JP2009059950A - 磁気抵抗効果膜、磁気ヘッド、磁気ディスク装置、磁気メモリ装置、及び磁気抵抗効果膜の製造方法 - Google Patents
磁気抵抗効果膜、磁気ヘッド、磁気ディスク装置、磁気メモリ装置、及び磁気抵抗効果膜の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】反強磁性層のラフネスの影響を低減し、層間結合磁界Hinの小さく、特性のバラツキの少ない磁気抵抗効果膜、磁気ヘッド、磁気ディスク装置、磁気メモリ装置、及び磁気抵抗効果膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】基板19の上方に、下地層11、反強磁性層12、固定強磁性層13、非磁性中間層14、リファレンス層15、バリア層16、フリー強磁性層17が形成された磁気抵抗効果膜10において、固定強磁性層13を基板19側から順に第1強磁性層13a、酸化物層13b、及び第2強磁性層13cを形成した積層構造とする。この酸化物層13bは、第1強磁性層13a表面の凹凸を埋め、その結果酸化物層13bの表面はほぼ平坦となる。これによりその上方に形成されたバリア層16のラフネスが改善され、層間結合磁界Hinが小さく特性のバラツキが少ない磁気抵抗効果膜10が得られる。
【選択図】図1
【解決手段】基板19の上方に、下地層11、反強磁性層12、固定強磁性層13、非磁性中間層14、リファレンス層15、バリア層16、フリー強磁性層17が形成された磁気抵抗効果膜10において、固定強磁性層13を基板19側から順に第1強磁性層13a、酸化物層13b、及び第2強磁性層13cを形成した積層構造とする。この酸化物層13bは、第1強磁性層13a表面の凹凸を埋め、その結果酸化物層13bの表面はほぼ平坦となる。これによりその上方に形成されたバリア層16のラフネスが改善され、層間結合磁界Hinが小さく特性のバラツキが少ない磁気抵抗効果膜10が得られる。
【選択図】図1
Description
本発明は、印加された磁界により抵抗値が変化する磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗効果膜を用いた磁気ヘッド、磁気ディスク装置、磁気メモリ装置、及び磁気抵抗効果膜の製造方法に関する。
磁気ディスク装置や磁気メモリ装置に使用される素子として、従来、図8に示すように、基板109側から順に下地層101、反強磁性層102、固定強磁性層103、非磁性中間層104、リファレンス層105、バリア層106、フリー強磁性層107、及びキャップ層108を形成した磁気抵抗効果膜100が知られている。この磁気抵抗効果膜100を磁気ディスク装置の読み取り素子として使用する場合、図9に示すように、磁気抵抗効果膜100の上下両面に電極132、134が形成される。このような読み取り素子において、磁気抵抗効果膜100の厚さは読み取り素子のリードギャップ長Lgとなり、これによって磁気記録媒体120上の記録ビット長の最小値Lbitが決定され、記録密度の上限値が決まる。したがって、磁気ディスク装置の更なる高記録密度化を図るためには、磁気抵抗効果膜100を薄くする必要がある。
磁気抵抗効果膜100の反強磁性層102に注目すると、2003年頃までは、反強磁性層102をPtMnまたはPdPtMnで構成するものが主流であった。ところが、これらの材料で構成された反強磁性層102は、その上に形成される固定強磁性層103の磁化の向きを固定するのに15nm以上の厚さを必要とした。このため、磁気抵抗効果膜100が厚くなり、その結果リードギャップ長Lgが大きくなって、磁気ディスク装置のより一層の高記録密度化が困難であるという問題がある。そこで、耐熱性、耐食性、及びラフネスに若干の問題を有するが、膜厚4nm程度で固定強磁性層103の磁化方向を固定できるIrMn層を反強磁性層102に用いた磁気抵抗効果膜100が使用されるようになった(例えば特許文献1)。
特開2005−92917号公報
当初、IrMn層を用いた反強磁性層102のラフネスは、バリア層106等の膜厚が大きかったこともあり、それほど問題視されていなかった。しかし、更なる高記録密度化(リードギャップ長の縮小)及び高速転送(低抵抗化)への対応が要求されことに伴い、バリア層106等の膜厚が薄くなると、磁気抵抗効果を担うリファレンス層105とフリー強磁性層107との間の静磁気的相互作用が大きくなり、バリア層106のラフネスに起因してSN比(信号とノイズとの比)が低下したり、読み出しエラーが発生することが判明した。また、このバリア層106のラフネスはバリア層106の膜厚及び特性のバラツキを生じ磁気抵抗効果膜の信頼性にも影響を与える。
本発明の目的は、反強磁性層のラフネスの影響を低減し、信頼性の高い磁気抵抗効果膜、磁気ヘッド、磁気ディスク装置、磁気メモリ装置、及び磁気抵抗効果膜の製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、基板と、前記基板の上方に形成された反強磁性層と、前記反強磁性層の上に形成された固定強磁性層と、前記固定強磁性層上に形成された非磁性結合層と、前記非磁性結合層上に形成された強磁性体からなるリファレンス層と、前記リファレンス層上に形成された非磁性体からなるバリア層と、前記バリア層上に形成された強磁性体からなるフリー強磁性層とを有し、前記固定強磁性層は、第1強磁性層と、前記第1強磁性層の表面上に形成された酸化物層と、前記酸化物層上に形成された第2強磁性層とにより構成されていることを特徴とする磁気抵抗効果素子が提供される。
本願発明者等は、バリア層のラフネスを低減し、層間結合磁場Hinの小さな磁気抵抗効果膜を得るべく、種々実験検討を行った。その結果、固定強磁性層に酸化物層を形成することにより、上記の目的を達成できるとの知見を得た。本発明は、このような実験に基づいてなされたものである。
上記観点による磁気抵抗効果膜を磁気ヘッドの読み取り素子に適用すると、磁気抵抗効果膜のラフネスが低減され、バリア層が平坦化されるため、読み取り信号波形の非対称性が小さく、特性のバラツキが小さな信頼性の高い磁気ヘッドが得られる。また、上記観点による磁気抵抗効果膜は磁気メモリ装置(MRAM:Magnetic Random Access Memory)にも適用することができる。これにより、磁気メモリ装置の磁気抵抗効果膜の特性のバラツキが少なく信頼性の高い磁気メモリ装置が得られる。
本発明の実施形態の説明に先立って、基礎的事項について説明する。
図8に示すような磁気抵抗効果膜100において、反強磁性層102としてIrMnを堆積させると、IrMnの粒成長により表面の平坦性が低いIrMn層が形成され、反強磁性層102のラフネスが大きくなる。この反強磁性層102の上に、固定強磁性層103、非磁性中間層104、リファレンス層105、バリア層106、及びフリー強磁性層107を形成すると、これらの層の界面のラフネスも大きくなる。そして、バリア層106の界面のラフネスによって、リファレンス層105及びフリー強磁性層107の間で静磁気的な相互作用が大きくなる。
図10は、磁気抵抗効果膜の外部磁場に対する抵抗値変化を示す図であり、図10(a)は、リファレンス層とフリー強磁性層との間にバリア層106のラフネスに起因する磁気的相互作用がない場合の変化を示し、図10(b)リファレンス層とフリー強磁性層との間にバリア層106のラフネスに起因する磁気的相互作用がある場合の変化を示す。
図10(a)に示すように、バリア層106の表面にラフネスが無い場合には、外部磁場によるフリー強磁性層107の磁化反転はゼロ磁場付近で発生する。そして、磁気抵抗効果膜100の電気抵抗変化は、図10(a)に示すようにゼロ磁場付近で発生する。これに対し、バリア層106の表面にラフネスがあると、リファレンス層105とフリー強磁性層107との間にラフネスに起因する磁気的な相互作用が発生し、外部磁場によるフリー強磁性層107の磁化反転はゼロ磁場からシフトする。そのため、磁気抵抗効果膜100の電気抵抗変化も、図10(b)に示すように、ゼロ磁場からシフトした磁場で発生する。この磁化反転磁場のゼロ磁場からのシフト量は層間結合磁場Hin(Inter layer coupling field)と呼ばれ、バリア層106のラフネスの指標として用いられる。
次に、図11〜図13を参照しつつ、磁気ヘッドの読み取り素子としての磁気抵抗効果膜のバリア層にラフネスがある場合の問題点を説明する。
図11(a)は、磁気ヘッドの読み取り素子としての磁気抵抗効果膜のバリア層にラフネスがない場合のフリー強磁性層の磁化の向きを示す模式図、図11(b)はバリア層にラフネスがある場合のフリー強磁性層の磁化の向きを示す模式図である。
磁気ディスク装置等に用いられる磁気ヘッドでは、図11(a)及び(b)に示すように、フリー強磁性層107の両側方に磁区制御層110が設けられ、リファレンス層105の磁化方向と垂直な方向に磁化された磁区制御層110によって、フリー強磁性層107にバイアス磁場が印加されている。リファレンス層105とフリー強磁性層107との間にバリア層106のラフネスによる磁気的相互作用がない場合は、図11(a)に示すように、フリー強磁性層107の磁化の向きはバイアス磁場方向(磁区制御層110の磁化方向)に揃えられている。これに対し、リファレンス層105とフリー強磁性層107との間にバリア層106のラフネスによる磁気的相互作用がある場合は、リファレンス層105の影響により図11(b)に示すように、フリー強磁性層107の磁化の向きがリファレンス層105の磁化の方向にずれてしまう。
図12(a)は、バリア層にラフネスがない場合の外部磁場に対する磁気ヘッド(読み取り素子)の出力電圧を示すグラフであり、図12(b)はこの場合の読み取り信号波形を示すグラフである。図13(a)は、磁気抵抗効果膜のバリア層にラフネスがある場合の外部磁場に対する磁気ヘッド(読み取り素子)の出力電圧を示すグラフであり、図13(b)はこの場合の読み取り信号波形を示すグラフである。
リファレンス層105とフリー強磁性層107との間でバリア層106のラフネスによる磁気的相互作用が無い場合は、フリー強磁性層107に実効的に働く磁界は、記録媒体120からの磁界と磁区制御層110からの磁界との和であり、図12(a)に示すようにゼロ磁場を中心として変動する。したがって、読み取り信号波形は、図12(b)に示すように上下対称となる。これに対し、リファレンス層105とフリー強磁性層107との間にバリア層106のラフネスによる磁気的相互作用がある場合は、フリー強磁性層107に実効的に働く磁界は、磁区制御層110及び記録媒体120からの磁界に加えてリファレンス層105からの磁界が加わるため、図13(a)に示すように、ゼロ磁場から層間結合磁場Hinだけシフトした位置を中心として変動する。このため、読み取り信号波形は、図13(b)に示すように非対称性を生じる。このように読み取り信号波形に非対称性があると、SN比(信号とノイズの比)が大きくなり、極端な場合は読み取りエラーが発生する。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係わる磁気抵抗効果膜を示す断面図である。
図1は本発明の第1実施形態に係わる磁気抵抗効果膜を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係わる磁気抵抗効果膜10は、基板19の上に、下地層11、反強磁性層12、固定強磁性層13、非磁性結合層14、リファレンス層15、バリア層16、フリー強磁性層17、及びキャップ層18を下から順に積層した積層構造を有する。
基板19は、例えば、Al2O3−TiC等のセラミック基板や、Si単結晶基板で構成される。また、基板19と下地層11との間に絶縁膜(図示せず)又は導電膜(図示せず)を形成しても良い。下地層11は、例えば、厚さ2nmのTa膜と、その上に形成された厚さ3nmのRu膜との積層膜で構成される。
反強磁性層12は、例えば、厚さ4nm以上のIrMn層で構成される。反強磁性層12は、その上の固定強磁性層13の磁化の方向を交換相互作用によって固定するために設けられている。
固定強磁性層13は、基板19側から順に、第1強磁性層13a、酸化物層13b、及び第2強磁性層13cを積層して形成された積層膜で構成される。第1強磁性層13aは、例えば、厚さ0.7〜1.5nm程度のCoFe層で構成される。酸化物層13bは、例えば、第1強磁性層13aを自然酸化して形成された自然酸化膜によって構成される。この酸化物層13bは第1強磁性層13aの表面の凹凸を埋め、その結果酸化物層13bの表面はほぼ平坦となっている。尚、酸化物層13bは、第1強磁性層13aの表面を高周波グロー放電等により発生させた酸素プラズマで酸化させたものであってもよい。酸化物層13bは、例えば厚さ0.5nm〜1nm程度に形成される。酸化物層13bを1nmより厚く形成すると、磁気抵抗効果膜10の素子抵抗が高くなってしまう。第2強磁性層13cは、例えば、厚さ0.5〜1nm程度のCoFe層で構成される。固定強磁性層13を構成する第1及び第2強磁性層13a、13cは、反強磁性層12との反強磁性結合で磁化の向きが所定方向に固定されている。
非磁性結合層14は、例えば、厚さ0.4〜0.9nm程度のRu層又はRuRh層で構成される。リファレンス層15は、例えば、厚さ2nm程度のCoFeB層で構成される。このリファレンス層15は非磁性結合層14を介して固定強磁性層13と反強磁性結合し、その磁化の向きは固定強磁性層13の磁化と反平行な向きに固定されている。これによりリファレンス層15の磁化の向きは外部磁場の変化やスピン偏極電流が流入しても変化しない。
バリア層16は、磁気抵抗効果膜10が例えばTMR(Tunnel Magneto Resistive)素子の場合には、トンネル絶縁膜として厚さ1nm程度の結晶性MgO層で構成される。尚、本実施形態のバリア層16は上記構成に限られず、例えば、バリア層16をCu層等の導電材料層で構成して磁気抵抗効果膜10をGMR素子とすることもできる。
フリー強磁性層17は、例えば、厚さ3.0nm程度のCoFeB層で構成される。このフリー強磁性層17は、外部磁場の変化やスピン偏極電流の注入等によって磁化の方向を面内方向で変化させることができる。キャップ層18は、例えば、厚さ3nm程度のTa層と、その上に形成された厚さ2nm程度のRu層の積層膜として構成される。
以上のように構成された磁気抵抗効果膜10は、リファレンス層15とフリー強磁性層17との磁化方向の差によって、バリア層16を垂直方向又は面内方向に通過する電流の受ける抵抗が変化する。
本実施形態の磁気抵抗効果膜10は、上述したように第1強磁性層13aの上に酸化物層13bを備える。この酸化物層13bは、第1強磁性層13aの表面の凹凸を埋め、その結果酸化物層13bの表面は平坦になっている。このため、酸化物層13aの上方に形成される各層のラフネスが軽減され、バリア層16のラフネスも従来の磁気抵抗効果膜と比べて小さくなっている。これにより、バリア層16のラフネスによるリファレンス層15とフリー強磁性層17との磁気的相互作用が減少し、層間結合磁場Hinの小さな磁気抵抗効果膜10が得られる。また、バリア層16のラフネスが低減されるため、バリア層16の膜厚のバラツキが少なくなり、磁気抵抗効果膜10の素子抵抗やMR比といった特性のバラツキが抑制される。
尚、第2強磁性層13cを形成せずに、酸化物層13bの上に直接非磁性結合層14を形成することも考えられる。しかし、酸化物層13bの上に第2強磁性層13cを形成しない場合は固定強磁性層13(強磁性層)とリファレンス層14との間隔が大きくなり、リファレンス層14との反強磁性的結合が弱くなって、磁気抵抗効果膜10の安定性が低下する。このため、固定強磁性層13は、第1強磁性層13a、酸化物層13b、及び第2強磁性層13cにより構成することが必要である。
本実施形態に係わる磁気抵抗効果膜10は、以下のようにして製造できる。尚、酸化物層13b以外の各層の形成は、例えば、基板温度を室温として高真空雰囲気下のスパッタ法で成膜することができる。
先ず、基板19の上に下地層11として、例えば厚さ3nmのTa層と厚さ2nmのRu層を順に形成する。次に、反強磁性層12として、例えば厚さ5nmのIrMn層を形成する。
次に、固定強磁性層13を形成する。すなわち、反強磁性層12の上に、例えば厚さ0.7〜1.5nmにCoFeを堆積して第1強磁性層13aを形成する。次に、第1強磁性層13aの表面を、自然酸化して酸化物層13bを形成する。自然酸化は、第1強磁性層13aが形成された基板19を収容したチャンバを真空引きしながら、酸素ガス又は酸素を含む混合ガスを一定流量(例えば1sccm)で所定時間導入して行うことができる。例えば、第1強磁性層13a付近の酸素分圧を0.2mPa〜1mPaとして20秒程度酸素と接触させることで酸化物層13bを形成できる。この場合、基板温度は室温で自然酸化を行うことができるが、適宜、基板温度を室温以上に加熱又は室温以下に冷却して自然酸化を行っても良い。尚、第1強磁性層13aの表面を酸素プラズマと接触させるプラズマ酸化法で酸化物層13bを形成してもよい。その後、酸化物層13bの上に第2強磁性層13cとして、例えば厚さ0.5〜1.0nmのCoFe層を形成する。
次に、第2強磁性層13cの上に、非磁性結合層14として、例えば厚さ0.4〜0.9nmのRu層又はRuRh層を形成する。続いて、リファレンス層15として、例えば厚さ2nmのCoFeB層を形成し、その上にバリア層16として、例えば厚さ1nm程度の結晶性MgO層を形成する。尚、磁気抵抗効果膜10をGMR膜とする場合には、バリア層16として、例えばCu層等の導電層を形成しても良い。更に、フリー強磁性層17として、例えば厚さ3nmのCoFeB層を形成し、最後にキャップ層18として、厚さ3nmのTa層と厚さ2nmのRu層を順に形成する。その後固定強磁性層13の磁化方向を固定するためのピンアニールを行って磁気抵抗効果膜10が完成する。
(実験例)
次に、磁気抵抗効果膜10の酸化物層13bの酸化処理条件及びバリア層(トンネル絶縁)の厚さを変えた試料と、酸化物層13bを形成しない試料とを作製し、これらの試料についてHinの特性評価を行った結果について説明する。
次に、磁気抵抗効果膜10の酸化物層13bの酸化処理条件及びバリア層(トンネル絶縁)の厚さを変えた試料と、酸化物層13bを形成しない試料とを作製し、これらの試料についてHinの特性評価を行った結果について説明する。
図2は、実験例に係わる磁気抵抗効果膜の作製に用いた磁気抵抗効果膜を示す断面図である。この図において、図1と同一物には同一符号を付している。
実験例に係わる磁気抵抗効果膜20は、Al2O3−TiC基板の上に形成した。磁気抵抗効果膜20は、バリア層16(MgO)の膜厚依存性を調べるために、図2に示すようにバリア層16(MgO)をウエッジ形に堆積した。この磁気抵抗効果膜20を分離してバリア層16の厚さが異なる種々の試料を作製した。実験例の磁気抵抗効果膜20の構成は、下から順にTa層(3nm)/Ru層(2nm)/IrMn層(7nm)/CoFe層(1nm)/自然酸化膜/CoFe層(0.7nm)/Ru層(0.7nm)/CoFeB層(2nm)/MgO層(1.3w)/CoFeB層(3nm)/Ta層(5nm)である。また、MgO層の1.3wは基板中央付近の膜厚が1.3nmであることを示す。
本実験例では、酸素ガスをチャンバ内に流量1sccmで20秒間を導入して酸素分圧1mPaのもとで自然酸化させて酸化物層13bを形成した試料1と、酸素ガスを流量0.1sccmで20秒間を導入して酸素分圧0.2mPaのもとで自然酸化させて酸化物層13bを形成した試料2とを作製した。
一方、試料3の磁気抵抗効果膜として、酸化物層13bが形成されていない点を除き試料1、2と同様の磁気抵抗効果膜を作製した。試料3は自然酸化を行わない点を除き、試料1、2と同様の製法で作製した。
図3は、試料1〜3に係わる磁気抵抗効果膜の層間結合磁場Hinの測定結果を示すグラフである。図3において、縦軸はHin(A/m)の相対値を表し、横軸は磁気抵抗効果膜の抵抗面積積RA(Ωμm2)を表す。ここで、抵抗面積積RAは素子抵抗と素子面積の積であり、例えば0.1μm角の試料で素子抵抗が300Ωの場合にはRAは3(Ωμm2)となる。RAは一般に、MgO膜(トンネルバリア層)が厚い試料ほど大きな値を示す。
図3に示すように、酸素分圧1mPaのもとで20秒程度自然酸化させた酸化物層13bを有する試料1は、酸化物層を形成しない試料3の磁気抵抗効果膜と比べて層間結合磁場Hinが低くなり、同一の抵抗面積積RAを有する試料で比較すると、試料1の磁気抵抗効果膜は層間結合磁場Hinが15%程度低下した。試料1の第1強磁性層13aは結晶質のCoFe層であり、このCoFe層は島状成長する。このような島状成長で形成された第1強磁性層13aを酸化処理することで第1強磁性層13aの粒間や凹部を埋めるように酸素が入り、平坦な表面を有する酸化物膜13bが形成されるものと考えられる。そして、この平坦な酸化物層13bにより、反強磁性層12のラフネスの影響が軽減され、酸化物層13aの上方に形成されたバリア層16の界面のラフネスが低減し、バリア層16を介したフリー強磁性層17とリファレンス層15との強磁性的な層間結合が低減し、磁気抵抗効果膜10のHinが低下するものと考えられる。
一方、酸素分圧0.2mPaのもとで20秒程度自然酸化させた試料2の磁気抵抗効果膜では、同一の抵抗面積積RAを有する試料で比較すると、試料3の磁気抵抗効果膜よりも層間結合磁場Hinが高くなり、フリー強磁性層17とリファレンス層15との磁気的相互作用が大きくなった。この場合、酸化物層13bの形成において酸化処理が十分でなく、酸化物層13bによるラフネスの改善効果が得られず、バリア層16の界面のラフネス低減効果が得られなかったものと考えられる。このため、バリア層16の界面のラフネスを改善するためには、十分な厚さ(0.5〜1nm程度)の酸化物層13bを形成することが必要であると考えられる。
(第2実施形態)
以下、図4〜6を参照しつつ第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態で説明した磁気抵抗効果膜10を備えた磁気ヘッド及び磁気ディスク装置に関するものである。
以下、図4〜6を参照しつつ第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態で説明した磁気抵抗効果膜10を備えた磁気ヘッド及び磁気ディスク装置に関するものである。
(磁気ヘッド)
図4は、本発明の第2実施形態に係わる磁気ヘッドの要部の構成を示す断面図である。
図4は、本発明の第2実施形態に係わる磁気ヘッドの要部の構成を示す断面図である。
本実施形態に係わる磁気ヘッド30は、図4に示すように、スライダーとなる基板31の上に形成された下側磁気シールド層(電極)32と、下側磁気シールド層32の上に形成され、磁気記録媒体からの漏洩磁場を読み取る読み取り素子(磁気抵抗効果膜)33と、読み取り素子33の上に形成された上側磁気シールド層(電極)34と、この上側磁気シールド層34の上方に形成され、磁気記録媒体に情報を書き込む書き込み素子(インダクティブヘッド)35とにより構成される。図4で磁気ヘッド30の左端部分が磁気記録媒体の記録面と対向する。尚、読み取り素子33は、第1実施形態の磁気抵抗効果膜10と同一構成であり、トンネル磁気抵抗効果膜(TMR素子)、CPP型巨大磁気抵抗効果膜、又はCIP型巨大磁気抵抗効果膜等の磁気抵抗効果膜で構成することができる。
図5(a)、(b)は、磁気ヘッドの製造方法を工程順に示す断面図である。以下、図5を参照しつつ、読み取り素子の製造方法を説明する。尚、図5(a)、(b)は、磁気ヘッド30を磁気記録媒体側(図4の左側)から見たときの構造を示している。
先ず、図5(a)に示す構造を形成する。Al2O3−TiC(アルチック)基板等の非磁性体からなる基板31の上にAl2O3層(図示せず)を形成し、その上に例えばNiFe等の軟磁性材料による下側磁気シールド層32を2〜3μmの厚さに形成する。そして、この下側磁気シールド層32の上に、磁気抵抗効果膜を形成する。この磁気抵抗効果膜は第1実施形態の磁気抵抗効果膜10と同じ構成であり、同様の方法で作製される。
この磁気抵抗効果膜をフォトレジスト法及びイオンミーリングにより所定の形状に整形して読み取り素子33を形成し、図5(a)に示す構造が完成する。
次に、図5(b)に示す構造を形成する。図5(a)に示す読み取り素子33の上に、レジストパターン(図示せず)を残したまま、スパッタ法により、基板31の上面全面に厚さ3〜10nmの絶縁膜40を形成する。続いて、スパッタ法により絶縁膜40の上にCoCrPtを堆積させて、読み取り素子33の側方に磁区制御層41を形成する。その後、レジストパターンを除去する。次に、磁区制御層41及び読み取り素子33が形成された基板31の上面を平坦化した後、磁区制御層41及び読み取り素子33の上に例えばNiFe等の軟磁性材料による上側シールド層34を2〜3μmの厚さに形成する。このようにして、図5(b)に示す構造が完成する。次いで、公知の方法により、上側磁気シールド層34の上に書き込み素子35、すなわち主磁極、コイル及び補助磁極等を形成する(図4参照)。このようにして本実施形態に係わる磁気ヘッド30の製造が完了する。
磁気ヘッド30において、磁気記録媒体の記録ビットからの漏洩磁場によりフリー強磁性層17(図1参照)の磁化の方向が変化し、その結果読み取り素子33の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を電気的に検出することにより、磁気記録媒体に記録された情報を読み取ることが出来る。
本実施形態によれば、上述のように読み取り素子33の固定強磁性層13に、第1及び第2強磁性層13a、13cに挟まれた酸化物層13bが形成されている。これにより、層間結合磁場Hinが小さくなり、読み取り信号の歪が減少して読み取りエラーの発生しにくい磁気ヘッド30が得られる。また、従来よりも、バリア層16の厚さのバラツキが減少し、読み取り素子33の特性のバラツキが抑えられ信頼性の高い磁気ヘッド30が得られる。
(磁気ディスク装置)
図6は、磁気ディスク装置を示す平面図である。
図6は、磁気ディスク装置を示す平面図である。
図6に示すように磁気ディスク装置50は、その筐体54内に、磁気記録媒体51と、先端に磁気ヘッド30(図4参照)を備えたヘッドスライダ(基板)31と、ヘッドスライダ31を保持するアーム53とを収納している。磁気記録媒体51は図示しないスピンドルモータにより回転され、磁気ヘッド30はアーム53を駆動する図示しないヘッド位置決め機構により記録媒体51上の所定トラックに移動することができる。
本実施形態の磁気ディスク装置50は、上述のように層間結合磁場Hinが小さく特性のバラツキの小さな磁気ヘッド30を備える。このため、読み取りエラーが発生し難く信頼性の高い磁気ディスク装置50が得られる。
(第3実施形態)
以下、図7を参照しつつ第3実施形態に係わる磁気メモリ装置60について説明する。ここで、図7は、本発明の第3実施形態に係る磁気メモリ装置の要部を示す断面図である。尚、上記各図において既に説明した構成と同一構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
以下、図7を参照しつつ第3実施形態に係わる磁気メモリ装置60について説明する。ここで、図7は、本発明の第3実施形態に係る磁気メモリ装置の要部を示す断面図である。尚、上記各図において既に説明した構成と同一構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施形態に係わる磁気メモリ装置(MRAM)60は、図7に示すようなメモリセル61を例えば、マトリクス状に配置して構成される。メモリセル61は、磁気抵抗効果膜10及びFET62によって構成される。
FET62は、半導体基板63の表面に互いに隔てて形成された拡散領域65a及び拡散領域65bを備える。拡散領域65aは、プラグ74及び配線75を介して磁気抵抗効果膜10の下地層11と電気的に接続され、拡散領域65bはプラグ74を介してプレート線(図示せず)と電気的に接続されている。FET62のゲート電極は、磁気メモリ装置61の読み出し用ワード線69を構成する。
磁気抵抗効果膜10は、その下地層11がFET62の不純物拡散領域(ソース側)65と電気的に接続され、そのキャップ層18がビット線70と電気的に接続されている。磁気抵抗効果膜10の下には、書き込み用ワード線71が設けられている。磁気抵抗効果膜10、プレート線(図示せず)、読み出し用ワード線69、プラグ74、及び配線75は上記で説明した電気的接続以外は層間絶縁膜73によって互いに電気的に絶縁されている。
磁気メモリ装置60は、磁気抵抗効果膜10のフリー強磁性層17(図1参照)の磁化の向きが、リファレンス層15(図1参照)の磁化の向きと平行か反並行か否かによって情報を保持し、このフリー強磁性層17の磁化の向きは、磁気抵抗効果膜10の抵抗値を検出することで行われる。また、情報の書き込みは、ビット線70と書き込みワード線71に電流を流して、フリー強磁性層17に所定の書き込み磁場を印加することで行われる。尚、本実施形態の磁気メモリ装置60において、情報の書き込みをフリー強磁性層17にスピン偏極電流を注入して行うように構成しても良い。
本実施形態の磁気メモリ装置60は、上述のように、層間結合磁場Hinが小さく、素子抵抗やMR比といった特性のバラツキが少ない磁気抵抗効果膜10を備える。これにより信頼性の高い磁気メモリ装置60が得られる。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1) 基板と、前記基板の上方に形成された反強磁性層と、前記反強磁性層の上に形成された固定強磁性層と、前記固定強磁性層上に形成された非磁性結合層と、前記非磁性結合層上に形成された強磁性体からなるリファレンス層と、前記リファレンス層上に形成された非磁性体からなるバリア層と、前記バリア層上に形成された強磁性体からなるフリー強磁性層とを有し、前記固定強磁性層は、第1強磁性層と、前記第1強磁性層の表面上に形成された酸化物層と、前記酸化物層上に形成された第2強磁性層とにより構成されていることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
(付記2) 前記酸化物層は、前記第1強磁性層の表面を酸化して形成されたものであることを特徴とする付記1に記載の磁気抵抗効果素子。
(付記3) 前記酸化物層の厚さが0.5〜1nmであることを特徴とする付記1に記載の磁気抵抗効果膜。
(付記4) 前記バリア層が導電層であることを特徴とするとする付記1に記載の磁気抵抗効果膜。
(付記5) 前記バリア層がトンネル絶縁層であることを特徴とする付記1に記載の磁気抵抗効果膜。
(付記6) 記録素子及び磁気抵抗効果素子を備え、磁気記録媒体に対しデータの記録及び再生を行う磁気ヘッドにおいて、前記磁気抵抗効果素子が、基板の上方に形成された反強磁性層と、前記反強磁性層上に第1強磁性層、酸化物層及び第2強磁性層が順に積層された固定強磁性層と、前記固定強磁性層上に形成された非磁性結合層と、前記非磁性結合層上に形成された強磁性体からなるリファレンス層と、前記リファレンス層上に形成された非磁性体からなるバリア層と、前記バリア層上に形成された強磁性体からなるフリー強磁性層とにより構成されていることを特徴とする磁気ヘッド。
(付記7) 円盤状の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に対しデータの記録及び再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の表面に沿って移動させる磁気ヘッド移動手段とを有する磁気ディスク装置において、前記磁気ヘッドは、基板の上方に形成された反強磁性層と、前記反強磁性層上に第1強磁性層、酸化物層及び第2強磁性層が順に積層されてなる固定強磁性層と、前記固定強磁性層上に形成された非磁性結合層と、前記非磁性結合層上に形成された強磁性体からなるリファレンス層と、前記リファレンス層上に形成された非磁性体からなるバリア層と、前記バリア層上に形成された強磁性体からなるフリー強磁性層とにより構成されていることを特徴とする磁気ディスク装置。
(付記8) 磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子に磁界又はスピン偏極電流を印加して前記磁気抵抗効果素子のフリー強磁性層の磁化を所定の方向に向ける書き込み手段と、前記磁気抵抗効果素子に検出電流を供給して抵抗値を検出する読み出し手段と、を備えた磁気メモリ装置であって、前記磁気抵抗効果素子は、基板の上方に形成された反強磁性層と、前記反強磁性層上に第1強磁性層、酸化物層及び第2強磁性層が順に形成された固定強磁性層と、前記固定強磁性層上に形成された非磁性結合層と、前記非磁性結合層上に形成された強磁性体からなるリファレンス層と、前記リファレンス層上に形成された非磁性体からなるバリア層と、前記バリア層上に形成された強磁性体からなるフリー強磁性層とにより構成されていることを特徴とする磁気メモリ装置。
(付記9) 基板の上方に反強磁性層を形成する工程と、前記反強磁性層の上に第1強磁性層、酸化物層及び第2強磁性層を順に積層して、これらの第1強磁性層、酸化物層及び第2強磁性層からなる固定強磁性層を形成する工程と、前記固定強磁性層の上に非磁性結合層を形成する工程と、前記非磁性結合層の上に強磁性体からなるリファレンス層を形成する工程と、前記リファレンス層の上に非磁性体からなるバリア層を形成する工程と、前記バリア層の上にフリー強磁性層を形成する工程と、を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
(付記10) 前記酸化層は、前記第1強磁性層の表面を自然酸化させて形成することを特徴とする付記9に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
10、20、100…磁気抵抗効果膜、11、101…下地層、12、102…反強磁性層、13、103…固定強磁性層、13a…第1強磁性層、13b…酸化物層、13c…第2強磁性層、14、104…非磁性結合層、15、105…リファレンス層、16、106…バリア層、17、107…フリー強磁性層、18、108…キャップ層、19、31、109…基板、30…磁気ヘッド、32、132…下側磁気シールド層(電極)、33…読み取り素子(磁気抵抗効果膜)、34、134…上側磁気シールド層(電極)、35…書き込み素子、40、111…絶縁膜、41、110…磁区制御層、50…磁気ディスク装置、51、120…磁気記録媒体、53…アーム、54…筐体、60…磁気メモリ装置、61…メモリセル、62…FET、63…半導体基板、64…pウエル、65…不純物拡散領域、66…ゲート絶縁膜、69…読み出し用ワード線、70…ビット線、71…書き込み用ワード線、73…層間絶縁膜、74…プラグ、75…配線。
Claims (5)
- 基板と、
前記基板の上方に形成された反強磁性層と、
前記反強磁性層の上に形成された固定強磁性層と、
前記固定強磁性層上に形成された非磁性結合層と、
前記非磁性結合層上に形成された強磁性体からなるリファレンス層と、
前記リファレンス層上に形成された非磁性体からなるバリア層と、
前記バリア層上に形成された強磁性体からなるフリー強磁性層とを有し、
前記固定強磁性層は、第1強磁性層と、前記第1強磁性層の表面上に形成された酸化物層と、前記酸化物層上に形成された第2強磁性層とにより構成されていることを特徴とする磁気抵抗効果素子。 - 前記反強磁性層は、IrMnからなることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
- 円盤状の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に対しデータの記録及び再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の表面に沿って移動させる磁気ヘッド移動手段とを有する磁気ディスク装置において、
前記磁気ヘッドは、
基板の上方に形成された反強磁性層と、
前記反強磁性層上に第1強磁性層、酸化物層及び第2強磁性層が順に積層された固定強磁性層と、
前記固定強磁性層上に形成された非磁性結合層と、
前記非磁性結合層上に形成された強磁性体からなるリファレンス層と、
前記リファレンス層上に形成された非磁性体からなるバリア層と、
前記バリア層上に形成された強磁性体からなるフリー強磁性層とにより構成されていることを特徴とする磁気ディスク装置。 - 基板の上方に反強磁性層を形成する工程と、
前記反強磁性層の上に第1強磁性層、酸化物層及び第2強磁性層を順に積層して、これらの第1強磁性層、酸化物層及び第2強磁性層からなる固定強磁性層を形成する工程と、
前記固定強磁性層の上に非磁性結合層を形成する工程と、
前記非磁性結合層の上に強磁性体からなるリファレンス層を形成する工程と、
前記リファレンス層の上に非磁性体からなるバリア層を形成する工程と、
前記バリア層の上にフリー強磁性層を形成する工程と、
を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 前記酸化層は、前記第1強磁性層の表面を自然酸化させて形成することを特徴とする請求項4に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
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JP2012169626A (ja) * | 2011-02-11 | 2012-09-06 | Headway Technologies Inc | Tmrデバイスおよびその製造方法 |
JP2016063085A (ja) * | 2014-09-18 | 2016-04-25 | 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. | 磁気トンネル接合素子及び磁気ランダムアクセスメモリ |
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2007
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