JP2009058391A - 反応容器プレート及び反応処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反応容器5の近傍に温度測定用容器6が設けられている。温度測定用容器6は反応容器5と同じ形状と容積をもち、その内部に温度測定用液体8が収容されている。温度測定容器6の上面は鋭利な先端形状をもつ部材で貫通可能な密閉部材16により密閉されている。
【選択図】図1
Description
また、微量の液体を定量的に扱うことができる微量液体秤取構造として、第1流路及び第2流路と、上記第1流路の流路壁に開口する第3流路と、第2流路の流路壁に開口して第3流路の一端と第2流路を連結し第3流路よりも相対的に毛管引力が働きにくい性質を第4流路とを有する構造を備えたものがある(例えば特許文献2,3を参照。)。その微量液体秤取構造によれば、第1流路に導入された液体が第3流路内に引き込まれた後、第1流路に残存する上記液体を取り除き、第3流路の容積に応じた体積の液体を第2流路に秤取することができる。
温度測定用容器は温度測定用液体を収容した状態で、鋭利な先端形状をもつ部材で貫通可能な密閉部材で密閉されているので、温度測定を行なう直前まで密閉部材によって温度測定液体を温度測定用容器内に保持することができる。また、温度測定時まで密閉部材によって温度測定用容器が密閉されていることにより、その温度変化に影響を与えるような物質の温度測定用容器内への浸入を防止することができる。
温度測定端子を下降させてそのセンサ部を温度測定用容器内に挿入する際、温度測定端子先端のセンサ部が温度測定用容器の底部に接触してさらに押し付けられ、センサ部が圧迫されて破損することが考えられる。そこで、駆動機構の温度測定端子を保持する部分に弾性部材を設けて軸方向に伸縮可能にすることによって、温度測定端子の先端部が温度測定用容器の底部に接触してさらに駆動機構が温度測定端子を下方向へ駆動したとしても、弾性部材が弾性変形することによって温度測定端子にかかる応力を吸収し、温度測定端子の破損を防止できる。
図1から図6を参照して反応容器プレートの一実施例について説明する。
なお、この実施例では温度測定用容器6が1つだけ設けられているが、2個以上設けられていてもよい。
このように、一端が封止空間51eに接続され、他端がベローズ53されているシリンジエアー抜き流路53cを備えているので、封止空間51eを反応容器プレート1外部雰囲気とは遮断しつつ、プランジャ51bが摺動するときに封止空間51eの内部容量の変化にともなう封止空間51e内部の圧力変化を緩和することができ、プランジャ51bを円滑に摺動させることができる。
ロータアッパー59は、シール板57の貫通孔57aと同じ位置に設けられた貫通孔59aと、シール板57の貫通溝57bに対応して表面に設けられた溝59bと、中心に設けられた貫通孔59cを備えている。
ロータベース61はその表面に、ロータアッパー59の周縁部と中心に配置された2つの貫通孔59a,59cを接続するための溝61aを備えている。
図1(A)に示した切替えバルブ63の位置は、シリンジ流路51cは流路13a,35a,37a,39aのいずれにも接続されておらず、エアー抜き流路53bも流路23a,25a,35b,37b,39bのいずれとも接続されていない初期状態の位置を示している。
反応処理装置は、反応容器5の温度調節を行なうための温度調節機構67、温度測定用容器6内の温度測定用液体8の温度を測定するための温度測定端子68、シリンジ51を駆動するためのシリンジ駆動ユニット69、及び切替えバルブ63を切り替えるための切替えバルブ駆動ユニット71を備えている。
1つの温度測定用容器6以外にも他の温度測定用容器が反応容器プレート1に設けられている場合には、温度測定端子68の他にもそれぞれの温度測定容器のための温度測定端子が設けられていてもよい。なお、温度測定端子68を用いて温度測定用容器6以外の温度測定用容器内の温度測定用液体の温度を測定するようにしてもよい。
この例では、温度測定端子68が保持部材90の先端部において上下方向に摺動可能に保持されている。保持部材90は温度測定端子68を保持した先端部を上下方向に移動させることができる構造となっている。保持部材90の先端部を上下方向に移動可能にする構造例として、垂直方向に支持され、ステッピングモータなどによってその回転が制御されるボールネジに保持部材90を螺号させた構造を挙げることができる。この方法では、ステッピングモータの回転数制御により、保持部材90を上下方向に精度良く移動させることができる。他の構造例としては、保持部材90が図示されていない基端部を中心に回動することにより先端部が上下方向に駆動される構造が挙げられる。
図8に示すように、図1(A)に示した切替えバルブ63の状態から切替えバルブ63を回転させてサンプル流路35aとシリンジ流路51cを接続し、サンプル容器エアー抜き流路35bをエアー抜き流路53bに接続する。このとき、エアー抜き流路37b,39bもエアー抜き流路53bに接続される。サンプル容器35には例えば45μLの試薬45が収容されている。
また、希釈混合液を反応容器5内に注入する前に、温調機構67により反応容器5を加熱してワックス9を融解させておき、反応容器5内への希釈混合液の注入時にワックス9が融解しているようにしてもよい。この場合、反応容器5に注入された希釈混合液は直ちにワックス9の下に入り、希釈混合液と試薬7が混ざり反応する。切替えバルブ63の接続状態が図14の状態であっても、ベローズ53により密閉系は確保されている。希釈混合液の注入後に切替えバルブ63を図1の接続状態にすれば、反応容器プレート1内部の容器、流路及びドレイン空間を密閉することができる。ここで切替えバルブ63を図1の接続状態に切り替えるタイミングは、希釈混合液の注入直後から希釈混合液と試薬7の反応終了までのいずれのタイミングであってもよいし、希釈混合液と試薬7の反応終了後であってもよい。
さらに、流路スペーサ73は流路ベース11の反応容器エアー抜き流路19と反応容器5を連通させるための貫通孔からなる反応容器エアー抜き流路79も備えている。
この実施例は、図15を参照して説明した実施例と比べて、反応容器5の内部に突起部81をさらに備えている。突起部81の先端は凸部75の先端の下方に配置されている。これにより、凸部75の先端に形成される液滴を反応容器5内に導きやすくなる。特に、突起部81の少なくとも先端の表面に親水性処理を施しておけば、特に有効である。
この実施例は、図16を参照して説明した実施例と比べて、反応容器5の側壁に形成された段差部83と、反応容器5の上面とは間隔をもって段差部83の上面に形成された凸条部85をさらに備えている。段差部83及び凸条部85は上方から見て環状に形成されている。凸条部85の先端は反応容器5の側壁とは間隔をもって配置されている。
凸条部85の先端が反応容器5の上面及び側面とは間隔をもって配置されていることにより、反応容器5の内部に収容された液体が反応容器の側壁を伝って反応容器5の上面に到達するのを防止することができる。この効果は凸条部85の少なくとも先端部分に撥水処理を施しておくと特に有効である。
また、図15、図16又は図17を参照して説明した各実施例では、流路13,15,17,19,21,23を形成するための溝は流路ベース11に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、それらの流路の全部又は一部分を形成するための溝は、流路スペーサ73の流路ベース11側表面、流路スペーサ73の容器ベース11側表面、容器ベース3表面のいずれに形成されていてもよい。
図18は反応容器プレートのさらに他の実施例を示す図であり(A)は概略的な平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面に計量流路15、注入流路17、サンプル容器エアー抜き流路19,21、液体ドレイン空間29、エアードレイン空間31及びベローズ53の断面を加えた概略的な断面図、(C)はシリンジ51及びベローズ53近傍を拡大して示す概略的な断面図である。図19は切替えバルブの概略的な分解図であり、(A)はシール板の平面図及び断面図、(B)はロータアッパーの平面図及び断面図、(C)はロータベースの平面図及び断面図を示す。
シリンジ87は、容器ベース3及び容器ボトム55に形成された貫通孔内に配置されたシリンダ87aと、シリンダ87a内に配置されたプランジャ87bとカバー体87dにより形成されている。
切替えバルブ95は、円盤状のシール板89、ロータアッパー91及びロータベース93によって形成されている。切替えバルブ95はロック65により容器ボトム55に取り付けられている。
シリンダ87aの吐出口を構成する、ロータアッパー91の貫通孔91dは、ロータベース93の溝93a及びロータアッパー91の貫通孔91aを介して、シール板89の貫通孔89aに接続される。
封止空間87e(図18参照)は、シリンジエアー抜き流路53c、ロータベース93の溝93b、ロータアッパー91の貫通孔91c及び貫通溝91bを介して、シール板89の貫通溝89bに接続される。
また、ベローズ53等の容量可変部材は必ずしも備えていなくてもよい。
また、容器35,37,39に試薬等の液体を予め収容しないのであれば、エアー抜き流路の一部分に細孔からなる流路35e,37e,39eを必ずしも備えている必要はない。
また、容器35,37,39の封止方法として開閉可能なキャップを用いてもよい。
また、反応容器5内の試薬は乾燥試薬でもよい。
また、サンプル容器35内や反応容器5内に予め試薬は収容されていなくてもよい。
また、上記実施例では試薬容器37に希釈水49が収容されているが、希釈水49に変えて試薬を収容するようにしてもよい。
また、主流路13に導入される液体に遺伝子が含まれている場合、反応容器5内にその遺伝子と反応するプローブを備えているようにしてもよい。
また、上記実施例では切替えバルブとしてロータリー式の切替えバルブ63を用いているが、切替えバルブはこれに限定されるものではなく、種々の流路切替えバルブを用いることができる。また、切替えバルブを複数備えていてもよい。
また、本発明の反応容器プレートにおいて、反応容器エアー抜き流路は密閉可能なものであるが、反応容器エアー抜き流路の反応容器とは反対側の端部が開閉可能になっていることにより反応容器エアー抜き流路が密閉可能になっている例を挙げることができる。ここで、「反応容器エアー抜き流路の反応容器とは反対側の端部が開閉可能になっている」とは、反応容器エアー抜き流路の反応容器とは反対側の端部に他の空間が接続され、この他の空間の、反応容器エアー抜き流路とは反対側の端部が開閉可能になっている場合も含む。例えば、上記実施例では、エアードレイン空間31、ドレイン空間エアー抜き流路25及び流路25aが上記他の空間に相当する。
このような態様では、主流路及び計量流路に液体が導入され、次に主流路内の上記液体がパージされ、さらに計量流路内に残存する上記液体が反応容器内に注入された後、主流路の両端、及び反応容器エアー抜き流路の反応容器とは反対側の端部が閉じられて主流路及び反応容器エアー抜き流路が密閉される。
3 容器ベース
5 反応容器
6 温度測定用容器
6a 温度測定用容器流路
11 流路ベース
13 主流路
15 計量流路
16 温度測定用容器の密閉部材
17 注入流路
19,21 反応容器エアー抜き流路
35 サンプル容器
35b,35d,35e サンプル容器エアー抜き流路
37 試薬容器
37b,37d,37e 試薬容器エアー抜き流路
39 エアー吸引用容器
39b,39d,39e エアー吸引用容器エアー抜き流路
51,87 シリンジ
51a,87a シリンダ
51b,87b プランジャ
51d,87d カバー体
51e,87e 封止空間
53 ベローズ(容量可変部)
53c シリンジエアー抜き流路
63,95 切替えバルブ
68 温度測定端子
73 流路スペーサ
75 凸部
77 注入流路
79 反応容器エアー抜き流路
Claims (5)
- 少なくとも1つの反応容器を備え、前記反応容器には反応に関与する液体が供給される反応液用流路が設けられており、一試料の測定ごとに廃棄される使い捨て可能な反応容器プレートにおいて、
前記反応容器から独立し、温度測定用液体を収容し温度センサ部の先端により貫通可能な部材で密閉された温度測定用容器が設けられていることを特徴とする反応容器プレート。 - 前記温度測定用容器には反応液用流路とは独立して温度測定用液体が供給される流路が設けられている請求項1に記載の反応容器プレート。
- 請求項1又は2に記載の反応容器プレートを収容し、反応容器内での送液と反応を行なわせる反応処理装置であって、
センサ部が先端側に設けられ、温度測定用液体が収容されている前記温度測定用容器に前記先端部から挿入されて前記温度測定用液体の温度を測定する温度測定端子と、
前記温度測定端子を保持して前記センサ部の前記温度測定用容器への挿入と引抜きを行なうために少なくとも上下方向に駆動する駆動機構と、を備えていることを特徴とする反応処理装置。 - 前記温度測定端子の前記センサ部は先端が鋭利な熱伝導性の保護カバーで覆われている請求項3に記載の反応処理装置。
- 前記駆動機構は前記温度測定端子を保持する部分に弾性部材を備えて前記温度測定端子がその軸方向に伸縮可能に弾性的に保持している請求項3又は4に記載の反応処理装置。
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