JP2009089072A - 電磁負荷装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電磁負荷装置(リニアソレノイド1)を駆動する電気回路(駆動回路108)と、該電気回路に流す目標電流値を設定する手段(目標電流値設定部101)と、該電気回路を流れる電流値をモニタする手段(電流モニタ回路4)と、前記モニタされる電流値と目標電流値との差分を算出する手段(電流偏差演算部102)と、該差分に基づいて、該モニタされる電流値が目標電流値と一致するように、前記電磁負荷装置への出力電流値を制御する制御手段と、前記モニタされる電流値と、前記目標電流値又は出力電流値と、の差分を所定時間積算する積算手段(電流偏差積算部104)と、該差分の積算値を閾値と比較することで、前記電磁負荷装置の異常を判定する異常判定手段(異常判定部105)と、を含んで構成した。
【選択図】図2
Description
ところで、電磁負荷装置に異常(断線又は短絡)が発生すると、電磁負荷装置の駆動を適切に制御できなくなり、関連機器の動作性能が低下する。
また、目標電流値がモニタ電流値の測定限界値に近い程度に大きいときも、モニタ電流値が測定限界値で飽和することで、モニタ電流値と目標電流値との差が小さくなって正常範囲に収まってしまうため、短絡を検出できない。
本発明は、以上のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、電磁負荷装置の異常(断線と短絡の少なくとも一方)を高精度に検出できる電磁負荷装置の制御装置を提供することを目的とする。
電磁負荷装置を駆動する電気回路と、
該電気回路に流す目標電流値を設定する手段と、
該電気回路を流れる電流値をモニタする手段と、
前記モニタされる電流値と目標電流値との差分を算出する手段と、
該差分に基づいて、該モニタされる電流値が目標電流値と一致するように、前記電磁負荷装置への出力電流値を制御する制御手段と、
前記モニタされる電流値と、前記目標電流値又は出力電流値と、の差分を所定時間積算する積算手段と、
該差分の積算値を閾値と比較することで、前記電磁負荷装置の異常を判定する異常判定手段と、
を含んで構成したことを特徴とする。
前記所定時間は、前記異常判定の要求時を基点として、過去へ遡る方向へ設定されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、
前記閾値として、正の閾値と負の閾値とを有し、
前記差分を、前記モニタされる電流値から目標電流値又は出力電流値を差し引いて算出する場合、前記異常判定手段は、前記積算値が正の閾値を上回ったとき、前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定し、前記積算値が負の閾値を下回ったとき、前記電磁負荷装置の断線による異常と判定し、
前記差分を、前記目標電流値又は出力電流値からモニタされる電流値を差し引いて算出する場合、前記異常判定手段は、前記積算値が正の閾値を上回ったとき、前記電磁負荷装置の断線による異常と判定し、前記積算値が負の閾値を下回ったとき、前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定することを特徴とする。
前記閾値は、前記目標電流値又は出力電流値に応じて変更されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、
前記異常判定手段によって前記電磁負荷装置の異常と判定されたとき、該電磁負荷装置に対し、異常時用のフェールセーフ制御を行うことを特徴とする。
前記電磁負荷装置の断線による異常と判定されたときは、該電磁負荷装置により制御される機器の不適切な動作を回避するフェールセーフ制御を行い、
前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定されたときは、前記電気回路を電源から切断し、該電気回路の過電流を回避するフェールセーフ制御を行うことを特徴とする。
前記積算手段は、
前記目標電流値の変動後定常状態に至るまでの期間に算出された前記差分の積算を禁止することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、
前記目標電流値が、第1の所定値より大きいとき、
又は、
前記目標電流値が、前記第1の所定値より小さい第2の所定値より小さいとき、
前記異常判定手段による判定を行うことを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、前記異常判定手段は、積算値が正の閾値を上回ったとき又は負の閾値を下回ったとき、前記電磁負荷装置の異常と判定する。
請求項4に係る発明によれば、前記閾値が、目標電流値又は出力電流値に応じて変更される。
請求項6に係る発明によれば、前記電磁負荷装置の断線による異常時及び短絡による異常時において、夫々、所定のフェールセーフ制御を行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、前記目標電流値の変動後定常状態に至るまでの期間に算出された前記差分(前記モニタされる電流値と、前記目標電流値又は出力電流値と、の差分)は、前記積算値に反映されなくなる。
図1は、本発明に係る電磁負荷装置の制御装置を、車両に搭載されている電子制御式自動変速機の油圧制御システムのリニアソレノイドに対して適用した形態のシステム構成図である。
図1において、例えば、自動変速機の油圧制御システムにおけるリニアソレノイド(電磁負荷装置)の駆動制御装置は、リニアソレノイド1に駆動電流を供給する電気回路2、この電気回路2からリニアソレノイド1に供給される駆動電流を監視する際に使用される電流モニタ抵抗3、リニアソレノイド1に供給される駆動電流を監視する電流モニタ回路4、ならびに制御中枢のCPU5を備えて構成されている。
図1のリニアソレノイド1は、駆動電流がリニアソレノイド1に出力されるソレノイド出力端子6とグランドとの間に接続され、駆動電流量に応じてオン/オフの間を連続的に変化させてリニア制御され、電気回路2から供給される駆動電流に基づいて駆動制御される。リニアソレノイド1は、オフ(駆動電流が停止)した時にソレノイドのインダクタンス成分により発生する電流が、パワーグラウンド端子7から環流用ダイオード8を介して電流モニタ抵抗3、ソレノイド出力端子6を経てリニアソレノイド1に環流される。
電流モニタ抵抗3は、電気回路2とソレノイド出力端子6との間に接続され、リニアソレノイド1に供給される駆動電流を抵抗の電圧降下を利用してモニタする。
CPU5は、リニアソレノイド1のフィードバック駆動制御、ならびにリニアソレノイド1の異常(断線及び短絡の両方)を検出制御する制御中枢となる。CPU5は、内部に記憶されたプログラムに基づいて、上記駆動制御ならびに検出制御を行う。
図2は、前記リニアソレノイドの通電制御回路を示す。
図2において、目標電流値設定部101では、前記リニアソレノイド1の目標電流値を設定する。
前記電流偏差演算部102で演算された電流偏差は、電流補正項算出部103及び電流偏差積算部104に出力される。
また、電流偏差積算部104では、前記電流偏差演算部102で算出された電流偏差のうち、所定時間内に算出された電流偏差を積算することで、前記電流偏差の積算値を更新演算する。
前記電流偏差積算部104で算出される前記電流偏差の積算値は、異常判定部105に出力される。
前記デューティ変換部107の出力である出力デューティは電気回路2に出力され、電気回路2では、前記出力デューティに基づいて、前記リニアソレノイド1の電源をPWM制御する。
異常判定部105では、前記目標電流値設定部101で設定された目標電流値に応じて、後述する断線判定閾値及び短絡判定閾値を設定する。そして、これら断線判定閾値又は短絡判定閾値と、前記電流偏差積算部104で算出される前記電流偏差の積算値と、を比較することで、リニアソレノイド1の異常を判定する。
上記リニアソレノイド1の異常検出について、以下詳述する。
図3に示すように、正常時には、目標電流値が一定でありモニタ電流値が定常状態(目標電流値に収束)であるが、断線時には、モニタ電流値が目標電流値よりも低下して0となっており、短絡時には、モニタ電流値が目標電流値よりも増加している。
図4において、正常時には、電流偏差が略0となるようにフィードバック制御が行われているため、電流偏差の積算値は略0に収束する。なお、図4において目標電流値は定常状態であるが、目標電流値の変動があっても、定常状態に至るまでの間に、電流偏差が正の状態と、負の状態と、が交互に現れるように応答するため、正負の電流偏差が相殺し合って、電流偏差の積算値は、絶対値の増大が抑制されて0に近い値へ収束する。
また、短絡時には、図3に示すように電流偏差が正の状態が継続することで、正の電流偏差が繰り返し積算され、電流偏差の積算値が正の方向へ増加する。
そして、図2の異常判定部105において、電流偏差の積算値が所定の断線判定閾値を負の方向へ超えるのを検出したとき、リニアソレノイド1が断線していると判定し、該積算値が所定の短絡判定閾値を正の方向へ超えるのを検出したとき、リニアソレノイド1が短絡していると判定する。
異常判定部105においてリニアソレノイド1の断線と判定したときは、リニアソレノイド1が制御不能なために自動変速機など関連機器が不適切な動作を起こさないように、フェールセーフ制御を行う。
以下、本実施形態の奏する効果について、従来の構成と比較して説明する。
従来の構成(例えば特許文献1に記載のもの)では、リニアソレノイドの電流偏差の絶対値(モニタ電流値と目標電流値との差)が閾値を超えたのを検出したとき、リニアソレノイド又はこれを駆動する駆動装置の異常(断線又は短絡)と判定している。したがって、目標電流値が0に近い程度に小さいときは、図5に示すように、実際の断線時に、モニタ電流値が0となることで、電流偏差の絶対値が小さくなって正常範囲に収まってしまうため、断線を検出するのが困難である。
また、上記従来の構成では、図8に示すように、目標電流値が小さい領域ほど、モニタ電流値の短絡判定閾値も小さく設定され、該短絡判定閾値と目標電流値との差が小さくなっている。したがって、実際に正常時であっても、目標電流値が特に小さい領域(図6の領域E2)へ低下するように変動したときは、応答時にモニタ電流値のピークが該短絡判定閾値を超えやすく、短絡と誤判定しやすい。
2 電気回路
3 電流モニタ抵抗
4 電流モニタ回路
5 CPU
Claims (8)
- 電磁負荷装置を駆動する電気回路と、
該電気回路に流す目標電流値を設定する手段と、
該電気回路を流れる電流値をモニタする手段と、
前記モニタされる電流値と目標電流値との差分を算出する手段と、
該差分に基づいて、該モニタされる電流値が目標電流値と一致するように、前記電磁負荷装置への出力電流値を制御する制御手段と、
前記モニタされる電流値と、前記目標電流値又は出力電流値と、の差分を所定時間積算する積算手段と、
該差分の積算値を閾値と比較することで、前記電磁負荷装置の異常を判定する異常判定手段と、
を含んで構成したことを特徴とする電磁負荷装置の制御装置。 - 前記所定時間は、前記異常判定の要求時を基点として、過去へ遡る方向へ設定されることを特徴とする請求項1に記載の電磁負荷装置の制御装置。
- 前記閾値として、正の閾値と負の閾値とを有し、
前記差分を、前記モニタされる電流値から目標電流値又は出力電流値を差し引いて算出する場合、前記異常判定手段は、前記積算値が正の閾値を上回ったとき、前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定し、前記積算値が負の閾値を下回ったとき、前記電磁負荷装置の断線による異常と判定し、
前記差分を、前記目標電流値又は出力電流値からモニタされる電流値を差し引いて算出する場合、前記異常判定手段は、前記積算値が正の閾値を上回ったとき、前記電磁負荷装置の断線による異常と判定し、前記積算値が負の閾値を下回ったとき、前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁負荷装置の制御装置。 - 前記閾値は、前記目標電流値又は出力電流値に応じて変更されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電磁負荷装置の制御装置。
- 前記異常判定手段によって前記電磁負荷装置の異常と判定されたとき、該電磁負荷装置に対し、異常時用のフェールセーフ制御を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の電磁負荷装置の制御装置。
- 前記電磁負荷装置の断線による異常と判定されたときは、該電磁負荷装置により制御される機器の不適切な動作を回避するフェールセーフ制御を行い、
前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定されたときは、前記電気回路を電源から切断し、該電気回路の過電流を回避するフェールセーフ制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の電磁負荷装置の制御装置。 - 前記積算手段は、
前記目標電流値の変動後定常状態に至るまでの期間に算出された前記差分の積算を禁止することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の電磁負荷装置の制御装置。 - 前記目標電流値が、第1の所定値より大きいとき、
又は、
前記目標電流値が、前記第1の所定値より小さい第2の所定値より小さいとき、
前記異常判定手段による判定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の電磁負荷装置の制御装置。
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JP2007256653A JP2009089072A (ja) | 2007-09-28 | 2007-09-28 | 電磁負荷装置の制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
- 2007-09-28 JP JP2007256653A patent/JP2009089072A/ja active Pending
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