17の配置等が複雑になる問題や、装置高さが高くなる問題の発生を防ぐことができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2の全体としての構成は、実施の形態1の構成と同様であるので、図11を用いて説明する。実施の形態1では、給水制御部581は、下限水位スイッチ19eがONされた場合に貯湯タンク11に水道水を注ぎ足すと説明したが、注出弁42が最後に開かれてからの経過時間が所定時間に達した場合に、上限水位スイッチ19dがONするまで給水するように構成してもよい。すなわち、例えば1時間の間に誰も注出しなければ、貯湯タンク11に水を補給して、成分抽出動作を実施するように構成してもよい。
この発明の実施の形態2の全体としての構成は、実施の形態1の構成と同様であるので、図11を用いて説明する。実施の形態1では、給水制御部581は、下限水位スイッチ19eがONされた場合に貯湯タンク11に水道水を注ぎ足すと説明したが、注出弁42が最後に開かれてからの経過時間が所定時間に達した場合に、上限水位スイッチ19dがONするまで給水するように構成してもよい。すなわち、例えば1時間の間に誰も注出しなければ、貯湯タンク11に水を補給して、成分抽出動作を実施するように構成してもよい。
このときの給水量は、(単位時間当たりの給水量)×(給水時間)により求めることができる。すなわち、満水時の貯水量と給水量との比から、2回目以降の成分抽出動作の実施時間、すなわち第2抽出設定時間を導き出すことができる。
なお、水道水の給水圧が変化して、単位時間当たりの給水量が変化する場合も想定される。従って、注出回数をカウントし、この注出回数から総注出量又は貯湯タンク11内の貯水残量を求め、この総注出量又は貯水残量から給水量を求めてもよい。具体的には、(単位時間当たりの注出量)×(注出時間設定手段59で決められた注出設定時間)×(注出回数)の式から総注出量が算出される。そして、上限水位スイッチ19dがONするまで給水され、(給水量)=(総注出量)として、満水時の貯水量と給水量との比から、第2抽出設定時間を導き出してもよい。また、注出動作が行われる度に注出量((単位時間当たりの注出量)×(注出時間設定手段59で決められた注出設定時間))を減算することで貯水残量を算出し、(給水量)=(満水時の貯水量)−(貯水残量)として、第2抽出設定時間を導き出してもよい。従って、単位時間当たりの注出量は給水圧の影響を受けないので、より正確に給水量を求めることができ、より正確な成分濃度調整を実施できる。同様に、貯湯タンク11内の水位を常時監視できるセンサを用いてもよい。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
実施の形態3.
実施の形態3の全体としての構成は、実施の形態1と同様である。しかしながら、実施の形態1,2では、成分抽出動作の実施時間を調整することで成分濃度を調整すると説明したが、2回目以降の成分抽出動作が行われる場合の貯湯タンク11への給水量を調整することでも、成分濃度を調整できる。すなわち、この実施の形態では、濃度調整手段は給水制御部581により構成される。
実施の形態3の全体としての構成は、実施の形態1と同様である。しかしながら、実施の形態1,2では、成分抽出動作の実施時間を調整することで成分濃度を調整すると説明したが、2回目以降の成分抽出動作が行われる場合の貯湯タンク11への給水量を調整することでも、成分濃度を調整できる。すなわち、この実施の形態では、濃度調整手段は給水制御部581により構成される。
この実施の形態3の基礎となるのは、同量の被抽出物を用いて、同時間の成分抽出動作を行えば、同量の成分を抽出できるという考えである。すなわち、2回目以降の成分抽出動作を行う場合に、初回と同量の水を貯湯タンク11に供給すれば、貯湯タンク11に抽出水が残っていたとしても、成分濃度を初回と等しくできる。以下、図14を用いて詳しく説明する。
図14は、この発明の実施の形態3による飲料抽出装置の濃度調整動作を示す説明図である。図において、初回の給水動作では、貯湯タンク11内に初回水量L0[L]が供給される。このとき、成分抽出動作はまだ行われていないので、貯湯タンク11内の成分濃度は0[mg/L]であり、成分量は0[mg]である。
その次に、初回の成分抽出動作が実施されると、貯湯タンク11内の成分濃度はX[mg/L](Xは任意の正数)となり、成分量はL0*X[mg]となる。なお、*は、乗算を意味する。
その次に、注出により貯湯タンク11内の抽出水の水位が下限水位Bまで下がると、初回の注出・保存動作が終了される。ここで、注出・保存動作で貯湯タンク11から注ぎ出される水量を第1水量L1[L]とし、貯湯タンク11内に残る水量を第2水量L0−L1[L]とする。換言すると、初回水量L0[L]には、第1水量L1[L]と第2水量L0−L1[L]とが含まれている。従って、このときの貯湯タンク11内の成分濃度はX[mg/L]のままであり、成分量は(L0−L1)*X[mg]となる。
その次に、2回目の給水動作で、貯湯タンク11に初回水量L0[L]を給水する。すなわち、上限水位Aを超えて水位Cまで水が供給される。つまり、このときの貯湯タンク11内の水量は(L0−L1)+L0=2L0−L1[L]である。従って、このときの貯湯タンク11内の成分量は(L0−L1)*X[mg]のままであり、成分濃度は{(L0−L1)*X}/(2L0−L1)[mg/L]となる。
その次に、2回目の成分抽出動作が行われると、L0*X[mg]の成分を新たに得る。従って、このときの貯湯タンク11内の成分量は{(L0−L1)*X}+(L0*X)=(2L0−L1)*X[mg]となり、成分濃度は{(2L0−L1)*X}/(2L0−L1)=X[mg/L]となる。つまり、2回目の給水動作で初回水量L0[L]を給水することで、成分濃度を初回の成分濃度と等しくできる。なお、2回目の成分抽出動作が実施された後の抽出水の量は、初回の成分抽出動作の量に比べて第2水量L0−L1[L]分だけ増えている。
この後、貯湯タンク11内の水位が下限水位Bまで減ると、すなわち初回水量L0[L]が注出されると、2回目の注出・保存動作が終了される。従って、このときの成分量は{(2L0−L1)*X}−(L0*X)=(L0−L1)*X[mg]となり、初回の注出・保存動作の終了時と等しくなる。つまり、3回目以降においても初回水量L0[L]を貯湯タンク11に給水することで、成分濃度を初回の成分濃度と等しくできる。なお、実施の形態1で説明したように、交換せずに同じ被抽出物を繰り返し使用すると、成分抽出動作の実施回数が多くなるにつれて、溶出成分量が減少する。従って、同じ被抽出物を繰り返し使用することが想定される場合には、実施の形態1と同様に、成分抽出動作の実施時間を成分抽出動作の実施回数に応じて長くしてもよい。
次に、飲料抽出装置の動作について説明する。図15は、図14の飲料抽出装置の動作を示すフローチャートである。図16は、図15の続きの動作を示すフローチャートである。図において、給水制御部581による給水動作が開始され、上限水位スイッチ19dがONであるか否かが判定される(ステップS5)までは、実施の形態1の動作と同様である。
上限水位スイッチ19dがONであると判定されると、初回の給水動作であるか否かが給水制御部581により判定される(ステップS32)。このとき、初回でない、すなわち2回目以降の給水動作であると判定されると、補給工程が実施される(ステップS33)。すなわち、今回の給水動作で初回水量L0[L]を給水するために、上限水位Aを超えて第2水量L0−L1[L]の水がさらに給水される。この第2水量L0−L1[L]の給水は、予め設定された時間だけ給水弁21を開弁することで行われる。または、水位C(図14参照)を検出するためのセンサを別途設けてもよい。なお、給水動作が初回であるか否かを判定するには、実施の形態1で説明した実施フラグ情報を用いればよい。実施の形態1では、成分抽出動作が初回であるか否かが判定されたが、この実施の形態3では、成分抽出動作の判定は行われず、設定処理部580により決定された抽出設定時間に基づいて成分抽出動作が行われる。その他の動作は、実施の形態1と同様である。
このような飲料抽出装置では、給水制御部581は、濃度調整動作として、2回目以降の成分抽出動作を行う場合に、初回と同量の水を貯湯タンク11に供給するので、成分抽出動作が繰り返し実施される場合に成分濃度を一定にでき、抽出水の成分濃度のばらつきを抑えることができる。
実施の形態4.
図17は、この発明の実施の形態4による飲料抽出装置の動作を示すフローチャートである。図18は、図17の続きを示すフローチャートである。実施の形態3では、2回目以降の給水動作時に、初回水量L0[L]の水を、成分抽出動作が行われる前に、一度に貯湯タンク11に供給するように説明したが、この実施の形態4では、初回水量L0[L]の水を、成分抽出動作が行われる前後で、分けて貯湯タンク11に供給する。
図17は、この発明の実施の形態4による飲料抽出装置の動作を示すフローチャートである。図18は、図17の続きを示すフローチャートである。実施の形態3では、2回目以降の給水動作時に、初回水量L0[L]の水を、成分抽出動作が行われる前に、一度に貯湯タンク11に供給するように説明したが、この実施の形態4では、初回水量L0[L]の水を、成分抽出動作が行われる前後で、分けて貯湯タンク11に供給する。
図17において、第2水量L0−L1[L]の水が貯湯タンク11に供給される動作(ステップS32,S33)が省略されている点を除いて、成分抽出動作(ステップS11〜S17)が終了されるまでは、実施の形態3(図15)と同様である。成分抽出動作(ステップS11〜S17)が終了されると、図18に示すように、成分抽出動作の前に行われた給水動作が初回であるか否かが給水制御部581により判定される(ステップS40)。このとき、初回でない、すなわち2回目以降の給水動作であると判定されると、給水弁21が開弁され(ステップS41)、補給工程が行われて(ステップS42)、給水弁21が閉弁される(ステップS43)。すなわち、抽出設定温度まで温められた状態の抽出水に、第2水量L0−L1[L]の水が注ぎ足される。これにより、全体として初回水量L0[L]の水が貯湯タンク11に供給される。その他の動作は、実施の形態3と同様である。
このような飲料抽出装置では、成分抽出動作が実施される前に第1水量L1[L]の水だけを供給するので、成分抽出動作が実施される前に第2水量L0−L1[L]まで供給する場合に比べて、希釈水の温度を高く維持できる。これにより、希釈水を抽出設定温度まで加熱する際のヒータ17の稼動時間を短縮でき、使用電力を抑えることができる。また、抽出設定温度まで温められた状態の抽出水に、第2水量L0−L1[L]の水が注ぎ足されるので、抽出水の温度を下げることができ、抽出設定温度に比べて保存設定温度が低い場合に、抽出水の温度をより早く保存設定温度にすることができる。
実施の形態5.
図19は、この発明の実施の形態5による飲料抽出装置を示すブロック図である。実施の形態1〜4では、成分抽出動作の実施時間と、給水量とにより成分濃度の調整を行うと説明したが、この実施の形態5では、残留する抽出水を自動的に排水することで成分濃度を一定に調整する。図19において、制御装置58の出力側には、排水弁24が接続されている。この制御装置58には、排水弁24の開閉を制御する排水制御部585が設けられている。すなわち、この実施の形態では、濃度調整手段は排水制御部585により構成される。
図19は、この発明の実施の形態5による飲料抽出装置を示すブロック図である。実施の形態1〜4では、成分抽出動作の実施時間と、給水量とにより成分濃度の調整を行うと説明したが、この実施の形態5では、残留する抽出水を自動的に排水することで成分濃度を一定に調整する。図19において、制御装置58の出力側には、排水弁24が接続されている。この制御装置58には、排水弁24の開閉を制御する排水制御部585が設けられている。すなわち、この実施の形態では、濃度調整手段は排水制御部585により構成される。
排水制御部585は、注出・保存制御部584による注出・保存動作が終了された際に、排水弁24を開弁する。また、排水制御部585は、排水弁24を開弁させた後に下限水位スイッチ19eがONされたと判定した場合に、排水時間の計時を開始する。
ここで、実施の形態1で実施フラグ情報を説明した際にも述べたが、下限水位スイッチ19eのONの後に、どの程度の時間で貯湯タンク11及び水路に残留していた抽出水が完全に排水されるかは、予め実験的に求めることができる。排水制御部585は、計時している排水時間が、予め実験的に求められた排水設定時間に達したか否かに基づいて、抽出水が完全に排水されたか否かを判定する。また、排水制御部585は、排水時間が排水設定時間に達したと判定した場合に、排水時間の計時を終了させるとともに、排水弁24を閉弁させる。さらに、排水制御部585は、排水弁24を閉弁させた後に、給水制御部581に給水指令を入力し、給水制御部581に給水動作を開始させる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
次に、飲料抽出装置の動作について説明する。図20は、図19の飲料抽出装置の動作を示すフローチャートである。図21は、図20の続きを示すフローチャートである。図において、成分抽出動作時に成分抽出動作が初回であるか否か判定されない点を除いて、注出・保存動作が終了されるまで(ステップS1〜29)は、実施の形態1と同様である。注出・保存動作が終了されると、排水制御部585による排水動作が行われる(ステップS50〜S54)。すなわち、注出・保存動作が終了されると、排水弁24が開弁されるとともに(ステップS50)、下限水位スイッチ19eがONされたか否かが判定される(ステップS51)。このとき、抽出水の水位が下限水位Bまで下がったことにより注出・保存動作が終了されたのであれば、下限水位スイッチ19eがONしているとすぐさま判定される。これに対して、保存時間が保存設定時間に達したことにより注出・保存動作が終了されたのであれば、抽出水の水位が下限水位Bまで下がるまで排水が続けられる。
下限水位スイッチ19eがONしたと判定されると、排水時間の計時が開始されるとともに(ステップS52)、計時している排水時間が、予め実験的に求められた排水設定時間に達したか否かが判定される(ステップS53)。このとき、排水時間が排水設定時間に達したと判定されると、排水時間の計時が終了されるとともに、排水弁24が閉弁される(ステップS54)。この後、排水制御部585から給水制御部581に給水指令が入力されて、準備中ランプ39が点灯されるとともに(ステップS4)、貯湯タンク11への給水が実施される(ステップS5〜S7)。すなわち、抽出水が完全に排水された後に、自動的に給水動作、加熱動作、成分抽出動作が実施される。抽出水が完全に排水されているので、成分抽出動作が実施される際の原水は常に水道水であり、成分抽出動作で得られる抽出水の成分濃度は一定とされる。
このような飲料抽出装置では、排水制御部585は、濃度調整動作として、2回目以降の給水動作が実施される前に貯湯タンク11の抽出水を排水するので、簡単な構成で成分濃度を一定にでき、抽出水の成分濃度のばらつきを抑えることができる。特に、保存時間が保存設定時間に達した後にも、自動的に成分抽出動作を実施でき、利用者の利便性を向上させることができる。
実施の形態6.
図22は、この発明の実施の形態6による飲料抽出装置を示すブロック図である。実施の形態1〜4では、成分抽出動作の実施時間と、給水量とにより成分濃度の調整を行うと説明したが、この実施の形態6では、成分抽出に用いる被抽出物の量を調整することで成分濃度を一定に調整する。
図22は、この発明の実施の形態6による飲料抽出装置を示すブロック図である。実施の形態1〜4では、成分抽出動作の実施時間と、給水量とにより成分濃度の調整を行うと説明したが、この実施の形態6では、成分抽出に用いる被抽出物の量を調整することで成分濃度を一定に調整する。
図において、制御装置58には、報知制御部586が設けられている。また、制御装置58の入力側には包数設定手段61が接続され、制御装置58の出力側には包数報知手段62が接続されている。報知制御部586は、種別設定操作部41aにより選択された被抽出物の種別に応じた被抽出物の必要量を記憶している。具体的には、被抽出物を収納したフィルターバッグ802(図5参照)の必要包数を記憶している。なお、図5では、フィルターバッグ802を概略で示しているが、フィルターバッグ802は、所要のメッシュを有する耐熱・耐水性のフィルタを折り畳み、一辺が約6〜10cmの正方形又は長方形の袋状にしたものである。このフィルターバッグ802の中には、約2〜10gの被抽出物が密封されており、約200cc〜2Lの熱水当たり1つのフィルターバッグ802が用いられる。
報知制御部586は、種別設定操作部41aにより被抽出物の種別が選択された場合に、予め記憶している必要包数を包数報知手段62に報知させる。包数報知手段62は、制御盤44(図2等)の前面に設けられた表示部であり、フィルターバッグ802の必要包数を数値表示する。なお、包数設定手段61は表示パネル41に設けられてもよい。
包数設定手段61は、必要包数を手動で変更するための操作部である。報知制御部586は、包数設定手段61が操作された場合には、包数設定手段61の操作に応じた必要包数を包数報知手段62に報知させる。
ここで、用いるフィルターバッグ802の包数を増やせば、成分抽出動作で得られる成分量を増やすことができ、包数を減らせば成分量を少なくできる。すなわち、実施の形態1の成分抽出動作の実施時間と同様に、初回の成分抽出動作と2回目以降の成分抽出動作とで包数を調整することで、成分濃度を一定に調整できる。
すなわち、報知制御部586は、給水制御部581による給水動作が実施される前に、成分抽出動作が初回であるか否かを判定し、初回であると判定した場合に、種別設定操作部41a又は包数設定手段61の操作に応じた第1包数を包数報知手段62に報知させる。これに対して、報知制御部586は、2回目以降の成分抽出動作であると判定した場合に、第1包数よりも少ない第2包数を包数報知手段62に報知させる。この第2包数は、実施の形態1の第2抽出設定時間と同様であり、下限水位Bまで抽出水が減った状態で上限水位Aまで水が注ぎ足された場合の希釈水を原水として、初回の成分抽出動作と等しい成分濃度を得られる包数である。つまり、第2包数は、実験的に予め求められた係数を第1包数に乗算する比率計算により求められる包数であり、種別設定操作部41a又は包数設定手段61の操作に応じた第1包数に対応して決定される。すなわち、報知制御部586は、貯湯タンク11及び水路内に残っている抽出水の水量に応じて、2回目以降の成分抽出動作において抽出物の量を少なくするように報知させる。この実施の形態では、濃度調整手段は報知制御部586により構成される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
次に、飲料抽出装置の動作について説明する。図23は、図22の飲料抽出装置の動作を示すフローチャートである。図24は、図23の続きを示すフローチャートである。図において、運転スイッチ46がONされるとともに第1及び第2運転ランプ38,47が点灯されると(ステップS3)、報知制御部586による報知動作が実施される(ステップS60〜S62)。すなわち、成分抽出動作が初回であるか否かが判定され(ステップS60)、初回であると判定された場合、種別設定操作部41a又は包数設定手段61の操作に応じた第1包数が包数報知手段62により報知される(ステップS61)。これに対して、初回でなく、2回目以降の成分抽出動作であると判定された場合、第1包数よりも少ない第2包数が包数報知手段62により報知される(ステップS62)。利用者は、包数報知手段62により報知された包数のフィルターバッグ802を抽出室30に投入すればよい。これにより、2回目以降の成分抽出動作において、初回と等しい成分濃度を得ることができる。その他の動作は、成分抽出動作時に成分抽出動作が初回であるか否か判定されない点を除いて、実施の形態1と同様である。
このような飲料抽出装置では、報知制御部586は、濃度調整動作として、2回目以降の成分抽出動作時に第1包数よりも少ない第2包数を報知するので、成分抽出動作が繰り返し実施される場合に成分濃度を一定にでき、抽出水の成分濃度のばらつきを抑えることができる。また、利用者は表示されている必要包数のフィルターバッグ802を抽出室30に投入すればよく、利用者の利便性を向上できる。
なお、実施の形態6では、実施の形態1と同様に、下限水位Bに達した場合に給水動作及び成分抽出動作を実施するように説明したが、実施の形態2と同様に、注出弁42が最後に開かれてからの経過時間が所定時間に達した場合に、上限水位スイッチ19dがONするまで給水する構成でもよい。すなわち、第2包数は、満水時の貯水量と給水量との比から求めてもよい。
また、実施の形態6では、フィルターバッグを用いるように説明したが、抽出容器803(図6参照)を用いてもよい。抽出容器803を用いる場合、初回用と2回目以降用とで2種類用いる。2回目以降用は、初回用に比べて70〜90%の小容量とされている。この容量差は、フィルターバッグ802の包数差と同様に求めることができる。
11 貯湯タンク、15 還流路、17 ヒータ(加熱手段)、30 抽出室、200 供給路、581 給水制御部(濃度調整手段)、583 成分抽出制御部(濃度調整手段)、585 排水制御部(濃度調整手段)、586 報知制御部(濃度調整手段)、L0 初回水量、L1 第1水量、L0−L1 第2水量。
Claims (7)
- 外部から貯湯タンクに供給された水を、加熱手段により加熱するとともに供給路を通して抽出室に供給し、前記抽出室内で被抽出物から成分を抽出した抽出水を、還流路を通して前記貯湯タンクに戻す成分抽出動作を所定時間継続することで所定の成分濃度の抽出水を得る飲料抽出装置において、
改めて前記貯湯タンクに水が供給される場合に、前記貯湯タンク内の前記抽出水の残量、又は前記貯湯タンクへの給水量に応じて、抽出水の成分濃度を一定にするための濃度調整動作を行う濃度調整手段
を備えていることを特徴とする飲料抽出装置。 - 前記濃度調整手段は、
前記濃度調整動作として、2回目以降の前記成分抽出動作の実施時間を初回の前記成分抽出動作の実施時間よりも短くする成分抽出制御部を含むことを特徴とする請求項1記載の飲料抽出装置。 - 前記濃度調整手段は、
前記濃度調整動作として、2回目以降の前記貯湯タンクへの給水を行う際に、初回と同量の水を前記貯湯タンクに供給する給水制御部を含むことを特徴とする請求項1記載の飲料抽出装置。 - 前記貯湯タンクに供給される前記初回の水量には、前記貯湯タンクから注ぎ出される第1水量と、前記濃度調整動作が実施される際に前記貯湯タンクに残る第2水量とが含まれており、
前記給水制御部は、改めて前記成分抽出動作が行われる前に前記第1水量の水を前記貯湯タンクに供給し、前記成分抽出動作が終了した後に前記第2水量の水を前記貯湯タンクに供給することを特徴とする請求項3記載の飲料抽出装置。 - 前記濃度調整手段は、
前記濃度調整動作として、2回目以降の前記貯湯タンクへの給水が行われる前に、前記貯湯タンクに残っている前記抽出水を排水する排水制御部を含むことを特徴とする請求項1記載の飲料抽出装置。 - 前記濃度調整手段は、
前記濃度調整動作として、2回目以降の前記成分抽出動作が行われる場合に、前記被抽出物の量を、初回の前記被抽出物の量よりも少なくするように報知する報知制御部を含むことを特徴とする請求項1記載の飲料抽出装置。 - 前記被抽出物は、所定量ずつフィルターバッグに密封されており、
前記報知制御部は、初回の前記成分抽出動作時に第1包数を報知し、2回目以降の前記成分抽出動作時に、前記第1包数よりも少ない第2包数を報知することを特徴とする請求項6記載の飲料抽出装置。
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