JP2009056486A - 電線用ハンダ付け装置 - Google Patents

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Tadashi Taniguchi
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Abstract

【課題】加工パラメータの設定作業が容易な電線用ハンダ付け装置を提供する。
【解決手段】ハンダ付け装置は、電線を把持する把持機構と、予め定められた複数のハンダ処理用加工パラメータに基づいて芯線部の露出部分にハンダを自動的に付着させるハンダ処理部とを備えている。また、ハンダ付け装置は、所定の入力パラメータの値が入力される入力手段と、予め定められた入力パラメータと各ハンダ処理用加工パラメータの初期値との間の関係を記憶した記憶手段と、各加工パラメータの初期値を計算する初期値計算手段とを備えている。初期値計算手段は、入力手段に所定の入力パラメータの値が入力されると、記憶手段に記憶された前記関係に基づいて、各加工パラメータの初期値を計算する。ハンダ処理部は、初期値計算手段によって計算された各ハンダ処理用加工パラメータに基づいて芯線部の露出部分にハンダを自動的に付着させる。
【選択図】図26

Description

本発明は、芯線部と芯線部を被覆する被覆部とを有する電線の芯線部にハンダ付けを自動的に行う電線用ハンダ付け装置に関する。
従来から、多数のハーネスを連続的に生成する電線処理装置等において、電線用ハンダ付け装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。電線用ハンダ付け装置は、金属材料からなる芯線部と、芯線部の周りを被覆する絶縁材料からなる被覆部とを有する電線に対し、ハンダ付けを自動的に行う装置である。電線用ハンダ付け装置のなかには、電線の芯線部にハンダを付着させるハンダ処理部の他に、ハンダ付けに先立って電線の芯線部にフラックスを付着させるフラックス処理部や、芯線部がばらつかないように芯線部をねじるいわゆる撚り加工を行う撚り処理部を備えたものも知られている。
電線用ハンダ付け装置は、予め定めた複数の加工パラメータにしたがって自動制御される。良質なハンダ付けを安定的に行うためには、加工パラメータの微調整が必要となる。そこで、加工パラメータの値の設定にあたっては、初めに操作者が初期値を設定して入力し、その後、電線用ハンダ付け装置を稼働させ、その運転状態を見ながら、試行錯誤的に加工パラメータの適正化を図ることとしている。
この加工パラメータの適正化作業の負担は、主として初期値に依存する。すなわち、初期値として適切な値を入力した場合には、加工パラメータの適正化作業に要する手間や時間は、比較的少なくて済む。しかし、初期値が不適切な場合には、加工パラメータの適正化作業には、多くの手間と時間が必要となる。従来は、加工パラメータの初期値は、熟練した操作者が勘と経験に基づいて任意に設定していた。
特開2002−289315号公報
しかし、操作者の勘と経験に頼った従来の方法では、経験の浅い操作者は、適切な初期値を入力することが困難であった。また、熟練した操作者であっても、時によっては、不適切な初期値を入力してしまうおそれがあった。
また、通常、電線用ハンダ付け装置は、仕様の異なる複数種類の電線に対応可能となっている。すなわち、電線用ハンダ付け装置は、例えば、電線径やストリップ長などが異なる複数種類の電線に対応可能となっている。しかし、自動制御に用いられる加工パラメータの値は、電線の種類によって異なる。そのため、上述の加工パラメータの適正化作業は、対象となる電線の種類が変わるたびに、一から行わなければならない。対象となる電線の種類が比較的頻繁に変更される場合には、加工パラメータの適正化作業は頻繁に発生することになる。たとえ熟練した操作者であっても、加工パラメータの初期値の設定を頻繁に行うことは、負担の大きな作業である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加工パラメータの設定作業が容易な電線用ハンダ付け装置を提供することにある。
本発明に係る電線用ハンダ付け装置は、芯線部と当該芯線部の端部が露出するように当該芯線部を被覆する被覆部とを有する電線における前記芯線部の露出部分にハンダを付着させる電線用ハンダ付け装置であって、電線を把持する把持機構と、予め定められた複数のハンダ処理用加工パラメータに基づいて前記芯線部の露出部分にハンダを自動的に付着させるハンダ処理手段と、所定の入力パラメータの値が入力される入力手段と、予め定められた前記入力パラメータと前記各ハンダ処理用加工パラメータの初期値との間の関係を記憶した記憶手段と、前記入力手段に入力された前記入力パラメータの値から、前記記憶手段に記憶された前記関係に基づいて、前記各加工パラメータの初期値を計算する初期値計算手段と、を備えたものである。
上記電線用ハンダ付け装置では、入力部に入力パラメータを入力するだけで、ハンダ処理用の加工パラメータの初期値が自動的に計算される。そのため、操作者は、従来のハンダ付け装置を用いた場合のように、勘と経験に頼って初期値を設定する必要がない。したがって、上記電線用ハンダ付け装置によれば、加工パラメータの初期値を常に適切な値に設定することができる。そのため、経験の浅い操作者でも加工パラメータの初期値を好適な値に設定することができる。以上より、上記電線用ハンダ付け装置によれば、加工パラメータの初期値の設定作業を安定化させることができる。また、加工パラメータの設定作業を容易化することができる。
前記加工パラメータの一つは、前記電線の芯線部が前記ハンダ槽内のハンダに浸漬されている時間に関連して定義されるハンダ時間であり、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、ハンダ時間の初期値=C1×ストリップ長+C2(ただしC1,C2は所定の定数)
という関係式を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、ハンダ時間の適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
前記ハンダ処理手段は、ハンダを貯留するハンダ槽と、前記把持機構によって把持された電線を前記ハンダ槽内のハンダに浸漬する位置に向かって前進させまたは前記ハンダ槽内のハンダに浸漬する位置から後退させる移動機構と、を備え、前記入力パラメータには、電線のストリップ長が含まれ、前記加工パラメータの一つは、前記把持機構によって把持された電線が前進または後退する方向をY方向としたときに、前記電線が前記ハンダ槽内のハンダに浸漬する位置のY方向に関する前記電線の先端の所定の基準位置からの距離として定義されるハンダ付けY方向位置であり、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、ハンダ付けY方向位置の初期値=A1×ストリップ長+A2(ただしA1,A2は所定の定数)という関係式を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、ハンダ付けY方向位置の適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
前記ハンダ処理手段は、前記移動機構により前記電線の一部が前記ハンダ槽の上方の位置にあるときに前記電線の芯線部が前記ハンダ槽内のハンダに浸漬するように前記電線を前記ハンダ槽に向かって押さえつける押さえ部材を備えていてもよい。
前記加工パラメータの一つは、前記電線が前記押さえ部材によって押さえつけられる時の上下方向に関する前記押さえ部材の下端の所定の基準位置からの距離として定義される押さえ高さであり、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、押さえ高さの初期値=B1×ストリップ長(ただしB1は所定の定数)という関係式を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、押さえ高さの適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
前記加工パラメータの一つは、前記電線を前記押さえ部材によって押さえつけた後に、前記電線が前記Y方向に前進してから再度浸漬するために前記Y方向に関して後退する移動距離として定義される2度付け後退量であり、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、前記入力手段に入力された前記入力パラメータの任意の値に対し、前記2度付け後退量の初期値を零とする関係を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、2度付け後退量の適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
前記加工パラメータの一つは、前記電線を前記押さえ部材によって押さえつけた後に、前記電線を前記Y方向に関して前進させるときの前記Y方向に関する前記把持機構の移動距離として定義される前進量であり、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、前進量の初期値=1未満の所定定数×ストリップ長という関係式を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、前進量の適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
前記電線用ハンダ付け装置は、予め定められた複数のフラックス処理用加工パラメータに基づいて、前記ハンダ処理手段によるハンダ付けに先だって、前記芯線部の露出部分にフラックスを自動的に付着させるフラックス処理手段をさらに備え、前記記憶手段は、予め定められた前記入力パラメータと前記フラックス処理用加工パラメータの初期値との間の関係をさらに記憶しており、前記初期値計算手段は、前記入力手段に入力された前記入力パラメータの値から、前記記憶手段に記憶された前記関係に基づいて、前記各フラックス処理用加工パラメータの初期値をさらに計算するものであってもよい。
上記電線用ハンダ付け装置では、入力部に入力パラメータを入力するだけで、フラックス処理用の加工パラメータの初期値が自動的に計算される。したがって、上記電線用ハンダ付け装置によれば、フラックス処理用の加工パラメータの初期値を常に適切な値に設定することができる。そのため、上記電線用ハンダ付け装置によれば、フラックス処理に関しても、加工パラメータの初期値の設定作業を安定化させることができる。また、加工パラメータの設定作業を容易化することができる。
前記フラックス処理手段は、フラックスを貯留するフラックス槽と、前記電線の芯線部を挿入可能に形成された保持孔を有し、前記フラックス槽の上方の位置と槽内の位置との間を上下移動可能に構成され、前記フラックス槽内のフラックスに浸漬されることによって前記保持孔内にフラックスを保持するフラックス液保持体と、前記把持機構によって把持された電線を前記フラックス保持体の前記保持孔に向かって前進させまたは前記フラックス保持体の前記保持孔から後退させる移動機構と、を備え、前記入力パラメータには、電線のストリップ長が含まれ、前記フラックス処理用加工パラメータの一つは、前記把持機構によって把持された電線が前記フラックス保持体に向かって前進または後退する方向をY方向としたときに、前記電線が前記フラックス液保持体の前記保持孔に挿入されたときの前記Y方向に関する前記電線の芯線部の先端の所定の基準位置からの距離として定義されるフラックス付けY方向位置であり、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、フラックス付けY方向位置の初期値=ストリップ長+D1(D1は所定の定数)という関係式を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、フラックス付けY方向位置の適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
前記フラックス処理用加工パラメータの一つは、前記電線が前記Y方向に関して前進して前記フラックス液保持体の前記保持孔に挿入されてから前記Y方向に関して後退し始めるまでの時間として定義されるフラックス時間であり、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、フラックス時間の初期値=E1×ストリップ長+E2(E1,E2は所定の定数)
という関係式を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、フラックス時間の適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
前記電線用ハンダ付け装置は、予め定められた複数の撚り処理用加工パラメータに基づいて、前記フラックス処理手段によるフラックス付けに先だって、前記芯線部の露出部分に対して自動的に撚り加工を行う撚り処理手段をさらに備え、前記記憶手段は、予め定められた前記入力パラメータと前記撚り処理用加工パラメータの初期値との間の関係をさらに記憶しており、前記初期値計算手段は、前記入力手段に入力された前記入力パラメータの値から、前記記憶手段に記憶された前記関係に基づいて、前記各撚り処理用加工パラメータの初期値をさらに計算するものであってもよい。
上記電線用ハンダ付け装置では、入力部に入力パラメータを入力するだけで、撚り処理用の加工パラメータの初期値が自動的に計算される。したがって、上記電線用ハンダ付け装置によれば、撚り処理用の加工パラメータの初期値を常に適切な値に設定することができる。そのため、上記電線用ハンダ付け装置によれば、撚り処理に関しても、加工パラメータの初期値の設定作業を安定化させることができる。また、加工パラメータの設定作業を容易化することができる。
前記撚り処理手段は、互いに平行に配置され、電線のストリップ後の被覆部を挟持する第1ヤスリおよび第2ヤスリと、前記第1ヤスリと前記第2ヤスリとを互いに逆方向にスライドさせる駆動装置と、前記把持機構によって把持された電線を前記第1ヤスリと前記第2ヤスリとの間に向かって前進させまたは前記第1ヤスリと前記第2ヤスリとの間から後退させる移動機構と、を備え、前記入力パラメータには、電線のストリップ長が含まれ、前記撚り処理用加工パラメータには、前記電線を挟持した状態において前記第1ヤスリおよび前記第2ヤスリがスライドするときのヤスリ移動速度と、前記第1ヤスリおよび前記第2ヤスリがスライドしているときに、前記電線を前記Y方向に後退させるか否かを示す撚り速度とが含まれ、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、前記入力手段に入力された前記ストリップ長が所定値以下である場合には、前記ヤスリ移動速度の初期値を所定速度にするとともに、前記撚り速度の初期値を前記電線が前記Y方向に後退しないことを示す所定の値とし、前記入力手段に入力された前記ストリップ長が所定値よりも大きい場合には、前記ヤスリ移動速度の初期値を所定速度にするとともに、前記撚り速度の初期値を前記電線が前記Y方向に後退することを示す所定の値とする関係を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、ヤスリ移動速度および撚り速度の適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
前記撚り処理用加工パラメータの一つは、前記電線が前記第1ヤスリと前記第2ヤスリとによって挟持された後、前記電線を前記Y方向に関して後退させるときの、前記把持機構の後退距離として定義される張り調整量であり、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第1所定値A1以下である場合、前記張り調整量の初期値を所定の第1定数G1とし、前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第1所定値A1よりも大きい第2所定値A2以下である場合、前記張り調整量の初期値を前記第1定数G1とは異なる所定の第2定数G2とし、前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第2所定値A2よりも大きい場合、前記張り調整量の初期値を前記第1定数G1および第2定数G2とは異なる所定の第3定数G3とする関係を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、張り調整量の適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
前記撚り処理用加工パラメータの一つは、前記電線が前記第1ヤスリと前記第2ヤスリとによって挟持されるときの、前記Y方向に関する前記電線の芯線部の先端の所定の基準位置からの距離として定義されるヤスリY方向位置であり、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第1所定値A1以下である場合、前記ヤスリY方向位置の初期値を、前記第1定数G1+所定の定数H1とし、前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第1所定値A1よりも大きくかつ第2所定値A2以下である場合、前記ヤスリY方向位置の初期値を、前記第2定数G2+所定の定数H2とし、前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第2所定値A2よりも大きい場合、前記ヤスリY方向位置の初期値を、前記第3定数G3+所定の定数H3とする関係を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、ヤスリY方向位置の適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
前記入力パラメータには、電線のストリップ長と直径とが含まれ、前記撚り処理用加工パラメータの一つは、前記電線が前記第1ヤスリおよび前記第2ヤスリによって回転させられるときの回転数として定義される撚り回転数であり、前記記憶手段は、前記関係の一つとして、撚り回転数の初期値={ストリップ長/J1+(直径/J2)}/(直径×π) (ただし、J1,J2は所定の定数)という関係式を記憶していてもよい。
上記電線用ハンダ付け装置によれば、撚り回転数の適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
以上のように、本発明によれば、加工パラメータの設定作業が容易な電線用ハンダ付け装置を実現することができる。
《電線処理装置1の概略構成》
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、電線処理装置1は、測長ユニット3と、フロントクランプ4およびリアクランプ5と、カッターユニット6と、フロント側ハンダ付け装置7Aと、リア側ハンダ付け装置8Aと、フロント移動手段9と、リア移動手段10と、処理済み電線2を排出する排出ユニット11と、制御装置12とを備えている。
測長ユニット3は、架台13上の電線供給ラインP上に設けられている。測長ユニット3は、位置センサ等の検出器を備えており、電線供給ラインPに沿って順次供給される電線2を測長する。
フロントクランプ4は、架台13上に設置されたフロント移動手段9に支持されている。フロントクランプ4は、電線2を把持可能に構成されている。フロントクランプ4は、互いに直交する3軸方向X、Y、Z(図1では矢印で2軸方向X、Yのみ表示。Z方向については図3等参照。)、即ち前後・左右・上下方向に移動自在である。
また、リアクランプ5も同様に、架台13上に設置されたリア移動手段10に支持されており、電線2を把持可能に構成されている。さらに、リアクランプ5も、互いに直交する前記3軸方向、即ち前後・左右・上下方向に移動自在である。
カッターユニット6は、架台13上の電線供給ラインP上に設けられている。カッターユニット6は、電線供給ラインPに沿って順次供給される電線2を切断するカッタ6a(図8参照)を備えている。なお、カッタ6aは、電線2の切断の他、切断後の電線2の端部のストリップ処理またはセミストリップ処理の際にも使用される。ここで、ストリップ処理とは、電線2の端部の被覆部に切り込みを入れ、端部側の被覆部を端部側にずらして剥ぎ取ることを言い、セミストリップ処理とは、電線2の端部側の被覆部を剥ぎ取らずに、所定の距離だけ端部側にずらして電線2の端部の一部において芯線部2aを露出させることを言う(図8(b)参照)。
排出ユニット11は、処理済み電線2を排出可能に構成されていればいかなる構成であってもよいが、本実施形態では、前後・左右・上下方向に移動自在に構成されている。
制御装置12は、表示パネル12aと、入力部12bとを備えている。なお、入力部12bは、いかなる形態のものであってもよい。例えば、入力部12bは、表示パネル12aと一体的に形成されたタッチパネル等であってもよい。
《ハンダ付け装置7A,8Aの構成》
以上が電線処理装置1の概略構成である。次に、ハンダ付け装置7A,8Aの構成について詳述する。なお、フロント側のハンダ付け装置7Aおよびリア側のハンダ付け装置8Aは同様に構成されている。そのため、以下では、フロント側のハンダ付け装置7Aについて説明し、リア側のハンダ付け装置8Aの説明は省略する。
ハンダ付け装置7Aは、電線2の芯線部に対して撚り加工を行う撚り機構20を有する撚り処理部51と、フラックス処理を行うためのフラックス槽15を有するフラックス処理部52と、ハンダ付けを行うためのハンダ槽16を有するハンダ処理部53とを備えている。なお、本実施形態では、フラックス処理部52とハンダ処理部53とは、ハンダ付けユニット7,8として一体的に構成されている。ただし、フラックス処理部52とハンダ処理部53とは別体に構成されていてもよい。また、本実施形態では、撚り処理部51がフラックス処理部52およびハンダ処理部53とは別体に構成されているが、撚り処理部51とフラックス処理部52とハンダ処理部53とが一体的に構成されていてもよい。
−撚り処理部51の構成−
本実施形態では、撚り処理部51は、カッタ6a(図8参照)、撚り機構20(図2参照)、フロントクランプ4、フロント移動手段9等により構成されている。撚り処理部51は、カッターユニット6において切断された電線2の端部のセミストリップ処理と撚り加工とを行う。具体的には、撚り処理部51は、カッタ6a、フロントクランプ4およびフロント移動手段9によって後述するセミストリップ処理を行い、撚り機構20とフロントクランプ4とによって後述する撚り加工を行う。
図2に示すように、撚り機構20は、第1ヤスリ20aと、第2ヤスリ20bと、左右方向駆動装置20cと、上下方向駆動装置20dとを備えている。第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとのそれぞれには、ヤスリ面20eが形成されている。第1ヤスリ20aおよび第2ヤスリ20bは、互いのヤスリ面20eが対向する様に略平行に配置されている。左右方向駆動装置20cは、第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとを相互に左右逆方向に移動させるものである。上下方向駆動装置20dは、第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとを相互に上下逆方向に移動させるものである。
−ハンダ付けユニット7の構成−
図3に示すように、ハンダ付けユニット7は、上側ユニット7aと下側ユニット7bとを備えている。下側ユニット7bは基板17を有している。フラックス槽15およびハンダ槽16は、支持ブラケット18、19等を介して基板17に支持されている。フラックス槽15とハンダ槽16とは、並設されている。
図4に示すように、フラックス槽15内には、適宜量のフラックス液21が貯留されている。ハンダ槽16内には、溶融状態のハンダ22が貯留されている。ハンダ22は、その表面張力によって、ハンダ槽16の上端縁より上方に盛り上がった状態に貯留されている。
図3に示すように、ハンダ槽16の一側には、カス受け容器23が配置されている。ハンダ槽16の下面には、ヒータ24が設けられている。このヒータ24は、ハンダ槽16内のハンダ22を加熱して、所定温度の溶融状態に維持するものである。これらハンダ槽16、カス受け容器23、ヒータ24の側部および底部の周りには、断熱プレート25が配置されている。
上側ユニット7aは、ラム軸体41と、ラム軸体41を昇降させる昇降手段40(図1参照)とを備えている。なお、昇降手段40(図1参照)の具体的構成は何ら限定されず、例えば、油圧シリンダや電動モータ等を好適に用いることができる。
ラム軸体41には、支持杆42が取り付けられている。ラム軸体41の下端部には、装着孔部41aが形成されている。この装着孔部41a内には、支持杆42の取付軸部42aが嵌合している。そして、図5に示すように、支持杆42とラム軸体41とは、ボルト43によって着脱自在に取り付けられている。また、図3に示すように、支持杆42の下端部には、フラックス液保持筒体44が着脱自在に装着されている。また、支持杆42の下端部には、電線押さえガイド45が取り付けられている。
具体的には、支持杆42の下端部には支持ブラケット48が取り付けられており、支持ブラケット48の一方の面には、支持板47の上端部が取り付けられている。そして、フラックス液保持筒体44は、支持板47の下端部に取り付けられている。なお、支持ブラケット48は、フラックス液保持筒体44がフラックス槽15の上方に配置される様に形成されている。
図6に示すように、フラックス液保持筒体44は、略方形角柱のブロック体形状に形成されている。また、フラックス液保持筒体44の内部には、電線2の芯線部2aが挿入可能な細径の保持孔44aが水平方向に延びる軸心に沿うように形成されている。また、保持孔44aの電線2の芯線部2aが挿入される側の端部には、端に向かう程拡径するテーパ状の挿入ガイド面44bが形成されている。
なお、本実施形態では、フラックス処理部52は、フラックス槽15、フラックス液保持筒体44、フロントクランプ4およびフロント移動手段9(図1参照)等により構成されている。
電線押さえガイド45は、図3に示すように、側面断面が略L字形状となる様に形成されている。電線押さえガイド45は、下端の押さえ面45aが略水平状態かつハンダ槽16の上方に位置する様に、支持ブラケット48に取り付けられている。これにより、電線押さえガイド45は、支持ブラケット49を介して支持杆42の下端部に装着されている。
なお、本実施形態では、ハンダ処理部53は、ハンダ槽16、電線押さえガイド45、フロントクランプ4、フロント移動手段9等により構成されている。
また、図3に示すように、基板17上には、ハンダ22の液面に生じる酸化皮膜を除去する皮膜除去機構(ワイパー機構)27が設けられている。図7に示すように、皮膜除去機構27は、基板17上に支持ブラケット28を介して固定されたスライドシリンダ29と、スライドシリンダ29のピストンロッド29aの先端部に装着された支持ブロック体30と、支持ブロック体30の上部に回転自在に軸支された支軸31とを備えている。
図5に示すように、支軸31の一端側には、支持アーム32が固定されている。支持アーム32には、位置決めピン33が固定されている。支軸31の他端側には、プレート支持体34が固定されている。プレート支持体34には、皮膜除去プレート37が支軸31回りに揺動自在に支持されている。なお、図7に示すように、皮膜除去プレート37には、引っ張りバネ35による付勢力が作用している。
図5に示すように、支持ブロック体30の上下方向中間部には、揺動操作シリンダ38が装着されている。揺動操作シリンダ38のピストンロッド38aの先端部は、位置決めピン33の下面に当接している。そして、図7に示すように、この初期状態において、皮膜除去プレート37は鉛直姿勢となるように構成されている。
また、図5に示すように、位置決めピン33と支持ブロック体30との間には、引っ張りバネからなる戻しバネ39が装着されている。この戻しバネ39により、位置決めピン33は、ピストンロッド38aの先端部に当接する方向に付勢されている。
《電線処理装置1の動作》
以上がハンダ付け装置7A,8Aの構成である。次に、電線処理装置1の動作について説明する。なお、以下の動作は、制御装置12によって自動制御される。
−電線処理装置1の動作の概略−
まず、電線送給ラインPに沿って電線2を送り出す(図1参照)。次に、測長ユニット3によって、電線2の送り出し長さを測長(送り出し長さが所定長さになったか否かを検出)する。そして、電線2の送り出し長さが所定長さになったことが検出されると、電線2の送り出しを停止する。そして、フロントクランプ4およびリアクランプ5に、電線2の前側部分および後側部分を把持させた後、電線2をカッターユニット6により切断する。これにより、電線2は、フロントクランプ4により把持された電線2と、リアクランプ5により把持された電線2とに分離される。
カッターユニット6のカッタ6aによって切断された電線2が各クランプ4,5に把持された後、カッターユニット6のカッタ6aと、各移動手段9,10と、各クランプ4,5とにより、セミストリップ処理が行われる。
次に、電線処理装置1は、撚り加工と、フラックス付け、ハンダ付けを順次行う。具体的には、電線処理装置1は、フロントクランプ4に把持した電線2を、フロント移動手段9によって撚り機構20の位置に移動させる。そして、撚り機構20によって、電線2の芯線部に撚り加工を行う。次に、電線処理装置1は、撚り加工の終了した電線2を、フロント移動手段9によってフラックス槽15の位置に移動させる。そして、当該電線2の露出された芯線部に、フラックス液を付着させる。その後、電線処理装置1は、当該電線2を、フロント移動手段9によってハンダ槽16の位置に移動させる。そして、芯線部2aにハンダ22を付着させる。そして、ハンダ付け処理後、当該電線2をカッターユニット6と対向する初期位置に戻す。
一方、フロントクランプ4側の電線2に上述の処理が行われる間に、リアクランプ5側の電線2に対しても、同様の処理が行われる。すなわち、まず、リアクランプ5で把持した電線2を、リア移動手段10によってリア側のハンダ付け装置8Aの撚り機構20の位置に移動させ、芯線部2aに撚り加工を施す。次に、電線2をリア移動手段10によってフラックス槽15の位置に移動させ、露出された芯線部にフラックス液を付着させる。その後、電線2をリア移動手段10によってハンダ槽16の位置に移動させ、芯線部にハンダを付着させる。その後、電線処理装置1は、ハンダ付けが終了した電線2をリアクランプ5から排出ユニット11に受け渡し、所定の排出部に排出する。そして、リアクランプ5をカッターユニット6と対向する初期位置に復帰させる。
電線処理装置1は、上述の動作を繰り返すことによって、両端部にハンダが付着された所定長さのハーネスを順次製造することとなる。
以上が電線処理装置1の基本動作である。次に、撚り処理部51、フラックス処理部52、およびハンダ処理部53の動作について詳述する。なお、ハンダ付け装置7Aの各部の動作とハンダ付け装置8Aの各部の動作とはほぼ同様であるため、以下ではハンダ付け装置7Aの各部の動作についてのみ説明し、ハンダ付け装置8Aの各部の動作については説明を省略する。
−撚り処理部51の動作−
前述したように、撚り処理部51は、撚り加工のための下処理であるセミストリップ処理と、撚り加工とを行う。以下、まず、セミストリップ処理時の動作について説明する。
(セミストリップ処理)
まず、フロントクランプ4がカッタ6aによって切断された電線2を挟持した後、フロント移動手段9によってフロントクランプ4を僅かに前進(Y方向)させる。具体的には、ストリップ長A分だけ前進させる(図8(a)参照)。そして、電線2の端面からストリップ長Aだけ内側の位置の被覆部2bに、カッタ6aによって切り目を入れる。
カッタ6aによって被覆部2bに切り目を入れた後、カッタ6aを当該被覆部2bの切断面に当接させた状態において、フロント移動手段9によってフロントクランプ4を、セミストリップ長C分だけ後退(Y方向)させる。これにより、フロントクランプ4に挟持された電線2が後退すると共に、カッタ6aと当接する電線2の端部側の被覆部2bがより端部側にずらされる(図8(b)参照)。
以上のようにして、電線2の端部の一部の芯線部2aを露出させるセミストリップ処理が行われる。そして、カッタ6aを被覆部2bから離すことにより、セミストリップ処理の動作が完了する。
(撚り加工)
次に、撚り加工時の動作について説明する。まず、フロント移動手段9を駆動して、電線2を撚り機構20の位置(すなわち、撚り機構20の第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとの間)に配置する。
そして、撚り機構20の左右方向駆動装置20cを駆動して、第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとの距離を縮める。これにより電線2は、第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとにより挟持されることとなる(図9(a)参照)。なお、このとき、第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとによって、電線2のセミストリップ処理によって端部側にずらされた端部側の被覆部2bが挟持される様に、電線2のY方向に関する位置(はさみY方向位置)を予め調整しておくことが好ましい。
次に、第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとに電線2を挟持させた状態で、上下方向駆動装置20dを駆動して第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとを上下逆方向に移動させる(図9(b)参照)。これにより、電線2の端部は、第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとによって挟持されつつ、所定方向に所定の回転数だけ回転させられることとなる。一方、電線2は、フロントクランプ4またはリアクランプ5によっても挟持されている。そのため、電線2の端部側の芯線部2aは撚られていく。なお、第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとの好適な移動速度(撚り速度)を予め制御装置12に入力しておくことで、好適な撚り作業が可能となる。
所定速度で所定回数だけ電線2の端部を回転させた後、第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとによって電線2(端部側の被覆部2b)を挟持させたまま、フロント移動手段9を駆動して、電線2をY方向(図1参照。なお、図9では、紙面表裏方向)に後退させる。すると、電線2は、端部側の被覆部2bを第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとの間に残したまま後退することとなる。つまり、セミストリップ状態にあった電線2の端部は、被覆部2bが完全に剥ぎ取られて芯線部2aが露出したストリップ状態となる。そして、撚り加工時の動作が完了する。
−フラックス処理部52の動作−
まず、フロント移動手段9を駆動して、電線2を、フラックス液保持筒体44が初期位置(フラックス槽15のフラックス液21上方)にあるときの保持孔44aの軸芯延長上に配置する(図6参照)。
そして、ラム軸体41を下降(Z方向)操作して支持杆42を下降させ、フラックス液保持筒体44をフラックス槽15のフラックス液21内に漬ける(図10(a)の仮想線部分を参照)。そして、次に、ラム軸体41を上昇操作して支持杆42を上昇させ、フラックス液保持筒体44をフラックス槽15のフラックス液21上方の初期位置に戻す(図10(b)参照)。このようにフラックス液保持筒体44を浸漬、引き上げすることにより、フラックス液保持筒体44の保持孔44a内には、フラックス液21が充填される(図10(b)参照)。
次に、フロント移動手段9を作動させて、フロントクランプ4により把持された電線2を、保持孔44aの軸心延長上に前進(Y方向)させる(図10(b)参照)。これにより、電線2の芯線部2aが、フラックス液保持筒体44の保持孔44a内に挿入される。前述のように、保持孔44aにはフラックス液21が充填されているため、芯線部2aにはフラックス液21が付着することとなる。
芯線部2aにフラックス液21を付着させた後、フロント移動手段9を後退(Y方向)させることにより、芯線部2aを保持孔44a内から引き出す。そして、フラックス塗布工程は終了する。
−ハンダ処理部53の動作−
本実施形態では、ハンダ付け処理時の動作において、クランプ引き下げOFF方式およびクランプ引き下げON方式の2つの方式のうちのいずれかを選択可能に構成されている。
(クランプ引き下げOFF方式)
まず、クランプ引き下げOFF方式について説明する。図11(a)〜(c)に示すように、クランプ引き下げOFF方式は、押さえガイド45を上下させることのみによって電線2の芯線部をハンダ槽16のハンダ22に付ける方式である。具体的には、以下のような動作を行う。
まず、フロント移動手段9を駆動して、電線2を、ハンダ槽16のハンダ22液面と電線押さえガイド45の押さえ面45aとの間に配置する(図11(a)参照)。
次に、電線2とハンダ槽16のハンダ22液面とが離れた状態において、ラム軸体41を下降操作して支持杆42を下降させ、電線押さえガイド45を下降させる。これにより、電線押さえガイド45の押さえ面45aは、やがて電線2と当接し、電線2を上方より押さえ付ける(図11(b)参照)。このとき、電線2の芯線部2aは、電線2が電線押さえガイド45の押さえ面45aによって下向きに押さえ付けられることにより、ハンダ22内に浸漬させられる。なお、ここで、電線2をいったん後退させてから再度浸漬させるために前進させる2度付け動作を行うことも可能である。2度付け動作の詳細については、後述する。
そして、電線2の芯線部2aを所定時間だけハンダ22内に浸漬させた後、フロント移動手段9を後退(Y方向)させる。これにより、電線2はハンダ槽16のハンダ22内より引き出される(図11(c)参照)。このとき、芯線部2aには、ハンダ22が付着された状態となる。
そして、電線2をハンダ22内から引き出してから所定時間経過後、ラム軸体41を上昇操作して、支持杆42を上昇させて電線押さえガイド45を初期位置に戻す。これにより、ハンダ処理部53による動作が完了する。
(クランプ引き下げON方式)
次に、クランプ引き下げON方式について説明する。図12(a)〜(d)に示すように、クランプ引き下げON方式は、フロントクランプ4を上下させて電線2を上下させると共に押さえガイド45を上下させることによって電線2の芯線部をハンダ槽16のハンダ22に付ける方式である。具体的には、以下のような動作を行う。
まず、フロント移動手段9を駆動して、電線2を、ハンダ槽16のハンダ22液面と電線押さえガイド45の押さえ面45aとの間に配置する(図12(a)参照)。そして、フロント移動手段9を作動させることにより、フロントクランプ4により把持された電線2を所定の位置まで下降(Z方向)させる(図12(b)参照)。電線2を下降させていくと、電線2の芯線部2aは、ハンダ22液面の表面張力により上方膨出状に盛り上がった部分に漬けられる。
その後、ラム軸体41を下降操作して支持杆42を下降させ、電線押さえガイド45を下降させる。やがて、電線押さえガイド45の押さえ面45aは、電線2と当接し、電線2を上方より押さえることとなる。このようにして、芯線部2aは、電線押さえガイド45によってハンダ22内に浸漬させられる(図12(c)参照)。
電線2の芯線部2aを所定時間だけハンダ22内に浸漬させた後、フロント移動手段9を後退(Y方向)させる。これにより、電線2はハンダ槽16のハンダ22内より引き出される(図12(d)参照)。このとき、芯線部2aには、ハンダ22が付着された状態となる。そして、次に、ラム軸体41を上昇操作して支持杆42を上昇させ、電線押さえガイド45を初期位置に戻す。これにより、ハンダ付け工程が終了する。
なお、本実施形態では、このハンダ付け工程におけるラム軸体41の昇降動作に伴い、フラックス液保持筒体44も前述のように昇降動作することとなる。そのため、ハンダ付け工程中に、次のフラックス塗布工程のためのフラックス液21が、フラックス液保持筒体44の保持孔44aに充填されることとなる。
−酸化皮膜の除去動作−
ところで、通常の使用により、ハンダ槽16内のハンダ22の液面には酸化皮膜が生じる。そのため、電線2の芯線部2aに好適にハンダ22を付着させるためには、定期的に当該酸化皮膜を除去する除去作業を行うことが必要となる。以下、ハンダ22の液面に生じる酸化皮膜を除去する動作について説明する。
まず、揺動操作シリンダ38のピストンロッド38aを上方に向かって進出させ、位置決めピン33を上方に押し上げる(図5参照)。そして、位置決めピン33が上昇すると支軸31が回転する。その結果、図13に仮想線で示すように、プレート支持体34および皮膜除去プレート37は、支軸31の軸心回りに回転することによって上昇する。
次に、プレート支持体34および皮膜除去プレート37を上昇させた状態で、スライドシリンダ29のピストンロッド29aを図13の右方向に進出させる。すると、プレート支持体34および皮膜除去プレート37は、ハンダ槽16のハンダ22の液面上方に移動する。
そして、ピストンロッド29aの位置を固定したまま、揺動操作シリンダ38のピストンロッド38aを下方に向かって後退させる(図5参照)。すると、戻しバネ39の引張力により位置決めピン33が下降する(図5参照)。その結果、プレート支持体34および皮膜除去プレート37は、図13に仮想線で示すように、皮膜除去プレート37が鉛直姿勢となる初期状態に戻される。この際、皮膜除去プレート37の下辺部は、ハンダ22の液面内に僅かに侵入する。
その後、スライドシリンダ29のピストンロッド29aを後退させる。これにより、皮膜除去プレート37はハンダ22の液面に沿って移動する。その結果、ハンダ22の酸化皮膜は皮膜除去プレート37によって除去されることとなる。その後、皮膜除去プレート37は、カス受け容器23の上方の位置である初期位置に戻される。そして、皮膜除去プレート37によって除去された酸化皮膜は、カス受け容器23に落下して収容される。以上により、酸化皮膜の除去作業が終了する。このハンダ22の酸化皮膜の除去作業は、制御装置12によって、ハンダ付け処理が所定回数行われる毎に自動的に行われるように制御されている。
なお、本実施形態に係るハンダ付け装置7A,8Aは、制御装置12によって、予め定めた複数の加工パラメータに基づいて自動制御される。しかしながら、良質なハンダ付けを安定的に行うためには、加工パラメータの微調整が必要となる。そこで、加工パラメータの値の設定にあたっては、初めに操作者が制御装置12に初期値を設定して入力し、その後、ハンダ付け装置7A,8Aを稼働させ、その運転状態を見ながら、試行錯誤的に加工パラメータの適正化を図ることとしている。ただし、本実施形態に係るハンダ付け装置7A,8Aでは、加工パラメータの初期設定作業が容易化されている。具体的には、制御装置12に所定の入力パラメータを入力すると、複数の加工パラメータの初期値が自動計算される様に構成されている。以下、具体的に説明する。
《制御装置12の具体的構成》
図14は、制御装置12の構成を示すブロック図である。図14に示すように、制御装置12は、前述した表示パネル12aおよび入力部12bに加え、記憶部12cと、初期値計算部12dと、制御部12eとを備えている。入力部12bは、操作者によって所定の入力パラメータの値が入力可能に構成されている。記憶部12cには、所定の入力パラメータと各加工パラメータの初期値との間の関係が記憶されている。そして、操作者によって入力部12bに所定の入力パラメータが入力されると、初期値計算部12dは、入力部12bに入力された入力パラメータの値から、記憶部12cに記憶された関係に基づいて、各加工パラメータの初期値を計算し、制御部12eに初期値を入力する。制御部12eは、入力された各加工パラメータに基づいて、撚り処理部51、フラックス処理部52、ハンダ処理部53を駆動させ、電線2の端部の露出部分にハンダを自動的に付着させる。
《入力パラメータの説明》
次に、図15を用いて電線処理装置1の操作者が制御装置12に入力する入力パラメータについて説明する。なお、図15は、操作者が入力パラメータを入力する際に、表示パネル12aに表示される入力画面の例を示した図である。
−ストリップ長A−
図15に示すように、ストリップ長Aは、電線2の端部の被覆部2bをストリップする長さを言う。言い換えると、最終的に電線2の端部に形成される露出した芯線部2aの長さを言う。
−電線径B−
図15に示すように、電線径Bは、電線2の直径のことを言う。
−セミストリップ長C−
図15に示すように、セミストリップ長Cは、撚り加工の下処理として電線2の端部の被覆部2bをセミストリップする長さを言う。言い換えると、撚り加工の下処理としてセミストリップする際に、露出させる芯線部2aの長さを言う。
《加工パラメータの説明》
次に、図16〜図25を用いて、各種の加工パラメータについて説明する。これらの加工パラメータは、入力された入力パラメータの値に基づいて制御装置12が初期値を自動計算する対象となるパラメータである。なお、加工パラメータは、ハンダ付け装置7A,8Aにおいて同様に規定されるため、以下では、フロント側のハンダ付け装置7Aについてのみ説明する。
〔撚り処理部51の加工パラメータ(撚り処理用加工パラメータ)〕
−撚り速度−
加工パラメータ「撚り速度」とは、撚り加工の際の第1ヤスリ20aおよび第2ヤスリ20bの上下方向に関する移動速度と、撚り加工の際にフロント移動手段9によってフロントクランプ4を後退させて電線2を後退させる動作の有無とを示すパラメータである。
ところで、撚り加工を行う際、ストリップ長Aが長い場合、均一に撚りを行うことができない。そのため、ストリップ長Aが長い場合には、電線2を後退させることにより均一に撚りを行わせることとしている。
なお、本実施形態では、加工パラメータ「撚り速度」は、F11〜F15(電線2の後退動作無し)およびF21〜F24(電線2の後退動作有り)の任意の値に設定可能に構成されている。また、記憶部12cには、ストリップ長Aが所定の値A1以下である場合、「撚り速度」の初期値をF15(F11〜F15の中で移動速度が最も速い値)とし、ストリップ長Aが所定の値A1よりも大きい場合、「撚り速度」の初期値をF24(F21〜F24の中で移動速度が最も速い値)とする関係が記憶されている。
−張り調整−
加工パラメータ「張り調整」とは、図16に示すように、フロントクランプ4によって把持された電線2が前進または後退する方向をY方向としたときに、電線2が第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとによって把持された後、電線2をY方向に関して後退させる距離Y1を示すパラメータである。
具体的には、電線2の種類によって第1ヤスリ20aおよび第2ヤスリ20bによって挟持させた時に弛んでしまい、撚り加工に悪影響を及ぼすことがある。このような場合に、上記のような電線2をY方向に関して後退させるような張り調整動作を行うと、電線2の弛みを取り除くことができ、電線2に弛みのない状態で撚り加工を行うことができる。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、ストリップ長Aが第1所定値A1以下である場合、「張り調整」の初期値をG1とし、ストリップ長Aが第1所定値A1よりも大きく第2所定値A2以下である場合、「張り調整」の初期値をG2とし、ストリップ長Aが第2所定値A2よりも大きい場合、「張り調整」の初期値をG3とする関係が記憶されている。なお、ここで、G1,G2,G3は、相異なる所定の定数であり、G1<G2<G3である。
−ヤスリY−
加工パラメータ「ヤスリY」とは、図17に示すように、フロントクランプ4によって把持された電線2が前進または後退する方向をY方向としたときに、電線2が第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとによって挟持される時のY方向に関する電線2の芯線部2aの先端の所定の基準位置からの距離Y2を示すパラメータである。
本実施形態では、具体的には、図17に示すように、Y方向における第1ヤスリ20aおよび第2ヤスリ20bの後端を基準位置とし、電線2が第1ヤスリ20aおよび第2ヤスリ20bとによって把持される時のY方向に関する電線2の芯線部2aの先端の基準位置からの距離として定義されている。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、ストリップ長Aが第1所定値A1以下である場合、「ヤスリY」の初期値をH1+張り調整G1とし、ストリップ長Aが第1所定値A1よりも大きく第2所定値A2以下である場合、「ヤスリY」の初期値をH2+張り調整G2とし、ストリップ長Aが第2所定値A2よりも大きい場合、「ヤスリY」の初期値をH3+張り調整G3とする関係が記憶されている。なお、H1,H2,H3は所定の定数であり、本実施形態では、H1<H2=H3である。
−ヤスリX−
加工パラメータ「ヤスリX」とは、図18に示すように、フロントクランプ4によって把持された電線2が水平移動する方向をX方向としたときに、電線2が第1ヤスリ20aと第2ヤスリ20bとによって挟持されるときの、電線2の軸心の第1ヤスリ20aおよび第2ヤスリ20bのうちのいずれか一方のヤスリ面20e(対向面)からのX方向に関する距離を示すパラメータである。
本実施形態では、具体的には、図18に示すように、左右方向に関し固定された第2ヤスリ20bのヤスリ面20eの位置を基準位置とし、電線2が第1ヤスリ20aおよび第2ヤスリ20bとによって挟持されるときの、電線2の軸心のX方向に関する距離X1として定義されている。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、「ヤスリX」の初期値を、電線径Bの1/2の長さとする関係が記憶されている。
−撚り回転数−
加工パラメータ「撚り回転数」とは、図9に示すように、撚り加工の際に、電線2が第1ヤスリ20aおよび第2ヤスリ20bによって回転させられるときの回転数を示すパラメータである。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、「撚り回転数」の初期値を、{ストリップ長A/J1+(電線径B/J2)}/(電線径B×π)とする関係が記憶されている。なお、J1,J2は相異なる所定の定数である。
−セミバック−
加工パラメータ「セミバック」は、撚り加工の下処理として、セミストリップ処理を行う際に、フロント移動手段9によってフロントクランプ4を僅かに前進させて電線2を前進させる動作の有無を示すパラメータである。
ところで、図19(a)に示すように、フロントクランプ4によって把持された電線2をY方向に関して後退させてセミストリップ処理を行う際、カッタ6aが被覆部に食い込んでしまい、電線2が曲がってしまうことがある。このような場合に、図19(b)に示すように、電線2を僅かにY方向に関して前進させる上記セミバック動作を行うことにより、電線2の曲がりを抑制することができる。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、入力パラメータの任意の値に対して、初期値を0(セミバック動作無し)とする関係が記憶されている。
〔フラックス処理部52の加工パラメータ(フラックス処理用加工パラメータ)〕
−フラックスY−
加工パラメータ「フラックスY」とは、図20に示すように、フロントクランプ4によって把持された電線2が前進または後退する方向をY方向としたときに、電線2がフラックス液保持筒体44の保持孔44aに挿入される時のY方向に関する電線2の芯線部2aの先端の所定の基準位置からの距離を示すパラメータである。
本実施形態では、具体的には、図20に示すように、Y方向におけるフラックス液保持筒体44の後端を基準位置とし、電線2がフラックス液保持筒体44の保持孔44aに挿入される時のY方向に関する電線2の芯線部2aの先端の基準位置からの距離Y3として定義されている。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、初期値をストリップ長A+D1とする関係が記憶されている。なお、D1は所定の定数である。
−フラックスX−
加工パラメータ「フラックスX」とは、図21に示すように、フロントクランプ4によって把持された電線2が水平移動する方向をX方向としたときに、電線2がフラックス液保持筒体44の保持孔44aに挿入される時のX方向に関する電線2の軸心の所定の基準位置からの距離を示すパラメータである。
本実施形態では、具体的には、図21に示すように、フラックス液保持筒体44の保持孔44aの中心軸を基準位置とし、電線2がフラックス液保持筒体44の保持孔44aに挿入される時の電線2の軸心の基準位置からの距離X2として定義されている。つまり、電線2の軸心が、保持孔44a内において、保持孔44aの中心軸からX方向にオフセットする量を示す。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、「フラックスX」の初期値を、入力パラメータの任意の値に対して、初期値を0とする関係が記憶されている。
−フラックス速度−
加工パラメータ「フラックス速度」とは、フロントクランプ4により把持された電線2を、フラックス液保持筒体44の保持孔44a内に挿入させるために、前進(Y方向)させるときの電線2の速度を示すパラメータである。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、入力パラメータの任意の値に対して、初期値をK1(所定の定数)とする関係が記憶されている。なお、本実施形態では、初期値K1は、加工パラメータ「フラックス速度」として設定可能な数値範囲のうち、最も大きい値となる様に設定されている。
−フラックス時間−
加工パラメータ「フラックス時間」とは、フロントクランプ4によって把持された電線2が前進または後退する方向をY方向としたときに、電線2が前進してフラックス液保持筒体44の保持孔44aに挿入されてから後退するまでの間、保持孔44a内で停止している時間を示すパラメータである。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、初期値をストリップ長A×E1+E2とする関係が記憶されている。なお、E1,E2は相異なる所定の定数である。
〔ハンダ処理部53の加工パラメータ(ハンダ処理用加工パラメータ)〕
−ハンダY−
加工パラメータ「ハンダY」とは、図22に示すように、フロントクランプ4によって把持された電線2が前進または後退する方向をY方向とした場合に、電線2がハンダ槽16内のハンダに浸漬する位置にあるときに、Y方向に関する当該電線2の先端の所定の基準位置からの距離を示すパラメータである。ここでは、電線2が電線押さえガイド45によって上方から押さえつけられることによって、電線2の芯線部2aがハンダ槽16内のハンダに浸漬する。そのため、「ハンダに浸漬する位置」は、ハンダ槽16の上方の位置(図22に示す位置)となる。したがって、ここでは、「ハンダY」は、電線2が電線押さえガイド45によってハンダ槽16に向かって押さえ付けられる時のY方向に関する電線2の芯線部2aの先端の所定の基準位置からの距離を示すパラメータとなる。
本実施形態では、具体的には、図22に示すように、Y方向に関し、ハンダ槽16の後方の内面から2mm後方の位置を基準位置とし、電線2が電線押さえガイド45によってハンダ槽16に向かって押さえ付けられる時のY方向に関する電線2の芯線部2aの先端の基準位置からの距離Y4として定義されている。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、初期値をストリップ長A×A1+A2とする関係が記憶されている。なお、A1,A2は相異なる所定の定数である。
−押さえ高さ−
加工パラメータ「押さえ高さ」とは、図23に示すように、電線2が電線押さえガイド45によってハンダ槽16に向かって押さえ付けられる時の、Z方向に関する電線押さえガイド45の基準位置からの高さを示すパラメータである。
本実施形態では、具体的には、図23に示すように、Z方向に関し、電線押さえガイド45の下死点における下端部の位置を基準位置とし、電線2が電線押さえガイド45によってハンダ槽16に向かって押さえ付けられる時のZ方向に関する電線押さえガイド45の下端の基準位置からの距離Z1として定義されている。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、初期値をストリップ長A×B1とする関係が記憶されている。なお、B1は所定の定数である。
−ハンダ時間−
加工パラメータ「ハンダ時間」とは、ハンダ付け処理を行う際に、電線押さえガイド45によって電線2がハンダ槽16に向かって押さえ付けられたときに、電線押さえガイド45が下死点に到達してから電線2をY方向に関して後退させ始めるまでの時間を示すパラメータである。つまり、電線2の芯線部2aをハンダ槽16内に浸漬させるハンダ付け時間を示すものである。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、初期値をストリップ長A×C1+C2とする関係が記憶されている。なお、C1,C2は、相異なる所定の定数である。
−2度付け−
加工パラメータ「2度付け」とは、図24(a),(b)に示すように、クランプ引き下げOFF方式でハンダ付け処理を行う際に、電線押さえガイド45によって電線2をハンダ槽16に向かって押さえ付けた後に電線2を前進させて浸漬し、更に再度電線2を浸漬させるためにY方向に電線2を後退させる距離を示すパラメータである。つまり、加工パラメータ「2度付け」は、電線2の芯線部2aをハンダ槽16内に2度付けする際の後退距離を示すものである。
ここで、2度付けとは、電線2の芯線部2aをハンダ槽16のハンダ22に付ける際に、電線押さえガイド45によって電線2を押さえつけ、電線2を前進させてハンダ22に浸けた(図24(b)参照)後、電線2の芯線部2aをハンダ22に再度浸漬させるために電線2をY方向に後退させることをいう。ハンダ付けの際には、電線押さえガイド45によって電線2を押さえつけて電線2がハンダ槽16に向いた後(図24(a)参照)、電線2を更に前進させて芯線部2aにハンダを付着させるのであるが、例えば、付着させたハンダにフラックスの気泡によって巣ができたり、ハンダの付着状態が悪い場合がある。2度付けは、そのような場合に電線2を前後に再度スライドさせて、ハンダの付着を良くするために行うものである。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、入力パラメータの任意の値に対して、初期値を0(2度付けなし)とする関係が記憶されている。
−前進量−
加工パラメータ「前進量」とは、図24(a),(b)に示すように、ハンダ付け処理を行う際に、電線押さえガイド45によって電線2をハンダ槽16に向かって押さえ付けた後に、2度付けするために電線2を前進させるときのY方向に関するフロントクランプ4の移動距離Y5を示すパラメータである。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、1未満の所定定数×ストリップ長Aとする関係が記憶されている。上記所定定数は特に限定されないが、例えば、上記所定定数を0.5とし、初期値をストリップ長A/2としてもよい。
−押さえ速度−
加工パラメータ「押さえ速度」とは、ハンダ付け処理の際に、電線押さえガイド45によって電線2をハンダ槽16に向かって押さえ付ける時の電線押さえガイド45の移動速度を示すパラメータである。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、入力パラメータの任意の値に対して、初期値をL1とする関係が記憶されている。なお、本実施形態では、初期値L1は、加工パラメータ「押さえ速度」として設定可能な数値範囲のうち、最も大きい値となる様に設定されている。
−Y引き速度−
加工パラメータ「Y引き速度」とは、ハンダ付け処理の際に、芯線部2aがハンダ槽16に浸かっている電線2をY方向に後退させるときのY方向に関する電線2の移動速度を示すパラメータである。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、入力パラメータの任意の値に対して、初期値をM1(所定の定数)とする関係が記憶されている。なお、本実施形態では、初期値M1は、加工パラメータ「Y引き速度」として設定可能な数値範囲のうち最も小さい値となる様に設定されている。
−ハンダ後タイマ−
加工パラメータ「ハンダ後タイマ」とは、ハンダ付け処理の際に、芯線部2aがハンダ槽16に浸かっている電線2をY方向に後退させた後、電線2が測長位置(測長ユニット3の位置)に向かって移動開始するまでの間の待機時間を示すパラメータである。
なお、記憶部12cには、入力パラメータの任意の値に対して、初期値をN1(所定の定数)とする関係が記憶されている。
−ワイパー本数−
加工パラメータ「ワイパー本数」とは、本発明に係るワイパー機構としての皮膜除去機構27の作動頻度を示すパラメータである。具体的には、皮膜除去機構27が作動してから次に作動するまでの間に存在するハンダ付け処理の合間の回数を示している。
これにより、例えば、加工パラメータ「ワイパー本数」が「0」であるとき、皮膜除去機構27の作動の合間に存在するハンダ付け処理の合間は0となる。このことは、ハンダ付け処理と皮膜除去機構27による皮膜除去処理とが交互に行われる、つまり、ハンダ付け処理が行われる度に皮膜除去機構27が作動して酸化皮膜の除去処理が行われることを示している。
一方、加工パラメータ「ワイパー本数」が「5」であるとき、皮膜除去機構27の作動の合間に存在するハンダ付け処理の合間は5となる。このことは、ハンダ付け処理が6回行われる毎に皮膜除去機構27が作動して酸化皮膜の除去処理が行われることを示している。
なお、本実施形態では、記憶部12cには、入力パラメータの任意の値に対して、初期値を0(毎回作動)とする関係が記憶されている。
−クランプ引き下げ−
加工パラメータ「クランプ引き下げ」とは、ハンダ付け処理の際に、フロントクランプ4によって把持された電線2の芯線部を、ハンダ槽16内のハンダ22に付ける方式を示すパラメータである。具体的には、図11に示すクランプ引き下げOFF方式、または、図12に示すクランプ引き下げON方式のいずれであるかを示すものとして定義されている。
なお、記憶部12cには、入力パラメータの任意の値に対して、初期値を0(クランプ引き下げOFF方式)とする関係が記憶されている。
《初期値の自動計算》
本実施形態に係るハンダ付け装置7A,8Aでは、以上のような入力パラメータ(ストリップ長A、電線径B、セミストリップ長C)を入力することにより、以上のような加工パラメータの初期値が自動計算されて自動的に入力される。以下、その設定から動作に至るまでの流れについて、図26に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、図27に示すような設定画面において、入力パラメータであるストリップ長A、電線径B、セミストリップ長Cを入力する(ステップS1)。そして、ステップS2に進む。
ステップS2では、設定画面において、操作者によって簡単計算ボタンが押される。そして、ステップS3に進む。
ステップS3では、初期値計算部12dが、入力された各入力パラメータの値から、制御装置12の記憶部12cに記憶された入力パラメータと各加工パラメータの初期値との関係に基づいて、各加工パラメータの初期値を計算する。
そして、ステップS4では、初期値計算部12dによって計算された各加工パラメータの初期値が制御部12eに入力される。制御部12eに各加工パラメータの初期値が入力されると、ステップS5に進む。
ステップS5では、制御部12eが入力された各パラメータの初期値に基づき、撚り処理部51,フラックス処理部52,ハンダ処理部53の動作量を制御する。これにより、各処理部が動作する。
なお、図27に示す設定画面で入力されたセミストリップ長Cがストリップ長Aと等しい値である場合、制御部12eは、撚り処理部51における動作量を0とする。これにより、撚り処理部51におけるセミストリップ処理および撚り加工動作が省略されることとなる。
なお、操作者は、上述のようにして各加工パラメータの初期値を自動入力し、当該初期条件下においてハンダ付け装置7A,7Bを稼働させる。そして、その初期条件に基づく運転状況を見ながら各加工パラメータの数値を微調整し、各加工パラメータの適正化を図っていくこととなる。
以上のように、本実施形態に係るハンダ付け装置7A,8Aでは、入力部12bに入力パラメータを入力するだけで、各加工パラメータの初期値が自動的に計算される。そのため、操作者は、従来のハンダ付け装置を用いた場合のように、もっぱら勘と経験に頼って初期値を設定する必要がない。したがって、本ハンダ付け装置7A,8Aによれば、各加工パラメータの初期値を常に適切な値に設定することができる。そのため、経験の浅い操作者でも各加工パラメータの初期値を好適な値に設定することができる。また、従来は、熟練した操作者であっても、時によっては不適切な初期値を設定してしまうおそれがあった。しかし、本ハンダ付け装置7A,8Aによれば、常に好適な初期値を設定することができるので、そのようなおそれはない。
ところで、近年、電線用ハンダ付け装置の高度化に伴って、加工パラメータの数は増える傾向にある。そのため、加工パラメータの初期値の設定は、今後益々難しくなることが予想される。しかしながら、本ハンダ付け装置7A,8Aによれば、各加工パラメータの初期値の設定作業を自動化することにより安定化させることができる。そのため、加工パラメータの数が増えたとしても、各加工パラメータの設定作業を容易化することができる。また、本発明の効果は、加工パラメータの数が多いほど顕著に発揮されることになる。
なお、本願発明者は、加工パラメータの初期値を自動計算するというアイデアだけでなく、それら加工パラメータの好適な初期値とストリップ長または電線径との間に一定の関係があることを経験的に見出し、加工パラメータごとに好適な初期値を具体的に設定することとした。例えば、加工パラメータの一つである「ハンダY」に関して、その適切な初期値とストリップ長との間に比例関係があることを見出し、前述の関係式を設定することとした。「押さえ高さ」、「ハンダ時間」、「前進量」、「フラックスY」、「フラックス時間」、「撚り速度」、「張り調整」、「ヤスリY」、「ヤスリX」、および「撚り回転数」についても、同様である。一方、加工パラメータの一つである「押さえ速度」に関しては、その加工パラメータの特性上、ストリップ長の入力値に拘わらず、初期値として所定の定数を選択すればよいことを経験的に見出した。そのうえで、初期値として所定の定数を設定することとした。「2度付け」、「押さえ速度」、「Y引き速度」、「ハンダ後タイマ」、「ワイパー本数」、「ハンダ付け方式」、「フラックスX」、「フラックス速度」、および「セミバック」についても、同様である。本ハンダ付け装置7A,8Aによれば、ストリップ長および電線径を入力するだけで、各加工パラメータの適切な初期値を迅速かつ容易に得ることができる。
《変形例》
なお、本実施形態では、電線処理装置1は、電線2の両側の端部にハンダ付けを行うものとして構成されていた。しかし、電線処理装置1は、電線2の両側の端部にハンダ付けするものに限らず、片側の端部のみにハンダ付けを行うものであってもよい。
また、本実施形態では、ハンダ付け装置7A,8Aは、撚り処理部51と、フラックス処理部52と、ハンダ処理部53とを備えていた。しかし、ハンダ付け装置7A,8Aは、撚り処理部51およびフラックス処理部52を省略したものであってもよい。
本実施形態では、加工パラメータの定義において、所定の基準(例えば基準位置)を設けているが、それらの基準は適宜変更することができる。
本発明は、芯線部と芯線部を被覆する被覆部とを有する電線の芯線部にハンダ付けを自動的に行う電線用ハンダ付け装置に関して有用である。
実施形態に係る電線処理装置の全体概略説明図である。 撚り機構の概略構成を示す模式図である。 ハンダ付けユニットの一部断面正面図である。 下側ユニットの平面図である。 図3における一部拡大側面図である。 図3における一部拡大側面図である。 皮膜除去機構の正面図である。 (a)、(b)はセミストリップ処理時の撚り処理部の動作を示す図である。 (a)、(b)は撚り加工時の撚り処理部の動作を示す図である。 (a)、(b)はフラックス付け処理時のフラックス処理部の動作を示す図である。 (a)、(b)、(c)は、クランプ引き下げOFF方式によるハンダ付け処理時のハンダ処理部の動作を示す図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、クランプ引き下げON方式によるハンダ付け処理時のハンダ処理部の動作を示す図である。 皮膜除去作業時の皮膜除去機構の動作を示す図である。 制御装置の構成を示すブロック図である。 入力パラメータを示す説明図である。 加工パラメータ「張り調整」の説明図である。 加工パラメータ「ヤスリY」の説明図である。 加工パラメータ「ヤスリX」の説明図である。 加工パラメータ「セミバック」の説明図である。 加工パラメータ「フラックスY」の説明図である。 加工パラメータ「フラックスX」の説明図である。 加工パラメータ「ハンダY」の説明図である。 加工パラメータ「押さえ高さ」の説明図である。 加工パラメータ「2度付け」の説明図である。 各加工パラメータの初期値を示した表である。 各加工パラメータの初期値の設定から各処理部の動作に至るまでの流れを説明するフローチャートである。 入力パラメータを入力する際に、表示パネルに示される設定画面の構成図である。
符号の説明
1 電線処理装置
2 電線
2a 芯線部
2b 被覆部
4 フロントクランプ(把持機構、)
6 カッターユニット
6a カッタ
7A ハンダ付け装置(電線用ハンダ付け装置)
9 フロント移動手段(移動機構)
12 制御装置
12a 表示パネル
12b 入力部(入力手段)
12c 記憶部(記憶手段)
12d 初期値計算部(初期値計算手段)
12e 制御部
15 フラックス槽
16 ハンダ槽
20 撚り機構
20a 第1ヤスリ
20b 第2ヤスリ
20c 左右方向駆動装置
20d 上下方向駆動装置(駆動装置)
20e ヤスリ面(対向面)
21 フラックス液
22 ハンダ
27 皮膜除去機構(ワイパー機構)
40 昇降機構
44 フラックス液保持筒体(フラックス液保持体)
44a 保持孔
44b 挿入ガイド面
45 電線押さえガイド(押さえ部材)
45a 押さえ面
51 撚り処理部(撚り処理手段)
52 フラックス処理部(フラックス処理手段)
53 ハンダ処理部(ハンダ処理手段)
A ストリップ長
B 電線径(電線の直径)
C セミストリップ長

Claims (15)

  1. 芯線部と当該芯線部の端部が露出するように当該芯線部を被覆する被覆部とを有する電線における前記芯線部の露出部分にハンダを付着させる電線用ハンダ付け装置であって、
    電線を把持する把持機構と、
    予め定められた複数のハンダ処理用加工パラメータに基づいて前記芯線部の露出部分にハンダを自動的に付着させるハンダ処理手段と、
    所定の入力パラメータの値が入力される入力手段と、
    予め定められた前記入力パラメータと前記各ハンダ処理用加工パラメータの初期値との間の関係を記憶した記憶手段と、
    前記入力手段に入力された前記入力パラメータの値から、前記記憶手段に記憶された前記関係に基づいて、前記各加工パラメータの初期値を計算する初期値計算手段と、
    を備えた電線用ハンダ付け装置。
  2. 請求項1に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記加工パラメータの一つは、前記電線の芯線部が前記ハンダ槽内のハンダに浸漬されている時間に関連して定義されるハンダ時間であり、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    ハンダ時間の初期値=C1×ストリップ長+C2(ただしC1,C2は所定の定数)
    という関係式を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
  3. 請求項1または2に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記ハンダ処理手段は、ハンダを貯留するハンダ槽と、前記把持機構によって把持された電線を前記ハンダ槽内のハンダに浸漬する位置に向かって前進させまたは前記ハンダ槽内のハンダに浸漬する位置から後退させる移動機構と、を備え、
    前記入力パラメータには、電線のストリップ長が含まれ、
    前記加工パラメータの一つは、前記把持機構によって把持された電線が前進または後退する方向をY方向としたときに、前記電線が前記ハンダ槽内のハンダに浸漬する位置のY方向に関する前記電線の先端の所定の基準位置からの距離として定義されるハンダ付けY方向位置であり、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    ハンダ付けY方向位置の初期値=A1×ストリップ長+A2(ただしA1,A2は所定の定数)
    という関係式を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
  4. 請求項3に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記ハンダ処理手段は、前記移動機構により前記電線の一部が前記ハンダ槽の上方の位置にあるときに前記電線の芯線部が前記ハンダ槽内のハンダに浸漬するように前記電線を前記ハンダ槽に向かって押さえつける押さえ部材を備えている、電線用ハンダ付け装置。
  5. 請求項4に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記加工パラメータの一つは、前記電線が前記押さえ部材によって押さえつけられる時の上下方向に関する前記押さえ部材の下端の所定の基準位置からの距離として定義される押さえ高さであり、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    押さえ高さの初期値=B1×ストリップ長(ただしB1は所定の定数)
    という関係式を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
  6. 請求項4または5に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記加工パラメータの一つは、前記電線を前記押さえ部材によって押さえつけた後に、前記電線が前記Y方向に前進してから再度浸漬するために前記Y方向に関して後退する移動距離として定義される2度付け後退量であり、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    前記入力手段に入力された前記入力パラメータの任意の値に対し、前記2度付け後退量の初期値を零とする関係を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
  7. 請求項4〜6のいずれか一つに記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記加工パラメータの一つは、前記電線を前記押さえ部材によって押さえつけた後に、前記電線を前記Y方向に関して前進させるときの前記Y方向に関する前記把持機構の移動距離として定義される前進量であり、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    前進量の初期値=1未満の所定定数×ストリップ長
    という関係式を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
  8. 請求項1に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    予め定められた複数のフラックス処理用加工パラメータに基づいて、前記ハンダ処理手段によるハンダ付けに先だって、前記芯線部の露出部分にフラックスを自動的に付着させるフラックス処理手段をさらに備え、
    前記記憶手段は、予め定められた前記入力パラメータと前記フラックス処理用加工パラメータの初期値との間の関係をさらに記憶しており、
    前記初期値計算手段は、前記入力手段に入力された前記入力パラメータの値から、前記記憶手段に記憶された前記関係に基づいて、前記各フラックス処理用加工パラメータの初期値をさらに計算する、電線用ハンダ付け装置。
  9. 請求項8に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記フラックス処理手段は、フラックスを貯留するフラックス槽と、前記電線の芯線部を挿入可能に形成された保持孔を有し、前記フラックス槽の上方の位置と槽内の位置との間を上下移動可能に構成され、前記フラックス槽内のフラックスに浸漬されることによって前記保持孔内にフラックスを保持するフラックス液保持体と、前記把持機構によって把持された電線を前記フラックス保持体の前記保持孔に向かって前進させまたは前記フラックス保持体の前記保持孔から後退させる移動機構と、を備え、
    前記入力パラメータには、電線のストリップ長が含まれ、
    前記フラックス処理用加工パラメータの一つは、前記把持機構によって把持された電線が前記フラックス保持体に向かって前進または後退する方向をY方向としたときに、前記電線が前記フラックス液保持体の前記保持孔に挿入されたときの前記Y方向に関する前記電線の芯線部の先端の所定の基準位置からの距離として定義されるフラックス付けY方向位置であり、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    フラックス付けY方向位置の初期値=ストリップ長+D1(D1は所定の定数)
    という関係式を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
  10. 請求項9に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記フラックス処理用加工パラメータの一つは、前記電線が前記Y方向に関して前進して前記フラックス液保持体の前記保持孔に挿入されてから前記Y方向に関して後退し始めるまでの時間として定義されるフラックス時間であり、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    フラックス時間の初期値=E1×ストリップ長+E2(E1,E2は所定の定数)
    という関係式を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
  11. 請求項8に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    予め定められた複数の撚り処理用加工パラメータに基づいて、前記フラックス処理手段によるフラックス付けに先だって、前記芯線部の露出部分に対して自動的に撚り加工を行う撚り処理手段をさらに備え、
    前記記憶手段は、予め定められた前記入力パラメータと前記撚り処理用加工パラメータの初期値との間の関係をさらに記憶しており、
    前記初期値計算手段は、前記入力手段に入力された前記入力パラメータの値から、前記記憶手段に記憶された前記関係に基づいて、前記各撚り処理用加工パラメータの初期値をさらに計算する、電線用ハンダ付け装置。
  12. 請求項11に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記撚り処理手段は、互いに平行に配置され、電線のストリップ後の被覆部を挟持する第1ヤスリおよび第2ヤスリと、前記第1ヤスリと前記第2ヤスリとを互いに逆方向にスライドさせる駆動装置と、前記把持機構によって把持された電線を前記第1ヤスリと前記第2ヤスリとの間に向かって前進させまたは前記第1ヤスリと前記第2ヤスリとの間から後退させる移動機構と、を備え、
    前記入力パラメータには、電線のストリップ長が含まれ、
    前記撚り処理用加工パラメータには、前記電線を挟持した状態において前記第1ヤスリおよび前記第2ヤスリがスライドするときのヤスリ移動速度と、前記第1ヤスリおよび前記第2ヤスリがスライドしているときに、前記電線を前記Y方向に後退させるか否かを示す撚り速度とが含まれ、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    前記入力手段に入力された前記ストリップ長が所定値以下である場合には、前記ヤスリ移動速度の初期値を所定速度にするとともに、前記撚り速度の初期値を前記電線が前記Y方向に後退しないことを示す所定の値とし、
    前記入力手段に入力された前記ストリップ長が所定値よりも大きい場合には、前記ヤスリ移動速度の初期値を所定速度にするとともに、前記撚り速度の初期値を前記電線が前記Y方向に後退することを示す所定の値とする関係を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
  13. 請求項11または12に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記撚り処理用加工パラメータの一つは、前記電線が前記第1ヤスリと前記第2ヤスリとによって挟持された後、前記電線を前記Y方向に関して後退させるときの、前記把持機構の後退距離として定義される張り調整量であり、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第1所定値A1以下である場合、前記張り調整量の初期値を所定の第1定数G1とし、
    前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第1所定値A1よりも大きい第2所定値A2以下である場合、前記張り調整量の初期値を前記第1定数G1とは異なる所定の第2定数G2とし、
    前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第2所定値A2よりも大きい場合、前記張り調整量の初期値を前記第1定数G1および第2定数G2とは異なる所定の第3定数G3とする関係を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
  14. 請求項13に記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記撚り処理用加工パラメータの一つは、前記電線が前記第1ヤスリと前記第2ヤスリとによって挟持されるときの、前記Y方向に関する前記電線の芯線部の先端の所定の基準位置からの距離として定義されるヤスリY方向位置であり、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第1所定値A1以下である場合、前記ヤスリY方向位置の初期値を、前記第1定数G1+所定の定数H1とし、
    前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第1所定値A1よりも大きくかつ第2所定値A2以下である場合、前記ヤスリY方向位置の初期値を、前記第2定数G2+所定の定数H2とし、
    前記入力手段に入力された前記ストリップ長が第2所定値A2よりも大きい場合、前記ヤスリY方向位置の初期値を、前記第3定数G3+所定の定数H3とする関係を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
  15. 請求項11〜14のいずれか一つに記載の電線用ハンダ付け装置において、
    前記入力パラメータには、電線のストリップ長と直径とが含まれ、
    前記撚り処理用加工パラメータの一つは、前記電線が前記第1ヤスリおよび前記第2ヤスリによって回転させられるときの回転数として定義される撚り回転数であり、
    前記記憶手段は、前記関係の一つとして、
    撚り回転数の初期値={ストリップ長/J1+(直径/J2)}/(直径×π) (ただし、J1,J2は所定の定数)
    という関係式を記憶している、電線用ハンダ付け装置。
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