JP2009051985A - バイオマス系成型燃料の製造方法 - Google Patents

バイオマス系成型燃料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオマスを所定の温度で乾留せず、また粘結剤(バインダ)を添加せずに、機械的強度が高く貯蔵性の良好な種々の形状及び寸法の成型燃料を製造する。
【解決手段】先ずバイオマス粉又はバイオマス粉砕物からなるバイオマス原料12に消石灰の水溶液又は懸濁液13を付着させる。次にこの消石灰の水溶液又は懸濁液13の付着したバイオマス原料12に粒径3mm以下の石炭原料14をバイオマス原料100質量%に対して100質量%以下の割合で混合しかつ80〜100℃の温度で加熱する。更にこの加熱した混合物16を80〜100℃の温度下でダブルロール式プレス17により100〜500MPaの圧力をかけてブリケット状又は板状に加熱・成型する。
【選択図】図2

Description

本発明は、農林産廃棄物、未利用植物、植物性繊維等のバイオマス原料を主成分とし、このバイオマス原料に石炭原料を混合したバイオマス系の成型燃料を製造する方法に関するものである。
火力発電所の石炭火力の混焼におけるバイオマスによる代替率は、これまでの実証実験では3%程度に止まっている。既設のロールミル等による石炭の微粉砕設備では、粉砕特性の大きく異なる石炭及びバイオマスを同時に効率良く混合微粉砕処理することが難しく、バイオマスの所定粒径への微粉砕化とそれに伴うミル出力の増大等の技術的及び経済的な問題がある。またバイオマス専用の微粉砕機を用いることによってその代替率を高めることができたとしても、物性及び燃焼性が大きく異なる石炭及びバイオマスを効率良く混焼させるための技術的な課題も残されている。
これらの点を解消するために、揮発分が15%以上である粉状の石炭に籾殻、木屑などからなるバイオマス乾留物を3重量%以上混合し、着火性、燃焼持続性を向上するとともに、燃焼時の煤煙の発生を低減させることができるバイオマス乾留物複合石炭ブリケット燃料が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このバイオマス乾留物複合石炭ブリケット燃料では、先ず石炭を粒子形状3mm以下の粉状に粉砕する。次に籾殻や木屑等のバイオマスを300〜650℃程度の低温で乾留し、揮発分の一部を残留させて着火性及び燃焼性を良くした乾留物であって、石炭と同級サイズの粉粒体にしたものを、石炭との重量比3%以上で粒子が均一に分散するように混合した後に、ブリケットに成形する。上記混合状態では石炭粒子間に多くのバイオマス乾留物が散在する。また硫黄含有量の多い石炭を使用する場合には、ブリケット燃料にカルシウム、マグネシウムなどを含む粉状の脱硫剤を添加して、更に燃焼時の硫黄酸化物の発生を低減させる。即ち、ブリケット製造時に脱硫剤として石灰石(CaCO3)又は消石灰(Ca(OH)2)を添加混合すると、燃焼中に石炭から発生する硫黄酸化物を硫化カルシウムとして固定し、硫黄酸化物の大気中への排出を低減できる。なお、粘結剤としてモラセス及び粘土が混合される。
特開2004−331928号公報(請求項1及び2、段落[0005]、段落[0006]、図1)
しかし、上記従来の特許文献1に示されたバイオマス乾留物複合石炭ブリケット燃料では、籾殻や木屑等のバイオマスを石炭と混合する前に、予め300〜650℃程度の低温で乾留する必要があった。また、上記従来の特許文献1に示されたバイオマス乾留物複合石炭ブリケット燃料では、石灰石(CaCO3)や消石灰(Ca(OH)2)を粉状(固体)の脱硫剤としてのみ用いており、また成形時に加熱していないため、モラセスや粘土等の粘結剤(バインダ)を混合しないと、ブリケットの強度が低下してブリケットが脆くなり、ブリケットの貯蔵性及び輸送性が低下する問題点もあった。更に、上記従来の特許文献1に示されたバイオマス乾留物複合石炭ブリケット燃料では、石炭にバイオマス乾留物を3重量%以上混合すると記載されているけれども、実質的には石炭にバイオマス乾留物を5重量%程度しか混合しておらず、未だ石炭からバイオマスへの代替率が低く、地球温暖化ガスの発生を低減できない問題点もあった。
本発明の第1の目的は、予めバイオマスを所定の温度で乾留することなく、また粘結剤(バインダ)を添加せずに、機械的強度が高く貯蔵性の良好な種々の形状及び寸法の成型燃料を製造できる、バイオマス系成型燃料の製造方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、火力発電所の石炭火力の混焼におけるバイオマスによる代替率を向上できるとともに、地球温暖化ガスの発生を低減できる、バイオマス系成型燃料の製造方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、バイオマス粉又はバイオマス粉砕物からなるバイオマス原料に、消石灰の水溶液又は懸濁液を付着させる工程と、この液の付着したバイオマス原料を80〜100℃に加熱する工程と、この加熱したバイオマス原料を80〜100℃の温度下でダブルロール式プレスにより100〜500MPaの圧力をかけてブリケット状又は板状に加熱・成型する工程とを含むバイオマス系成型燃料の製造方法である。この請求項1に記載されたバイオマス系成型燃料の製造方法では、先ず主原料であるバイオマス原料に消石灰懸濁液を付着させることにより、バイオマス成分中のリグニン・ヘミセルロース分を主体とする化学的作用でバイオマス原料に可塑性を付与する。このような作用が期待できるアルカリ処理液としてNaOH、KOH等の溶液があるけれども、それによって可塑性が付与されたとしても、得られた成型燃料の高い吸湿性により機械的強度が低下してしまうおそれが高いため、本発明では消石灰[Ca(OH)2]の水溶液又は懸濁液に限定した。次にこの消石灰の水溶液等を80〜100℃の温度に加熱してバイオマス原料に可塑性を更に付与する。更にこの加熱したバイオマス原料を80〜100℃の温度下で高圧のダブルロール式プレスにより連続的にブリケット状等に成型してバイオマス系成型燃料を製造する。このとき蒸気の共存下でダブルロール式プレスにより強い剪断力を繊維質のバイオマス原料に与えながら高い圧縮力で燃料が成型されるので、繊維質のバイオマス原料が互いに強く絡み合い、比較的密度の高い成型燃料を得ることができる。
請求項2に係る発明は、図1及び図2に示すように、バイオマス粉又はバイオマス粉砕物からなるバイオマス原料12に消石灰の水溶液又は懸濁液13を付着させる工程と、この液13の付着したバイオマス原料12に粒径3mm以下の石炭原料14をバイオマス原料100質量%に対して100質量%以下の割合で混合しかつ80〜100℃の温度で加熱する工程と、この加熱した混合物16を80〜100℃の温度下でダブルロール式プレス17により100〜500MPaの圧力をかけてブリケット状又は板状に加熱・成型する工程とを含むバイオマス系成型燃料の製造方法である。この請求項2に記載されたバイオマス系成型燃料の製造方法では、先ず主原料であるバイオマス原料12に消石灰懸濁液13を付着させることにより、バイオマス成分中のリグニン・ヘミセルロース分を主体とする化学的作用でバイオマス原料12に可塑性を付与する。次に上記消石灰の水溶液又は懸濁液13の付着したバイオマス原料12に石炭原料14を所定の割合で混合しかつ80〜100℃の温度で加熱して混合物16を調製することにより、バイオマス原料に可塑性を付与する。更にこの混合物16を80〜100℃の温度下で高圧のダブルロール式プレス17により連続的にブリケット状又は板状に成型してバイオマス系成型燃料11を製造する。このとき蒸気の共存下でダブルロール式プレス17により強い剪断力を繊維質のバイオマス原料12に与えながら高い圧縮力で燃料11が成型され、また比較的硬質の石炭原料の存在により上記圧縮力が燃料11内部まで速やかに伝達されるので、繊維質のバイオマス原料12が互いに強く絡み合い、ロール表面と混合物16の間における摩擦抵抗や混合物16の各粒子間における摩擦抵抗により発熱して混合物16の温度が更に上昇し、混合物16中のバイオマス原料12に可塑性が更に付与され、スプリングバックが少なくかつ密度の高い成型燃料11を得ることができる。これによりバインダ的性質を有するバイオマス原料12間に石炭原料14を圧着し一体化させることができるので、バイオマス系成型燃料11を微粉砕化処理しても、バイオマス原料12及び石炭原料14の単離が起り難い。またバイオマス原料のみを用いた成型燃料よりも、バイオマス原料に石炭原料を加えた成型燃料11はその発熱量が高くなる。
またバイオマス原料12への消石灰の水溶液又は懸濁液13の付着が、バイオマス乾質量1kgに対して30×10-3〜60×10-3gに相当する質量の消石灰を水に混合して得られる水溶液又は懸濁液13をバイオマス原料12に添加することにより行われることが好ましい。ここで、バイオマス乾質量とは、バイオマス原料12を絶乾状態にしたときの質量をいう。更にバイオマス原料12が農林産廃棄物、未利用植物及び植物性繊維からなる群より選ばれた1種又は2種以上の産業廃棄物を粉砕した原料であることが好ましい。
請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図2に示すように、加熱・混合工程時に発生する水蒸気を混合物16中に保持し、加熱・成型工程時に水蒸気の共存下で混合物16に剪断力を伴う圧縮力を作用させた後にこの圧縮力が瞬時に解放されることにより、混合物16中の水分の逸散と空冷に伴う成型物の収縮を行うことを特徴とする。この請求項5に記載されたバイオマス系成型燃料の製造方法では、加熱・混合工程時に混合物16から発生する水蒸気を混合物16中に保持した状態で、混合物16の加熱・成型工程時に上記水蒸気の共存下で混合物をダブルロール式プレス17により剪断力を伴う圧縮力を作用させると、上記水蒸気が圧縮されて水になり、この状態でダブルロール式プレス17の圧力が瞬時に解放されると、上記圧縮水が瞬時に逸散するとともに、急激な空冷に伴って成型物が収縮することによって、実用に耐え得る機械的強度を有するとともに、嵩密度の増大による省スペース化と脱水による熱発生性に優れたバイオマス系成型燃料11を製造できる。
本発明によれば、バイオマス粉等からなるバイオマス原料に消石灰の水溶液等を付着させることにより、バイオマス原料に可塑性を付与し、この液の付着したバイオマス原料を80〜100℃に加熱することにより、バイオマス原料に可塑性を更に付与し、この加熱したバイオマス原料にを80〜100℃の温度下でダブルロール式プレスにより100〜500MHzの圧力をかけてブリケット状等に加熱・成型することにより、蒸気の共存下で強い剪断力を繊維質のバイオマス原料に与えながら高い圧縮力で燃料が成型される。この結果、繊維質のバイオマス原料が互いに強く絡み合い、比較的密度の高い成型燃料を得ることができる。また従来のようなバイオマスを所定の温度で乾留する工程を設けなくても、或いは従来のような粘結剤(バインダ)の添加を行わなくても、機械的強度の高い成型燃料を製造できる。更に本発明の方法では、ブリケット状の成型燃料に加え、大型で薄い板状の成型燃料も製造できるので、これらの成型燃料の破砕及び粉砕処理によって、各種ボイラーに用いられるフレーク状燃料や、火力発電に用いられる微粉状燃料など、多目的用途に対応したバイオマス系成型燃料を製造できる。
一方、バイオマス粉等からなるバイオマス原料に消石灰の水溶液等を付着させることにより、バイオマス原料に可塑性を付与し、この液の付着したバイオマス原料に石炭原料を所定の割合で混合しかつ80〜100℃の温度で加熱することにより、バイオマス原料に可塑性を付与し、この加熱した混合物を80〜100℃の温度下でダブルロール式プレスにより100〜500MPaの圧力をかけてブリケット状等に加熱・成型することにより、蒸気の共存下で強い剪断力を繊維質のバイオマス原料に与えながら高い圧縮力で燃料が成型され、また比較的硬質の石炭原料の存在により上記圧縮力が燃料内部まで速やかに伝達される。この結果、繊維質のバイオマス原料が互いに強く絡み合い、ロール表面と混合物の間における摩擦抵抗や混合物の各粒子間における摩擦抵抗により発熱して混合物の温度が更に上昇し、混合物中のバイオマス原料に可塑性が更に付与されるので、バインダ的性質を有するバイオマス原料間に石炭原料を圧着し一体化させることができ、スプリングバックが少なくかつ密度及び発熱量の高い成型燃料を得ることができる。従って、バイオマス系成型燃料を微粉砕化処理しても、バイオマス原料及び石炭原料の単離が起り難いので、機械的強度が高く貯蔵性の良好な種々の形状及び寸法の成型燃料を製造できるとともに、火力発電所の石炭火力の混焼におけるバイオマスによる代替率を向上でき、地球温暖化ガスの発生を低減できる。
更に加熱・混合工程時に混合物から発生する水蒸気を混合物中に保持し、混合物の加熱・成型工程時に上記水蒸気の共存下で混合物をダブルロール式プレスにより剪断力を伴う圧縮力を作用させると、上記水蒸気が圧縮されて水になり、この状態でダブルロール式プレスの圧力が瞬時に解放されると、上記圧縮水が瞬時に逸散するとともに、急激な空冷に伴って成型物が収縮する。この結果、実用に耐え得る機械的強度を有するとともに、嵩密度の増大による貯蔵性及び輸送性に優れ、更に脱水による発熱量を高めたバイオマス系成型燃料を製造できる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1及び図2に示すように、バイオマス原料12を主成分とするバイオマス系成型燃料11の製造方法は、バイオマス原料12に消石灰の水溶液又は懸濁液13を付着させる工程と、この液13の付着したバイオマス原料12に石炭原料14を混合しかつ加熱する工程と、この混合物16を加熱下でダブルロール式プレス17により所定の形状に加熱・成型する工程とを含む。バイオマスは農林産廃棄物、未利用植物及び植物性繊維からなる群より選ばれた1種又は2種以上の産業廃棄物である。例えば、オガ屑、樹皮などの木質廃材、バガス(サトウキビの絞り粕)、ビートパルプ、籾殻、稲藁、綿実油の絞り粕、エンプティフルーツバンチなどの植物のみならず、段ボール紙や建築廃材が挙げられる。エンプティフルーツバンチは、ヤシ科の植物であるパームの実から油脂を含有する果肉を取除いた残滓をいい、パーム果房とも呼ばれる。これらのバイオマスのうち籾殻及びエンプティフルーツバンチは公知の成型法では極めて成型し難いバイオマスであり、これらのバイオマスを用いて比較的容易に成型燃料を製造する方法が本発明である。これらのバイオマスの粉又は粉砕物を用いて、水分率が10〜16質量%、好ましくは13〜15質量%に自然乾燥され、かつ粒径が3mm以下、好ましくは2mm以下の粒状物であれば粉砕せずに、これより大きい場合には粒径が3mm以下、好ましくは2mm以下の粒状に粉砕されて、或いは直径が3mm以下、好ましくは2mm以下であって直径が5mm以下、好ましくは2mm以下の繊維状又は棒状に粉砕されて、バイオマス原料12が生成される。ここで、バイオマス原料12の水分率を10〜16質量%の範囲内に限定したのは、10質量%未満では自然乾燥だけで達成することが難しく乾燥コストが増大してしまい、16質量%を越えると消石灰懸濁液を加えることによって水分過多となり燃料11としての発熱量が低下するとともに成形後の燃料11の機械的強度が不足してしまうからである。またバイオマス原料12を粒径3mm以下の粒状又は直径及び長さが3mm以下及び5mm以下の繊維状又は棒状に限定したのは、これらの範囲外では成型後の燃料11の機械的強度が不足するからである。
上記バイオマス原料12への消石灰の水溶液又は懸濁液13の付着は、バイオマス乾質量1kgに対して30×10-3〜60×10-3g、好ましくは30×10-3〜40×10-3gに相当する質量の消石灰を水に混合して得られる水溶液又は懸濁液13をバイオマス原料12に添加することにより行われる。ここで、バイオマス乾質量とは、バイオマス原料12を絶乾状態にしたとき、即ちバイオマス原料12の水分率を0質量%にしたときの質量をいう。また消石灰の水に対する溶解度は20℃で0.16g/100g(1.6g/1リットル)であるため、溶解度以下の消石灰は水に溶けてイオンとなり、溶解度を越える消石灰は水に分散するように構成される。即ち、溶解度以下の消石灰を水に混合した場合は、消石灰の水溶液となり、溶解度を越える消石灰を水に混合した場合は、消石灰の一部が水に溶解しかつ消石灰の残部が水に分散する消石灰の懸濁液となる。更に上記消石灰の水溶液又は懸濁液13を得るために水に混合する消石灰の質量を、バイオマス乾質量1kgに対して30×10-3〜60×10-3gの範囲に限定したのは、30×10-3g未満ではバイオマス原料12に消石灰の水溶液又は懸濁液13の調製上、量的に十分な可塑性を付与できず、60×10-3gを越えるとバイオマスの可塑性に関与せずかつ水に溶解しない消石灰が増えるからである。またバイオマス原料12に消石灰の水溶液又は懸濁液13を接触させてバイオマス原料12の表面全体に消石灰懸濁液13を付着させる方法としては、図2に示すように、第1粉砕機21で粉砕されかつ第1篩31で分級されて所定の太さ及び長さを有するバイオマス原料12をベルトコンベヤ15に載せて搬送しているときにこのバイオマス原料12に消石灰の水溶液又は懸濁液13を噴霧する方法が挙げられる。この方法では、バイオマス原料12の表面全体に比較的効率良く消石灰の水溶液又は懸濁液13を付着させることができる。なお、この実施の形態では、バイオマス原料に消石灰の水溶液又は懸濁液を噴霧して付着させたが、バイオマス原料を消石灰の水溶液又は懸濁液中に通したり、或いはバイオマス原料を消石灰の水溶液又は懸濁液中で煮沸してもよい。
一方、石炭原料14は、表面付着水分率が3質量%以下、好ましくは1質量%以下に乾燥され、かつ粒径が1mm以下、好ましくは0.5mm以下に粉砕される。ここで、石炭原料14の表面付着水分率を3質量%以下に限定したのは、3質量%を越えると水分過多により石炭原料14がダブルロール式プレス17等の装置に付着するとともに成型後の燃料11の機械的強度が低下するからである。また石炭原料14の粒径を1mm以下に限定したのは、1mmを越えるとバイオマス原料12間に石炭原料14を圧着し一体化させることができなくなるからである。図2に示すように、第2粉砕機22で粉砕されかつ第2篩32で分級されて所定の粒径を有する石炭原料14は混合機18に供給される。この石炭原料14のバイオマス原料12に対する混合割合は、バイオマス原料100質量%に対して石炭原料が100質量%以下、好ましくは25〜75質量%の割合である。この混合物16は加熱機20に供給されて80〜100℃、好ましくは90〜100℃の温度に加熱されて乾燥される。この加熱機20としては、フラッシュドライヤ(気流乾燥器)、流動層乾燥器(横型)、ドラムドライヤ(ドラム型乾燥器)などが挙げられる。またこの加熱は、加熱ガス発生炉(図示せず)からのO2の少ないガスを吹込むことにより行うことが好ましく、この加熱により混合物16の乾燥が同時に行われる。この加熱により供給されたガスの大部分は循環されるけれども、ガスの一部の過剰分は排出される。また上記ガスは水蒸気を多く含みかつO2の少ない安全な雰囲気で循環される。ここで、石炭原料14をバイオマス原料12に対する混合割合を100質量%以下に限定したのは、100質量%を越えるとバイオマス原料12を主体とするバイオマス系成型燃料11とはいえず、火力発電所の石炭火力の混焼におけるバイオマスによる代替率を向上できないからである。また上記混合物16の混合時の加熱温度を80〜100℃の範囲内に限定したのは、80℃未満ではバイオマス原料12中に十分な量の水蒸気が保持されず、100℃を越えると圧力を大気圧以上の圧力に上昇させる必要があるからである。
この加熱された混合物16は、80〜100℃、好ましくは90〜100℃の温度に保たれた状態で、成型用ホッパ19に貯留される。このときの混合物16の水分率は少ない方が良いけれども、実際には、成型燃料の輸送過程、貯蔵過程での平衡水分になることから、10〜18質量%、好ましくは10〜15質量%程度で成型することが経済的である。上記成形用ホッパ19内の混合物16は、このホッパ19内のスクリューフィーダ(図示せず)により成形用ホッパ19の下方に配設されたダブルロール式プレス17の一対のロール17a,17b間に圧送され、100〜500MPa、好ましくは300〜400MPaの圧力をかけてブリケット(briquette:炭団)状又は板状に加熱・成型される。ここで、混合物16を80〜100℃の温度範囲内に限定したのは、80℃未満ではバイオマス原料12中に十分な量の水蒸気が保持されず、100℃を越えると圧力を大気圧以上の圧力に上昇させる必要があるからである。また混合物16のダブルロール式プレス17による成型圧力を100〜500MPaの範囲内に限定したのは、100MPa未満では所定の機械的強度を有する成型燃料11が得られず、500MPaを越えると必要以上にエネルギを消費してしまうためである。なお、この実施の形態では、混合物をブリケット状(briquette:炭団)に成型したが、ブリケット状に形成するための凹部の無い一対のロール、即ち外周面が平滑な一対のロールを有するダブルロール式プレスで連続的に薄い板状に成型してもよい。具体的には、後述の第2の実施の形態において説明する。
スクリューフィーダはフィーダ用モータ24により駆動され、成形用ホッパ19内の混合物16を成形用ホッパ19の下方に圧送するように構成される。一対のロール17a,17bは一対の回転軸17c,17dによりそれぞれ支持される。一方の回転軸17cは一方のロール17aを回転可能に支持する従動軸であるとともに、油圧シリンダ(図示せず)により他方の回転軸17dに向って所定の圧力で圧接される。他方の回転軸17dは軸受(図示せず)により回転可能に支持されかつロール用モータ(図示せず)により駆動される駆動軸であり、他方のロール17bは他方の回転軸17dに固定される。上記一対のロール17a,17bの外周面には多数の凹部17e,17fがそれぞれ整列して形成され、これらのロール17a,17bの外周面が互いに圧接された状態で互いに反対方向に回転することにより、スクリューフィーダ23にて圧送された混合物16が圧縮成形されてブリケット状成型燃料11が成型されるように構成される。なお、上記ブリケット状成型燃料11を空冷等により室温まで冷却した後に、この冷却されたブリケット状の成型燃料11にスクリーニング処理(分級処理)を施して燃料11の大きさが揃えられる。なお、この実施の形態では、一方の回転軸を従動軸とし、他方の回転軸を駆動軸としたが、一対の回転軸がそれぞれ別個のロール用モータで駆動される駆動軸であってもよい。
成形用ホッパ19の上端には脱気パイプ27の一端が接続され、この脱気パイプ27の他端は脱気用ブロア28の吸入口に接続され、その吐出口は大気に開放される。また脱気パイプ27には集塵機29が設けられ、この集塵機29で浮遊する混合物16が捕集されるように構成される。更に一対のロール17a,17bの下方に一端が位置するようにベルトコンベヤ33が設けられ、ベルトコンベヤ33の他端には開口が網34aにより覆われた箱状の粉末分離器34が設けられる。この網34aの目開きは成型燃料11の直径より小さく形成される。粉末分離器34内に貯まった混合物16は搬送路36を通って搬送機37により混合機18に戻されるように構成される。図2の符号38及び39は浮遊する混合物16を捕集するフードであり、これらのフード38,39は第1及び第2枝管41,42を通って脱気パイプ27に接続される。また図2の符号43〜45は脱気パイプ27、第1枝管及び第2枝管を通る空気の流量をそれぞれ調整するために設けられたダンパである。更に図2の符号46は成型用ホッパ19の外周面に設けられこのホッパ19内の混合物16を所定の温度に加熱するヒータである。
このように構成されたバイオマス系成型燃料11の製造方法では、先ず主原料であるバイオマス原料12に消石灰懸濁液13を付着させたので、バイオマス成分中のリグニン・ヘミセルロース分を主体とする化学的作用でバイオマス原料12に可塑性を付与する。次に混合機18で上記バイオマス原料12に石炭原料14を混合した後に、加熱機20で80〜100℃の温度に加熱することにより、バイオマス原料12に更に可塑性を付与して、バイオマス原料12を変形し易くする。更に80〜100℃の温度下で上記混合物16を高圧のダブルロール式プレス17により連続的にブリケット状又は板状に成型してバイオマス系成型燃料11を製造する。このとき加熱・混合工程時に発生する水蒸気を混合物16中に保持し、混合物16の加熱・成型工程時に水蒸気の共存下で混合物16をスクリュー式フィーダ23により一対のロール17a,17a間に押込みながら、剪断力を伴う圧縮力を作用させると、上記水蒸気が圧縮されて水となり、この状態で内部が高圧に保たれていた一対のロール17a,17bが離れて、ダブルロール式プレス17の圧力が瞬時に解放されると、上記圧縮水が瞬時に逸散するとともに、急激な空冷に伴って成型物が収縮する。
換言すれば、蒸気の共存下でダブルロール式プレス17により強い剪断力で繊維質のバイオマス原料12に与えながら高い圧縮力で燃料11が成型されるので、繊維質のバイオマス原料12が互いに強く絡み合い、ロール17a,17b表面と混合物16の間における摩擦抵抗や混合物16の各粒子間における摩擦抵抗により発熱し、混合物16の温度が更に上昇してバイオマス原料12に更に可塑性が付与され、スプリングバックが少なくかつ密度の高い成型燃料11を得ることができる。更に詳しく説明すると、粒子状の混合物16を圧縮成型する場合、混合物16の各粒子間のガスを放出させながら、各粒子が互いに近付いて密着し、一対のロール17a,17b間に供給される混合物16の粒子間の空隙には、水蒸気が多く存在した状態で圧縮されることから、一対のロール17a,17b間で圧縮される際に水蒸気が凝結し、各粒子間のガス体積が急激に縮小して、粒子が互いに密着して圧縮されるので、各粒子間のガスを放出する過程が少なくなり、一対のロール17a,17bの圧縮速度を上昇させることができ、成型燃料11の生産性を向上できる。一対のロール17a,17b間で成型された成型燃料11は一対のロール17a,17bから排出されたときに大気圧下になるので、成型燃料11の内部の水分が成型燃料11の表面から蒸発して、成型燃料11の水分は更に低くなる。なお、繊維質のバイオマス原料12は圧縮した際に、この原料12の深部に圧縮力の伝達性が低いけれども、発熱量がバイオマス原料12より多くかつ硬い石炭原料14を混合することにより、バイオマス原料12の内部への圧縮力の伝達を向上でき、密度を高めて硬くしかも発熱量の高い成型燃料11が得られる。上記成型燃料11の水分率は5〜7質量%まで低下し、嵩密度は1.1〜1.2g/cm3と大きくなる。この結果、変形し易くなって成型し易くなったバインダ的性質を有するバイオマス原料12間に石炭原料14が圧着されて一体化されるので、成型燃料11を微粉砕化処理しても、バイオマス原料12及び石炭原料14の単離が起り難い。従って、機械的強度が高く貯蔵性の良好な種々の形状及び寸法の成型燃料11を製造できる。
また石炭とバイオマスを同時に混焼すると、燃焼効率が上昇したり、或いはバイオマスに含まれる窒素分が石炭に含まれる窒素分より少ないため、排ガス中におけるNOxの濃度を低減できるとともに、石炭単味の燃焼において生成される熱合成NOxの低減を図ることもできる。またダブルロール式プレス17による成型燃料11の成型時の高速回転化を図ることにより、成型燃料11の量産性を向上できるとともに、製造コストを低減できる。更にブリケット状の成型燃料11の破砕及び粉砕処理によって、各種ボイラーに用いられるフレーク状燃料や、火力発電に用いられる微粉状燃料など、多目的用途に対応したバイオマス系成型燃料11を製造できる。この結果、微粉状のバイオマス系成型燃料11の混焼により微粉炭の燃焼性を改善できるとともに、低負荷燃焼時における高効率化を図ることができる。
<第2の実施の形態>
図3は本発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態では、加熱された混合物が、80〜100℃、好ましくは90〜100℃の温度に保たれた状態で、高圧のダブルロール式プレスにより100〜500MPa、好ましくは300〜500MPaの圧力をかけて、大型で薄い板状(例えば、幅100cm、厚さ0.5〜1.0cm、長さ30〜250cm、かさ密度1.1〜1.2g/cm3)に加熱・成型される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。このように構成されたバイオマス系成型燃料の製造方法では、バイオマス系成型燃料を大型で薄い板状に成型したので、貯蔵性に優れた成型燃料となる。この板状の成型燃料を空冷等により室温まで冷却した後に破砕・粉砕処理し、更にこの破砕・粉砕処理した成型燃料にスクリーニング処理(分級処理)を施すことにより、フレーク状の成型燃料とする。これにより成型燃料の輸送コストを低減できる。このフレーク状の成型燃料は火力発電所に輸送されて、更に微粉砕化処理されて燃料として使用される。このように成型燃料が微粉砕化処理されても、加圧・成型時にバインダ的性質を有するバイオマス原料間で石炭原料が圧着・一体化されているため、この微粉状燃料中のバイオマス原料及び石炭原料の単離が起き難い。従って、火力発電所の石炭火力の混焼におけるバイオマスによる代替率を10〜20%に向上できるとともに、地球温暖化ガスの発生を低減できる。上記以外の動作は第1の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、バイオマス原料に石炭原料を混合したが、石炭原料を混合せずにバイオマス原料だけを用いて成型燃料を製造してもよい。この場合、バイオマス原料に消石灰の水溶液又は懸濁液を付着させた後に、この液の付着したバイオマス原料を加熱機で80〜100℃、好ましくは90〜100℃に加熱して乾燥し、更にこの加熱したバイオマス原料12を80〜100℃、好ましくは90〜100℃の温度下でダブルロール式プレスにより100〜500MPa、好ましくは300〜400MPaの圧力をかけてブリケット状又は板状に加熱・成型する。このバイオマス原料のみからなる成型燃料では、成型性及び発熱量が上記第1及び第2の実施の形態の成型燃料より低下するけれども、石炭からバイオマスへの代替率が高くなり、地球温暖化ガスの発生を更に低減できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず稲ワラを自然乾燥してその水分率を15質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径が2.0mm以下であるバイオマス原料を得た。また濃度1.6g/リットルの消石灰の水溶液又は懸濁液(この場合、全ての消石灰が水に溶けており、消石灰水溶液となっている。以下、消石灰水溶液という。)を調製した。次に上記バイオマス原料を消石灰水溶液に入れて3時間煮沸した後、消石灰水溶液から取り出して水分率が15質量%になるまで乾燥した。更にこのバイオマス原料3.0gを90℃の温度下で240MPaの圧力をかけて、図4の円筒状金型70により直径25mmのタブレット型(錠剤型)のブリケット状成型燃料71を成型した後、室温で24時間放置した。この成型燃料71を実施例1とした。なお、成型燃料71の水分率は6.9質量%であり、嵩密度は1.20g/cm3であった。
<実施例2>
稲ワラに代えてモミ殻を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてタブレット状の成型燃料を得た。この成型燃料を実施例2とした。なお、成型燃料の水分率は7.2質量%であり、嵩密度は1.14g/cm3であった。
<実施例3>
先ず稲ワラを自然乾燥してその水分率を15質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径を2.0mm以下としたバイオマス原料を得た。また濃度1.6g/リットルの消石灰水溶液を調製した。次いで上記バイオマス原料を消石灰水溶液に入れて3時間煮沸した後、消石灰水溶液から取り出して水分率が15質量%になるまで乾燥した。一方、石炭を乾燥してその水分率を11質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径を1.0mm以下とした石炭原料を得た。次に上記バイオマス原料と石炭原料とを90℃に保った状態で70質量%:30質量%の配合割合で混合した。更にこの混合物3.0gを90℃の温度下で240MPaの圧力をかけて、直径25mmのタブレット型(錠剤型)のブリケット状成型燃料を成型した後、室温で24時間放置した。この成型燃料を実施例3とした。なお、成型燃料の水分率は4.4質量%であり、嵩密度は1.17g/cm3であった。
<実施例4>
稲ワラに代えてモミ殻を用いたこと以外は、実施例3と同様にしてタブレット状の成型燃料を得た。この成型燃料を実施例4とした。なお、成型燃料の水分率は5.6質量%であり、嵩密度は1.14g/cm3であった。
<比較例1>
先ず稲ワラを自然乾燥してその水分率を15質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径が2.0mm以下であるバイオマス原料を得た。次にこのバイオマス原料3.0gを室温下で240MPaの圧力をかけて、直径25mmのタブレット型(錠剤型)のブリケット状成型燃料を成型した後、室温で24時間放置した。この成型燃料を比較例1とした。なお、成型燃料の水分率は15質量%と殆ど変化がなく、嵩密度は0.97g/cm3であった。
<比較例2>
稲ワラに代えてモミ殻を用いたこと以外は、比較例1と同様にしてタブレット状の成型燃料を得た。この成型燃料を比較例2とした。なお、成型燃料の水分率は15質量%と殆ど変化がなく、嵩密度は1.00g/cm3であった。
<比較例3>
先ず稲ワラを自然乾燥してその水分率を15質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径を2.0mm以下としたバイオマス原料を得た。また石炭を乾燥してその水分率を11質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径を1.0mm以下とした石炭原料を得た。次に上記バイオマス原料と石炭原料とを室温に保った状態で70質量%:30質量%の配合割合で混合した。更にこの混合物3.0gを室温下で240MPaの圧力をかけて、直径25mmのタブレット型(錠剤型)のブリケット状成型燃料を成型した後、室温で24時間放置した。この成型燃料を比較例3とした。なお、成型燃料の水分率は13.8質量%と殆ど変化がなく、嵩密度は1.06g/cm3であった。
<比較例4>
稲ワラに代えてモミ殻を用いたこと以外は、比較例3と同様にしてタブレット状の成型燃料を得た。この成型燃料を比較例4とした。なお、成型燃料の水分率は13.8質量%と殆ど変化がなく、嵩密度は1.03g/cm3であった。
<比較例5>
先ず稲ワラを自然乾燥してその水分率を15質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径が2.0mm以下であるバイオマス原料を得た。また濃度1.6g/リットルの消石灰水溶液を調製した。次に上記バイオマス原料を消石灰水溶液に入れて3時間煮沸した後、消石灰水溶液から取り出して水分率が15質量%になるまで乾燥した。更にこのバイオマス原料3.0gを室温下で240MPaの圧力をかけて、直径25mmのタブレット型(錠剤型)のブリケット状成型燃料を成型した後、室温で24時間放置した。この成型燃料を比較例5とした。なお、成型燃料の水分率は15質量%と殆ど変化がなく、嵩密度は0.98g/cm3であった。
<比較例6>
稲ワラに代えてモミ殻を用いたこと以外は、比較例5と同様にしてタブレット状の成型燃料を得た。この成型燃料を比較例6とした。なお、成型燃料の水分率は15質量%と殆ど変化がなく、嵩密度は1.00g/cm3であった。
<比較例7>
先ず稲ワラを自然乾燥してその水分率を15質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径を2.0mm以下としたバイオマス原料を得た。また濃度1.6g/リットルの消石灰水溶液を調製した。次いで上記バイオマス原料を消石灰水溶液に入れて3時間煮沸した後、消石灰水溶液から取り出して水分率が15質量%になるまで乾燥した。一方、石炭を乾燥してその水分率を11質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径を1.0mm以下とした石炭原料を得た。次に上記バイオマス原料と石炭原料とを室温に保った状態で70質量%:30質量%の配合割合で混合した。更にこの混合物3.0gを室温下で240MPaの圧力をかけて、直径25mmのタブレット型(錠剤型)のブリケット状成型燃料を成型した後、室温で24時間放置した。この成型燃料を比較例7とした。なお、成型燃料の水分率は13.8質量%と殆ど変化がなく、嵩密度は1.06g/cm3であった。
<比較例8>
稲ワラに代えてモミ殻を用いたこと以外は、比較例7と同様にしてタブレット状の成型燃料を得た。この成型燃料を比較例8とした。なお、成型燃料の水分率は13.8質量%と殆ど変化がなく、嵩密度は1.03g/cm3であった。
<比較例9>
先ず稲ワラを自然乾燥してその水分率を15質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径が2.0mm以下であるバイオマス原料を得た。次にこのバイオマス原料3.0gを90℃の温度下で240MPaの圧力をかけて、直径25mmのタブレット型(錠剤型)のブリケット状成型燃料を成型した後、室温で24時間放置した。この成型燃料を比較例9とした。なお、成型燃料の水分率は7.1質量%であり、嵩密度は1.10g/cm3であった。
<比較例10>
稲ワラに代えてモミ殻を用いたこと以外は、比較例9と同様にしてタブレット状の成型燃料を得た。この成型燃料を比較例10とした。なお、成型燃料の水分率は7.5質量%であり、嵩密度は1.09g/cm3であった。
<比較例11>
先ず稲ワラを自然乾燥してその水分率を15質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径を2.0mm以下としたバイオマス原料を得た。また石炭を乾燥してその水分率を11質量%とした後に、粉砕機で粉砕して粒径を1.0mm以下とした石炭原料を得た。次に上記バイオマス原料と石炭原料とを90℃に保った状態で70質量%:30質量%の配合割合で混合した。更にこの混合物3.0gを90℃の温度下で240MPaの圧力をかけて、直径25mmのタブレット型(錠剤型)のブリケット状成型燃料を成型した後、室温で24時間放置した。この成型燃料を比較例11とした。なお、成型燃料の水分率は4.9質量%であり、嵩密度は1.10g/cm3であった。
<比較例12>
稲ワラに代えてモミ殻を用いたこと以外は、比較例11と同様にしてタブレット状の成型燃料を得た。この成型燃料を比較例11とした。なお、成型燃料の水分率は5.8質量%であり、嵩密度は1.13g/cm3であった。
<比較試験1及び評価>
上記実施例1〜4及び比較例1〜12のタブレット型(錠剤型)のブリケット状成型燃料71の破壊強度については、図5に示すように、成型燃料71の外周面に圧縮力をかけて測定した。その結果を図6に示す。図6から明らかなように、バイオマス原料に消石灰水溶液を接触させずかつ室温下で成型した比較例1〜4の成型燃料では、破壊強度が7〜23kgと低く、バイオマス原料に消石灰水溶液を接触させたけれども室温下で成型した比較例5〜8の成型燃料では、破壊強度が16〜25kgと若干向上し、バイオマス原料に消石灰水溶液を接触させずに90℃の温度下で成型した比較例9〜12の成型燃料では、破壊強度が24〜30kgとある程度向上したけれども、バイオマス原料に消石灰水溶液を接触させるとともに90℃の温度下で成型した実施例1〜4の成型燃料では、破壊強度が32〜45kgと相乗的に向上するしたことが分った。
本発明第1実施形態のバイオマス系成型燃料の製造手順を示すブロック線図である。 そのバイオマス系成型燃料の製造手順を示す構成図である。 本発明第2実施形態のバイオマス系成型燃料の製造手順を示すブロック線図である。 タブレット状成型燃料を圧縮成型している状態を示す断面構成図である。 タブレット試験機にタブレット状成型燃料を装着した状態を示す断面構成図である。 実施例1〜4及び比較例1〜12のタブレットの成型条件による破壊強度の相違を示す図である。
符号の説明
11,71 バイオマス系成型燃料
12 バイオマス原料
13 消石灰の水溶液又は懸濁液
14 石炭原料
16 混合物
17 ダブルロール式プレス

Claims (5)

  1. バイオマス粉又はバイオマス粉砕物からなるバイオマス原料に、消石灰の水溶液又は懸濁液を付着させる工程と、
    前記液の付着したバイオマス原料を80〜100℃に加熱する工程と、
    前記加熱したバイオマス原料を80〜100℃の温度下でダブルロール式プレスにより100〜500MPaの圧力をかけてブリケット状又は板状に加熱・成型する工程と
    を含むバイオマス系成型燃料の製造方法。
  2. バイオマス粉又はバイオマス粉砕物からなるバイオマス原料(12)に消石灰の水溶液又は懸濁液(13)を付着させる工程と、
    前記液(13)の付着したバイオマス原料(12)に粒径3mm以下の石炭原料(14)を前記バイオマス原料100質量%に対して100質量%以下の割合で混合しかつ80〜100℃の温度で加熱する工程と、
    前記加熱した混合物(16)を80〜100℃の温度下でダブルロール式プレス(17)により100〜500MPaの圧力をかけてブリケット状又は板状に加熱・成型する工程と
    を含むバイオマス系成型燃料の製造方法。
  3. バイオマス原料(12)への消石灰の水溶液又は懸濁液(13)の付着が、バイオマス乾質量1kgに対して30×10-3〜60×10-3gに相当する質量の消石灰を水に混合して得られる水溶液又は懸濁液(13)を前記バイオマス原料(12)に添加することにより行われる請求項1又は2記載のバイオマス系成型燃料の製造方法。
  4. バイオマス原料(12)が農林産廃棄物、未利用植物及び植物性繊維からなる群より選ばれた1種又は2種以上の産業廃棄物を粉砕した原料である請求項1ないし3いずれか1項に記載のバイオマス系成型燃料の製造方法。
  5. 加熱・混合工程時に発生する水蒸気を混合物(16)中に保持し、加熱・成型工程時に前記水蒸気の共存下で前記混合物(16)に剪断力を伴う圧縮力を作用させた後に前記圧縮力が瞬時に解放されることにより、前記混合物(16)中の水分の逸散と空冷に伴う成型物の収縮を行う請求項1記載のバイオマス系成型燃料の製造方法。
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