JP2009086413A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、粒子含有保護層で発生する残留電位の上昇と画像ボケと云った、相反する特性の改善を両立させ、残留電位の上昇や画像ボケの発生が改善され、クラック等の発生しない耐摩耗特性に優れた保護層を有する電子写真感光体を提供することであり、該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】導電性基体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、該保護層が下記式(1)の関係を満たす樹脂と無機粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【数1】
Figure 2009086413

(式(1)中のε1は樹脂の比誘電率、ε2は無機粒子の比誘電率、[C]は保護層全体における無機粒子の体積分率を表す。)
【選択図】なし

Description

本願発明は複写機やプリンター等に用いられる電子写真感光体、及び、該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
近年、感光体の耐減耗性が求められる中、保護層に粒子を入れることで長寿命化が図られているが、さらに耐減耗性を満足するために保護層のコーティング樹脂に架橋系樹脂を使用する試みがなされている。(特許文献1)
確かに硬化性材料の適用により摩耗、傷への耐久性は向上し膜強度の点では感光体の長寿命が達成されるが、硬化性材料、特にラジカル重合性材料を保護層の構成部材とした場合には高温高湿環境において印字画像が不鮮明となる画像ボケ問題を発生する。画像ボケは主にラジカル重合性材料の残未反応部位量に比例して悪化する傾向があるので、反応率を向上させることが有効であるが、それだけでは電気絶縁膜であり、著しい残留電位上昇を引き起こしてしまう。
そのため、これまで保護層中に有機光導電性輸送物質を添加したり、ラジカル重合性官能基を付与した有機光導電性輸送物質を反応膜中に取り込ませて感光体の電位安定性を保持させる試みがなされているが、反応硬化させる際の熱ないし光照射による有機光導電性輸送物質の劣化が避けられないのが実情であり、電位安定性に欠けていた。
また、導電性金属酸化物粒子を入れて膜の抵抗を調整する試みも開示されているが、導電性金属酸化物であるゆえ抵抗が環境に依存することは避けられず、ライフを通じて耐画像ボケ性や電位安定性を満たすには充分ではなかった。(特許文献2)
特開2001−125299号公報 特開2006−106483号公報
本発明の目的は、保護層での課題を解決することである。即ち、粒子含有保護層で発生する残留電位の上昇と画像ボケと云った、相反する特性の改善を両立させ、残留電位の上昇や画像ボケの発生が改善され、クラック等の発生しない耐摩耗特性に優れた保護層を有する電子写真感光体を提供することであり、該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.導電性基体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、該保護層が下記式(1)の関係を満たす樹脂と無機粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2009086413
(式(1)中のε1は樹脂の比誘電率、ε2は無機粒子の比誘電率、[C]は保護層全体における無機粒子の体積分率を表す。)
2.前記式1が1.00以上、2.50以下であることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
3.前記保護層の樹脂は硬化性の官能基を持つ化合物を反応硬化した樹脂硬化膜を形成していることを特徴とする前記1又は2に記載の電子写真感光体。
4.前記保護層に含有される無機粒子が酸化チタンであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
5.電子写真感光体及び該電子写真感光体を帯電する帯電手段、静電潜像を形成する潜像形成手段、該電子写真上の静電潜像を顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び転写後の該電子写真感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、前記1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と帯電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段、除電手段及びクリーニング手段の少なくとも1つの手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
6.電子写真感光体及び該電子写真を帯電する帯電手段、静電潜像を形成する潜像形成手段、該電子写真感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び転写後の該電子写真感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する画像形成装置において、前記1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
本願発明により、十分な耐摩耗特性を有すると共に、繰り返し使用による残留電位上昇や画像ボケを抑制した電子写真感光体を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本願発明の電子写真感光体は、導電性基体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光体であり、該保護層が前記式1の関係を満たす樹脂と無機粒子を含有することを特徴とする。
前記式1は文献「ランダウ=リスシッツ理論物理学教程の電磁気学1(東京図書)、p61」より導き出されるものであり、誘電率の異なる混合物の誘電率算出に関係する式である。
本発明者等は、前述したように残電上昇や画像ボケに対して、保護層の膜の抵抗値を1010〜1015Ω・cmになるよう導電性金属酸化物粒子を添加して抵抗制御することや、保護層に電荷輸送剤を添加するといった施策を行ってきたが、目的としている課題に対して十分満足する結果を得ることができなかった。
又、この課題に対して、本発明者等は、保護層に光や熱、放電生成物や耐湿性を改善する材料の選択により、例えばフィラーの種類やその表面処理、粒径、添加量、また電荷輸送剤の種類や酸化防止剤の併用を含めた選択により、達成できるのではないかと考えたが、従来知られた手法では、要求される特性を得ることはできなかった。
本発明者等は、更に鋭意検討を重ねた結果、保護層の誘電率をコントロールすることが重要であることを見出し、本発明に至った。つまり、保護層に用いる樹脂の誘電率とフィラーの誘電率及びそのフィラーの保護層全体における体積濃度をコントロールすることが重要であることを見出した。
この理由としては、誘電率の高い無機粒子を保護層中に一定の割合配合することで、保護層全体の誘電率を高め、誘電緩和現象を起こしやすくすることにより、残留電位上昇を抑制でき、電位安定性が向上したと推察している。
また、高い誘電率を有する保護層は抵抗が高いため、保護層の抵抗低下という課題についても十分満足していると考えている。
本発明に係わる保護層は前記式1が0.40以上、2.50以下であるが、1.00以上、2.50以下が好ましい。前記式1が0.40未満では、保護層の誘電率が小さく、誘電緩和現象が十分でないため、残留電位の上昇が起こりやすいと考えられる。一方、2.50より大きいと、保護層中の無機粒子の含有量が多くなりやすく、保護層の膜物性が脆くなって、クラックが発生しやすく、画像流れも発生しやすい。
本発明における保護層に含有させる無機粒子は、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウムなどの粒子が好ましく、より好ましくは高誘電率な酸化チタンやチタン酸バリウムであり、更に好ましくは酸化チタンである。これらは1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には固溶体または融着の形をとってもよい。このような無機粒子の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
又、前記無機粒子の分散性の向上及び平滑性の向上を目的として種々の添加剤を加えることができる。特に分散性の向上に関しては、金属酸化物粒子の表面処理を行うことが非常に有効である。表面処理剤としては、各種の無機物処理やケイ素化合物、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤及びフッ素系グラフトポリマー等による処理があげられる。
一方、本願発明に係わる保護層の樹脂としては、高分子量のポリカーボネート樹脂や光、熱による硬化性樹脂、シリコーン系のハードコート樹脂等を使用して良く、特に光硬化型アクリル系化合物を硬化した樹脂が好ましい。
また、各種の反応性オリゴマーを用いた樹脂も使用することができる。例としてエポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、不飽和ポリエステル樹脂等から形成される樹脂を使用することができる。
また、他の樹脂、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂及び塩ビ−酢ビ共重合体などの樹脂と混合して用いることもできる。
本願発明に係わる保護層の樹脂は硬化性の官能基を持つ化合物を反応硬化した樹脂硬化膜を形成するものが好ましい。ここで、樹脂硬化膜は反応硬化により生成する膜であり、該膜は、三次元架橋した硬化膜がより好ましい。又、この樹脂硬化膜は光重合反応により生成する膜が好ましい。
上記硬化性の官能基を持つ化合物としては、下記のようなラジカル重合反応を生成するアクリル系化合物が例示される。
Figure 2009086413
Figure 2009086413
Figure 2009086413
Figure 2009086413
尚、上記例示化合物のR及びR′は下記の基を示す。
Figure 2009086413
上記例示化合物は、東亞合成(株)や日本化薬(株)、ダイセル・サイテック(株)、新中村化学工業(株)等から入手することができる。
アクリル系化合物を硬化させる際にはラジカル重合開始剤を用いる。開始剤の添加量はアクリル系モノマーの全質量に対し0.1〜20%が好ましく、0.5〜10%がより好ましい。開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。
また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
アクリル系化合物の光重合では、保護層の塗布液(上記アクリル系化合物を含有する塗布液)を感光層上に塗布した後、塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、紫外線を照射して保護層を硬化することが好ましい。
紫外線を照射する装置としては、紫外線硬化樹脂を硬化させるのに用いられている公知の装置を用いることができる。
本発明に用いる保護層において、平滑性の向上を目的として各種の滑剤粒子を加えることができる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。保護層中のフッ素原子含有樹脂粒子の割合は好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%の範囲である。樹脂の分子量や粒子の粒径は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
本発明においては前記保護層中に、耐候性を向上させる目的で酸化防止剤などの添加物を加えてもよい。
保護層の膜厚は好ましくは0.2〜10μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
次に感光層について説明する。本発明に関わる電子写真感光体の感光層の構成は、同一層中に電荷発生物質と電荷輸送物質双方を含有する単層型、あるいは電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを導電性支持体上に積層した積層型のいずれかである。導電層と感光層の中間にはバリアー機能と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。同感光層上に本発明の保護層を設けることで本発明の目的は達成される。これらの中間層、感光層、保護層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などを用いることができる。
以下に積層型の感光体について説明する。
積層型の感光体の感光層の構成としては、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層したものと、逆に電荷輸送層及び電荷発生層の順に積層したものがある。
(導電性支持体)
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
(中間層)
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。下引層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミドが好ましい。
下引層の膜厚は好ましくは0.1〜15μmである。
また、中間層の抵抗調整の目的で各種の導電性微粒子や金属酸化物を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には固溶体または融着の形をとってもよい。このような金属酸化物の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
(電荷発生層)
電荷発生層は、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ原料、ビレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、フタロシアニン顔料などの電荷発生物質を単独もしくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。バインダー樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル及びアクリル樹脂などが望ましい。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対して20〜600質量部が好ましい。このような樹脂分散形態の電荷発生層の膜厚は好ましくは5μm以下、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。
前記顔料を真空蒸着することによって形成すこともできる。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は主として電荷輸送物質と、本発明に用いるバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料とを塗工乾燥して形成する。用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物などが挙げられる。
これらは0.5〜2倍量のバインダー樹脂と組み合わされ、塗工、乾燥し電荷輸送層を形成する。バインダー樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
また、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
電荷輸送層の膜厚は好ましくは5〜40μm、より好ましくは15〜30μmである。
(保護層)
本願発明に係わる保護層については、前述した保護層を用いる。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルター処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜800nmの半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いることが好ましい。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜100μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
なお、トナーの体積平均粒径、即ち、上記50%体積粒径(Dv50)は2〜9μm、より好ましくは3〜7μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニットとも云う)として一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図3は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンター)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(一次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
二次転写ローラ5bで、二次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、二次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに二次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ5bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(二次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、文中の「部」は質量部を表す。
実施例1
(感光体1の作製)
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、十点表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。前記RzはJISB0601−1982に記載の定義(基準長さ、評価長さも含めて)に準ずる。
(中間層)
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター)し、中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 10部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 30部
メタノール 100部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布した。
(電荷発生層)
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくともブラッグ角2θ=27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 2部
ポリビニルブチラール樹脂(BH−S:積水化学工業製) 1部
酢酸t−ブチル 70部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 30部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層)
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 2部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱エンジニアリング社製) 3部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 0.1部
ジクロロメタン 20部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層)
保護層塗布液の調整
アナタース型酸化チタン(平均粒径6nm、アルミナによる5%一次表面処理及びイソブチルトリメトキシシランによる30%二次表面処理がされている)1.5部をテトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2)溶液5部に添加し、USホモジナイザーにて分散した後、ポリカーボネート樹脂「Z300」1.5部を溶解し、保護層塗布液を調整した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に円形スライドホッパー塗布方法で塗布し、120℃60分熱乾燥を行い、乾燥膜厚3.0μmの保護層を形成した。
実施例2
実施例1同様に電荷輸送層まで同様に塗布し、保護層については次のように形成した。チタン酸バリウム(SG−BT30:共立マテリアル社製)0.45部を2−プロパノール5部に添加し、USホモジナイザーにて分散した後、硬化性の官能基を有する化合物「例示化合物No(9)」1.5部を溶解した。これに重合開始剤(Irgacure184:日本チバガイギー社製)を0.075部添加し、保護層塗布液を調整した。この保護層塗布液を円形スライドホッパー塗布方法で塗布し、水銀ランプ照射装置ECS−401GX(アイグラフィックス社製)を用いて、紫外線積算照度計UVPF−A1(PD−365)(アイグラフィックス社製)にて積算光量が25J/cm2相当照射した後、120℃で60分間熱乾燥させて乾燥膜厚3.0μmの保護層を形成した。
実施例3
実施例2のチタン酸バリウムをルチル型酸化チタン(SMT500SAS:テイカ社製)1.8部にした以外は同様に作成した。
実施例4
実施例2の「例示化合物No(9)」を「例示化合物No(16)」に、チタン酸バリウムを実施例1に用いた酸化チタン1.35部とした以外は同様に作成した。
実施例5
四フッ化エチレン樹脂(ルブロンL−2:ダイキン社製、比重2.0g/cm3)0.4部と実施例1に用いた酸化チタン0.84部を2−プロパノール5部に添加し、USホモジナイザーにて分散した後、硬化性の官能基を有する化合物「例示化合物No(16)」1.0部を溶解した。これに重合開始剤(Irgacure184:日本チバガイギー社製)0.05部添加し、保護層塗布液を調整し、実施例2同様塗布、硬化し、乾燥膜厚3.0μmの保護層を形成した。
比較例1
実施例2の「例示化合物No(9)」を「例示化合物No(20)」に、チタン酸バリウムをアルミナ(スミコランダムAA−03、住友化学工業社製)1.5部にした以外は同様に作成した。
比較例2
実施例2の「例示化合物No(9)」を「例示化合物No(7)」に、チタン酸バリウムを0.3部とした以外は同様に作成した。
比較例3
実施例3の「例示化合物No(9)」を「例示化合物No(16)」に、ルチル型酸化チタンを2.7部にした以外は同様に作成した。
[比誘電率の測定]
実施例1〜5、比較例1〜3に用いる無機粒子粉末を1t/cm2の圧力で成型してグリーン成型体とし、1500℃で焼成し、該焼結体の両面に電極を形成して誘電率測定装置(AGILENT社製、商品名「RFインピーダンス/マテリアル アナライザ E4991A」)に供給し、23℃、1MHzにおける比誘電率を測定した。
同様に実施例1〜5、比較例1〜3に用いる樹脂もしくは硬化性の官能基を持つ化合物については、樹脂又は反応硬化した硬化膜の両面に電極を形成して比誘電率を測定した。なお、このときは無機粒子は含まず測定する。反応硬化する際は、水銀ランプ照射装置ECS−401GX(アイグラフィックス社製)を用いて、紫外線積算照度計UVPF−A1(PD−365)(アイグラフィックス社製)にて積算光量が25J/cm2相当照射した。
上記実施例、比較例で得られた感光体の保護層の組成を表1にまとめた。
Figure 2009086413
尚、表1中の無機粒子の体積分率は保護層中の無機粒子の体積部(質量部/比重)、と樹脂の体積部(質量部/比重)から計算して算出した。
無機粒子の体積分率=無機粒子の体積部/(無機粒子の体積部+樹脂の体積部)
但し、樹脂の体積部は硬化性樹脂では、原料の化合物の体積部を用いた。
評価
上記各電子写真感光体を画像形成装置コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhubC250(レーザー露光・反転現像・中間転写体のタンデムカラー複合機)に各々装着し、以下の評価項目で評価した。尚、評価基準を下記に示す。得られた結果を表2に示す。
(実機内電位評価)
23℃、50%RH環境下にて実機内露光後電位Viの初期とフルカラー各色5%印字画像をA4連続30000枚プリントした後の電位を測定した。Viが−200Vより小さければ実用範囲である。
(膜厚減耗量)
23℃、50%RH環境にて感光体ドラムを100000回転相当実写した後の膜厚減耗量を測定した。2.5μm以下なら実用可能である。
膜厚測定法
感光層の膜厚は均一膜厚部分(塗布の先端部及び後端部の膜厚変動部分を膜厚プロフィールを作製して除く)をランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とする。
(画像ボケの評価)
30℃、85%RH環境下にてフルカラー各色5%印字画像をA4連続10000枚プリントした後、マシン本体の電源を切り同環境で12時間放置した。12時間後に再度本体の電源を入れ画像ボケ(画像流れ)を評価した。
◎:画像ボケが全く認められない
○:画像ボケがほとんど認められない
△:画像ボケが一部発生し、使用に耐えないレベルである
×:画像ボケが全面に発生し、全く使用に耐えないレベルである。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2009086413
表2から明らかなように、前記式1の条件を満たす保護層を有する本願発明の電子写真感光体(実施例1〜5)を用いた場合は、繰り返し使用後の電位安定性と画像ボケの改良が同時に達成できているが、前記式1の条件を満たしていない保護層の電子写真感光体(比較例1〜3の感光体を用いた場合)は、画像ボケが発生したり、クラックが発生したり、或いは電位安定性が劣化したりして、改善効果がみられない。
本発明の画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。
符号の説明
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段

Claims (6)

  1. 導電性基体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光体において、該保護層が下記式(1)の関係を満たす樹脂と無機粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2009086413
    (式(1)中のε1は樹脂の比誘電率、ε2は無機粒子の比誘電率、[C]は保護層全体における無機粒子の体積分率を表す。)
  2. 前記式1が1.00以上、2.50以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記保護層の樹脂は硬化性の官能基を持つ化合物を反応硬化した樹脂硬化膜を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記保護層に含有される無機粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 電子写真感光体及び該電子写真感光体を帯電する帯電手段、静電潜像を形成する潜像形成手段、該電子写真上の静電潜像を顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び転写後の該電子写真感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と帯電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段、除電手段及びクリーニング手段の少なくとも1つの手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 電子写真感光体及び該電子写真を帯電する帯電手段、静電潜像を形成する潜像形成手段、該電子写真感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該電子写真感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び転写後の該電子写真感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する画像形成装置において、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
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