JP2009041728A - 転がり軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑剤(油)の循環効率を向上させることで軸受の温度上昇を抑制することが可能な冷却性能及び潤滑性能に優れた転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】軸と共に回転する内輪2と、内輪に対向配置された外輪4a,4bと、内外輪間に複列で転動自在に組み込まれた複数の転動体(ころ)6とを備え、内輪は、軸(鉄道車両車軸)Axに嵌合された軸端ナット14と油切り部材16との間に挟持された状態で位置決め固定され、且つ、油浴潤滑で用いられる転がり軸受装置であって、内輪には、その軸端ナットに隣接した位置に、当該軸端ナットの外径よりも大きな径寸法を有する突起部18tが少なくとも1つ設けられていると共に、その油切り部材に隣接した位置に、当該内輪外径及び油切り部材の外径よりも大きな径寸法を有するリング部材32が少なくとも1つ設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、油浴潤滑で用いられる転がり軸受装置に関し、特に鉄道車両車軸用軸受の改良に関する。
現在、油浴潤滑で用いられる転がり軸受装置として、例えば鉄道車両車軸用軸受には、油浴潤滑による潤滑方式が多く用いられている。その一例として、特許文献1には、外輪外周を覆って装着された軸箱内に、潤滑剤である油を油溜りを通して循環させるための前蓋側環状流路部と後蓋側環状流路部とが互いに同容積で構成された鉄道車両が示されている。また、特許文献2には、軸受回転時の遠心力を利用したスリンガー効果によって、潤滑剤である油を油通過流路を通して循環させる円筒ころ軸受装置が示されている。
ところで、特許文献1,2をはじめ各種の鉄道車両車軸用軸受は、高速回転環境下で連続して使用されている。このため、軸受の高速回転に伴って撹拌される潤滑剤(油)の撹拌抵抗の大きさによっては、潤滑剤(油)の循環効率が低下し、潤滑剤(油)と軸受との間の熱交換による軸受の冷却性能を一定に維持することができなってしまう場合がある。この場合、軸受周りの発熱量が大きくなり、軸受の温度が許容範囲を超えて上昇してしまう。そうなると、軸受の潤滑性能を長期に亘って一定に維持することが困難になり、その結果、軸受が早期に劣化したり、潤滑剤(油)が軸受外部へ漏洩したりしてしまう虞がある。
特開2006−83945号公報 特開平11−230178号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、潤滑剤(油)の循環効率を向上させることで軸受の温度上昇を抑制することが可能な冷却性能及び潤滑性能に優れた転がり軸受装置を提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、軸と共に回転する内輪と、内輪に対向配置された外輪と、内外輪間に複列で転動自在に組み込まれた複数の転動体とを備え、内輪は、軸に嵌合された軸端ナットと油切り部材との間に挟持された状態で位置決め固定され、且つ、油浴潤滑で用いられる転がり軸受装置であって、内輪には、その軸端ナットに隣接した位置に、当該軸端ナットの外径よりも大きな径寸法を有する突起部が少なくとも1つ設けられていると共に、その油切り部材に隣接した位置に、当該内輪外径及び油切り部材の外径よりも大きな径寸法を有するリング部材が少なくとも1つ設けられている。
このような発明において、外輪は、外輪間座を介在した状態で複列に構成配置されており、外輪間座には、その外周を一部周方向に沿って連続して窪ませたグルービング溝が形成されていると共に、当該外輪間座を半径方向に貫通して形成された複数の貫通穴がグルービング溝に沿って所定間隔で設けられている。
本発明によれば、潤滑剤(油)の循環効率を向上させることで軸受の温度上昇を抑制することが可能な冷却性能及び潤滑性能に優れた転がり軸受装置を実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受装置について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、転がり軸受装置の一例として鉄道車両車軸用軸受を想定して説明する。
図1(a)には、鉄道車両車軸用軸受として、油浴潤滑で用いられる複列円筒ころ軸受が示されており、当該複列円筒ころ軸受には、軸(鉄道車両車軸)Axと共に回転する内輪2と、内輪2に対向配置された外輪4a,4bと、内輪2及び外輪4a,4bの対向面にそれぞれ周方向に連続し且つ複列で形成された軌道面2s,4s間に沿って転動自在に組み込まれた複数の転動体(ころ)6と、複数の転動体(ころ)6を1つずつ回転自在に保持しながら、内外輪2,4a,4b間に沿って公転する保持器8とが設けられている。
この軸受において、鉄道車両車軸Axには、単体(一体型)の内輪2が嵌合されており、当該内輪2の外側に対向して複数(図面では一例として2つ)の外輪4a,4bが環状の軸箱10に嵌合(固定)されている。この場合、各外輪4a,4bは、外輪間座12を介在した状態で複列に構成配置されており、それぞれの外輪4a,4bの対向面(内周)に軌道面4s(即ち、外輪軌道面4s)が形成されている。一方、単体の内輪2には、複列の外輪軌道面4sに対向する対向面(外周)に軌道面2s(即ち、内輪軌道面2s)が形成されている。
また、2つの外輪軌道面4sの両側には、それぞれ、当該軌道面4sに沿って環状の外輪つば部4tが突設されており、一方、1つの内輪軌道面2sの両側には、当該軌道面2sに沿って環状の内輪つば部2tが突出されている。この場合、内輪2は、鉄道車両車軸Axに嵌合された軸端ナット14と油切り部材16との間に挟持された状態で位置決め固定されており、当該内輪2の軸端ナット14に隣接した位置には、一方の内輪つば部2tが一体成形されたつば輪18が設けられていると共に、当該内輪2の油切り部材16に隣接した位置には、他方の内輪つば部2tが突設されている。
このような構成において、外輪間座12を介して複列配置された2つの外輪4a,4bは、軸箱10に嵌合した前蓋20と後蓋22との間に挟持された状態で固定されている。この場合、後蓋22は、鉄道車両車軸Axに嵌合された油切り部材16に嵌合して位置決めされている。この状態において、軸端ナット14によって内輪2を油切り部材16に当て付けてボルト24で締め付けることで、当該内輪2を、軸箱10に嵌合(固定)された複列の外輪4a,4bに対向して、鉄道車両車軸Axに固定させることができると共に、つば輪18を軸端ナット14と内輪2との間に挟持された状態で位置決め固定することができる。
なお、前蓋20は、鉄道車両車軸Axの軸端側全体を覆うように軸箱10に嵌合されており、一方、後蓋22と油切り部材16との間には、異物(水や塵埃など)の浸入防止及び後述する潤滑剤(油)の漏洩防止を図るために密封機構が構築されている。この場合、後蓋22と油切り部材16との間の密封機構として、オイルシール26とラビリンスシール28とが併用されているが、これら各シール26,28の種類や形状は、例えば当該軸受の使用目的や使用環境に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。また、当該軸受に対する密封性能を更に向上させるため、前蓋20及び後蓋22と軸箱10とが嵌合する各部に例えばOリング30を介在させることが好ましい。
この状態において、鉄道車両車軸AXを回転させると、内外輪2,4a,4bが相対回転する間(軸受回転中)に、当該内外輪2,4a,4bの軌道面2s,4s間に保持器8と共に組み込まれた複数の転動体(ころ)6は、各つば部2t,4tに保持・案内されながら軌道面2s,4sに沿って転動する。このとき、軸受回転中における潤滑性能を一定に維持し、円滑な回転性能を実現するために、円筒ころ軸受には、油浴潤滑を用いるための油浴潤滑構成が施されている。
油浴潤滑構成において、軸箱10の内周の下部側(図中下側)には、所定量の潤滑剤(油)を溜めるための軸箱油溜り部10gが複列の外輪4a,4bに対向して設けられている。この場合、軸箱油溜り部10gは、水平方向に延出する鉄道車両車軸Axに転がり軸受装置(複列円筒ころ軸受)をセットした状態において、垂直下方に位置して設けられている。これにより、転がり軸受装置に封入された潤滑剤(油)は、その自重により常に軸箱油溜り部10gに流れ込むことになる。なお、潤滑剤(油)の封入量は、軸受の静止状態(非回転状態)において、その油面(図示しない)が、複列円筒ころ軸受の最下位の外輪つば部4tを越えた位置(要するに、外輪軌道面4sが油に浸かる位置)に位置付けられるように設定することが好ましい。
また、軸箱油溜り部10gの両側には、それぞれ前蓋側油路10aと後蓋側油路10bとが構成されている。前蓋側油路10aは、前蓋20寄りの外輪4aと軸箱10との間に構成されており、前蓋内部20p(前蓋20と複列円筒ころ軸受と鉄道車両車軸Axの軸端とで囲まれた領域)に連通している。一方、後蓋側油路10bは、後蓋22寄りの外輪4bと軸箱10との間に構成されており、後蓋内部22p(後蓋22と油切り部材16と軸箱10と複列円筒ころ軸受とで囲まれた領域)に連通している。
なお、後蓋内部には、オイルシール26と複列円筒ころ軸受との間に、潤滑剤(油)の流れを塞き止めるための仕切板は設けられていない。
このような転がり軸受装置(複列円筒ころ軸受)において、軸端ナット14と内輪2との間に挟持された状態で位置決め固定されているつば輪18には、軸端ナット14の外径よりも大きな径寸法を有する突起部18tが設けられている。また、油切り部材16と内輪2との間には、リング部材32が介在されており、当該リング部材32は、油切り部材16と内輪2との間に挟持された状態で位置決め固定されている。そして、かかるリング部材32は、内輪外径(内輪つば部2tの外径)及び油切り部材16の外径よりも大きな径寸法を有している。
なお、つば輪18に突設した突起部18tは、図面上で2つ例示しているが(図3(a)参照)、例えば図3(b),(c)に示すように、1つ(単体)の突起部18tとしても良い。この場合、同図(b)の突起部18tには、後述する潤滑剤(油)の流れ方向Faに沿ってテーパが施されており、これにより潤滑剤(油)の循環効率を向上させている。また、同図(c)の突起部18tは、矩形状を成しているが、このような形状であっても潤滑剤(油)の循環効率に影響は無い。更に、同図(c)のように、後述する潤滑剤(油)の流れ方向Faに沿って上流側が低く下流側が高くなるように、互いに高低差を持たせた2つの突起部18tとしても良い。
この場合、つば輪18において、つば部2tのつば高さと、突起部18tの突起部径との高低差は、例えば潤滑剤(油)の種類(例えば、粘度)や、軸受回転時における潤滑剤(油)の循環速度、或いは、当該軸受の使用目的や使用環境に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。また、つば部2tの数は、2つに限定されることは無く、3つ以上にしても良い。要するに、軸端ナット14の外径よりも大きな径寸法を有する突起部18tであれば、その数や形状などについて制限は無い。
一方、リング部材32については、図面上で1つ例示しているが、これに限定されることは無く、2つ以上にしても良い。この場合、リング部材32の形状は、上述したつば部2tと同様に、後述する潤滑剤(油)の流れ方向Faに沿ってテーパを施しても良いし、上流側が低く且つ下流側が高くなるように、互いに高低差を持たせた2つのリング部材32を構成しても良い。要するに、油切り部材16の外径よりも大きな径寸法を有するリング部材32であれば、その数や形状などについて制限は無い。
また、上述したつば輪18及びリング部材32は、それぞれ、内輪2とは別体で構成しても良いし、或いは、内輪2と一体で成形しても良い。なお、つば輪18及びリング部材32を内輪2とは別体で構成する場合において、つば輪18及びリング部材32の材質としては、例えば金属又は非金属のいずれでも良いが、非金属にすることで軸受全体の軽量化を図ることができる。
更に、図4(a)に示すように、外輪間座12には、その外周を一部周方向に沿って連続して窪ませたグルービング溝12gが形成されていると共に、当該外輪間座12を半径方向に貫通して形成された複数の貫通穴12hがグルービング溝12gに沿って所定間隔(例えば、等間隔)で設けられている。この場合、各貫通穴12hの大きさ(穴径)や数は、例えば外輪間座12やグルービング溝12gの大きさ(幅寸法、周方向長さ)、或いは、潤滑剤(油)の種類(例えば、粘度)や、軸受回転時における潤滑剤(油)の循環速度に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
また、複数の貫通穴12hの形状は、円形の丸穴に限定されることは無く、グルービング溝12gに沿って所定量延長させた長穴形状の貫通穴12h(図4(b)参照)としても良い。更に、例えば図4(b)に示すように、長穴形状の貫通穴12hと丸穴形状の貫通穴12hとを混在させても良い。この場合、当該外輪間座12を外輪4a,4b相互間に介在させる際には、長穴形状の貫通穴12hが軸箱油溜り部10gに対向するように位置決めすることが好ましい。
上述したように、軸箱油溜り部10gは、水平方向に延出する鉄道車両車軸Axに転がり軸受装置(複列円筒ころ軸受)をセットした状態において、垂直下方に位置して設けられている。このため、長穴形状の貫通穴12hを軸箱油溜り部10gに対向させることで、転がり軸受装置に封入された潤滑剤(油)を、その自重により長穴形状の貫通穴12hを介してスムーズに軸箱油溜り部10gに流れ込ませることができる。
また、外輪間座12の外周に形成されたグルービング溝12gは、軸受回転時における遠心力によって貫通穴12hから排出された潤滑剤(油)を、当該グルービング溝12gに沿って周方向に移動させて、軸箱油溜り部10gにスムーズに導入させる機能を有する。更に、複数の貫通穴12hは、軸受回転時に撹拌された潤滑剤(油)を軸箱油溜り部10gに向けて回収させる機能と同時に、当該潤滑剤(油)を軸箱油溜り部10gから軸受内部に向けて給油(循環)させる機能を有する。
このような転がり軸受装置(複列円筒ころ軸受)によれば、軸受回転時に、鉄道車両車軸Axと共に内輪2両側のつば輪18及びリング部材32が回転すると、軸箱10内部に封入された潤滑剤(油)にスリンガー効果が作用し、これにより、当該潤滑剤(油)を軸方向に沿って強制的に環流させる。このとき、軸箱油溜り部10gの潤滑剤(油)は、外輪間座12の各貫通穴12hから内外輪2,4a,4b間に流入した後、その流れ方向が軸方向に沿って2方向に分岐する。この場合、その一方の流れ方向Faでは、潤滑剤(油)をつば輪18に向けて還流させると共に、その他方の流れ方向Fbでは、潤滑剤(油)をリング部材32に向けて環流させる。
ここで、つば輪18には、つば部2tのつば高さ及び軸端ナット14の外径よりも大きな径寸法の突起部18tが設けられており、これにより、スリンガー効果が増幅され、潤滑剤(油)をつば輪18に向けて強く誘導し且つ還流させる。この結果、つば輪18まで誘導され且つ環流した潤滑剤(油)は、前蓋内部20pを経由した後、前蓋側油路10aから再び軸箱油溜り部10gに戻される。
一方、リング部材32は、内輪外径(内輪つば部2tの外径)及び油切り部材16の外径よりも大きな径寸法を有している。この場合、リング部材32が内輪つば部2tの外径よりも大きな径寸法を有することにより、スリンガー効果が増幅され、潤滑剤(油)をリング部材32に向けて強く誘導し且つ還流させる。この結果、リング部材32まで誘導され且つ環流した潤滑剤(油)は、後蓋内部22pを経由した後、後蓋側油路10bから再び軸箱油溜り部10gに戻される。更に、リング部材32が油切り部材16の外径よりも大きな径寸法を有することにより、リング部材32まで誘導され且つ環流した潤滑剤(油)は、当該リング部材32によって振り飛ばされる。これにより、オイルシール26への潤滑剤(油)の過剰な浸入が防止され、その結果、当該オイルシール26からの潤滑剤(油)の漏洩防止が図られる。
このように、前蓋側油路10a及び後蓋側油路10bから軸箱油溜り部10gに戻された潤滑剤(油)は、つば輪18及びリング部材32の回転に伴うスリンガー効果によって、再び外輪間座12の各貫通穴12hから内外輪2,4a,4b間に流入する。これにより、軸箱10内部には、潤滑剤(油)の循環経路が構成され、当該循環経路に沿って潤滑剤(油)を循環させることができる。
この場合、軸箱10内部の潤滑剤(油)の循環経路は、潤滑剤(油)を強制的に且つ円滑に循環させるため、軸受回転時における潤滑剤(油)の撹拌抵抗の影響を受けること無く、潤滑剤(油)の循環効率を一定に維持し且つ向上させることができる。このため、潤滑剤(油)と軸受との間の熱交換による軸受の冷却性能を維持・向上させることができ、その結果、軸受周りの発熱量が小さくなり、軸受の温度を許容範囲内に維持することができる。これにより、軸受の潤滑性能を長期に亘って一定に維持することができるため、軸受を長期に亘って連続して且つ安定して使用し続けることができる。
ここで、軸受の回転数変化と外輪4a,4bの温度上昇との関係について考察すると、図2(a)に示すように、本実施の形態に係る軸受装置(実施例1)は、従来品に比べて回転数の増加に伴う温度上昇が小さいことが分かる。また、軸受内を循環する潤滑剤(油)の軸方向位置(図1(b)の位置PA,PB,PC)と温度上昇との関係について考察すると、図2(b)に示すように、軸箱油溜り部10gの外輪間座12付近の位置PBでは、従来品に比べて温度上昇があるものの、その他の位置において、本実施の形態に係る軸受装置(実施例1)は、従来品に比べて温度上昇が小さいことが分かる。これにより、本実施の形態に係る軸受装置は、熱交換効率を向上させ、冷却性能に優れていることが実証された。
なお、本実施の形態において、後蓋側油路10bをリング部材32に対向する位置或いはそれを軸方向に超えた位置まで延長させることで、リング部材32まで誘導され且つ環流した潤滑剤(油)を更に効率良く軸箱油溜り部10gに導入させることができる。
また、本実施の形態において、リング部材32は、軸受の使用状態において突発的に発生する軸方向への潤滑剤(油)の環流を確実に止める仕切板としての機能も有する。これにより、潤滑剤(油)の流れを塞き止めるための仕切板が不要となり、その結果、部品点数の削減による軸受の製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施の形態において、転がり軸受装置としては、複列円筒ころ軸受に限定されることは無く、例えば複列円すいころ軸受に上述したような構成を施すことで、同様の作用効果を実現することができる。
また、本実施の形態では、上記突起部18tをつば輪18に設けた場合を想定したが、これに限定されることは無い。例えば、つば輪18を設けること無く、内輪軌道面2sの両側に内輪つば部2tを突設し、その一方の内輪つば部2t(軸端ナット14に隣接した位置の内輪つば部2t)に、上記突起部18tを設けるようにしても良い。
(a)は、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受装置の構成を示す断面図、(b)は、同図(a)の内外輪周りの構成を一部拡大して示す断面図。 (a)は、軸受の回転数変化と外輪の温度上昇との関係を示す図、(b)は、軸受内を循環する潤滑剤(油)の軸方向位置と温度上昇との関係を示す図。 (a)〜(d)は、それぞれ、つば輪に設けられた突起部の形状を示す断面図。 転がり軸受装置に設けられた外輪間座の構成を示す図であって、(a)は、正面図、(b)は、側面図、(c)は、斜視図。 転がり軸受装置に設けられた外輪間座の他の構成を示す図であって、(a)は、正面図、(b)は、側面図、(c)は、斜視図。
符号の説明
2 内輪
4a,4b 外輪
6 転動体
14 軸端ナット
16 油切り部材
18 つば輪
18t 突起部
32 リング部材
Ax 軸(鉄道車両車軸)

Claims (2)

  1. 軸と共に回転する内輪と、内輪に対向配置された外輪と、内外輪間に複列で転動自在に組み込まれた複数の転動体とを備え、内輪は、軸に嵌合された軸端ナットと油切り部材との間に挟持された状態で位置決め固定され、且つ、油浴潤滑で用いられる転がり軸受装置であって、
    内輪には、その軸端ナットに隣接した位置に、当該軸端ナットの外径よりも大きな径寸法を有する突起部が少なくとも1つ設けられていると共に、その油切り部材に隣接した位置に、当該内輪外径及び油切り部材の外径よりも大きな径寸法を有するリング部材が少なくとも1つ設けられていることを特徴とする転がり軸受装置。
  2. 外輪は、外輪間座を介在した状態で複列に構成配置されており、外輪間座には、その外周を一部周方向に沿って連続して窪ませたグルービング溝が形成されていると共に、当該外輪間座を半径方向に貫通して形成された複数の貫通穴がグルービング溝に沿って所定間隔で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受装置。
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