JP2009085340A - 回転軸のシール装置及びシールキャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸とハウジングとの間のクリアランスからクーラントなどの異物の侵入を防止することができる、回転軸のシール装置及び、シール装置に用いられるシールキャップを提供する。
【解決手段】収容空間をもつ略円筒形状のハウジングと、収容空間に回転自在に収容されるとともにハウジングのフロントキャップ14の内周面との間に軸方向端面30aに開口する円筒形状のクリアランス30を隔てて配置された主軸スピンドル2と、ハウジング内部に形成されたリング形状をもつ環状路6と、環状路6とクリアランス30の軸方向端面よりも軸方向内側の軸方向内部30bとの間を連通する連通部7とをもつ。連通部7は、環状路6とクリアランス30の軸方向内部30bとの間を周方向に1又は複数の仕切部15dで区画することにより形成され周方向に配列された複数の分割通路5からなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、工作機械の主軸装置などの回転軸とハウジングとの間のクリアランスをエアシールする、回転軸のシール装置及び、シール装置に用いられるシールキャップに関する。
マシニングセンタのスピンドルの先端には、工具ホルダが固定されて、スピンドルの回転により、加工物の切削などの加工処理が行われる。スピンドルは、ハウジングに回転自在に収容されている。スピンドルとハウジングとの間にはクリアランスが形成されている。
そして、クリアランスにクーラントなどの異物が侵入するのを防止するために、ハウジング内に配設した環状通路からクリアランスにエアを吹き付けるエアシールを行っている(特許文献1,2)。クリアランスは、スピンドルの振れ回り、幾何学的誤差形状、組付け誤差、加工負荷等によるスピンドルの変形を考慮して設けられているため、クリアランスには、所定量の開口幅が必要となる。このため、外部とクリアランスとの間のエア圧力差が小さく、シール効果は、主にエア供給路からのエアの流速に頼っている。よって、クリアランスの一部に異物が侵入すると、エアが他の部位(異物の周囲)に流れてしまい、異物侵入前後でエア圧力差は殆ど変わらず、シール効果は上がらない。シール効果を大きくしようとすると、エア流量を多くしなければならず、エア消費量が大きくなってしまう。
特開2000−18395公報 特開2006−125554公報
本発明は係る事情に鑑みて成されたものであり、回転軸とハウジングとの間のクリアランスからクーラントなどの異物の侵入を防止することができる、回転軸のシール装置及び、シール装置に用いられるシールキャップを提供することを課題とする。
本発明の回転軸のシール装置は、収容空間をもつ略円筒形状のハウジングと、前記収容空間に回転自在に収容されるとともに前記ハウジングの内周面との間に軸方向端面に開口する円筒形状のクリアランスを隔てて配置された回転軸と、前記ハウジング内部に形成された環状路と、前記環状路と前記クリアランスの軸方向端面よりも軸方向内側の軸方向内部との間を連通する連通部と、をもち、前記環状路から前記連通部を経て前記クリアランスにエアが導出されることにより前記クリアランスへの前記軸方向端面からの異物の侵入を防止する回転軸のシール装置であって、前記連通部は、前記環状路と前記クリアランスの前記軸方向内部との間を周方向に仕切部で区画することにより形成されて周方向に配列された複数の分割通路からなることを特徴とする(請求項1)。
上記構成によれば、環状路とクリアランスとの間が、仕切部で区画された複数の分割通路により連通している。クーラントなどの異物がクリアランスの軸方向端面から軸方向内側に侵入してきたとき、異物は、分割通路の導出開口端から導出されるエアによって軸方向外側へ排出される。
ここで注目すべきことは、環状路とクリアランスとの間を連通する連通部を、環状路とクリアランスとの間を周方向に仕切部で区画することにより形成された複数の分割通路から構成していることである。このため、複数の分割通路の導出開口端の開口面積の総和は、仕切部のない場合に比べて、仕切部の占有面積分だけ小さくなる。よって、分割通路のエアの圧力低下を抑えることができ、分割通路とクリアランスとのエア圧力差を大きくすることができる。このため、優れたシール効果を発揮することができる。
更に、連通部を仕切部で区画して形成された各分割通路の導出開口端は、連通部を仕切部で区画していない場合の連通部の導出開口端に比べて小さい。このため、クリアランスの内部に侵入してきた異物は、クリアランスにおける分割通路の導出開口端付近を局部的に塞ぐことになる。導出開口端を流通するエアは、仕切部により堰き止められ、他の部位(異物の周囲)に逃げることができず、導出開口端と異物との間の微少間隙に集中する。それゆえ、異物で塞がれた分割通路の導出開口端付近のエア圧力が局部的に高くなる。
一方、連通部が仕切部で区画されていない場合には、リング状に導出開口端が開口していることになる。このため、侵入してきた異物は導出開口端の一部を塞ぐにすぎず、エアが導出開口端の他の部分に逃げてしまい、エア圧力は異物侵入前と比べてさほど変化しない。
したがって、連通部を仕切部で複数に区画して分割通路を形成することにより、異物を排出するエア圧力を、仕切部で区画されていない場合に比べて格段に高くすることができる。よって、本発明によれば、優れたエアシール効果を発揮することができる。
また、分割通路は、ハウジングの内部に周方向に複数配列している。このため、分割通路を軸方向に複数配列させた場合に比べて、ハウジングに分割通路を形成するために必要な軸方向の所要スペースを薄くすることができ、省スペース化を図ることができる。
前記分割通路の前記クリアランス側へ開口する導出開口端での流体抵抗は、前記環状路の内周側での流体抵抗よりも大きいことが好ましい(請求項2)。環状路の内周側には、環状路の径内側に周方向に連続して開口するエア導出開口端であり、仕切部と分割通路に対向している内周面をもつ。したがって、環状路の内周面は、仕切部の外周面と、分割通路の導入開口端とから構成されていることになる。分割通路の導出開口端は、分割通路におけるクリアランス側に開口している開口端部である。分割通路の導出開口端の開口面積は、仕切部が配設されている仕切部占有部分だけ、環状路の内周面の面積よりも小さい。したがって、分割通路の導出開口端の流体抵抗は、環状路の内周側の流体抵抗よりも高くなり、クリアランス側へのエア流通量が抑えられ、環状路とクリアランスとのエア圧力差を大きくすることができる。
前記複数の分割通路の前記導出開口端の開口面積の総和は、前記環状路の内周面の面積よりも小さいことが好ましい(請求項3)。これにより、分割通路のエア流量が環状路のエア流量よりも少なくなる。ゆえに、分割通路でエア流量が制限されて、環状路とクリアランスとのエア圧力差を大きくすることができる。
前記分割通路の前記環状路側へ開口する導入開口端の軸方向幅が、前記環状路の前記内周面の軸方向幅よりも小さいことが好ましい(請求項4)。軸方向とは、ハウジングの軸方向を意味する。これにより、分割通路の導入開口端の開口面積の総和が、環状路の内周面の面積よりも小さくなる。したがって、環状路から分割通路へのエア流出量を制限することができ、環状路とクリアランスとのエア圧力差を大きくすることができる。
前記分割通路の前記導出開口端の軸方向幅は、前記分割通路の前記環状路側へ開口する導入開口端の軸方向幅よりも小さいことが好ましい(請求項5)。これにより、分割通路の導出開口端の開口面積が、分割通路の導入開口端の開口面積よりも小さくなる。ゆえに、分割通路の導出開口端の開口面積の総和が、導入開口端が開口する環状路の内周面の面積よりも小さくなり、環状路とクリアランスとのエア圧力差を大きくすることができる。
前記分割通路は、前記分割通路の前記環状路側へ開口する導入開口端側から前記分割通路の前記クリアランス側へ開口する導出開口端側に向う方向が、前記軸方向端面側に向って傾斜していることが好ましい(請求項6)。これにより、エアがクリアランスの軸方向端面側に向かって導出されやすくなり、クーラントを確実に軸方向端面側へ排出することができる。
前記クリアランスにおける前記分割通路の導出開口端よりも軸方向内側の開口面積は、前記クリアランスの前記導出開口端よりも軸方向外側の開口面積よりも小さいことが好ましい(請求項7)。これにより、分割通路から導出されたエアが、クリアランスの軸方向内側よりも軸方向外側へ向かって多く流出される。ゆえに、クリアランスへの異物の侵入を効果的に抑制することができる。
前記分割通路の前記導出開口端の周方向幅は、前記仕切部の前記クリアランスに対向している内周面の周方向幅よりも大きいことが好ましい(請求項8)。周方向とは、ハウジングの周方向を意味する。導出開口端は、分割通路からクリアランスにエアが導出されるエア導出部であるが、仕切部の内周面はエアが導出しないエア非導出部である。導出開口端の周方向幅を、仕切部の内周面の周方向幅よりも大きくすることにより、クリアランスへのエア導出部の周方向幅を、エア非導出部の周方向幅よりも大きくすることができる。したがって、エア非導出部を通過して軸方向内側に異物が侵入することを効果的に抑制することができる。
前記ハウジングには、前記回転軸との間で前記クリアランスを形成するリング状のシールキャップが着脱可能に固定されており、前記シールキャップの表面は、前記ハウジングとの間で前記環状路を構成する環状路形成部と、前記回転軸との間で前記クリアランスを構成するクリアランス形成部と、前記ハウジングとの間で前記分割通路を構成する分割通路形成部とをもつことが好ましい(請求項9)。このシールキャップをハウジングに固定すると、上記の優れた効果をもつ回転軸のシール装置を得ることができる。シールキャップは、ハウジングから着脱可能に固定されているため、クリアランスや分割通路などにクーラント等の異物が付着したときに、取り外して異物を除去することができる。異物が付着する可能性があるクリアランス形成部、分割通路形成部及び環状路は、シールキャップの表面に形成されている。このため、ハウジングから取り外すと、シールキャップの表面が露出して、付着した異物を容易に除去することができる。また、異物を除去した後には、再度ハウジングに取り付けることができる。したがって、メンテナンス性に優れている。なお、シールキャップをハウジングに装着するにあたっては、公知の技術を適用できる。例えば、ハウジングにシールキャップを嵌着し、ボルトで締結し、取り外すときにはボルトを緩めてハウジングからシールキャップを離脱する。
本発明のシールキャップは、収容空間をもつハウジングと、前記収容空間に回転自在に収容された回転軸との間に円筒形状のクリアランスを形成するとともに前記ハウジングに着脱可能に固定されるシールキャップであって、前記シールキャップの表面は、リング形状の環状路を前記ハウジングとの間で構成する環状路形成部と、前記回転軸との間で前記クリアランスを構成するクリアランス形成部と、前記環状路と前記クリアランスとの間を連通し周方向に1又は複数の仕切部で区画されることにより形成され周方向に配列された複数の分割通路を構成する分割通路形成部と、をもつことを特徴とする(請求項10)。
シールキャップをハウジングに固定することにより、上記の優れた効果をもつ回転軸のシール装置を得ることができる。シールキャップは、ハウジングから着脱可能に固定されるため、クリアランスや分割通路などにクーラント等の異物が付着したときに、取り外して異物を除去することができる。したがって、メンテナンス性に優れている。
本発明によれば、環状路とクリアランスとの間の連通部を仕切部によって周方向に区切ったことによりシール効果が向上し、回転軸とハウジングとの間のクリアランスからクーラントなどの異物の侵入を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の回転軸のシール装置の軸方向断面図である。図2は、回転軸の軸方向端面付近の拡大断面図である。図3は、図1のA−A矢視断面図である。図1、図2に示すように、回転軸のシール装置は、マシニングセンタの主軸のシール装置であり、収容空間3をもつ略円筒形状のハウジング1と、収容空間3に回転自在に収容された回転軸としての主軸スピンドル2とをもつ。主軸スピンドル2は、ハウジング1の内周面との間に、軸方向端面30aに開口する円筒形状のクリアランス30を隔てて配置されている。ハウジング1の内部には、リング形状をもつ環状路6と、環状路6とクリアランス30の軸方向端面30aよりも軸方向内側の軸方向内部30bとの間を連通する連通部7とをもつ。図2,図3に示すように、連通部7は、環状路6とクリアランス30の軸方向内部30bとの間を周方向に複数の仕切部15dで区画することにより形成されて周方向に配列された複数の分割通路5からなる。環状路6から連通部7を経てクリアランス30にエアが導出されることによりクリアランス30への軸方向端面30aからの異物の侵入を防止している。以下、本実施形態の回転軸のシール装置について更に詳細に説明する。
図1に示すように、ハウジング1は、内部に断面円形の収容空間3をもつ略円筒形状であり、主軸ハウジング11と、主軸ハウジング11の径内側に嵌挿された軸受ハウジング12と、フロントキャップ14と、シールキャップ15とをもつ。主軸ハウジング11は、軸受ハウジング12及びモータを固定するための略円筒形状の部材である。軸受ハウジング12は、軸受13を介して主軸スピンドル2を回転自在に支持する略円筒形状の部材である。軸受ハウジング12の径内側には複数の軸受13が所定間隔を隔てて保持されている。軸受13の径内側には、回転軸としての主軸スピンドル2が配置されて、軸受13によって回転自在に支持されている。
主軸スピンドル2は、モータの回転を工具ホルダ23を介して刃具などの工具に伝達するための円筒形状の部材である。主軸スピンドル2は軸受13よりも軸方向内側で主軸スピンドル2の外周に嵌着されたビルトインモータ(図示略)により回転駆動されるようになっている。主軸スピンドル2の内部には、図略のドローバー、皿ばねなどから構成される公知のクランプ機構21が保持されており、主軸スピンドル2の軸方向外側の先端のテーパ孔に装着される工具ホルダ23をクランプするようになっている。クランプ機構21はプッシュロッド22に収容されている。更に、主軸スピンドル2の後方端部には、図示しないロータスリーブを介してモータのロータが固定されている。工具ホルダ23の先端には、図略の刃具などの工具が保持されて、この工具により工作物の加工が行われる。
図1,図2に示すように、主軸ハウジング11及び軸受ハウジング12の軸方向外側の端部には、フロントキャップ14が取り付けられている。フロントキャップ14の内周面と主軸スピンドル2の外周面との間には、軸受13よりも軸方向外側にリング状のシールキャップ15が着脱可能に固定されている。シールキャップ15の表面は、内周面15aと、外周面に形成したリング溝15bと、軸方向外側端面15gをもち径外側に突出するフランジ部15fと、軸方向内側端面15cとをもつ。図3に示すように、軸方向内側端面15cは、凸状の仕切部15dと凹状のスリット溝15eとを周方向に交互に等間隔に配列させている。
図2に示すように、シールキャップ15のリング溝15bとフロントキャップ14との間には、環状路6が形成されている。環状路6は、クリアランス30よりも径の大きい環状通路である。また、環状路6は、クリアランス30と同心であるが、機能を損なわない範囲で偏心していてもよい。環状路6の外周面6bには、フロントキャップ14の内部に形成されたエア通路61の一端61aが開口している。エア通路61の他端は、図示しないエア供給源と接続されている。
図2,図3に示すように、シールキャップ15の軸方向内側端面15cとフロントキャップ14との間には、環状路6とクリアランス30との間を連通する連通部7が形成されている。軸方向内側端面15cに形成されている仕切部15dは、フロントキャップ14の軸方向端部14aと隙間なく当接している。軸方向内側端面15cに形成されているスリット溝15eとフロントキャップ14の軸方向端部14aとの間には、隣設する仕切部15dの突出量分の高さをもつ空間からなる分割通路5が形成されている。このようにして、連通部7は、シールキャップ15の仕切部15dで周方向に区画して形成された複数の分割通路5をもつ。図8に示すように、分割通路5の導入開口端5aは、環状路6の内周面6aに開口しており、導出開口端5bはクリアランス30の軸方向内部30bに開口している。分割通路5は、周方向に等間隔に同一形状で配列している。分割通路5は、導入開口端5aから導出開口端5bに向かう方向が、軸方向端面30a側に向かって傾斜している。
シールキャップ15の内周面15aと主軸スピンドル2との間には円筒形状のクリアランス30が形成されている。クリアランス30は、主軸スピンドル2の軸方向端面30aに開口している。
シールキャップ15の径外側に突出するフランジ部15fは、フロントキャップ14の内周面に形成された嵌合部14bに着脱可能に嵌着されて、図示しないボルトなどの締結手段によりフロントキャップ14に対して固定されている。フランジ部15fの軸方向外側端面15gは、フロントキャップ14の軸方向端面14gと同一面を構成している。
図3に示すように、環状路6の内周面6aは、仕切部15dの外周面15mと、分割通路5の導入開口端5aとから構成されている。内周面6aには、内周面6aの面積よりも小さい分割通路5の導入側開口端5aが開口している。分割通路5の導出開口端5bは、クリアランス30の軸方向内側の軸方向内部30bに開口している。そして、環状路6の内周面6aは、周方向に連続しているが、分割通路5は、周方向に所定の幅をもつ仕切部15dにより仕切られている。このため、分割通路5の導出開口端5bの周方向幅H2の総和は、環状路6の内周面6aの内周長さよりも小さくなる。また、分割通路5の導出開口端5bの周方向幅H2は、仕切部15dのクリアランス30に対向している内周面15kの周方向幅H1よりも大きい。また、図4に示すように、分割通路5の導入開口端5aは、環状路6の内周面6aの軸方向内側に段状に開口しているため、分割通路5の導入開口端5aの軸方向幅H4は、環状路6の内周面6aの軸方向幅H5よりも小さい。また、各分割通路5の導入開口端5a及び導出開口端5bは、同一開口面積である。このため、分割通路5の導出開口端5bの軸方向幅H6は、導入開口端5aの軸方向幅H4と同じであり、環状路6の内周面6aの軸方向幅H5よりも小さい。従って、複数の分割通路5の導出開口端5aの開口面積の総和は、環状路6の内周面6aの面積よりも小さくなる。
本実施形態の回転軸のシール装置の作用を説明する。エア供給源からエア通路61を通じて環状路6に高圧のエアが供給される。すると、エアは、分割通路5を経てクリアランス30に導出される。このエア圧力によりクリアランス30の軸方向外側からクーラントなどの異物の侵入を防止している。
ここで注目すべきことは、分割通路5の導出開口端5bは、環状路6とクリアランス30との間を仕切部15dで周方向に区画することにより形成されていることである。このため、複数の分割通路5の導出開口端5bの開口面積の総和は、仕切部15dのない場合に比べて、仕切部15dの占有面積分だけ小さくなる。よって、分割通路5の導出開口端5bの流体抵抗は、環状路6の内周側の流体抵抗よりも高くなる。ゆえに、分割通路5のエアの圧力低下を抑えることができ、分割通路5とクリアランス30とのエア圧力差を大きくすることができる。このため、エアシール性が高くなる。
更に、図5に示すように、仕切部15dで連通部7を区画することにより形成された各分割通路5の導出開口端5bは、仕切部15dで区画されていない場合の連通部7の導出開口端7bに比べて狭くなっている(図6)。このため、クリアランス30の内部に侵入してきた異物8は、クリアランス30における分割通路5の導出開口端5b付近を局部的に塞ぐことになる。導出開口端5bに流通するエア9は、仕切部15dにより堰き止められ、異物8の周囲の他の部位に逃げることができず、導出開口端5bと異物8との間の微少間隙に集中する。それゆえ、異物8で塞がれた分割通路5の導出開口端5b付近(B部位)のエア圧力が局部的に高くなる。このため、図7、図4に示すように、導出開口端5b付近(B部位)のエア圧力は、クリアランス30の軸方向端面30a付近(A部位)のエア圧力に比べて格段に高くなり、環状路6の内周面6a付近(C部位)の高圧のエア圧力に近づく。
一方、図6に示すように、連通部7が仕切部15dで区画されていない場合には、リング状に導出開口端7bが開口することになり、異物8が侵入してきても導出開口端7bの一部を塞ぐにすぎず、エア9が導出開口端7bの他の部分に逃げてしまう。このため、異物8が侵入してきたときの導出開口端7b付近(B部位)でのエア圧力は、異物侵入前と比べてさほど変化せず、クリアランス30の軸方向端面30a付近(A部位)と同程度となる。
したがって、本実施形態のように、環状路6とクリアランス30との間の連通部7を仕切部15dで区画して複数の分割通路5を形成することにより、異物8を排出するエア圧力を、仕切部15dで区画されていない場合に比べて格段に高くすることができる。よって、優れたエアシール効果を発揮することができる。
また、分割通路5は、ハウジング1の内部に周方向に複数配列している。このため、分割通路5を軸方向に複数配列させた場合に比べて、ハウジング1に分割通路5を形成するために必要な軸方向の所要スペースを薄くすることができ、省スペース化を図ることができる。
また、シールキャップ15は、ハウジング1のフロントキャップ15から着脱可能に固定されているため、クリアランス30、分割通路5又は環状路6などにクーラント等の異物が付着したときに、取り外して異物を除去することができる。したがって、メンテナンス性に優れている。
図8は、本発明の第2の実施形態である回転軸のシール装置の要部の軸方向断面図である。図8に示すように、分割通路5の導入開口端5aは、分割通路5の導出開口端5bよりも大きく、分割通路5の開口径が導出開口端5bに向かって漸次狭くなっている。この場合には、導出開口端5bの軸方向幅H6が、導入開口端5bの軸方向幅H4よりも小さくなる。したがって、分割通路5とクリアランス30とのエア圧力差を大きくすることができる。
図9は、本発明の第3の実施形態である回転軸のシール装置の要部の軸方向断面図である。図9に示すように、分割通路5が、径方向に沿って延び、クリアランス30に対して垂直方向に開口している。分割通路5の導出開口端5bよりも軸方向内側のクリアランス30の径方向幅H7が、軸方向外側のクリアランス30の径方向幅H8よりも小さい。導出開口端5bからクリアランス30に導出されたエアの多くは、径方向幅の大きい軸方向外側に流れ出て、径方向幅の狭い軸方向内部にはほとんど流れ込まない。したがって、クリアランス30に侵入してきた異物を効果的に軸方向端面側へ排出することができる。
図10は、本発明の第4の実施形態である回転軸のシール装置の要部の軸方向断面図である。図10に示すように、分割通路5の導入開口端5aの軸方向幅H4が、環状路6の内周面6aの軸方向幅H5と同じである。分割通路5は、導入開口端5aから導出開口端5bに向けて漸次開口径を小さくしており、導出開口端5bの軸方向幅H6は導入開口端5aの軸方向幅H4よりも小さい。この場合には、分割通路5内で流体抵抗が漸次増加する。このため、分割通路5とクリアランス30とのエア圧力差を大きくすることができる。
なお、前記実施形態においては、本発明の回転軸のシール装置を、マシニングセンタの主軸のシール装置に適用した例を挙げているが、これに限定されるものではなく、研削盤の砥石軸やワークが固定されるワーク軸のシール装置に適用してもよい。同様の構成であれば、工作機械に限らず他の用途にも適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
第1の実施形態の回転軸のシール装置の軸方向断面図である。 第1の実施形態の回転軸の軸方向端面付近の拡大断面図である。 図1のA−A矢視線で切断したハウジングの断面図である。 第1の実施形態の回転軸のシール装置の要部を示す軸方向断面説明図である。 第1の実施形態の連通部のエアの流れを示すための回転軸のシール装置の径方向断面図である。 比較のための連通部のエアの流れを示すための回転軸のシール装置の径方向断面図である。 クリアランスの軸方向端面付近(A部位)、分割通路の内周面端付近(B部位)、及び環状路の内周面付近(C部位)でのエア圧力を示す説明図である。 第2の実施形態の回転軸のシール装置の要部を示す軸方向断面説明図である。 第3の実施形態の回転軸のシール装置の要部を示す軸方向断面説明図である。 第4の実施形態の回転軸のシール装置の要部を示す軸方向断面説明図である。
符号の説明
1:ハウジング、2:主軸スピンドル、3:収容空間、5:分割通路、5a:導入開口端、5b:導出開口端、6:環状路、6a:内周面、7:連通部、8:異物、9:エア、11:主軸ハウジング、12:軸受ハウジング、13:軸受、14:フロントキャップ、15:シールキャップ、15a:内周面(ハウジング形成部)、15b:リング溝(環状路形成部)、15c:軸方向内側端面(連通部形成部)、15d:仕切部、15e:スリット溝(分割通路形成部)、30:クリアランス、30a:軸方向端面、30b:軸方向内部、61:エア通路。

Claims (10)

  1. 収容空間をもつ筒形状のハウジングと、
    前記収容空間に回転自在に収容されるとともに前記ハウジングの内周面との間に軸方向端面に開口する円筒形状のクリアランスを隔てて配置された回転軸と、
    前記ハウジング内部に形成されたリング形状をもつ環状路と、
    前記環状路と前記クリアランスの軸方向端面よりも軸方向内側の軸方向内部との間を連通する連通部と、をもち、
    前記環状路から前記連通部を経て前記クリアランスにエアが導出されることにより前記クリアランスへの前記軸方向端面からの異物の侵入を防止する回転軸のシール装置であって、
    前記連通部は、前記環状路と前記クリアランスの前記軸方向内部との間を周方向に仕切部で区画することにより形成されて周方向に配列された複数の分割通路からなることを特徴とする回転軸のシール装置。
  2. 前記分割通路の前記クリアランス側へ開口する導出開口端での流体抵抗は、前記環状路の内周側での流体抵抗よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の回転軸のシール装置。
  3. 前記複数の分割通路の前記導出開口端の開口面積の総和は、前記環状路の内周面の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転軸のシール装置。
  4. 前記分割通路の前記環状路側へ開口する導入開口端の軸方向幅が、前記環状路の内周面の軸方向幅よりも小さいことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の回転軸のシール装置。
  5. 前記分割通路の前記導出開口端の軸方向幅は、前記分割通路の前記環状路側へ開口する導入開口端の軸方向幅よりも小さいことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の回転軸のシール装置。
  6. 前記分割通路は、前記分割通路の前記環状路側へ開口する導入開口端側から前記分割通路の前記クリアランス側へ開口する導出開口端側に向う方向が、前記軸方向端面側に向って傾斜していることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の回転軸のシール装置。
  7. 前記クリアランスにおける前記分割通路の導出開口端よりも軸方向内側の開口面積は、前記クリアランスにおける前記導出開口端よりも軸方向外側の開口面積よりも小さいことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の回転軸のシール装置。
  8. 前記分割通路の導出開口端の周方向幅は、前記仕切部の前記クリアランスに対向している内周面の周方向幅よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の回転軸指示装置のシール構造。
  9. 前記ハウジングには、前記回転軸との間で前記クリアランスを形成するリング状のシールキャップが着脱可能に固定されており、
    前記シールキャップの表面は、前記ハウジングとの間で前記環状路を構成する環状路形成部と、前記回転軸との間で前記クリアランスを構成するクリアランス形成部と、前記ハウジングとの間で前記分割通路を構成する分割通路形成部とをもつことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の回転軸のシール装置。
  10. 収容空間をもつハウジングと、前記収容空間に回転自在に収容された回転軸との間に円筒形状のクリアランスを形成するとともに前記ハウジングに着脱可能に固定されるシールキャップであって、
    前記シールキャップの表面は、リング形状の環状路を前記ハウジングとの間で構成する環状路形成部と、前記回転軸との間で前記クリアランスを構成するクリアランス形成部と、前記環状路と前記クリアランスとの間を連通し周方向に仕切部で区画されることにより形成され周方向に配列された複数の分割通路を構成する分割通路形成部と、をもつことを特徴とするシールキャップ。
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