JP2009041920A - 非接地電源の絶縁検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストアップおよび装置を大型化することなく安全性を確保し、故障発生時のコンデンサの電荷による事故を防止する非接地電源の絶縁検出装置を提供する。
【解決手段】複数のスイッチの接続を切り替えることにより、コンデンサ9の充電を行い、そして、該コンデンサ9の両端子間の電圧を検出して被検出装置の絶縁状態を検出する絶縁検出装置1において、電圧検出手段11がコンデンサ9の異常高電圧を検出したとき、スイッチ制御手段11が、全てのスイッチを開路し、さらに、前回測定した地絡抵抗値が基準値以上のときに、スイッチ制御手段がコンデンサ9の電荷を放電するためのスイッチを閉路する。
【選択図】図1
【解決手段】複数のスイッチの接続を切り替えることにより、コンデンサ9の充電を行い、そして、該コンデンサ9の両端子間の電圧を検出して被検出装置の絶縁状態を検出する絶縁検出装置1において、電圧検出手段11がコンデンサ9の異常高電圧を検出したとき、スイッチ制御手段11が、全てのスイッチを開路し、さらに、前回測定した地絡抵抗値が基準値以上のときに、スイッチ制御手段がコンデンサ9の電荷を放電するためのスイッチを閉路する。
【選択図】図1
Description
本発明は、非接地電源の絶縁検出装置に係り、特に、電気による推進力を利用する車両などに搭載された非接地の直流電源に好適な絶縁検出装置に関するものである。
非接地電源の絶縁検出装置は、非接地の直流電源の正端子および負端子に接続されて、接地電位部からは絶縁された正端子側および負端子側の主回路配線の接地電位部に対する絶縁抵抗、即ち、地絡抵抗値を測定することで、接地電位部に対する絶縁状態を検出するものである。
特許文献1の絶縁検出装置301は、図9に示すように、例えば、正端子側の正側主回路配線305aと負端子側の負側主回路配線305bが、各々、接地電位部307(例えば、車体など)から絶縁されている直流電源(以下電源)303に対して適用したものである。絶縁検出装置301は、第1スイッチS11、第2スイッチS12、第3スイッチS13、第4スイッチS14、第5スイッチS15、第1抵抗R11、第2抵抗R12、第3抵抗R13、第4抵抗R14、第5抵抗R15、第1ダイオードD11、第2ダイオードD12、コンデンサ309、および、コンデンサ309の両端子間の電圧を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した電圧から電源電圧を推定し且つ正端子側地絡抵抗Rp1の抵抗値および負端子側地絡抵抗Rn1の抵抗値を求める演算手段と、演算手段が求めた各地絡抵抗値に基づいて絶縁状態判定する絶縁状態判定手段と、第1スイッチS11、第2スイッチS12、第3スイッチS13、第4スイッチS14の各スイッチの異常を検出する異常検出手段と、を兼ねるマイコン311などで構成されている。また、絶縁検出装置301は、各スイッチを設定された時間に応じて接続および接続開放する図示しないスイッチング制御回路や、前記検出手段の入力端子と接地電位部との間に接続された図示しないクランプダイオードなどを有している。
この絶縁検出装置301の絶縁状態検出の概略動作を以下に示す。最初に電源電圧を推定するため、すべてのスイッチが開路されている状態から、第1スイッチS11と第2スイッチS12とを閉路して電源303とコンデンサ309とを直列に接続する。そして、コンデンサ309を所定の時間充電した後、第1スイッチS11と第2スイッチS12とを開路して、電源303とコンデンサ309とを電気的に切り離した後、第3スイッチS13と第4スイッチS14とを閉路し、コンデンサ309の両端子にマイコン311のA/Dポートを接続するとともに、コンデンサ309の放電を行う。そして、マイコン311(即ち、演算手段)が、検出したコンデンサ309の両端子間の電圧に基づいて電源303の電源電圧の推定を行う。そして、第5スイッチS15を閉路し、コンデンサ309の放電を促進して完全放電した後、第3、第4および第5スイッチを開路する。
このとき、演算手段において推定した電源303の電源電圧が、予め入力された電源電圧の基準となる電源電圧基準範囲内にある場合は(即ち、正常な電圧と判定した場合)、上記動作に引き続き、正端子側地絡抵抗Rp1の抵抗値および負端子側地絡抵抗Rn1の抵抗値を測定する。そして、電源電圧および各地絡抵抗の測定値が正常であれば、所定の周期で、電源303の電源電圧の推定動作と、正端子側地絡抵抗値および負端子側地絡抵抗値の計測動作とを交互に繰り返し実行する。
一方、演算手段において推定した電源303の電源電圧が、前記電源電圧基準範囲内にない場合は(即ち、異常な電圧と判定した場合)、電源303の異常またはいずれかのスイッチ部の異常が生じていると判断されるので、異常箇所の切り分け、および、スイッチ部に異常がある場合の異常発生スイッチの特定のため、各スイッチS11、S12、S13、S14の異常検出動作を行う。具体的には、各スイッチを1つずつ順番に接続していき、そのときのコンデンサ309の電圧を検出して異常が発生したスイッチの特定を行い、異常発生スイッチまたはスイッチに異常がないときは電源303の異常と判断していた。
しかしながら、例えば、第1スイッチS11に短絡故障が発生し、且つ、負側主回路配線305bが地絡(即ち、地絡抵抗Rn1≒0Ω)した場合など、図10から明らかなように、コンデンサ309の両端子間の電圧を検出するとき(即ち、第3スイッチS13、および、第4スイッチS14を閉路)、マイコン311に電源303の電源電圧が直接印可され、また、本回路を構成する各部品に電源303の電源電圧が第1の設定時間を超えて印可されてしまう場合がある(図10点線枠内)。そして、この場合においても前記電源電圧基準範囲内にない(即ち、異常な電圧)との判定がなされてしまうことから、該異常な電圧の判定に応じて実行されるスイッチ異常検出動作によって各スイッチが閉路され、それにより各回路構成部品が長時間高電圧にさらされてしまう。よって、回路焼損などの故障を防ぐために高電圧を想定して回路を構成する必要があり、つまり、高電圧定格且つ不燃性を有する部品を用いる必要があった。そして、抵抗器やダイオードなどの高電圧定格の部品は高価であり、部品外形が大きく、高精度のものを得るのが困難であり、そのため、装置のコストアップ、装置の大型化、地絡抵抗測定精度低下による安全性の低下という問題があった。さらに、マイコンに至っては高電圧定格を有するものが存在せず、高電圧によるストレスの軽減が困難なため、高電圧により故障が発生する場合があり、マイコン311の故障により、絶縁検出動作が全停止してしまい、安全性が確保できないという問題があった。
そして、この問題を解決するため、絶縁検出装置301において、コンデンサの両端子間の電圧が、前記電源電圧基準範囲を超える異常高電圧であることを検出したとき、該検出に応じて全てのスイッチを即時開路することにより、各回路構成部品およびマイコン311に高電圧が印可される時間を、高電圧の影響が無視できる程度に小さくすることで、第3抵抗R13、第4抵抗R14、および、クランプダイオード(図示無し)に標準定格の部品を用いることができ、また、マイコン311の故障発生を防ぐことを可能としていた。
特開2004−170146
しかしながら、全てのスイッチを開路することにより、上記の回路構成部品およびマイコン311を高電圧から保護することが可能となる一方で、電源電圧および各地絡抵抗値の測定に用いていたコンデンサに電荷が残ってしまい、その電荷によって事故が発生するという問題があった。そして、この状態においては、いずれかのスイッチが短絡故障している可能性があり、不用意にスイッチを閉路してコンデンサの放電を行うと、例えば、図11に示すように、第2スイッチS12に短絡故障が発生し且つ正側主回路配線305aが地絡した場合など、閉路11によりコンデンサ309は放電されるものの、閉路12により、標準定格の第4抵抗R14と電源303とが直列に接続され、定格値以上の電圧が印可されて回路の焼損が生じてしまうなどの問題があり、コンデンサに電荷が残っているにもかかわらず、その放電処理を行うことができないという問題があった。
したがって、本発明の目的は、コストアップおよび装置を大型化することなく安全性を確保し、故障発生時のコンデンサの電荷による事故を防止する非接地電源の絶縁検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1に記載の非接地電源の絶縁検出装置は、接地電位部から絶縁された直流電源の正端子および負端子に接続され且つ電圧検出手段により電圧が検出されるコンデンサと、前記正端子を順次直列に接続された第1ダイオードおよび第1抵抗を介して前記コンデンサの一方の端子に接続するための第1スイッチと、前記負端子を前記コンデンサの他方の端子に接続するための第2スイッチと、前記第1スイッチと前記第1ダイオードとを接続する配線と前記電圧検出手段との間に直列に接続され且つ前記コンデンサの一方の端子を順次直列に接続された第2ダイオードおよび第2抵抗を介して前記電圧検出手段に接続するための第3スイッチと、前記コンデンサの他方の端子を第4抵抗を介して前記接地電位部に接続するための第4スイッチと、前記コンデンサの一方の端子を放電抵抗を介して前記接地電位部に接続するための第5スイッチと、前記第3スイッチと前記電圧検出手段とを接続する配線と前記接地電位部との間に接続された第3抵抗と、前記第1スイッチおよび前記第4スイッチを閉路して充電した前記コンデンサの電圧に基づいて前記負端子と前記接地電位部との間の負端子側地絡抵抗値を算出し、且つ、前記第2スイッチおよび前記第3スイッチを閉路して充電した前記コンデンサの電圧に基づいて前記正端子と前記接地電位部との間の正端子側地絡抵抗値を算出する演算手段と、前記電圧検出手段が検出した電圧が、予め定められた上限電圧を超える異常高電圧であることを判定する異常高電圧判定手段と、前記コンデンサの充電および前記コンデンサの電圧の検出のための前記第1、第2、第3、第4および第5スイッチの開閉制御を行うスイッチ制御手段、とを有し、前記スイッチ制御手段は、前記異常高電圧判定手段の異常高電圧の判定に応じて、前記第1、第2、第3、第4および第5スイッチを開路する手段である非接地電源の絶縁検出装置において、前記演算手段が周期的に算出した正端子側地絡抵抗値を記憶する記憶手段と、前記異常高電圧判定手段の異常高電圧の判定に応じて、前記記憶手段により記憶されている前回算出された正端子側地絡抵抗値が予め定められた基準地絡抵抗値より大きいことを判定する地絡抵抗値判定手段と、を有し、前記スイッチ制御手段が、地絡抵抗値判定手段の基準地絡抵抗値より大きいとの判定に応じて、前記第4スイッチおよび前記第5スイッチを閉路する手段であることを特徴とするものである。
請求項1に記載した本発明の非接地電源の絶縁検出装置によれば、スイッチ制御手段が、地絡抵抗値判定手段の基準地絡抵抗値より大きいとの判定に応じて、前記第4スイッチおよび前記第5スイッチを閉路することから、前回算出した地絡抵抗値が、予め定められた基準地絡抵抗値より大きく回路焼損のおそれのないとき、即ち、回路構成部品(例えば、第4抵抗)の定格値以上の高電圧が印可されるおそれのないときに、コンデンサに蓄積された電荷の放電を行うので、回路構成部品に高電圧定格のものを用いることなく、コンデンサの放電に伴うスイッチの閉路によって生じる回路焼損を防止することができ、また、コンデンサの放電を行うことにより、コンデンサに残存した電荷による事故を未然に防止することができる。よって、装置のコストアップおよび大型化を回避しつつ安全性を確保し、故障発生時のコンデンサの電荷による事故を防止することができる。
次に、本発明に係る非接地電源の絶縁検出装置の一実施形態について、図1〜8を参照して説明する。
本実施形態の絶縁検出装置1は、図1に示すように、例えば電力を利用して推進力を得る電気推進車両などの電力源となる直流の電源3に対して適用したものである。電源3は、複数の蓄電池などを直列接続したものであり、電源3の正端子側の正側主回路配線(即ち、正端子側配線)5aと負端子側の負側主回路配線(即ち、負端子側配線)5bが、各々、接地電位部7(例えば、車体など)から絶縁されており、電源3は非接地電源となっている。絶縁検出装置1は、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第4スイッチS4、第5スイッチS5、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4抵抗R4、第5抵抗R5、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、クランプダイオードDc、コンデンサ9、および、マイコン11などで構成されている。
マイコン11は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)、該CPUのためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM、各種のデータを格納するとともにCPUの処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM、および、電圧で示されたアナログ値をデジタル値に変換してCPUに読み込むためのA/Dポート等を有して構成されている。
マイコン11のCPUは、ROMに格納されたプログラムにより、コンデンサ9の両端子間の電圧を検出する電圧検出手段、該電圧検出手段で検出したコンデンサ9の電圧が予め定められた上限電圧を超える異常高電圧であることを判定する異常高電圧判定手段、電圧検出手段で検出した電圧に基づいて電源3の電源電圧を推定する推定手段、推定手段が推定した電源電圧と、正端子側配線と接地電位部との間または負端子側配線と接地電位部との間にコンデンサ9を直列に接続した後に電圧検出手段が検出したコンデンサ9の電圧とに基づいて正端子側地絡抵抗Rpの抵抗値および負端子側地絡抵抗Rnの抵抗値を算出する演算手段、推定手段で推定した電源電圧が異常電圧であることを判定する電圧判定手段、各スイッチで生じた異常を検出する異常検出手段、直前に測定した正端子側地絡抵抗値が予め定められた基準地絡抵抗値より大きいことを判定する地絡抵抗値判定手段、各スイッチの開閉制御を行うスイッチ制御手段、演算手段が求めた各地絡抵抗値に基づいて絶縁状態判定する絶縁状態判定手段、異常検出時に警報を報知する報知手段、および、所定の設定時間を計時する計時手段などの各種手段として動作する。
また、マイコン11のROMにはCPUを上記各手段として動作させるためのプログラムが格納されており、他にも、異常高電圧を判定する基準となる上限電圧、異常な電源電圧を判定する基準となる電源電圧基準範囲、および、コンデンサ放電が可能な絶縁状態であるかを判定する基準となる基準地絡抵抗値、コンデンサ電圧の読み込み誤差基準値などの、各種判定基準情報が格納されている。マイコン11のRAMは、請求項の記憶手段に相当し、演算手段が算出した正端子側地絡抵抗値および負端子側地絡抵抗値が一時的に格納され、各地絡抵抗値が算出される毎に、RAMに格納された該抵抗値が更新される。つまり、直前に測定した各地絡抵抗値が保持されている。また、動作開始直後の初期化時に、各地絡抵抗値は初期値として0Ωが格納される。マイコン11のA/Dポートは、コンデンサ9の両端子に接続され、コンデンサの電圧をデジタル値に変換してCPUに渡している。
なお、マイコン11にて実現しているスイッチ制御手段を、スイッチング制御回路としてマイコン11と別体で構成するなどして、電圧検出手段、異常高電圧判定手段、推定手段、演算手段、電圧判定手段、異常検出手段、記憶手段、地絡抵抗値判定手段及びスイッチ制御手段などを、別体または一体に適宜形成できる。
次に上述の回路構成部品の接続について、図1を参照して説明する。電源3の正端子側には、この正端子側から第1スイッチS1及び第3スイッチS3が順次直列に接続され、電源3の負端子側には、この負端子側から第2スイッチS2、第4スイッチS4及び第4抵抗R4が順次直列に接続されている。第1スイッチS1と第3スイッチS3との間から第2スイッチS2と第4スイッチS4との間には、第1ダイオードD1、第1抵抗R1及びコンデンサ9が順次直列に接続されている。第1抵抗R1とコンデンサ9との間から第1スイッチS1と第3スイッチS3との間には、第2ダイオードD2及び第2抵抗R2が順次直列に接続されている。すなわち、第1ダイオードD1及び第1抵抗R1と、第2ダイオードD2及び第2抵抗R2とは並列に接続されている。また、第2ダイオードD2と第2抵抗R2との間の部位から接地電位部7に、コンデンサ9の放電を促進するバイパス手段として、第5スイッチS5、そして第2抵抗R2よりも抵抗が低い第5抵抗R5(請求項の放電抵抗に相当)が順次直列に接続されている。第1ダイオードD1は、正側から負側に向かう方向に整流するものであり、第2ダイオードD2は、第1ダイオードD1と逆方向に整流するものである。また、図1で示した第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第4スイッチS4、第5スイッチS5は、例えば光MOSFET等のスイッチ機能を有する部品からなるスイッチ部を接点として模式的に示したものであり、これら各スイッチとしては、電源3の主回路配線との絶縁を確保するため、該主回路配線から絶縁された信号によって制御されるものが好ましい。
第3スイッチS3と第4抵抗R4間には、第3スイッチS3と第4抵抗R4に対して直列に第3抵抗R3が接続されており、第3スイッチS3と第3抵抗R3との間には、マイコン11のアナログ/デジタル変換ポートつまりA/Dポートが接続されている。また、接地電位部からA/Dポートに向かうクランプダイオードDcが接続されている。第3抵抗R3と第4抵抗R4との間の部位は、接地電位部7に接地されている。
また、各スイッチおよびスイッチ制御手段(即ち、マイコン11)は、絶縁検出装置1の回路接続を制御する5つのスイッチング手段を構成している。電源3にコンデンサ9を直列に第1の設定時間の間接続する第1のスイッチング手段は、第1スイッチS1、第2スイッチS2及びスイッチ制御手段などで、電源3の正端子と接地電位部7との間にコンデンサ9を直列に第2の設定時間の間接続する第2のスイッチング手段は、第1スイッチS1、第4スイッチS4及びスイッチ制御手段などで、接地電位部7と電源3の負端子との間にコンデンサ9を直列に第3の設定時間の間接続する第3のスイッチング手段は、第2スイッチS2、第3スイッチS3及びスイッチ制御手段などで、第4のスイッチング手段は、第3スイッチS3、第4スイッチS4及びスイッチ制御手段などで、コンデンサ9の放電を行う第5のスイッチング手段は、第4スイッチS4、第5スイッチS5及びスイッチ制御手段などで構成されている。なお、コンデンサ9には、例えば数μFといった比較的高容量のものが用いられ、第1抵抗R1と第2抵抗R2には、例えば数百kΩといった比較的高い抵抗値のものが用いられ、第3抵抗R3および第4抵抗R4は数kΩといった比較的低い抵抗値のものが用いられている。また、第3抵抗R3、第4抵抗R4、クランプダイオードDc、および、マイコン11には、通常の絶縁検出動作に適合する標準定格部品が用いられており、他の回路構成部品には高電圧定格部品が用いられている。
次に、上述した構成の絶縁検出装置1の異常高電圧検出時の概略動作について説明する。本実施形態の絶縁検出装置1による絶縁状態の計測は、図2に示されるように、電源3の電源電圧を推定するための電源電圧推定過程P101、電源電圧推定過程P101および絶縁抵抗計測過程P107において検出した電圧が異常高電圧のときに各スイッチング手段を接続開放する接続開放過程P102、正端子側地絡抵抗Rpの抵抗値が予め定められた基準地絡抵抗値より大きいことを判定する地絡抵抗値判定P103、正端子側地絡抵抗Rpの抵抗値が基準地絡抵抗値より大きいと判定された場合に実施されるコンデンサ放電過程P104、電源電圧推定過程P101で推定した電源電圧から電源電圧の異常を検出する電源電圧異常判定P105、電源電圧異常判定P105で電源電圧が異常と判定された場合に実施される各スイッチS2、S1、S3、S4の異常を検出するためのスイッチ異常検出過程P106、そして、絶縁抵抗計測過程P107により行われる。
電源電圧推定過程P101では、図3及び図4に示すように、電源電圧推定過程P101を開始すると、スイッチ制御手段が第1スイッチS1及び第2スイッチS2を第1の設定時間である第1閉路時間T1の間、閉路する(ステップP201)。すなわち、第1のスイッチング手段により、接地電位部7を介さずに電源3にコンデンサ9を直列に接続する回路が形成され、第1閉路時間T1の間、コンデンサ9への充電が行われ、コンデンサ9の両端子間の電圧VCが上昇する。なお、第1閉路時間T1は、コンデンサ9を完全に充電するのに必要な時間よりも短い時間に設定されており、例えばコンデンサ9を完全に充電するのに必要な時間の1/5〜1/10といったような短い時間となっており、第1閉路時間T1は、必要とされる絶縁抵抗の計測誤差範囲によって選択されたものである。
ステップP201において第1閉路時間T1が経過すると、第1スイッチS1及び第2スイッチS2が開路つまり遮断され、第1閉路時間T1よりも短い所定時間tw1経過後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路される(ステップP203)。すなわち、第4のスイッチング手段により、コンデンサ9の両端子間の電圧を検出する電圧検出手段(即ち、マイコン11)が接続された回路が形成されると共に、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含むコンデンサ9からの放電回路が形成され、コンデンサ9の両端子間の電圧VCが降下する。ここで、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップP205)。
電圧VCの読み込みは、所定の間隔で複数回、例えば、3回連続して読み込みを行う。そして、読み込んだ各電圧値を互いに比較し、それぞれの値の差異が著しく大きければ、ノイズによる影響と判断して再度複数回の読み込みを行い、それぞれの値の差異が予め定められた読み込み誤差基準値より小さくなった時点で、各値の平均を算出して検出電圧V0とする。そして、マイコン11のROMに格納されている、予め定められた上限電圧と検出電圧V0とを比較し、検出電圧V0が上限電圧を超えていたとき、異常高電圧と判定し、電源電圧推定過程P101を抜けて、接続開放過程P102に移行する(ステップP206でyes)。また、V0が上限電圧以下であれば、引き続き電源電圧の推定処理を行う(ステップP206でno)。
コンデンサ9の両端子間電圧VCの値つまり検出電圧V0により、次式(1)から推定の電源電圧V0sを算出する(ステップP207)。
V0s=V0/(1−EXP(−T1/C・R1)) …(1)
ただし、式(1)において、T1は第1スイッチS1及び第2スイッチS2の閉路時間、Cはコンデンサ9の容量、R1は第1抵抗R1の抵抗値である。
V0s=V0/(1−EXP(−T1/C・R1)) …(1)
ただし、式(1)において、T1は第1スイッチS1及び第2スイッチS2の閉路時間、Cはコンデンサ9の容量、R1は第1抵抗R1の抵抗値である。
一方、スイッチ制御手段は、ステップP205でコンデンサ9の両端子間の電圧VCを検出した後、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第2抵抗R2をバイパスさせることで、第2抵抗R2の抵抗値を下げた状態とし、コンデンサ9からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して、第1閉路時間T1よりも短い所定時間td1経過後、第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込み、電圧VCが0Vであることを確認する(ステップP209)。そして、電源電圧推定過程P101を終了し、電源電圧異常判定P105に進む。
接続開放過程P102では、電源電圧推定過程P101のステップP206または絶縁抵抗計測過程P107のステップP304、P312において、検出電圧が予め定められた上限電圧を超える異常高電圧であることが判定されたことにより、第1スイッチの短絡故障と負端子側の地絡とが同時に発生、または、第2スイッチの短絡故障と正端子側配線の地絡とが同時に発生したものと判断し、スイッチ制御手段(即ち、マイコン11)は、直ちに、第1、第2、第3、第4および第5スイッチの全てを開路する。この動作により、即時回路を遮断するので、電源3の高電圧が各回路構成部品に印可される時間を極めて短くすることができ、そのため、通常動作において適合する標準定格の部品を用いることを可能としている。そして、地絡抵抗値判定P103に進む。
地絡抵抗値判定P103では、コンデンサ9に残っている可能性のある電荷を安全に放電することができるか判定する。スイッチ故障が発生し且つ地絡抵抗値が小さい状態では、例えば、コンデンサの放電、地絡抵抗値の測定、または、異常スイッチの検出を行うためにスイッチを閉路すると、高電圧である電源3の電源電圧が標準定格の部品に印可され、定格値以上の電圧印可による回路焼損が発生する可能性があり、不用意にスイッチを閉路することができない。例えば、図5に示すように、第2スイッチS2が短絡故障し且つ正端子側配線5aが地絡(即ち、正端子側地絡抵抗Rp≒0Ω)した場合において、コンデンサ9の放電を行った場合、閉路1により、コンデンサ9の放電が行われるものの、閉路2により、電源3の電源電圧が標準定格部品の第4抵抗R4に印可されてしまうため、回路が焼損する可能性がある。その一方で、図6に示すように、第1スイッチS1が短絡故障し且つ負端子側配線5bが地絡(即ち、負端子側地絡抵抗Rn≒0Ω)した場合において、コンデンサ9の放電を行った場合、閉路1により、コンデンサ9の放電が行われ、また、閉路3において、電源3が接続された閉路が構成されてしまうものの、第1抵抗R1および第2抵抗R2は高電圧定格品のため、回路が焼損することがない。よって、正端子側地絡抵抗値が、回路焼損が生じない程度に大きい値、具体的には、正端子側地絡抵抗Rpと第4抵抗R4が直列に接続されたときの第4抵抗R4に印可される分圧された電圧が定格を超えない電圧となる正端子側地絡抵抗値であれば、コンデンサ9の放電が可能なことがわかる。
そして、異常高電圧を検出した時点での地絡抵抗値を測定することはできないが、正端子地絡抵抗値、および、負端子地絡抵抗値は、急激に低下することがないため、直前に測定した地絡抵抗値を、現在の地絡抵抗値と見なすことができる。よって、マイコン11のRAMに格納されている直前に測定された正端子側地絡抵抗値を参照して、その抵抗値を現在の正端子側地絡抵抗Rpの抵抗値と見なし、該抵抗値が予め定められた基準地絡抵抗値より大きいときは、回路焼損が発生しないものとして、コンデンサ放電過程P104に進む(ステップP103でyes)。また、正端子側地絡抵抗Rpの抵抗値が基準地絡抵抗値より小さいときは、スイッチ閉路により回路焼損の危険があるため、例えば絶縁抵抗値の計測を中止し、警報などにより異常を報知する。このとき、コンデンサ9に電荷が残っている可能性があることを併せて報知しても良い。
コンデンサ放電過程P104では、図4に示すように、第5のスイッチング手段により、第4スイッチS4と第5スイッチS5とを閉路し、コンデンサ9に充電されている電荷を放電する。そして、例えば絶縁抵抗値の計測を中止し、警報などにより異常を報知する。
電源電圧異常判定P105では、図2に示すように、マイコン11は、電源電圧推定過程P101で推定した電源3の電源電圧V0sと予め定められた電源電圧の基準となる電源電圧基準範囲とを比較し、電源電圧推定過程P101で推定した電源電圧V0sの値が電源電圧基準範囲から外れているとき、電源電圧の異常と判定する。ただし、絶縁検出装置1の構成及び絶縁抵抗の検出動作などからもわかるように、推定した電源電圧V0sは、スイッチ部の故障などの異常が生じている場合にも異常な値を示す。そこで、電源電圧異常判定P105において電源電圧の異常が判定された場合、電源電圧の異常またはスイッチ部の異常が生じていると判断されるため、異常の原因の判断、そしてスイッチ部に異常がある場合の異常があるスイッチの特定のため、各スイッチS1、S2、S3、S4のスイッチ異常検出過程P106を行う。
スイッチ異常検出過程P106は、図7に示すように、第2スイッチ異常検出過程P115、第1スイッチ異常検出過程P117、第3スイッチ異常検出過程P119及び第4スイッチ異常検出過程P121からなり、各スイッチに対して順に異常検出動作を行うものである。なお、第1〜第4スイッチ異常検出過程については、出願人が先に提案している特開2004−170146号公報(特許文献1)で開示しているものと同一であるので、ここでは詳述しない。
そして、各スイッチ異常検出過程P115、P117、P119、P121でスイッチの異常が検出されなかった場合、つまり電源電圧自体の異常であることが検出された場合、例えば絶縁抵抗値の計測を中止し、警報などにより異常を報知する。また、図2及び図4に示すように、電源電圧異常判定P105において電源電圧の異常が検出されなかった場合、絶縁抵抗計測過程P107に進む。
絶縁抵抗計測過程P107では、スイッチ制御手段は、図4及び図8に示すように、第1スイッチS1及び第4スイッチS4を第2の設定時間である第2閉路時間T2の間、閉路する(ステップP301)。
すなわち、第2のスイッチング手段により、電源3の正端子と接地電位部7との間にコンデンサ9を直列に接続した回路、つまり、図1に示すように、正側主回路配線5a、第1スイッチS1、第1ダイオードD1、第1抵抗R1、コンデンサ9、第4スイッチS4、第4抵抗R4、接地電位部7、そして図1において点線で示すような位置に仮定される負端子側の地絡抵抗Rn、負側主回路配線5bを順次直列に電源3に接続した回路が形成される。これにより、第2閉路時間T2の間、コンデンサ9への充電が行われ、図4に示すように、地絡抵抗Rnの値に応じてコンデンサ9の両端子間の電圧VCが上昇する。なお、第2の設定時間である第2閉路時間T2も、第1閉路時間T1と同様に、コンデンサ9を完全に充電するのに必要な時間よりも短く、所定時間tw1、td1よりも長い時間に設定されている。
ステップP301において第2閉路時間T2が経過すると、図4及び図8に示すように、第1スイッチS1が開路つまり遮断され、所定時間tw1経過後、第3スイッチS3が閉路され、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態となる。すなわち、第4のスイッチング手段により、コンデンサ9の両端子間の電圧を検出するマイコン11が接続された回路が形成されると共に、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含むコンデンサ9からの放電回路が形成され、コンデンサ9の両端子間の電圧VCが降下する。そして、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップP303)。
電圧VCの読み込みは、所定の間隔で複数回、例えば、3回連続して読み込みを行う。そして、読み込んだ各電圧値を互いに比較し、それぞれの値の差異が著しく大きければ、ノイズによる影響と判断して再度複数回の読み込みを行い、それぞれの値の差異が予め定められた読み込み誤差基準値より小さくなった時点で、各値の平均を算出して検出電圧VCNとする。そして、マイコン11のROMに格納されている、予め定められた上限電圧と検出電圧VCNとを比較し、検出電圧VCNが上限電圧を超えていたとき、異常高電圧と判定し、絶縁抵抗計測過程P107を抜けて、接続開放過程P102に移行する(ステップP304でyes)。また、VCNが上限電圧以下であれば、引き続き地絡抵抗の計測処理を行う(ステップP304でno)。
このときのコンデンサ9の両端子間電圧VCの値つまり検出電圧VCNにより、次式(2)から電源3の負端子側の接地電位部7となる車体などに対する絶縁抵抗、すなわち負端子側の地絡抵抗Rnを算出する(ステップP305)。
Rn=−R1−T2/C・ln(1−VCN/V0s) …(2)
ただし、式(2)において、T2は第1スイッチS1及び第4スイッチS4の閉路時間、Cはコンデンサ9の容量、R1は第1抵抗R1の抵抗値、電源電圧V0sは電源電圧推定過程P101で推定した電源電圧である。
Rn=−R1−T2/C・ln(1−VCN/V0s) …(2)
ただし、式(2)において、T2は第1スイッチS1及び第4スイッチS4の閉路時間、Cはコンデンサ9の容量、R1は第1抵抗R1の抵抗値、電源電圧V0sは電源電圧推定過程P101で推定した電源電圧である。
一方、マイコン11は、ステップP305でコンデンサ9の両端子間の電圧VCを検出した後、マイコン11のRAMに負端子側地絡抵抗Rnの抵抗値を記憶し(ステップP306)、そして、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第2抵抗R2をバイパスさせることで、第2抵抗R2の抵抗値を下げた状態とし、コンデンサ9からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して、第2閉路時間T2よりも短い所定時間td2経過後、第3スイッチS3、第4スイッチS4及び第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップP307)。
ステップP307で電圧VCが0Vであることが確認されたら、スイッチ制御手段は、第2スイッチS2及び第3スイッチS3を、第3の設定時間として第2の設定時間と同じ第2閉路時間T2の間、閉路する(ステップP309)。すなわち、第3のスイッチング手段により、接地電位部7と電源3の負端子との間にコンデンサ9を直列に接続した回路、つまり、図1に示すように、正側主回路配線5a、図1において点線で示すような位置に仮定される正端子側の地絡抵抗Rp、接地電位部7、第3抵抗R3、第3スイッチS3、第1ダイオードD1、第1抵抗R1、コンデンサ9、第2スイッチS2、そして負側主回路配線5bを順次直列に電源3に接続した回路が形成される。これにより、第2閉路時間T2の間、コンデンサ9への充電が行われ、図4に示すように、地絡抵抗Rpの値に応じてコンデンサ9の両端子間の電圧VCが上昇する。
ステップP309において第2閉路時間T2が経過すると、図4及び図8に示すように、第2スイッチS2が開路つまり遮断され、所定時間tw1経過後、第4スイッチS4が閉路され、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態となる。すなわち、第4のスイッチング手段により、コンデンサ9の両端子間の電圧を検出するマイコン11が接続された回路が形成されると共に、第2抵抗R2、第3抵抗R3、そして第4抵抗R4を含むコンデンサ9からの放電回路が形成され、コンデンサ9の両端子間の電圧VCが降下する。そして、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップP311)。
電圧VCの読み込みは、所定の間隔で複数回、例えば、3回連続して読み込みを行う。そして、読み込んだ各電圧値を互いに比較し、それぞれの値の差異が著しく大きければ、ノイズによる影響と判断して再度複数回の読み込みを行い、それぞれの値の差異が予め定められた読み込み誤差基準値より小さくなった時点で、各値の平均を算出して検出電圧VCPとする。そして、マイコン11のROMに格納されている、予め定められた上限電圧と検出電圧VCPとを比較し、検出電圧VCPが上限電圧を超えていたとき、異常高電圧と判定し、絶縁抵抗計測過程P107を抜けて、接続開放過程P102に移行する(ステップP312でyes)。また、VCNが上限電圧以下であれば、引き続き地絡抵抗の計測処理を行う(ステップP312でno)。
このときのコンデンサ9の両端子間電圧VCの値つまり検出電圧VCPにより、次式(3)から電源3の正端子側の接地電位部7となる車体などに対する絶縁抵抗、すなわち正端子側の地絡抵抗Rpを算出する(ステップP313)。
Rp=−R1−T2/C・ln(1−VCP/V0s) …(3)
ただし、式(3)において、T2は第2スイッチS2及び第3スイッチS3の閉路時間、Cはコンデンサ9の容量、R1は第1抵抗R1の抵抗値、電源電圧V0sは電源電圧推定過程P101で推定した電源電圧である。
Rp=−R1−T2/C・ln(1−VCP/V0s) …(3)
ただし、式(3)において、T2は第2スイッチS2及び第3スイッチS3の閉路時間、Cはコンデンサ9の容量、R1は第1抵抗R1の抵抗値、電源電圧V0sは電源電圧推定過程P101で推定した電源電圧である。
一方、マイコン11は、ステップP313でコンデンサ9の両端子間の電圧VCを検出した後、マイコン11のRAMに正端子側地絡抵抗Rpの抵抗値を記憶し(ステップP314)、そして、第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路された状態で、第5スイッチS5を閉路して第2抵抗R2をバイパスさせることで、第2抵抗R2の抵抗値を下げた状態とし、コンデンサ9からの放電に要する時間を短縮する。第5スイッチS5を閉路して所定時間td2経過後、第3スイッチS3、第4スイッチS4及び第5スイッチS5を開路つまり遮断した後、マイコン11は、A/Dポートを介してA/D変換データ、つまりコンデンサ9の両端子間の電圧VCを読み込む(ステップP315)。そして、ステップP315で電圧VCが0Vであることが確認された時点で、1回の絶縁状態の検出サイクルを終了する。また、絶縁状態の検出を行う間、図2、図3及び図8に示す、上述した検出サイクルを繰り返す。なお、本実施形態では、第2の設定時間および第3の設定時間を、第2閉路時間T2としていたが、これに限らずそれぞれ別個に適切な値に設定してよい。
マイコン11は、1回の絶縁状態の検出サイクルで求めた電源3の正端子側の地絡抵抗Rpと、負端子側の地絡抵抗Rnの値から絶縁状態を判定する。例えば、電源3の正端子側の地絡抵抗Rpと、予め定められた基準抵抗値とを比較し、地絡抵抗Rpが基準抵抗値以下になっている場合には、絶縁不良が生じていると判定し、その後、例えば、絶縁抵抗値の計測を中止し、警報などにより異常を報知する。なお、上記電源電圧推定過程P101のステップP205、絶縁抵抗計測過程P107のステップP303およびP311は、請求項の電圧検出手段に相当し、電源電圧推定過程P101のステップP206、絶縁抵抗計測過程P107のステップP304およびP312は、請求項の異常高電圧判定手段に相当し、絶縁抵抗計測過程P107のステップP305およびP313は、請求項の演算手段に相当し、地絡抵抗値判定P103は、請求項の地絡抵抗値判定手段に相当する。また、本実施形態では、電源電圧を推定手段により推定し、推定した電源電圧を用いて地絡抵抗値を算出していたが、これに限定するものではなく、予め入力された電源電圧値に基づいて地絡抵抗値を算出するなど、その算出方法は任意である。また、推定手段、電圧判定手段、異常検出手段についても、実施形態に合わせて、それら実装は任意である。
このように、本実施形態の非接地電源の絶縁検出装置1によれば、前回測定した正端子側地絡抵抗Rpの抵抗値が基準地絡抵抗値より大きいとき、第4スイッチS4および第5スイッチS5を閉路することから、即ち、回路構成部品(第4抵抗R4)の定格値以上の高電圧印可による回路焼損のおそれのないとき、コンデンサ9に蓄積された電荷の放電を行うので、回路構成部品に高電圧定格のものを用いることなく、コンデンサ9の放電に伴うスイッチの閉路によって生じる回路焼損を防止することができ、また、コンデンサ9の放電を行うことにより、コンデンサ9に残存した電荷による事故を未然に防止することができる。よって、装置のコストアップおよび大型化を回避しつつ安全性を確保し、故障発生時のコンデンサの電荷による事故を防止することができる。
また、本発明は、本実施形態において示した回路構成に限らず、フライングコンデンサ(また、フライングキャパシタとも言う)方式を採用した回路であれば、電圧計測回路や絶縁検出回路等の任意の回路に適用が可能である。
なお、上述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 絶縁検出装置
3 直流電源
7 接地電位部
9 コンデンサ
11 マイコン
S1、S2、S3、S4、S5 第1、第2、第3、第4および第5スイッチ
3 直流電源
7 接地電位部
9 コンデンサ
11 マイコン
S1、S2、S3、S4、S5 第1、第2、第3、第4および第5スイッチ
Claims (1)
- 接地電位部から絶縁された直流電源の正端子および負端子に接続され且つ電圧検出手段により電圧が検出されるコンデンサと、前記正端子を順次直列に接続された第1ダイオードおよび第1抵抗を介して前記コンデンサの一方の端子に接続するための第1スイッチと、前記負端子を前記コンデンサの他方の端子に接続するための第2スイッチと、前記第1スイッチと前記第1ダイオードとを接続する配線と前記電圧検出手段との間に直列に接続され且つ前記コンデンサの一方の端子を順次直列に接続された第2ダイオードおよび第2抵抗を介して前記電圧検出手段に接続するための第3スイッチと、前記コンデンサの他方の端子を第4抵抗を介して前記接地電位部に接続するための第4スイッチと、前記コンデンサの一方の端子を放電抵抗を介して前記接地電位部に接続するための第5スイッチと、前記第3スイッチと前記電圧検出手段とを接続する配線と前記接地電位部との間に接続された第3抵抗と、前記第1スイッチおよび前記第4スイッチを閉路して充電した前記コンデンサの電圧に基づいて前記負端子と前記接地電位部との間の負端子側地絡抵抗値を算出し、且つ、前記第2スイッチおよび前記第3スイッチを閉路して充電した前記コンデンサの電圧に基づいて前記正端子と前記接地電位部との間の正端子側地絡抵抗値を算出する演算手段と、前記電圧検出手段が検出した電圧が、予め定められた上限電圧を超える異常高電圧であることを判定する異常高電圧判定手段と、前記コンデンサの充電および前記コンデンサの電圧の検出のための前記第1、第2、第3、第4および第5スイッチの開閉制御を行うスイッチ制御手段、とを有し、前記スイッチ制御手段は、前記異常高電圧判定手段の異常高電圧の判定に応じて、前記第1、第2、第3、第4および第5スイッチを開路する手段である非接地電源の絶縁検出装置において、
前記演算手段が周期的に算出した正端子側地絡抵抗値を記憶する記憶手段と、
前記異常高電圧判定手段の異常高電圧の判定に応じて、前記記憶手段により記憶されている前回算出された正端子側地絡抵抗値が予め定められた基準地絡抵抗値より大きいことを判定する地絡抵抗値判定手段と、を有し、
前記スイッチ制御手段が、地絡抵抗値判定手段の基準地絡抵抗値より大きいとの判定に応じて、前記第4スイッチおよび前記第5スイッチを閉路する手段であることを特徴とする非接地電源の絶縁検出装置。
Priority Applications (1)
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JP2007204020A JP2009041920A (ja) | 2007-08-06 | 2007-08-06 | 非接地電源の絶縁検出装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-08-06 JP JP2007204020A patent/JP2009041920A/ja not_active Withdrawn
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