JP2009086503A - 電子写真用塗工紙 - Google Patents

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Chizuru Koga
千鶴 古賀
Kiyoshi Hosoi
清 細井
Tsukasa Matsuda
司 松田
Tomofumi Tokiyoshi
智文 時吉
Ritsuo Mando
律雄 萬道
Hitoshi Ishizawa
仁志 石澤
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Abstract

【課題】電子写真方式の画像形成装置により画像を形成した際に、転写部での巻きつきを抑制できる塗工紙を提供すること。
【解決手段】塗工層を有し、体積電気抵抗率が10Ωcm〜1012Ωcmであり、光沢度が30%以上であり且つ下式1を満たす塗工紙である。
・式1 α×(C+150)+β≦70
〔式1中、αは下式2に示す値(N/V)、βは下式3に示す値(N)を意味し、Cは定数(−3000V)である〕
・式2 α=ΔA/ΔX
・式3 β=A(−150)
〔式2及び式3中、A(X)はクロロプレン製無端ベルト上で一旦帯電させた後の用紙の表面電位がX(V)における用紙−ベルト間の付着力(N)、Xは付着力測定時の用紙表面電位(V)を表す〕
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置による画像の形成に好適な電子写真用塗工紙に関するものである。
レーザープリンタや複写機といった電子写真方式の画像形成装置はいまやオフィス用途のみならず、軽印刷用途にも利用されてきている。特にカタログ、チラシなどを小部数作製するようなケースでは、従来の印刷機で作製する場合に比べて、電子写真方式の画像形成装置の方が時間・コストともに優位性がある。
しかし、従来の印刷機で使用されている塗工紙、特に坪量の低い薄手の塗工紙については、電子写真方式で印刷できるものは少ない。また、塗工紙の中で稀に電子写真方式による印刷に使用できるものがあっても、それは低光沢の所謂マット塗工紙であり、印刷で中心的に使用されている高光沢の塗工紙は使用することができなかった。
高光沢の塗工紙が電子写真方式の印刷に使用できない大きな原因の一つとしては、高光沢の塗工紙を用いて電子写真方式の画像形成装置により印刷した場合に、転写部分や定着部分において、塗工紙が転写部材等へ巻きついてしまい、結果として塗工紙が画像形成装置の機外に排出できないことが挙げられる。
このような巻きつきの問題を解決する方法としては、一般的には、用紙の剛性を高めたり、用紙と部材との密着性を小さくしたりするなどにより、用紙の搬送性を改善する方法が知られている。
例えば、剛性を改善する方法としては、加工時に低圧でプレスすることによって平滑化処理を軽減し、用紙の剛性を大きくする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、用紙の搬送性を改善する方法としては、異なる版目を用いて塗工層を二重に形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、塗工紙に関する技術ではないが、給紙搬送時の重送等を改善する方法として、OHPフィルム表面にトナーよりも軟化点の低い樹脂層を形成し、その上にトナーよりも軟化点の高い材料からなる突起部を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この技術はOHPフィルムのような透明な受像シートのみならず、光沢紙等の特殊紙にも応用が可能であるとされている。
特開2002−341582号公報 特開2003−202694号公報 特開平9−160277号公報
上述した特許文献1〜3等に示される従来技術からも明らかなように、用紙やOHPフィルムなどの記録媒体の転写部での巻きつきの発生を抑制するためには、記録媒体の転写部材に対する密着性の低下や、記録媒体の剛性向上などによる搬送性の向上が重要である。
それゆえ、本発明者らは、電子写真方式の画像形成装置により画像を形成した際に、転写部や定着部での巻きつきの発生が抑制できる電子写真用塗工紙を実現するために、特許文献1〜3に記載の従来技術が利用できないか検討した。
まず、特許文献1に記載の技術を利用した場合、低圧プレスにより平滑化処理を軽減することによって塗工紙の剛性を向上させることができるため、本来であれば、画像形成時に塗工紙と転写部材間との間の密着力に打ち勝つだけの搬送方向への推進力が得られ、巻きつきの発生が抑制できるものと考えられる。
しかし、低坪量で薄い塗工紙を、上述した低圧プレス処理を経て作製した場合、塗工紙の剛性がより低下するため、転写部で巻きつきが発生し易くなる。
また、版目を用いて塗工層を二重に形成する特許文献2に記載の従来技術を利用した場合、搬送性は改善できても、塗工層の表面自体は平滑性が保たれるため、塗工紙と転写部材との密着性は改善されない。従って、この場合でも、巻きつきが発生してしまうことは避け難い。
さらに、特許文献3に記載の従来技術を利用して、特許文献3に記載のOHPフィルムに設けられた樹脂からなる受像層を、塗工紙の塗工層として原紙上に形成した場合、搬送性の改善が期待できる。しかし、高湿環境下で原紙層の強度低下が起こった場合には、用紙の剛度が塗工層樹脂の粘着力に抗うことができず、転写部で巻きつきが多発してしまう。このため、特許文献3に記載の従来技術を、塗工紙に適用することはできない。
以上に説明したように、単に、従来技術を利用しても転写部での巻きつきの発生が抑制できる電子写真用塗工紙を実現することは困難であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電子写真方式の画像形成装置により画像を形成した際に、転写部での巻きつきの発生が抑制できる電子写真用塗工紙を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1>
パルプ繊維を含む原紙と、該原紙の少なくとも片面に設けられた顔料及び接着剤を含む塗工層とを有し、
温度23℃湿度50%RHにおける用紙の体積電気抵抗率が1.0×10Ω・cm以上1.0×1012Ω・cm以下の範囲内であり、前記塗工層が設けられた面のJIS P−8142に規定の白紙光沢度が30%以上であり、且つ、下式(1)を満たすことを特徴とする電子写真用塗工紙。
・式(1) α×(C+150)+β≦70
〔式(1)中、αは下式(2)で示される値(N/V)を意味し、βは下式(3)で示される値(N)を意味し、Cは定数(−3000V)を意味する。〕
・式(2) α=ΔA/ΔX
・式(3) β=A(−150)
〔式(2)および式(3)中、A(X)は、温度10℃湿度15%RHの環境下にて、一対のロールに張架された体積電気抵抗率が1.0×10Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下の範囲内のクロロプレン製無端ベルトの外周面に、その表面電位が少なくとも−200V未満の負電位となるように一旦帯電させることにより静電的に付着させた状態の電子写真用塗工紙を、前記クロロプレン製無端ベルトが周方向に回転しないように固定した状態で、前記クロロプレン製無端ベルトの周方向で且つ前記一対のロール間に位置する前記クロロプレン製無端ベルトにより形成される外周面と平行な方向に、17mm/secの速度で牽引するのに必要な最大荷重(N)を表し、A(X)中のXは前記最大荷重を測定する際の電子写真用塗工紙の表面電位(V)を表す。
また、式(2)中のαは、3水準の表面電位XにおけるA(X)値を、各水準の表面電位Xに対応させてグラフ上にプロットし直線回帰させて求めた回帰直線により求めた値であり、式(3)中のβは前記回帰直線から得られた値であり、式(2)中のΔXは、前記回帰直線中の任意の2点における表面電位X1と表面電位X2との差であるX1−X2(但し、X1>X2)を意味し、ΔAはA(X1)−A(X2)を意味する。〕
<2>
前記用紙の体積電気抵抗率が、1.0×1010Ω・cm以上5.0×1011Ω・cm以下の範囲内であることを特徴とする<1>に記載の電子写真用塗工紙である。
<3>
前記塗工層中に、粒子径が0.1μm以上3μm未満の球形状の無機顔料が含まれることを特徴とする<1>に記載の電子写真用塗工紙である。
本発明によれば、電子写真方式の画像形成装置により画像を形成した際に、転写部での巻きつきの発生が抑制できる電子写真用塗工紙を得ることができる。
本発明者らは、既述したように、単に、従来技術を利用しても転写部での巻きつきの発生が抑制できる電子写真用塗工紙を実現することは困難であるため、根本的な解決方法について検討した。その結果、転写部での巻きつきが発生するために必要な推進力である電子写真用塗工紙−転写部材間に作用する静電的付着力(すなわち、トナーの転写に必要な静電力が、副次的に転写部において用紙と転写部材との間の付着力の形成・向上にも作用した力)を弱めることができれば、転写部における巻きつきの発生を抑制できるものと考え、以下の本発明を見出した。
<電子写真用塗工紙>
本発明の電子写真用塗工紙(以下、「塗工紙」と略す場合がある)は、パルプ繊維を含む原紙と、該原紙の少なくとも片面に設けられた顔料及び接着剤を含む塗工層とを有し、
温度23℃湿度50%RHにおける用紙の体積電気抵抗率が1.0×10Ω・cm以上1.0×1012Ω・cm以下の範囲内であり、前記塗工層が設けられた面のJIS P−8142に規定の白紙光沢度が30%以上であり、且つ、下式(1)を満たすことを特徴とする。
・式(1) α×(C+150)+β≦70
式(1)中、αは下式(2)で示される値(N/V)を意味し、βは下式(3)で示される値(N)を意味し、Cは定数(−3000V)を意味する。
・式(2) α=ΔA/ΔX
・式(3) β=A(−150)
式(2)および式(3)中、A(X)は、温度10℃湿度15%RHの環境下にて、一対のロールに張架された体積電気抵抗率が1.0×10Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下の範囲内のクロロプレン製無端ベルトの外周面に、その表面電位が少なくとも−200V未満の負電位となるように一旦帯電させることにより静電的に付着させた状態の電子写真用塗工紙を、前記クロロプレン製無端ベルトが周方向に回転しないように固定した状態で、前記クロロプレン製無端ベルトの周方向で且つ前記一対のロール間に位置する前記クロロプレン製無端ベルトにより形成される外周面と平行な方向に、17mm/secの速度で牽引するのに必要な最大荷重(N)を表し、A(X)中のXは前記最大荷重を測定する際の電子写真用塗工紙の表面電位(V)を表す。
また、式(2)中のαは、3水準の表面電位XにおけるA(X)値を、各水準の表面電位Xに対応させてグラフ上にプロットし直線回帰させて求めた回帰直線により求めた値であり、式(3)中のβは前記回帰直線から得られた値であり、式(2)中のΔXは、前記回帰直線中の任意の2点における表面電位X1と表面電位X2との差であるX1−X2(但し、X1>X2)を意味し、ΔAはA(X1)−A(X2)を意味する。
なお、使用したクロロプレン製無端ベルトは、カーボンブラック導電処理したクロロプレンベルト(商品名:TRB−BANDAI−I 厚み0.45mm、コート層:MJA−E1、コート層厚み0.009mm、東洋ゴム工業製)である。
なお、本発明において、光沢度が上述した範囲を満たす面は、塗工層が設けられた面を意味し、原紙の両面に塗工層が設けられている場合は、少なくとも一方の面に設けられた塗工層において光沢度が上述した範囲を満たせばよい。また、光沢度は、少なくとも塗工紙の一方の面で上述した範囲が満たせばよいが、実用上は、塗工紙の両面において満たすことが特に好ましい。
以下、説明の都合上、本発明の塗工紙が、原紙の両面に、光沢度が上述した範囲を満たす塗工層が設けられたものであることを前提として説明する。
但し、勿論、本発明は上記構成のみに限定されるものではなく、例えば、原紙の片面にのみ、光沢度が上述した範囲を満たす塗工層が設けられたものであってもよい。この場合、原紙の塗工層が設けられた側と反対側面には、塗工層が設けられていなくてもよく、また、塗工層が設けられる場合には、光沢度が上述した範囲外の塗工層を設けることができる。
−式(1)〜式(3)−
次に、式(1)〜式(3)について説明する。
本発明において、式(1)の左辺{α×(C+150)+β}は、電子写真方式の画像形成装置の転写部を通過時における塗工紙と転写部材との付着力(予想付着力)を意味する値である。この理由を以下に説明する。
まず、転写部における巻きつきの発生は、塗工紙が一対の転写部材間を通過する際の塗工紙の転写部材に対する付着力により支配されることを考慮すれば、塗工紙が一対の転写部材間を通過する際の塗工紙の転写部材に対する付着力が測定できることが必要である。 しかし、塗工紙が一対の転写部材間を通過する時間(すなわち帯電処理時間)は非常に短い上に画像形成装置中を、数十cm/s程度の速度で搬送される塗工紙の転写部材に対する付着力を実際に測定することは不可能である。
そこで、本発明者らは、塗工紙が一対の転写部材間を通過する際における塗工紙の転写部材に対する付着力が直接測定できなくても、間接的に把握できればよいと考えた。このため、転写時の諸条件について検討した。
まず、転写部には、互いに接触するように対向配置された一対の転写部材(例えば、中間転写ベルトおよび電圧印加ロール)が配置されており、一対の転写部材間には、トナーを転写するために−2kV〜−3kV程度の電界が印加される。このため、転写時に一対の転写部材間を通過する塗工紙は、そのトナーを転写される側の表面電位が+2〜3kV程度となり、その裏面は−200Vを大幅に下回るように帯電処理されることになる。また、転写部を通過した後の塗工紙は、時間と共にその帯電が減衰する。このため、静電的な付着力は時間の経過と共に低下することになる。
このため、転写部材として利用される部材に近い特性を有する部材上に帯電した状態の塗工紙を配置して、所定の裏面表面電位を有する塗工紙と部材との付着力と、一定の表面電位範囲における付着力の変化率と、転写時の塗工紙の表面電位とを推定することができれば、転写時に一対の転写部材間を通過する塗工紙と転写部材との間の付着力を予測することができると考えられる。
それゆえ、本発明者らは、所定の表面電位を有する塗工紙と部材との付着力として、式(3)に示すβを採用し、一定の表面電位範囲における付着力の変化率として、式(2)に示すαを採用した。
この場合、βが大きいほど、および/または、αが大きいほど、転写時に一対の転写部材間を通過する塗工紙の帯電量が大きくなり、塗工紙と転写部材との間の付着力が強くなるため、転写部での巻きつきが発生しやすくなるといえる。
一方、転写時の塗工紙の表面電位としては、式(1)に示す定数値C=−3000Vを採用した。この値は市販の電子写真方式の画像形成装置の転写部における転写時の印加電圧が−2kV〜−5kV程度であるため、転写時の印加電圧として最も弱い印加電圧(−2kV程度)を考慮したものである。これに加えて、転写時の高電界条件での表面電位の測定は困難であることから、一旦高電界を印加して帯電させてから所定時間経過後に測定した表面電位に加え、転写時に電界が印加される時間や電界印加後の表面電位の減衰傾向なども考慮して決定した。
なお、転写部材として利用される部材に近い特性を有する部材としては、クロロプレン製ベルトを用いた。この理由は、クロロプレン製ベルトが、転写部材として重要な特性である電気的物性や表面性状等において、一般的な転写部材に近い特性を有するためである。
また、式(2)や式(3)中に示されるA(X)は、直接的には、上述したように表面電位X(V)においてクロロプレン製無端ベルト上に静電的に付着している用紙を牽引する際に必要な最大荷重を表すものである(以下、A(X)を、「付着力A(X)」と称する場合がある。)。
しかし、この最大荷重値には、クロロプレン製無端ベルトが周方向に回転しないように固定した状態で測定されたものであるため、実質的には、クロロプレン製無端ベルト表面と所定の電位に帯電した塗工紙との付着力を意味し、無端ベルトの駆動系等に起因する摩擦力などのその他の要因に起因する力は含まれない。すなわち、A(X)は、クロロプレン製無端ベルト表面と所定の電位に帯電した塗工紙との付着力を意味する。
ここで、式(1)中に示す左辺の値(α×(C+150)+β;以下、「予想付着力」と称す)は、式(1)に示すように70N以下であることが必要であるが、50N以下であることが好ましく、45N以下であることが更に好ましい。
予想付着力が70Nを超えると転写部で巻きつきが発生してしまう。なお、予想付着力の下限は特に限定されるものではないが、実用上は5Nを超え、10N以上であることが好ましい。
また、式(1)を求める上で必要なパラメーターであるA(X)は、既述したように、最も静電的な付着力が大きくなり易い低温低湿環境(10℃15%RH)下で測定している。このことから、式(1)を満たせば、電子写真方式の画像形成装置の利用が想定される低湿度から高湿度および低温から高温環境条件下(湿度15〜85%RH程度の範囲、温度10〜30℃程度の範囲)の全てにおいて転写部での巻きつきの発生を確実に抑制できる。なお、予想付着力の制御方法については後述する。
なお、式(2)中に示すαは、−0.03N/V以上であることが好ましく、−0.02N/V以上であることが好ましい。αが−0.03N/V未満の場合には巻きつきが発生してしまう場合がある。一方、αの上限値については特に限定されないが、実用上は0N/V未満であり、−0.01N/V以下であることがより好ましい。
また、式(3)中に示すβは、1.4N以下であることが好ましく、1.0N以下であることがより好ましい。βが1.4Nを超えると巻きつきが発生してしまう場合がある。一方、βの下限値については特に限定されないが、実用上は0N以上であり、0.1N以上であることがより好ましい。
次に、式(2)、式(3)中に示すα、βを求める上で必要となる値である付着力A(X)の具体的な測定方法についてより詳細に説明する。
図1は、付着力A(X)の測定に用いた測定装置の概要を示す概略図であり、図2は、付着力A(X)の測定に用いたサンプル用紙の平面方向の形状を示す平面図である。
図1および図2中、1は測定装置、2は帯電処理部、3は荷重測定部、10は(クロロプレン製)無端ベルト、12、14はロール、20は帯電ロール、22は電源、30は無端ベルト、32、34、36はロール、40はロードセル、42は牽引ロープ、50、50A、50Bはサンプル用紙、52はサンプル用紙本体部分、54は牽引部、56は穴を表す。
図1に示す測定装置1は、帯電処理部2と荷重測定部3とから構成される。
ここで、帯電処理部2は、ロール12と、ロール12の荷重測定部3側に配置されたロール14と、一対のロール12、14に張架された無端ベルト10と、ロール12の鉛直方向上方側に無端ベルト10を介して互いに押圧するように対向配置された帯電ロール20と、帯電ロール20に接続された電源22とから構成される。
なお、ロール12は接地されている。また、一対のロール12、14のうち、いずれか一方は不図示のモーターに接続されており、無端ベルト12が図中時計回り方向(図中矢印A方向)に所定の速度で回転できるようになっている。さらに、一対のロール12、14で張架されることにより無端ベルト10外周面が平面を形成している領域のうち、鉛直方向上方側の面は、鉛直方向と直交するように無端ベルト10が張架されている。
ここで、帯電ロール20としては、芯金上に単層のエピクロルヒドリンゴム層が形成されたロール部材(外径28mm、ゴム硬度70°、22℃55%RHの環境下にて1500Vの電圧を印加した場合の体積電気抵抗率が1.0×10Ω・cm以上1.6×10Ω・cm以下の範囲)を用い、ロール12としては、芯金上にゴム変位フッ素コートエムラロンからなるイオン導電性のゴム層を設けたロール部材(外径28mm、ゴム硬度30°、22℃55%RHの環境下にて100Vの電圧を印加した場合の体積電気抵抗率が2.0×10Ω・cm以上2.0×10Ω・cm以下の範囲)を用いた。なお、ゴム硬度は、アスカーゴム硬度計C型を用いて22℃55%RHの環境下で測定したものである。
また、対向配置された一対のロール12、20の食い込み量は0.9mmとなるようにロール12、20間に働く押圧力を調整した。
一方、荷重測定部3は、ロール32と、ロール32の帯電処理部2が設けられた側と反対側に配置されたロール34と、ロール32の鉛直方向下方側に配置されたロール36と、これら3つのロールにより張架された無端ベルト30と、且つロール32とロール34とで張架された領域の無端ベルト30の外周面上に固定した状態で配置されたロードセル40と、から構成される。
ここで、3つのロール32,34,36のうち、いずれか一つは不図示のモーターに接続されており、無端ベルト30が図中時計回り方向(図中矢印B方向)に所定の速度で回転できるようになっている。
また、ロードセル40としては共和電業製のLTS−2KA(定格2kgf)を用いた。このロードセル40の帯電処理部2が設けられた側には牽引ロープ42が取り付けることができる。なお、帯電処理部2に対して荷重測定部3は、牽引ロープ42の一端を、無端ベルト10の外周面(一対のロール12、14で張架されることにより無端ベルト10外周面が平面を形成している領域のうち、鉛直方向上方側の面)に固定した状態で牽引ロープ42を真っ直ぐに伸ばすように、無端ベルト30の外周面上に固定配置されたロードセル40を矢印B方向に移動させた場合、帯電処理部2と荷重測定部3との間の牽引ロープ42が、水平方向に対して±2度以内の角度に収まるように配置される。これは、付着力A(X)測定時の測定ばらつきを抑制するためである。
また、図2に示すサンプル用紙50は、図2中に示すように40mm×60mmのサイズのサンプル用紙本体部分52と、サンプル用紙本体部分52を構成する一対の長辺のうちの一方側に設けられた穴56を有する短冊状の牽引部54とから構成される。なお、牽引部54のサイズは10mm×30mmであり、牽引部54の一方の短辺側がサンプル用紙本体部分52の長辺の中央部に位置している。
なお、付着力A(X)の測定に際しては、牽引部54が設けられた側を荷重測定部3側となるように配置すると共に、サンプル用紙本体部分52の短辺方向が無端ベルト10の回転方向(矢印A)方向と一致するように配置した。
次に、図1に示す測定装置1を用いた付着力A(X)の測定方法について説明する。まず、測定前にサンプル用紙50と、測定装置1とを10℃15%RHの環境下にて15時間以上放置し、測定に際してもこの環境条件下にて実施した。
続いて、上記環境条件で調湿したサンプル用紙50Aを、帯電ロール20と無端ベルト10との間を通過するように、矢印A方向に搬送する。この際、無端ベルト10の搬送速度は30mm/sとして帯電ロール20には−1.0、−1.8、−2.5kVの直流電圧を印加した状態で、各電圧条件下でサンプル用紙50Aを搬送させて帯電処理した。なおこの時の電圧印加時間は100msである。
ここで、表面電位および付着力は、以下に示すステップ1およびステップ2を実施して求めた。
<ステップ1>
まず、帯電処理を終了したら、サンプル用紙50を更に矢印A方向に2秒ほど搬送して、ロール14側に到達する十分手前で搬送を中止する(図中、50Bで示される位置で停止させる)。そして、サンプル用紙50Bのサンプル用紙本体部52の表面電位を、あらかじめ鉛直方向上方3mmの位置に、プローブセンサー面が位置するように配置しておいた表面電位計(Trek社製 Model344及びエンドビュータイププローブ6000B7C)を用いて搬送中止直後から3秒間計測する。そしてこの間に計測された表面電位のうち最小値を示す表面電位を、下記のステップ2において求める付着力A(X)におけるX値とした。
<ステップ2>
次に、ステップ1で用いたサンプル用紙を十分に除電処理した後、ステップ1の場合と同様の条件で、サンプル用紙50Aを搬送させて帯電処理する。
帯電処理を終了したら、サンプル用紙50を更に矢印A方向に2秒ほど搬送して、ロール14側に到達する十分手前で搬送を中止する(図中、50Bで示される位置で停止させる)。この状態で、無端ベルト10に外力が加わっても動かないように固定させると共に、サンプル用紙50Bの牽引部54の穴56に牽引ロープ42を取り付ける。
続いてロードセル40を矢印B方向に17mm/secのスピードで移動させサンプル用紙50Bのサンプル用紙本体部52部分の荷重をモニターし、牽引し始めてからサンプル用紙50Bが無端ベルト10表面から完全に分離されるまでの荷重の最大値を付着力A(X)とした。
このステップ1およびステップ2を同じサンプル用紙を用いて実施する。これにより、各印加電圧条件が−1.0、−1.8、−2.5kVにおいて得られた3水準の表面電位に対応する付着力A(X)を、各々の水準の表面電位Xに対してプロットして得られた3点のデータに基づいて得られた回帰直線から、αおよびβを求めた。
−体積電気抵抗率−
本発明の塗工紙は、既述したように、温度23℃湿度50%RHにおける用紙の体積電気抵抗率が1.0×10Ω・cm以上1.0×1012Ω・cm以下であることが必要である。体積電気抵抗率が1.0×10Ω・cm未満の場合には、電子写真方式の画像形成装置により画像を形成する場合、転写不良が発生してしまうことがある。
一方、体積電気抵抗率が1.0×1012Ω・cmを超えた場合には付着力が大きくなるばかりで無く、用紙が転写部材から剥がれる際に剥離放電を生じ、転写されたトナー像が乱れて画像欠損となることがある。
なお、転写部における巻きつきをより確実に抑制するという観点からは、一般的には体積電気抵抗率は低い程好ましいといえる。このため、転写不良が起こらない範囲で体積電気抵抗率を小さくすることも望ましい。しかし、この場合はトナーの転写効率が低下して、画像濃度が薄くなったり画質が劣化してくる傾向にある。すなわち、上述した範囲で体積電気抵抗率を調整する場合、巻きつきの抑制とトナーの転写効率の確保とはトレードオフの関係にあり両者を高いレベルで両立させることが困難となる場合がある。
それゆえ、巻きつきの抑制とトナーの転写効率の確保とを高いレベルで両立させる上では、体積電気抵抗率は、1.0×1010Ω・cm以上5.0×1011Ω・cm以下であることが好ましい。
ここで、体積電気抵抗率を調整する方法としては特に限定されないが、導電剤を利用してその添加量を調整する方法が挙げられる。導電剤を使用する場合の使用量は、適宜調整することができる。なお、使用できる導電剤の種類については後述する。
−白紙光沢度−
また、本発明の塗工紙は、塗工層が設けられた面のJIS P−8142に規定の白紙光沢度(以下、「光沢度」と略す場合がある)が30%以上であることが必要であり、40%以上であることが好ましく、50%以上であることが更に好ましい。白紙光沢度は、高いほど、形成される画像が鮮明になる。このため、白紙光沢度が30%未満では、形成された画像の鮮明さが不十分となる。なお、白紙光沢度の上限値は特に限定されるものではないが、実用上は80%以下であることが好適である。
なお、白紙光沢度の測定は、デジタル光沢計(村上色彩技術研究所製、GM−26D型)を用いて、入射角75°で測定した。
白紙光沢度を制御する方法としては、平滑化処理する方法等が挙げられる。平滑化処理の方法としては、基材上に塗工層を形成した後に、通常用いられる平滑化装置、例えば、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー等を用いる方法が挙げられる。
−予想付着力の制御方法−
予想付着力を制御する方法としては特に限定されるものではないが、(1)塗工紙表面に突起部を設ける方法や、(2)球形状の顔料の使用比率を高くする方法等が挙げられ、これらを組み合わせて利用してもよい。以下、各方法についてより詳細に説明する。
(1)塗工紙表面に突起部を形成する方法
塗工紙表面に突起部を設けた場合、転写部材表面と塗工紙表面との真実接触面積を小さくすることができる。このため、表面に突起部を有する塗工紙と、表面に突起部を有さない塗工紙とでは、転写部において同様に帯電しても、表面に突起部を有する塗工紙の方が、表面に突起部を有さない塗工紙よりも予想付着力を小さくすることが容易である。
但し、突起部の存在は、光散乱の原因となるため、通常、塗工紙表面の光沢を悪化させてしまう。このため、特許文献3に記載された塗工紙ではない基材に突起部を設ける技術をそのまま利用して塗工紙を作製しても、必ずしも塗工紙として必要な高い光沢を得ることができなくなる場合もある。
これらの観点を考慮し、塗工紙表面の白紙光沢度を30%以上とし且つ予想付着力も式(1)を満たすためには、塗工紙の塗工層が設けられた面に、高さが1.0μm以上の突起部が設けられ、且つ、その突起部の存在密度が1個/mm以上200個/mm以下の範囲内であることが好ましい。
塗工紙表面には、高さが1.0μm以上の突起部が存在していることが特に好ましい。高さが1.0μm未満の突起部では、転写時に、転写部材と塗工紙表面との間に密着性を低下させるだけの十分な隙間の形成が困難となり、式(1)を満たせなくなると共に巻きつきの抑制に寄与することが困難となるためである。但し、塗工紙表面には、高さが1.0μm以上の突起部と共に、高さが1.0μm未満の突起部も設けられていてもよい。
なお、本発明において、「突起部の高さ」とは、塗工紙の厚み方向における基準高さから突起部の頂上部までの距離を意味する。
ここで、「基準高さ」とは、以下の手順により定義したものである。まず、用紙表面を、触針式三次元表面粗さ測定器(SE−30K 株式会社小坂研究所製)を用い、針を一方向に連続して走査する方向(X軸方向)に対して、走査方向と直交する方向(Y軸方向)の針の送り間隔を2μmとしてスキャンを実施する。
そして得られた測定結果を、XY平面方向については各々500倍に拡大し、XY平面に対して垂直な方向(高さ方向/Z軸方向)については2000倍に拡大した3次元画像データを画像解析装置(SPA−11、AY−41 株式会社小坂研究所製)を用いて解析することにより基準高さを求めた。
なお、この3次元画像データは、針の走査方向と送り方向とに対応させて、測定エリア面内の凹凸変化をZ軸方向の変化として反映させたX軸方向に連続するラインを、針の送り間隔に対応させたピッチでY軸方向に複数本(概ね測定エリアのY軸方向長さを送り間隔で割った数に相当)だけ配列したものとして表される。
ここで、基準高さは、得られた3次元画像データに基づいて、以下のステップ1〜ステップ4に示す手順を実施することにより求めた。
<ステップ1>
まず、3次元画像データを用いて、X軸方向に連続するラインを1本選択する。続いて、選択した1本ライン(基準ライン)において、X軸方向に2μm連続する区間(基準区間)を選択する。
この際、基準ラインおよび基準区間は、基準区間内におけるZ軸方向の最小値と最大値との差(ΔZ2)が、1、0μm以上である条件を満たすものについて選択する。なお、上記条件を満たす基準区間が、測定エリア内に複数存在する場合は、上記条件を満たす全ての基準区間のうち、任意のものを選択する。
<ステップ2>
次に、Y軸方向に対して、基準ラインに隣接するライン(第1隣接ライン)で且つX軸方向において基準区間と同じ区間(第1隣接区間)内におけるZ軸方向の最小値と最大値との差(ΔZ2)を確認する(例えば、基準区間のX軸方向の開始点がX1、終点がX2であれば、第1隣接区間も、第1隣接ライン上のX1−X2間の区間から選択される)。
ここで、基準区間に対してY軸方向のプラス側およびマイナス側にそれぞれ隣接する2つの第1隣接区間のうち、少なくともいずれか一方の第1隣接区間におけるΔZ2が1.5μm以上であることを確認する。なお、当該条件が満たされない場合には、ステップ1に戻り、別の基準区間を選択する。
<ステップ3>
第1隣接区間におけるΔZ2が1.0μm以上である場合には、第1隣接ラインに対して、Y軸方向に隣接するライン(第2隣接ライン;但し、Y軸方向において基準ライン側に位置するラインを除く)で且つX軸方向において基準区間と同じ区間(第2隣接区間)内におけるZ軸方向の最小値と最大値との差(ΔZ2)を確認する。なお、第1隣接区間がY軸方向のプラス側およびマイナス側の双方に存在する場合は、両方の第1隣接区間についてΔZ2を確認する。
ここで、第2隣接区間におけるΔZ2が1.0μm以上であれば、上記と同様の手順で、第3隣接区間についてもΔZ2が1.0μm以上であるか否かを確認する。そして、同様の手順を、ΔZ2が1.0μm未満の隣接区間が見つかるまで、第4隣接区間、第5隣接区間・・・・についても繰り返す。これにより、ΔZ2が1.0μm以上である区間(基準区間、第1隣接区間・・・・・第n隣接区間(nは1以上の整数)を把握する。なお、a番目(aは2以上の整数)の第a隣接区間とa+1番目の第a+1隣接区間との関係は、上述した第1隣接区間と第2隣接区間との関係と同様である。
続いて、ΔZ2が、1.0μm以上である条件を満たす基準区間、第1隣接区間・・・第n隣接区間のうち、ΔZ2が最も大きい区間を有するライン(基準高さ決定用ライン)を選択する。
<ステップ4>
次に、基準高さ決定用ラインのX軸方向における連続する50μmの区間において、Z軸方向の最小値と最大値との差(ΔZ50)が、0.5μm以下の条件を満たす区間(基準高さ決定用区間)を選択する。なお、上記条件を満たす区間が見出せない場合は、ステップ1に戻り、別の基準区間を選択する。
また、Z軸方向の最小値と最大値との差が0.5μm以下の条件を満たすように連続する区間の長さが50μmを超える場合は、当該連続する区間内において、任意の連続する50μmの区間を選択し、この区間を基準高さ決定用区間とする。
さらに、ΔZ2を決定する突起部を起点としてX軸方向のプラス側とマイナス側とに、それぞれ、Z軸方向の最小値と最大値との差が0.5μm以下の条件を満たすように連続する区間の長さが50μmを超える区間が存在する場合などのように、突起部を起点として分断された2以上のZ軸方向の最小値と最大値との差が0.5μm以下の条件を満たすよう連続する50μm以上の区間が存在する場合も考えられる。この場合は、当該2以上の区間のうち、Z軸方向の最小値と最大値との差が0.5μm以下を満たす区間長さが最も長い区間を選択する。そして、当該区間内において任意の連続する50μmの区間を基準高さ決定用区間として選択する。
続いて、基準高さ決定用区間内において、Z軸方向の最大値から順に5点の高さと、Z軸方向の最小値から順に5点の高さとを把握し、これら10点におけるZ軸方向高さの総和を10で割った平均値を基準高さとして求める。
この場合、例えば、基準高さが3μm、3次元画像データから読み取った突起部頂上におけるZ軸方向の値が10μmであれば、突起部高さは7μm(=10μm−3μm)として求められることになる。
ステップ1〜ステップ4の手順の具体例を図面を用いて説明する。図3は、基準高さの決定方法を説明するための概略模式図であり、3次元画像データの一部を拡大して示したものである。図中には、Z軸方向の高さが変化しながらX軸方向に連続するラインA、B、C、D、E、Fが、この順にY軸方向に一定の間隔(実測値換算で2μmに相当する距離)で配列した状態が示されている(なお、説明の都合上、その他のラインについては記載を省略してある)。
ここで、X軸方向において実測値換算で2μmの長さに相当する区間X1−X2におけるラインA、B、C、D、E、FのΔZ2を、それぞれ、0.8μm、1.6μm、1.8μm、2.0μm、2.5μm、0.4μmとする。
この場合において、基準ラインとして、ラインCを選択した場合、ΔZ2が1.0μm以上である区間は、基準区間(ラインC上の区間X1−X2)、第1隣接区間(ラインB上の区間X1−X2およびラインD上の区間X1−X2)、並びに、第2隣接区間(ラインE上の区間X1−X2)となる。ここで、これら4つの区間のうち、ΔZ2が最大となる区間はラインE上に位置する第2隣接区間であることから、基準高さ決定用区間はラインEとなる。次に、ラインE上において、ΔZ50が0.5μm以下となる区間X3−X4が見つかれば、当該区間内のZ軸方向の最大値から順に5点の高さと、Z軸方向の最小値から順に5点の高さとを把握し、これら10点におけるZ軸方向高さの平均値を基準高さとして求めることができる。
なお、触針式三次元表面粗さ測定器の測定条件としては、縦倍率、横倍率は既述の通りである。また、触針式三次元粗さ表面粗さ測定器を用いた測定においては、用紙のうねり、触針歪や電気ノイズなど、突起とはならない微小なプロファイルの凹凸を極力排除するため、通常カットオフ値を設定する。本測定では、低域カットオフ値を0.25mm、高域カットオフ値をR+Wとして測定を行った。また、測定に使用する用紙を設置するステージは静電吸着機能を持ったものを使用し用紙うねりの影響を極小化した。また、その他の測定条件としては、針先端半径2μm、測定力0.7mN、測定速度0.1mm/s、測定長さ0.5mmとした。
上述した突起部の高さや基準高さ、また後述する突起部の形状に関する種々の定量的パラメーター値は、特に別の測定装置を用いて測定した旨の説明の無い限り、上述したように触針式三次元表面粗さ測定器(SE−30K 株式会社小坂研究所製)を用いて得られた測定結果を、XY平面方向については各々500倍に拡大し、XY平面に対して垂直な方向(高さ方向/Z軸方向)については2000倍に拡大した3次元画像データを画像解析装置(SPA−11、AY−41 株式会社小坂研究所製)を用いて解析することにより求めたものである。なお、カットオフ値の設定等の諸条件も、基準高さを求めた場合と同様の設定とした。
但し、高さが1.0μm以上の突起部が存在してもその密度が適正でない場合は、式(1)を満たすことが困難となり、巻きつきを抑制することができなくなる場合がある。
このため、高さが1.0μm以上の突起部の存在密度は、1個/mm以上200個/mm以下の範囲内であることが好ましく、10個/mm以上200個/mm以下の範囲内であることがより好ましく、50個/mm以上150個/mm以下の範囲内であることが更に好ましい。
存在密度が1個/mm未満では、転写時に、転写部材と塗工紙表面とが(突起部の存在によって)接触していない領域が小さすぎるために、密着性を低下させることが困難となるため、式(1)を満たせなくなり、巻きつきの発生を抑制することが困難となる場合がある。
一方、存在密度が200個/mmを超えると、個々の突起部に起因する光散乱が増加して、塗工紙表面の光沢が低下し、白紙光沢度を30%以上とすることが困難となる場合がある。
また、突起部の密度が高くなりすぎて、突起部の存在による隙間の形成による密着性の低下よりも、突起部表面と部材との接触面積が増大による密着性の増加の方が上回ることにより、全体としては密着性を低下させることができず、巻きつきの発生を抑制することが困難となる場合もある。
また、突起部の存在密度の標準偏差は50個/mm以下であることが好ましく、20個/mm以下であることがより好ましく、0個/mmに近ければ近いほど好ましい。存在密度の標準偏差が50個/mmを超えると、塗工紙間や塗工紙面内において、密着性の極端に高い部分が存在するために巻きつきの発生が抑制できなくなったり、光沢が極端に低い部分が存在するために、塗工紙面内で光沢ばらつきが発生したり、同じ条件で塗工紙を作製しても白紙光沢度が極端に低い塗工紙と、十分な光沢を有する塗工紙とが混在してしまう場合がある。
ここで、突起部の存在密度とは、以下の手順で求めた値を意味する。
まず、A4サイズに裁断した塗工紙を10枚準備し、各々の塗工紙のいずれか一方の面の面内の任意の10点(合計100点)について、縦0.5mm×横0.5mmの領域内に存在する高さが1.0μm以上の突起部の個数をカウントする。続いて、各測定点における1mm当たりに存在する高さが1.0μm以上の突起部の個数の平均値を求め、この値を突起部の存在密度とした。
なお、測定に用いる塗工紙の構成が、厚み方向に対して対称な構成を有する場合には塗工紙の表裏両面のうち任意の面を選択して測定すればよいが、測定に用いる塗工紙の構成が、厚み方向に対して非対称な構成を有する場合には、塗工紙の表裏両面のうち特定の面(例えば、表面なら表面のみ)を選択して測定した。
また、1枚の塗工紙については、いずれか一方の面について任意の10点を測定すればよいが、測定に際しては、最も隣接する2つの測定点の直線距離が5cm以上となるように測定点を選択した。
また、突起部の存在密度の標準偏差は、上記100点各々における1mm当たりに存在する高さが1.0μm以上の突起部の個数を母集団として求めた値を意味する。
突起部の平均高さとしては、特に限定されるものではないが、1.0μm以上50μm以下の範囲内であることが好ましく、1.5μm以上10μm以下の範囲内であることがより好ましく、1.5μm以上5μm以下の範囲内であることが更に好ましい。
突起部の平均高さが、1.0μm未満の場合には、転写時に、転写部材と塗工紙表面との間に密着性を低下させるだけの十分な隙間が形成できず、巻きつきの発生が抑制できなくなる場合がある。
また、突起部の平均高さが50μmを超える場合には、トナーが紙上に転写されない部分が生じて画質に欠陥を与える場合がある。
なお、突起部の平均高さは、突起部の存在密度を求める際に測定した高さが1.0μm以上の個々の突起部の高さの平均値として求めた。
また、突起部の高さの標準偏差は、0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましく、0μm(単分散)であることが最も好ましい。標準偏差が0.5μmを超えると、平均的な高さの突起部に対して高さが異常に高い突起部が存在する傾向にある。このため、転写時に、異常に高い突起部の近傍において、感光体や中間転写体上のトナー像の一部が塗工紙表面に部分的に転写されなくなるため転写不良が発生する場合がある。また、このような異常に高い突起部に起因した光沢の低下が生じる場合もある。
なお、同様の観点からは、高さが100μm以上の突起部の存在密度は、2個/mm以下であることが好ましく、1個/mm以下であることがより好ましく、0個/mmであることが最も好ましい。
ここで、突起部の高さの標準偏差は、突起部の存在密度を求める際に測定した100点の測定点に存在する高さが1.0μm以上の突起部の高さを母集団として求めたものである。
また、高さが100μm以上の突起部の存在密度は、高さが100μm以上の突起部の個数をカウントした以外は、(高さが1.0μm以上の)突起部の存在密度を求める場合と同様にして求めた。
突起部の太さ(紙面方向長さ)としては特に限定されるものではないが、基準高さから高さ1μmにおける突起部断面の紙面方向最大長さ(以下、「突起部断面最大長さ」と称す場合がある)が1.5μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましく、1.5μm以上50μm以下の範囲内であることがより好ましく、1.5μm以上20μm以下の範囲内であることが更に好ましい。
突起部断面最大長さが100μmを超える場合には、肉眼で観察した場合、従来の白紙光沢度が30%以上である塗工紙が有する光沢感が損なわれる場合がある。
更に、突起部断面最大長さが1.5μm未満では、転写時における突起部以外の塗工紙表面と転写部材との接触面積が大きくなるため、密着性が低下せず、巻きつきが発生してしまう場合がある。また、突起部断面最大長さが100μmを超える場合には、転写時や定着時における突起部と塗工紙表面と部材との接触面積が大きくなるため、密着性が低下せず、巻きつきが発生してしまう場合がある。
ここで、突起部断面最大長さは、触針式三次元表面粗さ測定器および解析装置を用いて以下のようにして求めた。
まず、突起部の存在密度を求める際に測定した100点の測定点に存在する高さが1.0μm以上の突起部の各々について、基準高さから0.5μmの高さにおける断面形状を求めた。続いて、この断面形状を元に個々の突起部の断面部における最大長さを測定し、これらの値の平均値を、突起部断面最大長さとして求めた。
なお、突起部を基準高さから一定の高さでスライスした時に得られる断面の断面積は、頂上部に向かうほど小さくなっていることが好ましい。この場合、転写時における転写部材と塗工紙との密着性をより効果的に低減させることができる。
以上に説明した突起部の形成や、その存在密度等を制御する方法としては特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
<A>塗工紙の作製に際して用いられる塗工層形成用溶液に配合される顔料として定着時の加熱・加圧によって実質的に変形しない顔料を用いる方法
<B>乾燥処理前の塗工層上に微粒子を散布する方法
<C>突起部形成部材を用いる方法
<D>所望の高さ以上の高さを有する突起部を形成した後、後処理によって突起部の高さを調整する方法
以下、各方法についてより詳細に説明する。
<A>塗工紙の作製に際して用いられる塗工層形成用溶液に配合される顔料として定着時の加熱・加圧によって実質的に変形しない顔料を用いる方法
この方法に用いられる顔料としては、ガラス転移温度の高い樹脂からなる樹脂微粒子からなる有機顔料も挙げられるが、代表的には無機顔料が挙げられ、この無機顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリンクレー、炭酸マグネシウムなどを使用することができる。ここで、上述した突起部の形成も目的として使用される顔料の粒子径や、その粒度分布、形状は、形成したい突起部の高さ、形状等に応じて選択でき、突起部の存在密度は、塗工液中に添加する当該顔料の配合量等により制御できる。
なお、顔料の粒子径は、3μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましく、5μm以上20μm以下であることが更に好ましい。粒子径は、3μm未満では、突起部の高さが低くなりすぎるために密着性が低下せず、巻きつきが発生してしまう場合がある。また、粒子径が50μmを超える場合には、突起部の高さが高くなりすぎるために、光沢度が低下してしまう場合がある。
また、顔料は、そのアスペクト比が1:1前後(具体的には3:2〜2:3の範囲)のものではなく、前記範囲から大幅にずれたものも利用できる。この場合は、顔料の長径方向が突起部の高さ方向と一致するように塗工層を形成することが好ましい。なお、この場合に用いられる顔料のアスペクト比としては、10:1〜1:10の範囲が好ましく、3:1〜1:3の範囲がより好ましい。
<B>乾燥処理前の塗工層上に微粒子を散布する方法
この方法では、原紙の表面に塗工層形成用溶液を塗布した直後の潤湿状態にある塗工層上に微粒子を散布し、その後に塗工層を加熱等により乾燥処理させて、微粒子を塗工層表面に固定し、突起部を形成する。
なお、突起部の高さや形状については微粒子の粒子径や形状等を選択することにより制御できる。また、突起部の存在密度は、微粒子の散布量を調整することにより制御でき、微粒子の散布方法としては乾式静電散布、湿式静電散布などが利用できる。
この方法に用いる微粒子としては、所望の高さの突起部が形成できる大きさを有するものであれば特に限定されるものではないが、散布・乾燥工程を経た後により均一な突起高さを持たせることができるように、球形に近いものを使用するのが良い。材質は、定着時の加熱・加圧によって実質的に変形しない顔料が好ましく、ガラス転移温度の高い有機顔料及び無機顔料が挙げられる。
<C>突起部形成部材を用いる方法
この方法では、通常の塗工紙を作製する場合と同様の手順で原紙表面に塗工層形成用溶液を塗布した後、乾燥工程の実施前に、未乾燥状態の塗工層に対して表面に形成したい突起部のパターンが形成された部材(突起部形成部材)を押し当てるプロセスを経て突起部を形成することができる。
突起部形成部材としては特に限定されないが、例えば、形成したい突起部の高さや存在密度等に対応するように、(1)表面にエッチング処理などによって離散的な凹部が形成された金属ロールなどのキャストロールや、(2)表面がメッシュパターンを有するナイロンメッシュ(例えば、直径5μm以上100μm以下のファイバーを用いたナイロンメッシュなど)、(3)表面にレーザー加工により小径の穴が所定間隔で形成された穴付きプラスチックフィルムなどを用いることができる。
<D>所望の高さ以上の高さを有する突起部を形成した後、後処理によって突起部の高さを調整する方法
この方法では、まず、塗工層を形成する際にメッシュや、穴の開いたプラスチックフィルムを通したり原紙の表面に塗工層形成用の溶液の塗工を行う際に、原紙の表面に予め配置しておいたメッシュや、穴の開いたプラスチックフィルム等の厚み方向に連続的に貫通する穴を有するシート状部材を介して、塗工層を形成する。これによって、一旦、所望の高さ以上の高さを有する突起部を形成された塗工紙を得る。
続いて、この塗工紙を、乾燥ロール、キャレンダロールなどを用いて表面処理し、この際の温度・圧力を制御することによって突起部の高さが所望の高さとなるように調節する。
(2)球形状の顔料を使用する方法
上記(1)以外に予想付着力を小さくする方法としては、塗工層に用いる顔料として、球形状の顔料(球形顔料)を用いることができる。球形顔料は、扁平形状の顔料(扁平顔料)と比べて、微視的に部材との接触点を減少することができるため、予想付着力を小さくすることができる。
なお、本発明において、球形顔料とは、アスペクト比が1.5以下の顔料を意味し、アスペクト比は1.2以下であることが好ましく、1が最も好ましい。また、形状は真球形状に近いほど好ましい。これに対して、アスペクト比が2を超えるものを本発明では非球形顔料と称す。
また、塗工層中に含まれる球形顔料の含有量は40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。含有量が40質量%未満では、光沢度が不十分となることがあり、塗工層が薄い場合(特に塗工層形成時の塗工量が原紙片面あたり固形分量換算で3g/cm以下の場合)には光沢度の低下がより顕著となる場合がある。また、部材との接触点を減少させて、予想付着力をより小さくできる観点からは、含有量は特に60質量%以上であることが好ましい。なお、含有量の上限は特に限定されるものではないが、実用上は80質量%以下であることが好ましい。
球形顔料としては、球形状の無機顔料や球形状の有機顔料が利用できる。但し、球形顔料を構成する材料としては、公知の有機顔料および無機顔料が利用できるが、有機顔料よりも無機顔料であることが特に好ましい。有機顔料から構成された球形顔料は、無機顔料から構成された球形顔料と比べて、マイナスに帯電しやすく且つ帯電の減衰速度も遅くなる傾向にあるので、予想付着力をより効果的に小さくすることが困難となる場合がある。また、この傾向は、特に、塗工層の表面近傍に有機顔料から構成された球形顔料が存在する場合に顕著となる場合があるため、有機顔料から構成された球形顔料を用いる場合は、塗工層の表面近傍ではなく原紙側近傍に存在させることが好適である。なお、無機顔料や有機顔料の詳細については後述する。
また、球形顔料の粒子径は0.1μm以上3μm未満の範囲であることが好ましく、0.1μm以上1μm未満であることが更に好ましい。粒子径が0.1μmを下回る場合は、用紙表面において扁平顔料と同等の接触面積が生じるため、予想付着力を減少させる効果が得られないことがある。また、粒子径が3μm以上である場合は、球形粒子による用紙表面の凹凸が発生し、白紙光沢を低下させてしまうことがある。
なお、無機顔料の粒子径やアスペクト比は以下の手順で測定された値を意味する。
まず、用紙の2本の対角線が交わる点を中心にして、用紙表面(塗工層が設けられた表面)のSEM写真(倍率5000倍)を真上(用紙表面に対して垂直な方向)から撮る。なお、この時の用紙表面に対して垂直な方向をZ方向とし、当該Z方向に対して垂直に交わる平面をXY平面とする。
なお、有機顔料が塗工層表面に多く含まれる場合は、用紙表面をSEMで直接観察しても無機顔料の粒子径やアスペクト比の正確な測定が不可能であるため、以下に説明する手順で作製したサンプルを用いて、SEM観察を行う。
まず、用紙の2本の対角線が交わる点を中心として、円状に塗工層を削り取る。次に、削り取った紛体に含まれる有機顔料を、有機溶剤等を用いて取り除き、乾燥させて無機顔料の紛体を5mg得る。
次に、この紛体を、ガラス等の基板上に貼り付けた両面テープの粘着面の30mmのエリアに付着させることでSEM観察用のサンプルを作製した。
続いて、このSEM写真の左端を起点として縦50mm×横50mmの領域を観察エリアとして、画像処理ソフト(Image−Pro、株式会社日本ローパー製)を用いて画像処理を行う。
次に、観察エリア内の1つの無機顔料に注目し、無機顔料の最大長さ(長軸長さ)と当該長軸長さと直交する方向の長さ(短軸長さ)とを測定する。ここで、長軸長さ/短軸長さをアスペクト比A、長軸長さと短軸長さとの平均値を粒子径Aとよぶ。
更に、用紙を、X方向とY方向とにそれぞれ±45度傾けた方向からも上述と同様にして測定を行い、この4方向から測定したアスペクト比、粒子径をそれぞれアスペクト比B〜E、粒子径B〜Eとする。
ここで、アスペクト比A〜Eがいずれも1以上1.5以下であれば、その無機顔料は球形顔料であるとし、アスペクト比A〜Eの平均値をその無機顔料(球形顔料)のアスペクト比とする。アスペクト比A〜Eのいずれかひとつでも1.5を超える場合は、その無機顔料は非球形顔料であるとし、アスペクト比A〜Eのうちもっとも大きな値をその無機顔料(非球形顔料)のアスペクト比とする。
また、球形顔料と特定された無機顔料については粒子径A〜Eの平均値をその無機顔料の粒子径とする。非球形顔料と特定された粒子については、粒子径A〜Eのうちもっとも大きな値をその無機顔料の粒子径とする。上記測定を測定エリア内に観察される全ての無機顔料に対して行い、球形顔料と特定された無機顔料のアスペクト比の平均値と、粒子径の平均値とを、それぞれ塗工層中の球形顔料のアスペクト比および粒子径とする。
−その他の好ましい特性・物性等について−
また、より高い光沢を得る観点からは、塗工紙表面の突起部分以外の領域における10点平均粗さRzが0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましい。Rzを0.5μm以下とすることにより白紙光沢度を高くすることがより容易になる。また、Rzが0.5μmを越える場合は、光沢感が低下すると同時に、突起部が存在しない領域に対して突起部の高さが相対的に小さくなるため、巻きつきが発生しやすくなる場合がある。
なお、塗工紙表面の突起部分以外の領域における10点平均粗さRzは、先述した触針式三次元表面粗さ測定器および解析装置により測定した。
また、本発明の塗工紙は、100℃のオーブン中で10kg/mの圧力を3分間加えた後の突起部の平均高さが、加熱・加圧処理前の突起部の平均高さの80%以上であることが好ましく、加熱・加圧処理前の突起部の平均高さの90%以上であることがより好ましい。加熱・加圧処理前の突起部の平均高さと同じ高さに近づくほど好ましい。
加熱・加圧処理後の突起部の平均高さが、加熱・加圧処理前の突起部の平均高さの80%未満である場合には、両面印刷を行う場合において2面目の画像形成時に巻きつきが発生しやすくなる場合がある。これは、1面目の画像形成時(定着時)の加熱加圧により、突起部が変形して高さが低くなり、定着部材との密着性が増大する場合があるためである。
なお、上述した加熱・加圧処理前後の突起部の平均高さは、以下の手順により測定した。
まず、常温環境下(23℃)にて、A5サイズに裁断した塗工紙1枚を2枚のステンレス板(材質:SUS304、縦300mm×横300mm、厚み2mm)の間に配置して、2枚のステンレス板上に、塗工紙の単位面積当たりに加わる圧力が10kg/mとなるように錘(底面サイズ210mm×149mm、重さ0.3kg)を配置する。
この状態で、予め100℃に加熱されたオーブン(ヤマト社製)内に、塗工紙を挟持したステンレス板を錘と共に配置して、3分間加熱・加圧処理する。その後、オーブンから塗工紙を挟持したステンレス板を取り出して、ステンレス板上に錘を載せたまま、室温(23℃)まで自然放冷した後、塗工紙を取り出して、加熱・加圧処理後の突起部の高さを測定した。
なお、突起部の平均高さは、具体的には以下の手順で測定した。まず加熱・加圧処理前の塗工紙を10枚準備し、各々の塗工紙のいずれか一方の面の面内の任意の5点(合計50点)について、縦0.5mm×横0.5mmの領域内に存在する高さが1.0μm以上の突起部について、個々の高さを測定し、その平均高さ求めた。
続いて、上述の測定に用いた塗工紙を、上述した条件にて加熱・加圧処理した後、加熱・加圧処理前に測定した面と同じ面について、同様にして平均高さを求めた。
なお、測定に用いる塗工紙の構成が、厚み方向に対して対称な構成を有する場合には加熱・加圧処理前の塗工紙の表裏両面のうち任意の面を選択して測定すればよいが、測定に用いる塗工紙の構成が、厚み方向に対して非対称な構成を有する場合には、加熱・加圧処理前の塗工紙の表裏両面のうち特定の面(例えば、表面なら表面のみ)を選択して測定した。
また、1枚の塗工紙については、いずれか一方の面について任意の10点を測定すればよいが、測定に際しては、最も隣接する2つの測定点の直線距離が5cm以上となるように測定点を選択した。
ここで、加熱・加圧処理前の突起部の平均高さに対する加熱・加圧処理後の突起部の平均高さの低下を抑制する方法としては特に限定されるものではないが、例えば、上述したように塗工層の形成に際して塗工層形成用塗工液に無機顔料を用いる方法が好適である。
また、JIS P−8124に規定される方法により測定された塗工紙の坪量は、40g/m以上85g/mの範囲であることが好ましく、50g/m以上85g/m以下の範囲であることがより好ましく、50g/m以上70g/m以下の範囲であることがさらに好ましい。
坪量が40g/m未満の場合には、坪量が小さすぎるために、塗工紙の厚みが薄くなり過ぎてしまい、搬送不良が発生したり、巻きつきが発生してしまう場合がある。また、坪量が85g/mを超える場合には、塗工紙を薄くすることができず、収納性が低下してしまう場合がある
また、本発明の塗工紙と異なり、突起部が設けられていない従来の塗工紙では、坪量が100g/m以下になると、搬送不良や巻きつきが多発するため実用上使用できない。しかし、本発明の塗工紙では、坪量が100g/m以下の範囲であっても上述したように、40g/mまでは実用上の使用に耐えうることが可能である。この観点からは、坪量は、40g/m以上85g/m以下の範囲が特に好ましく、50g/m以上70g/m以下の範囲が最も好ましい。
塗工紙の厚みとしては特に限定されるものではないが、35μm以上95μm以下の範囲であることが好ましく、40μm以上90μm以下の範囲であることがより好ましい。
また、塗工紙の用紙密度は、0.8g/cm以上であることが好ましく、0.85g/cm以上であることがより好ましく、1.00g/cm以上であることが更に好ましく、1.05g/cm以上であることが特に好ましい。用紙密度が0.8g/cmに満たない場合は、製本時等において塗工紙を多数枚重ね合わせたときに用紙が嵩張って収納性が低下してしまう場合がある。
−原紙−
次に、本発明の塗工紙を構成する原紙について説明する。この原紙は、パルプ繊維を含むものであり、実用上は、填料が更に含まれていることが好ましい。また、特に環境負荷を低減させるという観点から原紙としては、古紙パルプを30質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。また、上記と同様に環境負荷を低減させるという観点からは、森林認証林、植林木や間伐材から得たパルプを10質量%以上含むことも好ましい。
原紙を構成するパルプ繊維としては、化学パルプ、具体的には広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等の他、木材及び綿、麻、じん皮等の繊維原料を化学的に処理して作製されたパルプ等が好ましく挙げられる。
また、木材やチップを機械的にパルプ化したグラウンドパルプ、木材やチップに薬液をしみこませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ、及びチップをやや軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ、中でも高収率が特徴であるケミサーモメカニカルパルプ等も使用できる。これらはバージンパルプのみで使用してもよいし、必要に応じて古紙パルプを配合してもよい。
特に前記バージンパルプとしては、塩素ガスを使用せずに二酸化塩素を使用する漂白方法(Elementally Chlorine Free:ECF)や、塩素化合物を一切使用せずにオゾン/過酸化水素などを主に使用して漂白する方法(Total Chlorine Free:TCF)等で漂白処理されたものであることが好ましい。
また、前記古紙パルプの原料としては、製本、印刷工場、断裁所等において発生する裁落、損紙、幅落しした上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙;印刷やコピーが施された上質紙、上質塗工紙などの上質印刷古紙;水性インク、油性インク、鉛筆等で筆記された古紙;印刷された中質紙、中質塗工紙等のチラシを含む新聞古紙;中質紙、中質塗工紙、更紙等の古紙;等を配合することができる。
原紙を作製する場合に使用する古紙パルプは、前記古紙原料を、オゾン処理又は過酸化水素漂白処理の少なくとも一方で処理して得られたものであることが好ましい。また、より白色度の高い電子写真用転写紙を得るという観点から、前記漂白処理によって得られた古紙パルプの配合率を50質量%以上100質量%以下の範囲とすることが好ましい。さらに資源の再利用という観点から、前記古紙パルプの配合率を70質量%以上100質量%以下の範囲とすることがより好ましい。
前記オゾン処理漂白処理は上質紙に通常含まれている蛍光染料等を分解する作用があり、前記過酸化水素漂白処理は、脱墨処理時に使用されるアルカリによる黄変を防ぐ作用がある。前記古紙パルプは、オゾン漂白処理又は過酸化水素漂白処理の二つの処理を組み合わせることによって、古紙の脱墨を容易にするだけでなくパルプの白色度もより向上させることができる。また、パルプ中の残留塩素化合物を分解・除去する作用もあるため、塩素漂白されたパルプを使用した古紙の有機ハロゲン化合物含有量低減において多大な効果を得ることができる。
また、原紙には、パルプ繊維に加えて不透明度、白さ、及び表面性を調整するため填料を添加することが好適である。また、塗工紙中のハロゲン量を低減したい場合にはハロゲンを含まない填料を使用することが好ましい。
前記填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、ドロマイト、カルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、ベントナイト等の無機顔料、及び、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、ポリスチレン、キトサン粒子、セルロース粒子、ポリアミノ酸粒子、尿素樹脂などの有機顔料を挙げることができる。
また、原紙に古紙パルプを配合する場合には、古紙パルプ原料に含まれる灰分をあらかじめ推定して、その添加量を調整する必要がある。
原紙には内添サイズ剤を配合してもよい。ここでも塗工紙中のハロゲン量を低減するためにハロゲンを含まない内添サイズ剤や定着剤を使用することが望ましい。具体的には、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などを使用することができ、さらに硫酸バンド、カチオン化澱粉など、繊維との定着剤を組み合わせて使用してもよい。また、塗工紙の保存性を向上させる観点から中性サイズ剤を使用することが好ましい。
−サイズプレス液−
原紙の表面に対しては、サイズプレス液を塗工処理してもよい。このサイズプレス液に用いるバインダは、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉などの未加工澱粉を始めとして、加工澱粉として酵素変性澱粉、燐酸エステル化澱粉、カチオン化澱粉、アセチル化澱粉などを使用することができる。また、その他にもポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、グアーガム、カゼイン、カードランなどの水溶性高分子及びそれらの誘導体などを単独あるいは混合して使用することができるがこれに限定されるものではない。
原紙のサイズ度は、使用するバインダの量、種類のみによっても必要な値に調整することができる。しかし、それだけではサイズ度の調整が十分でない場合には、さらに表面サイズ剤を使用してもよい。このような表面サイズ剤としてはロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などを使用することができる。これら表面サイズ剤の具体例としては、スチレン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、スチレンマレイン酸アクリル系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる原紙は表面に塗布されるサイズプレス液中に導電剤を配合することで、体積電気抵抗率を上述した範囲に制御することができる。また、同時に表面電気抵抗率を調整こともできる。但し、塗工紙中のハロゲン量を低減するためにハロゲンを含まない導電剤を使用することが好ましい。
このような導電剤としては硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、メタ珪酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、メタ燐酸ナトリウムなどの無機電解質;スルホン酸塩、硫酸エステル塩、カルボン酸塩、リン酸塩などのアニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビット等の非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤;高分子電解質などの導電剤を使用することができる。
また、サイズプレス液は、サイズプレス処理のほか、シムサイズ、ゲートロール、ロールコータ、バーコータ、エアナイフコータ、ロッドブレードコータ、ブレードコータ等の通常使用されている塗工手段によって原紙の表面に塗布することができる。
また、サイズプレス液によって原紙の表面に処理される固形分量が0.1g/mより少ないと原紙の表面被覆が不十分となり、塗工層の形成時に塗料の浸透ムラができる原因となる場合がある。従って、原紙の表面にサイズプレスされる水溶性高分子などの固形分の総量は0.1g/m以上であることが好ましい。また、サイズプレス液によって原紙の表面に処理される固形分量が5.0g/mを超えると、塗工紙全体の坪量に占めるサイズプレス液の固形分量およびサイズプレス液の塗布処理後に形成される塗工層の固形分量の寄与する割合が大きくなり過ぎ、塗工紙の剛性が低下してしまう場合がある。従って、サイズプレスされる水溶性高分子などの固形分の総量は0.1〜5.0g/mの範囲であることが好ましい。
−塗工層−
原紙の表面には、上述したようにサイズプレス液が塗工処理された後に、顔料と接着剤とを含む塗工層が形成される。
塗工層に用いられる顔料としては、通常の一般塗工紙に用いられる顔料、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネーテッドクレー、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクタイトなどの無機顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルムアルデヒド樹脂微粒子、微小中空粒子およびその他の有機系顔料などが挙げられ、これらを単独あるいは複数組合せで使用することができる。
但し、突起部を設ける場合には、塗工紙が加熱・加圧処理される定着後においても、突起部の高さを定着前と同程度に維持するという観点から、顔料としては、定着時の加熱・加圧処理によって変形し難い材料を選択することが好ましく、具体的には、無機顔料や、ガラス転移温度が100℃以上である樹脂微粒子からなる有機系顔料などを用いることが好ましい。
また、特に塗工層が薄い場合、具体的には、塗工層形成時の塗工量が原紙片面当たり固形分量換算で3g/cm以下の場合には、光沢度が低下しやすい傾向がある。
塗工層に用いられる接着剤としては、合成接着剤や天然系の接着剤が使用できる。合成接着剤としてはスチレンブタジエン系、スチレンアクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエンメチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系などの各種共重合体などが挙げられる。これらの合成接着剤の中で目的に応じて1種類以上を使用することができる。
これらの接着剤は、塗工層に含まれる顔料100質量部当たり5質量部以上50質量部以下の範囲で使用されることが好ましく、7質量部以上30質量部以下の範囲で使用されることがより好ましい。
接着剤として使用される物質は熱可塑性の性質を有するものが多いため、接着剤が、塗工層に含まれる顔料100質量部当たり50質量部を超える範囲で使用されると、両面印刷時に二面目を印刷する際に巻きつきが発生しやすくなる場合がある。
また、天然系接着剤として、澱粉類、カゼイン、大豆蛋白などを使用することができる。これらの接着剤は、顔料100質量部当たり0.1質量部以上50質量部以下の範囲で使用することが好ましい。
また、塗工層には、顔料や接着剤以外にも、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤など通常の塗工紙の塗工層に配合される各種助剤を使用することができる。
塗工層の形成に際しては、顔料、接着剤や必要に応じて使用される各種助剤を含む塗工層形成用塗布液を、一般の塗工紙の製造に使用されるコーティング装置、例えばブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータなどを用いてオンマシンあるいはオフマシンによって、原紙上に一層あるいは多層に分けて形成することができる。
なお、塗工層形成用塗布液の塗布量は、乾燥質量で原紙の片面当たり0.5g/m以上15g/m以下の範囲となるように選択されることが好ましい。
また、塗工層の形成に際しては、式(1)を満たすように予想付着力を制御するために、既述した<A>〜<D>項に示される方法を利用して、所望の存在密度等を有する突起部を形成することができる。
なお、本発明の塗工紙は、電子写真方式の画像形成装置による画像の形成に好適であるが、これに限定されるものでなくその他の公知の画像形成装置により画像を形成する場合にも勿論利用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
広葉樹クラフトパルプをECF多段漂白法にて漂白処理してろ水度450mLになるように叩解調整したパルプを100質量部、軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルケニル無水コハク酸内添サイズ剤(ASA)を0.1質量部、および、カチオン化澱粉を0.05質量部配合して紙料スラリーを調整した。この紙料スラリーを用いて抄紙を行い、坪量が50g/mの原紙を作製した。
続いて、水93質量部と、酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エースA)を5質量部と、導電剤として硫酸ナトリウムを3質量部とを含むサイズプレス液を調整して、得られた原紙の両面にサイズプレス液を塗工処理した。
なお、サイズプレス液は、固形分量が原紙片面当たり0.75g/mとなるように塗工した。これにより、サイズプレス液を塗工した後の原紙の坪量は51.5g/mとなった。
更に、非球形顔料であるカオリンクレー(イメリス社製、カオグロス)100質量部に対して、酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エースB)4質量部、水系接着剤(日本ゼオン製、LX430)14質量部、分散剤(東亜合成製、アロンA)0.05質量部を配合し、固形分濃度が60質量%となるように調製した塗工層形成用塗布液を調整した。
次に、サイズプレス液を塗工した後の原紙の片面に、ブレードコーティング法により塗工層形成用塗布液を原紙片面当たりの固形分量が5.0g/mとなるように塗工し、潤湿状態の塗工層を形成した。
ここで、深さ10μm、底面径10μmの円錐形の凹部が、120μmの間隔で規則的に正方配列されるように銅板表面にエッチング処理によって設けられた突起部形成部材を、潤湿状態の塗工層上から押し付けながら120℃で5分間加熱して、乾燥処理した。
続いて、塗工層形成用塗布液の塗工と、突起部形成部材の押し付け処理とを、原紙のもう片方の面についても同様に実施し、坪量61.5g/mの電子写真用塗工紙を得た。
得られた塗工紙のα、β、予想付着力{α×(C+150)+β}、白紙光沢度、体積電気抵抗率、塗工層の突起の有無、突起部の各種測定値(高さ1.5μm以上の突起部の存在密度、オーブン中での加熱・加圧処理(100℃、10kg/m、3分間)前の突起部の平均高さに対する加熱・加圧処理後の突起部の平均高さ(以下、「突起部高さ変形率」と略す場合がある)、突起部断面最大長さ)の測定結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1で用いたものと同様の紙料スラリーを用いて抄紙し、坪量52g/mの原紙を作製し、実施例1と同様のサイズプレス処理を行った。
また、塗工層形成用塗布液として、実施例1で用いた塗工層形成用溶液に対して、更に、球形顔料であるポリマービーズ(ガンツ製 ガンツパールGM−9005 粒子径85μm、ポリメタクリル酸エステル製)を10質量部添加し、固形分濃度を45質量%とした以外は同じ組成のものを準備した。
次に、この塗工層形成用塗布液を用い、エアナイフコーティング法で塗工した以外は、実施例1と同様にして塗工層を形成し坪量63.5g/mの電子写真用塗工紙を得た。得られた塗工紙の各種測定値を表1に示す。
<実施例3>
針葉樹クラフトパルプを漂白処理してろ水度400mLになるように叩解調整したパルプを100質量部、軽質炭酸カルシウム填料を20質量部、アルケニル無水コハク酸内添サイズ剤(ASA)を0.2質量部、および、カチオン化澱粉を0.1質量部配合して紙料スラリーを調整した。この紙料スラリーを用いて抄紙を行い、坪量が50g/mの原紙を作製した。
続いて、水93質量部と、PVA(クラレ製、ポバール117)を5質量部と、導電剤として硫酸ナトリウムを2質量部とを含むサイズプレス液を調整して、得られた原紙の両面にサイズプレス液を塗工処理した。
なお、サイズプレス液は、固形分量が原紙片面当たり1.0g/mとなるように塗工した。これにより、サイズプレス液を塗工した後の原紙の坪量は52.0g/mとなった。
更に、非球形顔料であるカオリンクレー(エンゲルハード社製、MiraGloss)100質量部に対して、酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エースB)3質量部、水系接着剤(日本ゼオン製、LX430)10質量部、分散剤(東亜合成化学工業製、アロンA)0.05質量部、および、球形顔料であるポリマービーズ(ガンツパールGM-2001 ガンツ製 粒子径20μm)15質量部を配合し、固形分濃度が45質量%となるように調製した塗工層形成用塗布液を調整した。
次に、サイズプレス液を塗工した後の原紙の片面に、エアナイフコーティング法により塗工層形成用塗布液を原紙片面当たりの固形分量が3.0g/mとなるように塗工し、120℃で5分間加熱して、乾燥処理して塗工層を形成した。その結果、両面に突起部が形成された坪量58g/mの電子写真用塗工紙が得られた。得られた塗工紙の各種測定値を表1に示す。
<実施例4>
実施例3で用いたものと同様の紙料スラリーを用いて抄紙し、坪量75g/mの原紙を作製し、実施例3と同様のサイズプレス処理を行った。サイズプレス処理後の坪量は77g/mとなった。
次に、サイズプレス液を塗工した後の原紙の片面に、球形顔料を添加しないこと以外は
実施例3で用いたものと同様にして調整した塗工層形成用塗布液をブレードコーティング法により原紙片面当たりの固形分量が3.0g/mとなるように塗工し、潤湿状態の塗工層を形成した。
ここで、深さ10μm、底面径10μmの円錐形の凹部が、250μmの間隔で規則的に千鳥配列されるように銅板表面にエッチング処理によって設けられた突起部形成部材を、潤湿状態の塗工層上から押し付けながら120℃で8分間加熱して、乾燥処理した。
続いて、塗工層形成用塗布液の塗工と、突起部形成部材の押し付け処理とを、原紙のもう片方の面についても同様に実施し、坪量98g/mの電子写真用塗工紙を得た。得られた塗工紙の各種測定値を表1に示す。
<実施例5>
実施例1で作製したものと同様の原紙に対して、実施例1と同様にサイズプレス処理を実施した。
また、塗工層形成用塗布液として、実施例3で用いた塗工層形成用塗布液に対して、ポリマービーズの種類をガンツ製、ガンツパール GM−1001(粒子径10μm)に変更すると共に、その添加量を30質量部に変更し、固形分濃度を45質量%とした以外は同じ組成のものを準備した。
次に、サイズプレス液を塗工した後の原紙の片面に、エアナイフコーティング法により塗工層形成用塗布液を原紙片面当たりの固形分量が2.0g/mとなるように塗工し、120℃で5分間加熱して、乾燥処理して塗工層を形成した。その結果、両面に突起部が形成された坪量55.5g/mの電子写真用塗工紙が得られた。得られた塗工紙の各種測定値を表1に示す。
<実施例6>
実施例1で作製したものと同様の原紙に対して、実施例1と同様にサイズプレス処理を実施した。
また、第一の塗工層形成用塗布液として、非球形顔料であるカオリンクレー(エンゲルハード社製、MiraGloss)100質量部に対して、酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エースB)3質量部、水系接着剤(日本ゼオン製、LX430)10質量部、分散剤(東亜合成化学工業製、アロンA)0.05質量部を配合し、固形分濃度が60質量%となるように調製した塗工層形成用塗布液を調整した。これを片面あたりの固形分が3g/mとなるようにブレードコーティング法にて塗布、150℃で5分間加熱乾燥処理をした。
次に、第二の塗工層形成用塗布液として、粒子径1.0μmの球形顔料である球形炭酸カルシウム100質量部に対して、酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エースB)3質量部、水系接着剤(日本ゼオン製、LX430)30質量部、分散剤(東亜合成化学工業製、アロンA)0.05質量部を配合し、固形分濃度が60質量%となるように調製した塗工層形成用塗布液を調整した。これを片面あたりの固形分が5g/mとなるようにブレードコーティング法にて塗布、150℃で5分間加熱乾燥処理をして塗工層を形成した。
その結果、坪量67g/mの電子写真用塗工紙が得られた。得られた塗工紙の各種測定値を表1に示す。
<実施例7>
実施例1で作製したものと同様の原紙に対して、PVA(クラレ製 ポバール117)10質量部と水90質量部とからなるサイズプレス液を調液し、片面あたりの固形分が5g/mとなるようにサイズプレス処理を行った。処理後の坪量は60g/mとなった。
次に、塗工層形成用塗布液として、球形顔料である窒化アルミニウム100質量部(松尾産業製、FAN−f05、粒子径5μm)に対して酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エースC)5質量部、水系接着剤(日本ゼオン製、LX430)20質量部、分散剤(東亜合成化学工業製、アロンA)0.05質量部を配合し、固形分濃度が45質量%となるように調製した塗工層形成用塗布液を調整した。これを片面あたりの固形分が10g/mとなるようにバーコーティング法にて塗布、150℃で5分間加熱乾燥処理をして塗工層を形成した。その結果、坪量70g/mの電子写真用塗工紙が得られた。得られた塗工紙の各種測定値を表1に示す。
<実施例8>
実施例3で作製したものと同様の原紙に対して、PVA(クラレ製 ポバール124)10質量部と水90質量部とからなるサイズプレス液を調液し、片面あたりの固形分が3g/mとなるようにサイズプレス処理を行った。処理後の坪量は56g/mとなった。 次に、塗工層形成用塗布液として、球形顔料であるアルミナ粒子100質量部((株)不二製作所製、 フジランダムWA8000、粒子径1.2μm、アスペクト比=1)に対して、酸化澱粉(王子コーンスターチ製、エースA)10質量部、水系接着剤(日本ゼオン製、LX430)30質量部、分散剤(東亜合成化学工業製、アロンA)0.1質量部を配合し、固形分濃度が45質量%となるように調製した塗工層形成用塗布液を調整した。
これを片面あたりの固形分が7g/mとなるようにバーコーティング法で塗布し、150℃で5分間加熱乾燥処理をして塗工層を形成した。その結果坪量70g/mの電子写真用塗工紙が得られた。得られた塗工紙の各種測定値を表1に示す。
<比較例1>
実施例5で作製したものと同様の原紙に対して、実施例5と同様にサイズプレス処理を実施した。
また、塗工層形成用塗布液として、実施例3で用いた塗工層形成用塗布液に対して、ポリマービーズを非球形顔料であるカオリンクレー(エンゲルハード社製、Miragloss、粒子径0.5μm)に変更した以外は同じ組成のものを準備した。
次に、上記の塗工層形成用塗布液を用いた以外は実施例5と同様にして塗工層を形成し、坪量55.5g/mの電子写真用塗工紙を得た。得られた塗工紙の各種測定値を表2に示す。
<比較例2>
実施例1で作製したものと同様の原紙に対して、実施例1と同様にサイズプレス処理を実施した。
また、塗工層形成用塗布液として、実施例3で用いた塗工層形成用溶液に対して、ポリマービーズの種類をモリテックス製 ポリスチレンビーズ3125A(粒子径125μm)に変更した以外は同じ組成のものを準備した。
次に、上記の塗工層形成用溶液を用いた以外は実施例5と同様にして塗工層を形成し、坪量55.5g/mの電子写真用塗工紙を得た。得られた塗工紙の各種測定値を表2に示す。
<比較例3>
実施例1において、塗工層形成用塗布液の顔料を非球形顔料である炭酸カルシウムPC(白石工業製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、坪量が55.5g/mの電子写真用塗工紙を得た。得られた塗工紙の各種測定値を表2に示す。
<比較例4>
実施例1で作製したものと同様の原紙に対して、実施例1と同様にサイズプレス処理を実施した。
また、比較例3で用いた塗工層形成用塗布液に対して、実施例3で用いたガンツパールを更に40質量部加えて固形分量を45質量%とした塗工層形成用塗布液を準備した。
次に、塗工層形成用塗布液の原紙片面当たりの固形分量が1.0g/mとなるように塗工して塗工層を形成し、坪量53.5g/mの電子写真用塗工紙を得た。得られた塗工紙の各種測定値を表2に示す。
<比較例5>
市販の印刷用軽量塗工紙であるOKコートL(王子製紙製 64g/m)を比較例5の塗工紙として用いた。OKコートLの各種測定値を表2に示す。
<比較例6>
市販の印刷用微塗工紙であるペガサス(日本製紙製 64g/m)を比較例6の塗工紙として用いた。ペガサスの各種測定値を表2に示す。
なお、各実施例、比較例で用いた顔料の形状、平均粒子径、材料成分は以下の通りである。
・カオグロス(成分;無機系、クレー、平均粒子径;0.5μm、形状:六角板状)
・ガンツパールGM−9005(成分;有機系、平均粒子径;85μm、形状:球状)
・MiraGloss(成分;無機系、クレー、平均粒子径;0.4μm、形状:六角板状)
・ガンツパールGM−2001(成分;有機系、平均粒子径;20μm、形状:球状)
・ガンツパールGM−1001(成分;有機系、平均粒子径;10μm、形状:球状)
・球状炭カル(成分;無機系、炭酸カルシウム、平均粒子径;1μm、形状:球状)
・FAN−f05(成分;無機系、窒化アルミニウム、平均粒子径;5μm、形状:球状)
・フジランダムWA8000(成分;無機系、アルミナ、平均粒子径;1.2μm、形状:六角板状)
・ポリスチレンビーズ125A(成分;有機系、平均粒子径;125μm、形状:球状)・炭カルPC(成分;無機系、炭酸カルシウム、平均粒子径;4μm、形状:紡錘状)
−評価−
得られた塗工紙については、電子写真方式の画像形成装置を用いて転写部における巻きつき、光沢感、画像欠陥、トナー転写率について評価した。結果を以下の表1および表2に示す。
Figure 2009086503
Figure 2009086503
なお、表1および表2中に示す巻きつき、光沢感、画像欠陥、および、転写効率は、以下に示す測定方法により測定し評価したものである。
−巻きつき−
巻きつきの評価に際しては、10℃15%RH環境下および28℃85%RH環境下において15時間以上放置した2水準の塗工紙を準備した。
続いて、塗工紙の調環境と同じ環境下で、電子写真複写機(富士ゼロックス製 DCC500)を用いて、各水準について10枚づつ画像を形成した。画像形成は、プリント条件をフルカラーモード、用紙種類の設定は普通紙として実施した。
なお、形成した画像は、黒、シアン、マゼンタ、イエローの各色のカバレージが100%で、各色毎に縦20mm×横20mmの大きさのベタ画像を形成した。表1に示す評価基準は以下の通りである。
◎:10枚とも、転写部で巻きつき発生せず。実用上、問題無いレベル。
○:10枚中、1枚が転写部で巻き付き発生。実用上、許容できるレベル。
△:10枚中、2枚乃至5枚が転写部で巻きつき発生。実用上、問題となるレベル。
×:10枚中5枚以上が転写部で巻きつき発生。実用上、問題となるレベル。
−光沢感−
光沢感の評価は、巻きつき評価で得られたサンプルのベタ画像形成面を目視観察して、以下の基準で評価した。なお、巻きつき評価が「×」レベルで、サンプルの確保が困難な場合は、評価せず、「確認不能」とした。
◎:白紙部、画像部共に高い光沢を感じる。実用上、問題無いレベル。
○:白紙部、画像部に光沢の差があるが、違和感を生じるほどではない。実用上、問題無いレベル。
×:白紙部に光沢がない。実用上、問題となるレベル。
−画像欠陥−
画像欠陥の評価は、ルーペおよび目視により画像部を観察し、以下の基準で評価した。なお、巻きつき評価が「×」レベルで、サンプルの確保が困難な場合は、評価せず、「確認不能」とした。
◎:画像部をルーペで観察しても転写不良などのディフェクトが確認できない。実用上、問題無いレベル。
○:画像部を肉眼で観察しても転写不良などのディフェクトが確認できない。実用上、問題無いレベル。
×:画像部を肉眼で観察した場合転写不良などのディフェクトが確認できる。実用上、問題となるレベル。
−転写効率−
画像形成装置(富士ゼロックス社製、DCC500)を用いて、常温常湿(23℃、50%RH)の環境下にて、黒色トナーのみを用いて5cm×2cmのソリッドパッチを現像させ、中間転写体表面に一次転写された黒色トナー像を、テープ表面の粘着性を利用して転写し、その質量(W1)を測定した。
次に、同様の一次転写トナー像を、常温常湿(23℃、50%RH)環境下にて15時間以上調湿した塗工紙表面に転写させ、その転写画像の重量(W2)を測定した。続いて下式(4)によりトナーの転写効率を求め、以下の基準で転写効率を評価した。
・式(4) 転写効率(%)=(W2/W1)×100
○:転写効率が90%以上
△:転写効率が85%以上90%未満
×:転写効率が85%未満
付着力A(X)の測定に用いた測定装置の概要を示す概略図である。 付着力A(X)の測定に用いたサンプル用紙の平面方向の形状を示す平面図である。 基準高さの決定方法を説明するための概略模式図である。
符号の説明
1 測定装置
2 帯電処理部
3 荷重測定部
10 (クロロプレン製)無端ベルト
12、14 ロール
20 帯電ロール
22 電源
30 無端ベルト
32、34、36 ロール
40 ロードセル
42 牽引ロープ
50、50A、50B サンプル用紙
52 サンプル用紙本体部分
54 牽引部
56 穴

Claims (3)

  1. パルプ繊維を含む原紙と、該原紙の少なくとも片面に設けられた顔料及び接着剤を含む塗工層とを有し、
    温度23℃湿度50%RHにおける用紙の体積電気抵抗率が1.0×10Ω・cm以上1.0×1012Ω・cm以下の範囲内であり、前記塗工層が設けられた面のJIS P−8142に規定の白紙光沢度が30%以上であり、且つ、下式(1)を満たすことを特徴とする電子写真用塗工紙。
    ・式(1) α×(C+150)+β≦70
    〔式(1)中、αは下式(2)で示される値(N/V)を意味し、βは下式(3)で示される値(N)を意味し、Cは定数(−3000V)を意味する。〕
    ・式(2) α=ΔA/ΔX
    ・式(3) β=A(−150)
    〔式(2)および式(3)中、A(X)は、温度10℃湿度15%RHの環境下にて、一対のロールに張架された体積電気抵抗率が1.0×10Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下の範囲内のクロロプレン製無端ベルトの外周面に、その表面電位が少なくとも−200V未満の負電位となるように一旦帯電させることにより静電的に付着させた状態の電子写真用塗工紙を、前記クロロプレン製無端ベルトが周方向に回転しないように固定した状態で、前記クロロプレン製無端ベルトの周方向で且つ前記一対のロール間に位置する前記クロロプレン製無端ベルトにより形成される外周面と平行な方向に、17mm/secの速度で牽引するのに必要な最大荷重(N)を表し、A(X)中のXは前記最大荷重を測定する際の電子写真用塗工紙の表面電位(V)を表す。
    また、式(2)中のαは、3水準の表面電位XにおけるA(X)値を、各水準の表面電位Xに対応させてグラフ上にプロットし直線回帰させて求めた回帰直線により求めた値であり、式(3)中のβは前記回帰直線から得られた値であり、式(2)中のΔXは、前記回帰直線中の任意の2点における表面電位X1と表面電位X2との差であるX1−X2(但し、X1>X2)を意味し、ΔAはA(X1)−A(X2)を意味する。〕
  2. 前記用紙の体積電気抵抗率が、1.0×1010Ω・cm以上5.0×1011Ω・cm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用塗工紙。
  3. 前記塗工層中に、粒子径が0.1μm以上3μm未満の球形状の無機顔料が含まれることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用塗工紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012133292A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 電子写真用転写紙

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