JP2009075116A - タンパク質−タンパク質相互作用の解析および標識の方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な細胞シグナル伝達ネットワークの解析およびタンパク質−タンパク質相互作用の解析および標識するための新規の方法を提供する。
【解決手段】タンパク質の単一の型またはタンパク質の混合物へのタンパク質-タンパク質相互作用モジュールの特異的結合に基づいている。研究対象の系のシグナル伝達状態のためのプローブまたはセンサーとして多数の異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインを用いる。
【選択図】図1
【解決手段】タンパク質の単一の型またはタンパク質の混合物へのタンパク質-タンパク質相互作用モジュールの特異的結合に基づいている。研究対象の系のシグナル伝達状態のためのプローブまたはセンサーとして多数の異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインを用いる。
【選択図】図1
Description
政府財政的援助
本発明は、国立衛生研究所により授与された1 R01 CA82258-01による政府援助でなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
本発明は、国立衛生研究所により授与された1 R01 CA82258-01による政府援助でなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、一般的に、細胞シグナル伝達、および特に、タンパク質-タンパク質相互作用を解析および標識するための方法に関する。
本発明は、一般的に、細胞シグナル伝達、および特に、タンパク質-タンパク質相互作用を解析および標識するための方法に関する。
背景
増殖、分化、遺伝子発現、細胞骨格組織化または細胞生存のような重要な細胞機能は、細胞系の生物学的要求に適切な特異的応答へと続く細胞内シグナル伝達経路の活性化へと導く細胞外シグナルに依存している。シグナル伝達は、多数の異なるタンパク質を伴い、特異的なタンパク質-タンパク質相互作用は、細胞外シグナルの細胞内部への伝達において鍵となる事象である。多くのシグナル伝達分子は、結合機能を喪失することなく、最初のタンパク質から分離されうる約40個〜160個のアミノ酸から構成されるタンパク質-タンパク質相互作用モジュールとも呼ばれるドメイン(例えば、SH2ドメイン、SH3ドメイン、PTBドメイン、PDZドメインまたはWWドメイン)を含む。これらのドメインは、下流シグナル伝達が媒介される相補的な結合パートナーにおける短い直鎖状配列モチーフ(3個〜10個のアミノ酸)と特異的に相互作用するリガンド結合表面を含む。例えば、シグナル伝達に関与するチロシン-リン酸化タンパク質は、SH2ドメインまたはPTBドメインにより認識され、相互作用の特異性は、結合パートナーにおけるコア結合部位(SH2ドメインについてのpYxxΨまたはPTBドメインについてのNPxpY、pY = ホスホチロシン、N = アスパラギン、P = プロリン、Ψ = 疎水性アミノ酸およびxは相互作用に重要である任意のまたは選択されたアミノ酸を表す)のアミノ酸組成により決定される。対照的に、SH3ドメインまたはWWドメインは、SH3ドメインについての一般的な共通配列ΨpxΨPでプロリンリッチな配列に結合し、相互作用の特異性は、コア配列に隣接するN末端またはC末端局在性アミノ酸により追加的に規定される。これらのタンパク質-タンパク質相互作用の結合親和性は、10-8 M〜10-5 Mの範囲である(非特許文献1、2)。
増殖、分化、遺伝子発現、細胞骨格組織化または細胞生存のような重要な細胞機能は、細胞系の生物学的要求に適切な特異的応答へと続く細胞内シグナル伝達経路の活性化へと導く細胞外シグナルに依存している。シグナル伝達は、多数の異なるタンパク質を伴い、特異的なタンパク質-タンパク質相互作用は、細胞外シグナルの細胞内部への伝達において鍵となる事象である。多くのシグナル伝達分子は、結合機能を喪失することなく、最初のタンパク質から分離されうる約40個〜160個のアミノ酸から構成されるタンパク質-タンパク質相互作用モジュールとも呼ばれるドメイン(例えば、SH2ドメイン、SH3ドメイン、PTBドメイン、PDZドメインまたはWWドメイン)を含む。これらのドメインは、下流シグナル伝達が媒介される相補的な結合パートナーにおける短い直鎖状配列モチーフ(3個〜10個のアミノ酸)と特異的に相互作用するリガンド結合表面を含む。例えば、シグナル伝達に関与するチロシン-リン酸化タンパク質は、SH2ドメインまたはPTBドメインにより認識され、相互作用の特異性は、結合パートナーにおけるコア結合部位(SH2ドメインについてのpYxxΨまたはPTBドメインについてのNPxpY、pY = ホスホチロシン、N = アスパラギン、P = プロリン、Ψ = 疎水性アミノ酸およびxは相互作用に重要である任意のまたは選択されたアミノ酸を表す)のアミノ酸組成により決定される。対照的に、SH3ドメインまたはWWドメインは、SH3ドメインについての一般的な共通配列ΨpxΨPでプロリンリッチな配列に結合し、相互作用の特異性は、コア配列に隣接するN末端またはC末端局在性アミノ酸により追加的に規定される。これらのタンパク質-タンパク質相互作用の結合親和性は、10-8 M〜10-5 Mの範囲である(非特許文献1、2)。
現行の標識および検出技術
今日、タンパク質-タンパク質相互作用の検出における主要な問題は、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインの特異的および効率的な標識である。種々の実験方法がタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの標識に用いられうる。標識またはタギングは、組換え発現タンパク質の精製の前または後のいずれかに行われうる。タンパク質精製段階後のビオチンまたは125Iによるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの標識は、以前に記載されている(非特許文献3、4)。共有結合的カップリング方法の主な欠点は、標識反応の制御および予測できない結果である。不適当または過伸展の標識は、結果として、結合タンパク質の機能喪失およびバックグラウンドの増加を生じ、一方、低レベルの標識は、弱いシグナルの結果となる。
今日、タンパク質-タンパク質相互作用の検出における主要な問題は、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインの特異的および効率的な標識である。種々の実験方法がタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの標識に用いられうる。標識またはタギングは、組換え発現タンパク質の精製の前または後のいずれかに行われうる。タンパク質精製段階後のビオチンまたは125Iによるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの標識は、以前に記載されている(非特許文献3、4)。共有結合的カップリング方法の主な欠点は、標識反応の制御および予測できない結果である。不適当または過伸展の標識は、結果として、結合タンパク質の機能喪失およびバックグラウンドの増加を生じ、一方、低レベルの標識は、弱いシグナルの結果となる。
さらに、カップリングのための反応基の数がドメインとドメインで異なるため、標識効率はタンパク質-タンパク質ドメイン間で変動するものであり、標識の標準化および後の結合相互作用の定量化を不確定にさせる。標識条件は、各ドメインについて経験的に決定しなければならないため、組換えタンパク質の共有結合標識は、シグナル伝達ネットワークの解析、特に、多数の異なって標識されるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインが必要とされる場合には適さない。
タンパク質-タンパク質相互作用はまた、例えば、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインに対して作製された抗体により、前もっての標識なしに検出されうる。Luttrellらは、ファーウエスタンブロットにおいて、細胞タンパク質とのsrc-SH2ドメインの相互作用の検出のために抗src抗体を使用した(非特許文献5)。本発明にとって、必ずしも入手可能ではない多数の非交差反応の高特異的抗体が必要とされるため、この方法は適さない。さらに、異なる抗体はそれらの結合親和性の点で異なっており、結果としてシグナル強度が変動するため、タンパク質-タンパク質相互作用の定量化はむずかしい。
または、タンパク質-タンパク質相互作用は、融合タンパク質の一部として発現されており、かつ精製のために使用されるまたは精製タグに加えて融合タンパク質に挿入されているタグにより検出されうる。Kaelinらは、融合タンパク質の後の32P標識を可能にするプロテインキナーゼAのリン酸化部位を挿入した(非特許文献6)。最近、Zhaoらは、rasがN末端局在性GST精製タグとC末端SH3ドメインとの間に挿入されているベクター系を提示した(非特許文献7)。[γ-32P]GTPの融合タンパク質とのインキュベーションにより、rasが標識され、それによりタンパク質-タンパク質相互作用が検出される。これらの方法は、放射能によるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの均一な標識を可能にし、1つの標識のみが使用可能であり、それゆえ、異なるドメインの示差的標識が達成されえないという重大な欠点をもつ。さらに、Zhaoらにより記載された方法において、GTPの結合が共有結合ではないため、標識の解離が起こると考えられる。この標識方法が本発明の方法に概略が示されている競合アッセイ法に適用される場合、これは、結果として、未標識競合物質として挙動することを前提とされている他のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの標識化を生じる。
GST融合タンパク質の検出のためのGST抗体の適用
上記の標識および検出方法に加えて、精製タグに対して作製された抗体を使用することにより、タンパク質-タンパク質相互作用は、精製タグにより直接的に検出されうる。この方法は、GST融合タンパク質を適用するタンパク質相互作用の検出のためにTanakaらにより用いられた(非特許文献8)。本発明者らは、ファーウェスタンブロット法における細胞タンパク質との単一のSH2ドメイン相互作用の検出について、この方法を試験した(図2)。3T3線維芽細胞およびv-abl形質転換3T3線維芽細胞のタンパク質可溶化物は、モデル系として使用され、並行して調べられた。v-ablの非制御のキナーゼ活性のために、v-abl形質転換3T3線維芽細胞において、非形質転換細胞に対比して、強いチロシンリン酸化が生じた。2つの細胞可溶化物間のチロシンリン酸化の程度における差異は、チロシンリン酸化タンパク質の広域スペクトルを認識する一般に適用される抗体4G10で実証されうる(図2A)。ファーウェスタンブロット解析について、全細胞可溶化物が両方の細胞系から調製され、SDS-PAGEに等価量でかけられ、タンパク質はPVDF膜に転写された。膜のインキュベーションは、組換え発現GST-abl-SH2ドメインまたは対照としてのGST単独で行われた。GST融合は、組換えタンパク質の発現および精製のために広く用いられており、GST融合タンパク質は、すでに、タンパク質-タンパク質相互作用の研究への適用に成功している。結合および洗浄後、タンパク質-タンパク質相互作用は、GSTの未変性型に対して作製された抗GSTマウス抗体での化学ルミネセンス(ECL)で検出され、その後、西洋ワサビ-ペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギの抗マウス抗体とインキュベーションされた。図2Bに実証されているように、3T3細胞およびv-abl形質転換3T3細胞のチロシンリン酸化パターンにおける差異は、検出可能であり、4G10ホスホチロシン特異的抗体で得られたパターンに類似している。しかしながら、GST対照において観察された高バックグラウンドが、シグナル伝達パターンにおける差異の定量化および正確な同定についてこの方法を非常に不確定なものにさせる。バックグラウンドの高レベルをもつ類似の結果はまた、ビオチン化GST-abl-SH2ドメインがプローブとして使用され、検出がストレプトアビジン-HRPで行われた場合にも観察された(図2C)。さらに、分子診断法について現在使用可能な標識系(例えば、抗GST抗体)の有用性は、これらの系により生じた低いシグナル対ノイズ比の結果が、ほんの少数の例外(チロシンリン酸化の非常に高レベルを含むN54細胞のような)を除いて、細胞における特異的シグナルを検出することを不可能にさせるため、ひどく限定されている。
上記の標識および検出方法に加えて、精製タグに対して作製された抗体を使用することにより、タンパク質-タンパク質相互作用は、精製タグにより直接的に検出されうる。この方法は、GST融合タンパク質を適用するタンパク質相互作用の検出のためにTanakaらにより用いられた(非特許文献8)。本発明者らは、ファーウェスタンブロット法における細胞タンパク質との単一のSH2ドメイン相互作用の検出について、この方法を試験した(図2)。3T3線維芽細胞およびv-abl形質転換3T3線維芽細胞のタンパク質可溶化物は、モデル系として使用され、並行して調べられた。v-ablの非制御のキナーゼ活性のために、v-abl形質転換3T3線維芽細胞において、非形質転換細胞に対比して、強いチロシンリン酸化が生じた。2つの細胞可溶化物間のチロシンリン酸化の程度における差異は、チロシンリン酸化タンパク質の広域スペクトルを認識する一般に適用される抗体4G10で実証されうる(図2A)。ファーウェスタンブロット解析について、全細胞可溶化物が両方の細胞系から調製され、SDS-PAGEに等価量でかけられ、タンパク質はPVDF膜に転写された。膜のインキュベーションは、組換え発現GST-abl-SH2ドメインまたは対照としてのGST単独で行われた。GST融合は、組換えタンパク質の発現および精製のために広く用いられており、GST融合タンパク質は、すでに、タンパク質-タンパク質相互作用の研究への適用に成功している。結合および洗浄後、タンパク質-タンパク質相互作用は、GSTの未変性型に対して作製された抗GSTマウス抗体での化学ルミネセンス(ECL)で検出され、その後、西洋ワサビ-ペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギの抗マウス抗体とインキュベーションされた。図2Bに実証されているように、3T3細胞およびv-abl形質転換3T3細胞のチロシンリン酸化パターンにおける差異は、検出可能であり、4G10ホスホチロシン特異的抗体で得られたパターンに類似している。しかしながら、GST対照において観察された高バックグラウンドが、シグナル伝達パターンにおける差異の定量化および正確な同定についてこの方法を非常に不確定なものにさせる。バックグラウンドの高レベルをもつ類似の結果はまた、ビオチン化GST-abl-SH2ドメインがプローブとして使用され、検出がストレプトアビジン-HRPで行われた場合にも観察された(図2C)。さらに、分子診断法について現在使用可能な標識系(例えば、抗GST抗体)の有用性は、これらの系により生じた低いシグナル対ノイズ比の結果が、ほんの少数の例外(チロシンリン酸化の非常に高レベルを含むN54細胞のような)を除いて、細胞における特異的シグナルを検出することを不可能にさせるため、ひどく限定されている。
複雑なシグナル伝達ネットワークの定性的および定量的な特徴付けならびに主要な細胞型特異的シグナル伝達タンパク質の同定は、それがシグナル伝達の生理学的過程ならびに癌、自己免疫疾患および他の疾患のような多数のヒトの疾患におけるシグナル伝達の変化の理解を可能にすると考えられることから、非常に重要である。シグナル伝達ネットワークにおける詳細な洞察およびシグナル伝達における疾患関連の差異の同定は、特殊な薬剤の合理的な設計および開発のための新規の方法へと導く可能性がある。細胞または組織における結合相互作用のパターンはまた、分子診断学のための道具として、例えば、腫瘍の分類化において使用されうる。
一般的に、シグナル伝達経路および特異的タンパク質相互作用は、ウェスタンブロット解析、ファーウェスタンブロット法または共免疫沈降研究のような古典的な方法、およびタンパク質発現ライブラリーまたは2ハイブリッドアッセイ系の適用により調べられる。これらの適用のほとんどにおいて、単一のタンパク質-タンパク質相互作用が研究されている。シグナル伝達ネットワークの解析を可能にする技術は、現在、存在していない。複雑な細胞シグナル伝達ネットワークの解析および特徴付けのための新規の方法が必要とされている。
Sudol,M. From Src Homology domains to other signaling modules: proposal of the protein recognition code. Oncogene. 17:1469-74,1998. Pawson,T and Nash,P. Protein-protein interactions define specificity in signal transduction, Genes Dev. 14:1027-47,2000. Mayer, B.J., Jackson, P.K., and Baltimore, D. The noncatalytic src homology region 2 segment of abl tyrosine kinase binds to tyrosine-phosphorylated cellular proteins with high affinity, Pro Natl Acad Sci USA. 88:627-31,1991. Wood, E.R., McDonald, 0.B., and Sahyoun, N. Quantitative analysis of SH2 domain binding. Evidence for specificity and competition, J Biol Chem. 267:14138-44,1992. Luttrell, D.K., Lee,A., Lansing, T.J., Crosby, R.M., Jung, K.D., Willard, D., Luther, M., Rodriguez, M., Berman,J., and Gilmer,T.M. Involvement of pp60C-src with two major signaling pathways in human breast cancer, Proc Natl Acad Sci USA. 91:83-7,1994. Kaelin, W.G.,Jr., Pallas,D.C,, DeCaprio, J.A., Kaye, F.J., and Livingston, D.M. Identification of cellular proteins that can interact specifically with the T/E1A-binding region of the retinoblastoma gene product, Cell 64:521-32,1991. Zhao,Z., Manser,E., and Lim, L. Interaction between Pak and Nck: a template for Nck targets and role of Pak autophosphyorylation, Mol Cell Biol.20:3906-17,2000. Tanaka, S., Morishita, T., Hashimoto, Y., Hattori, S., Nakamura, S., Shibuya, M., Matuoka, K., Takenawa, T., Kurata, T., Nagashima, K., and Matsuda, M. C3G, a guanine nucleotide-releasing protein expressed ubiquitously, binds to the src homology 3 domains of CRK and GRB2/ASH protein, Proc Natl Acad Sci USA. 91:3443-47,1994.
Sudol,M. From Src Homology domains to other signaling modules: proposal of the protein recognition code. Oncogene. 17:1469-74,1998. Pawson,T and Nash,P. Protein-protein interactions define specificity in signal transduction, Genes Dev. 14:1027-47,2000. Mayer, B.J., Jackson, P.K., and Baltimore, D. The noncatalytic src homology region 2 segment of abl tyrosine kinase binds to tyrosine-phosphorylated cellular proteins with high affinity, Pro Natl Acad Sci USA. 88:627-31,1991. Wood, E.R., McDonald, 0.B., and Sahyoun, N. Quantitative analysis of SH2 domain binding. Evidence for specificity and competition, J Biol Chem. 267:14138-44,1992. Luttrell, D.K., Lee,A., Lansing, T.J., Crosby, R.M., Jung, K.D., Willard, D., Luther, M., Rodriguez, M., Berman,J., and Gilmer,T.M. Involvement of pp60C-src with two major signaling pathways in human breast cancer, Proc Natl Acad Sci USA. 91:83-7,1994. Kaelin, W.G.,Jr., Pallas,D.C,, DeCaprio, J.A., Kaye, F.J., and Livingston, D.M. Identification of cellular proteins that can interact specifically with the T/E1A-binding region of the retinoblastoma gene product, Cell 64:521-32,1991. Zhao,Z., Manser,E., and Lim, L. Interaction between Pak and Nck: a template for Nck targets and role of Pak autophosphyorylation, Mol Cell Biol.20:3906-17,2000. Tanaka, S., Morishita, T., Hashimoto, Y., Hattori, S., Nakamura, S., Shibuya, M., Matuoka, K., Takenawa, T., Kurata, T., Nagashima, K., and Matsuda, M. C3G, a guanine nucleotide-releasing protein expressed ubiquitously, binds to the src homology 3 domains of CRK and GRB2/ASH protein, Proc Natl Acad Sci USA. 91:3443-47,1994.
発明の概要
本発明者らは、複雑な細胞シグナル伝達ネットワークを解析かつ特徴付けるための新規の方法を発見した。方法は、タンパク質の単一型またはタンパク質の混合物へのタンパク質-タンパク質相互作用モジュールの特異的結合に基づいている。方法は、研究対象の系のシグナル伝達状態のためのプローブまたはセンサーとして、多数の異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインを使用する。
本発明者らは、複雑な細胞シグナル伝達ネットワークを解析かつ特徴付けるための新規の方法を発見した。方法は、タンパク質の単一型またはタンパク質の混合物へのタンパク質-タンパク質相互作用モジュールの特異的結合に基づいている。方法は、研究対象の系のシグナル伝達状態のためのプローブまたはセンサーとして、多数の異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインを使用する。
一つの態様において、生物学的検体から得られたタンパク質への選択されたタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの結合を測定するための方法が提供されている。方法は、(a)生物学的検体からタンパク質混合物を得ること;(b)タンパク質混合物を固体支持体へ固定化すること;(c)適当な結合条件下で固定化されたタンパク質混合物を複数の未標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインに接触させること;(d)段階(c)と同時にまたは段階(c)の後で、標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインが未標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインとは異なっている、少なくとも1つの標識され選択されたタンパク質-タンパク質相互作用ドメインに固定化されたタンパク質混合物を接触させること;および(e)標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインの結合を測定することを含む。
好ましくは、方法において企図される固体支持体は、膜、プラスチックまたはビーズを含む。好ましくは、方法のタンパク質混合物中のタンパク質は、変性しているまたは未変性である。好ましくは、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、ジンクフィンガー、リング(RING)フィンガー、WD40リピート、アルマジロリピート、アンキリンリピート、SH2ドメイン、SH3ドメイン、PTBドメイン、PDZドメイン、WWドメイン、EHドメイン、LIMドメイン、TPRドメイン、SAMドメイン、EVH1ドメインまたは他のモジュラードメインからなる群より選択される。より好ましくは、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、SH2ドメインまたはSH3ドメインである。タンパク質-タンパク質相互作用ドメインはまた、融合タンパク質でもありうる。標識および未標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインの濃度は、好ましくは、タンパク質混合物のそれよりも高い。好ましくは、結合について選択された単一のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインは標識されている。より好ましくは、結合について選択された複数のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、異なって標識されている。方法において企図される標識は、ビオチン化配列、抗体認識配列、およびフルオロフォアを含む。好ましくは、標識は、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)である。
本発明の第二の態様において、生物学的検体から得られたタンパク質へのタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの結合を測定するための方法が提供されている。方法は、(a)生物学的検体からタンパク質混合物を得ること;(b)タンパク質混合物を固体支持体へ固定化すること;(c)適当な結合条件下で固定化されたタンパク質混合物を複数の標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインに接触させること;および(d)標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインの結合を測定することを含む。好ましくは、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、オリゴヌクレオチドで標識されている。好ましくは、オリゴヌクレオチドは核酸類似体を含む。本発明の方法に使用されうるオリゴヌクレオチドは、DNA-オリゴヌクレオチド、タンパク質核酸、RNAオリゴヌクレオチド、およびチオエステル誘導体を含む。
本発明の第三の態様において、オリゴヌクレオチドがPCR増幅のためのプライマー結合部位として用いられうる2つの隣接配列をさらに含み、かつ内部配列が2つの隣接配列の間に挿入されている、タンパク質およびオリゴヌクレオチドを含む構築物が提供されている。内部配列は、好ましくは、選択されたタンパク質に対して異なる。構築物に使用されうるオリゴヌクレオチドは、DNA-オリゴヌクレオチド、タンパク質核酸、RNAオリゴヌクレオチド、核酸類似体、またはチオエステル誘導体を含む。好ましくは、構築物に使用されるタンパク質は、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインである。
本発明の第四の態様において、GST融合タンパク質の検出のための方法が提供されている。方法は、GSH結合体がグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質へ非共有結合的にカップリングされる、単一のGST融合タンパク質をグルタチオン(GSH)結合体で標識することを含む。好ましくは、GSH結合体は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を含む。
第五の態様において、不活性なタンパク質-タンパク質相互作用ドメインを作製する方法が提供されている。方法は、(a)反応混合物中のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインをGSHおよびエタクリン酸とインキュベートすること;(b)インキュベーション後に、低分子量の結合されていない分子を除去すること;および(c)未結合タンパク質-タンパク質相互作用ドメインを基質へ結合させることにより、反応混合物から未結合タンパク質-タンパク質相互作用ドメインを分離することの段階を含む。好ましくは、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、GST融合タンパク質である。好ましくは、基質は、GSH-セファロースビーズである。
最後に、生物学的検体の解析について多重結合アッセイ法を行う方法が提供されている。方法は、(a)第四の態様において記載されているように本発明の方法により作製された不活性なタンパク質-タンパク質相互作用ドメインを複数の標識分子とインキュベートすること;および(b)標識分子の結合を測定することを含む。好ましくは、分子は、タンパク質-タンパク質相互作用ドメイン、タンパク質、または抗体である。好ましくは、標識は、オリゴヌクレオチドまたは蛍光である。
詳細な説明
本発明の一つの態様は、図1に要約されており、アッセイ系の異なる構成要素は、下に詳細に記載されている。
本発明の一つの態様は、図1に要約されており、アッセイ系の異なる構成要素は、下に詳細に記載されている。
タンパク質試料
本発明のアッセイ法は、いずれの種類のタンパク質試料にも適用されうる。タンパク質は、限定されるものではないが、組織、体液、細胞培養物を含むいずれの生物学的検体からも得られうるまたは組換え発現方法により作製されうる。一つの態様において、組織、体液または細胞培養物からの全細胞タンパク質の調製は、当技術分野において用いられる標準的方法により行われる。もう一つの態様において、タンパク質は、例えば、インビトロの転写-翻訳系、組換え発現系により産生される、または微生物もしくは細胞の表面上にすでに発現されている(例えば、発現ライブラリー)。実験目的および研究対象のタンパク質-タンパク質相互作用の型に依存して、タンパク質は、変性型または未変性型のいずれかにおいて解析されうる。
本発明のアッセイ法は、いずれの種類のタンパク質試料にも適用されうる。タンパク質は、限定されるものではないが、組織、体液、細胞培養物を含むいずれの生物学的検体からも得られうるまたは組換え発現方法により作製されうる。一つの態様において、組織、体液または細胞培養物からの全細胞タンパク質の調製は、当技術分野において用いられる標準的方法により行われる。もう一つの態様において、タンパク質は、例えば、インビトロの転写-翻訳系、組換え発現系により産生される、または微生物もしくは細胞の表面上にすでに発現されている(例えば、発現ライブラリー)。実験目的および研究対象のタンパク質-タンパク質相互作用の型に依存して、タンパク質は、変性型または未変性型のいずれかにおいて解析されうる。
固定化のための固体表面
シグナル伝達ネットワークが解析されるタンパク質は、限定されるものではないが、膜(例えば、PVDFまたはニトロセルロース)、プラスチック表面(例えば、ポリスチレン)を含む固体支持体表面上に固定化される、または適当なビーズ(例えば、エポキシ活性化ビーズ)に共有結合的にカップリングされうる。固体表面へのタンパク質の結合またはカップリングは、標準的方法により行われる(「Antibodies, a Laboratory Manual」、Harlow, E.およびLane, D.編、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor NY、1988)。例えば、タンパク質試料は、膜に直接的にスポットされうる(ドット/スロットブロット)または膜上への転写の前に通常のSDS-PAGEにより分離されうる。解析前のタンパク質の分離は、特に、臨床試料のような複雑なタンパク質混合物が研究される場合、タンパク質-タンパク質相互作用プロファイルの特徴付けおよび特異的な結合パートナーの同定のために役に立ち、定量的情報に加えて定性的情報を提供すると考えられる。
シグナル伝達ネットワークが解析されるタンパク質は、限定されるものではないが、膜(例えば、PVDFまたはニトロセルロース)、プラスチック表面(例えば、ポリスチレン)を含む固体支持体表面上に固定化される、または適当なビーズ(例えば、エポキシ活性化ビーズ)に共有結合的にカップリングされうる。固体表面へのタンパク質の結合またはカップリングは、標準的方法により行われる(「Antibodies, a Laboratory Manual」、Harlow, E.およびLane, D.編、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor NY、1988)。例えば、タンパク質試料は、膜に直接的にスポットされうる(ドット/スロットブロット)または膜上への転写の前に通常のSDS-PAGEにより分離されうる。解析前のタンパク質の分離は、特に、臨床試料のような複雑なタンパク質混合物が研究される場合、タンパク質-タンパク質相互作用プロファイルの特徴付けおよび特異的な結合パートナーの同定のために役に立ち、定量的情報に加えて定性的情報を提供すると考えられる。
タンパク質-タンパク質相互作用ドメイン
いずれのタンパク質-タンパク質相互作用モジュールも本発明の方法において使用されうる。ドメインは、好ましくは、組換え発現技術により作製され、好ましくは、発現系に依存している細菌または他の混入しているタンパク質からの精製を可能にする融合タンパク質(例えば、GST融合タンパク質)である。競合的結合反応については、異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、好ましくは等モル濃度で、または生物学的目的に適切なように別な具合で与えられる。例えば、細胞から単離された相互作用する分子は一般的に、細胞タンパク質の全量と比較して低濃度で存在しているため、結合ドメインの濃度は、好ましくは、対応する固定化結合パートナーに対して大過剰(例えば、1ナノモルから10マイクロモルまで)である。
いずれのタンパク質-タンパク質相互作用モジュールも本発明の方法において使用されうる。ドメインは、好ましくは、組換え発現技術により作製され、好ましくは、発現系に依存している細菌または他の混入しているタンパク質からの精製を可能にする融合タンパク質(例えば、GST融合タンパク質)である。競合的結合反応については、異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、好ましくは等モル濃度で、または生物学的目的に適切なように別な具合で与えられる。例えば、細胞から単離された相互作用する分子は一般的に、細胞タンパク質の全量と比較して低濃度で存在しているため、結合ドメインの濃度は、好ましくは、対応する固定化結合パートナーに対して大過剰(例えば、1ナノモルから10マイクロモルまで)である。
結合は、好ましくは公知の緩衝液系、最も好ましくはタンパク質-タンパク質相互作用の研究のためにすでに使用されている緩衝液系(例えば、TBST緩衝液)において行われる。ドメインの親和性および型に依存して、反応は、好ましくは、室温または4℃で行われる。再生可能なシグナルは、一般的に、すぐに、例えば、結合、洗浄および検出の段階を含めて約1時間で、得られる。
現在、約145個の異なるヒトSH2ドメインおよび約276個の異なるヒトSH3ドメインが記載されており、本アッセイ法に適用されうる。ヒトゲノムプロジェクトの完成をもって、多数のタンパク質-タンパク質相互作用モジュールの全コレクションが近い将来、使用可能になると考えられる(2)。本発明の方法は、ヒト起源のモジュールに限定されず、生物学的目的に依存して、いずれの種のシグナル伝達モジュールも適用されうる。
タンパク質-タンパク質相互作用モジュールの標識
特定のタンパク質-タンパク質相互作用の検出および特徴付けについて、本発明の方法において適用される各タンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、好ましくは、標識される。標識ストラテジーに依存して、競合的結合アッセイ法は、2つの異なる方法で行われうる。本発明の一つの態様において、ただ1個のドメインのみが標識され、一方、反応混合物中のすべての他のドメインは標識されないままである。これらの条件下において、異なる結合ドメインとパターンを比較するために、いくつかの独立した結合反応が同じ固定化されたタンパク質で行われなければならない。別々の結合実験の数は、アッセイ法に与えられるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの数に依存する。異なる結合反応は、並行してか(例えば、タンパク質の同じ型および量が固定化されている複数のフィルターで)または結合の繰り返されるサイクルによる(例えば、前の結合反応において与えられた標識ドメインの除去後の同じフィルターで)かのいずれかで行われうる。
特定のタンパク質-タンパク質相互作用の検出および特徴付けについて、本発明の方法において適用される各タンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、好ましくは、標識される。標識ストラテジーに依存して、競合的結合アッセイ法は、2つの異なる方法で行われうる。本発明の一つの態様において、ただ1個のドメインのみが標識され、一方、反応混合物中のすべての他のドメインは標識されないままである。これらの条件下において、異なる結合ドメインとパターンを比較するために、いくつかの独立した結合反応が同じ固定化されたタンパク質で行われなければならない。別々の結合実験の数は、アッセイ法に与えられるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの数に依存する。異なる結合反応は、並行してか(例えば、タンパク質の同じ型および量が固定化されている複数のフィルターで)または結合の繰り返されるサイクルによる(例えば、前の結合反応において与えられた標識ドメインの除去後の同じフィルターで)かのいずれかで行われうる。
単一のドメインの標識およびそれらの検出は、いくつかの方法で達成されうる。簡単には、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインに融合されかつ精製のために使用されるドメインもしくはタグが検出のために使用されうる(例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)タグ)、またはビオチン化もしくは抗体認識配列のような付加タグが組換えDNA技術により融合遺伝子へ付加されうる。または、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、例えば、ビオチン化またはフルオロフォアの共有結合付着により、精製後に標識されうる。異なる標識ストラテジーの利点および欠点を下記で、より詳細に考察するつもりである。
本発明のもう一つの態様において、結合反応に関与するすべてのタンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、異なるタグで標識される。この方法は、すべての関連するタンパク質-タンパク質相互作用ドメインを単一の結合実験において定量的に測定させるという利点をもつ。しかしながら、この方法は、特に競合的結合アッセイ法に対して多数のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインが与えられる場合、使用可能であるまたは特異的に検出されうる異なるタグまたは標識の数に制限される。この問題を克服するために、本発明のもう一つの態様において、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、DNA-オリゴヌクレオチドおよび核酸類似体、例えば、タンパク質核酸、RNAオリゴヌクレオチド、チオエステル誘導体のような異なるオリゴヌクレオチドでタグを付けられる。各オリゴヌクレオチドは、各タンパク質-タンパク質相互作用ドメインに対して同一であり、かつ後のPCR増幅のためのプライマー結合部位として用いられる2つの隣接配列から構成される。好ましくは、内部配列は、2つの隣接配列の間に散在しており、各タンパク質-タンパク質相互作用ドメインに対して異なり、それによりドメインを定義する。個々のオリゴヌクレオチドのそれらの対応するタンパク質-タンパク質相互作用ドメインへの付着のための方法は、下に記載されている。
結合反応後、結合されたタンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、固体表面から溶出され、隣接配列に対応しているプライマーでのPCRにより増幅される。好ましくは、1つのプライマーは、例えば、ビオチンまたはフルオレセインにより標識され、結果として、PCR産物の標識化を生じる。増幅後、関連するタンパク質-タンパク質相互作用は、標識されかつ変性したPCR産物を例えば、内部配列に対応する相補的オリゴヌクレオチドが固定化されている逆ドットブロットまたはDNAチップに適用することにより定量的に測定される。異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインは、それらの固有の内部配列およびPCR産物が結合している逆ドットブロットまたはDNAチップ上の位置により、同定かつ定量される。
本発明の方法の現行の方法との比較
本発明の方法は、ファーウェスタンブロット法または他のフィルター結合アッセイ法のようなすでに確立された技術のさらに新規の改良である。これらの前の方法において、固定化されたタンパク質は、標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインとインキュベーションされて、結合相互作用の定性的および/または定量的測定を可能にしている。本発明と既存の方法との間の一つの主な違いは、同じ結合反応において競合的様式で反応する多数の異なるドメインの適用およびこの目的のための適切な標識技術の開発である。単一のドメインのみが結合反応のために与えられた以前に発表された方法とは対照的に、本発明の方法は、多数のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインが同じ反応において、それらの対応する結合パートナーに対して競合するため、特異的、高親和性の相互作用タンパク質を優先的に検出する可能性をもつ。これは、異なる特異的ドメインが重複する結合特異性を有するため、タンパク質相互作用モジュール(例えば、SH2)にとって非常に重要であり、それゆえ、結合アッセイ法が競合物質の不在下において行われる場合、多くの結合ドメインが標的への結合に対して競合しているインビボでは起こらない相互作用を検出している可能性が高い。
本発明の方法は、ファーウェスタンブロット法または他のフィルター結合アッセイ法のようなすでに確立された技術のさらに新規の改良である。これらの前の方法において、固定化されたタンパク質は、標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインとインキュベーションされて、結合相互作用の定性的および/または定量的測定を可能にしている。本発明と既存の方法との間の一つの主な違いは、同じ結合反応において競合的様式で反応する多数の異なるドメインの適用およびこの目的のための適切な標識技術の開発である。単一のドメインのみが結合反応のために与えられた以前に発表された方法とは対照的に、本発明の方法は、多数のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインが同じ反応において、それらの対応する結合パートナーに対して競合するため、特異的、高親和性の相互作用タンパク質を優先的に検出する可能性をもつ。これは、異なる特異的ドメインが重複する結合特異性を有するため、タンパク質相互作用モジュール(例えば、SH2)にとって非常に重要であり、それゆえ、結合アッセイ法が競合物質の不在下において行われる場合、多くの結合ドメインが標的への結合に対して競合しているインビボでは起こらない相互作用を検出している可能性が高い。
GST融合タンパク質の検出のための新規な方法
先行技術の標識および検出の技術的問題を克服するために、本発明者らは、GST融合タンパク質の検出のための新規の方法を発明した。方法は、グルタチオン(GSH)のGSTへの特異的結合に基づいており、グルタチオン西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体(GSH-HRP)でのGST融合タンパク質の標識を可能にする。標識方法およびその適用は、図3に示されている。しかしながら、GSHは、GSHに化学的に架橋結合し、それによって標識に使用されうるいずれの他の物質とも結合化されうる。GSH-HRPは、市販され入手可能で(例えば、シグマ(Sigma))、比較的安定かつ安価であり、酵素結合アッセイ法またはドットブロット法においてGST融合タンパク質の検出のために以前に使用されていた(9)。
先行技術の標識および検出の技術的問題を克服するために、本発明者らは、GST融合タンパク質の検出のための新規の方法を発明した。方法は、グルタチオン(GSH)のGSTへの特異的結合に基づいており、グルタチオン西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体(GSH-HRP)でのGST融合タンパク質の標識を可能にする。標識方法およびその適用は、図3に示されている。しかしながら、GSHは、GSHに化学的に架橋結合し、それによって標識に使用されうるいずれの他の物質とも結合化されうる。GSH-HRPは、市販され入手可能で(例えば、シグマ(Sigma))、比較的安定かつ安価であり、酵素結合アッセイ法またはドットブロット法においてGST融合タンパク質の検出のために以前に使用されていた(9)。
この標識技術をタンパク質-タンパク質相互作用の検出に適用するために、GSH-HRP結合体は、GSTに融合された単一のタンパク質相互作用ドメインと短時間の間、あらかじめインキュベートされた。反応混合物は、その後、さらなる精製をせず、前に記載されているように、3T3細胞およびv-abl形質転換3T3細胞の可溶化物が転写されている膜へ直接的に適用された。1時間未満に行われうるインキュベーションおよび洗浄後、シグナルは、化学ルミネセンスにより直接的に検出される。図2Dおよび図4にファーウェスタンブロットについて示されているように、異なるSH2またはSH3ドメインで強くかつ特異的なシグナルが得られ、アッセイがGST単独で行なわれる場合、事実上、検出可能なバックグラウンドはない(図2D)。
試験的な実験において、同じアッセイ法が、様々な型のヒト白血病から得られた全細胞タンパク質可溶化物に適用された(図5Aおよび図5B)。abl-SH2またはcrk-SH2がタンパク質-タンパク質相互作用の検出のためのプローブとして使用された場合、チロシンリン酸化結合部位の異なるパターンが白血病の異なる型において検出可能であった。ホスホチロシン特異的抗体4G10が同じフィルターに適用された場合、シグナルは、せいぜい、かろうじて検出可能である程度であり(データ示さず)、チロシンリン酸化のパターンは、GST融合タンパク質の標識がGSH-HRP結合体で行われた場合、非常に高い感度および特異性をもって検出されうることを示している。
本発明の検出方法は、GST融合タンパク質が使用されるいずれのタンパク質-タンパク質相互作用を検出するのにも、簡単、迅速および効率的に適用されうる。理論に結び付けられることを望むわけではないが、この方法により達成される低バックグラウンドレベルは、正しく折り畳まれており、それゆえ機能的に無傷でかつGSH-HRP結合体を結合する能力がある、調製物中の融合タンパク質の画分のみの標識のためである可能性が最も高い。多くの他の標識および/または検出技術において、すべての融合タンパク質がそれらの機能的状態にかかわらず検出され、これらの方法により得られるより高いバックグラウンドレベルは変性したおよび/または凝集したプローブのためであることを示している。
GSH-HRP結合体のGST融合タンパク質への非共有結合付着は、結合反応が多くの異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインで行われる、例えば、本発明の競合アッセイ法である場合、不確定でありうる。この場合、GSH結合体は、標識ドメインから解離して、反応混合物中の他の競合しているGST融合タンパク質に結合することができ、単一のドメインにより媒介された相互作用の正確な測定および定量化を不可能にさせる。この問題を解決するために、本発明者らは、GSHのGST融合タンパク質への共有結合付着により、競合物質におけるGSH結合部位をブロックする追加的な方法を発明した。
GSHのGSTへの共有結合的カップリングおよびブロッキングのための新規な方法
グルタチオン-S-トランスフェラーゼは、多数の毒性化合物へのGSHの結合を触媒することにより解毒において重要な役割を果たすアイソザイムの大グループを構成している(9)。エタクリン酸は、GSTの強力な阻害剤として知られており、グルタチオン-エタクリン酸結合体としてGSTの触媒ドメインへの共有結合によりGSTの酵素活性をブロックするものと想定される(10)。本発明者らは、GSHのGST融合タンパク質への共有結合付着のためにエタクリン酸の性質を用い、それにより、後の結合反応においてGSH-HRP結合体へ結合する競合物質の能力をブロックした(図6)。この目的のために、タンパク質-タンパク質相互作用ドメイン(GST融合タンパク質)は、GSHおよびエタクリン酸と、別々にインキュベートされる。反応後、低分子量(GSHおよびエタクリン酸)の結合されていない分子は、例えば、ゲル濾過により除去され、未結合のGST融合タンパク質は、例えば、GSH-セファロースビーズに結合させることにより反応混合物から分離される。この方法を適用して、本発明者らは、結合化に関して凍結と解凍の繰り返されるサイクル後、4℃で数日間、安定であったGSH-エタクリン酸結合化GST融合タンパク質を得た(データ示さず)。標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインと競合する結合体の能力を試験するために、本発明者らは、GSH-HRPで標識されたSH2ドメインをGSH-HRPに対する結合がGSH-エタクリン酸結合化によりブロックされているSH2ドメインと共インキュベートした。対応するGSH-エタクリン酸結合化ドメインが標識されたドメインに対して10倍過剰で与えられる場合、ファーウェスタンブロットにおいて、標識されたablまたはcrk SH2ドメインの結合は、大いに低下した(図7)。これらの結果は、GSH-HRPの競合しているドメインへの所望されていない結合が競合物質のGSHおよびエタクリン酸との事前のインキュベーションにより簡単かつ効率的にブロックされうることを実証している。
グルタチオン-S-トランスフェラーゼは、多数の毒性化合物へのGSHの結合を触媒することにより解毒において重要な役割を果たすアイソザイムの大グループを構成している(9)。エタクリン酸は、GSTの強力な阻害剤として知られており、グルタチオン-エタクリン酸結合体としてGSTの触媒ドメインへの共有結合によりGSTの酵素活性をブロックするものと想定される(10)。本発明者らは、GSHのGST融合タンパク質への共有結合付着のためにエタクリン酸の性質を用い、それにより、後の結合反応においてGSH-HRP結合体へ結合する競合物質の能力をブロックした(図6)。この目的のために、タンパク質-タンパク質相互作用ドメイン(GST融合タンパク質)は、GSHおよびエタクリン酸と、別々にインキュベートされる。反応後、低分子量(GSHおよびエタクリン酸)の結合されていない分子は、例えば、ゲル濾過により除去され、未結合のGST融合タンパク質は、例えば、GSH-セファロースビーズに結合させることにより反応混合物から分離される。この方法を適用して、本発明者らは、結合化に関して凍結と解凍の繰り返されるサイクル後、4℃で数日間、安定であったGSH-エタクリン酸結合化GST融合タンパク質を得た(データ示さず)。標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインと競合する結合体の能力を試験するために、本発明者らは、GSH-HRPで標識されたSH2ドメインをGSH-HRPに対する結合がGSH-エタクリン酸結合化によりブロックされているSH2ドメインと共インキュベートした。対応するGSH-エタクリン酸結合化ドメインが標識されたドメインに対して10倍過剰で与えられる場合、ファーウェスタンブロットにおいて、標識されたablまたはcrk SH2ドメインの結合は、大いに低下した(図7)。これらの結果は、GSH-HRPの競合しているドメインへの所望されていない結合が競合物質のGSHおよびエタクリン酸との事前のインキュベーションにより簡単かつ効率的にブロックされうることを実証している。
GSH-HRPの競合している結合ドメインへの結合のブロッキングのための適切な方法を確立した後、本発明者らは、本発明の競合的結合アッセイ法を試験することができた。単一のGSH-HRP標識SH2ドメインは、GSH-結合部位がGSHおよびエタクリン酸との事前のインキュベーションによりあらかじめブロックされた3個の異なる未標識SH2ドメインの存在下においてファーウェスタンブロット法にかけられた。3T3線維芽細胞およびv-abl形質転換3T3線維芽細胞の全細胞タンパク質は、上記のように、モデル系として使用された。標識Abl SH2ドメインがCrk、GapおよびGrb2の未標識ドメインとインキュベートされた場合、Abl、Crk、GapおよびGrb2の未標識SH2ドメインと共インキュベートされたCrkまたはGapの標識SH2ドメインについて、それぞれ観察されるパターンと比較して、チロシンリン酸化のパターンは異なっていた(図8)。データは、異なる標識および未標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインがファーウェスタンブロット法において同時に与えられる場合、示差的なシグナル伝達プロファイルが検出されうることを実証しており、本発明の競合アッセイ法が細胞型特異的タンパク質-タンパク質相互作用プロファイルの同定および定量化に適用されうることを証明している。
さらに、本発明の競合アッセイ法は、タンパク質-タンパク質相互作用ドメインだけでなく、タンパク質および抗体にも適用されうる。このアッセイ法が、例えば、白血病のような臨床的検体の分析のために適用される場合、シグナル伝達プロファイルにおける差異が検出可能であることは、大きな関心対象になると考えられる。ようなプロファイルは、細胞および組織の試料の分子的診断のために、例えば、類似した腫瘍を組織学的に分類するにおいて、有用である。
新規標識方法についてのさらなる適用
原則として、エタクリン酸を用いてGSHをGST融合タンパク質に共有結合的に付着させる本発明の方法は、GSHと以前に結合化されたいずれの分子にも適用されうる。GSHのタンパク質への結合化は、還元型GSHの遊離スルフヒドリルへのスクシンイミドエステル媒介性またはマレイミド媒介性共有結合付着のような標準的方法により達成される。これは、例えば、異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの異なるフルオロフォアまたはGSHと以前に結合化されたことがある他の標識への共有結合的カップリングを可能にする。これらのプローブは、その後、単一の競合的結合反応に同時に与えられ、例えば、示差的検出のためのフルオロフォアの異なる励起および発光のスペクトルを使用する蛍光画像処理により、個々のタンパク質-タンパク質相互作用が測定されうる。
原則として、エタクリン酸を用いてGSHをGST融合タンパク質に共有結合的に付着させる本発明の方法は、GSHと以前に結合化されたいずれの分子にも適用されうる。GSHのタンパク質への結合化は、還元型GSHの遊離スルフヒドリルへのスクシンイミドエステル媒介性またはマレイミド媒介性共有結合付着のような標準的方法により達成される。これは、例えば、異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの異なるフルオロフォアまたはGSHと以前に結合化されたことがある他の標識への共有結合的カップリングを可能にする。これらのプローブは、その後、単一の競合的結合反応に同時に与えられ、例えば、示差的検出のためのフルオロフォアの異なる励起および発光のスペクトルを使用する蛍光画像処理により、個々のタンパク質-タンパク質相互作用が測定されうる。
「多重化」にとって、共有結合でまたは共有結合に近い付着であるべきである。例えば、化学的架橋によりGSTに共有結合的に連結されている担体タンパク質へGSHおよびフルオロフォアの両方が結合化される;またはGST融合体が固有の部位でビオチン化され、かつフルオロフォアがビオチンに非常に密接に結合するストレプトアビジンにカップリングされているなど。「多重化」方法は、明らかに、固体表面に固定化されたタンパク質調製物のシグナル伝達プロファイルの測定に限定されず、他の設定、例えば、個々の細胞におけるタンパク質-タンパク質相互作用の検出のための競合的様式においても適用されうる。この目的のために、細胞は適当な表面上で組織培養において増殖されるかまたは組織切片が用いられ、細胞は固定化され、透過性にされて、その後、異なる標識プローブとインキュベートされ、特異的結合パートナーの細胞下の局在が蛍光顕微鏡により測定されることを可能にする。
さらに、本発明の標識方法は、すでに上で記載されているような異なるDNA-オリゴヌクレオチドを有する多数のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの標識のために用いられうる。例えば、それらの内部塩基構成において固有であるビオチン化オリゴヌクレオチドが、GSHがあらかじめ付着された固体支持体(例えば、ストレプトアビジン)に結合される。活性がありかつ正しく折り畳まれているタンパク質のみが確実に標識されるために、共有結合的に連結されるプローブは、好ましくは、GSHアガロースへの1ラウンドの結合によりさらに精製され、その後、結合できる画分のみが溶出される。各DNA-GSH-ストレプトアビジン結合体は、その後、エタクリン酸とのインキュベーションにより、個々のビオチン化タンパク質-タンパク質相互作用ドメインにカップリングされる。ストレプトアビジン-ビオチン相互作用の極めて高い親和性(kd約10-14 M)がこのカップリングを本質的に不可逆性にする。異なる標識ドメインは、精製され、単一の結合反応において固定化されたタンパク質に適用され、例えば、上記のように逆ドットブロットによりまたはDNAチップ上においてタンパク質-タンパク質相互作用の同定を可能にする。
結合相互作用プロファイル解析のための本発明の新規な方法は、競合的様式における多数の異なるタンパク質-タンパク質相互作用ドメインのそれらの対応する結合パートナーへの結合に基づいており、高親和性相互作用の同定を可能にする。複雑なタンパク質-タンパク質相互作用の解析は、標識および検出が本明細書に記載される新しく確立された標識技術をもって行われる場合に実現されうる。アッセイ法は、様々な系におけるタンパク質-タンパク質相互作用の特徴付けおよび定量化のために広く用いることができ、細胞のシグナル伝達経路における疾患関連の差異の検出に適用が可能で、疾患の治療のための新規の予知マーカーまたは治療的ストラテジーの発見および開発の可能性をもっている。
本明細書に挙げられているすべての刊行物、特許出願、特許および他の参照文献は、その全体が参照として組み入れられている。さらに、材料、方法および実施例は、例証となるのみであり、限定することを意図されるものではない。矛盾する場合、定義を含む本明細書が支配する。
Claims (28)
- 以下の段階を含む、生物学的検体から得られるタンパク質への選択されたタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの結合を測定するための方法:
(a)生物学的検体からタンパク質混合物を得る段階;
(b)タンパク質混合物を固体支持体へ固定化する段階;
(c)適当な結合条件下で固定化されたタンパク質混合物を複数の未標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインに接触させる段階;
(d)段階(c)と同時にまたは段階(c)の後に、標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインが未標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインとは異なっている、少なくとも1つの標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインと固定化されたタンパク質混合物を接触させる段階;および
(e)標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインの結合を測定する段階。 - 固体支持体が膜、プラスチックまたはビーズを含む、請求項1記載の方法。
- タンパク質混合物中のタンパク質が変性している、請求項1記載の方法。
- タンパク質混合物中のタンパク質が未変性である、請求項1記載の方法。
- タンパク質-タンパク質相互作用ドメインがジンクフィンガー、リングフィンガー、WD40リピート、アルマジロリピート、アンキリンリピート、SH2ドメイン、SH3ドメイン、PTBドメイン、PDZドメイン、WWドメイン、EHドメイン、LIMドメイン、TPRドメイン、SAMドメイン、EVH1ドメインまたは他のモジュールドメインからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
- タンパク質-タンパク質相互作用ドメインがSH2ドメインまたはSH3ドメインである、請求項1記載の方法。
- 標識および未標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインの濃度がタンパク質混合物のそれよりも高い、請求項1記載の方法。
- 結合について選択された単一のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインが標識されている、請求項1記載の方法。
- 結合について選択された複数のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインが異なって標識されている、請求項1記載の方法。
- 標識がビオチン化配列、抗体認識配列およびフルオロフォアからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
- 標識がグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)である、請求項1記載の方法。
- タンパク質-タンパク質相互作用ドメインが融合タンパク質である、請求項1記載の方法。
- 以下の段階を含む、生物学的検体から得られるタンパク質へのタンパク質-タンパク質相互作用ドメインの結合を測定するための方法:
(a)生物学的検体からタンパク質混合物を得る段階;
(b)タンパク質混合物を固体支持体へ固定化する段階;
(c)適当な結合条件下で固定化されたタンパク質混合物を複数の標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインに接触させる段階;および
(d)標識タンパク質-タンパク質相互作用ドメインの結合を測定する段階。 - タンパク質-タンパク質相互作用ドメインがオリゴヌクレオチドで標識されている、請求項13記載の方法。
- オリゴヌクレオチドが核酸類似体を含む、請求項14記載の方法。
- オリゴヌクレオチドがDNA-オリゴヌクレオチド、タンパク質核酸、RNAオリゴヌクレオチドまたはチオエステル誘導体である、請求項14記載の方法。
- オリゴヌクレオチドがPCR増幅のためのプライマー結合部位として用いられうる2つの隣接配列をさらに含み、かつ内部配列が2つの隣接配列の間に挿入されており、該内部配列が選択されたタンパク質に対して異なっている、タンパク質およびオリゴヌクレオチドを含む構築物。
- オリゴヌクレオチドがDNA-オリゴヌクレオチド、タンパク質核酸、RNAオリゴヌクレオチド、核酸類似体またはチオエステル誘導体である、請求項17記載の構築物。
- タンパク質がタンパク質-タンパク質相互作用ドメインである、請求項17記載の構築物。
- グルタチオン(GSH)結合体がグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質に非共有結合的にカップリングされる、単一のグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質をグルタチオン(GSH)結合体で標識することを含むGST融合タンパク質の検出のための方法。
- GSH結合体が西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を含む、請求項20記載の方法。
- 以下の段階を含む、不活性なタンパク質-タンパク質相互作用ドメインを作製する方法:
(a)反応混合物中のタンパク質-タンパク質相互作用ドメインをGSHおよびエタクリン酸とインキュベートする段階;および
(b)未結合タンパク質-タンパク質相互作用ドメインを基質へ結合させることにより反応混合物から未結合タンパク質-タンパク質相互作用ドメインを分離する段階。 - 段階(a)の後に、低分子量の結合されていない分子が除去される、請求項22記載の方法。
- タンパク質-タンパク質相互作用ドメインがGST融合タンパク質である、請求項22記載の方法。
- 基質がGSH-セファロースビーズである、請求項22記載の方法。
- 以下の段階を含む、生物学的検体の解析のための多重結合アッセイを行う方法:
(a)請求項22記載の複数の不活性なタンパク質-タンパク質相互作用ドメインを単一の標識分子とインキュベートする段階;および
(b)標識分子の結合を測定する段階。 - 分子がタンパク質-タンパク質相互作用ドメイン、タンパク質または抗体である、請求項25記載の方法。
- 標識がオリゴヌクレオチドまたは蛍光である、請求項25記載の方法。
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