JP2009081368A - 高精細印刷用凸版 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば有機EL素子における有機機能層形成のような、印刷精度を必要とされる印刷パターンを、凸版印刷法で形成するための高精細印刷用凸版であって、凸部強度の低下による、パターン抜けやパターン精度不良、特に高精細品に対する、パターン印刷における印刷不良を解消する高精細印刷用凸版を提供する。
【効果】印刷用凸版の凸部支持体が金属からなることによって、版の変形が抑えられ、また凸部の頭頂部が樹脂で形成されていることによって、一般的な樹脂凸版と同様に印刷時の柔軟性を示すことで、ガラス基板のような硬い基板に対しても、損傷することなく印刷可能となった。
【選択図】図1

Description

本発明は、凸版印刷法に用いられる高精細印刷用凸版、及び高精細印刷用凸版を用い製造される印刷物に関するものである。印刷物としては、有機エレクトロルミネッセンス素子、半導体デバイス、カラーフィルタ、回路基材、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等を、印刷物として例示することができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とする)は、二つの対向する電極の間に有機発光材料からなる有機発光層を形成し、有機発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率良く発光させるには、発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをカラー表示可能なディスプレイとするには、高精細にパターニングする必要がある。
有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では、基板が大型化すればするほど成膜時の熱等によりマスクが変形し、パターニング精度が出にくいという問題がある。
そこで、最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶媒に溶かして塗工液にし、これをウェットコーティング法にて薄膜形成する方法が、試みられるようになってきている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法、印刷法等があるが、高精細にパターニングしたり、RGB3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しい。よって、塗り分けパターニングを得意とする、印刷法による薄膜形成が有効である。
さらに各種印刷法の中でも、有機EL素子やディスプレイでは、基板としてガラス基板を用いることが多いため、グラビア印刷法等のように、金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴム版を用いたオフセット印刷法や、ゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法が、最適である。 これらの印刷法の試みとして、オフセット印刷による方法(特許文献1)や凸版印刷による方法(特許文献2)などが、提案されている。
特許文献は、以下のとおりである。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報
また、有機EL素子における有機発光層のパターンは、テレビ用途の大型ディスプレイの場合、例えば体格40インチのワイドディスプレイでは、ライン幅が100μmで画素ピッチが500μmとなる。また携帯電話などの小型ディスプレイの場合、例えば対角2インチで主流のQVGA(320×240画素)では、画素ピッチは120μmで各色要素のサブピクセルの幅は40μmとなり、アクティブマトリックスディスプレイに使われる薄膜トランジスタ等により、実際の画素幅は、サブピクセルの50〜60%程度となる。このような高精細なディスプレイの素子を、凸版印刷法により形成しようとした場合、5μm以下という、非常に高い印刷パターンの精度が要求される。
しかし、例えば上記QVGAの画素サイズのディスプレイを製作するためには、サブピクセルあたり、約40μmピッチのラインとスペースが必要となるために、印刷のパター
ン精度が悪いと、電極層および正孔輸送層もしくは電子輸送層の接触による短絡や、隣り合う有機発光層が混じり、混色が発生してしまう。このような問題のために、従来の樹脂凸版では、十分な品質の高精細印刷パターンは形成できなかった。
それは、一般的な樹脂凸版の基材には、PETやPE等が使用されているが、印刷法による有機ELディスプレイデバイスの製造では、大気中で作製を行っているため、前記樹脂凸版の基材が水分を吸収し膨潤してしまうため、印刷時に数μmの精度を要求される高精細なパターン膜が得られないためである。
さらに、印刷の再現性を得るうえで、印刷用凸版の凸部の線幅と版深との、アスペクト比が高いことが望ましいが、樹脂凸版を高精細パターンのマスクで露光を行う場合、マスクパターンに対応した凸部が得られる露光量で現像し、凸部の断面形状が順テーパーに近い形を保つ現像処理では、深い凹部が得られずに、アスペクト比が低下してしまう。対して、アスペクト比を高くするために、過剰に現像を行うと、凸部の断面形状が逆テーパーとなり、剥がれや欠けの原因となる。また、高精細になるほど凸部の線幅が細くなるが、アスペクト比が高くなると、軟らかい樹脂のみで形成される凸部の強度が足らず、歪んだ形状となり、パターン抜けやパターン精度不良を発生させる。
このような版の細密化や、インキの流出等による印刷不良の問題は、精細なパターン形成を必要とするエレクトロニクス部材、例えばカラーフィルター、回路基材、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等においても、同様である。
そこで、本発明の目的は、例えば有機EL素子における有機機能層形成のような、印刷精度を必要とされる印刷パターンを、凸版印刷法で形成するための高精細印刷用凸版を提供し、上記のような凸部強度の低下による、パターン抜けやパターン精度不良、特に高精細品に対する、パターン印刷における印刷不良を解消することにある。
本発明の高精細印刷用凸版は、インキを凸版の凸部に供給し、凸部にあるインキを印刷し、印刷物表面にインキからなるパターンを形成する際に用いる印刷用凸版であって、
図1に示すように、金属製基材101上に、必要とされる数または量に応じて、前記印刷用凸版の凸部パターンに対応する金属凸部支持体102が設けられており、樹脂パターン103が、少なくとも前記金属凸部支持体102上部に接して設けられており、前記樹脂パターン103の端部が、少なくとも前記金属凸部支持体102の端部を覆うように設けられていることを特徴とする、また前記樹脂パターン103の表面領域の面積が、前記金属凸部支持体102上部の表面領域よりも大きいことを特徴とする、それぞれ高精細印刷用凸版である。
加えて、本発明の高精細印刷用凸版は、前記金属製基材101の厚みが、50μm以上500μm以下であることを特徴とする、また前記金属製基材101の熱膨張係数が、50×10-7/℃以下であることを特徴とする、さらに前記金属凸部支持体102の表面平均荒さが、0.1μm以上であることを特徴とする、それぞれ高精細印刷用凸版である。
また加えて、本発明の高精細印刷用凸版は、前記樹脂パターン103を形成するための塗布液の粘度が、10mPa・s以上10000mPa・s以下であることを特徴とする、高精細印刷用凸版である。
本発明の請求項1に記載の高精細印刷用凸版によれば、印刷用凸版の凸部支持体が金属からなることによって、版の変形が抑えられ、また凸部の頭頂部が樹脂で形成されていることによって、一般的な樹脂凸版と同様に印刷時の柔軟性を示すことで、ガラス基板のような硬い基板に対しても、損傷することなく印刷可能となった。また樹脂パターンの端部が、少なくとも前記金属凸部支持体の端部を覆うように設けられていることによって、樹脂/金属界面へのインキの流入を防ぎ、前記界面の金属部の錆等の変成を防止することが可能となった。
本発明の請求項2に記載の高精細印刷用凸版によれば、前記樹脂パターンの表面領域の面積が、前記金属凸部支持体上部の表面領域よりも大きいことにより、印刷時に樹脂パターン端部から押し出されたインキよってできる、印刷パターンの幅や膜厚のバラツキを、樹脂パターン端部の表面形状が補正して抑制することが可能となった。
加えて、本発明の請求項3に記載の高精細印刷用凸版によれば、前記金属製基材の厚みが、50μm以上500μm以下であることにより、基材を容易に加工することができ、特に凸版印刷機の版胴への貼り付け作業を容易に行うことが可能となった。また本発明の請求項4に記載の高精細印刷用凸版によれば、前記金属製基板の熱膨張係数が、50×10-7/℃以下であることにより、基材加工工程・樹脂パターン形成工程・印刷工程時に発生する、熱による基材の膨張が軽減され、作業を容易に行うことが可能となった。さらに本発明の請求項5に記載の高精細印刷用凸版によれば、前記金属凸部支持体の表面平均荒さが、0.1μm以上であることにより、前記樹脂パターンの密着性を向上させることができ、印刷を安定して行うことが可能となった。
また加えて、本発明の請求項6に記載の高精細印刷用凸版によれば、前記樹脂パターンを形成するための塗布液の粘度が、10mPa・s以上10000mPa・s以下であることにより、樹脂膜の厚みをマイクロオーダーで制御することができ、パターン形成時に、前記樹脂パターンの表面領域の、平坦性を向上させることが可能となった。
本発明の高精細印刷用凸版の一例を、図1に示す。
図1aは、本発明の高精細印刷用凸版の版面のパターン形状の例である。有機EL素子等の有機機能性素子やカラーフィルター等のディスプレイ用素子の製造に用いられる版面のパターンとしては、ライン形状やドット形状のものが用いられる。図示されているように、この版面凸部のライン幅あるいはパターン幅をaとし、隣り合う凸状パターンの間隔をbとする。
図1bは、図1aをPラインで切った時の断面図である。金属製基材101の材料としては、製造方法の説明で述べるように各種の金属材料を用いることができる。また後述のように、版の製造に電鋳法、溶射法、エッチング法等をもちいて、金属製基材101からなる金属凸部支持体102または金属製基材101上に金属凸部支持体102を形成することができる。
凸状パターンの頭頂部から底部までの版深をdとすると、ライン幅と版深のアスペクト比a/dを1以上で保つことが、凹部に流出したインキが溢れ出ることを防ぐことができて望ましい。しかし従来の感光性樹脂のみで形成される印刷用凸版を用いる場合、ライン幅aとパターン間隔bの和であるラインアンドスペースが、100μm以下の高精細印刷おいて、樹脂のみの凸状パターンでは強度が不足するため、版が変形したり損傷したりして印刷不良が生じてしまう。
そこで、上記のような金属凸部支持体102を形成し、該金属凸部支持体を樹脂パターン103で覆うことによって、上記のような問題を解決することができ、さらにはガラス基板のような硬質で損傷しやすい基板上にもインキパターンを転写することが可能となった。また該金属凸部支持体を樹脂パターンで覆う際に、該金属凸部支持体の端部を覆うように樹脂パターンを形成することにより、該金属凸部支持体の頭頂部での金属/樹脂界面へのインキの流入を防ぎ、前記界面の金属部の錆等の変成を防止することができ、接着面積を広げ耐刷性を向上させることが可能となった。
次に、本発明の高精細印刷用凸版の製造方法について説明する。図2は、本発明の実施の形態による、高精細印刷用凸版の製造工程を示す断面模式図である。
本発明の高精細印刷用凸版の金属製基材201としては、ステンレス、インバー材などのニッケル鉄合金、スーパーインバーなどのニッケルコバルト鉄合金の板を用いることができる。
上記金属製基材において、特に大型基板に高精細のパターンを位置精度良く形成するためは、熱膨張係数が50×10-7/℃以下、より好ましくは20×10-7/℃以下の基材を選択することが良い。更には、印刷ロールに巻きつけ可能な可とう性を有することがより好ましい。このような金属製基材201の例としては、インバー材やスーパーインバー材といった低熱膨張係数を有する金属シートを用いることが好ましい。金属シートの厚みとしては、印刷の版銅に巻きつけるのに十分な可とう性を有し、熱や衝撃により変形しない強度を有していれば良く、0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下が好適に用いることができる。しかしながら、後述する基材加工工程を容易に行う為には、乾燥などの圧空により変形しない強度を有していることが好ましく、0.05mm以上が好適に用いることができる。
まず、図2(1d)及び(2d)に図示されているように、金属製基材201に金属凸部支持体205を形成する。金属凸部支持体の材料としては、金属であれば特に制限は無いが、金属製基材への密着性や材料間の熱膨張係数の差異によるゆがみなどに対して、耐性を得るため、ステンレス、インバー材などのニッケル鉄合金やスーパーインバーなどのニッケルコバルト鉄合金の板を用いることが好ましく、金属製基材と同様の材料であることが、より好ましい。
金属凸部支持体の形成方法としては、大きく分けて二通り考えられる。エッチング法などにより金属製基材自体を削り、凹部を作製することにより金属凸部支持体を形成する手法、または金属製基材上に電鋳法や溶射法などにより、金属膜を堆積させ金属凸部支持体を形成する手法である。またこれら以外の公知の形成方法を用いることができる。
図2に従って、金属製基材をエッチングにより削り、凹部を作製し金属凸部支持体を形成する工程を説明する。まず金属製基材201上に、感光性レジスト層202を積層する(図2(1a))。次にフォトリソグラフィ法を用いて、不要部を除去し複数の凸状パターン203を形成する(図2(1b))。この時、形成するレジストの凸状パターンは、最終的に製造する高精細印刷用凸版の凸状パターンと同じ箇所に形成する。次に、ウェットエッチング法やドライエッチング法等を用いて、金属製基材201の内、感光性レジスト層202の凸状パターン203が形成されていない部分をエッチングし、金属凹部204を形成する(図2(1c))。続いて、感光性レジスト層の凸状パターンを除去することにより、金属凸部支持体205を形成する(図2(1d))ことができる。
金属製基材上に電鋳法や溶射法などにより、金属膜を堆積させ金属凸部支持体を形成する場合は、まず金属製基材201上に、感光性レジスト層202を積層する(図2(2a
))。次にフォトリソグラフィ法を用いて、不要部を除去し複数の凸状パターン203を形成する(図2(2b))。この時、形成するレジストの凸状パターンは、最終的に製造する高精細印刷用凸版の凸状パターンと反転した箇所に形成する。次に、感光性レジスト層202の凸状パターン203の隙間凹部に、金属膜208を堆積する(図2(2c))。続いて、感光性レジスト層の凸状パターンを除去することにより、金属凸部支持体205を形成する(図2(2d))ことができる。
金属凸部支持体は、側面および上面の表面平均荒さが、0.1μm以上であることが好ましい。後述する樹脂パターニングにおいて、金属凸部支持体に対する樹脂膜の接着力や耐久性が向上するためである。しかしながら、後述する好ましい樹脂パターンの厚みがマイクロオーダーのため、側面および上面の表面平均荒さが、1.0μm以下であることがより好ましい。
金属凸部支持体の形状としては、順テーパ形状、逆テーパ形状、垂直形状等がある。前記の形状は、必要とされる印刷パターンのピッチに応じて選択を行う。例えば、比較的ピッチの広い印刷パターンにおいては、凹部に向って広がっており、樹脂との接触領域が広く安定性の高い順テーパ形状を用いる。しかしピッチの狭い高精細な印刷パターンでは、凹部へ末広がりになる順テーパでは、底部でテーパが重なり版深を浅くする可能性がある。これは、逆テーパ形状においても同様である。その場合、垂直形状を好適に用いることができる。
次に、金属凸部支持体上に樹脂膜206を形成する(図2(1e)(2e))。樹脂膜の材料としては、特に制限はないが、印刷時のインキに耐性があるものを選択することが好ましく、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどや、それらの共重合体、セルロースなどの天然高分子、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等から、用途に応じて選択することができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。樹脂膜の形成方法としては、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ラミネート法、印刷法等、公知の塗工方法を用いることができる。樹脂膜の膜厚は、0.1μmから100μmが好ましいが、金属凸部支持体の高さと印刷に必要な弾性を考慮すると、より好ましくは5μmから50μmが好適に用いることができる。
また、上述した樹脂膜の厚みを得る為には、樹脂材料の塗布液の粘度が、10mPa・s以上10000mPa・s以下であることが好ましい。10mPa・s未満では、5μmから50μmという厚みを得ることが難しく、更に基材の歪みなどにより影響され塗布液が流動し、樹脂パターンの平坦性が低下する為である。10000mPa・s超では、塗布液に混入した気泡や異物の除去を簡便に行えず、更に塗布液の粘度が高いため塗工ムラが発生しやすく、樹脂パターン表面領域の平坦性が低下する為である。上述した要因を踏まえ、公知の塗工方法を用いるには、樹脂材料の粘度が、より好ましくは30mPa・s以上1000mPa・s以下が、好適に用いることができる。
続いて、樹脂パターン207を形成する(図2(1f)(2f))。上述した公知の塗工方法において、成膜とパターニングを同時に行えるものとして、各種印刷法が挙げられる。この場合、後述するフォトリソグラフィ法等のパターン形成を省略できるため、工程数を減らすことが可能となる。他の塗工方法では、金属凸部支持体および金属製基材を覆
うようにして樹脂膜が成膜されるため、パターニングを行う必要がある。
樹脂パターンの形成方法としては、フォトリソグラフィ法、親水/撥水パターニング法、印刷法等の、公知の塗工方法を用いることができるが、印刷に用いる樹脂凸部として必要な形状およびテーパ角度を考慮すると、フォトリソグラフィ法を好適に用いることができる。
ところで、上述した高精細な版を作成する場合には、インキを版から被印刷体に転写する際に、樹脂凸部形状の強度が弱く転写後の印刷パターンに不良を生じることのないように、ある程度の版深が必要であり、例えば30μm以下のライン幅のパターンを形成する場合には、30μm以上の版深があることが好ましいく、さらに凸部から凹部へのインキの流出自体を少なくすることが好ましい。しかしながら、従来の樹脂版では、この要求を満たし、かつ変形や膨潤の少ない版を製造することは困難である。
そこで、本実施の形態では、変形の少ない金属凸部支持体を有する高精細印刷用凸版とし、さらに転写時の印圧を分散させるため、金属凸部支持体上に弾性を有する樹脂層を成膜した。これにより、ガラス等の硬質な材料やプラスチック等の衝撃に弱い材料を傷つけることなく、かつ30μm以下の精細パターンを印刷することができる。
以下に、本発明の高精細印刷用凸版の、具体的実施例について説明する。
<発光層形成用塗工インキ液の調製>
高分子蛍光体(又は高分子蛍光体と結着用の高分子樹脂と)を、キシレンに塗工インキ液濃度が1.0重量%となるように溶解させ、発光層形成用塗工インキ液を調製した。ここで高分子蛍光体とは、ポリパラフェニレンビニレン誘導体からなる発光材料を示す。
<被印刷基板の作製>
150mm角で厚さ0.4mmのガラス基板上に、表面抵抗率15ΩのITO膜を回路パターン状に成膜した透明電極作製用基材のITO膜面に、スピンコーターを用いて、正孔輸送層としてポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を、100nm膜厚で成膜した。次に、この成膜されたPEDOT/PSS薄膜を、減圧下180℃にて1時間乾燥することにより、被印刷基板を作製した。
<金属凸部支持体の作製>
300mm角で厚さ0.25mmの、基材であるFe−Ni(Ni36%)の表面についている油脂を落とすため、ウォーターバスにより70℃に加熱したアルカリ脱脂剤に、10分間の浮動浸漬し、上記と同じ設定としたお湯により湯洗を行い、脱脂剤を洗い流した後に、基板表面の酸化膜を除去するため、10%塩酸水溶液に2分間の浮動浸漬を行って、水洗により塩酸水溶液を洗い流した。
次にスピンコーターを用いて、全面にポジ型感光性ポリイミド樹脂(日産化学工業株式会社:RN−901)を塗布し、マスクを通して、この感光性ポリイミド樹脂に露光を与え、紫外線で選択的に露光した。このマスクは、印刷パターンとなる部分を除く感光性ポリイミド樹脂が露光されるようにデザインし、感光性ポリイミド樹脂の露光部分は、現像液(2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いて、スピン現像により除去した。
更にウェットエッチング装置を用いて、レジストパターン及びその表面をエッチングした。エッチング液として、塩化第二鉄液(株式会社クリタ)を用い、レジストパターンが
剥離しないようにエッチングを行い、エッチング深度が30μmで、サイドエッチング15μmからなる基板とした。露光済み感光性ポリイミド樹脂は、エッチング後に除去液に浸漬させ除去した。
<樹脂パターンの作製>
ダイコーターを用いて、金属製基材全面に、エポキシ系ネガ型厚膜樹脂であるSU−8(化薬マイクロケム社製)を塗布した。ギャップは基材凹部から150μmで、速度は40mm/sec、これらの条件により塗工を行い、一様に均一な樹脂膜を得た。
上記樹脂膜に、必要となるパターンに応じたマスクを通して、厚膜レジストに露光を与え、紫外線で選択的に露光した。マスクは、被印刷基板となる金属凸部支持体の表面領域よりも大きくなるように、開口部を広げ、前記レジストが露光されるようにデザインした。また前記樹脂の未露光部は、現像液を用いて、パドル現像により除去した。現像後、樹脂パターンの乾燥をおこない、硬化した樹脂パターンを得た。
これらの工程により、金属により凸部支持体が作られ、金属凸部支持体上に樹脂パターンが形成された、本発明の実施例の高精細印刷用凸版を得た。
<発光層形成用塗工インキ液の印刷>
まず、上記工程で作製した高精細印刷用凸版302を、凸版印刷法による円圧式凸版印刷機(図3を参照)の版胴303の周面に装着固定し、被印刷基板301を、被印刷体固定定盤上に載置固定した。
そして、アニロックス(インキ供給)ロール304及び版胴303を回転させて、発光層形成用塗工インキ液を、アニロックスロール304の周面に均一膜にて供給し、該アニロックスロールを介して、高精細印刷用凸版の凸状部の頂部面にインキ液を供給した。その後、被印刷基板301のITO膜パターン形成面側に、該ITO膜パターンに整合させて、前記頂部面により、パターン状の発光層形成用塗工インキ液の印刷を行った。
印刷した後の被印刷基板301は、150℃にて5時間の環境下にて、塗工インキ液を乾燥した後、該塗工インキ液による発光層上に、カルシウム7nm、アルミニウム80nmを積層形成して、陰極用の発光層基板である有機EL素子とした。
<比較例>
ポリアミドを主成分とする耐溶剤性のネガ型感光性樹脂を、厚さ200μmのSUS304の金属製基材201の表面に、総厚が1.4mmとなるように溶融塗工し、高精細印刷用凸版のもととなる感光性樹脂材を形成した。次にマスクを通して樹脂に露光を与え、紫外線で選択的に露光した。マスクは、印刷パターンとなる部分を除く基板上の樹脂が露光されるように、デザインした。次いで、実施例と同様の現像、乾燥、後露光の工程を経て、感光性樹脂のみを用いた比較例の高精細印刷用凸版を得た。
その後、該印刷用凸版による発光層形成用塗工インキ液の印刷を行って、陰極用の発光層基板である有機EL素子とした。
<比較結果>
上記実施例により作製した有機EL素子は、ITO膜を介して電圧をかけ、発光状態の確認を行ったところ、発光層の膜厚が均一であり、発光ムラは見られなかった。しかしながら、比較例により作製した有機EL素子は、ITO膜を介して電圧をかけ、発光状態の確認を行ったところ、発光層の膜厚が不均一なことによる発光ムラが見られた。
本発明に係る高精細印刷用凸版の、一例の断面模式図である。 本発明に係る高精細印刷用凸版の、製造工程を示した断面模式図である。 本発明に係る高精細印刷用凸版の、印刷機の模式図である。
符号の説明
101・・・金属製基材
102・・・金属凸部支持体
103・・・樹脂パターン
201・・・金属製基材
202・・・感光性レジスト層
203・・・凸状パターン
204・・・金属凹部
205・・・金属凸部支持体
206・・・樹脂膜
207・・・樹脂パターン
208・・・金属膜
301・・・被印刷基板
302・・・高精細印刷用凸版
303・・・版胴
304・・・アニロックスロール
305・・・インキ補充装置
306・・・ドクター
307・・・インキ
308・・・インキパターン

Claims (6)

  1. インキを凸版の凸部に供給し、凸部にあるインキを印刷し、印刷物表面にインキからなるパターンを形成する際に用いる印刷用凸版であって、
    金属製基材101上に、必要とされる数または量に応じて、前記印刷用凸版の凸部パターンに対応する金属凸部支持体102が設けられており、樹脂パターン103が、少なくとも前記金属凸部支持体102上部に接して設けられており、前記樹脂パターン103の端部が、少なくとも前記金属凸部支持体102の端部を覆うように設けられていることを特徴とする、高精細印刷用凸版。
  2. 前記樹脂パターン103の表面領域の面積が、前記金属凸部支持体102上部の表面領域よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の高精細印刷用凸版。
  3. 前記金属製基材101の厚みが、50μm以上500μm以下であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の高精細印刷用凸版。
  4. 前記金属製基材101の熱膨張係数が、50×10-7/℃以下であることを特徴とする、請求項1から請求項3のどれかに記載の高精細印刷用凸版。
  5. 前記金属凸部支持体102の表面平均荒さが、0.1μm以上であることを特徴とする、請求項1から請求項4のどれかに記載の高精細印刷用凸版。
  6. 前記樹脂パターン103を形成するための塗布液の粘度が、10mPa・s以上10000mPa・s以下であることを特徴とする、請求項1から請求項5のどれかに記載の高精細印刷用凸版。
JP2007250970A 2007-09-27 2007-09-27 高精細印刷用凸版 Pending JP2009081368A (ja)

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