JP2009053497A - エレクトロクロミック表示素子及びその製造方法 - Google Patents

エレクトロクロミック表示素子及びその製造方法 Download PDF

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裕史 田邊
Yoshiro Kondo
芳朗 近藤
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Abstract

【課題】低コストで生産性に優れる、高性能なエレクトロクロミック表示素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係るエレクトロクロミック表示素子の製造方法は、第1の電極102と第2の電極104との間にエレクトロクロミック層107と電解質層106とを備えるエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、第1の電極102上にエレクトロスピニング法によりエレクトロクロミック層107を形成する工程と、エレクトロクロミック層107に接する電解質層106を形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、エレクトロクロミック表示素子及びその製造方法に関し、特に、エレクトロスピニング法を利用したエレクトロクロミック表示素子及びその製造方法に関する。
近年、コンピュータの普及により、文書の保存や伝達用に使用される紙の役割は減少してきたが、デジタル情報を閲覧する際、紙に印刷して読む傾向は依然として強い。そのため、一時的な使用のみで破棄される紙の量は、逆に増加する傾向にある。また、書籍・雑誌・新聞なども考慮すると、日々消費される紙の量は、資源・環境の面から極めて深刻な問題である。
他方、人間の情報認識方法や思考方法を考慮すると、ブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube)や透過型液晶に代表されるディスプレイに対する紙の優位性も無視することはできない。そこで、紙に代わる電子媒体として、紙の長所とディスプレイの長所とを兼ね備える電子ペーパーが期待されている。電子ペーパーに必要とされる特性としては、反射型の表示素子であること、高白反射率・高コントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリ効果があること、低電圧で駆動できること、薄くて軽いこと、安価であることなどが挙げられる。
電子ペーパーの表示方式には、反射型液晶方式、電気泳動方式、2色ボール方式、エレクトロクロミック方式などがある。反射型液晶方式では、旋光性を有する液晶及び複屈折性を有する偏光板を使用するため、表示が暗い。また、金属反射板の性質上、白表示がぎらぎらした反射光となるため、長時間の使用は目に負担をかけるなどの欠点を有する。
電気泳動方式は、白色顔料や黒色トナーなどが、電界の作用によって電極上に積層するものである。2色ボール表示方式は、半分が白色、半分が黒色などの2色に塗り分けられた球体からなり、電界の作用による回転を利用したものである。いずれの方式も粒状体が入り込む隙間が必要であり、最密に充填できないため、高コントラストが得難い。
エレクトロクロミック方式は、電界印加によって可逆的な酸化還元反応が起こり、それに伴った発色/消色が起こることを利用したものである。他の表示方式に対して、電気的に発色/消色を繰り返す反射型の表示素子であるため、目に与える負担の点やコントラストの点などで有利である(特許文献1〜4参照)。
エレクトロクロミック層を形成する方法は様々な方法が適用されている。例えば、スパッタリング法、EB(Electron Beam)抵抗加熱蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などが、金属薄膜あるいは無機化合物薄膜形成用に適用される。
スポッティング法、コーティング法は、万年筆の針先のように微小なギャップによりその隙間に液体を保持できる金属製のチップあるいはコーターにより液体を基板上に塗布して、その後乾燥して薄膜を形成する方法である。
インクジェット法は、エレクトロクロミック材料を溶かした溶媒を小さな液滴としてノズルから噴射し、これを基板に付着させて乾燥させることにより薄膜を形成する方法である。
電解重合法は、共役系モノマーを溶かした溶液中に、電極基板を浸漬し電圧を負荷することによって、電極表面にエレクトロクロミック材料を成膜する方法である。
特開2002−287173号 特開2006−208862号 特開2006−058617号 特開平7−134317号
しかしながら、スパッタリング法やEB蒸着法では、高真空下でプラズマや高熱にさらされるため、高分子材料に適用することはできない。また、スポッティング法、コーティング法及びインクジェット法では、乾燥に時間がかかり、低コストプロセスに適さない。また、コーティング法などでは材料の無駄が生じ、インクジェット法では着弾精度の制御が困難である。さらに、電解重合法では、導電性高分子が緻密に形成されるため、電解質層との密着性が低下し、イオン伝導も低下する。また、前もって成膜する必要があるため、工程が煩雑になる。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、低コストで生産性に優れる、高性能なエレクトロクロミック表示素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るエレクトロクロミック表示素子の製造方法は、第1の電極と第2の電極との間に、エレクトロクロミック層と電解質層とを備えるエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、前記第1の電極上にエレクトロスピニング法によりエレクトロクロミック層を形成する工程と、前記エレクトロクロミック層に接する電解質層を形成する工程とを含むものである。
また、前記エレクトロクロミック層を構成するエレクトロクロミック材料が、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリ−p−フェニレンオキシド、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリナフチレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリチオフェンビニレン、ポリアルキルチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリプロピレンジオキシチオフェン、ポリアニリン、ポリペリナフタレン、ポリオキサジアゾール、ポリチアジル、ポリアセン、ポリフラン、ポリアルキルフラン、ポリセレノフェン、ポリテルロフェン、ポリアミノピレン、ポリフェナントレン、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリチアゾール、ポリピラゾール、ポリイソキサゾール、ポリイソチアゾール、ポリベンゾトリアゾール、ポリフルオレン、主鎖が芳香族環またはヘテロ芳香族環とホウ素原子とからなるポリマー、ポリピリジン、ポリピリダジン、ポリピリミジン、ポリピラジン、ポリキノリン系ポリマー、ポリピラン系ポリマー、よりなる群から選択される共役ポリマーであることが好ましい。
また、前記第1の電極と前記エレクトロクロミック層との間に、エレクトロスピニング法によって電子又は正孔注入を増大させる材料からなるバッファ層を形成する工程を含むことが好ましい。
本発明に係るエレクトロクロミック表示素子は、上記方法で製造されたものである。
本発明によれば、低コストで生産性に優れる、高性能なエレクトロクロミック表示素子の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る製造方法を用いて製造したエレクトロクロミック表示素子の一部を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本発明の製造方法によって製造されるエレクトロクロミック表示素子は、第1の基板101、表示電極102、第2の基板103、対向電極104、スペーサー105、電解質層106、エレクトロクロミック層107を備える。
本実施の形態に係るエレクトロクロミック表示素子では、第1の基板101上に形成された表示電極102及び第2の基板103上に形成された対向電極104の間に順電圧・逆電圧をかけることによって、電解質層106を介してエレクトロクロミック層107にイオンがドープ・脱ドープされる。これにより、発色・消色の2つの状態が繰り返される。エレクトロクロミック材料はメモリ性を有するため、電圧を切っても発色・消色の状態は変化しない。
第1の基板101は、観察者が発色層を視認できる必要があるため、透明な絶縁基板である必要がある。そのため、70%以上さらには80%以上の全光線透過率を有することが望ましい。第1の基板101としては、石英ガラス基板、白板ガラス基板などのガラス基板やポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MS)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの透明樹脂基板を例示できる。
表示電極102も、第1の基板101上に形成されており、第1の基板101と同様の理由から、透明である必要がある。そのため、70%以上さらには80%以上の全光線透過率を有することが望ましい。表示電極102としては、酸化インジウム錫(ITO)、アンチモンドープ錫酸化物(ATO)、アンチモンドープ亜鉛酸化物(AZO)、酸化亜鉛(ZnO)などの金属酸化膜いわゆる透明導電膜を例示できる。また、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)、ダブルウォールカーボンナノチューブ(DWCNT)などの導電性炭化物、ポリ(エチレン−3,4−ジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体などの導電性高分子を、第1の基板101上に、透過率を低下させない程度に薄く積層したものを用いてもよい。
第2の基板103は透明である必要がないため、種々の絶縁基板を用いることができる。例えば、石英ガラス基板、白板ガラス基板などのガラス基板、セラミック基板、紙基板、木材基板を用いることが可能であるが、これらに限定されず、合成樹脂基板として、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどのエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、酢酸セルロースなどのセルロースエステル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(テトラフルオロエチレン−co−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素ポリマー、ポリオキシメチレンなどのポリエーテル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマーなどのポリオレフィン、及びポリイミド−アミドやポリエーテルイミドなどのポリイミドなどが挙げられる。これら合成樹脂を基板として用いる場合には、容易に曲がらないような剛性基板とすることも可能であるが、可撓性を有するフィルム状の構造とすることも可能である。また、対向電極104が十分な剛性を有する場合には、第2の基板103を設けなくてもよい。
対向電極104は、第2の基板103上に形成されている。対向電極104は、導電性を有すれば、透明である必要がなく、種々の金属材料、高分子材料、セラミック材料及び半導体材料などを用いることができる。一般的には、高い電気伝導率を備える金属材料が好ましく、例えば、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、銀、金、銅、ニッケル、パラジウム、白金、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、ニッケル、コバルトやこれらを主成分とする合金などが挙げられるが、これらに限定されない。特に金、銀及び銅は高導電性を有し、化学的に不活性であるため、より好適である。また、視認性をよくするために対向電極104上に高反射率の材料を積層してもよい。
スペーサー105は、電極間距離を保持し、短絡を防止する機能を有する。スペーサー105としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂などの一般的な樹脂又は無機酸化物又はそれらのハイブリッド材料からなる球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングされた固着スペーサーも好適に用いられる。なお、厚さは通常1〜200μmであり、さらには5〜100μmが好ましい。
電解質層106は、対向電極104とエレクトロクロミック層107との間に形成され、エレクトロクロミック層107と接触している。また、その形態は特に限定されない。例えば、溶液状のものであれば、イオン伝導度が大きいため、応答速度、駆動電圧・電流を小さくすることができる。また、ゲル状及び固体状のものであれば、漏洩することがない信頼性の高い素子を提供することができる。溶液状の電解質としては、アセトニトリル、ブチロラクトン、炭酸プロピレンなどの有機溶媒に、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBFといったリチウム塩などを溶解させたものを用いることが一般的であるが、最近では、効率向上や安全性向上を目的にイオン液体を用いるものもあり、例えば、アニオンとしてテトラフルオロボレート、トリフルオロメチルスルフォニルイミド、ペンタフルオロエチルスルフォニルイミドなどを有する化合物が挙げられる。カチオンとして、エチルメチルイミダゾリウムやメチルブチルイミダゾリウムなどのイミダゾリウム系カチオン、ブチルメチルピロリジニウムやブチルピリジニウムなどのピロリジニウム系カチオン、ブチルトリメチルアンモニウムやジエチルメトキシエチルメチルアンモニウムなどのアンモニウム系カチオンなどを有する化合物が挙げられる。イオン液体としては、これらアニオン及びカチオンの、任意の組み合わせのものを用いることができる。
また、固体状の電解質としては、Ta、MgFなどの固体電解質が用いられる。また、高分子固体電解質としては、マトリクス高分子材料中に支持電解質が分散されており、マトリクス高分子としては、主鎖単位がそれぞれ−(C−C−O)−、−(C−C−N)−、−(C−C−S)−で表されるポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンスルフィドが挙げられる。これらを主鎖構造として、枝分かれがあってもよい。また、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデンクロライド、ポリカーボネートなども好ましい。固体状電解質を形成する際には、前記マトリクス高分子に所要の可塑剤を加えるのが好ましい。好ましい可塑剤としては、マトリクス高分子が親水性の場合には、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール及びこれらの混合物等が好ましく、疎水性の場合にはプロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、スルフォラン、ジメトキシエタン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルフォルムアルデヒド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン及びこれらの混合物が好ましい。前記固体高分子電解質には前記マトリクス高分子に支持電解質を分散せしめて形成されるが、その電解質としては、例えばLiCl、LiBr、LiI、LiBF、LiClO、LiPF、LiCFSOなどのリチウム塩、例えばKCl、KI、KBrなどのカリウム塩、例えばNaCl、NaI、NaBrなどのナトリウム塩、あるいは、例えばホウフッ化テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライドなどのテトラアルキルアンモニウム塩を挙げることができる。この4級アンモニウム塩のアルキル鎖長は不揃いでもよい。
エレクトロクロミック層107は、表示電極102と電解質層106との間に形成され、電解質層106と接触している。また、電気活性を有し、かつ、電気化学的な酸化・還元により変色する。エレクトロクロミック層107を構成するエレクトロクロミック材料としては、エレクトロクロミックを呈する材料であれば、特に限定されない。例えば、無機系としては、IrOx、NiOx、WO、MoO、TiOなどが挙げられる。また、表示品位のよい変色を実現するためには、π共役系導電性高分子が好適であり、例えばポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリ−p−フェニレンオキシド、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリナフチレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリチオフェンビニレン、ポリアルキルチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリプロピレンジオキシチオフェン、ポリアニリン、ポリペリナフタレン、ポリオキサジアゾール、ポリチアジル、ポリアセン、ポリフラン、ポリアルキルフラン、ポリセレノフェン、ポリテルロフェン、ポリアミノピレン、ポリフェナントレン、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリチアゾール、ポリピラゾール、ポリイソキサゾール、ポリイソチアゾール、ポリベンゾトリアゾール、ポリフルオレン、主鎖が芳香族環またはヘテロ芳香族環とホウ素原子とからなるポリマー、ポリピリジン、ポリピリダジン、ポリピリミジン、ポリピラジン、ポリキノリンに代表される芳香族環の一部の炭素が窒素に置換されたポリキノリン系ポリマー、ポリピランに代表される芳香族環の一部の炭素が酸素に置換されたポリピラン系ポリマー等の共役ポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
次に、本発明の実施の形態に係る製造方法について説明する。本製造方法は、少なくとも一方の電極上にエレクトロスピニング法によりエレクトロクロミック層107を形成する工程と、エレクトロクロミック層107に接する電解質層106を形成する工程を含む。
図1に示したエレクトロクロミック表示素子を製造するための方法について、図2(a)〜(c)を用いて説明する。図2(a)は第1の基板101上に形成された表示電極102上に、スペーサー105を形成したものである。所定のパターンが形成された表示電極102上に、ポリエステル樹脂溶液等をロールコーター、グラビアコーター、スクリーン印刷等の印刷機を用いて印刷した後、乾燥、硬化させてもよい。あるいは、電極に影響を及ぼさない光硬化性の樹脂を用いて、フォトリソグラフィ工程によりパターニングし、現像することでスペーサー105を形成してもよい。
ロールコーターやグラビアコーターは、あらかじめ一定量に計量された塗工液を基材に転写させて規定の塗工厚みを得る方式である。一定量の塗工液がそのまま基材に塗工されるため厳密には基材の厚みムラがそのまま塗工後も残るが、塗工液のロスが少ない。一方、塗工液は低粘度が必要であるため、厚膜塗工には適していない。
スクリーン印刷は、パターニングされたメッシュ状のスクリーン上に塗工液をスキージで加圧して充填後、基板に転写させることにより膜を得る方式である。高粘度のものでもスキージを加圧することで膜形成が可能なため、厚膜を得るのに適した方式である。
本実施の形態では、フォトリソグラフィ工程を用いて表示電極102上に直接スペーサー105を形成した。
図2(b)は、本発明に係る表示電極102上にのみ、エレクトロスピニング法を用いてエレクトロクロミック層107を形成したものである。エレクトロスピニング法は、電圧の力を利用してエレクトロクロミック材料の含有溶液又は分散液を吐出して膜形成を行う方法である。溶液又は分散液を供給するノズルと表示電極102との間に直流の高電圧を印加すると、表示電極102に向けてエレクトロクロミック材料の溶液又は分散液が噴射され、さらに高電圧によって発生した電場によって表示電極102上にエレクトロクロミック材料が付着する。
ここで、エレクトロクロミック材料の溶液又は分散液は、その表面張力によりノズルから微小な液滴として噴射される。この液滴の表面に電荷が集まり、液滴同士が互いに反発する。この電荷の反発力が表面張力を超えると、液滴は***しジェットとなる。さらに、エレクトロクロミック材料の溶液又は分散液中の溶媒が揮発すると、電荷の反発力が増し、より細かいジェットに***する。このジェット中でエレクトロクロミック材料が配向した状態で、表示電極102上に到達及び凝集し、堆積する。これにより、エレクトロクロミック層107が形成される。
上記エレクトロスピニング法において、印加電圧、ノズルと表示電極102との距離、ノズルの吐出口径、エレクトロクロミック材料の溶液又は分散液の組成等を適宜選択することで、所望の平均粒径及び平均長さのエレクトロクロミック層107が得られる。また、表示電極102とエレクトロクロミック層107との間に、エレクトロスピニング法によって電子又は正孔注入を増大させる材料の含有溶液又は分散液を噴射してバッファ層を形成してもよい。バッファ層を形成する電子又は正孔注入を増大させる材料としては、特に限定はないが、例えば、炭酸セシウム、炭酸リチウム等の炭酸塩がドーピングされた有機化合物、Alq3、LiF、トリフェニルジアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ポリフィリル誘導体、スチルベン誘導体等を用いることができるが、これに限られるものではない。
上記エレクトロスピニング法における印加電圧は、特に限定されるものではないが、一般的には5kV〜30kVの程度である。5kV未満であると十分に成膜できない。一方、30kVを超えると、良好な膜が得られない。
上記エレクトロスピニング法におけるノズルと基板電極との距離は、上記印加電圧やエレクトロクロミック材料の溶液又は分散液の粘度及び導電率等によっても異なるが、一般的には5〜30cmの範囲で行われる。距離が5cm未満でも30cmを超えても、良好な膜が得られない。
上記エレクトロスピニング法におけるノズルの吐出口径は、特に限定されるものではないが、300〜500μmの範囲が好ましい。ノズルの吐出口径が300μm未満でも、500μmを超えても良好な膜が得られない。
上記エレクトロクロミック材料の溶液又は分散液におけるエレクトロクロミック材料濃度は、特に限定されるものではないが、5〜50質量%さらには20〜30質量%の範囲が好ましい。溶液又は分散液中のエレクトロクロミック材料濃度が5質量%未満では、原料液の粘度が低すぎて良好な成膜が困難であり、50質量%を超えると、逆に原料液の粘度が高すぎて作業性が悪く、また良好な成膜が困難である。
図2(c)は、図2(b)で製造した構成に電解質106を注入し、対向電極104を重ね合わせたものである。図2(b)で製造した構成に電解質106を注入する方法としては、溶液状のものであればウェットコーティング法が好ましく、スリットコート、ナイフコート、リップコート、ダイコート、ディップコート、スクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、などの湿式コーティングなどの手法が挙げられる。電解質を注入した後は、対向電極104を重ね合わせることでエレクトロクロミック表示素子となる。
次に、本発明の好ましい実施例を比較例とともに記載するが、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ITOからなる表示電極102上にネガレジストCA3000PM(東京応化製)を用いて、フォトリソグラフィ工程でパターニングすることにより厚み40μmのスペーサー105を形成した。次に、エレクトロクロミック材料の分散液として、ポリアニリン分散液(ポリアニリンスルホン酸20質量%、純水80質量%の分散液:Aqua−PASS三菱レイヨン社製)を用い、ノズルと表示電極102の距離を15cm離して、10kVの電圧でエレクトロスピニング法によりエレクトロクロミック層107を成膜した。次に、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(NH−PF、和光純薬製)の水溶液を表示電極102上においてスペーサー105の間に成膜されたエレクトロクロミック層107上に注入し、電解層106を形成した。最後に、ITOからなる対向電極104を表示電極102と対向させてエレクトロクロミック層107及び電解層106を挟み込み、エレクトロクロミック表示素子を作製した。
作製したエレクトロクロミック表示素子において順電圧・逆電圧を反転させると、ポリアニリン膜がエレクトロクロミック性を示し、紫色〜黄色〜緑色の色変化を示した。
[実施例2]
実施例1におけるポリアニリン分散液に代えて、ポリピロール分散液(SSPY:ティーエーケミカル製)を用い、エレクトロスピニング法によりエレクトロクロミック層107を成膜した。また、実施例1におけるNH−PF水溶液に代えて、ブチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩(BMIM−BF、和光純薬製)を用い、電解質層106を形成した。それ以外は、実施例1と同様な手順、処方によりエレクトロクロミック表示素子を作製した。
作製したエレクトロクロミック表示素子において順電圧・逆電圧を反転させると、ポリピロール膜がエレクトロクロミック性を示し、紫色〜黄色の色変化を示した。
[実施例3]
実施例1におけるポリアニリン分散液に代えて、ポリチオフェン分散液(エスペイサー100、SD−PT:ティーエーケミカル製)を用い、エレクトロスピニング法によりエレクトロクロミック層107を成膜した。また、電解質をNH−PF水溶液に代えて、BMIM−BFを用い、電解質層106を形成した。それ以外は、実施例1と同様な手順、処方によりエレクトロクロミック表示素子を作製した。
作製したエレクトロクロミック表示素子において順電圧・逆電圧を反転させると、ポリチオフェン膜がエレクトロクロミック性を示し、赤色〜濃青色の色変化を示した。
[比較例1]
実施例1におけるエレクトロスピニング法に代えて、ポリアニリン分散液を表示電極102上に滴下してスピンコートし、乾燥機を用いて80℃で30分間乾燥させてエレクトロクロミック層107を成膜した。それ以外は、実施例1と同様な手順、処方によりエレクトロクロミック表示素子を作製した。
作製したエレクトロクロミック表示素子は、電極以外の部分にもポリアニリンが成膜されていた。また、順電圧・逆電圧を反転させると、実施例1と比較して紫色〜黄色〜緑色の色変化が遅くなった。
本発明では、エレクトロスピニング法によって、エレクトロクロミック層107を形成する。そのため、エレクトロクロミック層107形成と同時に溶剤は乾燥しており、生産性に優れる。また、エレクトロクロミック層107を多層化することもできる。さらに、エレクトロクロミック層107を、電極上の形成すべき領域のみに形成することができるため、材料の利用効率が高い。また、エレクトロスピニング法によって形成された膜は、成膜条件により多孔質とすることができ、電解質との密着性が向上する。そのため、エレクトロクロミック層107全体にわたって色変化させることができ、高い応答速度が得られる。
実施の形態に係るエレクトロクロミック表示素子の一部を示す模式的断面図である。 実施の形態に係るエレクトロクロミック表示素子の製造方法を示す模式的断面図である。
符号の説明
101 第1の基板
102 表示電極
103 第2の基板
104 対向電極
105 スペーサー
106 電解質層
107 エレクトロクロミック層

Claims (4)

  1. 第1の電極と第2の電極との間に、エレクトロクロミック層と電解質層とを備えるエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、
    前記第1の電極上にエレクトロスピニング法によりエレクトロクロミック層を形成する工程と、
    前記エレクトロクロミック層に接する電解質層を形成する工程とを含むエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
  2. 前記エレクトロクロミック層を構成するエレクトロクロミック材料が、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリ−p−フェニレンオキシド、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリナフチレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリチオフェンビニレン、ポリアルキルチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリプロピレンジオキシチオフェン、ポリアニリン、ポリペリナフタレン、ポリオキサジアゾール、ポリチアジル、ポリアセン、ポリフラン、ポリアルキルフラン、ポリセレノフェン、ポリテルロフェン、ポリアミノピレン、ポリフェナントレン、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリチアゾール、ポリピラゾール、ポリイソキサゾール、ポリイソチアゾール、ポリベンゾトリアゾール、ポリフルオレン、主鎖が芳香族環またはヘテロ芳香族環とホウ素原子とからなるポリマー、ポリピリジン、ポリピリダジン、ポリピリミジン、ポリピラジン、ポリキノリン系ポリマー、ポリピラン系ポリマー、よりなる群から選択される共役ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
  3. 前記第1の電極と前記エレクトロクロミック層との間に、エレクトロスピニング法によって電子又は正孔注入を増大させる材料からなるバッファ層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法で製造されたエレクトロクロミック表示素子。
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