JP2009048752A - インプリント用モールド構造体、及び該インプリント用モールド構造体を用いたインプリント方法、並びに、磁気記録媒体、及びその製造方法 - Google Patents

インプリント用モールド構造体、及び該インプリント用モールド構造体を用いたインプリント方法、並びに、磁気記録媒体、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インプリントレジストに対する転写性、及び剥離性が高く、インプリントレジストの硬化後の体積収縮の影響を低減してディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するインプリント用モールド構造体、及びインプリント方法、並びに、磁気記録媒体、及び製造方法。
【解決手段】円板状の基板と、該基板の一の表面上に、表面を基準として複数の凸部が配列されたことによって形成された凹凸部を有し、他の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対し、凹凸パターンを対向させてインプリントレジスト層に凹凸パターンを転写するのに用いられるインプリント用モールド構造体であって、凸部が配列された方向における前記凹凸部の断面形状が、数式(1):40°≦θ<90°、数式(2):SRas>SRab、及び数式(3):LRah>LRavを満たすことを特徴とするインプリント用モールド構造体等である。
【選択図】図1

Description

本発明は、インプリント用モールド構造体、及び該インプリント用モールド構造体を用いたインプリント方法、並びに、磁気記録媒体、及びその製造方法に関する。
近年、高速性やコストパフォーマンス性に優れたハードディスクドライブが、ストレージ機器の主力として、携帯電話、小型音響機器や、ビデオカメラなどのポータブル機器に搭載され始めている。
そして、ポータブル機器に搭載される記録デバイスとしてのシェアの拡大に伴い、より一層の小型大容量化という要求に応える必要があり、記録密度を向上させる技術が求められている。
前記ハードディスクドライブの記録密度を高めるためには、磁気記録媒体におけるデータトラック間隔の狭小化や、磁気ヘッドの幅を狭小化するという手法が従来より用いられてきた。
しかしながら、前記データトラック間隔を狭めることにより、隣接トラック間の磁気の影響(クロストーク)や、熱揺らぎの影響が無視できなくなり、記録密度に限界があった。
一方、前記磁気ヘッドの幅を狭小化することによる面記録密度の向上にも限界があった。
そこで、クロストークによるノイズを解決する手段として、ディスクリートトラックメディアと呼ばれる形態の磁気記録媒体が提案されている(特許文献1〜2参照)。前記ディスクリートトラックメディアは、隣接するトラック間に非磁性のガードバンド領域を設けて個々のトラックを磁気的に分離したディスクリート構造とすることにより、隣接トラック間の磁気的干渉を低減したものである。
また、前記熱揺らぎによる減磁を解決する手段として、信号記録のための個々のビットを予め所定の形状パターンで備えたパターンドメディアと呼ばれる形態の磁気記録媒体が提案されている(特許文献3参照)。
上記ディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアを製造する際には、レジストパターン形成用モールド(「スタンパ」と称されることもある。)を用いて、磁気記録媒体の表面に形成されたレジスト層に所望のパターンを転写するインプリンティング法(インプリントプロセス)が用いられる(特許文献4参照)。
このインプリンティング法は、具体的には、加工対象となる基材上に、熱硬化性の樹脂、又は光硬化性の樹脂を塗布し、塗布された樹脂に対して、所望の形状に加工されたモールドを密着し、押圧して、前記樹脂を加熱、又は光照射により硬化させ、前記モールドを引き剥がすことで、該モールドに形成されたパターンに対応したパターンを形成し、このパターンをマスクとして用いてドライ、あるいはウェット方式のエッチングによるパターニングを行い、所望の磁気記録媒体を得る方法である。
ところで、磁気記録媒体の用途では、微細かつ広面積に対してナノインプリントリソグラフィー(NIL)を行う必要があるため、NIL均一性、及び安定性が重要となる。また磁気ヘッドの位置決めを行うサーボ信号、実際のデータを記録するデータ信号の2種類のパターンを書こうする必要がある。
データ部は、ディスクリートトラックメディア(DTM)では同心円パターン、ビットパターンドメディア(BPM)ではドットパターン等の単純なパターンから構成される。
サーボ部は、プリアンブル、サーボタイミングマーク、アドレス(セクタ、シリンダ)、バースト等の主に4種類のパターンから構成されており、アドレス(セクタ、シリンダ)、バーストパターンは粗密信号が混在し、複雑なパターン配列となっている。
このようにディスク全面に対して複雑なパターンが密に形成されていることから、NILの際に、モールド構造体の凹凸パターンがインプリントレジスト層全面に忠実に転写されることが要求される。
このインプリンティング法では、コストダウンの観点から、多数回の転写プロセスを必要とするため、少なくとも数百〜数万回の転写耐久性がインプリント用モールド構造体に要求される。
そこで、前記転写耐久性を向上させるために、シリコン基板等の剛体をインプリント用モールド構造体に採用する技術が開示されている(特許文献5、及び非特許文献1参照。)。これらの文献によれば、非常に高いパターン精度が得られ、サブミクロン、数十ナノメートルオーダーまでの微細パターンの転写が実現できると記載されている。
このように、インプリントプロセスを用いて、ハードディスク、光ディスクなどの情報記録媒体を得る場合、非常に微細でかつ、同一形状のマスクパターンを基板全面で得る必要があり、特に、ディスクリートトラックメディアやパターンドメディアでは、超微細なパターンでかつ、次工程でのエッチングプロセスでのマージンを得るためにも、アスペクト比の高いパターンが求められる。
そこで、インプリントプロセスにおいては、このような微細なパターンの形成を実現するために、インプリント用モールド構造体上に形成された凹凸パターンを高い精度でインプリントレジストに転写させることと、転写された凹凸パターンを破壊することなく、インプリント用モールド構造体をインプリントレジストから剥離することといった、相反する製造条件を満たす必要があった。
しかしながら、紫外線などによる光硬化性樹脂を含むインプリントレジスト組成物を用いたインプリントプロセスにおいては、前記インプリントレジスト組成物の硬化時の体積収縮により、その後のエッチング工程においてインプリント用モールド構造体に形成されていた凹凸形状を厳密に反映できなくなる恐れがあった。
また、前記インプリントレジスト組成物の硬化時の体積収縮を抑制するために、インプリント用モールド構造体上に形成された凹凸パターンの側壁の表面の粗さを高くしてアンカー効果をもたせる方法も考えられるが、硬化後のインプリント用モールド構造体と、インプリントレジストとの剥離が困難となり、転写した凹凸パターンの損傷の原因となっていた。
なお、特許文献6では、壁角度を30°〜80°に規定したインプリント用モールド構造体を開示しているが、前記インプリントレジスト組成物の硬化時の体積収縮については対策されておらず、改善の余地があった。
したがって、インプリントレジストに対する転写性、及びインプリントレジストからの剥離性が高く、インプリントレジストの硬化後の体積収縮の影響を低減してディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するインプリント用モールド構造体、及びその関連技術は未だ実現されておらず、その提供が望まれているのが現状である。
特開昭56−119934号公報 特開平2−201730号公報 特開平3−22211号公報 特開2004−221465号公報 米国特許5772905号明細書 特開2006−164393号公報 S.Y.Chou, et al., Appl. Phys. Lett., vol.67, 3314, 1995
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、インプリントレジストに対する転写性、及びインプリントレジストからの剥離性が高く、インプリントレジストの硬化後の体積収縮の影響を低減してディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するインプリント用モールド構造体、インプリント方法、磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 円板状の基板と、該基板の一の表面上に、該表面を基準として複数の凸部が配列されたことによって形成された凹凸部を有してなり、他の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対し、前記凹凸部を対向させて前記インプリントレジスト層に前記凹凸部に基づく凹凸パターンを転写するのに用いられるインプリント用モールド構造体であって、前記凸部が配列された方向における前記凹凸部の断面形状が、下記数式(1)〜(3)を満たすことを特徴とするインプリント用モールド構造体である。
40°≦θ<90°・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(1)
SRas>SRab・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(2)
LRah>LRav・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(3)
ただし、上記数式(1)において、θ(°)は、前記表面と、前記凸部の側壁部とのなす壁角度を表し、上記数式(2)において、SRasは、前記側壁部の面平均粗さを表し、SRabは、前記凹部の底部の面平均粗さを表し、上記数式(3)において、LRahは、前記凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さを表し、LRavは、前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さを表す。
該<1>に記載のインプリント用モールド構造体においては、前記凹部の底部の面平均粗さSRabよりも、前記側壁部の面平均粗さSRasが大であることにより、転写後に行われる硬化工程において、前記側壁部において密着したインプリントレジスト層をアンカー効果により保持し、インプリントレジスト層の体積収縮を抑制することができる。
また、前記表面と、凸部の側壁部とのなす壁角度θが90°未満であること、及び前記凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さLRahが、前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さLRavよりも大であることにより、前記インプリント用モールド構造体の凸部の配列方向における前記凸部の断面形状が、テーパー形状をなしており、前記側壁部に沿った方向がインプリントレジスト層に対してインプリント用モールドを離間させる方向であることから、インプリントレジスト層に対するインプリント用モールド構造体の剥離性が向上する。
<2> 凹凸部は、基板の略中心部を基準に同心円状に複数の凸部が形成されてなる第1の凹凸部、及び基板の略中心部を基準に放射状に複数の凸部が形成されてなる第2の凹凸部の少なくともいずれかを有する前記<1>に記載のインプリント用モールド構造体である。
<3> 凸部の側壁部の面平均粗さSRas、及び底部の面平均粗さSRabが、いずれも0.1nm以上10nm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体である。
<4> 凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さLRah、及び前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さLRavが、いずれも0.1nm以上10nm以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体である。
<5> 石英、ニッケル、及び樹脂のいずれかの材料からなる前記<1>から<4>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体を、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト組成物よりなるインプリントレジスト層に押圧して前記インプリント用モールド構造体に形成された凹凸部に基づく凹凸パターンを転写する転写工程を少なくとも含むことを特徴とするインプリント方法である。
<7> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体を、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に押圧して前記インプリント用モールド構造体に形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、
前記凹凸パターンが転写されたインプリントレジスト層をマスクにして、前記磁気記録媒体の基板の表面に形成された磁性層をエッチングして、前記凹凸パターンに基づく磁性パターン部を前記磁性層に形成する磁性パターン部形成工程と、
前記磁性層上に形成された凹部に非磁性材料を埋め込む非磁性パターン部形成工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
<8> 前記<7>に記載の磁気記録媒体の製造方法によって作製されたことを特徴とする磁気記録媒体である。
本発明によると、インプリントレジストに対する転写性、及びインプリントレジストからの剥離性が高く、インプリントレジストの硬化後の体積収縮の影響を低減してディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアに高品質なパターンを転写形成するインプリント用モールド構造体、及び該インプリント用モールド構造体を用いることによって転写精度を向上させたインプリント方法、並びに、記録特性、及び再生特性を向上させた磁気記録媒体、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の中でDTM用インプリント用モールド構造体について図面を参照して説明する。
(インプリント用モールド構造体)
図1は、本発明に係るインプリント用モールド構造体の一実施形態における構成を示す部分断面斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のインプリント用モールド構造体1は、円板状の基板2の一の表面2a(以下、「基準面2a」ということがある。)に、複数の凸部4が同心円状に、所定の間隔で形成されてなり、更に必要に応じて、その他の部材を備える。
前記凸部は、磁気記録媒体のサーボ部及びデータ部に対応して設けられている。前記データ部は、略同心円状の凸パターンからなり、データを記録する領域である。前記サーボ部は、凸部面積の異なる複数種類の凸パターンからなる。前記サーボ部としては、トラッキングサーボ制御用の信号に対応するものであり、例えば、プリアンブル、サーボタイミングマーク、アドレスパターン、バーストパターン等で主に旺盛されている。前記プリアンブルパターンは、アドレスパターン領域等から各種制御信号を読み取るための基準クロック信号を生成する部位である。前記サーボタイミングマークは、アドレス、バーストパターンを読み取るためのトリガー信号である。前記アドレスマークは、セクタ(角度)情報、トラック(半径)情報で構成されており、ディスクの絶対位置(アドレス)を示している。前記バーストパターンは、磁気ヘッドがオントラック状態にあるとき、ヘッド走行位置を微調整し、高精度な位置決めを達成する機能を有している。
なお、本実施形態の説明では、凸部4、及び複数の凸部4間に形成された凹部5を凹凸部3ということがある。
具体的には、凸部4は、基板2に対して所定の壁角度で基板2の半径方向に傾斜した傾斜面である側壁部4aと、相互に対向して傾斜した側壁部4aを表面2aに略並行に連結する頂部4bとから構成される。したがって、前記同心円の半径方向(凸部4が列設されている方向)における凸部4の断面形状は、台形をなし、等脚台形であることが好ましい。
また、前記凸部4の断面形状は、目的に応じて、後述するエッチング工程を制御することにより、任意の形状を選択することができる。
また、凹部5は、相互に離間するように傾斜した2つの側壁部4a,4aと、表面2aとによって構成される。
以下、本実施形態の説明において、「断面(形状)」とは、特に断りがない限り、前記同心円の半径方向(凸部4が列設されている方向)における断面(形状)を指す。
また、基板2の厚みは、0.01mm以上1.5mm未満であることが好ましい。
また、基板2の凸部4の高さ(凹部5の深さ)Hは、10〜800nmの範囲が好ましく、30〜300nmがより好ましい。
前記モールド構造体の基板2材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、石英、金属、及び樹脂のいずれかの材料が好適である。
前記金属としては、例えばNi、Cu、Al、Mo、Co、Cr、Ta、Pd、Pt、Au等の各種金属、又はこれらの合金を用いることができる。これらの中でも、Ni、Ni合金が特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタアクリル酸メチル(PMMA)、トリアセテートセルロース(TAC)、低融点フッ素樹脂等が用いられる。
−その他の部材−
前記その他の部材としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基板2上に層状に形成され、インプリントレジスト層に対して剥離機能を備えたモールド表層等が挙げられる。
本発明のインプリント用モールド構造体1は、表面2aと、凸部4の側壁部4aとのなす壁角度をθ(°)とし、側壁部4aの面平均粗さをSRasとし、凹部5の底部(凹部5を構成する側壁部4a,4aによって挟まれた表面2a)の面平均粗さをSRabとし、凸部4が延設された方向における側壁部4aの線平均粗さをLRahとし、凸部4が配列された方向における側壁部4aの線平均粗さをLRavとしたとき、下記数式(1)〜(3)を満たすことが好ましい。
40°≦θ<90°・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(1)
SRas>SRab・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(2)
LRah>LRav・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(3)
ここで、表面2aと、凸部4の側壁部4aとのなす壁角度θは、該凸部4を構成する一の側壁部4a、及び他の側壁部のうち、一の側壁部4aが他の側壁部4aに傾斜する側の表面2aとのなす角度である。
なお、上記式(1)において、θが40°未満であると、隣接するパターンを充分密にできず、磁性層のパターニングが疎となるため、記録密度を向上させる目的を達成することができない。また、前記θが90°以上であると、インプリントレジストを硬化させた後に、剥離する際、インプリント用モールド構造体上に形成された凹凸部と、該凹凸部によって形成されたインプリントレジスト上の凹凸パターンとが干渉して、剥離できなくなる問題がある。
また、側壁部4aの面平均粗さ(SRas)は、異なる2つの凸部4,4を構成する4つの側壁部の面平均粗さをAFM(原子間力顕微鏡)によって、側壁部4aとプローブの間に働く原子間力を測定し、測定された値を平均することによって求められる。
側壁部4aの面平均粗さ(SRas)は、0.1nm〜10nmであることがより好ましい。
更に、凹部5の底部の面平均粗さ(SRab)は、異なる2つの凹部5,5を構成する2つの底部の面平均粗さをAFM(原子間力顕微鏡)によって、側壁部4aとプローブの間に働く原子間力を測定し、測定された値を平均することによって求められる。
凹部5の底部の面平均粗さ(SRab)は、0.1nm〜10nmであることがより好ましい。
なお、上記式(2)において、SRas≦SRabであると、インプリントレジストを硬化させた際に生じる体積収縮によって、高さ方向にアンカー効果が生じるため、最も重要な幅方向におけるパターン精度が劣化し、結果的に磁性層のパターンエリアが小さくなってしまう問題がある。
また、凸部4が延設された方向における側壁部4aの線平均粗さ(LRah)は、具体的には、図1に示すように、基準面2aに対して凸部4の平均高さの半分(H/2)の間隔で略平行な面S1と、側壁部4aとの交線L1における線平均粗さであり、上記側壁面の面平均表面粗さの測定データから、該交線箇所のデータを抽出することで、線平均粗さを求めることができる。
凸部4が延設された方向における側壁部4aの線平均粗さ(LRah)は、0.1nm〜10nmであることがより好ましい。
更に、側壁部4aに沿った方向における側壁部4aの線平均粗さ(LRav)は、具体的には、図1に示すように、凸部4の配列方向(図中、半径方向)を含み、基準面2aに対して直交する面S2と、側壁部4aとの交線L2における線平均粗さであり、上記側壁面粗さ測定データから、該交線箇所のデータを抽出することで、線平均粗さを求めることができる。
側壁部4aに沿った方向における側壁部4aの線平均粗さ(LRav)は、0.1nm〜10nmであることがより好ましい。
なお、上記式(3)において、LRah≦LRavであると、インプリントレジスト組成物を硬化させた後、剥離する際に、該インプリントレジスト層が、インプリント用モールド構造体の側壁部の荒れに引っかかり、レジストパターンがもげる問題がある。
以上、本発明のインプリント用モールド構造体に設けられる凹凸部として、基板2の円周方向に沿って形成された凹凸部3の形態(データパターン)を示したが、前記凹凸部の他の形態として、基板2の中心部から放射状に凸部が配列されることによって凹凸部を形成した形態(サーボパターン)も含まれる。
(インプリント用モールド構造体の作製方法)
以下、インプリント用モールド構造体の作製方法について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
<<原盤の作製>>
図2A〜Bは、インプリント用モールド構造体の作製方法を示す断面図である。図2Aに示すように、まず、Si基板10上に、スピンコートなどでPMMAなどのフォトレジスト液を塗布し、フォトレジスト層21を形成する(フォトレジスト層形成工程)。
その後、Si基板10を回転させながら、データ記録用トラック及びサーボ信号の少なくともいずれかに対応して変調したレーザー光(又は電子ビーム)を照射する(描画工程)。
ここで、該描画工程において、描画条件(具体的には、ビームエネルギー、入射角度、ビーム強度分布、ステージ移動精度)を好適な範囲で選択することによって、前記凹部の側壁部の表面粗さが、底部の表面粗さよりも大となるように、かつ前記凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さが、前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さよりも大となるように形成する。
その後、フォトレジスト全面に所定のパターン、例えば略同心円状の凸パターンからなるデータトラックパターンと、凸部面積の異なる複数種類の凸パターンからなるサーボパターンと、前記データトラックパターンと前記サーボパターンとの間に半径方向に繋がった略放射状の凸パターンからなる緩衝パターンとを露光する(露光工程)。
その後、フォトレジスト層21を現像処理し、露光部分を除去して、除去後のフォトレジスト層21のパターンをマスクにしてRIE(反応性イオンエッチング)などの選択エッチングを行い(エッチング工程)、基板10に凹凸パターンを形成する。次に、残余レジスト層21を除去して、凹凸形状を有する原盤11を得る。
具体的には、ビーム中心に向かってビーム強度が大きくなる電子線を用いることで、現像後ビーム描画箇所にレジスト残渣がなく、レジスト残部との境界線粗さ(LER)が2nm以内とすることができる。
ここで、前記エッチング工程において、エッチングガス種やその混合比、及びエッチング条件(具体的には、プロセス圧力、バイアスパワー等)を好適な範囲で選択することによって、前記θの角度を40°以上、90°未満の範囲で形成する。
具体的には、0.1〜10.0Paの圧力で、CF系ガスに希ガス、水素ガス、酸素ガス等を導入し、プラズマ源に100−1,000W、基板側に20−400Wのパワーを投入する。壁角度を垂直方向にするためには、低圧の方が好ましく、希ガスなど化学反応を用いず物理的にスパッタエッチするガスを多く用い、基板側への投入電力を高めることで、得られる。
<<インプリント用モールド構造体の作製>>
次に、図2Bに示すように、光硬化性樹脂を含有するインプリントレジスト液を塗布してなるインプリントレジスト層24が一の面に形成された被加工基板としての石英基板30に対して、原盤11を押し当て、原盤11上に形成された凸部のパターンがインプリントレジスト層24に転写される(転写工程)。
<<インプリントレジスト層>>
前記インプリントレジスト層は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び光硬化性樹脂の少なくともいずれかを含有するインプリントレジスト組成物(以下、「インプリントレジスト液」ということがある。)を磁気記録媒体の基板に塗布することによって形成される層である。
インプリントレジスト層24の厚さとしては、前記凸部の高さ寸法に対して10〜200%の厚さが好ましく、20〜150%の厚さがより好ましい。具体的な厚さとしては、10〜100nmが好ましい。
インプリントレジスト層24の厚さは、例えば、エリプソメーターを用いた光学的な測定あるいは触針式段差式、原子間力顕微鏡(AFM)等の接触測定法により計測できる。
また、前記インプリントレジスト組成物としては、熱可塑性を有するもの、あるいは光硬化性を有するもの、あるいは、ゾルゲルなどが用いられる。それらの特徴を有し、かつドライエッチング耐性の高いノボラック樹脂、エポキシ樹脂、脂環式樹脂や、剥離性の良好なフッ素系樹脂などが好適である。
ここで、前記被加工基板30の材料としては、光透過性を有し、インプリント用モールド構造体1として機能する強度を有する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、石英(SiO)や、有機樹脂(PET、PEN、ポリカーボネート、低融点フッ素樹脂、PMMA)等が挙げられる。
また、前記「光透過性を有する」とは、具体的には、インプリントレジスト層24が形成される被加工基板30の一の面から出射するように、被加工基板30の他の面から光を入射させた場合に、前記インプリントレジスト液が十分に硬化することを意味しており、少なくとも、前記他の面から前記一の面への光透過率が50%以上であることを意味する。
また、前記「インプリント用モールド構造体として機能する強度を有する」とは、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対して、平均面圧力が4kgf/cmという条件下で押し当て、加圧しても、剥離可能に破損しない強度を意味する。
<<硬化工程>>
その後、インプリントレジスト層24に紫外線などの光を照射して転写されたパターンを硬化させる。
<<パターン形成工程>>
その後、転写されたパターンをマスクにしてRIEなどの選択エッチングを行い、図1に示すような凹凸形状を有するインプリント用モールド構造体1を得る。
<<剥離層形成工程>>
作製したモールド構造体の凹凸面に剥離剤層を形成する。剥離剤はインプリント後にモールド構造体とインプリントレジスト層の界面で剥離できるよう、モールド構造体表面に形成することが好ましい。剥離剤材料としては、モールド構造体に付着、結合しやすく、インプリントレジスト層表面に吸着しにくいという目的に合致する中で、適宜選択できる。中でもレジスト層表面に吸着しにくいと言う点で、フッ素系樹脂が好ましい。
剥離剤層厚みとしては、厚いとパターン精度が劣化するため、可能な限り薄層化することが好ましく、具体的には10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。
剥離剤層の形成手段としては、塗布または蒸着手段を用いることができる。さらに、剥離剤層を形成した後、ベーキング等の手段によりモールド構造体への吸着性を高める等の工程を付与してもよい。
<第2の実施形態>
<<原盤の作製>>
図3A〜Bは、第2の実施形態におけるモールド構造体の作製方法を示す断面図である。第1の実施形態と同様に凹凸パターンを有する原盤11を作製した。
<<モールド構造体の作製>>
該原盤の表面にスパッタリング法により、導電膜を形成し、該導電膜が付与された原盤を、Ni電鋳浴に浸漬させて電鋳処理を行い、Niモールド構造体を作製した。
前記原盤11の凹凸パターン上への導電膜22の形成は、導電材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などを用いて行うことができる。前記導電材料としては、後工程(電鋳)に応じて適宜選択できるが、Ni系、Fe系、Co系の金属または合金材料等が好ましい。電鋳処理により得られたNiモールド構造体の厚みは、20〜800μmの範囲が好ましく、40〜400μmがより好ましい。
<<剥離層形成工程>>
前記第1の実施形態と同様にNiモールド構造体の表面に剥離剤層を形成することが好ましい。
<第3の実施形態>
<<原盤の作製>>
図4A〜Bは、第3の実施形態におけるモールド構造体の作製方法を示す断面図である。第1の実施形態と同様に凹凸パターンを有する原盤11を作製した。
<<モールド構造体の作製>>
熱可塑性樹脂シートに対して、前記原盤を押し当てた。その後、加熱して樹脂の軟化点以上の温度とすることで、樹脂の粘度が低下し原盤上に形成された凸部のパターンが樹脂シートに転写された。その後、冷却して転写されたパターンを硬化させ、原盤から樹脂シートを剥離することで、凹凸形状を有する樹脂モールド構造体を作製した。
ここで、樹脂材料としては、熱可塑性、光透過性を有し、モールド構造体として機能する強度を有する材料であれば、特に制限されることなく、目的に応じて適宜選択され、例えば、PET、PEN、ポリカーボネート、低融点フッ素樹脂、PMMA等が挙げられる。
また、前記「光透過性を有する」とは、具体的には、被加工基板にインプリントレジスト層が形成される一方の面から出射するように、前記被加工基板の他方の面から光を入射した場合に、インプリントレジストが十分に硬化することを意味しており、少なくとも、前記他方の面から前記一方の面への光透過率が50%以上であることを意味する。
また、前記「モールド構造体として機能する強度を有する」とは、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対して、平均面圧力が4kgf/cmという条件下で押し当て、加圧しても耐えられるような強度を意味する。
<<剥離層形成工程>>
前記第1の実施形態と同様に樹脂モールド構造体の表面に剥離剤層を形成することが好ましい。本発明のモールド構造体は、該モールド構造体の凸部をレジスト層に対向させて該レジスト層に前記凹凸パターンを転写する転写工程を少なくとも含むインプリント方法に好適に用いられ、以下に説明する本発明の磁気記録媒体の製造方法に特に好適である。
<磁気記録媒体の作製方法>
以下、本発明に係るインプリント用モールド構造体を用いて作製されたディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアなどの磁気記録媒体を、図面を参照して説明する。但し、本発明に係る磁気記録媒体は、本発明に係るインプリント用モールド構造体を用いて製造されていれば、下記の製造方法以外の製造方法により作製されたものであってもよい。
[転写工程]
アルミニウム、ガラス、シリコン、石英等の基板上に、Fe又はFe合金、Co又はCo合金等の磁性層50を有する磁気記録媒体中間体の磁性層上にポリメタアクリル酸メチル(PMMA)等のインプリントレジスト液を塗布してなるレジスト層24を形成したレジスト層付き磁気記録媒体中間体に対して、表面に凹凸パターンが形成されたモールド構造体を押し当て、加圧することにより、モールド構造体上に形成された凹凸パターンをレジスト層24に転写する。
ここで、磁気記録媒体の作製におけるインプリントレジスト層25は、磁気記録媒体の作製における転写工程における転写精度を損なわない限り、インプリント用モールド構造体の作製におけるインプリントレジスト層24と同じインプリントレジスト組成物を採用してもよい。
以下、特に断らない限り、インプリントレジスト層、及びインプリントレジスト組成物は、磁気記録媒体の作製におけるインプリントレジスト層25、及び該インプリントレジスト層25を形成するインプリントレジスト組成物を指すものとする。
[硬化工程]
―光照射による硬化―
インプリントレジスト層25を形成するインプリントレジスト組成物が、光硬化性樹脂を含む場合、紫外線などの電子線を透明性を有するインプリント用モールド構造体1を介してインプリントレジスト層25に照射し、該インプリントレジスト層25が硬化することとなる。
―加熱による硬化―
インプリントレジスト層を形成するインプリントレジスト組成物が、熱可塑性樹脂を含む場合、インプリントレジスト層にインプリント用モールド構造体1を押し当てる際に、系を前記レジスト液のガラス転移点(Tg)付近に維持しておき、転写後、前記レジスト液のガラス転移点よりも低下することによりインプリントレジスト層が硬化することとなる。さらに、必要に応じて紫外線などを照射してパターンを硬化させてもよい。
インプリントレジスト層25を形成するインプリントレジスト組成物が、熱硬化性樹脂を含む場合、インプリントレジスト層25にインプリント用モールド構造体1を押し当てる際に、系を前記レジスト液のガラス転移点(Tg)付近に維持しておき、転写後、前記レジスト液のガラス転移点よりも低下することによりインプリントレジスト層25が硬化することとなる。
ここで、作製したインプリント用モールド構造体を用いて、インプリントレジスト層に凹凸パターンを転写し、硬化工程を行った際に、インプリント用モールド構造体の凹部の幅に対応するインプリントレジストの凸部の幅(インプリントレジストの凸部の幅/インプリント用モールド構造体の凹部の幅)は、±5%以内であることが好ましい。
[磁性パターン部形成工程]
次に、凹凸部のパターンが転写されたレジスト層をマスクにして、ドライエッチングを行い、レジスト層に形成された凹凸パターン形状に基づく凹凸形状を磁性層に形成する。
前記ドライエッチングとしては、磁性層に凹凸形状を形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオンミリング法、反応性イオンエッチング(RIE)、スパッタエッチング、等が挙げられる。これらの中でも、イオンミリング法、反応性イオンエッチング(RIE)が特に好ましい。
前記イオンミリング法は、イオンビームエッチングとも言われ、イオン源にAr等の不活性ガスを導入し、イオンを生成した。これを、グリッドを通して加速して、試料基板に衝突させてエッチングするものである。前記イオン源としては、カウフマン型、高周波型、電子衝撃型、デュオプラズマトロン源、フリーマン型、ECR(電子サイクロトロン共鳴)型、Closed
drift型などが挙げられる。
イオンビームエッチングでのプロセスガスとしてはAr、RIEのエッチャントとしてはCO+NH、塩素ガス、CF系ガス、CH系ガス及びこれらのガスに酸素、窒素、水素ガスを添加したものなどを用いることができる。
[非磁性パターン部形成工程]
次に、形成された凹部に非磁性材料を埋め込み、表面を平坦化した後、必要に応じて、保護膜などを形成して磁気記録媒体100を作製することができる。
前記非磁性材料としては、例えばSiO、カーボン、アルミナ、ポリメタアクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)等のポリマー、円滑油などが挙げられる。
前記保護膜としては、ダイヤモンドカーボン(DLC)、スパッタカーボン等が好ましく、該保護膜の上に更に潤滑剤層を設けてもよい。
本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造された磁気記録媒体は、ディスクリート型磁気記録媒体及びパターンドメディア型磁気記録媒体の少なくともいずれかであることが好適である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<インプリント用モールド構造体の作製>
<<フォトレジスト層の形成>>
図2Aに示すように、円板状のSi基板10上に、電子線レジストをスピンコート法により、厚み100nmで塗布した。回転式電子線露光装置にて所望のパターンを露光し、現像することで、凹凸パターンを有するレジスト付きSi基板を作製した。
その後、レジストパターンをマスクにして、以下の反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を行い、Si基板上に凹凸形状を形成した。
プラズマ源:ICP型(Inductively Coupled Plasma)
ガス:CF系ガス、及び微量の水素ガス
圧力:0.5Pa
投入電力:ICP-300W、Bias-50W
その後、残存するレジストを可溶溶剤にて洗浄することで除去し、乾燥させて原盤を作製した。
この実施例に使用したパターンはデータ部とサーボ部に大別される。データ部は凸幅:120nm、凹幅:30nm(TP=150nm)のパターンとした。サーボ部は最内周でのサーボ基本ビット長が90nm、総セクタ数が240、プリアンブル(45bit)/サーボマーク(10bit)/SectorCode(8bit)、CylinderCode(32bit)/Burstパターンで構成した。
サーボマーク部は“0000101011”であり、SectorがBinary、CylinderはGray変換を用いる。Burst部は一般的な位相バースト信号(16bit)である。
次に、図2Bに示すように、石英基板上に光硬化性アクリル系インプリントレジスト液(東洋合成工業株式会社製:PAK−01)を100nmスピンコート法により形成した。次に、前記原盤をモールド構造体として使用し、UVナノインプリントを行った。UVナノインプリントでは、1MPaの圧力で5秒間加圧してパターン転写した後、25mJ/cmのUV光を10秒間照射してパターン硬化させた。
ナノインプリント後の凹凸レジストパターンを元に、以下に示すRIEにより選択エッチングを行い、石英基板上に凹凸形状を形成した。
プラズマ源:ICP型(Inductively Coupled Plasma)
ガス:CF系ガスとArガスを1:1、微量の水素ガス添加
圧力:0.5Pa
投入電力:ICP-300W、Bias-60W
その後、残存するレジストを可溶溶剤にて洗浄することで除去し、乾燥させて石英モールドを作製した。
なお、前記選択エッチングは、凹凸形状を有するインプリント用モールド構造体1の凹部5の断面形状が、図1に示す凸部4の断面形状を転写した断面形状となるように行った。
<剥離層形成>
作製したモールド構造体の凹凸面にウェット法により剥離剤層を形成した。剥離剤層材料としてはF13−OTCS(Tridecafluoro−1,1,2,2−tetrahydro−OctylTriChloroSilane)(Gelest社製)を用い、アサヒクリンAK225(旭硝子株式会社製)溶媒で0.1質量%の剥離層液を調整した。この剥離層液を用い、Dip法により1mm/sec.の引き上げ速度により、厚み5.25nmの剥離層を石英モールド上に形成した。
剥離層を形成したモールド構造体を90℃、80%RHの環境下に5時間暴露し、モールド構造体表面に剥離層材料を化学的に吸着させた(化学結合処理)。以上により、実施例1のモールド構造体を作製した。
以下の測定については、半径位置20mm、角度方向4方位(90°毎)において、データ部のライン形状パターンに対して、原子間力顕微鏡(SPA−500、セイコーインスツル(株)製)を用い各視野で5点計測した平均を示す。
<<側壁部の壁角度θの測定>>
上記試料位置で半径方向に断面試料を切り出した後、SEM像を撮影した。各視野で5点、及び角度4方位での計測を行い、平均値とした。
<<側壁部、及び凹部の面平均粗さ(SRas、SRab)の測定>>
上記試料位置に対し、AFMで500nm角エリアを計測し、側壁部及び凹部のエリアについて、それぞれデータから面平均粗さを求める。この際、異なる2つの凹部を構成する側壁、及び凹部底面エリアを計測し、平均値として求める。
<<凸部が延設された方向、及び側壁部に沿った方向における側壁部の線平均粗さ(LRah、LRav)の測定>>
前記AFMデータにおいて、各方向に沿った直線部分のデータを抽出し、線平均粗さを求めることができる。
<磁気記録媒体中間体の作製>
2.5インチのガラス基板上に、以下のようにして、軟磁性層、第1非磁性配向層、第2非磁性配向層、磁気記録層、及び保護層をこの順に成膜した。軟磁性膜、第1非磁性配向層、第2非磁性配向層、磁気記録層、及び保護層はスパッタリング法で成膜した。なお、保護層上の潤滑剤層はディップ法で形成した。
まず、軟磁性層材料としてCoZrNbを厚みが100nmとなるように積層した。具体的には、ガラス基板をCoZrNbターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が0.6Paになるように流入し、DC1,500Wで軟磁性層を成膜した。
次に、第1非磁性配向層としてPtを厚みが5nmとなるように積層した。具体的には、基板上に形成された軟磁性層をPtターゲットと対向設置し、Arガスを圧力が0.5Paになるように流入し、DC1,000Wで放電して、第1非磁性配向層を成膜した。
次に、第2非磁性配向層としてRuを厚みが10nmとなるように積層した。具体的には、基板上に形成された第1非磁性配向層をRuターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が0.5Paになるように流入し、DC1,000Wで放電して、第2非磁性配向層を成膜した。
次に、磁気記録層としてCoPtCr−SiOを厚みが15nmとなるように積層した。具体的には、基板上に形成された第2非磁性配向層をCoPtCr−SiOターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が1.5Paになるように流入し、DC1000Wで放電し、磁気記録層を成膜した。
磁気記録層を形成した後、基板上に形成された磁気記録層をCターゲットと対向させて設置し、Arガスを圧力が0.5Paになるように流入し、DC1,000Wで放電し、厚み4nmの保護層を成膜した。以上により、磁気記録媒体中間体を作製した。得られた磁気記録媒体中間体の保磁力は、334kA/m(4.2kOe)であった。
<ナノインプリント及びディスクリート型垂直磁気記録媒体の作製>
作製した磁気記録媒体中間体に対して光硬化性インプリントレジスト液(旭硝子社製フッ素系樹脂レジスト:NIF−1)を100nmスピンコート法により形成した。
得られたレジスト層付き磁気記録媒体中間体に対し、上記モールド構造体を対向させて配置し、磁気記録媒体中間体を1MPaの圧力で5秒間加圧してパターン転写した後、25mJ/cmのUV光を10秒間照射してパターン硬化させた。その後、モールド構造体と磁気記録媒体中間体を剥離して、磁気記録媒体中間体上のレジスト層に凹凸パターンを形成した。
その後、凹凸部3のパターンが転写されたインプリントレジスト層25をマスクにして、Arイオンスパッタエッチ(ICP型、Arガス、0.2Pa、ICP/Bias=750W/300W)により選択エッチングを行い、インプリント用モールド構造体1上に形成された凹凸部3のパターン形状に基づく凹凸形状を磁性層50に形成し、凹部に非磁性材料70(SiOをCVD方式で形成)を埋め込み、表面を平坦化(CMP処理)した後、保護膜を形成(DLC保護層をCVD方式で形成)して磁気記録媒体100を得た。以上により、実施例1のディスクリート型垂直磁気記録媒体を作製した。
<<転写性の評価>>
作製したインプリント用モールド構造体を用いて、インプリントレジスト層に凹凸パターンを転写し、硬化工程を行った際の、インプリント用モールド構造体の凹部の幅に対応するインプリントレジストの凸部の幅(インプリントレジストの凸部の幅/インプリント用モールド構造体の凹部の幅)を下記評価基準に基づき、評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
○:インプリント用モールド構造体の凹部の幅に対応するインプリントレジストの凸部の幅が±5%以内
△:インプリント用モールド構造体の凹部の幅に対応するインプリントレジストの凸部の幅が±5%以上10%以下
×:インプリント用モールド構造体の凹部の幅に対応するインプリントレジストの凸部の幅が±10%超
<<剥離性の評価>>
転写工程を行った後に、インプリントレジスト層からインプリント用モールド構造体を引き剥がした際の剥離性について、欠落、不良があったインプリントレジストの凹凸パターンの数を下記評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
○:インプリントレジストの凹凸パターン10個(本)のうち、欠落、不良がなかった
△:インプリントレジストの凹凸パターン10個(本)のうち、欠落、不良が1個(本)あった
×:インプリントレジストの凹凸パターン10個(本)のうち、2個(本)以上の欠落、不良があった
<<サーボ特性の評価>>
上記磁気記録媒体の作製において作製した磁気記録媒体について、再生トラック幅0.1μm、再生ギャップ0.06μmのGMRヘッドを搭載したハードディスク用磁気ヘッドテスタ(アイメス社製BitFinder Model−YS 3300)により、再生信号の位置誤差信号(PES)測定を行い、下記評価基準に基づいて、評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
◎:サーボフォローイングでき、かつPESがトラック幅の±10%以内
○:サーボフォローイングできたが、PESがトラック幅の±10%以上±20%以下
×:サーボフォローイングできなかった
(実施例2〜11、比較例1〜6)
<インプリント用モールド構造体の作製>
実施例1において、インプリント用モールド構造体の側壁部の壁角度θ(°)、SRas、SRab、LRah、及びLRavを表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜11、比較例1〜6のインプリント用モールド構造体を作製した。
<<側壁部の壁角度θの測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、側壁部の壁角度θ(°)を測定した。結果を表1に示す。
<<側壁部の面平均粗さ(SRas)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、側壁部の面平均粗さ(SRas)を測定した。結果を表1に示す。
<<凹部の底部の面平均粗さ(SRab)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、凹部の底部の面平均粗さ(SRab)を測定した。結果を表1に示す。
<<凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)を測定した。結果を表1に示す。
<<前記側壁部に沿った方向における側壁部の線平均粗さ(LRav)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、前記側壁部に沿った方向における側壁部の線平均粗さ(LRav)を測定した。結果を表1に示す。
<インプリントレジスト組成物>
インプリントレジスト組成物は、実施例1と同じ組成物を用いた。
<磁気記録媒体の作製>
実施例1において、各実施例におけるインプリント用モールド構造体を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜11、比較例1〜6の磁気記録媒体を作製した。
<<転写性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例2〜11、比較例1〜6のインプリント用モールド構造体による転写性を評価した。評価結果を表1に示す。
<<剥離性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例2〜11、比較例1〜6のインプリント用モールド構造体の剥離性を評価した。評価結果を表1に示す。
<<サーボ特性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例2〜11、比較例1〜6の磁気記録媒体の記録再生特性を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例12)
<インプリント用モールド構造体の作製>
実施例1と同様に作製した凹凸形状を有する原盤11に対し、図4Bに示すように、原盤11の表面の凹凸パターンをもとに、この表面にスパッタリングにより、導電膜22を形成する。その後、導電膜22が付与された原盤を、下記組成のNi電鋳浴に浸漬させて50〜150rpmの回転速度で回転させながら、電鋳処理を行い、厚み300μmのポジ状凹凸パターンを有するNi盤を作製した。その後、このNi盤を原盤から剥離し、残留するレジスト膜を除去し洗浄した。このようにして、モールド構造体が得られた。
−Ni電鋳浴組成及び温度−
スルファミン酸ニッケル・・・600g/L
ホウ酸・・・40g/L
界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)・・・0.15g/L
PH=4.0
温度=55℃
得られたインプリント用モールド構造体1の側壁部の壁角度θ(°)、SRas、SRab、LRah、及びLRavを表1に示す。
<<側壁部の壁角度θの測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、側壁部の壁角度θ(°)を測定した。結果を表1に示す。
<<側壁部の面平均粗さ(SRas)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、側壁部の面平均粗さ(SRas)を測定した。結果を表1に示す。
<<凹部の底部の面平均粗さ(SRab)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、凹部の底部の面平均粗さ(SRab)を測定した。結果を表1に示す。
<<凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)を測定した。結果を表1に示す。
<<前記側壁部に沿った方向における側壁部の線平均粗さ(LRav)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、前記側壁部に沿った方向における側壁部の線平均粗さ(LRav)を測定した。結果を表1に示す。
<インプリントレジスト組成物の調製>
本実施例のインプリントレジスト組成物として、熱可塑性のノボラック樹脂(粘度:30mPa・s)を用いた。
<磁気記録媒体の作製>
実施例1と同様に時期記録媒体中間体を作製した。
該磁気記録媒体中間体上に前記インプリントレジスト組成物を厚み100nmで形成した。得られたレジスト層付き磁気記録媒体中間体に対し、上記Niからなるモールド構造体を対向させて配置し、150℃に加熱した状態で3MPaの圧力で30秒間加圧してパターン転写した後、60℃まで冷却してパターン硬化させた。その後、モールド構造体と磁気記録媒体中間体を剥離して、磁気記録媒体中間体上のレジスト層に凹凸パターンを形成した。
次いで、形成した凹凸パターンをマスクとしてエッチングを行い、凹凸形状を磁気記録層に形成した。以上により、実施例12の垂直磁気記録媒体を作製した。
<<転写性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例12のインプリント用モールド構造体による転写性を評価した。評価結果を表1に示す。
<<剥離性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例12のインプリント用モールド構造体の剥離性を評価した。評価結果を表1に示す。
<<サーボ特性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例12の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例1と同様にして作製した凹凸形状を有する原盤11に対し、PMMAからなる熱可塑性樹脂を対向して配置し、150℃に加熱した状態で3MPaの圧力で30秒間加圧してパターン転写した後、60℃まで冷却してパターン硬化させた。その後、モールド構造体と剥離することで凹凸形状を有する樹脂モールド構造体1を得た。
<<側壁部の壁角度θの測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、側壁部の壁角度θ(°)を測定した。結果を表1に示す。
<<側壁部の面平均粗さ(SRas)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、側壁部の面平均粗さ(SRas)を測定した。結果を表1に示す。
<<凹部の底部の面平均粗さ(SRab)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、凹部の底部の面平均粗さ(SRab)を測定した。結果を表1に示す。
<<凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)を測定した。結果を表1に示す。
<<前記側壁部に沿った方向における側壁部の線平均粗さ(LRav)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、前記側壁部に沿った方向における側壁部の線平均粗さ(LRav)を測定した。結果を表1に示す。
<インプリントレジスト組成物>
インプリントレジスト組成物は、実施例1と同じ組成物を用いた。
<磁気記録媒体の作製>
実施例1において、上記で作製したインプリント用モールド構造体を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例13の磁気記録媒体を作製した。
<<転写性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例13のインプリント用モールド構造体による転写性を評価した。評価結果を表1に示す。
<<剥離性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例13のインプリント用モールド構造体の剥離性を評価した。評価結果を表1に示す。
<<サーボ特性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例13の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例14)
実施例1と同様にモールド構造体1を得た。
<<側壁部の壁角度θの測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、側壁部の壁角度θ(°)を測定した。結果を表1に示す。
<<側壁部の面平均粗さ(SRas)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、側壁部の面平均粗さ(SRas)を測定した。結果を表1に示す。
<<凹部の底部の面平均粗さ(SRab)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、凹部の底部の面平均粗さ(SRab)を測定した。結果を表1に示す。
<<凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)を測定した。結果を表1に示す。
<<前記側壁部に沿った方向における側壁部の線平均粗さ(LRav)の測定>>
作製したインプリント用モールド構造体について、実施例1と同様にして、前記側壁部に沿った方向における側壁部の線平均粗さ(LRav)を測定した。結果を表1に示す。
<インプリントレジスト組成物>
インプリントレジスト組成物は、実施例1と同じ組成物を用いた。
<磁気記録媒体の作製>
実施例12において、上記で作製したインプリント用モールド構造体を用いた以外は、実施例12と同様にして、実施例14の磁気記録媒体を作製した。
<<転写性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例14のインプリント用モールド構造体による転写性を評価した。評価結果を表1に示す。
<<剥離性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例14のインプリント用モールド構造体の剥離性を評価した。評価結果を表1に示す。
<<サーボ特性の評価>>
実施例1と同様にして、作製した実施例14の磁気記録媒体のサーボ特性を評価した。評価結果を表1に示す。
表1に示すように、上記数式(1)〜(3)を満たす実施例1〜14によれば、上記数式(1)〜(3)を満たさない比較例1〜6に対して、転写性が高く、剥離性が良好なインプリント用モールド構造体を提供することができた。
また、上記数式(1)〜(3)を満たす実施例1〜14において作製されたインプリント用モールド構造体を用いることにより、上記数式(1)〜(3)を満たさない比較例1〜6よりも、サーボ特性が良好な磁気記録媒体を提供することができた。
また、SRas、及びSRabが、0.1nm〜10nmである実施例1〜8、及び10は、剥離性に優れたインプリント用モールド構造体、及び記録再生特性に優れた磁気記録媒体を提供することができた。
更に、SRas、SRab、LRah、及びLRavが、0.1nm〜10nmである実施例1〜6、8、9、12〜14は、記録再生特性に優れた磁気記録媒体を提供することができた。
一方、比較例1〜2は、前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さ(LRav)よりも前記凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)が大であり、前記凹部の底部の面平均粗さ(SRab)よりも前記側壁部の面平均粗さ(SRas)が大であるであるため、転写性は良好であったが、インプリント用モールド構造体の基板の表面と、凸部の側壁部とのなす壁角度θが90°以上であるため、剥離性が劣っていた。
また、比較例3は、前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さ(LRav)よりも前記凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)が大であるため、剥離性は良好であったが、前記凹部の底部の面平均粗さ(SRab)が、前記側壁部の面平均粗さ(SRas)よりも大であるため、転写性が劣っていた。
また、比較例4は、インプリント用モールド構造体の基板の表面と、凸部の側壁部とのなす壁角度θが40°以上、90°未満であり、前記側壁部の面平均粗さ(SRas)よりも、前記凹部の底部の面平均粗さ(SRab)が大であるため、転写性は良好であったが、前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さ(LRav)が、前記凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)よりも大であるため、剥離性が劣っていた。
また、比較例5は、前記側壁部の面平均粗さ(SRas)よりも、前記凹部の底部の面平均粗さ(SRab)が大であり、前記凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)が、前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さ(LRav)よりも大であるため、剥離性は良好であったが、インプリント用モールド構造体の基板の表面と、凸部の側壁部とのなす壁角度θが45°未満であるため、転写性が劣っていた。
また、比較例6は、インプリント用モールド構造体の基板の表面と、凸部の側壁部とのなす壁角度θが45°未満であり、前記凹部の底部の面平均粗さ(SRab)が、前記側壁部の面平均粗さ(SRas)よりも大であり、前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さ(LRav)が、前記凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さ(LRah)よりも大であるため、転写性、及び剥離性が劣っていた。
本発明のインプリント用モールド構造体は、該インプリント用モールド構造体上に形成された微細なパターンが、基板上のインプリントレジスト層に効率よく入り込み、かつ前記パターンから前記インプリントレジスト層を剥離しやすい構成をなしているので、高い歩留まりで前記基板上にパターンを形成することができ、ディスクリートメディアの作製や、パターンドメディアの作製に好適である。
図1は、本発明に係るインプリント用モールド構造体の一実施形態における構成を示す部分断面斜視図である。 図2Aは、実施例1〜5におけるインプリント用モールド構造体の製造方法の一例を示す断面図である。 図2Bは、実施例1〜5におけるインプリント用モールド構造体の製造方法の一例を示す断面図である。 図3Aは、実施例7におけるインプリント用モールド構造体の製造方法の一例を示す断面図である。 図3Bは、実施例7におけるインプリント用モールド構造体の製造方法の一例を示す断面図である。 図4Aは、実施例8におけるインプリント用モールド構造体の製造方法の一例を示す断面図である。 図4Bは、実施例8におけるインプリント用モールド構造体の製造方法の一例を示す断面図である。 図5は、本発明に係るインプリント用モールド構造体を用いて磁気記録媒体を製造する製造方法を示す断面図である。
符号の説明
1 インプリント用モールド構造体
2 基板
2a 表面
3 凹凸部
4 凸部
5 凹部
10 Si基板
11 Si原盤
21 フォトレジスト層
22 導電膜
23 Ni基板
24 インプリントレジスト層
25 インプリントレジスト層
30 被加工基板
40 磁気記録媒体の基板
50 磁性層
70 非磁性材料
100 磁気記録媒体

Claims (8)

  1. 円板状の基板と、該基板の一の表面上に、該表面を基準として複数の凸部が配列されたことによって形成された凹凸部を有してなり、他の基板上に形成されたインプリントレジスト層に対し、前記凹凸部を対向させて前記インプリントレジスト層に前記凹凸部に基づく凹凸パターンを転写するのに用いられるインプリント用モールド構造体であって、前記凸部が配列された方向における前記凹凸部の断面形状が、下記数式(1)〜(3)を満たすことを特徴とするインプリント用モールド構造体。
    40°≦θ<90°・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(1)
    SRas>SRab・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(2)
    LRah>LRav・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・数式(3)
    ただし、上記数式(1)において、θ(°)は、前記表面と、前記凸部の側壁部とのなす壁角度を表し、上記数式(2)において、SRasは、前記側壁部の面平均粗さを表し、SRabは、前記凹部の底部の面平均粗さを表し、上記数式(3)において、LRahは、前記凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さを表し、LRavは、前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さを表す。
  2. 凹凸部は、基板の略中心部を基準に同心円状に複数の凸部が形成されてなる第1の凹凸部、及び基板の略中心部を基準に放射状に複数の凸部が形成されてなる第2の凹凸部の少なくともいずれかを含む請求項1に記載のインプリント用モールド構造体。
  3. 凸部の側壁部の面平均粗さSRas、及び底部の面平均粗さSRabが、いずれも0.1nm以上10nm以下である請求項1から2のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体。
  4. 凸部が延設された方向における側壁部の線平均粗さLRah、及び前記側壁部に沿った方向における前記側壁部の線平均粗さLRavが、いずれも0.1nm以上10nm以下である請求項1から3のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体。
  5. 石英、ニッケル、及び樹脂のいずれかの材料からなる請求項1から4のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体を、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト組成物よりなるインプリントレジスト層に押圧して前記インプリント用モールド構造体に形成された凹凸部に基づく凹凸パターンを転写する転写工程を少なくとも含むことを特徴とするインプリント方法。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載のインプリント用モールド構造体を、磁気記録媒体の基板上に形成されたインプリントレジスト層に押圧して前記インプリント用モールド構造体に形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、
    前記凹凸パターンが転写されたインプリントレジスト層をマスクにして、前記磁気記録媒体の基板の表面に形成された磁性層をエッチングして、前記凹凸パターンに基づく磁性パターン部を前記磁性層に形成する磁性パターン部形成工程と、
    前記磁性層上に形成された凹部に非磁性材料を埋め込む非磁性パターン部形成工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  8. 請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方法によって作製されたことを特徴とする磁気記録媒体。
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