次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、本発明を弾球遊技機の一例であるパチンコ機に適用した構成を説明する。
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る遊技機であるパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24などが設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央には施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図3乃至図6参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図3乃至図6参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。なお、本実施形態では、ガラス板32を前面枠16の裏面側に取り付けた構成を例にとり説明したが、例えば、前面枠16の前面側にガラス枠により取り付けてもよい。また、ガラス板32に替えて、透明な樹脂板を前面枠16に取り付けることができる。
また、図1及び図2に示すように、前面枠16の左上方側及び右上方側には、メインスピーカ(図示省略)から出力された音声を前面枠16の外部に導くための導音部34がそれぞれ設けられている。各導音部34は、円筒状の導音部本体36と、導音部本体36に形成された複数のスリット38と、で構成されている。
また、前面枠16の下方側には、上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40と、球貸し操作部155と、がそれぞれ設けられている。
また、上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右下方側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。
また、図1及び図2に示すように、下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するための各サブスピーカ48がそれぞれ設けられている。
また、内枠14には、遊技領域28(図3乃至図6参照)の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26(図3乃至図6参照)が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
さらに、パチンコ機10の正面左側には、球貸装置(球貸部)154が設けられている。本実施形態では、球貸装置154として、CRユニットが適用されている。この球貸装置154には、プリペイドカードを挿入するカード挿入口157が形成されている。なお、球貸装置154として、現金ユニットを設けた構成でもよい。この現金ユニットには、カード挿入口157に替えて、現金を入れるための現金投入口(図示省略)が形成されている。
また、球貸し操作部155には、球貸しを要求するための球貸スイッチ156、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
例えば、球貸装置154のカード挿入口157にプリペイドカードを挿入すると、プリペイドカードの記憶情報が球貸装置154内部のカードリードライタにより読み取られる。プリペイドカードの残り度数が「0」である場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。一方、プリペイドカードの残り度数が「0」でない場合には、球貸スイッチ156を押圧操作すると、カードリードライタによりプリペイドカードの残り度数が減算されてプリペイドカードの記憶情報が書き換えられると共に、その減算された度数に対応する数量の遊技球(貸球)が上皿部18に案内される。このとき、例えば、プリペイドカードの残り度数が減算されて「0」となった場合には、カード挿入口157から自動的にプリペイドカードが返却される。
なお、球貸装置154として現金ユニットを用いる構成では、球貸装置の現金投入口に現金を投入すると、現金が球貸装置内部のキャッシュカウンタによりカウントされる。投入金額が所定の額に到達した後、球貸スイッチを押圧操作すると、キャッシュカウンタにより投入金額が減額されていくとともに、その減額された金額に対応する数量の遊技球(貸球)が上皿部18に案内される。
次に、遊技盤26の表面構造について、図3乃至図6を参照して説明する。
図3乃至図6に示すように、遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤(図示省略)よりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、センター役物である中央装置54と、始動口56Bを有する普通電動役物56と、多数の障害釘60と、風車63等と、がそれぞれ配設されている。
中央装置54は、遊技領域28の略中央部に配置されており、演出図柄表示装置62と、可動役物200と、を備えている。
演出図柄表示装置62は、後述の主制御基板102(図24参照)やサブ制御基板106(図24参照、制御手段)からの制御信号に基づいて表示制御されており、略長方形状の表示面62Aを有している。この表示面62A上には、特別図柄の演出図柄が表示される。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62A上には、1又は複数の演出図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する演出図柄表示領域が形成されている。すなわち、左演出図柄を表示する左演出図柄表示領域、中央演出図柄を表示する中央演出図柄表示領域、及び右演出図柄を表示する右演出図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各演出図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の演出図柄が順次表示されていく。
演出図柄表示装置62は、遊技球が普通電動役物56の始動口56Bに入球することにより、その表示面62Aの表示領域に表示される各演出図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、演出図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、後述の変動入賞装置80に配設された後述の大入賞装置84の大入賞口86が開放される。本実施形態のパチンコ機10では普通電動役物56の始動口56Bに遊技球が入球すると、各演出図柄がそれぞれ変動され、演出図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の演出図柄が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、比較的多くのラウンド数(例えば15ラウンド)を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。
また、確率変動状態は、大当り(確変大当り、通常大当りの2種類の大当り意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、普通電動役物56の始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、普通電動役物56の始動口56Bは、普通図柄に当選することにより開放する。
また、確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの間、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物56の開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物56の開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
次に、本発明の要部となる可動役物200の構成について詳細に説明する。
図7乃至図10に示すように、可動役物200は、演出図柄表示装置62の右側近傍に設けられており、全体として、あるキャラクタの身体の一部をモチーフにして形成された可動役物本体202を備えている。この可動役物本体202は、頭部202Aと、顔部202Bと、首部202Cと、で構成されている。また、可動役物本体202の顔部202Bを構成する顎部には、上下方向に伸びる支持棒204の上端部が取り付けられている。
可動役物本体202の内部は空洞が形成されており、首部202Cから頭部202Aにわたってモータ軸(第1作動手段、回転軸)206Aが挿通されている。モータ軸206Aは、モータ(第1駆動手段)206により回転駆動されるものであり、その軸回りを正方向及び逆方向に回転することができる。また、モータ軸206Aの先端部には、モータ軸206Aの軸方向に対して直交する軸部材208(図9及び図10参照)が設けられている。この軸部材208には、頭部202Aの取付片210が回転可能に取り付けられている。このため、頭部202Aは、軸部材208の回りを回転することが可能になる。
モータ軸206Aの外周面には、カムとして機能するカムテーブル部材(第2作動手段、回転部材)212が設けられている。このカムテーブル部材212は、モータ軸206Aの回転動作の影響を受けないようにモータ軸206Aの外周面と離間して設けられている。カムテーブル部材212は、円盤状のカムテーブル部材本体214を備えている。このカムテーブル部材本体214の上面の一部の領域には、上側に突出した突起部216が形成されている。カムテーブル部材212が押し上げられた位置では、カムテーブル部材本体214の上面上に支持棒204の下端部が接触し、支持棒204がカムテーブル部材本体214の上面上を移動できるようになっている。そして、支持棒204の下端部がカムテーブル部材本体214の上面上の突起部216に乗り上がると、可動役物本体202全体を軸部材208の回りに回転させ、キャラクタの顔部202Bが上側を向いているような姿勢になる。
また、カムテーブル部材本体214の下面であって突起部216と対応する部位には、光遮蔽部218が形成されている。また、カムテーブル部材212の近傍には、発光部220Aと受光部220Bとからなる光センサ220が配置されており、この光遮蔽部218が発光部220Aと受光部220Bとの間に位置したときには、発光部220Aからの光が受光部220Bで受光されなくなる。これにより、光センサ220からの受光に伴う出力信号をサブ制御基板106に出力することにより、カムテーブル部材本体214の突起部216の位置が特定される。
また、図11乃至図14に示すように、カムテーブル部材本体214の中央部の上面側には、上側筒状部材220が設けられている。また、カムテーブル部材本体214の中央部であって上側筒状部材220の径方向内側には、貫通孔(図示省略)が形成されている。また、カムテーブル部材本体214の中央部の下面側には、下側筒状部材224が設けられている。この下側筒状部材224には、複数の爪部材226が外周方向にわたって所定のピッチで形成されている。また、図15及び図16に示すように、各爪部材226の先端部には、上下方向に対して所定の角度だけ傾斜する傾斜面227が形成されている。
また、図11乃至図14に示すように、モータ軸206Aの外周面であってカムテーブル部材212の上方には、リング状部材228が固定されている。このリング状部材228はモータ軸206Aの直径よりも大きく設定されており、リング状部材228がモータ軸206Aに固定された状態でリング状部材228がモータ軸206Aの外周面から径方向に突出した状態になっている。また、カムテーブル部材212の上側筒状部材222とリング状部材228との間のモータ軸206Aには、コイルばね230が挿入されている。カムテーブル部材212が下方の位置にあるときには、コイルばね230が自然長の状態となっており、コイルばね230の弾性力がカムテーブル部材212の上側筒状部材222とリング状部材228とに作用していない。一方、カムテーブル部材212が後述のソレノイド(第2駆動手段)238で押し上げられて上方の位置にあるときには、コイルばね230が縮んだ状態となっており、コイルばね230の弾性力がカムテーブル部材212の上側筒状部材222とリング状部材228とに作用する。このとき、リング状部材228はモータ軸206Aに固定されているので、リング状部材228は弾性力を受けても動かないが、カムテーブル部材212は、コイルばね230からの弾性力を受けてモータ軸206Aの外周面上を下方に向かって移動しようとする。
また、モータ軸206Aの外周面であってカムテーブル部材212の下方には、ピストン部材232が設けられている。このピストン部材232は、リング状のピストン部材本体234を備えている。このピストン部材本体234には貫通孔(図示省略)が形成されており、この貫通孔の内周面とモータ軸206Aの外周面とが離間した状態で設けられている。このため、ピストン部材がモータ軸206Aの軸方向に沿って移動できる。また、ピストン部材本体234の上面には、上側に突出した複数の押圧片236が所定のピッチで外周方向にわたって形成されている。隣接する押圧片236同士のピッチは、隣接する爪部材226同士のピッチと略同じになるように設定されている。また、図15及び図16に示すように、各押圧片236の先端部には、鋭角状に尖った圧力部236Aが形成されている。各押圧片236の圧力部236Aが爪部材226の傾斜面227と接触する。
また、図17及び図18に示すように、ピストン部材本体234には、ソレノイド238が機械的に接続されている。すなわち、ソレノイド238は、従来から周知の技術であり、コイルを収容したソレノイド本体240と、ソレノイド本体240に出没可能に収容される可動部材242と、で構成されている。そして、コイルに流す電流によって可動部材242のソレノイド本体240からの出没が可能になる。また、可動部材242の先端部には、アーム部材244が取り付けられている。このアーム部材244は、棒状に形成されており、その一端部がソレノイド238の可動部材244に接続されており、他端部がピストン部材本体240に接続されている。さらに、可動部材244の上下方向に沿った動作に連動し、可動部材244の駆動力をピストン部材232に伝達する。これにより、可動部材244が上方向に移動すると、ピストン部材232も連動して上方向に移動し、可動部材244が下方向に移動すると、ピストン部材232も連動して下方向に移動する。このように、ピストン部材232は、ソレノイド238の駆動力が作用されて上下方向に移動できるようになっている。
また、図11乃至図14に示すように、モータ軸206Aの外周面には、複数のガイド部材246が外周方向にわたって所定のピッチで形成されている。このガイド部材246は、カムテーブル部材212にピストン部材232から圧力が作用したときに、カムテーブル部材212の回転を阻止する機能を有している。ガイド部材246はモータ軸206Aの軸方向に延びるように形成されており、その上端部には、傾斜面247が形成されている。そして、ガイド部材246の傾斜面247は、爪部材226の傾斜面227と面接触するように、その傾斜角度及び形状が設定されている。また、ガイド部材246の幅寸法(モータ軸206Aの軸方向と直交する方向の寸法)は、爪部材226又は押圧片236のピッチ寸法と略同一の寸法となるように設定されている。
以上のように、図7及び図8に示すように、第1実施形態の可動役物200は、モータ206が駆動してモータ軸206が正方向又は逆方向に回転すると、モータ軸206Aの回転に伴い可動役物本体202がモータ軸206Aの軸回りを回転する。換言すれば、頭部202A、顔部202B及び首部202C全体が左右方向に所定角度だけ回転する。これにより、遊技者は、キャラクタが顔を左右に振っているかのように認識する。
そして、図11及び図12に示すように、ピストン部材232がソレノイド238の駆動力により下方から上方に押し上げられると、ピストン部材232の各押圧片236からカムテーブル部材の各爪部材226に圧力が作用する。このとき、図15(A)、(B)及び図16(A)、(B)に示すように、各押圧片236の圧力部236Aが各爪部材226の傾斜面227を押し上げることになるが、各爪部材226の傾斜面227が押圧片236の延在方向(上下方向)に対して傾斜しているため、各押圧片236の各圧力部236Aが傾斜面227上を滑ろうとする力が発生し、カムテーブル部材212は、その反作用力を受け、反対方向に向かって回転しようとする。しかし、各爪部材226の間に各ガイド部材246が位置していると、各爪部材が各ガイド部材246に接触するため、カムテーブル部材212の回転が阻止される。このようにして、カムテーブル部材212は、回転が阻止された状態で上方に移動していく。このとき、カムテーブル部材212はモータ軸206Aに装着されたコイルばね230の弾性力に対抗する形で押し上げられるため、コイルばね230が徐々に縮んでいくことになる。
そして、図13に示すように、ピストン部材232がカムテーブル部材212をさらに押し上げ、各爪部材226の先端部が各ガイド部材246の上端部よりも上方の位置に到達すると、各爪部材226と各ガイド部材246との接触状態が解除されるため、カムテーブル部材212が回転する。図15(C)及び図16(C)に示すように、カムテーブル部材212が回転すると、各爪部材226の傾斜面227が各ガイド部材246の上端部の傾斜面247と面接触しながら、各爪部材226が各ガイド部材246の上端部の傾斜面上を滑り落ちていく。やがて、各爪部材226の先端部が隣接する別の押圧片236と接触し、カムテーブル部材212の回転が一時的に停止する。そして、図14、図15(D)及び図16(D)に示すように、ソレノイド238の可動部材242がソレノイド本体240側(下方側)に移動すると、ピストン部材232が下方に移動して、各押圧片236も下方に移動する。これにより、各爪部材226と各押圧片236との接触状態が解除されて、各爪部材226の傾斜面227が各ガイド部材246の上端部の傾斜面247と面接触しながら滑り落ちる。これにより、カムテーブル部材212がさらに回転する。その後、各爪部材226が隣接する別のガイド部材246の上端部と接触して、カムテーブル部材212の回転が阻止される。このとき、コイルばね230が縮んでいる状態になっているが、ソレノイド238の可動部材242がソレノイド本体240に収容されるように制御されていると、コイルばね230の弾性力にソレノイド238の駆動力が対抗できなくなるため、コイルばね230の弾性力によってカムテーブル部材212が下方に移動していく。そして、カムテーブル部材212が初期の位置(下方の位置)に戻る。
このようにして、カムテーブル部材212が順次回転していくことにより、やがて、図10に示すように、支持棒204の下端部がカムテーブル部材212の突起部216に乗り上がる。支持棒204の下端部がカムテーブル部材212の突起部216に乗り上がると、可動役物本体202が支持棒204により上方に押し上げられ、可動役物本体202が軸部材208回りを上側に向かって回転する。これにより、遊技者は、キャラクタが上を向いているように認識する。そして、カムテーブル部材212がさらに回転していくことにより、図9に示すように、支持棒204の下端部がカムテーブル部材212の突起部216から降りる。支持棒204の下端部がカムテーブル部材212の突起部216から降りると、可動役物本体202が軸部材208回りを下側に向かって回転する。これにより、遊技者は、キャラクタが真正面を向いているように認識する。
以上のように、可動役物本体が左右及び上下に回転することにより、可動役物本体202の動作を斬新なものにすることができる。このように、キャラクタが上下・左右方向に動くので、遊技者は面白みを感じ取り、遊技性を高めることができる。特に、可動役物本体202の上下方向の首振り動作と左右方向の首振り動作を連動した形で実現することができ、斬新性及び遊技性を一層高めることができる。
また、図3乃至図6に示すように、遊技領域の左下方側には、主制御基板102からの制御信号に基づいて識別図柄(特別図柄の識別図柄及び普通図柄の識別図柄を意味する)を表示制御する7セグ表示基板(図柄表示装置)68が配置されている。この7セグ表示基板68は、特別図柄の識別図柄を表示する7セグメント表示器70と、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の特別図柄保留表示LED74と、普通図柄の識別図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた図柄(例えば奇数の数字)が表示される。また、通常大当りした場合では、7セグメント表示器70には、予め定められた別の図柄(例えば偶数の数字)が表示される。そして、各大当りのラウンド中では、7セグメント表示器70にはその図柄が表示される。
また、演出図柄表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図24参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示基板68の普通図柄表示LED76が変動表示される。
各普通図柄保留表示LED72及び各特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器70の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、普通電動役物56の始動口56Bに入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器70の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED74は消灯される。また、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。そして、7セグメント表示器70に予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、後述の大入賞口86が開放状態となる。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、普通電動役物56の始動口56Bが開放状態となる。なお、7セグメント表示器70にて表示される特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される特別図柄の演出図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。
普通電動役物56の始動口56Bは、演出図柄表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部材56Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ120(図24参照)と、翼片部材56Aを作動させるための普通電動役物ソレノイド130(図24参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部材56Aが左右に開くと始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部材56Aが閉じその離間距離が小さくなると始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置80は、普通電動役物56の下方に配置されており、基板82と、大入賞装置84と、を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図24参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ126(図24参照)と、を備えている。
また、中央装置54の左側下方部には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
また、遊技盤26の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図24及び図25に示すように、電子制御装置は、主制御基板102と、払出制御基板104と、サブ制御基板106と、発射制御基板108と、を備えている。
主制御基板102は、CPU102Aと、ROM102Bと、を備えている。主制御基板102のCPU102Aは、ROM102Bに記憶されたデータに基づいて、後述の普通電動役物ソレノイド130、後述の大入賞口ソレノイド132、後述の図柄表示装置134及びサブ制御基板106をそれぞれ制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技状態を判断するものであり、この判断した遊技状態に沿った遊技環境(演出態様)を実現させるように制御するサブ制御基板106及び払出制御基板104を直接的に制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板(制御手段)114及び演出ボタン基板116をサブ制御基板106を介して間接的に制御する。また、主制御基板102のROM102Bには、CPU102Aにより実行される遊技全体の制御を実現するためのプログラムが記憶されている。
また、主制御基板102は、中継端子板118を介して、始動口スイッチ120と、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、主制御基板102は、中継端子板128を介して、普通電動役物ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、図柄表示装置134と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示基板68は、図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御基板104は、中継端子板136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板144を介して、エラーLED146に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、下皿満タンスイッチ148に電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板150を介して、球貸表示基板152と、球貸装置(CRユニット)154と、にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、球貸表示基板152には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104は、中継端子板160を介して、払出モータ162と払出スイッチ164とにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板104は、主制御基板102と発射制御基板108とにそれぞれ電気的に接続されている。
サブ制御基板106は、演出表示基板110と、アンプ基板112と、装飾駆動基板114と、演出ボタン基板116と、光センサ220と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、サブ制御基板106は、主制御基板102からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御基板106は、CPU106Aと、ROM106Bと、を備えている。
サブ制御基板106のCPU106Aは、主制御基板102からの制御信号を受けて演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116などの各基板を制御する。特に、本実施形態では、CPU106Aは、ROM106Bに記憶されたテーブルに基づいて、装飾駆動基板114を介してモータ206及びソレノイド238の駆動を制御する。また、サブ制御基板106のCPU106Aは、光センサ220からの出力信号に基づいてカムテーブル部材本体214に形成された突起部216の位置を特定する。そして、CPU106Aは、ソレノイド238の駆動とカムテーブル部材212の回転速度とのプログラムに基づいて、突起部216の位置制御を実行することができる。このため、CPU106Aは、ソレノイド238の駆動を制御することにより突起部216を所定の位置に移動させることができる。
また、ROM106Bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。特に、本実施形態では、遊技状態と、モータ206及びソレノイド238の駆動タイミングとの関係を示したプログラムが記憶されている。例えば、遊技状態が特定の遊技状態(例えば、スーパーリーチの状態(演出図柄の2つが同一の数字で確定表示され、他の1つの数字が変動表示中の遊技状態))になったときに、モータ206及びソレノイド238の駆動が開始するプログラムが記憶されている。また、ROM106Bには、突起部216の位置とソレノイド238の駆動との関係を示すプログラムが記憶されている。
また、図25に示すように、演出表示基板110には、演出表示装置166(62)と、演出表示ROM168と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM168には、演出図柄表示装置62に変動表示される演出図柄のデータが記憶されている。なお、演出図柄表示装置62は、演出表示装置166の一実施形態である。
また、アンプ基板112には、所定の効果音を出力する各種スピーカ170(48)が電気的に接続されている。なお、サブスピーカ48は、各種スピーカ170の一実施形態である。
また、装飾駆動基板114には、各種LED・ランプ172と、モータ206と、ソレノイド238と、が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からのコマンドを受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。特に、本実施形態では、装飾駆動基板114は、モータ206及びソレノイド238の駆動を直接的に制御する。また、演出ボタン基板178には、操作スイッチ174(40)が電気的に接続されている。なお、サイドランプ90は、各種LED・ランプ172の一実施形態である。また、演出ボタン40は、操作スイッチ174の一実施形態である。
次に、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機の作用について説明する。
なお、以下の作用については、カムテーブル部材212が下方の位置(初期位置)の状態を出発点にして説明する。
図11及び図17に示すように、遊技状態が特定の遊技状態(例えば、スーパーリーチの状態)になると、サブ制御基板106のCPU106Aにより装飾駆動基板114を介してソレノイド238の駆動が制御される。具体的には、光センサ220からの出力信号に基づいてカムテーブル部材本体214の突起部216の位置が特定され、突起部216を支持棒204の部位に移動させるために、ソレノイド238の駆動が制御される。
すなわち、図12及び図18に示すように、サブ制御基板106から装飾駆動基板114を介してソレノイド238が駆動されると、ソレノイド本体240により可動部材242が押し出される。このソレノイド238の駆動力により、ピストン部材232がアーム部材244を介して上方に押し上げられる。これにより、ピストン部材232は、コイルばね230の弾性力に対抗する形で、モータ軸206Aに沿って上方に移動する。なお、ピストン部材232が上方に移動するに伴い、コイルばね230が自然長から縮んでいくため、カムテーブル部材212にはコイルばね230からの弾性力が作用するが、その弾性力よりもピストン部材232からの圧力の方が大きくなるため、ピストン部材232は上方に移動する。
ピストン部材232の各押圧片236の各圧力部236Aは、カムテーブル部材212の下側筒状部224の各爪部材226の傾斜面227に点で接触している。この状態で、ピスト部材232が上方に移動すると、各爪部材226は各押圧片236から圧力を受ける。このとき、各爪部材226の先端部が傾斜面227になっているので、各押圧片236の各圧力部236Aが各爪部材226の傾斜面227を上方に向かって滑ろうとする力(図15(B)及び図16(B)中矢印A方向)が発生する。各押圧片236の各圧力部236Aが各爪部材226の傾斜面227を上方に向かって滑ろうとする力が発生すると、カムテーブル部材212は、各押圧片236の各圧力部236Aから作用される力の反作用力(図15(B)及び図16(B)中矢印B方向)を受けて、各押圧片236の移動方向とは反対方向(図13中矢印R方向、図15(C)及び図16(C)中矢印C方向)に回転しようとする。
ここで、図15(A)、(B)及び図16(A)、(B)に示すように、カムテーブル部材212が下方の初期位置から所定の高さに移動するまでは、各ガイド部材246が隣接する爪部材226の間にガイド部材246がそれぞれ位置しているので、カムテーブル部材212が回転しようとしても、各爪部材246が各ガイド部材246と接触しているため、カムテーブル部材212の回転が阻止される。そして、カムテーブル部材212の回転が阻止された状態で、カムテーブル部材212は、ピストン部材232に押されて上方に移動する。
やがて、図13、図15(B)、(C)及び図16(B)、(C)に示すように、カムテーブル部材212の各爪部材226の傾斜面227が各ガイド部材246の上端部に到達し、さらに上方に移動しようとすると、各爪部材226と各ガイド部材246との接触が解除される。各爪部材226と各ガイド部材246との接触が解除されると、カムテーブル部材212はピストン部材232からの反作用力により、モータ軸206Aの軸回りに図13中矢印R方向(図15(C)及び図16(C)中矢印C方向)に向かって回転する。
このとき、図13、図15(C)及び図16(C)に示すように、カムテーブル部材212は、各爪部材226の傾斜面227と各ガイド部材246の傾斜面247とが面接触した状態で、各爪部材226の傾斜面227が各ガイド部材246の傾斜面247上を滑るようにして、回転する。そして、各爪部材226の傾斜面227が各ガイド部材246の傾斜面247上を滑り落ちると、各爪部材226の先端部は、隣の押圧片236と接触する。これにより、カムテーブル部材212の回転が一時的に停止する。
さらに、図14、図15(D)及び図16(D)に示すように、サブ制御基板106のCPU106Aから装飾駆動基板114を介してソレノイド238の駆動が制御され、可動部材242がソレノイド本体240側に移動すると、ピストン部材232が下方に移動して、各押圧片236も下方に移動する。これにより、カムテーブル部材212の各爪部材226とピストン部材232の各押圧片236との接触が解除され、各爪部材226の先端部がガイド部材246の傾斜面247上をさらに滑り落ちる(図14中矢印R方向、図15(D)及び図16(D)中矢印C方向)。これにより、カムテーブル部材212の回転が再開される。やがて、各爪部材226の先端部は、滑り落ちたガイド部材246と隣接する隣のガイド部材246の先端部に接触する。これにより、カムテーブル部材212の各爪部材226が各ガイド部材246にそれぞれ位置決めされるため、カムテーブル部材212の回転が阻止される(1ピッチ回転の停止)。
この状態では、ピストン部材232からカムテーブル部材212に作用する圧力がなくなり、カムテーブル部材212にはコイルばね230からの弾性力のみが作用する力学状態になる。この結果、カムテーブル部材212は、コイルばね230からの弾性力を受けて、下方向に移動する。このとき、ピストン部材232は、カムテーブル部材212から押圧されて、カムテーブル部材212とともに下方向に移動する。そして、カムテーブル部材212が初期位置(下方位置)に戻る。
以後、ソレノイド238の駆動制御に基づいて上記したカムテーブル部材212の動作(1ピッチ回転)が繰り返され、カムテーブル部材212は、相互に隣接する各ガイド部材246のピッチ分だけ回転する度に、下方に移動して初期位置に戻る。このようにして、カムテーブル部材212は、モータ軸206Aの軸回りを回転していく。
一方、サブ制御基板106のCPU106Aにより装飾駆動基板114を介してモータ206の駆動が制御される。サブ制御基板106から装飾駆動基板114を介してモータ206が駆動されると、モータ軸206Aが所定の方向に回転する。モータ軸206Aが回転すると、可動役物本体202がモータ軸206Aとともに回転する。モータ軸206Aを正方向に回転させた後、逆方向に回転させると、可動役物本体202が正方向に回転し、その後、逆方向にも回転することになるが、このような可動役物本体202の回転動作があたかもキャラクタが首を左右に振っているかのような印象を遊技者に与えることになる。なお、モータ軸206Aが回転しても、カムテーブル部材212及びピストン部材232は、モータ軸206Aと連れ回りしない。
ここで、図7及び図8に示すように、支持棒204は可動役物本体202に取り付けられているため、カムテーブル部材212がピストン部材232により押し上げられた状態で、可動役物本体202がモータ軸206A回りを回転すると、支持棒204の下端部がカムテーブル部材本体214の上面上を接触しながら移動する。そして、カムテーブル部材212が回転し続けると、カムテーブル部材本体214に形成された突起部216が支持棒204の近傍に移動してくることになる。やがて、図10に示すように、可動役物本体202が回転していると、所定のタイミングで、支持棒204の下端部が突起部216に乗り上がる。
支持棒204の下端部が突起部216に乗り上がると、支持棒204が上方に移動するため、可動役物本体202には支持棒204からの圧力が作用する。可動役物本体202に支持棒204からの圧力が作用すると、可動役物本体202が上方に押し上げられる。これにより、可動役物本体202は、モータ軸206Aに取り付けられた軸部材208回りを上側に向かって回転する。可動役物本体202が上側に向かって軸部材208回りを回転すると、遊技者に、あるキャラクタが空を見上げているかのような印象を与えることになる。
さらに、図9に示すように、この状態から、可動役物本体202がモータ軸206Aの軸回りに回転し、あるいは、カムテーブル部材212が回転すると、支持棒204の下端部は突起部216の頂点を通過してカムテーブル部材本体202の平面部に移動する。このとき、支持棒204は、その自重と可動役物本体202の重さで下方に移動する。これにより、可動役物本体202は、モータ軸206Aに取り付けられた軸部材208回りを下側に向かって回転する。可動役物本体202が下側に向かって軸部材208回りを回転すると、遊技者に、あるキャラクタが真正面を見ているかのような印象を与えることになる。
ここで、図19及び図20に示すように、支持棒204が接触するカムテーブル部材本体214の上面を4つの領域A(214A、可変手段)、領域B(214B、可変手段)、領域C(214C、可変手段)、領域D(214D、可変手段)にわけて、各領域の表面形状が異なるように構成してもよい。具体的には、図21(A)、(B)、(C)、(D)に示すように、領域A(214A)には、複数の凸部250が所定の間隔で形成されている。また、領域B(214B)は、平面状に形成されている。また、領域C(214C)には、1つの凸部252が形成されている。また、領域D(214D)には、1つの凹部254が形成されている。なお、図21(A)、(B)、(C)、(D)は、カムテーブル部材本体214の各領域を支持棒204が動く円周方向に沿って切断した断面図である。
この構成によれば、図19(A)及び図21(A)に示すように、可動役物本体202の顔部202Bが領域A(214A)に位置しているときには、支持棒204の下端部が領域A(214A)の表面と接触する。このとき、モータ軸206Aが回転したり、あるいはカムテーブル部材212が回転したりすると、支持棒204の下端部が複数の凸部250上を移動することになるため、支持棒204が複数回、上下方向に移動することになる。これにより、可動役物本体202は、支持棒204の移動の影響を受けて、上側及び下側に向かって、複数回、軸部材208の回りに回転する。この結果、モータ軸206Aが回転した場合は、遊技者に、あるキャラクタが上下方向及び左右方向に首を振っているかのような印象を与えることになる。
また、図19(B)及び図21(B)に示すように、可動役物本体202の顔部202Bが領域B(214B)に位置しているときには、支持棒204の下端部が領域B(214B)の表面と接触する。このとき、モータ軸206Aが回転したり、あるいはカムテーブル部材212が回転したりしても、支持棒204の下端部は平面状を接触しながら移動するだけであり、支持棒204は上下方向に移動しない。この結果、モータ軸206Aが回転した場合は、遊技者に、あるキャラクタが左右方向にのみ首を振っているかのような印象を与えることになる。
また、図20(A)及び図21(C)に示すように、可動役物本体202の顔部202Bが領域C(214C)に位置しているときには、支持棒204の下端部が領域C(214C)の表面と接触する。このとき、モータ軸206Aが回転したり、あるいはカムテーブル部材212が回転したりすると、支持棒204の下端部が1つの凸部252に沿って移動することになるため、支持棒204が1回だけ上方向に移動することになる。これにより、可動役物本体202は、支持棒204の移動の影響を受けて、1回だけ上側に向かって軸部材208の回りを回転する。この結果、モータ軸206Aが回転した場合は、遊技者に、あるキャラクタが、1回だけ空を見上げるとともに、左右方向に首を振っているかのような印象を与えることになる。
また、図20(B)及び図21(D)に示すように、可動役物本体202の顔部202Bが領域D(214D)に位置しているときには、支持棒204の下端部が領域D(214D)の表面と接触する。このとき、モータ軸206Aが回転したり、あるいはカムテーブル部材212が回転したりすると、支持棒204の下端部が1つの凹部254に沿って移動することになるため、支持棒204が1回だけ下方向に移動することになる。これにより、可動役物本体202は、支持棒204の移動の影響を受けて、1回だけ下側に向かって軸部材208の回りを回転する。この結果、遊技者に、あるキャラクタが、1回だけ地面を見るとともに、左右方向に首を振っているかのような印象を与えることになる。
このように、領域A、領域B、領域C、領域Dで表面形状が異なる凹凸パターンをもつことにより、可動役物本体202が首を上下方向に振るパターンを複数持つことができる。凹凸パターンが1種類しかなければ、可動役物本体202が左右方向に回転した場合に、いつも同じ箇所で首が上下することになる。しかし、凹凸パターンが4種類あり、可動役物本体202の顔部202Bが、領域A、領域B、領域C、領域Dのどの領域に位置するかを、ソレノイド238を駆動させることによって切り換えることができる。このことにより、可動役物本体202が左右方向に回転する場合に、首が上下するパターンを複数持つことが可能となる。
以上のように、第1実施形態のパチンコ機によれば、可動役物本体202に上下方向の回転動作と左右方向の回転動作を別々にあるいは同時に実現させることができる。つまり、ソレノイド238が駆動しカムテーブル部材212を回転させた場合にカムテーブル部材212に凹凸があれば、可動役物本体202は首が上下方向にだけ回転させる動作となる。また、可動役物202の顔部202Bが、領域Bのカムテーブルにある場合に、モータ軸206Aを回転させた場合は、可動役物本体202が左右方向にだけ回転する動作となる。また、可動役物202の顔部202Bが、領域Aのカムテーブルにある場合に、モータ軸206Aを回転させた場合は、可動役物本体2020が上下方向の回転動作と左右方向の回転動作を同時に実現できる。特に、可動役物本体202に上下方向の回転動作と左右方向の回転動作を同時に実現させることにより、可動役物本体202の動作に斬新性を持たせることができる。そして、特定の遊技状態に応じて可動役物本体202を動作させることにより、遊技性を向上させることができる。
また、可動役物本体202の動作を簡易な構成で実現することができるため、可動役物200の部品点数を削減でき、大型化することを阻止できる。これにより、中央装置54の内部などスペースが制限されている部位に、可動役物200を配置させることができる。この結果、斬新な動作を実行する可動役物200を配置させるための設計変更が不要になり、限られたスペースである遊技領域28に可動役物200を設けて遊技者が認識し易くなるような構成にすることができる。
特に、カムテーブル部材本体214の上面を複数の領域にわけ、各領域の表面に各領域毎に個数及び形状が異なる凸部あるいは凹部をそれぞれ形成することにより、支持棒204が変位するタイミングを各領域毎に異ならせることになる。これにより、可動役物本体202の上下方向に向かう回転運動(上下方向の首振り動作)を各領域毎に異ならせることができる。この結果、可動役物本体202の動作に意外性とバリエーションを持たせることができる。つまり、モータ軸206Aの回転により、可動役物本体202が左右方向に回転した場合に、いつも決まった箇所で首が上下するわけではない。左右方向に回転すると同時に首も上下方向の移動を繰り返したり、最後だけ首が上を向いたり、逆に最後だけ首が下を向いたり、あるいは、首はまったく上下しなかったり、と複数のバリエーションを遊技者に見せることができる。そのため、遊技性を一層向上させることができる。
さらに、カムテーブル部材本体214に光遮蔽部218を設け、これを光センサ220で検出することにより、カムテーブル部材本体214に形成された突起部216の位置を特定することができるとともに、突起部216の位置を正確に制御することができる。この結果、可動役物本体202の上下方向に向かう回転動作を適切に制御することができる。
ここで、上記第1実施形態のパチンコ機の変形例について説明する。
図22及び図23に示すように、この変形例の可動役物260は、モータ206のモータ軸206Aにカムテーブル部材262が取り付けられており、円盤状のカムテーブル部材262がモータ軸206Aの回転と共に回転する。これにより、可動役物本体202をモータ軸206A回りに回転させることができる。そして、可動役物本体202Aに取り付けられた支持棒264がカムテーブル部材262を厚み方向に貫通し、その下端部には、ソレノイド238が機械的に接続されている。ソレノイド238は、ソレノイド本体240と、ソレノイド本体240から出没可能に収容された可動部材242と、で構成されており、可動部材242と支持棒264の下端部とがアーム部材244で連結されている。ここで、アーム部材244は、可動部材242に対して回転可能に取り付けられており、また、支持棒264の下端部を下方から支持しつつ支持棒264に対して回転可能となるように取り付けられている。また、支持棒264には、支持棒264とアーム部材244との装着状態を維持するための係合手段(図示省略)が施されている。これにより、アーム部材244が支持棒264から離脱することを防止して、アーム部材244の支持棒264及び可動部材242に対する自由度が高められている。
また、図23に示すように、ソレノイド238が駆動され、可動部材242がソレノイド本体240から上方に移動すると、アーム部材244を介して支持棒264が押し上げられる。これにより、可動役物本体202は、支持棒264により押し上げられ、上側に向かって軸部材208回りを回転する。一方、図22に示すように、可動部材242がソレノイド本体240に収容される方向に移動すると、アーム部材244を介して支持棒264が下方に引かれる。これにより、可動役物本体202は、支持棒264により下方に引かれて、下側に向かって軸部材208回りを回転する。これにより、可動役物本体202の軸部材208回りの回転が可能になる。
以上のように、本変形例によれば、可動役物本体202の上下方向の回転動作と左右方向の回転動作の両方を個別に又は同時に実現しつつ、カムテーブル部材262の構成を簡略化することができる。これにより、可動役物260の部品点数を削減でき、可動役物260を小型化することができる。この結果、可動役物260を比較的狭いスペースに配置させることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機について、図面を参照して説明する。なお、第1実施形態に係るパチンコ機の構成と同一の構成については同符号を付し、その説明を適宜省略する。
図26乃至図29に示すように、可動役物270を構成するモータ軸206には、外周面に螺旋状の溝274が形成されているスクリュー部272が設けられている。このスクリュー部272は、モータ軸206Aの回転と共に回転する。また、スクリュー部272は、可動役物本体202の内部に挿入されている。また、可動役物本体202の内部には、スクリュー部272の溝274と噛み合うギア部材276が取り付けられている。このギア部材276は、半円状のギア部材本体278を備えている。このギア部材本体278の円弧状の外周面には、スクリュー部272の溝274と噛み合う複数のギア歯280が形成されている。また、ギア部材本体276の中心部には、回転軸282が取り付けられており、ギア部材276が回転軸282と共に軸回りに回転できるように構成されている。さらに、ギア部材276のギア歯280とスクリュー部272の溝274が噛み合った状態で、スクリュー部272が一方向側に回転すると、ギア部材276が回転軸282の軸回りを上側に向かって回転できるように構成されており、スクリュー部272が他方向側に回転すると、ギア部材276が回転軸282の軸回りを下側に向かって回転できるように構成されている。これにより、可動役物本体202の上下方向にわたる回転動作が実現される。
また、可動役物本体202の一部(例えば、首部202C)には、ソレノイド238が機械的に接続されている。ソレノイド238は、第1実施形態と同様にして、ソレノイド本体240と、可動部材242と、で構成されており、可動部材242の先端部から可動役物本体202の首部202Cにわたってアーム部材244が連結されている。このため、ソレノイド238が駆動して可動部材242がソレノイド本体240から押し出されると、可動役物本体202はアーム部材244により一方向側に回転する。また、可動部材242がソレノイド本体240に収容されると、可動役物本体202はアーム部材244により他方向側に回転する。これにより、可動役物本体202の左右方向にわたる回転動作が実現される。
なお、図30に示すように、第2実施形態の変形例となる可動役物290は、ソレノイド238に替えて、モータ292が可動役物本体202の駆動源として用いられている。この構成では、モータ292のモータ軸294に、ピニオンギア296が装着されており、ピニオンギア296から可動役物本体202の首部202Cにかけてベルト298が巻かれている。これにより、モータ292が駆動してモータ軸294が回転すると、モータ292の駆動力がベルト298を介して可動役物本体202に伝達され、可動役物本体202が回転可能になる。
この構成によれば、サブ制御基板106のCPU106Aから装飾駆動基板114を介してモータ292が駆動され、モータ軸294が一方向側に回転すると、可動役物本体202が右方向側に回転し、モータ軸294が他方向側に回転すると、可動役物本体202が左方向側に回転する。これにより、簡易な構成で、可動役物本体202の左右方向にわたる回転動作を実現することができる。
以上のように、第2実施形態のパチンコ機によれば、簡易な構成で、可動役物本体202の上下方向の回転動作と左右方向の回転動作を個別に又は同時に実現することができる。これにより、可動役物本体202の動作に斬新性を持たせることができる。加えて、可動役物本体202の動作を簡易な構成で実現することができるため、比較的狭いスペースに可動役物270、290を設置することができる。