JP2009074519A - 可変動弁装置の調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カム軸の回転に対するバルブの開弁特性を高い精度で調整することのできる可変動弁装置の作用角調整方法を提供する。
【解決手段】可変機構130、アクチュエータ機構140、カム軸120等をカムキャリア192に組み付ける。モータ144を所定角度回転させた場合のカム面高さΔhを計測する。カム面高さΔhの計測値と、モータ144の回転角に対応して規定されたカム面高さΔhの目標値とを比較する。計測値と目標値とが一致するように、カム面高さΔhの目標値と当該目標値を実現するためのモータ144の回転角との関係を書き換える。また、モータ144の応答特性が目標応答特性に一致するように、当該カム面高さΔhの目標値とモータ144の回転速度との関係を書き換える。カム面高さΔhは、好ましくは制御軸132の外周面から揺動カム面152までの高さを計測する。
【選択図】図6

Description

この発明は、可変動弁装置の調整方法に係り、特に、可変動弁装置の作用角を調整するための可変動弁装置の調整方法に関する。
従来、例えば、特開2007−64181号公報に開示されるように、エンジンの運転状況に応じてバルブのリフト量、作用角、バルブタイミングといったカム軸の回転に対するバルブの開弁特性を機械的に変更することのできる可変動弁装置が知られている。この可変動弁装置は、カム軸と平行に設けられた制御軸に制御アームが固定され、この制御アームにリンクアームの一方の端部が揺動自在に取り付けられている。また、制御軸には揺動カムアームが揺動自在に取り付けられ、その揺動カム面にロッカーアームが押し当てられている。リンクアームには、互いに独立回転可能な第1ローラと第2ローラとが同心に取り付けられており、第1ローラはカム軸の駆動カムに当接し、第2ローラは揺動カムアームのスライド面に当接している。
このような構成によれば、制御軸の回転により制御アームの回転位置が変更されることで、リンクアームが揺動して制御軸から揺動カムアームと第2ローラとの当接箇所までの距離が変化し、これによりバルブのリフト量と作用角とが変更される。また、カム軸の同じ回転角度位置において、第1ローラと当接する駆動カムの周方向位置が変化することにより、同時にバルブタイミングも変更される。このように、モータにより制御軸の回転角を制御することで、バルブのリフト量、作用角、バルブタイミングを同時に変更することができる。
また、上記従来の可変動弁装置においては、カム軸の回転に対するバルブの開弁特性を気筒毎に容易に且つ高い精度で調整することができる。具体的には、この可変動弁装置には、一部が制御軸から突出するように圧入された固定ピンに自在リンクが回転自在に係合されている。また、制御アームの突出部には長穴が設けられるとともに、当該突出部の長穴に挿入された固定ボルトが自在リンクに締結されている。そして、突出部と自在リンクとの間には、調整シムが組み込まれている。このような構成によれば、固定ボルトを緩め、厚さの異なる調整シムに交換し、その後固定ボルトを再び締結するという作業のみで、制御アームの制御軸への取り付け角度を調整することができる。
特開2007−64181号公報 特開2006−161730号公報
ところで、上記従来の可変動弁装置においては、気筒毎に最適な調整シムの選定が必要となる。このため、制御軸が所定の角度(例えば、最も小作用角側)に位置している場合の揺動アームの取り付け位置(角度)を測定し、これが所定の位置(角度)となるように、調整シムを選定することとしている。しかしながら、上述した方法では、可変動弁装置が静止した状態で測定を行うため、これらの可変動弁装置を実際に作動させた場合に重畳する誤差、すなわち、アクチュエータ部において発生するバックラッシの影響、各種構成部品の製造誤差、取り付け誤差等については補正することができない。このため、これらの誤差要因をも補正可能な可変動弁装置の作用角調整方法が望まれていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、カム軸の回転に対するバルブの開弁特性を高い精度で調整することのできる可変動弁装置の作用角調整方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、回転角度を変更可能な制御軸と前記制御軸の回転角に連動して揺動する揺動カムアームとを有する可変機構部と、モータと前記モータの回転を前記制御軸に伝達するためのギアとを有するアクチュエータ部と、を有し、前記アクチュエータ部により前記制御軸を回転させることによって、カム軸の回転に対するバルブの開弁特性を変化させる可変動弁装置の調整方法であって、
前記可変動弁装置と前記カム軸とをカムキャリアに組み付ける組み付け工程と、
前記モータを所定角度回転させた場合の、前記揺動カムアームにおける揺動カム面高さを計測する計測工程と、
前記揺動カム面高さの計測値と、前記モータの回転角に対応して規定された前記揺動カム面高さの目標値とを比較する比較工程と、
前記計測値と前記目標値とが一致するように、前記可変動弁装置を調整する調整工程と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記計測工程は、前記揺動カム面高さとして、前記制御軸の外周面から前記揺動カム面までの高さを計測することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記調整工程は、
前記目標値が前記計測値に一致するように、前記目標値と当該目標値を実現するための前記モータの回転角との関係を書き換える回転角書き換え工程を含むことを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記調整工程は、
前期モータを駆動して前記揺動カム面高さを目標値に変化させる場合に、前記モータの応答特性が目標応答特性に一致するように、前記揺動カム面高さと前記モータの回転速度との関係を書き換える回転速度書き換え工程を更に含むことを特徴とする。
また、第5の発明は、第1または第2の発明において、
前記調整工程は、
前記計測値が前記目標値と一致するように、前記制御軸と前記揺動カムアームとの相対的な位置関係を、調整シムを用いて調整することを特徴とする。
複数の部品を組み合わせてなる可変動弁装置では、構成部品の製造誤差や組み立て誤差等によって、バルブの開弁特性にばらつきが生じる場合がある。第1の発明によれば、可変機構部とアクチュエータ部とを有する可変動弁装置とカム軸とがカムキャリアに組み付けられる。そして、実際にモータを駆動して制御軸を回転させた場合の揺動カムアームにおける揺動カム面高さの計測値と当該モータの回転角に対応して規定された揺動カム面高さの目標値とが一致するように、可変動弁装置の調整が行われる。このため、本発明によれば、アクチュエータ部に発生するバックラッシ等の誤差要因を排除し、バルブの開弁特性を高い精度で調整することができる。
第2の発明によれば、揺動カムアームにおける揺動カム面から当該揺動カムアームの近傍に位置する制御軸の外周面までの高さ(揺動カム面高さ)を計測し、制御軸を回転させた場合の当該カム面高さの計測値に基づいて、可変動弁装置の調整が行われる。このため、本発明によれば、軸剛性等によるばらつき要因を排除した揺動カム面高さを高精度に計測することができるので、バルブの開弁特性を高い精度で調整することができる。
第3の発明によれば、揺動カム面高さの目標値が計測値に一致するように、目標値と当該目標値を実現するためのモータの回転角との関係が書き換えられる。このため、本発明によれば、揺動カム面高さとこれに対応するモータの回転角との関係を適切に設定することができる。
揺動カム面高さとこれに対応するモータの回転角との関係を書き換えると、モータを駆動して揺動カム面高さを目標値に変化させる際のモータの応答特性が最適値から外れてしまう。第4の発明によれば、揺動カム面高さとこれに対応するモータの回転角との関係を書き換える場合に、最適なモータの応答特性が維持されるように、揺動カム面高さとモータの回転速度との関係が最適な応答特性となるように書き換えられる。このため、本発明によれば、モータの応答特性を適切に設定することができる。
第5の発明によれば、揺動カム面高さの計測値が目標値に一致するように、制御軸と揺動カムアームとの相対的な位置関係が調整シムを用いて調整される。このため、本発明によれば、揺動カム面高さとこれに対応するモータの回転角との関係を適切に設定することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
[実施の形態の構成]
図1は、本実施の形態にかかる可変動弁装置100の構成を示す側面視図である。本可変動弁装置100は、ロッカーアーム方式の機械式動弁機構を有し、カム軸120の回転運動がカム軸120に設けられた駆動カム122によってロッカーアーム110の揺動運動に変換され、ロッカーアーム110に支持されるバルブ104の上下方向へのリフト運動に変換される。駆動カム122は、プロフィールの異なる2つのカム面124a,124bを有している。一方のカム面である非作用面124aはカム基礎円の周面であり、カム軸120の中心からの距離を一定に形成されている。他方のカム面である作用面124bはカム軸120の中心からの距離が次第に大きくなり、頂部を越えた後に次第に小さくなるように形成されている。本明細書では、非作用面124aと作用面124bとの双方を区別しないときには、単に駆動カム面124と表記する。
本可変動弁装置100では、駆動カム122によって直接、ロッカーアーム110を駆動するのではなく、駆動カム122とロッカーアーム110との間に可変機構130を介在させている。可変機構130は、駆動カム122の回転運動とロッカーアーム110の揺動運動との連動状態を連続的に変化させることができる機構である。本可変動弁装置100は、この可変機構130を可変制御することによりロッカーアーム110の揺動量や揺動タイミングを変化させて、リフト量、作用角、バルブタイミングといったバルブ104の開弁特性を連続的に変更できるようになっている。以下、可変機構130について更に詳細に説明する。
可変機構130は、カム軸120に平行な制御軸132を含んでいる。制御軸132の回転角度は、後述するモータ144によって任意の角度に制御することができる。制御軸132には制御アーム162が固定されている。制御アーム162は制御軸132の径方向に突出しており、その突出部に弧状のリンクアーム164が取り付けられている。リンクアーム164の後端部は、ピン166によって制御アーム162に回転自在に連結されている。ピン166の位置は制御軸132の中心から偏心しており、このピン166がリンクアーム164の揺動支点となる。
また、制御軸132には、揺動カムアーム150が揺動可能に支持されている。揺動カムアーム150は、その先端を駆動カム122の回転方向の上流側に向けて配置されている。揺動カムアーム150の駆動カム122に対向する側には、後述する第2ローラ174に接触するスライド面156が形成されている。スライド面156は、駆動カム122側に緩やかに湾曲するとともに、揺動中心である制御軸132の中心から遠くなるほど駆動カム122のカム基礎面(非作用面124a)との距離が大きくなるように形成されている。
揺動カムアーム150におけるスライド面156と逆の側には、揺動カム面152(152a,152b)が形成されている。揺動カム面152は、プロフィールの異なる非作用面152aと作用面152bとから構成されている。非作用面152aは、カム基礎円の周面であり、制御軸132の中心からの距離を一定に形成されている。一方、作用面152bは、揺動カムアーム150の先端側に設けられ、非作用面152aに滑らかに連続するように接続されるとともに、揺動カムアーム150の先端に向けて制御軸132の中心からの距離(すなわち、カム高さ)が次第に大きくなるように形成されている。本明細書では、非作用面152aと作用面152bの双方を区別しないときには、単に揺動カム面152と表記する。
揺動カムアーム150のスライド面156と駆動カムの駆動カム面124との間には、第1ローラ172と第2ローラ174とが配置されている。第1ローラ172と第2ローラ174は、ともに前述のリンクアーム164の先端部に固定された連結軸176によって回転自在に支持されている。リンクアーム164はピン166を支点として揺動できるので、これらローラ172,174もピン166から一定距離を保ちながらスライド面156および駆動カム面124に沿って揺動することができる。駆動カム122と揺動カムアーム150とはカム軸120の軸方向に位置がずれており、第1ローラ172は駆動カム面124に接触し、第2ローラ174はスライド面156に接触している。
また、揺動カムアーム150には、図示しないロストモーションスプリングが掛けられている。ロストモーションスプリングは圧縮バネであり、ロストモーションスプリングからの付勢力は、スライド面156を第2ローラ174に押し当てる付勢力として作用し、更に、第2ローラ174と同軸一体の第1ローラ172を駆動カム面124に押し当てる付勢力として作用する。これにより、第1ローラ172および第2ローラ174は、スライド面156と駆動カム面124とに両側から挟みこまれて位置決めされる。
揺動カムアーム150の下方には、ロッカーアーム110が配置されている。ロッカーアーム110には、揺動カム面152に対向するようにロッカーローラ112が配置されている。ロッカーローラ112は、ロッカーアーム110の中間部に回転自在に取り付けられている。ロッカーアーム110の一端には、バルブ104を支持するバルブシャフト102が取り付けられ、ロッカーアーム110の他端には、油圧ラッシャアジャスタ106によって回転自在に支持されている。バルブシャフト102は、図示しないバルブスプリングによって、すなわちロッカーアームを押し上げる方向に付勢されており、この付勢力と油圧ラッシャアジャスタ106によってロッカーローラ112は揺動カムアーム150の揺動カム面152に押し当てられている。
図2は、本実施の形態の可変動弁装置100において、可変機構130を駆動するためのアクチュエータ機構140の構成を説明するための図である。制御軸132の回転駆動は、当該アクチュエータ機構140により行われる。具体的には、この図に示すように、制御軸132にはウォームホイール142が固定されている。ウォームホイール142には、モータ144の出力軸に固定されたウォームギア146が噛み合わされている。
また、アクチュエータ機構140には、制御軸132の回転角度を制限するためのストッパ148が配置されている。ストッパ148は、制御軸132が小作用角側の限界角度まで回転した場合に、ウォームホイール142の一端が当該ストッパ148にあたる位置に固定されている。また、ウォームホイール142には、スプリング149が掛けられている。スプリング149は圧縮バネであり、スプリング149からの付勢力は、図中、制御軸132を反時計回りに回転させる方向の付勢力として作用する。これにより、ウォームホイール142とウォームギア146との間のバックラッシの影響が抑制される仕組みになっている。
本実施の形態のシステムは、図2に示すとおり、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力部には、上述したモータ144の回転角度を検知するための回転角度センサ52の他、可変動弁装置100を制御するための各種センサが接続されている。また、ECU50の出力部には、上述したモータ144の他、可変動弁装置100を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、入力された各種の情報に基づいて、所定のプログラムに従って各機器を駆動する。
[実施の形態における動作]
次に、本可変動弁装置100の動作について図3乃至図5を参照して説明する。
(可変動弁装置のリフト動作)
先ず、図3を参照して本実施の形態の可変動弁装置のリフト動作について説明する。図3中、(A)はリフト動作の過程でバルブ104が閉弁しているときの可変動弁装置の状態を、また、(B)はリフト動作の過程でバルブ104が最大に開弁しているときの可変動弁装置の状態を、それぞれ示している。
本可変動弁装置100では、駆動カム122の回転運動は、先ず、駆動カム面124に接触する第1ローラ172に入力される。第1ローラ172は、同軸一体に設けられた第2ローラ174とともにピン166を中心に揺動し、その運動は第2ローラ174を支持している揺動カムアーム150のスライド面156に入力される。スライド面156はロストモーションスプリングの付勢力によって常に第2ローラ174に押し当てられているで、揺動カムアーム150は、第2ローラ174を介して伝達される駆動カム122の回転に応じて制御軸132を中心にして揺動する。
具体的には、図3の(A)に示す状態からカム軸120が回転すると、図3の(B)に示すように、第1ローラ172の駆動カム面124上での接触位置は、駆動カム122の頂部へと近づいていく。相対的に第1ローラ172は駆動カム122によって押し下げられ、揺動カムアーム150はそのスライド面156を第1ローラ172と一体の第2ローラ174によって押し下げられる。これにより、揺動カムアーム150は制御軸132を中心にして、図中の時計回り方向に回動する。
揺動カムアーム150の回転により、ロッカーローラ112の揺動カム面152上での接触位置が非作用面152aから作用面152bに切り換わると、ロッカーアーム110は作用面152bの制御軸132の中心からの距離に応じて押し下げられ、油圧ラッシャアジャスタ106による支持点を中心に時計回り方向へ揺動する。これにより、バルブ104は、ロッカーアーム110によって押し下げられて開弁する。そして、図3の(B)に示すように、第1ローラ172の駆動カム面124上での接触位置が駆動カム122の頂部に達したとき、揺動カムアーム150の回動量は最大になり、バルブ104のリフト量も最大となる。
カム軸120が更に回転し、第1ローラ172の駆動カム面124上での接触位置が駆動カム122の頂部を過ぎると、今度はロストモーションスプリングとバルブスプリングによる付勢力によって、揺動カムアーム150は制御軸132を中心にして、図中の反時計回り方向へ回動する。揺動カムアーム150が反時計回り方向に回動することで、ロッカーローラ112の揺動カム面152上での接触位置は非作用面152a側へ移動する。これにより、バルブ104のリフト量は減少していき、やがて、図3の(A)に示すように、ロッカーローラ112の揺動カム面152上での接触位置が作用面152bから非作用面152aに切り換わったところで、バルブ104のリフト量はゼロとなる。つまり、バルブ104は閉弁する。
(可変動弁装置のリフト量変更動作)
次に、図4及び図5を参照して本実施の形態の可変動弁装置のリフト量変更動作について説明する。図4中、(A)は可変動弁装置100がバルブ104(図1参照、図中では省略)に対して大きなリフトを与えるように動作する場合の最大リフト時の可変動弁装置100の状態を、また、(B)は可変動弁装置100がバルブ104に対して小さなリフトを与えるように動作する場合の最大リフト時の可変動弁装置100の状態を、それぞれ表している。
図4の(A)に示すリフト量から図4(B)に示すリフト量にリフト量を変更する場合、図4の(A)に示す状態において制御軸132をカム軸120の回転方向と逆方向(図中、反時計回り方向)に回転駆動し、図4の(B)に示す回転角度に制御アーム162を回転させる。制御アーム162の回転に伴い、第2ローラ174はスライド面156に沿って制御軸132から遠ざかる方向に移動し、同時に、第1ローラ172は駆動カム面124に沿ってその回転方向の上流側に移動する。
第2ローラ174が制御軸132から遠ざかる方向に移動することで、揺動カムアーム150の揺動中心から第2ローラ174のスライド面156上での接触位置P2までの距離が長くなり、揺動カムアーム150の揺動角幅は減少する。揺動カムアーム150の揺動角幅は揺動中心から振動の入力点である接触位置P2までの距離に反比例するからである。揺動カムアーム150の揺動角幅が減少する結果、ロッカーローラ112が到達できる最終接触位置P3は作用面152b上を非作用面152a側に移動することなり、バルブ104のリフト量は減少する。
また、ロッカーローラ112が作用面152b上に位置している期間(クランク角)が、バルブ104の作用角となるが、最終接触位置P3が非作用面152a側に移動することで、バルブ104の作用角も減少する。さらに、第1ローラ172がカム軸120の回転方向の上流側に移動することで、カム軸120が同一回転角度にあるときの第1ローラ172の駆動カム面124上での接触位置P1は、駆動カム122の進角側に移動する。これにより、カム軸120の位相に対する揺動カムアーム150の揺動タイミングは進角され、その結果、バルブタイミング(最大リフトタイミング)は進角されることとなる。
図5は、本実施の形態の可変動弁装置100により実現されるバルブ104のリフト量とバルブタイミングとの関係を示すグラフである。この図に示すように、本実施の形態の可変動弁装置100によれば、バルブ104のリフト量の増大に連動して作用角を増大させるとともにバルブタイミングを遅角することができ、逆に、バルブ104のリフト量の減少に連動して作用角を減少させるとともにバルブタイミングを進角することができる。
[本実施の形態の特徴]
次に、図6乃至図8を参照して、本実施の形態の特徴的構成及び動作について説明する。複数の可変動弁装置100を備えるエンジンを製造する工程では、後述するカムキャリアASSY190を別途組み立てた後に、当該カムキャリアASSY190をエンジン本体に組み付ける。カムキャリアASSY190を組み立てる工程では、具体的には、先ず、各可変機構130における制御軸132の位置関係が固定される(例えば、4気筒エンジンであれば4個)。この際、気筒間の作用角のばらつきが抑制されるように、各可変機構130に設けられた調整シム(図示せず)による微調整が行われる。そして、この組み立てられた可変機構130、当該可変機構130を駆動するためのアクチュエータ機構140、およびカム軸120等がカムキャリア192に搭載されて、カムキャリアASSY190が構成される。
ここで、アクチュエータ機構140を駆動して可変機構130を動作させると、ウォームギア146とウォームホイール142との間のバックラッシの影響、構成部品の製造誤差や取り付け誤差等の影響などにより、所望の開弁特性を得ることができないおそれがある。そこで、本実施の形態では、カムキャリアASSY190をエンジン本体に組み付ける前に、カムキャリアASSY190におけるアクチュエータ機構140を実際に駆動させて作用角の調整を行うこととする。以下、作用角の調整方法について詳細に説明する。
[作用角の調整方法]
図6は、カムキャリアASSY190の状態で作用角を調整するための方法を説明するための図である。カムキャリアASSY190は、可変機構130、アクチュエータ機構140、およびカム軸120等の部品がカムキャリア192に固定されることで構成され、当該アクチュエータ機構140を駆動して制御軸132を回転可能な状態になっている。このような状態において、先ず、複数の気筒から選択された1つの気筒(例えば、ウォームホイール142に最も近い気筒)の可変機構130に、揺動カムアーム150における揺動カム面152の高さ、すなわち、ロッカーローラ112が接触する部位の高さを計測するための計測器180が取り付けられる。具体的には、計測器180には、制御軸132の外周面から基準面までの高さを計測するためのゲージ182と、揺動カムアーム150における揺動カム面152から基準面までの高さを計測するためのゲージ184とが固定されている。このような装置によれば、ゲージ184により計測された揺動カム面152の高さとゲージ182により計測された制御軸132の周面の高さの偏差Δhを演算することで、制御軸132の周面高さを基準とした揺動カム面152の高さを算出することができる。以下、Δhを「カム面高さ」と称する。
図7は、モータ144の回転角度とカム面高さΔhとの関係を示す図である。この図において、太実線で表される線は、モータ144の回転角を所定角度(例えば、制御軸132の100°CA相当から150°CA相当まで)変化させた場合の、カム面高さΔhの目標値の変化を示している。この図に示すとおり、モータの回転角度とカム面高さΔhとの関係は、種々の誤差が重畳して目標値からばらつくこととなる。特に、ウォームギア146とウォームホイール142との間に生じるバックラッシ等の誤差の影響により、モータの回転角度が変化するほど計測値の目標値に対するばらつきが大きくなっている。
そこで、本実施の形態では、実際にアクチュエータ機構140駆動して、制御軸132を回転させた場合の計測値と目標値とが一致するように、モータ144の回転角と当該回転角に対応して規定されたカム面高さΔhの目標値との関係を調整することとする。具体的には、計測値としてのΔhが目標値よりも大きく、すなわち作用角が目標よりも大きくなっている場合には、当該目標値に対応するモータの回転角が小さく設定されるように、ECU50が記憶しているマップを書き換えることとする。これにより、Δhを目標値に略一致させることができる。
尚、カム面高さΔhを目標値まで変化させる場合のモータ144の応答特性には、最適値が存在する。図8は、カム面高さΔhとモータ144の作動時間Δtとの関係を示す図である。この図に示すとおり、カム面高さΔhを変化させると、最適な作動時間Δtも変化する。そこで、モータ144の回転角を変更する場合には、カム面高さΔhと作動時間Δt(回転速度)との関係を規定したマップを書き換えることとする。これにより、カム面高さΔhとモータ144の回転角とのマップを変更した場合でも、最適な応答特性を維持することができる。
作用角調整を終えたカムキャリアASSY190は、計測装置180を取り外した後にエンジンに組みつけられる。これにより、エンジンの作用角調整を効率よく且つ高い精度で実現することができる。
[実施の形態の具体的処理]
図9は、カムキャリアASSY190の作用角を調整するために実行するルーチンのフローチャートである。図9に示すルーチンでは、先ず、他の工程において組み付けられた可変機構130、アクチュエータ機構140、およびカム軸120等のカムキャリアASSY190の構成部品がカムキャリア192に組みつけられる(ステップ100)。
次に、モータ144が所定角度回転される(ステップ102)。ここでは、具体的には、回転角度センサ52の出力信号に基づいて、アクチュエータ機構140のモータ144が所定角度回転駆動される。モータ144が回転すると、ウォームギア146およびウォームホイール142を介して制御軸132に回転駆動力が伝達される。
次に、カム面高さΔhが演算される(ステップ104)。ここでは、具体的には、ゲージ184により計測された揺動カム面152の高さおよびゲージ182により計測された制御軸132の周面の高さが計測されて、これらの値の偏差としてのカム面高さΔhが演算される。
次に、カム面高さΔhに対応するモータ144の回転角度が調整される(ステップ106)。ECU50は、モータ144の回転角度とカム面高さΔhの目標値とのマップを記憶している(図7参照)。ここでは、具体的には、マップにより特定されたカム面高さΔhの目標値と上記ステップ102において演算されたカム面高さΔhとが比較される。次いで、上記演算されたカム面高さΔhと目標値とが一致するように、モータ144の回転角とカム面高さΔhとの関係を規定したマップが書き換えられる。
次に、カム面高さΔhに対応するモータ144の回転速度が調整される(ステップ108)。ECU50は、モータ144の作動時間ΔT(回転速度)とカム面高さΔhのマップを記憶している(図8参照)。ここでは、具体的には、上記ステップ106において書き換えられたマップに従いモータ144を駆動した場合のカム面高さΔhと作動時間ΔTとの関係が目標応答特性と略一致するように、当該マップが書き換えられる。
以上説明したとおり、本実施の形態によれば、簡易な構成でカム面高さΔhを測定し、モータ144の回転角および回転速度のマップを書き換えることにより、実際にアクチュエータ機構140を駆動した場合に重畳する種々の誤差を補正することができる。これにより、カムキャリアASSY190をエンジンに組み付ける前に、高い精度で作用角調整を行うことができる。
ところで、上述した実施の形態においては、ゲージ182により計測された制御軸132の外周面の高さを計測してカム面高さΔhを演算することとしているが、使用する制御軸132の外周面の高さは計測値に限られない。すなわち、制御軸132の加工精度や取り付け精度が非常に高いのであれば、制御軸132の設計値を利用して、カム面高さΔhを演算することとしてもよい。また、カム面高さΔhは、制御軸132の外周面の高さを基準とした揺動カム面152の高さとして規定しているが、制御軸132の外周面に代えて他の場所を基準としてもよい。
また、上述した実施の形態においては、モータ144を所定角度回転させた場合のカム面高さΔhの計測値と目標値が一致するように、カム面高さΔhとモータ144の回転角度との関係を規定したマップを書き換えることとしているが、バルブの作用角調整方法はこれに限られない。すなわち、モータ144を所定角度回転させた場合のカム面高さΔhの計測値が目標値と一致するように、制御軸132と揺動カムアーム150との相対的な位置関係を調整するための調整シムを調整することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態においては、可変機構130が前記第1の発明における「可変機構部」に、アクチュエータ機構140が前記第1の発明における「アクチュエータ部」に、ウォームホイール142およびウォームギア146が前記第1の発明における「ギア」に、カム面高さΔhが前記第1の発明における「揺動カム面高さ」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、上記ステップ100の処理を実行することにより、前記第1の発明における「組み付け工程」が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第1の発明における「計測工程」が、上記ステップ106または108の処理を実行することにより、前記第1の発明における「調整工程」が実現されている。
また、上述した実施の形態においては、ECU50が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第2の発明における「計測工程」が実現されている。
また、上述した実施の形態においては、ECU50が、上記ステップ106の処理を実行することにより、前記第3の発明における「回転角書き換え工程」が実現されている。
また、上述した実施の形態においては、ECU50が、上記ステップ108の処理を実行することにより、前記第4の発明における「回転速度書き換え工程」が実現されている。
本発明の実施の形態にかかる可変動弁装置の構成を示す側面視図である。 本発明の実施の形態にかかるアクチュエータ機構の構成を示す図である。 図1に示す可変動弁装置のリフト動作を示す図であり、(A)はバルブの閉弁時、(B)はバルブの開弁時を示している。 図1に示す可変動弁装置のリフト量の変更動作を示す図であり、(A)は大リフト時、(B)は小リフト時を示している。 バルブタイミングとリフト量との関係を示す図である。 カムキャリアASSYの状態で作用角を調整するための方法を説明するための図である。 モータの回転角度とカム面高さΔhとの関係を示す図である。 カム面高さΔhとモータの作動時間Δtとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 回転角度センサ
100 可変動弁装置
102 バルブシャフト
104 バルブ
106 油圧ラッシャアジャスタ
110 ロッカーアーム
112 ロッカーローラ
120 カム軸
122 駆動カム
124 駆動カム面
124a 非作用面
124b 作用面
130 可変機構
132 制御軸
140 アクチュエータ機構
142 ウォームホイール
144 モータ
146 ウォームギア
148 ストッパ
149 スプリング
150 揺動カムアーム
152 揺動カム面
152a 非作用面
152b 作用面
156 スライド面
162 制御アーム
164 リンクアーム
166 ピン
172 第1ローラ
174 第2ローラ
176 連結軸
180 計測器
182、184 ゲージ
190 カムキャリアASSY
192 カムキャリア
Δh カム面高さ

Claims (5)

  1. 回転角度を変更可能な制御軸と前記制御軸の回転角に連動して揺動する揺動カムアームとを有する可変機構部と、モータと前記モータの回転を前記制御軸に伝達するためのギアとを有するアクチュエータ部と、を有し、前記アクチュエータ部により前記制御軸を回転させることによって、カム軸の回転に対するバルブの開弁特性を変化させる可変動弁装置の調整方法であって、
    前記可変動弁装置と前記カム軸とをカムキャリアに組み付ける組み付け工程と、
    前記モータを所定角度回転させた場合の、前記揺動カムアームにおける揺動カム面高さを計測する計測工程と、
    前記揺動カム面高さの計測値と、前記モータの回転角に対応して規定された前記揺動カム面高さの目標値とを比較する比較工程と、
    前記計測値と前記目標値とが一致するように、前記可変動弁装置を調整する調整工程と、
    を備えることを特徴とする可変動弁装置の調整方法。
  2. 前記計測工程は、前記揺動カム面高さとして、前記制御軸の外周面から前記揺動カム面までの高さを計測することを特徴とする請求項1記載の可変動弁装置の調整方法。
  3. 前記調整工程は、
    前記目標値が前記計測値に一致するように、前記目標値と当該目標値を実現するための前記モータの回転角との関係を書き換える回転角書き換え工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の可変動弁装置の調整方法。
  4. 前記調整工程は、
    前期モータを駆動して前記揺動カム面高さを目標値に変化させる場合に、前記モータの応答特性が目標応答特性に一致するように、前記揺動カム面高さと前記モータの回転速度との関係を書き換える回転速度書き換え工程を更に含むことを特徴とする請求項3記載の可変動弁装置の調整方法。
  5. 前記調整工程は、
    前記計測値が前記目標値と一致するように、前記制御軸と前記揺動カムアームとの相対的な位置関係を、調整シムを用いて調整することを特徴とする請求項1または2記載の可変動弁装置の調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015509163A (ja) * 2012-01-30 2015-03-26 コルベンシュミット ピアブルク イノヴェイションズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングKolbenschmidt Pierburg Innovations GmbH 機械的に制御可能な弁駆動アッセンブリ用の弁リフト調節アッセンブリならびに中間レバーアッセンブリを位置調整する方法

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