JP2009047236A - 固定型等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボールを脱落させることなく、従来以上の高作動角を実現可能な固定型等速自在継手を提供する。
【解決手段】外側継手部材1と、内側継手部材2と、両継手部材1,2相互間に三層状に組み込んだ外側保持器3、中間保持器4及び内側保持器5と、外側継手部材1の複数の案内溝1bと中間保持器4の複数の案内溝4bとの間に形成した外側ボールトラックに転動自在に介装した外側ボール6と、外側保持器3の複数の案内溝3bと内側保持器5の複数の案内溝5bとの間に形成した中間ボールトラックに転動自在に介装した中間ボール7と、中間保持器4の複数の案内溝4eと内側継手部材2の複数の案内溝2bとの間に形成した内側ボールトラックに転動自在に介装した内側ボール8とを備え、中間ボールトラックを周方向に渡って軸方向の一方とそれと逆方向に交互に拡大する楔状に形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械に用いられる動力伝達装置である固定型等速自在継手に関する。
自動車のドライブシャフトのアクスル連結部や、ステアリングシャフトのシャフト折曲げ連結部には、固定型等速自在継手が一般的に使用される。この固定型等速自在継手として、従来、ゼッパ型等速自在継手やアンダーカットフリー型(以下UJ型という)等速自在継手が知られている。ゼッパ型の特徴は、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡と内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、それぞれ、継手中心から軸方向に等距離だけ離れた二点を中心とする二つの球の子午線となっていることである(特許文献1参照)。
これに対してUJ型等速自在継手は、ゼッパ型等速自在継手よりも高作動角とするために発明されたもので、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、上記ゼッパ型の子午線の円弧のうち、継手中心を通る軸直角断面より外側継手部材の開口側の部分が継手軸と平行な直線となっている(特許文献2参照)。
ゼッパにより発明されたゼッパ型等速自在継手は、最初は、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡と、内側継手部材の案内溝のボール中心軌跡が、ともに継手中心に中心を持つ同一円弧であった(特許文献3参照)。その自在継手は、作動角0°における保持器の回転位置が一定に定まらないという欠点があり、それを補うために、内側継手部材と外側継手部材の間に保持器の位置を制御するための別部品を追加していた(特許文献4のFig.1、Fig.2のパイロットピンKを参照)。
その後改良されたゼッパ型等速自在継手に、いわゆるダブルオフセット型と呼ばれるものがある。このダブルオフセット型は、図8(a)のように、継手中心Oから継手軸線方向に逆方向にそれぞれ等距離だけ離れた点O100,O200を、外側継手部材101と内側継手部材102の二つの案内溝101b,102bの各曲率中心としたものである。そして、両継手部材の各案内溝101b,102bにおけるボール中心軌跡C100,C200は、前記曲率中心O100,O200を中心とする同じ半径Rの円弧となっている。
詳しくは、図8(a)(b)に示すように、ダブルオフセット型等速自在継手は、球面状の内周面101aに6本の曲線状の案内溝101bを軸方向に形成した外側継手部材101と、球面状の外周面102aに6本の曲線状の案内溝102bを軸方向に形成し、スプライン(又はセレーション)孔102cを有する内側継手部材102と、外側継手部材101の案内溝101bと内側継手部材102の案内溝102bとが協働して形成される6本のボールトラックに1個ずつ配されたトルク伝達ボール103と、トルク伝達ボール103を保持する保持器104とで構成される。
外側継手部材101の内周面101aの曲率中心、内側継手部材102の外周面102aの曲率中心は、いずれも、継手中心Oと一致している。これに対し、外側継手部材101の案内溝101bの曲率中心O100と、内側継手部材102の案内溝102bの曲率中心O200は、継手中心Oを挟んで、軸方向に等距離だけ互いに逆方向に(同図に示す例では中心O100は継手開口端側に、中心O200は継手閉塞端側に)オフセットしている。そのため、案内溝101b,102bが協働して形成されるボールトラックは、軸方向の一方に向かって開いた楔形状となっている。
図8(a)に示すように、両継手部材101,102の各軸線が角度変位しない場合、すなわち二軸の回転軸線が一直線となった状態では、全てのトルク伝達ボール103の中心が継手中心Oを含み回転軸線に垂直な平面Y上にある。外側継手部材101と内側継手部材102とが角度θだけ角度変位すると、保持器104によってトルク伝達ボール103が、角度θの二等分線に垂直な平面上に配置せしめられ、これにより継手の等速性が確保される。
米国特許第2046584号公報 特開昭53−65547号公報 米国特許第1665280号公報 米国特許第2010899号公報
図8に示したダブルオフセット型等速自在継手においては、継手を高作動角で回転させる場合、ボール103が外側継手部材101の案内溝101bから外側にはみ出すと、ボール103が保持器104のポケットから半径方向外方に飛び出すのを防止することができない。このため、従来のダブルオフセット型等速自在継手では、ボール103は必ず外側継手部材101の案内溝101bの中に収めておく必要があり、これにより、継手の最大作動角が抑えられ、せいぜい48°程度が限界であった。
一方、UJ型等速自在継手は、ゼッパ型等速自在継手の作動角をさらに拡大するために発明されたもので、ボールが外側継手部材の案内溝から外れる位置を延長するために、外側継手部材の案内溝のボール中心軌跡を、外側継手部材入口部のみ、円弧状から直線状に変更した。しかし、UJ型等速自在継手でも最大作動角は52°程度であった。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、ボールを脱落させることなく、従来以上の高作動角を実現可能な固定型等速自在継手を提供しようとするものである。
請求項1の発明は、球形内周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した外側継手部材と、球形外周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した内側継手部材と、球形内外周面を有すると共に前記両継手部材相互間に三層状に組み込んだ外側保持器、中間保持器及び内側保持器と、前記外側保持器の周方向に形成した複数のポケット内に収容すると共に、前記外側継手部材の各案内溝と前記中間保持器の球形外周面に形成した軸方向に延びる複数の案内溝との間に形成した外側ボールトラックに転動自在に介装した外側ボールと、前記中間保持器の周方向に形成した複数のポケット内に収容すると共に、前記外側保持器の球形内周面に形成した軸方向に延びる複数の案内溝と前記内側保持器の球形外周面に形成した軸方向に延びる複数の案内溝との間に形成した中間ボールトラックに転動自在に介装した中間ボールと、前記内側保持器の周方向に形成した複数のポケット内に収容すると共に、前記中間保持器の球形内周面に形成した軸方向に延びる複数の案内溝と前記内側継手部材の各案内溝との間に形成した内側ボールトラックに転動自在に介装した内側ボールとを備え、前記中間ボールトラックを周方向に渡って軸方向の一方とそれと逆方向に交互に拡大する楔状に形成した固定式等速自在継手である。
これにより、外側継手部材と内側継手部材の両回転軸線が作動角を取ったときに、各ボールが案内溝を転動する距離が、従来の等速自在継手に比べて著しく短くなる。従って、各案内溝を軸方向に短く形成することができる。
また、中間ボールトラックは楔状に形成されているので、継手が回転すると、中間ボールトラック内の中間ボールに、中間ボールトラックの狭い方から広い方へ向かう力が作用する。請求項1の発明は、中間ボールトラックが、周方向に渡って軸方向の一方とそれと反対方向に交互に拡大して形成されているので、隣り合った中間ボール同士は、互いに逆方向の力を受ける。そして、中間保持器に中間ボールからの押圧力が作用するが、その押圧力は互いに逆方向に作用するので相殺される。これにより、中間保持器が軸方向のどちらか一方に片寄るのを抑制し、適正な回転位置に保持することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の固定型等速自在継手において、前記外側ボールトラックと前記内側ボールトラックを、軸方向に互いに逆方向に拡大する楔状に形成したものである。
外側ボールトラックと内側ボールトラックは、軸線方向に互いに逆向きに拡大しているので、各ボールトラックに配置された外側ボールと内側ボールには、軸線方向に互いに逆方向の力が作用する。これらのボールをそれぞれ保持する外側保持器と内側保持器にも、軸線方向に互いに逆方向の力が作用する。そして、外側保持器の内周面・内側保持器の外周面は、中間保持器の内外周面に押し当てられる。中間保持器には、外側保持器と内側保持器からの押圧力が作用するが、その押圧力は互いに逆方向に作用するので相殺される。これにより、中間保持器が軸方向のどちらか一方に片寄るのを抑制し、適正な回転位置に保持することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の固定型等速自在継手において、前記外側継手部材と内側継手部材の各軸線が一直線となった状態において、前記外側継手部材の案内溝と前記中間保持器の球形外周面の案内溝のそれぞれのボール中心軌跡、前記内側継手部材の案内溝と前記中間保持器の球形内周面の案内溝のそれぞれのボール中心軌跡、及び前記外側保持器の案内溝と前記内側保持器の案内溝のそれぞれのボール中心軌跡を、それぞれ、継手中心を通り継手軸線に直交する横断面において互いに交差させると共に、前記横断面を中心として鏡像対称となる一対の円弧としたものである。
これにより、各ボールを、継手中心を通り継手軸線に直交する横断面上に保持することができる。このようなボールの配置によって、作動角が0°において、各保持器を定位置で回転させることができ、回転トルクを安定して伝達することができる。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手において、前記外側継手部材、内側継手部材及び中間保持器のそれぞれの案内溝の軸方向に直行する横断面において、各案内溝を、各案内溝の幅方向中心を通る継手径方向線を中心として鏡像対称となる一対の円弧部にて構成し、当該一対の円弧部の曲率半径を、対応する前記ボールの半径より大きく設定すると共に、当該一対の円弧部の曲率中心を、対応する円弧部から前記継手径方向線を越えて反対側に配置したものである。
すなわち、各ボールを、案内溝を構成する一対の円弧部にそれぞれ1点、合計2点で接触させることができる。このように構成したことで、継手回転駆動時に、案内溝がトルクの方向に力を受け易く、回転トルクを効率良く伝達することができる。また、ボールが案内溝に沿って転動し易くなるとともに、ボールと案内溝との接触面圧を低減することができ、転動疲労寿命ないし継手寿命を長くすることができる。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手において、前記外側ボール、中間ボール及び内側ボールを、周方向に位相をずらして配設したものである。
各ボールを継手径方向に一直線状に並ばないようにすることで、継手の径方向の小型化及び軽量化を図ることができる。
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手において、前記中間ボールトラックを周方向に4以上の偶数個配設したものである。
上述したように、継手が回転すると、周方向に隣り合う中間ボールに軸線方向に互いに逆方向の力が作用する。請求項6の場合は、中間ボールが周方向に偶数個配設しているので、軸方向の一方に向かう中間ボールとそれと逆方向に向かう中間ボールの個数が同数となる。従って、中間保持器に作用する互いに逆方向の力を確実に相殺することができる。
本発明の固定型等速自在継手によれば、外側継手部材と内側継手部材の両回転軸線が、O°以外の作動角θをとったときに、各ボールが案内溝を転動する距離が、従来の等速自在継手に比べて短くなる。従って、各案内溝を軸方向に短く形成することができ、継手の軸方向の小型化を図り得る。これにより、継手が作動角θをとったときに、特に内側継手部材に連結したシャフトが、外側継手部材と干渉しにくくなり、最大作動角を高角化することができる。従って、従来の固定型等速自在継手以上の作動角、例えば作動角が60°となっても、ボールを脱落させることなく、安定したトルク伝達を実現可能となる。また、各ボールが案内溝を転動する距離が短くなるので、転動疲労寿命ないし継手寿命を長くすることができる。
また、継手回転時に、中間保持器が中間ボールから受ける力は、互いに逆方向に作用して相殺されるので、中間保持器が軸方向のどちらか一方に片寄ることを抑止して適正な回転位置に保持することができる。これによって、等速性・作動性に優れた固定型等速自在継手とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7を参照して説明する。図1は本発明の固定型等速自在継手の横断面を示したものである。図2、図3、図4は、図5、それぞれ図1におけるA−A縦断面図、B1−B1縦断面図、B2−B2縦断面図、C−C縦断面図である。これら図2〜図5は、作動角が0°の状態を示し、図7は最大作動角をとったときの上記図2、図3、図5に相当する各縦断面を重ね合わせた状態を示す。
なお、固定型等速自在継手は、一方が駆動側となり、他方が従動側となる外側継手部材と内側継手部材を有するが、ここで作動角とは、外側継手部材の回転軸線Xと内側継手部材の回転軸線Zとがなす角度をいう。また、回転軸線Xと回転軸線Zとの交点Oを継手中心と呼ぶことにする。固定型等速自在継手は作動角に関わりなく継手中心Oは固定されている。
本発明の固定型等速自在継手は、外側継手部材1と、内側継手部材2と、それら両継手部材1,2相互間に三層状に組み込んだ外側保持器3、中間保持器4及び内側保持器5と、各保持器3,4,5にて保持される外側ボール6、中間ボール7及び内側ボール8を主要な構成要素としている。
相交わる二軸の一方(図示せず)に連結される外側継手部材1は、その内周面1aが球形に形成され、この球形内周面1aには、軸方向に延びる案内溝1bを周方向等間隔に4本形成している。内側継手部材2の外周面2aは球形に形成されており、この球形外周面2aに、軸方向に延びる案内溝2bを周方向等間隔に4本形成している。内側継手部材2の内周面2cには、前記二軸の他方であるシャフト9を挿入して嵌合するためのスプライン又はセレーションを形成してある。
外側保持器3は、周方向等間隔に貫設された4つのポケット3dを有する。外側保持器3の外周面3aと内周面3cは共に球形に形成されており、その球形内周面3cには、軸方向に延びる案内溝3bを周方向等間隔に4本形成している。中間保持器4と内側保持器5にも、それぞれ周方向等間隔に4つのポケット4d,5dが貫設され、中間保持器4と内側保持器5のそれぞれの外周面4a,5aと内周面4c,5cは、球形に形成されている。また、中間保持器4の球形外周面4aと球形内周面4cの両面には、それぞれ軸方向に延びる案内溝4b,4eが周方向等間隔に4本ずつ形成されている。また、内側保持器5の球形外周面5aには、軸方向に延びる案内溝5bが周方向等間隔に4本形成されている。
外側継手部材1の球形内周面1a、内側継手部材2の球形外周面2a、及び前記各保持器3,4,5の各球形の内外周面3a,3c,4a,4c,5a,5cは、全て継手中心Oを中心とする同心球面であり、それぞれ対向する球形内外周面は、互いに球面接触している。
内側保持器5の各ポケット5dには、トルク伝達用の内側ボール8が収容されており、内側ボール8は、内側継手部材2と中間保持器4のそれぞれの対向する案内溝2b,4e間に形成された内側ボールトラックに転動自在に介装されている(図2参照)。また、中間保持器4の各ポケット4dに、外側保持器3と内側保持器5の位置を規制するための中間ボール7が収容され、中間ボール7は、外側保持器3と内側保持器5のそれぞれの対向する案内溝3b,5b間に形成された中間ボールトラックに転動自在に介装されている(図3又は図4参照)。また同様に、外側保持器3の各ポケット3dに、トルク伝達用の外側ボール6が収容され、外側ボール6は、外側継手部材1と中間保持器4のそれぞれの対向する案内溝1b,4b間に形成された外側ボールトラックに転動自在に介装されている(図5参照)。
トルク伝達用の外側ボール6と内側ボール8では、内径側の内側ボール8の方が回転トルクによる荷重が大きいので、内側ボール8のボール径寸法を、外側ボール6のボール径寸法より大きく設定することが好ましい。また、外側ボール6と中間ボール7と内側ボール8は、周方向に位相をずらして配設されている。言い換えれば、各ボール6,7,8は継手の径方向同一直線上には配置されていない。
図2〜図5の縦断面図に示すように、対向した円弧状の案内溝にて形成された各ボールトラックは、軸方向の一方に臨んで徐々に広がった楔状に形成されている。図2に示す内側継手部材2と中間保持器4の対向する案内溝2b,4eにて形成された内側ボールトラックは、図2において軸方向の左側へ拡大して形成されている。
図5に示す外側継手部材1と中間保持器4の対向する案内溝1b,4bにて形成された外側ボールトラックは、図5において軸方向右側へ拡大して形成している。この実施形態では、図2の内側ボールトラックと、図5の外側ボールトラックは、互いに逆方向に拡大した楔状に形成されている。
図1のB1−B1縦断面図を示した図3において、外側保持器3と内側保持器5の対向する案内溝3b,5bにて形成された中間ボールトラックは、図3の軸方向の右側に拡大して形成されている。一方、図1のB2−B2縦断面図を示した図4において、外側保持器3と内側保持器5の対向する案内溝3b,5bにて形成された中間ボールトラックは、図4の軸方向の左側に拡大している。図1において、B1−B1縦断面線上にある中間ボールトラックと、B2−B2縦断面線上にある中間ボールトラックは、周方向に互いに隣り合って配置されたものである。すなわち、中間ボールトラックの隣り合うもの同士は、軸方向の拡大する方向が互いに逆方向となっている。言い換えれば、中間ボールトラックは、周方向に渡って軸方向の一方とそれと反対方向に交互に拡大して形成されている。
また、図2〜図5に示す対向した案内溝のそれぞれの曲率中心は、継手中心Oから軸線方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットされた位置にある。
詳しくは、図2において、継手中心Oから継手軸線方向に互いに逆方向にそれぞれ等距離だけ離れた(オフセットした)点O1とO2が、内側継手部材2の案内溝2bと、中間保持器4の内側の案内溝4eのそれぞれの曲率中心である。従って、内側継手部材2の案内溝2bのボール中心軌跡C1は、点O1を中心とする円弧となり、中間保持器4の案内溝4eのボール中心軌跡C2は、点O2を中心とし、前記軌跡C1と同じ半径の円弧となる。すなわち、これら2つのボール中心軌跡C1,C2は、継手中心Oを通り継手軸線に直交する横断面Yにおいて互いに交差すると共に、この横断面Yを中心として鏡像対称に配置される。
図3において、外側保持器3の案内溝3bのボール中心軌跡C3と、内側保持器5の案内溝5bのボール中心軌跡C4は、それぞれ継手中心Oから軸線方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットした点O3とO4を中心とする同じ半径の円弧である。一方、図4に示す外側保持器3の案内溝3bのボール中心軌跡C3、内側保持器5の案内溝5bのボール中心軌跡C4、及びそれらの曲率中心O3,O4は、図3に示したボール中心軌跡C3,C4及び曲率中心O3,O4と横断面Yに関して対称に配置されている。図3及び図4のボール中心軌跡C3,C4も、図2で説明したのと同様に、上記横断面Yにおいて互いに交差すると共に、この横断面Yを中心として鏡像対称に配置されている。
また、図5に示す外側継手部材1の案内溝1bのボール中心軌跡C5と、中間保持器4の外側の案内溝4bのボール中心軌跡C6は、それぞれ継手中心Oから軸線方向に互いに逆方向に等距離だけオフセットした点O5とO6を中心とする同じ半径の円弧となる。このボール中心軌跡C5,C6も、継手中心Oを通り継手軸線に直交する横断面Yにおいて互いに交差すると共に、この横断面Yを中心として鏡像対称に配置されている。
図6は図1の要部であり、外側ボール6を挟む外側継手部材1の案内溝1bと、中間保持器4の外周側の案内溝4bの横断面を示す。同図において、一点鎖線で示すのは、外側継手部材1と中間保持器4の各案内溝1b,4bの幅方向中心を通る継手径方向線Lである。外側継手部材1の案内溝1bは、この継手径方向線Lを中心として鏡像対称となる一対の円弧部10,11にて形成されている。この一対の円弧部10,11の各曲率半径R10,R11は、外側ボール6の半径R0よりも大きい。一対の円弧部10,11の各曲率中心O10,O11は、対応する円弧部から継手径方向線Lを越えて反対側に配置されている。また、各曲率中心O10,O11は、径方向線Lから周方向(図6の左右方向)に互いに逆方向に等距離だけ離れて配設されている。そして、外側ボール6は、各円弧部10,11に対しそれぞれ1点(点P10と点P11)で接触(点接触)し、案内溝1bに対し合計2点で接触する(アンギュラコンタクト)。
一方、中間保持器4の外側の案内溝4bは、外側ボール6を挟んで前記外側継手部材1の案内溝1bと対称に形成されている。詳しくは、中間保持器4の案内溝4bは、継手径方向線Lを中心として鏡像対称となる一対の円弧部12,13にて構成されている。これら円弧部12,13の各曲率半径R12,R13は、外側ボール6の半径R0よりも大きく設定されている。また、各円弧部12,13の曲率中心O12,O13は、対応する円弧部から継手径方向線Lを越え、継手径方向線Lから周方向に等距離だけ離れて互いに反対側に配置されている。このように各円弧部12,13を形成することで、外側ボール6も、各円弧部12,13に対しそれぞれ1点(点P12と点P13)で接触(点接触)し、案内溝4bに対し合計2点で接触する(アンギュラコンタクト)。
また、内側ボール8を挟む中間保持器4の内側の案内溝4eと、内側継手部材2の案内溝2bの断面形状は、図6と同様の構成となっているので、図示及び説明を省略する。すなわち、内側ボール8は、各案内溝4e,2bに対しそれぞれ2点で接触するようになっている(アンギュラコンタクト)。
また、外側ボール6又は内側ボール8を挟む上記各案内溝1b,4b,4e,2bの断面形状は、図6に示した形状以外に、例えば、対応するボールに対し2点で接触する楕円、ゴシックアーチ、放物線等の形状に形成してもよい。
以下、本発明の固定型等速自在継手の作用について説明する。
図1において、シャフト9に回転力が付与された場合、その回転トルクは、シャフト9に連結された内側継手部材2へ伝達された後、内側ボール8を介して中間保持器4へと伝達され、中間保持器4が回転する。さらに、回転する中間保持器4の回転トルクは、外側ボール6を介して外側継手部材1へと伝達される。このようにして、内側継手部材2に連結された駆動軸から、外側継手部材1に連結された従動軸へ回転力が等速に伝達される。
そして、外側継手部材1の回転軸線Xと内側継手部材2の回転軸線Zが、作動角θをとったとき、外側ボール6は外側継手部材1と中間保持器4の両回転軸線のなす角の二等分線に垂直な平面上に並ぶ。また、内側ボール8は中間保持器4と内側継手部材2の両回転軸線のなす角の二等分線に垂直な平面上に並ぶ。つまり、外側ボール6の中心から外側継手部材1と中間保持器4の両回転軸線までの距離が相等しく、内側ボール8の中心から中間保持器4と内側継手部材2の両回転軸線までの距離が相等しくなる。このような位置に各ボール6,8が配置されることで、各ボール6,8を介して回転トルクが内側継手部材2から中間保持器4へ、そして、中間保持器4から外側継手部材1へと等速度で伝達される。
図7は、外側継手部材1の軸線Xと内側継手部材の軸線Zとが最大作動角をとった場合を示した図である。この場合、両継手部材1,2と、3つの保持器3,4,5、及び各ボール6,7,8相互間の干渉により、外側継手部材1に対して、各保持器3,4,5及び内側継手部材2は、それぞれ所定の傾斜角をもって位置規制される。外側ボール6・中間ボール7・内側ボール8のそれぞれが並ぶ平面を、ジョイント平面S,T,Uと呼ぶとすると、この実施形態では、各ジョイント平面S,T,Uは、継手中心Oを通り外側継手部材1の軸線Xに直交する横断面Yから、それぞれ時計回りに15°・30°・45°傾斜した位置にある。そして、このときの内側継手部材2の軸線Zと、外側継手部材1の軸線Xとで形成される最大作動角は60°となる。
上記図8のような従来の固定型等速自在継手において、最大作動角を60°にしようとすると、ボール103が並ぶジョイント平面は、継手中心Oを通り外側継手部材101の軸線Xと直交する横断面Yから時計回り又は反時計回りに30°傾斜する必要があると推測される(図示省略)。つまり、ボール103が案内溝101b,102bに沿って30°移動することになる。これに対して、本発明は、最大作動角60°のときに、各ジョイント平面S,T,Uに並ぶボール6,7,8は、対応する案内溝に沿って移動する距離はそれぞれ15°でよいので、各案内溝の軸方向長さ寸法は、従来の固定型等速自在継手の案内溝よりも短く形成することが可能となる。
また、中間ボールトラックは楔状に形成されているので、継手が回転すると、中間ボールトラック内の中間ボール7に、中間ボールトラックの狭い方から広い方へ向かう力が作用する。上記実施形態では、中間ボールトラックが、周方向に渡って軸方向の一方とそれと反対方向に交互に拡大して形成されているので、隣り合った中間ボール7同士は、互いに逆方向の力を受ける。そして、中間保持器4には中間ボール7からの押圧力が作用するが、その押圧力は互いに逆方向に作用するので相殺される。これにより、中間保持器4が軸方向のどちらか一方に片寄るのを抑制し、適正な回転位置に保持することができる。
また、継手回転時に中間保持器4が中間ボール7から受ける力を確実に相殺するには、互いに逆方向に拡大した中間ボールトラックを同数ずつ形成することが望ましい。従って、中間ボールトラックは、4個以上の偶数個配設することが好ましい。
また、外側ボールトラックと内側ボールトラックも、それぞれ楔状に形成されているので、継手が回転すると、各ボールトラック内のボールには、ボールトラックの狭い方から広い方へ向かう力が作用する。これにより、外側ボール6を保持する外側保持器3と、内側ボール8を保持する内側保持器5は、中間保持器4に押し当てられる。
本発明では、この外側保持器3と内側保持器5による中間保持器4への押圧力を相殺するために、外側ボールトラックと内側ボールトラックを、軸方向に互いに逆方向に拡大させている。つまり、外側ボールトラックに介装された外側ボール6と、内側ボールトラックに介装された内側ボール8は、互いに逆方向に移動しようとする。そして、中間保持器4に対する外側保持器3と内側保持器5の押圧力も互いに逆方向に作用するので相殺されることとなる。これにより、中間保持器4が軸方向のどちらか一方に片寄るのを抑制し、適正な回転位置に保持することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明に係る固定型等速自在継手の横断面図である。 図1のA−A縦断面図である。 図1のB1−B1縦断面図である。 図1のB2−B2縦断面図である。 図1のC−C縦断面図である。 図1の要部横断面図である。 本発明の固定型等速自在継手が最大作動角をとった状態を示す縦断面図である。 従来の固定型等速自在継手を示す図であって、(a)はその縦断面図、(b)はその横断面図である。
符号の説明
1 外側継手部材
1a 内周面
1b 案内溝
2 内側継手部材
2a 外周面
2b 案内溝
3 外側保持器
3b 案内溝
3c 内周面
3d ポケット
4 中間保持器
4a 外周面
4b 案内溝
4c 内周面
4d ポケット
4e 案内溝
5 内側保持器
5a 外周面
5b 案内溝
5d ポケット
6 外側ボール
7 中間ボール
8 内側ボール
10 円弧部
11 円弧部
12 円弧部
13 円弧部

Claims (6)

  1. 球形内周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した外側継手部材と、球形外周面に軸方向に延びる複数の案内溝を形成した内側継手部材と、球形内外周面を有すると共に前記両継手部材相互間に三層状に組み込んだ外側保持器、中間保持器及び内側保持器と、前記外側保持器の周方向に形成した複数のポケット内に収容すると共に、前記外側継手部材の各案内溝と前記中間保持器の球形外周面に形成した軸方向に延びる複数の案内溝との間に形成した外側ボールトラックに転動自在に介装した外側ボールと、前記中間保持器の周方向に形成した複数のポケット内に収容すると共に、前記外側保持器の球形内周面に形成した軸方向に延びる複数の案内溝と前記内側保持器の球形外周面に形成した軸方向に延びる複数の案内溝との間に形成した中間ボールトラックに転動自在に介装した中間ボールと、前記内側保持器の周方向に形成した複数のポケット内に収容すると共に、前記中間保持器の球形内周面に形成した軸方向に延びる複数の案内溝と前記内側継手部材の各案内溝との間に形成した内側ボールトラックに転動自在に介装した内側ボールとを備え、前記中間ボールトラックを周方向に渡って軸方向の一方とそれと逆方向に交互に拡大する楔状に形成したことを特徴とする固定型等速自在継手。
  2. 前記外側ボールトラックと前記内側ボールトラックを、軸方向に互いに逆方向に拡大する楔状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の固定型等速自在継手。
  3. 前記外側継手部材と内側継手部材の各軸線が一直線となった状態において、
    前記外側継手部材の案内溝と前記中間保持器の球形外周面の案内溝のそれぞれのボール中心軌跡、
    前記内側継手部材の案内溝と前記中間保持器の球形内周面の案内溝のそれぞれのボール中心軌跡、
    及び前記外側保持器の案内溝と前記内側保持器の案内溝のそれぞれのボール中心軌跡を、
    それぞれ、継手中心を通り継手軸線に直交する横断面において互いに交差させると共に、前記横断面を中心として鏡像対称となる一対の円弧としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の固定型等速自在継手。
  4. 前記外側継手部材、内側継手部材及び中間保持器のそれぞれの案内溝の軸方向に直行する横断面において、各案内溝を、各案内溝の幅方向中心を通る継手径方向線を中心として鏡像対称となる一対の円弧部にて構成し、当該一対の円弧部の曲率半径を、対応する前記ボールの半径より大きく設定すると共に、当該一対の円弧部の曲率中心を、対応する円弧部から前記継手径方向線を越えて反対側に配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
  5. 前記外側ボール、中間ボール及び内側ボールを、周方向に位相をずらして配設したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
  6. 前記中間ボールトラックを周方向に4以上の偶数個配設したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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