JP2009086446A - 光学シート、型、型の製造方法および光学シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の光学特性を有するとともに安定して且つ容易に製造され得る光学シートを提供することを目的とする。
【解決手段】光学シート10は、シート状の基部15と、基部上に並べて配列された複数の単位プリズム20と、を備える。単位プリズムは、一つの屈曲部27を含む折れ面21と、折れ面に接続された平坦面22と、を有する。基部の法線方向と単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、折れ面と基部との接続部からなる第1基端部26と、平坦面と基部との接続部からなる第2基端部28と、折れ面と平坦面との接続部からなる頂部25と、によって、頂部から第1基端部までの長さと頂部から第2基端部までの長さとが等しい二等辺三角形が画定される。屈曲部は当該二等辺三角形の外部に位置する。
【選択図】図2
【解決手段】光学シート10は、シート状の基部15と、基部上に並べて配列された複数の単位プリズム20と、を備える。単位プリズムは、一つの屈曲部27を含む折れ面21と、折れ面に接続された平坦面22と、を有する。基部の法線方向と単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、折れ面と基部との接続部からなる第1基端部26と、平坦面と基部との接続部からなる第2基端部28と、折れ面と平坦面との接続部からなる頂部25と、によって、頂部から第1基端部までの長さと頂部から第2基端部までの長さとが等しい二等辺三角形が画定される。屈曲部は当該二等辺三角形の外部に位置する。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数の単位プリズムを有した光学シートに係り、とりわけ、所定の光学特性を有するとともに安定して且つ容易に製造され得る光学シートに関する。
また、本発明は、複数の単位プリズムを有した光学シートを製造するための成型用型に係り、とりわけ、所定の光学特性を有する光学シートを安定して且つ容易に製造することができるとともに安定して且つ容易に製造され得る型に関する。
さらに、本発明は、複数の単位プリズムを有した光学シートを製造するための成型用型を製造する方法に係り、とりわけ、所定の光学特性を有する光学シートを安定して且つ容易に製造することができる型を安定して且つ容易に製造することができる型の製造方法に関する。
さらに、本発明は、複数の単位プリズムを有した光学シートを製造する方法に係り、とりわけ、所定の光学特性を有する光学シートを安定して且つ容易に製造することができる製造方法に関する。
従来、複数の単位プリズムを有した光学シートが種々の用途において広く用いられてきた。一例として、このような光学シートは、点状または線状の光源からの光線をある方向(典型的には、正面方向)へ集光させて当該方向における輝度を集中的に向上させる機能を有している(例えば、特許文献1)。そして近年においては、光学シートの集光機能が液晶表示装置の面光源装置において利用されている。このため、昨今における光学シートの需要は、液晶表示装置の需要拡大にともなって急速に拡大しつつある。通常、このような光学シートの単位プリズムは、光学的作用の対称性を考慮し、図12に示すように、断面において二等辺三角形形状となっている。
なお、本件で用いるプリズムの語は、狭義のプリズムの他、所謂レンズも包含する意味で用いる。
このような光学シートは、一般的に、以下のようにして製造されている。まず、円筒状または円柱状の金属製基材を切削して、金属製基材から成型用型を作製する。具体的には、金属製基材をその中心軸線に沿って回転させながら金属製基材の外周面へバイトを切り込ませる。これにより、線状に延びる溝が外周面に切り込まれ、型面として機能する凹凸面が得られる。次に、このようにして作製された凹凸面を有する成型用型を用いて、光学シートを作製する。具体的には、凹凸面上に硬化型樹脂を供給し、硬化型樹脂を型面上で硬化させる。そして、硬化した樹脂を凹凸面から離型することにより、複数の光学シートが得られる。なお、一つの成型用型を利用して、複数枚の光学シートを作製することができる。
USP5,161,041
しかしながら、このような光学シートの製造方法には、以下に説明する問題点が含まれている。
まず、金属製基材の外周面に溝を形成する加工方法として、ねじ切り加工と突切加工とがある。このうち、ねじ切り加工では、図8に示すように、まず、回転中の基材内へバイト70を切り込ませ、その後、切り込み量を一定に保ちながら、基材の回転軸線に沿ってバイトを移動させる。この結果、一回の切り込みにより、螺旋状に延びる溝が基材の外周面上に形成される。一方、突切加工では、図9に示すように、回転中の基材内へバイトを切り込ませて、円周状(輪状)に延びる溝を形成する。そして、形成される溝の数と同じ回数だけバイトを基材に対して進退させることにより、凹凸面が形成される。このように、突切加工によって多数の溝を作製するには、バイト70を繰り返し移動させる必要があり、多くの時間を要するようになる。このため、一般的に、ねじ切り加工は、突切加工と比較して生産性が良いとされている。
その一方で、バイトが金属製基材を切削する一回あたりの連続した加工時間は、輪状に延びる短い溝を切削する突切加工よりも、螺旋状に延びる長い溝を切削するねじ切り加工の方が格段に長くなる。このため、比較的に短い切削を多数回行い、途中でバイトの冷却やバイトの交換が可能な突切加工と比較し、ねじ切り加工では、例えば、バイトの刃先温度が上昇する等、切削条件が過酷となる。そして、過酷な条件で切削を行っている場合、ワークの回転ムラ、バイトの送りムラ、基材をなす材料自体の不均一性、振動等の外乱等の切削状態のわずかな変化によっても、切削によって発生する切屑の流れ出しが変化してしまう。切屑の流れ出しが安定しないと、切屑が基材に接触して基材を傷付けてしまうことになる。切屑によって型に付けられた傷が微小であったとしても、その型を用いて作製された光学シート上に輝点または欠点として観察されるようになることがあり、この場合の多くは、光学シートに期待された機能を害すことになる。
そもそも、このような切屑に起因した不具合は、突切加工よりもねじ切り加工において問題となりやすい。突切加工の場合、バイトによる切屑は1本の溝につき1本ずつ排出される。このため、不具合が発生したとしても、基材への傷つけは最小限の範囲で済む。一方、ねじ切り加工は溝全長を連続加工するために(連続して切屑が出るために)、基材への傷つけは広範囲に及ぶ。このことから、切屑によって型に付けられた傷は、突切加工よりもねじ切り加工において目立ちやすくなる。
以上のことから、ねじ切り加工を採用したとしても、微細な単位プリズムを多数含む光学シート用の型の作製においては、切屑によって光学シートを作製するための型が傷付けられて光学シートの歩留まりが低下してしまう。結果として、生産性が良いというねじ切り加工の利点を享受することができない。このため、光学シート用の型は突切加工で作製され、作製に長時間を要している。
なお、多条ねじ切り加工により、一条あたりの連続した切削時間を短縮することも可能である。しかしながら、それでもやはり、多条ねじ切り加工における一条あたりの連続した切削時間は、突切加工における一周(一輪)あたりの連続した切削時間と比較すると極めて長く、解決策とはならない。
また、突切加工を採用する場合、溝の深さはバイトの切り込み量によって変化するが、突切加工においては、溝毎にバイトの切り込み量が設定される。したがって、突切加工で形成された溝の深さは一定とはならない可能性があり、このばらつきは、光学シートの単位プリズムの頂部の高さばらつきとなって現れる。光学シートは一般的に他の部材と重ね合わせられて用いられる。したがって、高さの高い単位プリズムの頂部が他の部材とこすり合わせられ、この頂部が局所的に摩耗してしまう虞がある。このような局所的な摩耗は、光学的な特異点として観察されるようになることもある。
さらに、型がねじ切り加工によって作製されるか突切加工によって作製されるかにかかわらず、型の凹凸面上に流し込まれた樹脂中から泡が抜け切らないという問題も発生する。このような泡は、光学シートにおいて輝点として観察され、ほとんど場合において光学シートに期待された機能を害すことになる。
またさらに、型がねじ切り加工によって作製されるか突切加工によって作製されるかにかかわらず、凹凸面内で硬化した樹脂を凹凸面内からスムースに抜き取れないといった問題も生じている。つまり、単位プリズムに亀裂が生じたり、さらには、単位プリズムの一部が凹凸面内に残留したりする。このような光学シートはもはや期待された機能を発揮することはできない。
本発明は、これらの点を考慮してなされたものであり、所定の光学特性を有するとともに安定して且つ容易に製造され得る光学シートを提供することを目的とする。また、本発明は、所定の光学特性を有する光学シートを安定して且つ容易に製造することができるとともに安定して且つ容易に製造され得る型を提供することを目的とする。さらに、本発明は、所定の光学特性を有する光学シートを安定して且つ容易に製造することができる型を安定して且つ容易に製造することができる型の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、所定の光学特性を有する光学シートを安定して且つ容易に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
本件発明者らは、鋭意研究を重ねた結果として、これまで一般的に使用されてきた単位プリズムの断面形状をある方法で変化させることにより、光学シートの光学的特性を目視で確認することが可能な程度に変化させることなく、極めて安定して且つ極めて容易に光学シートを作製することができるようにすること、が可能であることを知見した。そして、本発明は、本件発明者らのこのような知見に基づくものである。
本発明による光学シートは、シート状の基部と、前記基部の一方の面上に並べて配列された複数の単位プリズムと、を備え、前記単位プリズムは、前記基部から延び出て一つの屈曲部を含む折れ面と、前記基部から延び出て前記折れ面に接続された平坦面と、を有し、前記基部の法線方向と前記単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、前記折れ面と前記基部との接続部からなる第1基端部と、前記平坦面と前記基部との接続部からなる第2基端部と、前記折れ面と前記平坦面との接続部からなる頂部と、によって、前記頂部から前記第1基端部までの距離と前記頂部から前記第2基端部までの距離とが等しい二等辺三角形が画定され、前記屈曲部は当該二等辺三角形の外部に位置していることを特徴とする。
本発明による光学シートにおいて、前記基部の法線方向と前記単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、前記屈曲部は、前記基部の法線方向に沿って前記頂部と前記第1基端部との間に位置し、前記基部のシート面に沿って前記頂部と前記第1基端部との間に位置するようにしてもよい。
また、本発明による光学シートにおいて、複数の単位プリズムは、互いに同一な形状を有しているようにしてもよい。
さらに、本発明による光学シートにおいて、前記第1基端部から前記屈曲部までの前記基部の法線方向に沿った高さは、前記第1基端部から前記頂部までの前記基部の法線方向に沿った高さの1/4以上1/2以下であるようにしてもよい。
さらに、本発明による光学シートにおいて、前記基部の法線方向と前記単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、前記頂部および前記第1基端部を結ぶ直線と、前記頂部および前記屈曲部を結ぶ直線と、がなす角度は、0°より大きく5°以下であるようにしてもよい。
さらに、本発明による光学シートにおいて、前記基部の法線方向と前記単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、前記第1基端部および前記頂部を結ぶ直線と、前記第1基端部および前記屈曲部を結ぶ直線と、がなす角度は、0°より大きく5°以下であるようにしてもよい。
さらに、本発明による光学シートにおいて、前記基部の法線方向と前記単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、前記頂部および前記第1基端部を結ぶ直線と、前記頂部および前記第2基端部を結ぶ直線と、がなす角度は、80°以上120°以下であるようにしてもよい。
本発明による型は、回転軸線を中心として回転しながら成型を行う型であって、円筒状または円柱状からなる基材の外周面に溝を形成してなる凹凸面を備え、前記溝は、一つの屈曲部を含む折れ面状の第1面と、前記折れ面に接続された平坦な第2面と、によって画定され、前記回転軸線を通過する断面において、前記第1面と前記第2面との接続部からなる最深部と、前記最深部とは反対の側における前記第1面の端部をなす第1表層部と、前記最深部とは反対の側における前記第2面の端部をなす第2表層部と、によって、前記最深部から前記第1表層部までの距離と前記最深部から前記第2表層部までの距離とが等しい二等辺三角形が画定され、前記屈曲部は当該二等辺三角形の外部に位置しているようにしてもよい。
本発明による型において、前記回転軸線を通過する断面において、前記屈曲部は、前記回転軸線と直交する方向に沿って前記最深部と前記第1表層部との間に位置し、前記回転軸線に沿って前記最深部と前記第1表層部との間に位置するようにしてもよい。
また、本発明による型において、前記溝は、前記基材の外周面上を螺旋状に延びているようにしてもよい。あるいは、本発明による型において、前記溝は、前記基材の外周面上を一条の螺旋状に延びているようにしてもよい。
さらに、本発明による型において、前記第1表層部から前記屈曲部までの前記回転軸線に直交する方向に沿った深さは、前記第1表層部から前記最深部までの前記回転軸線に直交する方向に沿った深さの1/4以上1/2以下であるようにしてもよい。
さらに、本発明による型において、前記回転軸線を通過する断面において、前記最深部および前記第1表層部を結ぶ直線と、前記最深部および前記屈曲部を結ぶ直線と、がなす角度は、0°より大きく5°以下であるようにしてもよい。
さらに、本発明による型において、前記回転軸線を通過する断面において、前記第1表層部および前記最深部を結ぶ直線と、前記第1表層部および前記屈曲部を結ぶ直線と、がなす角度は、0°より大きく5°以下であるようにしてもよい。
さらに、本発明による型において、前記回転軸線を通過する断面において、前記最深部および前記第1表層部を結ぶ直線と、前記最深部および前記第2表層部を結ぶ直線と、がなす角度は、80°以上120°以下であるようにしてもよい。
本発明による型の製造方法は、上述したいずれかの型を製造する方法であって、円筒状または円柱状からなる前記基材を、その中心軸線を中心として、回転させながら、前記基材にバイトを所定量だけ切り込ませる工程と、前記中心軸線を中心として前記基材を回転させながら、かつ、前記基材への切り込み量を維持したままで、前記中心軸線に沿った一方の向きに前記バイトを前記基材に対して相対移動させ、前記基材の前記外周面上に螺旋状に延びる前記溝を形成する工程と、を備え、前記バイトは、屈曲部を含む折れ線状の第1刃部と、前記第1刃部に接続された直線状の第2刃部と、を有し、前記第1刃部と前記第2刃部との接続部からなる刃先部と、前記第1刃部のうちの前記基材へ切り込む部分内に位置し、当該部分内において前記刃先部とは反対側の端部なす第1端部と、前記第2刃部のうちの前記基材へ切り込む部分内に位置し、当該部分内において前記刃先部とは反対側の端部なす第2端部と、によって、前記刃先部から前記第1端部までの距離と前記刃先部から前記第2端部までの距離とが等しい二等辺三角形が画定され、前記屈曲部は当該二等辺三角形の外部に位置していることを特徴とする。
本発明による型の製造方法において、前記バイトの前記屈曲部は、前記基材へ切り込む際における前記バイトの移動方向に沿って前記刃先部と前記第1端部との間に位置し、前記基材へ切り込む際における前記バイトの移動方向に直交する方向に沿って前記刃先部と前記第1端部との間に位置するようにしてもよい。
また、本発明による型の製造方法において、前記中心軸線に沿った一方の向きに前記バイトを前記基材に対して相対移動させる際、前記第1刃部が前記第2刃部よりも進行方向前方に位置するようにしてもよい。
本発明による第1の光学シートの製造方法は、上述したいずれかの型を用いて光学シートを成型する方法であって、流動性を有する材料を前記型の前記凹凸面に供給する工程と、前記凹凸面に供給された材料を前記凹凸面上で硬化させる工程と、前記硬化された材料を前記型から離型する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明による第2の光学シートの製造方法は、円筒状または円柱状の基材から形成された型を用いて、請求項1乃至6のいずれか一項に記載された光学シートを製造する方法であって、前記基材の外周面に溝を形成してなる凹凸面を有した型の前記凹凸面に、流動性を有する材料を供給する工程と、前記凹凸面に供給された材料を前記凹凸面上で硬化させる工程と、前記硬化された材料を前記型から離型する工程と、を備え、前記凹凸面の溝は、一つの屈曲部を含む折れ面状の第1面と、前記折れ面に接続された平坦な第2面と、によって画定され、前記基材の中心軸線を通過する断面において、前記第1面と前記第2面との接続部からなる最深部と、前記最深部とは反対の側における前記第1面の端部をなす第1表層部と、前記最深部とは反対の側における前記第2面の端部をなす第2表層部と、によって、前記最深部から前記第1表層部までの距離と前記最深部から前記第2表層部までの距離とが等しい二等辺三角形が画定され、前記屈曲部は当該二等辺三角形の外部に位置していることを特徴とする。本発明による第2の光学シートの製造方法において、前記中心軸線を通過する断面において、前記屈曲部は、前記中心軸線と直交する方向に沿って前記最深部と前記第1表層部との間に位置し、前記中心軸線に沿って前記最深部と前記第1表層部との間に位置するようにしてもよい。
本発明による第1または第2の光学シートの製造方法において、前記凹凸面に材料を供給する工程において、前記凹凸面に対面するようにしてシート材を供給するとともに、前記シート材と前記凹凸面との間に前記流動性を有する材料として放射線硬化型樹脂を供給し、前記材料を硬化させる工程において、前記シート材を介して前記放射線硬化型樹脂に放射線を照射するようにしてもよい。
本発明による光学シートは、所定の光学特性を有するとともに安定して且つ容易に製造され得る。また、本発明による型によれば、所定の光学特性を有する光学シートを安定して且つ容易に製造することができるとともに、該型自体も安定して且つ容易に製造され得る。さらに、本発明による型の製造方法によれば、所定の光学特性を有する光学シートを安定して且つ容易に製造することができる型を安定して且つ容易に製造することができる。さらに、本発明による光学シートの製造方法によれば、所定の光学特性を有する光学シートを安定して且つ容易に製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1乃至図11は本発明による一実施の形態を説明するための図である。
なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比を、実物のそれらから変更し誇張してある。また、以下において各部分や各部材等の形状について説明するが、これらの形状(例えば二等辺三角形等)は必ずしも厳密に判断されるべきものではなく、製造や測定等の技術水準に照らして当然に生じ得る程度の誤差であって且つ意図した作用効果を得ることができる程度の誤差等を含めて判断するものである。
このうち図1は光学シートを示す斜視図であり、図2は光学シートの部分断面図であり、図3は光学シートの使用例を説明するための図であり、図4は光学シートの作用を説明するための図である。まず、これらの図1乃至図4を主に参照して、本発明による光学シートの一実施の形態について説明する。
図1および図2に示すように、光学シート10は、シート状の基部15と、基部15の一方の面15a上に並べて配列された複数の単位プリズム20と、を有している。なお、図示する例において、基部15と単位プリズムは一体に形成されている。
複数の単位プリズム20は、基部15のシート面に沿った一方向に沿って一定のピッチで配列されている。図示する例においては、複数の単位プリズム20は、その配列方向(前記一方向、図1における紙面の左右方向)に沿って、隙間を空けず隣接して配列されている。また、各単位プリズム20は、その配列方向に直交する方向(図2においては、紙面の奥行き方向)に沿って断面形状を変化させることなく延びている。とりわけ本実施の形態において、複数の単位プリズム20は、互いに同一な形状を有している。
なお、ここで「シート面」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合におけるその平面方向と一致する面のことを指す。
図1および図2に示すように、基部15上に形成された各単位プリズム20は、基部15から延び出て屈曲部27を含む折れ面21と、基部15から延び出て折れ面21に接続された平坦面22と、を有している。折れ面21は、屈曲部27を一つだけ含んでいる。そして、折れ面21は、この屈曲部27の両側に配置された先端側平坦面21aと基端側平坦面21bとの二つの平坦な面から構成されている。折れ面21と平坦面22とは連続して配置されており、折れ面21の一端と平坦面22の一端とが接続されている。この折れ面21と平坦面22との接続部によって、単位プリズム20のうちの基部15から最も離間した頂部25が形成されている。
基部15のシート面の法線NLの方向と単位プリズム20の配列方向との両方に沿った断面(以下において光学シート10の主切断面とも呼ぶ)において、すなわち、図2に示された断面において、頂部25と、折れ面21と基部15との接続部からなる第1基端部(すなわち、折れ面21の他端)26と、平坦面22と基部15との接続部からなる第2基端部(すなわち、平坦面22の他端)28と、によって、頂部25から第1基端部26までの直線距離(図2に於ける破線分La乃至は25−26;尚、以下単に距離と言う場合は、2点間の最短距離を意味する)と頂部25から第2基端部28までの直線距離(図2に於ける実線分Ld乃至は25−28)とが等しい二等辺三角形が画定される(図2に於ける仮想的な3角形25−26−28)。そして、図2に示すように、屈曲部27は当該仮想的な二等辺三角形の外部に位置している。すなわち、光学シート10の主切断面において、単位プリズム20(図2に於ける4角形25−27−26−28)は、等辺が基部15から延び出た仮想的二等辺三角形(前記3角形25−26−28)と、当該二等辺三角形の外方に隣接して配置された仮想的な三角形であって、当該二等辺三角形の一方の等辺の全長を一つの辺としている三角形(図2に於ける仮想的な3角形25−27−26)と、を足し合わせた形状になっている。
光学シート10の単位プリズム20がこのような断面形状を有することにより、後述するように、この光学シート10を成型するための成型用型40を、安定して且つ容易に作製することができる。また、光学シート10がこのような断面形状を有することにより、後述するように、この光学シート10を安定して且つ容易に作製することが可能となる。
また、本実施の形態においては、図2に示すように、光学シート10の主切断面において、屈曲部27は、基部15の法線NLの方向(図2に於ける上下方向)に沿って頂部25と第1基端部26との間に位置し、基部15のシート面に沿って(図2に於ける単位プリズム配列方向(左右方向)に沿って)頂部25と第1基端部26との間に位置している。なお、ここで謂う「頂部と第1基端部との間に位置する」とは、所定の方向に沿って頂部25よりも第1基端部26側に位置するとともに、第1基端部26よりも頂部25側に位置することを意味し、所定の方向において頂部25または第1基端部26と同一の位置にあることを含まない。したがって、光学シート10の主切断面において、単位プリズム20の第1基端部26側の底角θdは、90°未満となっている。屈曲部27がこのような範囲内に配置されている場合、型40を用いて光学シート10を成型した後に、光学シート10を安定して型40から離型することが可能となり、光学シート10をさらに安定して製造することができる。
このような光学シート10は、種々の用途に使用されている。一例として、図3に示すように、光学シート10は、点状または線状の光源6とともに、面光源装置5を構成するようになる。また、面光源装置5は、液晶表示パネル2と組み合わされて液晶表示装置1を構成するようになる。なお、図3に示す例において、光学シート10を用いて直下型の面光源装置5を構成する例を示しているが、これに限られず、この光学シート10をエッジライト型の面光源装置に適用することもでき、さらには、面光源装置以外の用途にも適用することができる。
この面光源装置5(液晶表示装置1)においては、図4に示すように、光源5からの光線L41,L42,L43が、まず、光拡散シート7に入射して等方拡散する。図4に示す例において、光線L41,L42,L43は、光拡散シート7内に分散された光拡散粒子7aによって等方拡散している。これにより、光源5の構成に起因した輝度ムラが解消され、光拡散シート7の出光側面において輝度分布は略均一化されている。その後、光線L41,L42,L43は、光学シート10へ入射する際に正面方向側へ屈折する。さらに、光線L41,L42,L43は、光学シート10の単位プリズム20から出射する際に正面方向側へさらに屈折する。この結果、面光源装置5の発光面は、高い正面方向輝度を有し、かつ、均一化された面内輝度分布を有するようになる。すなわち、光学シート10は、図3および図4に示す使用例において、光線の進路方向を変更し、光線の進路方向を略正面方向を中心とするある角度範囲内へ集光する、シート状の部材として機能する。
従来の光学シート110においては、光学的作用の対称性を考慮して、図12に示すように、光学110の主切断面における単位プリズム120の断面形状が二等辺三角形形状となっていることが理想的であるとされてきた。また、単位プリズム120の頂角の角度θeは、集光機能を効果的に発揮し得るようにすることを考慮して、80°以上120°以下の範囲内にあることが好ましく、とりわけ90°であることが理想的であるとされてきた。
一方、本発明によれば、単位プリズム20の断面形状は、光学シート10の主切断面において二等辺三角形状となっていない。このため、厳密に判断すると、正面方向を中心として対称な輝度分布が得られなくなる。しかしながら、本件発明者らは、鋭意研究を重ねた結果として、本発明による光学シート10が、目視で判断するレベルにおいて、従来理想的とされてきた光学シートと同等の光学特性、具体的には、正面輝度の高さおよび輝度分布の対称性を確保することができることを、見出した。すなわち、本発明による光学シート10は、優れた光学特性および優れた生産性の両立を可能にするものである。
そして、本件発明者が鋭意研究を重ねたところ、光学シート10の単位プリズム20の設計に関して以下のことが見出された。図2に示すように、第1基端部26から屈曲部27までの基部20の法線NLの方向に沿った高さhaが、第1基端部26から頂部25までの基部20の法線NLの方向に沿った高さHの1/4以上1/2以下となっていることが、理想的な光学特性を維持するという観点から好ましい。また、光学シート10の主切断面において、頂部25および第1基端部26を結ぶ直線Laと、頂部25および屈曲部27を結ぶ直線Lbと、がなす角度θaは、0°より大きく5°以下となっていることが、理想的な光学特性を維持するという観点から好ましい。さらに、光学シート10の主切断面において、第1基端部26および頂部25を結ぶ直線Laと、第1基端部26および屈曲部27を結ぶ直線Lcと、がなす角度θbは、0°より大きく5°以下となっていることが、理想的な光学特性を維持するという観点から好ましい。さらに、光学シート10の主切断面において、頂部25および第1基端部26を結ぶ直線Laと、頂部25および第2基端部28を結ぶ直線Ldと、がなす角度θcは、80°以上120°以下となっていることが、特に90°となっていることが、理想的な光学特性を維持するという観点から好ましい。
次に、以上のような光学シート10を成型するための型について、主に図5乃至図7を参照して、説明する。ここで、図5は、型を説明するための模式図であり、図6および図7は、図5のVI−VI線に沿った断面において型を示す断面図である。
図5に示すように、本実施の形態における成型用型40は、略円柱状の外形状を有しており、円柱の外周面(側面)に該当する部分に型面として機能する凹凸面42が形成されている。円柱状からなる型40は、円柱の外周面の中心を通過する中心軸線CA、言い換えると、円柱の横断面の中心を通過する中心軸線CAを有している。そして、型40は、中心軸線CAを回転軸線として回転しながら(図11参照)、成型品としての光学シート10を成型するロール型として構成されている。なお、型40は、略円筒状の外形状を有し、円筒の外周面(側面)に該当する部分に型面として機能する凹凸面が形成されているようにしてもよい。
このような型40は、後述するように、円柱状または円筒状の基材30(型材)の外周面32に溝50を形成することにより形成される。すなわち、型40の凹凸面42は、基材30の外周面32に溝50を形成することによって作製されている。本実施の形態においては、図5に示すように、溝50は、基材30の外周面32上を一条の螺旋状に延びている。言い換えると、溝50は、基材30の外周面32上を一条ねじのねじ溝のように延びている。すなわち、凹凸面42は、一本の螺旋状に延びる溝50によって形成されている。本実施の形態において、凹凸面42をなす溝50は、隣接するようにして基材30の外周面32上を延びている。すなわち、中心軸線CA(回転軸線)を通過する断面において(以下において型の主切断面とも呼ぶ)、すなわち、図6に示された断面において、隣り合う溝50は、隙間を空けず隣接して、中心軸線CAと平行な方向に並べて配列されている。
後述するように、溝50に充填された材料によって、光学シート10の単位プリズム20が形成されるようになる。このため、溝50は、上述した単位プリズム20の形状に対応した形状を有している。以下、溝50の形状について詳述する。
図6および図7に示すように、溝50は、屈曲部57を含む折れ面状の第1面51と、第1面51に接続された平坦な第2面52と、によって基材30の外周面32上に画定されている。折れ面状の第1面51は、屈曲部57を一つだけ含んでいる。そして、第1面51は、この屈曲部57の両側に配置された底側平坦面51aと表層側平坦面51bとの二つの平坦な面から構成されている。第1面51と第2面52とは連続して配置されており、第1面51の一端と第2面52の一端とが接続されている。この第1面51と第2面52との接続部によって、溝50のうちの基材30の外周面32から最も離間した最深部55が形成されている。
なお、溝50の第1面51が上述した単位プリズム20の折れ面21に対応し、溝50の第2面52が上述した単位プリズム20の平坦面22に対応する。また、溝50の底部側平坦面51aが上述した単位プリズム20の先端側平坦面21aに対応し、溝50の表層側平坦面51bが上述した単位プリズム20の基端側平坦面21bに対応する。さらに、溝50の最深部55が上述した単位プリズム20の頂部25に対応し、溝50の屈曲部57が上述した単位プリズム20の屈曲部27に対応する。
図7に示すように、型40の主切断面において、最深部55と、最深部55とは反対の側における第1面51の端部をなす第1表層部(すなわち、第1面51の他端)56と、最深部55とは反対の側における第2面52の端部をなす第2表層部(すなわち、第2面52の他端)58と、によって、最深部55から第1表層部56までの直線距離と最深部55から第2表層部58までの直線距離とが等しい仮想的な二等辺三角形(図7に於ける56−55−58)が画定される。そして、図7に示すように、屈曲部57は当該仮想的な二等辺三角形の外部に位置している。すなわち、型40の主切断面において、溝50は、等辺が基材30の外周面32から基材30の中心軸線CAの側へ延び入った仮想的な二等辺三角形(56−55−58)と、当該二等辺三角形の外方に隣接して配置された仮想的な三角形であって、当該二等辺三角形の一方の等辺の全長(La2乃至は56−55)を一つの辺としている三角形(55−57−56)と、を足し合わせた形状となっている。
型40の溝50がこのような断面形状を有することにより、後述するように、基材30の外周面32に溝50を切削して形成する際に、切屑の発生を安定させることができる。この結果、この成型用型40を安定して且つ容易に製造することができる。また、この型40を用いての光学シート10の成型、および、成型された光学シート10の離型を安定して且つ容易に行うことができるようになる。
また、本実施の形態においては、図7に示すように、型40の主切断面において、屈曲部57は、中心軸線CA(成型時における回転軸線)と直交する方向に沿って最深部55と第1表層部56との間に位置し、中心軸線CAに沿って最深部55と第1表層部56との間に位置している。なお、ここで謂う「最深部と第1表層部との間に位置する」とは、所定の方向に沿って最深部55よりも第1表層部56側に位置するとともに、第1表層部56よりも最深部55側に位置することを意味し、所定の方向において最深部55または第1表層部56と同一の位置にあることを含まない。したがって、型40の主切断面において、溝50の第1面51の表層側平坦面51bと基材30の外周面(型40の凹凸面42の包絡面に該当)32とがなす角度θd2は、90°未満となっている。型40の溝50がこのように構成されている場合、成型後の離型を安定して行うことができるようになるので、光学シート10をさらに安定して且つさらに容易に製造することができる。
さらに、本件発明者らが、鋭意研究を重ねたところ、型40の溝50の断面形状に関する以下のことが見出された。
図7に示すように、第1表層部56から屈曲部57までの中心軸線CA(回転軸線)に直交する方向に沿った深さdaが、第1表層部56から最深部55までの中心軸線CA(回転軸線)に直交する方向に沿った深さDの1/4以上1/2以下となっていることが好ましい。また、型40の主切断面において、最深部55および第1表層部56を結ぶ直線La2と、最深部55および屈曲部57を結ぶ直線Lb2と、がなす角度θa2は、0°より大きく5°以下となっていることが好ましい。さらに、型40の主切断面において、第1表層部56および最深部55を結ぶ直線La2と、第1表層部56および屈曲部57を結ぶ直線Lc2と、がなす角度θb2は、0°より大きく5°以下となっていることが好ましい。さらに、型40の主切断面において、最深部55および第1表層部56を結ぶ直線La2と、最深部55および第2表層部58を結ぶ直線Ld2と、がなす角度θc2は、80°以上120°以下、特に90°となっていることが好ましい。以上のように型40の溝50を設計することにより、理想的な光学特性を維持しながら、安定して且つ容易に製造することが可能な上述の光学シート10を成型することができる。
次に、以上のような型40の製造方法について説明する。
まず、型40をなすようになる基材30を準備する。本実施の形態においては、略円柱状の外輪郭を有する基材30が準備される。基材30をなす材料としては、成型用型の基材として用いられ得る種々の既知な材料、例えば鋼を用いることができる。
次に、円柱状からなる基材30の外周面32を、例えば旋盤を用いて、切削する。具体的には、まず、基材30を両端から保持し、図8に示すように、基材30の中心軸線CAが回転軸心となるようにして基材30を回転させる。次に、基材30を回転させたままの状態で、基材30の回転軸線(中心軸線CA)に直交する方向に沿って、切削用のバイト70を移動させる。このとき、バイト70の刃先部75が基材30内に切り込み、基材70の切削が開始される。このようにして、バイト70の刃先部75を、基材30内に予め設定した量だけ切り込ませる(図8の実線で示すバイト70の位置)。すなわち、バイト70の刃先部75が所定量だけ基材30内に切り込んだところで、基材30の回転軸線(中心軸線CA)に直交する方向に沿ったバイト70の移動を停止させる。
次に、依然として基材30をその中心軸線CAを中心として回転させたままの状態で、基材30の中心軸線CAに沿った一方の向き(図8に示す例においては紙面の右向き)にバイト70を基材30に対して移動させる。このとき、バイト70は、基材30の回転軸線(中心軸線CA)に直交する方向には移動しない。すなわち、基材30へのバイト30の切り込み量は所定の量に維持されたままとなっている。
このようにしてバイト70が基材30の中心軸線CAに沿って予め設定した量だけ移動すると、バイト70の基材30の中心軸線CAに沿った移動を停止させる。その後、基材30の回転軸線(中心軸線CA)に直交する方向に沿って、バイト70を基材30から離間させる。
このような切削加工法は、上述したねじ切り加工、さらに詳細には、一条ねじ切り加工であり、一条の螺旋状の溝50が基材30の外周面32に形成される。これにより、溝50によって凹凸が形成された凹凸面50を有する型40が得られる。
ところで、上述したように、このねじ切り加工では、連続して基材30を切削し続ける時間が長くなる。すなわち、比較的に短い切削を多数回行い、途中でバイトの冷却やバイトの交換すら可能な突切加工(図9参照)と比較し、ねじ切り加工では、過酷な条件で連続して切削している時間が長くなる。そして、過酷な条件で切削を行っている場合、ワークの回転ムラ、バイトの送りムラ、基材30をなす材料自体の不均一性、振動等の外乱等の切削状態のわずかな変化によっても、切削によって発生する切屑の流れ出しが変化してしまう。
しかしながら、この型40によって形成すべき光学シート10の単位プリズム20は、図2によく示されているように、その頂部25を通過する光学シート10の法線NLを中心として線対称な形状とはなっていない。これにともなって、バイト70によって形成される溝50も、図7によく示されているように、その最深部55を通過するとともに型40の中心軸線CAに直交する線分CLを中心として線対称な形状とはなっていない。そして、このように溝50を切削する場合、切削切屑の流れ出しが非常に安定することが確認された。
すなわち、種々の検討結果からすると、光学特性を大きく変更しない程度のわずかな非対称性であっても、切屑の流れ出しに大きな影響を及ぼし、流れ出しに特定の傾向を付与することができる。これにより、ワークの回転ムラ、バイトの送りムラ、基材30をなす材料自体の不均一性、振動等の外乱等の切削状態の変化から、切屑の流れ出しが影響を受けにくくすることができる。
なお、ここでいう流れ出しにおける「特定の傾向」とは、例えば、溝50の最深部55から型40の中心軸線CAに下ろした垂線CLを中心として一方の側(図7に示す例においては、垂線CLに対して第1面51の側)のみに、切屑が流れ出すこと等が挙げられる。
このように切屑の流れ出しが安定するため、型面として機能するようになる作製中の凹凸面42に対して切削によって発生した切屑が接触してしまう(絡んでしまう)ことを防止することができる。この結果、ねじ切り加工によって螺旋状の溝50を形成することが可能となる。図8に示すねじ切り加工によれば、図9に示す突切加工と比較して、バイト70の移動が極めて単純であるとともに、バイト70の総移動距離も大幅に低減することができる。これにより、型40を、短時間で且つ安定した品質で製造することができる。
また、上述したように、突切加工においては、バイト70の刃先部75の基材75への切り込み量を、円周状の溝毎に設定することになる。このため、図13に示すように、製造された型140の溝150の最深部155の深さにばらつきが生じてしまうという不具合も発生する。そして、この不具合は、この型を用いて作製された光学シート110の単位プリズム120の頂部125の高さをばらつかせてしまうことになる。図3に示すように、光学シート10は他のシート状(板状)の部材と重ね合わせられて用いられることが一般的である。また、光学シート10は、周囲の環境条件の変化、例えば、温度や湿度等の変化により、膨張、伸縮、湾曲等を繰り返す。このため、光学シートが他のシート状の部材と擦り合わされ、高さの高い単位プリズム125の頂部が線状に削られてしまうことがある。このような頂部155は、輝点または欠点として目視にて確認されることもあり、この場合、もはや光学シート10として引き続き利用することはできなくなる。
一方、図8に示すように、ねじ切り加工において、バイト70の刃先部75の基材75への切り込み量は、一本の螺旋状に延びる溝50を形成する間、一定となっている。したがって、ねじ切り加工で形成された型によれば、このような不具合を回避することができ、結果として、生産性だけでなく品質面においても優れた型40を提供することが可能となる。
なお、溝50の形成に用いられるバイト70は、図10に示すように、上述した溝50の形状に対応した形状を有している。ここで、図10は、バイト70が基材30内に切り込んだ後に基材30に対して相対移動している状態を、型40の主切断面において示す図である。
すなわち、図10に示すように、バイト70は、屈曲部77を含む折れ線状の第1刃部71と、第1刃部71に接続された直線状の第2刃部72と、を有している。第1刃部71と第2刃部72とは連続して配置されており、第1刃部71の一端と第2刃部72の一端とが接続されている。この第1刃部71と第2刃部72との接続部によって、バイト70のうちの最初に基材30へ切り込むようになる刃先部75が形成されている。折れ線状の第1刃部71は、屈曲部77を一つだけ含んでいる。そして、第1刃部71は、この屈曲部77の両側に配置された刃先側平坦面71aと刃底側平坦面71bとの二つの平坦な面から構成されている。図10に示すように、切削時に、少なくとも刃先側平坦面71aおよび屈曲部77は、基材30内へ切り込むようになっている。
そして、このようなバイト70が、図10に示すように、第1刃部71が第2刃部72よりも進行方向前方に位置するようにして、基材30に対して相対移動することが好ましい。この場合、切削切屑の流れ出しをより安定させることが可能であることが確認された。ここで、バイト70と基材30との相対移動は、基材30に対してバイト70が移動するようにしてもよいし、バイト70に対して基材30が移動するようにしてもよいし、バイト70および基材30の両方がそれぞれ移動するようにしてもよい。
なお、バイト70の第1刃部71が上述した溝50の第1面51を形成し、バイト70の第2刃部72が上述した溝50の第2面52を形成する。また、バイト70の刃先側平坦面71aが上述した溝50の底部側平坦面51aを形成し、バイト70の刃底側平坦面71bが上述した溝50の表層側平坦面51bを形成する。さらに、バイト70の刃先部75が上述した溝50の最深部55に対応し、バイト70の屈曲部77が上述した溝50の屈曲部57に対応する。
また、型40の溝50の形状に対応して、図10に示すように、刃先部75と、第1刃部71のうちの基材30へ切り込む部分内に位置し、当該部分内において刃先部75とは反対側の端部なす第1端部76と、第2刃部72のうちの基材30へ切り込む部分内に位置し、当該部分内において刃先部75とは反対側の端部なす第2端部78と、によって、刃先部75から第1端部76までの直線距離と刃先部75から第2端部78までの直線距離とが等しい仮想的な二等辺三角形(図10に於ける76−75−78)が画定される。そして、図10に示すように、屈曲部77は当該仮想的な二等辺三角形の外部に位置している。すなわち、基材30内に切り込んで溝50を削り出しているバイト70を正面から観察した場合、バイト70のうちの基材30へ切り込んだ部分は、等辺が基材30の外周面32から基材の中心軸線CAの側へ延び入った仮想的な二等辺三角形(76−75−78)と、当該二等辺三角形の外方に隣接して配置された仮想的な三角形であって、当該二等辺三角形の一方の等辺の全長を一つの辺としている三角形(75−77−76)と、を足し合わせた形状となっている。
また、バイト70の屈曲部77は、基材30へ切り込む際におけるバイト70の移動方向に沿って刃先部75と第1端部76との間に位置し、基材30へ切り込む際におけるバイト70の移動方向に直交する方向に沿って刃先部75と第1端部76との間に位置している。なお、ここで謂う「刃先部と第1端部との間に位置する」とは、所定の方向に沿って刃先部75よりも第1端部76側に位置するとともに、第1端部76よりも刃先部75側に位置することを意味し、所定の方向において刃先部75または第1端部76と同一の位置にあることを含まない。したがって、バイト70の第1刃部71の刃底側平坦面71bと、第1端部76および第2端部78を結ぶ直線Le3と、がなす角度θd3は、90°未満となっている。
なお、上述した理想的な光学特性を維持し得る光学シート10の単位プリズム20を成型する型40の溝50を作製するため、上述した溝50の形状に対応して、バイト70の形状を設定しておくことが好ましい。すなわち、図10に示すように、基材30へ切り込む際におけるバイト70の移動方向(以下において、切り込み方向とも呼ぶ)CDに沿った第1端部76から屈曲部77までの長さAaが、切り込み方向CDに沿った第1端部76から刃先部75までの長さAの1/4以上1/2以下となっていることが好ましい。また、図10において、刃先部75および第1端部76を結ぶ直線La3と、刃先部75および屈曲部77を結ぶ直線Lb3と、がなす角度θa3は、0°より大きく5°以下となっていることが好ましい。さらに、図10において、第1端部76および刃先部75を結ぶ直線La3と、第1端部76および屈曲部77を結ぶ直線Lc3と、がなす角度θb3は、0°より大きく5°以下となっていることが好ましい。さらに、図10において、刃先部75および第1端部76を結ぶ直線La3と、刃先部75および第2端部78を結ぶ直線Ld3と、がなす角度θc3は、80°以上120°以下、特に90°となっていることが好ましい。
次に、以上のような型40を用いて光学シート10を製造する方法について、主に図11を参照しながら、説明する。ここで、図11は、上述した成型用型40を含む成型装置(製造装置)35の一例とともに、この成型装置35を用いて光学シート10の製造方法を説明するための図である。
図11に示すように、本例における成型装置35は上述した型40を備えている。この成型装置35において、型40が中心軸線CAを中心として回転可能に支持されている。図11に示すように、成型装置35は、帯状に延びるシート材(成型用基材シート)18を供給する成型用基材供給装置36と、供給されるシート材18と成型用型40の凹凸面32との間に流動性を有した材料19を供給する材料供給装置37と、シート材18と成型用型40の凹凸面42との間の材料19を硬化させる硬化装置38と、を有している。なお、硬化装置38は硬化対象となる材料19の硬化特性に応じて適宜構成され得る。
このような成型装置35を用いて光学シート10を作製する場合、まず、成型用基材供給装置36から、例えば透明性を有した樹脂からなるシート材18が供給される。供給されたシート材18は、図11に示すように、成型用型40へと送り込まれ、型40と一対のローラ39とによって、型40の凹凸面42と対向するようにして保持されるようになる。このとき、成型用型40は中心軸線CAを中心として回転させられている。そして、型40の回転速度は、凹凸面42における回転周速度がシート材18の搬送速度と略一致するように、設定されている。これにより、基材18は型40の凹凸面42に同期して搬送されるようになる。
また、図11に示すように、シート材18の供給にともない、シート材18と成型用型40の凹凸面42との間に、材料供給装置37から流動性を有する材料19が供給される。ここで、「流動性を有する」とは、成型用型40の凹凸面42へ供給された材料19が、凹凸面42の溝50の最深部55まで入り込み得る程度の流動性を有することを意味する。なお、供給される材料19としては、成型に用いれ得る種々の既知な材料を用いることができる。以下に示す例においては、材料供給装置37から電離放射線硬化型樹脂が供給される例について説明する。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、UV光を照射されることにより硬化するUV硬化型樹脂や、電子線を照射されることによって硬化するEB硬化型樹脂を選択することができる。
なお、上述したように、型40の溝50は、型40の主切断面において、線対称な形状とはなっていない。このため、このため、型40の溝50内に材料19が入り込む際に、それまで溝50内を埋めていた気体(典型的には空気)は、型40の主切断面において左右対象でない挙動を取って溝50外に移動するように、傾向付けられるようになる。すなわち、型40の溝50内に材料19を充填する際に溝内19の気泡がある特定の経路をたどって溝50内から抜け出す傾向がつくり出される。この結果、溝50内に充填された材料19中に、気泡が混入してしまうことを効果的に防止することができる。
その後、成型用シート材18は、型40の凹凸面42との間を放射線硬化型樹脂によって満たされた状態で、硬化装置38に対向する位置を通過する。このとき、硬化装置38からは、放射線硬化型樹脂19の硬化特性に応じた放射線が放射されており、放射線はシート材18を透過して放射線硬化型樹脂19に照射される。この結果、凹凸面42の溝50内に充填されていた放射線硬化型樹脂が硬化して、硬化した放射線硬化型樹脂からなる単位プリズム20がシート材18上に形成されるようになる。
その後、図11に示すように、シート材18が型40から離間し、これにともなって、凹凸面42の溝50内に成型された単位プリズム20がシート材18とともに型40から引き離される。この結果、上述した光学シート10が得られる。
ところで、上述したように、型40の溝50は、型40の主切断面において、線対称な形状とはなっていない。これにともなって、溝50内で成型された光学シート10の単位プリズム20も、光学シート10の主切断面において、線対称な形状とはなっていない。このため、単位プリズム20は、型40の溝50から抜け出す際に、主切断面において左右対象でない挙動を取るように傾向付けられるようになる。すなわち、成型された単位プリズム20を溝50から離間させる力が付加された場合、単位プリズム20の折れ面21が溝50の第1面51から離間する動作と、単位プリズム20の平坦面22が溝50の第2面52から離間する動作と、は時間的に微妙に前後して行われるようになる。この結果、単位プリズム20と溝50との界面に気体(典型的には空気)が入り込むことが促進され、単位プリズム20を溝50からスムースに離型することが可能となる。この結果、単位プリズム20に亀裂が生じることや、成型された単位プリズム20がシート材18上から剥がれてしまうこと等を、効果的に防止することができる。
以上のような本実施の形態による光学シート10は、所定の光学特性を有するとともに安定して且つ容易に製造され得る。また、本実施の形態による型40は、所定の光学特性を有する光学シート10を安定して且つ容易に製造することができるとともに、安定して且つ容易に製造され得る。さらに、本実施の形態による型の製造方法によれば、所定の光学特性を有する光学シート10を安定して且つ容易に製造することができる型40を安定して且つ容易に製造することができる。さらに、本実施の形態による光学シートの製造方法によれば、所定の光学特性を有する光学シート10を安定して且つ容易に製造することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
上述した実施の形態において、光学シート10を製造するための型40の溝50が基材30の外周面32上に一条の螺旋状に形成されていく例を示したが、これに限られない。例えば、複数の溝50が、多条の螺旋状に、言い換えると、多条ねじのねじ溝のように、基材30の外周面32上に形成されていくようにしてもよい。このような変形例においても、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。例えば、基材30をバイト70で切削して型40を作製する際における、切屑の発生を安定させることができる。また、形成された型40を用いて光学シート10を作製する際に、成型材料19中への気泡の巻き込みを効果的に防止することができるとともに、材料19から形成された単位プリズム20を型40から安定してより確実に離型することができる。
また、上述した実施の形態において、上述した光学シート10を製造するための型40を、ねじ切り加工によって作製するようにした例を示したが、これに限られず、図9に示すような突切加工によって作製するようにしてもよい。突切加工によって作製された型40を用いて上述した光学シート10を作製する場合も、ねじ切り加工によって作製された型40を用いて光学シート10を作製する場合と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、突切加工によって作製された型40を用いて上述した光学シート10を作製する際に、成型材料19中への気泡の巻き込みを効果的に防止することができるとともに、材料19から形成された単位プリズム20を型40から安定してより確実に離型することができる。
さらに、上述した実施の形態において、成型用型40が回転しながら成型を行うるロール状の型として構成されている例を示したが、これに限られず、平板状の型として形成されていてもよい。平板状の型を用いて上述した光学シート10を作製する場合も、ロール状の型40を用いて光学シート10を作製する場合と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、平板状の型を用いて上述した光学シート10を作製する際に、成型材料19中への気泡の巻き込みを効果的に防止することができるとともに、材料19から形成された単位プリズム20を型40から安定してより確実に離型することができる。
以下、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
一条ねじ切り加工によって鋼からなる基材の外周面に溝を形成し、成型用型を作製した。得られた型を用い、上述した製造方法によってUV硬化型樹脂を賦形し、複数種類の光学シートのサンプルを作製した。各光学シートのサンプルは、単位プリズムの主切断面における形状が異なるだけで、用いる材料や製造条件等は互いに同一とした。各光学シートのサンプルの作製条件は、従来の光学シートを作製する際の一般的な条件とした。同様に、各光学シートのサンプルを成型して製造するための型は、溝の主切断面における形状が異なるだけで、用いる材料や切削条件等は互いに同一とした。
サンプル41に係る光学シートとして、図12に係る形状を有した光学シートを作製した。サンプル41以外の光学シートとして、図2に示す形状の光学シートを作製した。各サンプルに係る光学シートの形状を表1に示す。表1における各記号は、図2に示された光学シートに関する各符号に対応している。また、各サンプルに係る光学シートの単位レンズの突出高さHは、すべて19μmmとした。
各サンプルについて、切屑の流れ出し、成型材料への気泡の巻き込み、および、離型の安定性について評価した。評価結果を表1に示す。表1の「切屑」の欄には、切屑の流れ出す方向が切削中に大きく変化したことに起因して、得られた型(または光学シート)に切屑との接触傷が形成されていたサンプルについて「×」を付し、それ以外のサンプルに「○」を付した。また、表1の「気泡」の欄には、光学シート中への気泡の巻き込みが確認されたサンプルについて「×」を付し、それ以外のサンプルに「○」を付した。さらに、表1の「離型」の欄には、成型された材料が離型時にシート材から剥がれたり、成型された材料が割れていたりしたサンプルについて「×」を付し、それ以外のサンプルに「○」を付した。
また、各サンプルに係る光学シートを線状光源上に光拡散シートを介して配置し、図3に示す面光源装置を作製した。得られた面光源装置の正面輝度および輝度の左右対称性を目視にて確認した。サンプル41に係る光学シートの正面輝度と同程度の正面輝度を有していたサンプルについて、表1の「正面輝度」の欄に「○」を付した。サンプル41に係る光学シートの正面輝度よりも正面輝度が低いと目視にて判断されたサンプルについて、表1の「正面輝度」の欄に「×」を付した。面光源装置の発光面を観察する角度を変化させた場合に正面方向を中心として輝度分布が対称であると目視にて判断されたサンプルについて、表1の「対称性」の欄に「○」を付した。面光源装置の発光面を観察する角度を変化させた場合に正面方向を中心として輝度分布が対称でないと目視にて判断されたサンプルについて、表1の「対称性」の欄に「×」を付した。
10 光学シート
15 基部
15a 面
18 シート材
19 材料
20 単位プリズム
22 入光側面
21 折れ面
22 平坦面
25 頂部
26 第1基端部
27 屈曲部
28 第2基端部
30 基材
32 外周面
40 型
42 凹凸面
50 溝
51 第1面
52 第2面
55 最深部
56 第1表層部
57 屈曲部
58 第2表層部
15 基部
15a 面
18 シート材
19 材料
20 単位プリズム
22 入光側面
21 折れ面
22 平坦面
25 頂部
26 第1基端部
27 屈曲部
28 第2基端部
30 基材
32 外周面
40 型
42 凹凸面
50 溝
51 第1面
52 第2面
55 最深部
56 第1表層部
57 屈曲部
58 第2表層部
Claims (22)
- シート状の基部と、
前記基部の一方の面上に並べて配列された複数の単位プリズムと、を備え、
前記単位プリズムは、前記基部から延び出て一つの屈曲部を含む折れ面と、前記基部から延び出て前記折れ面に接続された平坦面と、を有し、
前記基部の法線方向と前記単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、前記折れ面と前記基部との接続部からなる第1基端部と、前記平坦面と前記基部との接続部からなる第2基端部と、前記折れ面と前記平坦面との接続部からなる頂部と、によって、前記頂部から前記第1基端部までの距離と前記頂部から前記第2基端部までの距離とが等しい二等辺三角形が画定され、前記屈曲部は当該二等辺三角形の外部に位置している
ことを特徴とする光学シート。 - 前記基部の法線方向と前記単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、前記屈曲部は、前記基部の法線方向に沿って前記頂部と前記第1基端部との間に位置し、前記基部のシート面に沿って前記頂部と前記第1基端部との間に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の光学シート。 - 複数の単位プリズムは、互いに同一な形状を有している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光学シート。 - 前記第1基端部から前記屈曲部までの前記基部の法線方向に沿った高さは、前記第1基端部から前記頂部までの前記基部の法線方向に沿った高さの1/4以上1/2以下である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学シート。 - 前記基部の法線方向と前記単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、前記頂部および前記第1基端部を結ぶ直線と、前記頂部および前記屈曲部を結ぶ直線と、がなす角度は、0°より大きく5°以下である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学シート。 - 前記基部の法線方向と前記単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、前記第1基端部および前記頂部を結ぶ直線と、前記第1基端部および前記屈曲部を結ぶ直線と、がなす角度は、0°より大きく5°以下である
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学シート。 - 前記基部の法線方向と前記単位プリズムの配列方向との両方に沿った断面において、前記頂部および前記第1基端部を結ぶ直線と、前記頂部および前記第2基端部を結ぶ直線と、がなす角度は、80°以上120°以下である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学シート。 - 回転軸線を中心として回転しながら成型を行う型であって、
円筒状または円柱状からなる基材の外周面に溝を形成してなる凹凸面を備え、
前記溝は、一つの屈曲部を含む折れ面状の第1面と、前記折れ面に接続された平坦な第2面と、によって画定され、
前記回転軸線を通過する断面において、前記第1面と前記第2面との接続部からなる最深部と、前記最深部とは反対の側における前記第1面の端部をなす第1表層部と、前記最深部とは反対の側における前記第2面の端部をなす第2表層部と、によって、前記最深部から前記第1表層部までの距離と前記最深部から前記第2表層部までの距離とが等しい二等辺三角形が画定され、前記屈曲部は当該二等辺三角形の外部に位置している
ことを特徴とする型。 - 前記回転軸線を通過する断面において、前記屈曲部は、前記回転軸線と直交する方向に沿って前記最深部と前記第1表層部との間に位置し、前記回転軸線に沿って前記最深部と前記第1表層部との間に位置する
ことを特徴とする請求項8に記載の型。 - 前記溝は、前記基材の外周面上を螺旋状に延びている
ことを特徴とする請求項8または9に記載の型。 - 前記溝は、前記基材の外周面上を一条の螺旋状に延びている
ことを特徴とする請求項8または9に記載の型。 - 前記第1表層部から前記屈曲部までの前記回転軸線に直交する方向に沿った深さは、前記第1表層部から前記最深部までの前記回転軸線に直交する方向に沿った深さの1/4以上1/2以下である
ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の型。 - 前記回転軸線を通過する断面において、前記最深部および前記第1表層部を結ぶ直線と、前記最深部および前記屈曲部を結ぶ直線と、がなす角度は、0°より大きく5°以下である
ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一項に記載の型。 - 前記回転軸線を通過する断面において、前記第1表層部および前記最深部を結ぶ直線と、前記第1表層部および前記屈曲部を結ぶ直線と、がなす角度は、0°より大きく5°以下である
ことを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一項に記載の型。 - 前記回転軸線を通過する断面において、前記最深部および前記第1表層部を結ぶ直線と、前記最深部および前記第2表層部を結ぶ直線と、がなす角度は、80°以上120°以下である
ことを特徴とする請求項8乃至14のいずれか一項に記載の型。 - 請求項8乃至15のいずれか一項に記載された型を製造する方法であって、
円筒状または円柱状からなる前記基材を、その中心軸線を中心として、回転させながら、前記基材にバイトを所定量だけ切り込ませる工程と、
前記中心軸線を中心として前記基材を回転させながら、かつ、前記基材への切り込み量を維持したままで、前記中心軸線に沿った一方の向きに前記バイトを前記基材に対して相対移動させ、前記基材の前記外周面上に螺旋状に延びる前記溝を形成する工程と、を備え、
前記バイトは、屈曲部を含む折れ線状の第1刃部と、前記第1刃部に接続された直線状の第2刃部と、を有し、
前記第1刃部と前記第2刃部との接続部からなる刃先部と、前記第1刃部のうちの前記基材へ切り込む部分内に位置し、当該部分内において前記刃先部とは反対側の端部なす第1端部と、前記第2刃部のうちの前記基材へ切り込む部分内に位置し、当該部分内において前記刃先部とは反対側の端部なす第2端部と、によって、前記刃先部から前記第1端部までの距離と前記刃先部から前記第2端部までの距離とが等しい二等辺三角形が画定され、前記屈曲部は当該二等辺三角形の外部に位置している
ことを特徴とする型の製造方法。 - 前記バイトの前記屈曲部は、前記基材へ切り込む際における前記バイトの移動方向に沿って前記刃先部と前記第1端部との間に位置し、前記基材へ切り込む際における前記バイトの移動方向に直交する方向に沿って前記刃先部と前記第1端部との間に位置する
ことを特徴とする請求項16に記載の型の製造方法。 - 前記中心軸線に沿った一方の向きに前記バイトを前記基材に対して相対移動させる際、前記第1刃部が前記第2刃部よりも進行方向前方に位置する
ことを特徴とする請求項16または17に記載の型の製造方法。 - 請求項8乃至15のいずれか一項に記載された型を用いて光学シートを成型する方法であって、
流動性を有する材料を前記型の前記凹凸面に供給する工程と、
前記凹凸面に供給された材料を前記凹凸面上で硬化させる工程と、
前記硬化された材料を前記型から離型する工程と、を備える
ことを特徴とする光学シートの製造方法。 - 円筒状または円柱状の基材から形成された型を用いて、請求項1乃至6のいずれか一項に記載された光学シートを製造する方法であって、
前記基材の外周面に溝を形成してなる凹凸面を有した型の前記凹凸面に、流動性を有する材料を供給する工程と、
前記凹凸面に供給された材料を前記凹凸面上で硬化させる工程と、
前記硬化された材料を前記型から離型する工程と、を備え、
前記凹凸面の溝は、一つの屈曲部を含む折れ面状の第1面と、前記折れ面に接続された平坦な第2面と、によって画定され、
前記基材の中心軸線を通過する断面において、前記第1面と前記第2面との接続部からなる最深部と、前記最深部とは反対の側における前記第1面の端部をなす第1表層部と、前記最深部とは反対の側における前記第2面の端部をなす第2表層部と、によって、前記最深部から前記第1表層部までの距離と前記最深部から前記第2表層部までの距離とが等しい二等辺三角形が画定され、前記屈曲部は当該二等辺三角形の外部に位置している
ことを特徴とする光学シートの製造方法。 - 前記中心軸線を通過する断面において、前記屈曲部は、前記中心軸線と直交する方向に沿って前記最深部と前記第1表層部との間に位置し、前記中心軸線に沿って前記最深部と前記第1表層部との間に位置する
ことを特徴とする請求項20に記載の光学シートの製造方法。 - 前記凹凸面に材料を供給する工程において、前記凹凸面に対面するようにしてシート材を供給するとともに、前記シート材と前記凹凸面との間に前記流動性を有する材料として放射線硬化型樹脂を供給し、
前記材料を硬化させる工程において、前記シート材を介して前記放射線硬化型樹脂に放射線を照射する
ことを特徴とする請求項19乃至21のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法。
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