JP2009075281A - 顕微鏡対物レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】倍率60倍程度で、高開口数で、色収差を含む諸収差が良好に補正された、顕微鏡対物レンズの提供。
【解決手段】物体側から順に、物体側に平面を向けた平凸レンズL11と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL12との接合レンズからなる第1レンズ成分L1を含み、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、接合面が負の屈折力を有する接合レンズを含む第2レンズ群G2と、正レンズL71と負レンズL72とからなるL7と、負レンズL81と正レンズL82とからなるL8とから構成され、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とを備える。L12のd線に対する屈折率及びアッベ数をそれぞれn12及びν12とし、L82のd線に対する屈折率及びアッベ数をそれぞれn34及びν34としたとき、次式1.8<n12<1.85、1.8<n34<1.85、35<ν12<50及び35<ν34<50の条件を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、顕微鏡対物レンズに関し、更に詳しくは、高い開口数でアポクロマートの色収差性能を有し、紫外線励起も可能な、液浸系蛍光用の顕微鏡対物レンズに関する。
近年、特に生物関係の研究分野において、生体細胞内の特定部位の運動や活性を高感度で観察できる、蛍光顕微鏡が広く用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平7−230039号公報 特開2000−35541号公報 特開2002−148519号公報
ところで、最近では様々な蛍光タンパクや量子ドット等の登場により、蛍光観察における励起波長も広がりを見せているが、i線(波長365nm)を代表的な励起波長とする近紫外線励起も未だ広く用いられている。このため、蛍光顕微鏡の対物レンズでは、優れた結像性能を有することはもちろん、近赤外域から近紫外域、特にi線に対する透過率が十分であること、標本の発光する蛍光は微弱なことが多いので蛍光観察像のコントラストを著しく劣化させることがないように低自家蛍光であること、前述のように標本で発生する蛍光は一般的に微弱であるため、できるだけ多くの蛍光を取り込んで明るく且つ観察し易い良好な像を得るために大きい開口数を有することが求められている。
しかしながら、特許文献1に記載の対物レンズでは、近紫外域の透過率は非常に高く、大きい開口数を有しているものの、像面湾曲が大きく、十分な結像性能を有しているとは言えない。また、特許文献2及び特許文献3に記載の対物レンズでは、大きい開口数を有し、結像性能も優れているものの、使用硝材の近紫外域の透過率を十分満足していなかった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高開口数で、近赤外域から近紫外域(i線)まで高い透過率を有しながらも、色収差を含む諸収差が良好に補正され、高い結像性能と像面の平坦性が確保された、顕微鏡対物レンズを提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明の顕微鏡対物レンズは、物体側から順に並んだ、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズからなる第1レンズ成分を含み、物体からの発散光束を収斂光束に変換する、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群と、接合面が負の屈折力を有する接合レンズを含む第2レンズ群と、正レンズと負レンズとからなり、像側に凹面を向けた接合メニスカスレンズを含む前群(例えば、本実施形態における第7レンズ成分L7)と、負レンズと正レンズとからなり、物体側に凹面を向けた接合メニスカスレンズを含む後群(例えば、本実施形態における第8レンズ成分L8)とから構成され、全体として負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、前記第1レンズ群の前記第1レンズ成分を構成する前記負メニスカスレンズのd線に対する屈折率及びアッベ数をそれぞれn12及びν12とし、前記第3レンズ群の後群に含まれる前記接合メニスカスレンズを構成する正レンズのd線に対する屈折率及びアッベ数をそれぞれn34及びν34としたとき、次式1.8<n12<1.85、1.8<n34<1.85、35<ν12<50及び35<ν34<50の条件を満足することを特徴とする。
なお、本発明は、前記第1レンズ成分を構成する接合レンズの接合面の曲率半径をr12とし、対物レンズ全系の焦点距離をFとし、前記第1レンズ成分を構成する前記負メニスカスレンズのd線に対する屈折率をn12とし、前記第1レンズ成分を構成する平凸レンズのd線に対する屈折率をn11としたとき、次式0.65<|r12/F|×n12<0.75及び0.27<|n12−n11|<0.40の条件を満足することが好ましい。
また、本発明は、前記第2レンズ群の接合レンズに含まれる負レンズのアッベ数をν2nとしたとき、次式ν2n>50の条件を満足することが好ましい。
また、前記第3レンズ群の前群に含まれる接合メニスカスレンズにおいて像側に向けた凹面の曲率半径をr3Aとし、前記第3レンズ群の後群に含まれる接合メニスカスレンズにおいて物体側に向けた凹面の曲率半径をr3Bとしたとき、次式2.4<(r3A−r3B)/F<2.8の条件を満足することが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、倍率60倍程度で、高開口数(1.4程度)を有しつつ、紫外線励起(特にi線)が可能で、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有する顕微鏡対物レンズを実現できる。
以下、本願の好ましい実施形態について説明する。本願の顕微鏡対物レンズは、液浸系であり、物体側から順に並んだ、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズからなる第1レンズ成分を含み、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群と、接合面が負の屈折力を有する接合レンズを含む第2レンズ群と、正レンズと負レンズとからなり、像側に凹面を向けた接合メニスカスレンズを含む前群と、負レンズと正レンズとからなり、物体側に凹面を向けた接合メニスカスレンズを含む後群とから構成され、全体として負の屈折力を有する第3レンズ群とを備えている。そして、物体からの発散光束は、第1レンズ群にて収斂光束に変換された後に、第2レンズ群にて緩やかに曲げられ、第3レンズ群にて平行光束に変換され、結像レンズへと導かれている。
上記構成の顕微鏡対物レンズにおいて、第1レンズ群の第1レンズ成分を構成する負メニスカスレンズのd線に対する屈折率及びアッベ数をそれぞれn12及びν12とし、第3レンズ群の後群に含まれる接合メニスカスレンズを構成する正レンズのd線に対する屈折率及びアッベ数をそれぞれn34及びν34としたとき、次式(1)〜(4)を満足することを特徴としている。
1.8<n12<1.85 …(1)
1.8<n34<1.85 …(2)
35<ν12<50 …(3)
35<ν34<50 …(4)
上記条件式(1)〜(4)は、第1レンズ群の第1レンズ成分を構成する負メニスカスレンズ及び第3レンズ群の後群を構成する正レンズの硝材選択にあたり、それぞれの適切な屈折率とアッベ数を規定するものである。
条件式(1)及び(2)を満足することで、これらレンズにおいて、近紫外域(i線)の透過率を確保しながら、ペッツバール和を効率よく補正することが可能である。しかしながら、条件式(1)及び(2)の上限値を上回ると、これらレンズにおいて、ペッツバール和は良好に補正できるものの、硝材の組成上、近紫外域(i線)の透過率を確保することができない硝材選択となってしまい、好ましくない。一方、条件式(1)及び(2)の下限値を下回ると、これらレンズにおいて、ペッツバール和を効率よく補正できない硝材選択となってしまい、好ましくない。
また、上記条件式(3)及び(4)の上限値及び下限値を外れると、これらレンズにおいて、近紫外域(i線)の透過率を確保できるものの、効果的な色収差補正に必要であるアッベ数が得られなくなってしまう。
上記したように、本願の第1レンズ群では、物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズからなる第1レンズ成分、いわゆる埋め込みレンズを、最も物体側に配置している。その結果、第1レンズ成分を構成する平凸レンズと負メニスカスレンズとの屈折率差により、該レンズ成分の接合面に強い負の屈折力を持たせることで、ペッツバール和を減少させ、像面の平坦性を確保している。
また、第1レンズ群において、最も物体側に位置する平凸レンズに、浸液(オイル)とレンズとの境界面における球面収差の発生を防ぐため、浸液(オイル)の屈折率とほぼ等しい屈折率を有する硝材を用いている。したがって、第1レンズ群における負の屈折力を持つ面の屈折力は平凸レンズとともに第1レンズ成分を構成する負メニスカスレンズによって決定されるものであり、上記条件式(1)及び(3)は、このレンズの硝材選択において好ましい条件を規定したものである。
本願では、第3レンズ群を、互いに向き合った一対の凹面(前群及び後群)を配置して、その強い負の屈折力により効果的にペッツバール和を減少させる、いわゆるガウスタイプのレンズ構成とすることで、更なる像面の平坦化を図っている。
一般的に、対物レンズにおいては、開口数が大きくなるほど、球面収差や軸上色収差の発生量も大きくなり、それらを優先的に補正すると倍率色収差の発生を抑えることが困難となる。そのため、対物レンズの最終群あるいは最終群に近い正レンズにて倍率色収差を補正することが重要になる。さらに、最終群あるいは最終群に近い正レンズの屈折率が小さいと、レンズ面の曲率を強くせざるを得ず、球面収差、軸上色収差、コマ収差、非点収差の発生量が増加し、バランスのとれた収差補正を行うことが困難となる。
そこで、本願では、第3レンズ群において、後群を構成する正レンズに色分散が大きく(アッベ数が小さく)且つ屈折率の高い(いわゆるフリント系)硝材を選択するとともに、後群を構成する負レンズに色分散が小さく(アッベ数が大きく)且つ屈折率の低い(いわゆるクラウン系)硝材を選択することで、(第1レンズ群及び第2レンズ群で発生する色収差とは逆の色収差を発生させて)倍率色収差を良好に補正し、他の収差もバランス良く補正することを可能にしている。なお、上記条件式(2)及び(4)は、このような第3レンズ群の後群を構成する正レンズの硝材選択において、好ましい条件について規定したものである。
また、本願では、第1レンズ群において、第1レンズ成分を構成する接合レンズの接合面の曲率半径をr12とし、対物レンズ全系の焦点距離をFとし、前記第1レンズ成分を構成する前記負メニスカスレンズのd線に対する屈折率をn12とし、前記第1レンズ成分を構成する平凸レンズのd線に対する屈折率をn11としたとき、次式(5)及び(6)を満足することが好ましい。
0.65<|r12/F|×n12<0.75 …(5)
0.27<|n12−n11|<0.40 …(6)
上記条件式(5)は、第1レンズ群の第1レンズ成分を構成する接合レンズの接合面の曲率半径と、対物レンズ全系の焦点距離及び第1レンズ成分を構成する負メニスカスレンズの屈折率の適切な関係を規定するものである。この条件式(5)を満足することで、球面収差も補正しつつ、ペッツバール和の良好な補正を達成することができる。なお、条件式(5)の上限値を上回ると、接合面の曲率半径が大きくなってペッツバール和が補正しきれず、また球面収差も負に残存してしまう。一方、条件式(5)の下限値を下回ると、ペッツバール和の補正はできるものの、球面収差に高次の曲がりが発生し、収差的に不安定な光学系となってしまう。
上記条件式(6)は、第1レンズ群の第1レンズ成分における、埋め込む平凸レンズと埋め込まれる負メニスカスレンズとの適切な屈折率差を規定するものである。平凸レンズの屈折率は、上記したように使用する浸液とほぼ等しい屈折率であるため、この条件は実質的には負メニスカスレンズの屈折率を規定している。なお、条件式(6)の上限値を上回ると、平凸レンズと負メニスカスレンズとの屈折率差が大きくなり、接合面に十分な負の屈折力を与えることができるものの、浸液の屈折力よりも低い屈折力を有する平凸レンズを選択せねばならず、現実的なガラスが存在しない。一方、条件式(6)の下限値を下回ると、平凸レンズと負メニスカスレンズとの屈折率差が小さくなり、接合面に十分な負の屈折力を与えることができないため、ペッツバール和を効率よく補正することが難しくなる。
また、本願では、第2レンズ群の接合レンズに含まれる負レンズのアッベ数をν2nとしたとき、次式(7)を満足することが好ましい。
ν2n>50 …(7)
本願の第2レンズ群は、色収差、特に軸上色収差を補正する役割を担っているため、接合レンズは正レンズと負レンズを含んだ色消しレンズとなっている。ここで、近紫外域(例えば、i線)に対する十分な透過率を十分に確保しながら、色収差を良好に補正しようとすると、正レンズに使用できる硝材としては、異常分散性を持ったクラウンガラスもしくは蛍石を使うことに限定されてしまう。このため、第2レンズ群の接合レンズを構成する負レンズでは、前記正レンズに対して、アッベ数差を確保しつつ、できる限り部分分散比に近い硝材を選択する必要がある。上記条件式(7)は、第2レンズ群の接合レンズを構成する全ての負レンズにおいて、近紫外域(i線)の透過率を確保しつつ、色収差(特に軸上色収差の2次スペクトル)を効率よく補正することができる硝材の選択条件を規定するものである。なお、条件式(7)の下限値を下回ると、現実的なガラスが存在しなくなってしまう。
また、本願において、第3レンズ群G3の前群に含まれる接合メニスカスレンズにおいて像側に向けた凹面の曲率半径をr3Aとし、前記第3レンズ群の後群に含まれる接合メニスカスレンズにおいて物体側に向けた凹面の曲率半径をr3Bとしたとき、次式(8)を満足することが好ましい。
2.4<(r3A−r3B)/F<2.8 …(8)
上記条件式(8)は、対物レンズの結像性能に大きな影響を与える、コマ収差の補正を良好に行うための条件を規定するものである。第3レンズ群が有する負の屈折力は、前群及び後群に配置された互いに向き合った一対の凹面で主として担っているが、条件式(8)の上限値を上回ると凹面の曲率半径が大きくなってしまい、十分な屈折力を確保できず、ペッツバール和の補正が効率よくできなくなってしまう。一方、条件式(8)の下限値を下回ると、過度に凹面の曲率半径が小さくなってしまい、コマ収差の非対称成分が急激に増大し、補正が困難となってしまう。
以下、本願に係る顕微鏡対物レンズの各実施例を添付図面に基づいて説明する。
各実施例において、顕微鏡対物レンズは油浸タイプの設計となっており、浸液(オイル)として屈折率nd=1.5154及びアッベ数νd=41.4のものを、カバーガラスCとして屈折率nd=1.5222、アッベ数νd=58.8及び厚さt=0.17のものを使用することを前提としている。
(第1実施例)
本願の第1実施例に係る顕微鏡対物レンズについて、図1、図2及び表1を用いて説明する。図1は、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズのレンズ構成を示す断面図である。図1に示すように、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズは、物体側から順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、接合面が負の屈折力を有する接合レンズを含む第2レンズ群G2と、全体として負の屈折力を有する第3レンズ群G3とを備えている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に平面を向けた平凸レンズL11と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL12との接合レンズである第1レンズ成分L1と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズである第2レンズ成分L2と、両凹レンズL31と両凸レンズL32との接合レンズである第3レンズ成分L3と、両凸レンズL41と両凹レンズL42と両凸レンズL43との接合レンズである第4レンズ成分L4とから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL51(請求項3に記載の負レンズに該当)と両凸レンズL52との接合レンズである第5レンズ成分L5と、両凸レンズL61と負レンズである両凹レンズL62(請求項3に記載の負レンズに該当)との接合レンズである第6レンズ成分L6とから構成される。
第3レンズ群G3は、正レンズL71と負レンズL72との接合レンズであり、全体として像側に凹面を向けたメニスカス形状を有する第7レンズ成分L7(前群)と、負レンズL81と正レンズL82との接合レンズであり、全体として物体側に凹面を向けたメニスカス形状を有する第8レンズ成分L8(後群)とから構成される。ここで、第7レンズ成分L7を構成する正レンズL71は両凸レンズであり、負レンズL71は両凹レンズである。また、第8レンズ成分L8を構成する負レンズL81は両凹レンズであり、正レンズL82は両凸レンズである。
なお、第1レンズ群G1の物体側には、カバーガラスCが配置されており、カバーガラスCと第1レンズ群G1の最も物体側に配置されたレンズ(平凸レンズL11)との間は浸液(オイル)で満たされている。
表1は、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズを構成する各レンズの諸元の表を示している。表1において、Fは対物レンズの焦点距離、NAは開口数、βは倍率、d0は物体面からレンズ系の第1面までの光軸上の距離をそれぞれ示している。また、i線(波長365nm)およびA´線(波長768nm)の透過率は、500nmで最適化した単層膜コートを(接合面を除く)前面に付けた場合の全系のi線透過率およびA´線の透過率を示している。また、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序(以下、面番号と称する。なお、表1における面番号1〜24は、図1に示す面1〜24に対応している)を、面間隔は各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離を、屈折率はd線(波長587.6nm)に対する値をそれぞれ示している。また、表1において、上記の条件式(1)〜(8)に対応する値(すなわち条件対応値)も示している。
なお、表中において、焦点距離F、曲率半径、面間隔、その他の長さの単位は、一般に「mm」が使われている。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。また、表中において、曲率半径の「0.0000」は平面を示し、空気の屈折率「1.00000」の記載は省略している。
以上の表の説明は、他の実施例においても同様である。
(表1)
[全体諸元]
F=3.33,NA=1.4,β=−60,d0=0.15
i線の透過率=44%,A´線の透過率=69%
[レンズ諸元]
面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 レンズ名
1 0.00000 0.65 1.51823 58.89 L11
2 -1.27500 3.10 1.83481 42.72 L12
3 -3.15888 0.10
4 -10.08883 3.55 1.59240 68.33 L2
5 -6.21419 0.15
6 -105.42021 1.10 1.57501 41.49 L31
7 22.33430 7.20 1.49782 82.56 L32
8 -12.66434 0.15
9 30.36810 4.50 1.49782 82.56 L41
10 -32.12572 1.00 1.78800 47.38 L42
11 17.35533 8.40 1.43385 95.25
12 -15.28941 0.15
13 32.20991 1.10 1.73400 51.47 L52
14 11.70124 7.60 1.43385 95.25
15 -20.39512 0.15
16 13.47997 5.40 1.43385 95.25 L62
17 -24.68351 1.20 1.72916 54.66 L63
18 13.41725 0.20
19 7.55485 5.00 1.59240 62.33 L71
20 -18.54275 4.40 1.75500 52.32 L72
21 4.44359 3.20
22 -4.39478 2.80 1.69680 55.52 L81
23 62.27168 3.00 1.80440 39.59 L82
24 -7.85083 120.00
[条件対応値]
n12=1.83481
n34=1.80440
ν12=42.72
ν34=39.59
r12=-1.27500
F =3.33
n11=1.51823
ν2n=51.47(負レンズL51)、54.66(負レンズL62)
r3A=4.44359
r3B=-4.39478
条件式(1)n12=1.83481
条件式(2)n34=1.80440
条件式(3)ν12=42.72
条件式(4)ν34=39.59
条件式(5)|r12/F|×n12=0.703
条件式(6)|n12−n11|=0.317
条件式(7)ν2n=51.47、54.66
条件式(8)(r3A−r3B)/F=2.65
表1に示す諸元の表から分かるように、本実施例に係る顕微鏡対物レンズでは、上記条件式(1)〜(8)を全て満たすことが分かる。
図2は、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差図であり、(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は倍率色収差、(d)はコマ収差、(e)は歪曲収差をそれぞれ示している。なお、(c)の非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示している。また、(e)の歪曲収差図において、基準波長としてのd線に対する収差を示している。そして、図2において、NAは開口数を、yは像高(mm)を示している。また、実線はd線(波長587.6nm)を、破線はC線(波長656.3nm)を、一点鎖線はF線(波長486.1nm)を、二点鎖線はg線(波長435.8nm)をそれぞれ示している。以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様である。
図2に示す各収差図から明らかであるように、第1実施例に係る顕微鏡対物レンズでは、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
(第2実施例)
本願の第2実施例について、図3、図4及び表2を用いて説明する。第2実施例に係る顕微鏡対物レンズは、物体側から順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、接合面が負の屈折力を有する接合レンズを含む第2レンズ群G2と、全体として負の屈折力を有する第3レンズ群G3とを備えている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に平面を向けた平凸レンズL11と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL12との接合レンズである第1レンズ成分L1と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズである第2レンズ成分L2と、両凹レンズL31と両凸レンズL32との接合レンズである第3レンズ成分L3と、両凹レンズL41と両凸レンズL42との接合レンズである第4レンズ成分L4と、両凹レンズL51と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL52との接合レンズである第5レンズ成分L5とから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL61(請求項3に記載の負レンズに該当)と両凸レンズL62と両凹レンズL63(請求項3に記載の負レンズに該当)との接合レンズである第6レンズ成分L6とから構成される。
第3レンズ群G3は、正レンズL71と負レンズL72との接合レンズであり、全体として像側に凹面を向けたメニスカス形状を有する第7レンズ成分L7(前群)と、負レンズL81と正レンズL82との接合レンズであり、全体として物体側に凹面を向けたメニスカス形状を有する第8レンズ成分L8(後群)とから構成される。ここで、第7レンズ成分L7を構成する正レンズL71は両凸レンズであり、負レンズL71は両凹レンズである。また、第8レンズ成分L8を構成する負レンズL81は両凹レンズであり、正レンズL82は両凸レンズである。
なお、第1レンズ群G1の物体側には、カバーガラスCが配置されており、カバーガラスCと第1レンズ群G1の最も物体側に配置されたレンズ(平凸レンズL11)との間は浸液(オイル)で満たされている。
表2に、第2実施例における各諸元の表を示す。なお、表2における面番号1〜24は、図3に示す面1〜24に対応している。
(表2)
[全体諸元]
F=3.33,NA=1.4,β=−60,d0=0.15
i線の透過率=47%,A´線の透過率=70%
[レンズ諸元]
面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 レンズ名
1 0.00000 0.65 1.51823 58.89 L11
2 -1.27500 3.00 1.83481 42.72 L12
3 -3.00050 0.10
4 -11.85681 3.55 1.59240 68.33 L2
5 -6.34946 0.15
6 -137.67065 1.10 1.61334 44.27 L31
7 17.62769 7.50 1.49782 82.56 L32
8 -11.70286 0.15
9 -29.74857 1.00 1.78800 47.38 L41
10 22.33206 9.00 1.43385 95.25 L42
11 -12.47212 0.15
12 16.77957 8.70 1.43385 95.25 L51
13 -14.04003 1.10 1.51823 58.96 L52
14 -77.40080 0.15
15 17.26929 1.40 1.73400 51.47 L61
16 9.15332 6.80 1.43385 95.25 L62
17 -12.33305 1.10 1.73400 51.47 L63
18 44.89891 0.20
19 7.34853 5.00 1.59240 68.33 L71
20 -27.11446 4.20 1.75500 52.32 L72
21 4.01471 3.20
22 -4.48427 2.70 1.69680 55.52 L81
23 50.56600 3.00 1.80440 39.59 L82
24 -7.76194 120.0
[条件対応値]
n12=1.83481
n34=1.80440
ν12=42.72
ν34=39.59
r12=-1.27500
F =3.33
n11=1.51823
ν2n=51.47(負レンズL61)、51.47(負レンズL63)
r3A=4.01471
r3B=-4.48427
条件式(1)n12=1.83481
条件式(2)n34=1.80440
条件式(3)ν12=42.72
条件式(4)ν34=39.59
条件式(5)|r12/F|×n12=0.703
条件式(6)|n12−n11|=0.317
条件式(7)ν2n=51.47、51.47
条件式(8)(r3A−r3B)/F=2.55
表2に示す諸元の表から分かるように、本実施例に係る顕微鏡対物レンズでは、上記条件式(1)〜(8)を全て満たすことが分かる。
図4は、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差図であり、(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は倍率色収差、(d)はコマ収差、(e)は歪曲収差をそれぞれ示している。図4に示す各収差図から明らかであるように、第2実施例に係る顕微鏡対物レンズでは、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
なお、各実施例に係る顕微鏡対物レンズは、いずれも無限遠系補正型のレンズであるため、顕微鏡対物レンズの像側に結像レンズを配置し、顕微鏡対物レンズと結像レンズとの組み合わせにより有限光学系を形成している。ここで、図5及び表3を用いて、上記実施例で使用される結像レンズについて説明する。
図5は、上記各実施例において顕微鏡対物レンズと組み合わせて使用された結像レンズの構成図であり、物体側から順に並んだ、両凸レンズM11と両凹レンズM12との貼り合せからなる第1接合レンズM1と、両凸レンズM21と両凹レンズM22との貼り合せからなる第2接合レンズM2とから構成されている。表3は、この結像レンズの諸元値を示している。なお、表3において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序(以下、面番号と称する)を、面間隔は各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離を、屈折率は各レンズを構成するガラスのd線(波長587.6nm)に対する屈折率を、F´は結像レンズ全系の焦点距離をそれぞれ示している。
(表3)
[レンズ諸元]
F´=200
面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 レンズ名
1 75.043 5.1 1.62801 57.03 M11
2 -75.043 2.0 1.74950 35.19 M12
3 1600.580 7.5
4 50.260 5.1 1.66755 41.96 M21
5 -84.541 1.8 1.61266 44.41 M22
6 36.911
以上説明したように、本願によれば、高い開口数(NA1.4)を持ち、近紫外域から近赤外域まで高い透過性を有し、色収差を含む諸収差が十分に補正され、高い結像性能と像面の平坦性が確保された、顕微鏡対物レンズを提供することができる。
なお、以上のような本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明に係る要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
本発明の第1実施例に係る顕微鏡対物レンズのレンズ構成図である。 本発明の第1実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差図である。 本発明の第2実施例に係る顕微鏡対物レンズのレンズ構成図である。 本発明の第2実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差図である。 上記第1実施例及び第2実施例に係る顕微鏡対物レンズと組み合わせて用いられる結像レンズのレンズ構成図である。
符号の説明
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
Ln 第nレンズ成分(n=1〜8)
L11 第1レンズ成分を構成する平凸レンズ
L12 第1レンズ成分を構成する負メニスカスレンズ
L71 第7レンズ成分を構成する正レンズ
L72 第7レンズ成分を構成する負レンズ
L81 第8レンズ成分を構成する負レンズ
L82 第8レンズ成分を構成する正レンズ

Claims (4)

  1. 物体側から順に並んだ、
    物体側に平面を向けた平凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの接合レンズからなる第1レンズ成分を含み、物体からの発散光束を収斂光束に変換する、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    接合面が負の屈折力を有する接合レンズを含む第2レンズ群と、
    正レンズと負レンズとからなり、像側に凹面を向けた接合メニスカスレンズを含む前群と、負レンズと正レンズとからなり、物体側に凹面を向けた接合メニスカスレンズを含む後群とから構成され、全体として負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、
    前記第1レンズ群の前記第1レンズ成分を構成する前記負メニスカスレンズのd線に対する屈折率及びアッベ数をそれぞれn12及びν12とし、前記第3レンズ群の後群に含まれる前記接合メニスカスレンズを構成する正レンズのd線に対する屈折率及びアッベ数をそれぞれn34及びν34としたとき、次式
    1.8<n12<1.85
    1.8<n34<1.85
    35<ν12<50
    35<ν34<50
    の条件を満足することを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
  2. 前記第1レンズ成分を構成する接合レンズの接合面の曲率半径をr12とし、対物レンズ全系の焦点距離をFとし、前記第1レンズ成分を構成する前記負メニスカスレンズのd線に対する屈折率をn12とし、前記第1レンズ成分を構成する平凸レンズのd線に対する屈折率をn11としたとき、次式
    0.65<|r12/F|×n12<0.75
    0.27<|n12−n11|<0.40
    の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡対物レンズ。
  3. 前記第2レンズ群の接合レンズに含まれる負レンズのアッベ数をν2nとしたとき、次式
    ν2n>50
    の条件を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の顕微鏡対物レンズ。
  4. 前記第3レンズ群の前群に含まれる接合メニスカスレンズにおいて像側に向けた凹面の曲率半径をr3Aとし、前記第3レンズ群の後群に含まれる接合メニスカスレンズにおいて物体側に向けた凹面の曲率半径をr3Bとしたとき、次式
    2.4<(r3A−r3B)/F<2.8
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の顕微鏡対物レンズ。
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