JP2009089072A - 電磁負荷装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁負荷装置の異常(断線又は短絡)を高精度に検出できる電磁負荷装置の制御装置を提供する。
【解決手段】電磁負荷装置(リニアソレノイド1)を駆動する電気回路(駆動回路108)と、該電気回路に流す目標電流値を設定する手段(目標電流値設定部101)と、該電気回路を流れる電流値をモニタする手段(電流モニタ回路4)と、前記モニタされる電流値と目標電流値との差分を算出する手段(電流偏差演算部102)と、該差分に基づいて、該モニタされる電流値が目標電流値と一致するように、前記電磁負荷装置への出力電流値を制御する制御手段と、前記モニタされる電流値と、前記目標電流値又は出力電流値と、の差分を所定時間積算する積算手段(電流偏差積算部104)と、該差分の積算値を閾値と比較することで、前記電磁負荷装置の異常を判定する異常判定手段(異常判定部105)と、を含んで構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁負荷装置(例えば、車両に搭載されている電子制御式自動変速機の作動油圧制御システムにおいて、作動油圧を制御するリニアソレノイドなど)の制御装置に関し、特に、電磁負荷装置の異常(断線と短絡の少なくとも一方)を高精度に検出する技術に関する。
リニアソレノイドなど電磁負荷装置に流れる電流値は、温度や電源電圧など外乱要素の影響によって変動するため、該電流の測定値(モニタ電流値)と目標電流値との偏差に基づき、モニタ電流値が目標電流値と一致するように、電磁負荷装置を駆動する電気回路への出力電流値を補正するフィードバック制御が行われている。
ところで、電磁負荷装置に異常(断線又は短絡)が発生すると、電磁負荷装置の駆動を適切に制御できなくなり、関連機器の動作性能が低下する。
そこで、このような異常発生時に電磁負荷装置の駆動制御を異常時用の制御に切り換えることができるように、特許文献1に記載のものでは、リニアソレノイドのモニタ電流値と、目標電流値と、の差が閾値を超えるのを検出することで、該リニアソレノイドの異常を検出している。
特開平7−194175号公報
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、目標電流値が0に近い程度に小さいとき、実際の断線時に、モニタ電流値が0となることで、モニタ電流値と目標電流値との差が小さくなって正常範囲に収まってしまうため、断線を検出するのが困難となる。
また、目標電流値がモニタ電流値の測定限界値に近い程度に大きいときも、モニタ電流値が測定限界値で飽和することで、モニタ電流値と目標電流値との差が小さくなって正常範囲に収まってしまうため、短絡を検出できない。
さらに、実際にリニアソレノイド及びその駆動装置内に異常がない正常時でも、目標電流値が変動したとき、その応答時にモニタ電流値のピークが過渡的に目標電流値を大きく上回ることで、短絡と誤判定しやすい。
本発明は、以上のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、電磁負荷装置の異常(断線と短絡の少なくとも一方)を高精度に検出できる電磁負荷装置の制御装置を提供することを目的とする。
このため、請求項1に係る発明は、
電磁負荷装置を駆動する電気回路と、
該電気回路に流す目標電流値を設定する手段と、
該電気回路を流れる電流値をモニタする手段と、
前記モニタされる電流値と目標電流値との差分を算出する手段と、
該差分に基づいて、該モニタされる電流値が目標電流値と一致するように、前記電磁負荷装置への出力電流値を制御する制御手段と、
前記モニタされる電流値と、前記目標電流値又は出力電流値と、の差分を所定時間積算する積算手段と、
該差分の積算値を閾値と比較することで、前記電磁負荷装置の異常を判定する異常判定手段と、
を含んで構成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、
前記所定時間は、前記異常判定の要求時を基点として、過去へ遡る方向へ設定されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、
前記閾値として、正の閾値と負の閾値とを有し、
前記差分を、前記モニタされる電流値から目標電流値又は出力電流値を差し引いて算出する場合、前記異常判定手段は、前記積算値が正の閾値を上回ったとき、前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定し、前記積算値が負の閾値を下回ったとき、前記電磁負荷装置の断線による異常と判定し、
前記差分を、前記目標電流値又は出力電流値からモニタされる電流値を差し引いて算出する場合、前記異常判定手段は、前記積算値が正の閾値を上回ったとき、前記電磁負荷装置の断線による異常と判定し、前記積算値が負の閾値を下回ったとき、前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、
前記閾値は、前記目標電流値又は出力電流値に応じて変更されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、
前記異常判定手段によって前記電磁負荷装置の異常と判定されたとき、該電磁負荷装置に対し、異常時用のフェールセーフ制御を行うことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、
前記電磁負荷装置の断線による異常と判定されたときは、該電磁負荷装置により制御される機器の不適切な動作を回避するフェールセーフ制御を行い、
前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定されたときは、前記電気回路を電源から切断し、該電気回路の過電流を回避するフェールセーフ制御を行うことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、
前記積算手段は、
前記目標電流値の変動後定常状態に至るまでの期間に算出された前記差分の積算を禁止することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、
前記目標電流値が、第1の所定値より大きいとき、
又は、
前記目標電流値が、前記第1の所定値より小さい第2の所定値より小さいとき、
前記異常判定手段による判定を行うことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、前記制御手段が、モニタされる電流値と目標電流値との差分に基づいて、該モニタされる電流値が目標電流値と一致するように、前記電磁負荷装置への出力電流値を制御する。このとき、前記積算手段が、モニタされる電流値と、目標電流値又は出力電流値と、の差分を所定時間積算し、前記異常判定手段が、該差分の積算値を閾値と比較することで、前記電磁負荷装置の異常を判定する。
請求項2に係る発明によれば、前記積算手段が、異常判定の要求時を基点として過去へ遡る方向へ設定された所定時間の間に算出された前記差分を、積算する。
請求項3に係る発明によれば、前記異常判定手段は、積算値が正の閾値を上回ったとき又は負の閾値を下回ったとき、前記電磁負荷装置の異常と判定する。
請求項4に係る発明によれば、前記閾値が、目標電流値又は出力電流値に応じて変更される。
請求項5に係る発明によれば、前記異常判定手段によって電磁負荷装置の異常と判定されたとき、該電磁負荷装置に対し、異常時用のフェールセーフ制御を行うことができる。
請求項6に係る発明によれば、前記電磁負荷装置の断線による異常時及び短絡による異常時において、夫々、所定のフェールセーフ制御を行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、前記目標電流値の変動後定常状態に至るまでの期間に算出された前記差分(前記モニタされる電流値と、前記目標電流値又は出力電流値と、の差分)は、前記積算値に反映されなくなる。
請求項8に係る発明によれば、前記目標電流値が第1の所定値より大きいとき、又は、目標電流値が第2の所定値より小さいとき、前記異常判定手段による判定が行われる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る電磁負荷装置の制御装置を、車両に搭載されている電子制御式自動変速機の油圧制御システムのリニアソレノイドに対して適用した形態のシステム構成図である。
図1において、例えば、自動変速機の油圧制御システムにおけるリニアソレノイド(電磁負荷装置)の駆動制御装置は、リニアソレノイド1に駆動電流を供給する電気回路2、この電気回路2からリニアソレノイド1に供給される駆動電流を監視する際に使用される電流モニタ抵抗3、リニアソレノイド1に供給される駆動電流を監視する電流モニタ回路4、ならびに制御中枢のCPU5を備えて構成されている。
なお、本発明に係る電磁負荷装置の制御装置は、図1の形態に限らず、電磁負荷装置を有する他の様々な形態にも適用可能である。
図1のリニアソレノイド1は、駆動電流がリニアソレノイド1に出力されるソレノイド出力端子6とグランドとの間に接続され、駆動電流量に応じてオン/オフの間を連続的に変化させてリニア制御され、電気回路2から供給される駆動電流に基づいて駆動制御される。リニアソレノイド1は、オフ(駆動電流が停止)した時にソレノイドのインダクタンス成分により発生する電流が、パワーグラウンド端子7から環流用ダイオード8を介して電流モニタ抵抗3、ソレノイド出力端子6を経てリニアソレノイド1に環流される。
電気回路2は、リニアソレノイド1に供給しようとする駆動電流(目標電流値)を指示する駆動信号(パルス信号)をCPU5から受けて、この駆動信号のデューティ比に基づいて駆動電流を生成し、生成した駆動電流を電流モニタ抵抗3、ソレノイド出力端子6を介してリニアソレノイド1に供給する。
電流モニタ抵抗3は、電気回路2とソレノイド出力端子6との間に接続され、リニアソレノイド1に供給される駆動電流を抵抗の電圧降下を利用してモニタする。
電流モニタ回路4は、電流モニタ抵抗3の両端の電圧を入力し、入力された電圧に基づいて、内蔵する積分回路等の機能によりリニアソレノイド1に供給される駆動電流に対応した電流モニタ信号(モニタ電流値)をCPU5に与える。
CPU5は、リニアソレノイド1のフィードバック駆動制御、ならびにリニアソレノイド1の異常(断線及び短絡の両方)を検出制御する制御中枢となる。CPU5は、内部に記憶されたプログラムに基づいて、上記駆動制御ならびに検出制御を行う。
なお、本実施形態ではリニアソレノイド1の断線及び短絡の両方を検出しているが、本発明には断線又は短絡の一方のみを検出するものも含まれる。
図2は、前記リニアソレノイドの通電制御回路を示す。
図2において、目標電流値設定部101では、前記リニアソレノイド1の目標電流値を設定する。
電流偏差演算部102では、前記目標電流値設定部101で設定される目標電流値と、電流モニタ回路4で検出される電流値(モニタ電流値)と、の電流偏差(モニタ電流値から目標電流値を差し引いた値)を演算する。
前記電流偏差演算部102で演算された電流偏差は、電流補正項算出部103及び電流偏差積算部104に出力される。
前記電流補正項算出部103では、前記電流偏差演算部102で演算された電流偏差に基づいて、モニタ電流値を目標電流値へ一致させるようにフィードバック制御するための電流補正項を算出する。
また、電流偏差積算部104では、前記電流偏差演算部102で算出された電流偏差のうち、所定時間内に算出された電流偏差を積算することで、前記電流偏差の積算値を更新演算する。
ここで、上記所定時間は、異常判定の要求時を基点として、過去へ遡る方向へ設定される。即ち、異常判定の要求時より該一定時間だけ過去へ遡った時と、異常判定の要求時と、の間に算出された電流偏差(該異常判定の要求時に算出された電流偏差を含む)を積算する。
前記電流偏差積算部104で算出される前記電流偏差の積算値は、異常判定部105に出力される。
前記電流補正項算出部103の出力(電流補正項)は、補正項加算部106において前記目標電流値設定部101で設定される目標電流値に加算され、デューティ変換部107では、前記補正項加算部106の加算結果をデューティ(スイッチングのON時間割合)に変換し、最終的な出力デューティが設定される。
前記デューティ変換部107の出力である出力デューティは電気回路2に出力され、電気回路2では、前記出力デューティに基づいて、前記リニアソレノイド1の電源をPWM制御する。
電流モニタ回路4では、前記リニアソレノイド1に流れる電流を、電流モニタ抵抗3の端子間電圧として検出し、前記電流偏差演算部102に出力する。
異常判定部105では、前記目標電流値設定部101で設定された目標電流値に応じて、後述する断線判定閾値及び短絡判定閾値を設定する。そして、これら断線判定閾値又は短絡判定閾値と、前記電流偏差積算部104で算出される前記電流偏差の積算値と、を比較することで、リニアソレノイド1の異常を判定する。
ここで、上述のように、電流偏差積算部104では、前記リニアソレノイド1の異常判定の要求時より以前の所定時間に算出された前記差分を積算しているため、このような異常判定の要求があったとき、即座に前記差分の積算値を算出することができ、異常判定部105において迅速かつ効果的に該異常を判定することができる。
上記リニアソレノイド1の異常検出について、以下詳述する。
図3は、リニアソレノイド1及び電気回路2のいずれにも断線,短絡がないとき(以下、正常時とする)、リニアソレノイド1の断線時,短絡時(以下、断線時,短絡時とする)、における時間とモニタ電流値との関係の例を示す。
図3に示すように、正常時には、目標電流値が一定でありモニタ電流値が定常状態(目標電流値に収束)であるが、断線時には、モニタ電流値が目標電流値よりも低下して0となっており、短絡時には、モニタ電流値が目標電流値よりも増加している。
本実施形態では、図3の電流偏差(モニタ電流値から目標電流値を差し引いた値)を積算するが、該積算値と時間との関係は、例えば図4のようになる。
図4において、正常時には、電流偏差が略0となるようにフィードバック制御が行われているため、電流偏差の積算値は略0に収束する。なお、図4において目標電流値は定常状態であるが、目標電流値の変動があっても、定常状態に至るまでの間に、電流偏差が正の状態と、負の状態と、が交互に現れるように応答するため、正負の電流偏差が相殺し合って、電流偏差の積算値は、絶対値の増大が抑制されて0に近い値へ収束する。
一方、断線時には、図3に示すように電流偏差が負の状態が継続することで、負の電流偏差が繰り返し積算され、電流偏差の積算値が負の方向へ増加する。
また、短絡時には、図3に示すように電流偏差が正の状態が継続することで、正の電流偏差が繰り返し積算され、電流偏差の積算値が正の方向へ増加する。
そして、図2の異常判定部105において、電流偏差の積算値が所定の断線判定閾値を負の方向へ超えるのを検出したとき、リニアソレノイド1が断線していると判定し、該積算値が所定の短絡判定閾値を正の方向へ超えるのを検出したとき、リニアソレノイド1が短絡していると判定する。
なお、これら断線判定閾値及び短絡判定閾値は、正常時において電流偏差の積算値が到達するのを確実に防止できる程度の値に設定される。
異常判定部105においてリニアソレノイド1の断線と判定したときは、リニアソレノイド1が制御不能なために自動変速機など関連機器が不適切な動作を起こさないように、フェールセーフ制御を行う。
一方、異常判定部105においてリニアソレノイド1の短絡と判定したときは、例えば、電気回路2を電源から切断し、電気回路2の過電流による性能低下を防止するようなフェールセーフ制御を行う。
以下、本実施形態の奏する効果について、従来の構成と比較して説明する。
従来の構成(例えば特許文献1に記載のもの)では、リニアソレノイドの電流偏差の絶対値(モニタ電流値と目標電流値との差)が閾値を超えたのを検出したとき、リニアソレノイド又はこれを駆動する駆動装置の異常(断線又は短絡)と判定している。したがって、目標電流値が0に近い程度に小さいときは、図5に示すように、実際の断線時に、モニタ電流値が0となることで、電流偏差の絶対値が小さくなって正常範囲に収まってしまうため、断線を検出するのが困難である。
これに対し、本実施形態では、図4に示すように、正常時には電流偏差の積算値が略0に収束するのに対して、実際の断線時には、絶対値の小さな電流偏差であってもこれが積算されて該積算値が負の方向へ増大するため、正常時と断線時とで電流偏差の積算値の差が明確に現れる。そして、電流偏差の積算値が断線判定閾値を負の方向へ超えるのを検出することで、断線を確実に検出することができる。
また、上記従来の構成では、リニアソレノイドの目標電流値がモニタ電流値の測定限界値に近い程度に大きいとき(図6の領域E1)は、実際の短絡時に、実際の電流値が測定限界値を超過していても、モニタ電流値が測定限界値で飽和することで、やはり電流偏差の絶対値が小さくなって正常範囲に収まってしまうため、短絡を検出するのが困難である。
これに対し、本実施形態では、正常時には電流偏差の積算値が略0に収束するのに対して、実際の短絡時には、絶対値の小さな電流偏差であってもこれが積算されて該積算値が正の方向へ増大するため、正常時と短絡時とで電流偏差の積算値の差が明確に現れる。そして、電流偏差の積算値が短絡判定閾値を正の方向へ超えるのを検出することで、短絡を確実に検出することができる。
なお、目標電流値が特に小さい領域では、実際の断線時、電流偏差の絶対値が極めて小さくなるため、電流偏差の積算値が負の方向へ増大する速度が低下し、断線発生から前記積算値が断線判定閾値を超えるまでの時間が長くなることで、断線検出が遅れる懸念がある。したがって、例えば図7に示すように、目標電流値が特に小さい領域(目標電流値がb1未満の領域)において、断線判定閾値を0に近づけることで、断線検出の迅速性を確保してもよい。
同様に、目標電流値が特に前記測定限界値に近い領域でも、実際の短絡時、電流偏差の絶対値が極めて小さくなるため、電流偏差の積算値が正の方向へ増大する速度が低下し、短絡発生から前記積算値が短絡判定閾値を超えるまでの時間が長くなることで、短絡検出が遅れる懸念がある。したがって、例えば図7に示すように、目標電流値が特に前記測定限界値に近い領域(目標電流値がb2より大きい領域)において、短絡判定閾値を0に近づけることで、短絡検出の迅速性を確保してもよい。
図7において、目標電流値がb1以上の領域における断線判定閾値はa1であり、目標電流値がb2以下の領域における短絡判定閾値はa2であるが、このa1,a2は、正常時に目標電流値の変動によってモニタ電流値のオーバーシュートが規定サイクル発生しても、夫々断線,短絡であるとの誤判定が生じないように設定する。したがって、予め、発生し得るモニタ電流値のオーバーシュート量を、計測等によって求めておくのがよい。
ここで、図7の目標電流値がb1未満の領域では、該領域へ目標電流値が低下するように変動したとき、実際の電流値のオーバーシュート量が、正常時の制御領域の下限値(図6参照)からモニタ電流値の測定限界値(ここでは0)を減じた値、を超えるようになっている。そこで、実際の電流値のうちオーバーシュート時に0未満(負)の値を示せなかった分を補償すべく、目標電流値がb1未満の領域において断線判定閾値を0に近づけ、これにより断線の検出精度を確保している。
また、図7の目標電流値がb2より大きい領域では、該領域へ目標電流値が増加するように変動したとき、実際の電流値のオーバーシュート量が、モニタ電流値の測定限界値から正常時の制御領域の上限値(図6参照)を減じた値、を超えるようになっている。そこで、実際の電流値のうちオーバーシュート時にモニタ電流値の測定限界値を超過した分を補償すべく、目標電流値がb2より大きい領域において短絡判定閾値を0に近づけ、これにより短絡の検出精度を確保している。
図7の目標電流値がb1未満の領域における断線判定閾値の目標電流値に対する変化率、及び、目標電流値がb2より大きい領域における短絡判定閾値の目標電流値に対する変化率は、チューニング等によって適切に設定するとよい。
また、上記従来の構成では、図8に示すように、目標電流値が小さい領域ほど、モニタ電流値の短絡判定閾値も小さく設定され、該短絡判定閾値と目標電流値との差が小さくなっている。したがって、実際に正常時であっても、目標電流値が特に小さい領域(図6の領域E2)へ低下するように変動したときは、応答時にモニタ電流値のピークが該短絡判定閾値を超えやすく、短絡と誤判定しやすい。
これに対し、本実施形態では、リニアソレノイド1を流れる電流値のフィードバック制御により、定常状態に至るまでの間に、電流偏差が正の状態と、負の状態と、が交互に現れるように応答し、正負の電流偏差が相殺し合うため、電流偏差の積算値は、図9に示すように、絶対値の増大が抑制されて短絡判定閾値を超えない範囲で減衰し、0に近い値へ収束する。このように、電流偏差を積算することで、実際の正常時に短絡と誤判定されるのを確実に防止し、短絡の検出精度を向上させることができる。
なお、目標電流値の大きな変動後モニタ電流値が定常状態に至るまでの期間は、電流偏差の絶対値が一時的に大きくなり、該期間に算出された電流偏差を積算すると、積算値に大きな影響を及ぼしてリニアソレノイド1の異常と誤判定する懸念があるため、該期間に算出された電流偏差は、積算を禁止することで積算値に反映させないようにしてもよい。これにより、リニアソレノイド1の異常判定の正確性を確保できる。この場合、前記所定時間は、該積算禁止期間分を補償すべく、延長してもよい。
さらに、上記従来の構成では、リニアソレノイドの目標電流値がモニタ電流値の測定限界値に近い程度に大きい領域(図6の領域E1)では、モニタ電流値の短絡判定閾値が該測定限界値で飽和してしまい、図10に示すように、該短絡判定閾値と目標電流値との差が小さくなる。したがって、実際に正常時であっても、目標電流値が該測定限界値に近い領域(図6の領域E1)へ増加するように変動したときは、応答時にモニタ電流値のピークが該短絡判定閾値を超えやすく、やはり短絡と誤判定しやすい。
これに対し、本実施形態では、リニアソレノイド1を流れる電流値のフィードバック制御により、定常状態に至るまでの間に、電流偏差が正の状態と、負の状態と、が交互に現れるように応答し、正負の電流偏差が相殺し合うため、電流偏差の積算値は、図11に示すように、絶対値の増大が抑制されて短絡判定閾値を超えない範囲で減衰し、0に近い値へ収束する。このように、電流偏差を積算することで、実際の正常時に短絡と誤判定されるのを確実に防止し、短絡の検出精度を向上させることができる。
また、電流偏差の絶対値を閾値と比較することによって異常判定を行う上記従来の構成では、上述のように、目標電流値がモニタ電流値の測定限界値に近い程度に大きい領域(目標電流値が第1の所定値より大きい図6の領域E1)と、目標電流値が特に小さい領域(目標電流値が第2の所定値より小さい図6の領域E2)と、において、リニアソレノイド1の異常と誤判定したり、リニアソレノイド1の異常を検出できなかったりする。したがって、このような誤判定や異常未検出を生じやすい目標電流値領域でのみ、前記電流偏差の積算値に基づく高精度な異常判定を行い、一方、該領域外の目標電流値のときは、上記従来の構成のように、前記電流偏差の絶対値を閾値と比較することによる簡易な異常判定を行ってもよい。
上記説明では、目標電流値とモニタ電流値との差分(電流偏差)を積算することで、電流偏差の積算値を求めたが、本発明はこれに限られず、出力電流値(前記電流補正項と目標電流値とを加算して得られる電流値)とモニタ電流値との差分を積算するようにしてもよい。この場合、図7の横軸の目標電流値を出力電流値と読み替え、出力電流値に応じて断線判定閾値及び短絡判定閾値を変更するなどしてもよい。
本発明の実施形態のシステム構成図 本発明の実施形態の通電制御回路を示す図 本発明の実施形態に係る時間とモニタ電流値との関係の例を示す図 本発明の実施形態に係る時間と電流偏差の積算値との関係の例を示す図 従来の構成に係る断線時における時間とモニタ電流値との関係の例を示す図 従来の構成における目標電流値とモニタ電流値との関係の例を示す図 本発明の実施形態に係る目標電流値と、断線判定閾値又は短絡判定閾値と、の関係の例を示す図 従来の構成に係る正常時に目標電流値が変動したときにおける時間とモニタ電流値との関係の例を示す図 本発明の実施形態に係る正常時に目標電流値が変動したときにおける時間と電流偏差の積算値との関係の例を示す図 従来の構成に係る正常時に目標電流値が変動したときにおける時間とモニタ電流値との関係の例を示す図 本発明の実施形態に係る正常時に目標電流値が変動したときにおける時間と電流偏差の積算値との関係の例を示す図
符号の説明
1 リニアソレノイド
2 電気回路
3 電流モニタ抵抗
4 電流モニタ回路
5 CPU

Claims (8)

  1. 電磁負荷装置を駆動する電気回路と、
    該電気回路に流す目標電流値を設定する手段と、
    該電気回路を流れる電流値をモニタする手段と、
    前記モニタされる電流値と目標電流値との差分を算出する手段と、
    該差分に基づいて、該モニタされる電流値が目標電流値と一致するように、前記電磁負荷装置への出力電流値を制御する制御手段と、
    前記モニタされる電流値と、前記目標電流値又は出力電流値と、の差分を所定時間積算する積算手段と、
    該差分の積算値を閾値と比較することで、前記電磁負荷装置の異常を判定する異常判定手段と、
    を含んで構成したことを特徴とする電磁負荷装置の制御装置。
  2. 前記所定時間は、前記異常判定の要求時を基点として、過去へ遡る方向へ設定されることを特徴とする請求項1に記載の電磁負荷装置の制御装置。
  3. 前記閾値として、正の閾値と負の閾値とを有し、
    前記差分を、前記モニタされる電流値から目標電流値又は出力電流値を差し引いて算出する場合、前記異常判定手段は、前記積算値が正の閾値を上回ったとき、前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定し、前記積算値が負の閾値を下回ったとき、前記電磁負荷装置の断線による異常と判定し、
    前記差分を、前記目標電流値又は出力電流値からモニタされる電流値を差し引いて算出する場合、前記異常判定手段は、前記積算値が正の閾値を上回ったとき、前記電磁負荷装置の断線による異常と判定し、前記積算値が負の閾値を下回ったとき、前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁負荷装置の制御装置。
  4. 前記閾値は、前記目標電流値又は出力電流値に応じて変更されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電磁負荷装置の制御装置。
  5. 前記異常判定手段によって前記電磁負荷装置の異常と判定されたとき、該電磁負荷装置に対し、異常時用のフェールセーフ制御を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の電磁負荷装置の制御装置。
  6. 前記電磁負荷装置の断線による異常と判定されたときは、該電磁負荷装置により制御される機器の不適切な動作を回避するフェールセーフ制御を行い、
    前記電磁負荷装置の短絡による異常と判定されたときは、前記電気回路を電源から切断し、該電気回路の過電流を回避するフェールセーフ制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の電磁負荷装置の制御装置。
  7. 前記積算手段は、
    前記目標電流値の変動後定常状態に至るまでの期間に算出された前記差分の積算を禁止することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の電磁負荷装置の制御装置。
  8. 前記目標電流値が、第1の所定値より大きいとき、
    又は、
    前記目標電流値が、前記第1の所定値より小さい第2の所定値より小さいとき、
    前記異常判定手段による判定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の電磁負荷装置の制御装置。
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