JP2009085041A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
点火プラグに向けて太く長い燃料噴霧を形成することで、点火プラグによる着火可能領域を広げ、圧縮行程噴射時に高い着火安定性を持つ燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】
インジェクタが備える複数の噴孔のうち少なくとも一つを燃料の流れ方向である噴孔入口から噴孔出口にかけて噴孔断面半径が滑らかに減少させ、かつ噴孔出口近傍で噴孔断面半径がほとんど変化しない噴孔(縮流孔6)を有するインジェクタを用いて筒内燃料噴射エンジンを構成する。さらに、ここで設けた縮流孔6を火花点火装置に向けて筒内噴射エンジンに取り付ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、筒内噴射用の燃料噴射装置(以下、インジェクタという)に関する。
筒内燃料噴射エンジンにおいて、エンジン始動時や低負荷運転時に、シリンダ内に吸入した空気をピストンにより圧縮する行程(以下、圧縮行程という)に燃料を噴射し、点火プラグの周りに燃料を集めて燃焼する制御手法がある。この圧縮行程の燃料噴射は、燃料消費量低減のため、低負荷運転時に燃料を点火プラグの周りに集め、シリンダ内に燃料濃度が濃い場所と薄い場所を作ることを目的としている。圧縮行程の燃料噴射では、点火プラグの周りに燃料を噴射し、気化した燃料と空気が混合した混合気を、点火プラグ周りに形成させる。点火プラグ周りに形成された燃料と空気の混合気は、点火プラグによって着火され燃焼にいたる。ここで、点火プラグ周りに形成された混合気を確実に燃焼させるには、噴射された燃料から気化した燃料ガスを点火プラグによって着火可能な領域に分布させる必要がある。また、圧縮行程の燃料噴射から点火プラグによる着火までの時間は短い。このため、燃料がインジェクタから噴射され、点火プラグにて着火するまでに十分に気化しない場合がある。燃料が十分に気化されないと、未燃燃料として、エンジンから排出され、有害排出ガスとなる。従って、短い時間にて気化させる必要があり、このためには、噴射される燃料を微粒化させて燃料気化を促進させる必要がある。
インジェクタから噴射される燃料の微粒化には、インジェクタに設ける噴孔の径(噴孔径)を小さくすること(小噴孔径化)が有効である。しかし、噴孔径を小さくすると、燃料が噴孔を通過する際の圧力損失が大きくなり、燃料流量が減少するという問題が生じる。これを解決するために特開2001−182641号公報に記載されている技術がある。これは、インジェクタ噴孔の断面積を入口から出口にかけて順次減少させることで、噴孔における燃料の圧力損失を低減し、燃料流量を確保し,高速の燃料噴射を実現する技術である。
特開2001−182641号公報
上記従来技術では、図12に示すように噴孔出口断面において、燃料の噴射方向30が噴孔29の中心軸方向に集まるように向いている。従って、上記従来技術では、図13に示すように、噴霧が広がる範囲31が小さくなるため、点火プラグ周りでの噴霧が小さくなるという課題があった。つまり、従来手法では、小噴孔径化により点火プラグ周りへの燃料噴霧を微粒化することは可能であるが、微粒化された燃料の分布する領域が小さく、着火可能領域が狭くなり、点火プラグによる着火安定性が低下するという問題があった。
本発明は、小噴孔径化による微粒化性能を確保しながら、点火プラグに向けて噴射する燃料噴霧が形成される範囲を大きくし、圧縮噴射時の着火安定性を高くすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、内燃機関の筒内へ直接燃料を噴射する複数の噴孔を有するインジェクタにおいて、少なくとも1つの噴孔を、噴孔入口から噴孔出口にかけて噴孔断面半径が噴孔軸方向に滑らかに減少し、噴孔出口近傍で噴孔断面半径がほとんど変化しない噴孔(以下、縮流孔という)を有するインジェクタとしたものである。これにより、縮流孔の出口断面において、燃料の速度の向きを噴孔軸方向と一致させ、かつ、速度の大きさをほぼ一定にすることができるので、噴霧が広がる範囲を広くすることができる。この結果、着火安定な領域を長く広く作ることが可能になる。
本発明によれば、縮流孔を通過した燃料は、噴孔出口断面において燃料の速度方向を噴孔軸方向に平行にすることができ、さらに噴孔出口断面において速度の大きさをほぼ一定にすることができる。このため、縮流孔から太い燃料噴霧を噴射することができる。
以下、本発明に係る実施例を説明する。
図1,図2,図3は、本発明の第1の実施例を示したものである。図1はインジェクタの構成図、図2はインジェクタの噴孔が設けられている面を見た図であり、ノズルボディ先端における縮流孔6と噴孔入口から噴孔出口にかけて噴孔断面積の変化がほとんど無い噴孔7(以下、直孔)の配置を示した図である。図3は縮流孔6の形状を図示し、かつ形状を設定するための座標を定義する図である。
図1にてインジェクタの構成を説明する。インジェクタは、バルブニードル1,ガイド2,ばね3,コイル4,ノズルボディ5を備えている。ノズルボディ5の先端には、複数の噴孔が設けられており、これらは縮流孔6と直孔7の組み合わせである。
通常時閉型の電磁式燃料噴射ノズルであるインジェクタは、コイル4に通電されていない状態においては、バルブニードル1と弁座部8が密着している。燃料は図示しない燃料ポンプによって圧力を付与された状態で燃料通路10やガイド2に設けられた溝に満たされている。コイル4に通電されると、バルブニードル1が変位し弁座部8から離れる。バルブニードル1が弁座部8から離れると、燃料はバルブニードル1と弁座8の間を通過し燃料の流路9に至り、縮流孔6や直孔7を通りインジェクタ外部へと噴射される。
図2はインジェクタのノズルボディ5先端に設けられた複数の噴孔の構成を示した図である。本実施例は、噴孔は6つあり、1つが縮流孔6、残りの5つは直孔7で構成される。縮流孔6は、点火プラグに向けて燃料を噴射するための噴孔である。また、直孔7はその他の設計で設定された方向へ燃料を噴射するように穴の向きが設定されている。縮流孔6や直孔7は要求される流量を噴射できるように噴孔径が設定されている。
図3は縮流孔6の断面形状を拡大した図である。縮流孔6の形状の設定方法を図3に基づいて説明する。最初に、本実施例で定義した座標を説明する。燃料側のノズルボディ壁面を表す線11と縮流孔の断面形状を示す線13の交点をA、燃料側のノズルボディ壁面を表す線11と縮流孔の断面形状を示す線14の交点をB、燃焼室側のノズルボディ壁面を表す線12と噴孔の断面形状を示す線13との交点をC、燃焼室側のノズルボディ壁面を表す線12と噴孔の断面形状を示す線14との交点をDとする。図に示すBから中心軸線に下ろした垂線と中心軸線の交点をO,Aから中心軸線に下ろした垂線と中心軸線の交点をO′とする。Cから中心軸線に下ろした垂線と中心軸線の交点をE,Dから中心軸線に下ろした垂線と中心軸線の交点をE′とする。Bから中心軸線に下ろした垂線と噴孔壁面13の交点をA′とする。Cから中心軸線に下ろした垂線と噴孔壁面14との交点をD′とする。点Oを原点とし、噴孔の中心軸線の方向を噴孔入口から噴孔出口に向かう方向を正の方向とするx軸を定義する。
続いて、縮流孔6の断面形状について説明する。縮流孔6の断面半径rは、O′Aの長さをR、ED′の長さをR0、OEの長さをL、OO′の長さをL0、EE′の長さをLEとするとき、x軸を用いて以下の式を満足するように設定される。
r=0.5×(R+R0)+0.5×(R−R0)×cos{π×(x/L)m} (0<x<L)
r=R0 (L≦x≦L+LE)
r=R (−L0≦x≦0)
ここで、m≧1,R>R0を満たす実数、πは円周率である。
また、以下の式を満足するように設定される場合もある。
r=R0+(R−R0)×[{cos(π/2/L×x)}n] (0<x<L)
r=R0 (L≦x≦L+LE)
r=R (−L0≦x≦0)
ここで、1<n≦2,R>R0を満たす実数、πは円周率である。
以上の方法で断面半径を設定することで、縮流孔出口で断面半径変化率をほぼ0とすることができる。ここで、出口で噴孔断面半径変化率がほぼ0となるとは、図3において定義したEにおいて半径の変化率dr/dxがほぼ0となることである。
本実施例によれば、縮流孔6を通過した燃料は縮流孔6の出口断面における燃料の噴射速度の方向と大きさを揃えることができ、また、直孔7を通過するのに比べて縮流孔6を通過する際の圧力損失は小さいので、太く長い噴霧を縮流孔6から噴射することが可能である。
縮流孔6の形状に関する第2の実施例を図4に示す。図4は、縮流孔6の噴孔形状を示した図である。本実施例では、縮流孔6が噴孔入口から噴孔出口近傍までテーパー状に形成されており、噴孔入口から噴孔出口近傍にかけて断面の半径が小さくなる。また、噴孔出口近傍から噴孔出口まで、噴孔径がほぼ一定で変化しないように形成されている。図4を用いて、本実施例が満たす条件を説明する。最初に、本実施例で定義した座標を説明する。燃料側のノズルボディ壁面を表す線25と縮流孔の断面形状を示す線27の交点をA2,燃料側のノズルボディ壁面を表す線25と縮流孔の断面形状を示す線28の交点をB2,燃焼室側のノズルボディ壁面を表す線26と噴孔の断面形状を示す線27との交点をC2、燃焼室側のノズルボディ壁面を表す線26と噴孔の断面形状を示す線28との交点をD2とする。B2から中心軸線に下ろした垂線と中心軸線の交点をO2,A2から中心軸線に下ろした垂線と中心軸線の交点をO2′とする。D2から中心軸線に下ろした垂線と中心軸線の交点をE2′とする。B2から中心軸線に下ろした垂線と噴孔壁面27の交点をA2′とする。断面形状がテーパー形状で形成される領域から断面形状がほとんど変化しない領域に切り替わる点は、噴孔の断面形状を表す線27上の点をG、噴孔の断面形状を表す線28上の点をHとする。中心軸と線分GHの交点をE2とする。
点O2を原点とし、噴孔の中心軸線の方向を噴孔入口から噴孔出口に向かう方向を正の方向とするx軸を定義する。本実施例は、O2′A2の大きさをR、GE2の大きさをR0、O2′E2の大きさをLT、E2E2′の大きさをLEとしたとき、
R>R0
かつ
LT>LE
となる関係を満足するように設定される。
本実施例は、第1の実施例にて説明した縮流孔6の形状に比べ加工が容易であり加工精度が出しやすい。また、第1の実施例にて説明した縮流孔6に近い効果を得ることができる。
図5は、本発明の第3の実施例を示した図である。図5は縮流孔を備えたインジェクタを用いて構成された筒内噴射エンジンの構成図である。
図5は、第1の実施例にて説明したインジェクタ15を筒内噴射エンジンに適用したものである。筒内噴射エンジンは、インジェクタ15,点火プラグ16,ピストン17,吸気管18,吸気バルブ19,排気管20,排気バルブ21,シリンダヘッド22,シリンダブロック23で構成される。点火プラグ16はシリンダヘッド22のほぼ中央に取り付けられる。インジェクタ15はシリンダヘッド22の吸気管側に取り付けられる。ただし、インジェクタ15のノズルボディ5先端に空けられた縮流孔6が火花点火プラグ16に向かって燃料を噴射するように取り付けられる。本実施例は、圧縮行程噴射において特に効果がある。圧縮行程噴射では、筒内噴射エンジンは次のように作用する。吸気バルブ19を開き、ピストン17の位置を下げることにより、シリンダ内に空気を取り込む。その後、吸気バルブ19を閉め、ピストン17によりシリンダ内に吸入された空気を圧縮すると共に、インジェクタ15から燃料をシリンダ内に直接噴射して火花点火プラグ16によって点火、燃焼させる。この間、排気バルブは閉じたままである。
本実施例の効果を説明する。縮流孔6を通った燃料は圧力損失を低減できるので、縮流孔6からは高速の燃料噴射が可能になる。このため、縮流孔6から噴射された燃料噴霧が到達する距離を長くすることができる。また、縮流孔6の出口断面変化をほぼ0と設定することで、インジェクタ内の流路6を通って噴孔に至り縮流孔を通った燃料は図3のCD’断面において速度の方向を噴孔軸方向に平行にすることができる。このため、縮流孔6から点火プラグ16に向けて微粒化特性のよい太く長い噴霧を噴射することができ、圧縮行程という高背圧下条件において高い着火安定性を確保できる。さらに、燃料は縮流孔6を通過する際に整流され、噴孔の上流で発生した乱れ(速度変動)の大部分を取り除くことができる。このため、噴孔の上流で発生した乱れが原因で生じる燃料噴霧到達距離のばらつきや噴霧広がりのばらつきを小さくすることできる。
第4の実施例について、図5に基づいて説明する。図5は、縮流孔6を備えたインジェクタを用いて構成された筒内噴射エンジンの構成図である。インジェクタ先端に設けられた噴孔は縮流孔6と直孔7の組み合わせで構成されている。ただし、点火プラグに向けて噴射する燃料は、縮流孔6から噴射されるように設置されている。図6はエンジン回転数と負荷の関係を示した図である。負荷の低い条件34から負荷が高くなる条件35へと切り替える際に、ノッキングの回避等を狙い吸気行程に1回目の燃料噴射を行い、圧縮行程の火花点火直前に2回目の燃料噴射を行う制御をする場合がある。具体的に図5を用いて作用を説明する。吸気バルブ19が開き、ピストン17が下がることで、シリンダ内に空気を取り込む。空気取り込みと同時に、インジェクタ15によってシリンダ内に燃料を噴射する。吸気バルブを閉め、ピストン17の上昇に伴い筒内のガスを圧縮する。点火プラグ16による点火直前に、筒内に燃料を噴射し、その後、着火する。2回目の燃料噴射は点火プラグ16まわりに濃い燃料混合気を形成するために行う。そのため、2回目に噴射する燃料は、太く長い噴霧にして確実に点火プラグ16周りに噴霧を届かせる必要がある。本実施例によれば、第3の実施例と同様、点火プラグ16に向けて縮流孔6を向けているので、点火プラグ16に向けて太く長い噴霧を噴射できるので、高い着火安定性を実現できる。
図7は、インジェクタのノズルボディ先端に設けられた噴孔の配置を示した図である。図7に示すように、第5の実施例では、すべての噴孔が縮流孔6となっている。縮流孔6は縮流孔入口と出口の断面積比によって、流量を設定することが可能である。この性質を用いて、本実施例では、噴孔の出口径は同じ大きさに設定し、各孔の入口と出口の断面積比によって噴孔毎の流量分配を行っている。このため、微粒化性能を犠牲にすることなく、流量分配が可能である。直孔の場合は、噴孔径を変化させることにより、流量分配を決めることができるが、これは流量を増やす場合、噴孔径を大きくすることになるので、微粒化性能を悪化させる原因となる。
図8は第6の実施例を示す図である。図8に基づいて説明する。インジェクタはコイル36,超磁歪素子37,プランジャ38,バルブニードル39,ノズルボディ40から構成されている。本実施例のインジェクタは、通常時はばね41の力によりバルブニードル39と弁座部43は密着している。コイル36は通電すると、磁界を発生し、超磁歪素子37が変位する。これに伴い、超磁歪素子37の上に構成されたプランジャ38が引き上げられ、プランジャ38の下側に構成されたバルブニードル39が引き上げられることで、弁座部43とバルブニードル39は離れ開弁状態となる。開弁状態になると、バルブニードル39と弁座部43の間に流路ができ、図示しない高圧ポンプにて加圧された燃料がこの流路を通り縮流孔6を通過して燃焼室内に噴射される。超磁歪素子36を用いたインジェクタは、コイルに通電する波形を変えることで、バルブニードル39の上昇量を制御することが可能である。図9と図10にコイルへの入力信号の波形を示した図であり、ステップ状に与えている。信号入力を継続する時間間隔は同じであるが、信号の最大値であるI1とI2は異なる。ここで、I1>I2とする。図9の波形でコイルに通電した場合と図10の波形でコイルに通電した場合、図9の波形でコイルに通電したほうがプランジャ38の上昇量は大きくなり、これに伴いバルブニードル39と弁座部43の間にできる流路が大きくなる。このように本実施例は、バルブニードル39の上昇量(リフト量)を操作可能であり、リフト量の操作により噴射する流量を制御することができる。しかし、リフト量が変化すると、バルブニードル39と弁座部43を流れる燃料に発生する乱れが変化する。これは、噴射後の粒径が変化する原因となる。本実施例では、インジェクタは全孔が縮流孔6となっており、縮流孔6を通過する際に、燃料の流れは整流されるため、燃焼室内に噴射されるときには、燃料が持っていた乱れの大部分は取り除くことができる。したがって、リフト量の変化が原因となる噴射後の粒径のばらつきを抑えることができる。
インジェクタのノズル形状に関する第7の実施例について説明する。図11はVCO型のノズルを持つインジェクタの構成図であり、これまでの説明で用いたインジェクタとはインジェクタの先端部分の構成が異なる。図11に基づいて本実施例を説明する。インジェクタは、バルブニードル1,ガイド2,ばね3,コイル4,ノズルボディ5を備えている。ノズルボディ5の先端には、複数の噴孔が設けられており、これらは縮流孔6と直孔7の組み合わせである。縮流孔6や直孔7は、設計で設定された方向へ燃料を噴射するように穴が開けられている。作用を簡単に説明する。本実施例のインジェクタは通常時閉型の電磁式燃料噴射ノズルであり、コイル4に通電されていない状態においては、バルブニードル1と弁座部8とが密着している。燃料は図示しない燃料ポンプによって圧力を付与された状態で燃料通路10やガイド2に設けられた溝に満たされている。コイル4に通電されると、バルブニードル1が変位し弁座部8から離れる。バルブニードル1が弁座部8から離れると、燃料はガイドに設けた溝や燃料経路を通って流れ、バルブニードル1と弁座部8の間にできた流路を通過する。その後、縮流孔6や直孔7を通りインジェクタ外部へと噴射される。
VCO型のノズルを持つインジェクタにおいても、これまで説明してきた構成のインジェクタと同様の効果がある。
上述した実施例によれば、少なくとも二つ以上の複数の噴孔を有するインジェクタにおいて、噴孔入口から噴孔出口にかけて噴孔断面積が順次小さくなり、噴孔出口で噴孔断面半径変化率がほぼ0となる噴孔(縮流孔6)を有するインジェクタを作成できる。縮流孔6を通過した燃料は、噴孔出口断面において燃料の速度方向を噴孔軸方向に平行にすることができ(図14)、さらに噴孔出口断面において速度の大きさをほぼ一定にすることができる。このため、縮流孔から噴射した燃料噴霧は図13に示す従来技術に比べて太い燃料噴霧を噴射することができる(図15)。
また、噴孔を全て縮流孔にすることができ、噴孔における圧力損失を低減することができる。このため、燃料ポンプの設定圧力を下げ、システムのエネルギー消費量を下げることができる。また、各縮流孔の噴孔入口と噴孔出口の比によって流量を制御することができるので、複数ある噴孔の出口断面積の大きさを同等に設定したうえで流量分配ができる。この結果、微粒化性能を損なうことなく、流量分配ができる。直孔7の場合、各穴ごとの流量分配は、噴孔径を変えるしかない。この方法では、微粒化性能が犠牲になる可能性がある。
また、太く長い噴霧を火花点火プラグに向けて噴射することができるので、点火プラグに向かって伸びる噴霧を太く長い噴霧とすることができる。この結果、火花点火プラグによる着火可能領域を広くすることができるので、圧縮噴射行程において着火安定性を増すことができる。
バルブニードルのリフト量に応じて、インジェクタ内で燃料流れに発生する乱れが変化する。この乱れは、噴射後の噴霧到達距離や粒径に影響を与える。請求項4の発明によれば、縮流孔6で得られる整流効果により、縮流孔6を通過する間にインジェクタ内で発生した乱れの大部分取り除くことができる。
燃料噴射装置の構成図(実施例)。 噴孔の組み合わせ図(実施例)。 燃料噴射装置の噴孔近傍の拡大図(実施例)。 テーパー形状による縮流孔の実施例(実施例)。 筒内噴射エンジンの構成図(実施例)。 エンジン回転数と負荷を示す図(実施例)。 燃料噴射装置の噴孔近傍の拡大図(実施例) プランジャの可変リフト機構を持つインジェクタ図(実施例)。 コイルへの入力信号例(実施例)。 コイルへの入力信号例(実施例)。 VCO型のノズルを持つ燃料噴射装置構成図(実施例)。 従来技術による噴孔と出口における燃料の速度。 従来技術による噴孔と燃料と空気の混合気形成領域。 本発明による噴孔出口における燃料の速度方向。 本発明による燃料と空気の混合気形成領域。
符号の説明
1 バルブニードル
2 ガイド
3,41,42 ばね
4,36 コイル
5,40 ノズルボディ
6 縮流孔
7 直孔
8,43 弁座部
9,10 燃料通路
11,25 燃料側のノズルボディの断面を表す線
12,26 燃焼室側のノズルボディの断面を表す線
13,14,27,28 噴孔の断面形状を表す線
15 燃料噴射装置
16 点火プラグ
17 ピストン
18 吸気管
19 吸気バルブ
20 排気管
21 排気バルブ
22 シリンダヘッド
23 シリンダブロック
24 燃料噴霧
29 従来技術による噴孔
30,32 噴孔出口における燃料の速度
31,33 燃料混合気形成範囲
34 低回転低負荷運転条件
35 高負荷運転条件
37 超磁歪素子
38 プランジャ
39 開閉用プランジャ

Claims (4)

  1. 内燃機関の筒内へ直接燃料を噴射する燃料噴射装置であって、燃料を噴射する少なくとも2つ以上の噴孔を有する燃料噴射装置において、
    少なくとも一つの前記噴孔が該噴孔の断面の半径が燃料の流れ方向である前記噴孔の入口から出口の方向に連続的に減少し、かつ前記噴孔の燃料の流れる方向の断面半径変化率が前記出口にてほぼ0となる縮流孔であることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射装置において、全ての噴孔が縮流孔であり、設定した流量を満足するように各噴孔の入口と出口の断面積比が設定されることを特徴とする燃料噴射装置。
  3. 請求項1に記載の燃料噴射装置において、前記縮流孔が点火プラグに向けて燃料を噴射するように設定されていることを特徴とする燃料噴射装置。
  4. 請求項2に記載の燃料噴射装置において、バルブニードルのリフト量を可変にする機構を備えることを特徴とする燃料噴射装置。
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