JP2009038605A - 音声信号生成装置、音声信号生成方法、音声信号生成プログラム並びに音声信号を記録した記録媒体 - Google Patents

音声信号生成装置、音声信号生成方法、音声信号生成プログラム並びに音声信号を記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のディスプレイ(または表示領域)を利用して1つの画像(映像)を表示した場合に、各表示領域に表示された画像の内容に基づいて多様な音声の聴取が行えるようにする。
【解決手段】複数の表示領域11〜19に分割して表示された1つの画像に関して音声信号を生成する際、例えばユーザによって入力される制御信号を受信し、この制御信号に基づき指定された1以上の表示領域12,19を音声信号生成手段に指示する。そして、この音声信号生成手段にて指定された表示領域12,19に割り当てられた音声信号を生成する。このとき、指定された表示領域12,19に割り当てられた音声信号は、当該指定された表示領域12,19に表示された画像の内容に対応する音声信号であることが望ましい。
【選択図】図10

Description

本発明は、複数の表示領域より構成される表示画面に表示される画像に対応して出力される、音声信号を生成するのに好適な音声信号生成装置、音声信号生成方法、音声信号生成プログラム、並びに生成した音声信号を記録した記録媒体に関する。
従来、平面パネルを振動子により振動させるフラットパネルスピーカ(シートスピーカとも呼ばれる)が存在する。このフラットパネルスピーカは、例えば、テレビジョン受像機(TV)やパーソナルコンピュータ(PC)等のモニタとして用いられる、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイのスピーカ(それらのモニタに表示される画像に対応する音声を出力するためのスピーカ)に適用される。
例えば、フラットパネルディスプレイ(薄型平面ディスプレイ)に取り付けるフラットパネルスピーカに関して、複数の提案がなされている(例えば、特許文献1〜3を参照)。これら特許文献1〜3に記載されたものは、基本的には一枚のフラットパネルスピーカを単独で鳴らすものである。
一方、本出願人から、複数のフラットパネルを用いて構成したフラットパネルスピーカが提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
特許文献4に記載されたフラットパネルスピーカを搭載したスケーラブルTVシステムでは、複数のチャンネルを同時に視聴すると音が混じってしまうため、1チャンネルの入力に対する音の選択のみが行われていた。ここでいうスケーラブルTVシステムとは、複数のディスプレイの表示面全体を使って1つの画像を表示する(以後、ズームと呼ぶ)等、複数のディスプレイを連携して動作させるマルチディスプレイという方法を用いて画像を表示するようにしたTVシステムである。
また、特許文献4に記載のスケーラブルTVシステムは、1つのディスプレイに1チャンネルの画像を映すだけでなく、複数のディスプレイにまたがって一つの画像を映し(ズーム)、その画像の大きさに応じてフラットパネルスピーカの音を鳴らす面積を変えることを行っていた。
特表2002−533957号公報 特開2007−43452号公報 特開2006−254381号公報 特開2007−53610号公報(図11〜図14)
ところで、特許文献4に記載された発明の場合、ズーム時には、音声入力のステレオ入力に対して、各出力について事前に得られた音量、残響および周波数特性などの各種フィルタを通すことで迫力を与えていた。しかしながら、このズーム時には、用いた音源のチャンネル数が少ないためそれ以上の空間分解能がなく、複数のディスプレイ(表示領域)を利用して1つの画像(映像)を映す際の音の使い方が限定されていた。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、複数のディスプレイ(または表示領域)を利用して1つの画像(映像)を表示した場合に、各表示領域に表示された画像の内容に基づいて多様な音声の聴取が行えるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、複数の表示領域に分割して表示された1つの画像に関して音声信号を生成する際、例えばユーザによって入力される制御信号を受信し、この制御信号に基づき指定された表示領域を音声信号生成手段に指示する。そして、この音声信号生成手段にて指定された表示領域に割り当てられた音声信号を生成する。このとき、指定された表示領域に割り当てられた音声信号は、当該指定された表示領域に表示された画像の内容に対応する音声信号であることが望ましい。
さらに、指定された表示領域に表示された画像の内容に対応する音声信号は、当該指定された表示領域に表示された事物が発生する音を収録して生成する。
このようにしたことにより、複数の表示領域に分割して表示された1つの画像に関して、指定された表示領域に割り当てられた音声信号を生成することができる。また、ユーザが空間的に分割された音声を画面ごとに選択したり、それぞれの画面(表示領域)から聞こえる音の調和を確認したりすることができる。さらに、その音声信号が、当該指定された表示領域に表示された画像の内容に対応する音声信号であり、表示領域に表示された事物が発生する音を収録して生成したものである場合、より臨場感が高まる。
本発明によれば、複数の表示領域(ディスプレイ)を利用して1つの画像(映像)を表示した場合に、各表示領域に表示された画像の内容に基づいて多様な音声の聴取が行える。
以下、本発明の実施の形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、下記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。例えば、以下の説明で挙げる処理時間、処理順序および数値的条件等は好適例に過ぎず、説明に用いた各図における寸法、形状および配置関係も概略的なものである。
図1は、本発明を適用したスケーラブルTVシステムの第1の実施の形態に係る構成例を示す斜視図である。
図1において、スケーラブルTVシステム1は、複数のテレビジョン受像機を必要に応じて連携して動作させ、1枚の画像や複数の画像を様々な方法で表示させるシステムである。つまり、一つの画像を複数の表示領域に分割したときに、分割された一つの表示領域の画像は一つのテレビジョン受像機で表示される。この実施の形態では、スピーカにフラットパネルスピーカ21を使用している。
図1に示されるように、スケーラブルTVシステム1は、例えばテレビジョン受像機11〜19が設置台10においてアレイ状(行列状)に配置される。図1においてテレビジョン受像機11〜19は、3行×3列のアレイ状に配置されている。図示は省略するが、テレビジョン受像機11〜19は、有線または無線により、互いに(電気的に)接続されており、単独で動作することも、他のテレビジョン受像機と連携して動作することもできる。
また正面の所定の位置には、リモートコントーラ装置(以下、「リモコン装置」という)31からの赤外線信号や無線信号によるリモコン信号(制御信号)を受信する、リモコン信号受信部30が設けられている。なお、スケーラブルTVシステム1の本体に設けられた図示しない操作ボタン等を、ユーザ2が操作することにより制御信号を発生するようにしてもよい。
なお、スケーラブルTVシステム1を構成するテレビジョン受像機の台数は、何台であってもよい。また、設置台10に、テレビジョン受像機を横方向に何列、縦方向に何段で配置するようにしてもよい。
また、図1においては、テレビジョン受像機11〜19は、その各表示面が略平面上においてアレイ状に並ぶように配置されているが、これに限らず、例えば、各表示面が曲面上に並ぶようにしてもよい。また、テレビジョン受像機11〜19それぞれの代わりに、チューナを有していないモニタを用いるようにしてもよい。
スケーラブルTVシステム1に設置されたテレビジョン受像機11〜19の前面の画像表示部分には、それぞれフラットパネルスピーカ21〜29が配設されている。
ここでフラットパネルスピーカ21〜29について、図2を参照して説明する。図2では、テレビジョン受像機11の前面の画像表示部分に設けられたフラットパネルスピーカ21について説明するが、他のフラットパネルスピーカ22〜29も同様であるので他のフラットパネルスピーカ22〜29の説明は割愛する。
図2に示すように、振動板をディスプレイの表示面に重畳させるため、振動素子はその振動板の周辺部にのみ設けられている。
例えば、図2のテレビジョン受像機11に取り付けられるフラットパネルスピーカ21の場合、その振動板に取り付けられる複数の振動素子(振動素子33−1〜振動素子33−12)は、画像表示の邪魔にならないよう、テレビジョン受像機11の表示面34に対応する部分には設置されず、表示面34を囲む枠35に対応する範囲の周辺部分にのみ設けられる。
例えば、テレビジョン受像機11の表示面に画像が表示されている場合に、テレビジョン受像機11の前面からのみ音声を出力するには、テレビジョン受像機11の前面に配置されたフラットパネルスピーカ21の振動素子33−1〜振動素子33−12を振動させるようにする。
図2に示す例では、テレビジョン受像機11〜19の各々に対してそれぞれ個別にフラットパネルスピーカ21〜29が設けられているが、テレビジョン受像機11〜19の前面に一つの大きな音声出力部を構成するフラットパネルスピーカを設けるようにしてもよい。
例えば、図3に示されるように、このテレビジョン受像機11〜19の各画像表示面の前面に、スケーラブルTVシステム1の音声出力部として構成されるフラットパネルスピーカ40が重畳されるように設けてもよい。フラットパネルスピーカの一例として、例えば、本出願人が出願した特開2007−53610号公報を参照されたい。
このフラットパネルスピーカ40は、平面板状の透明なフラットパネル(透明パネル)を振動素子で振動させて電気信号を音声に変換するスピーカである。したがって、フラットパネルスピーカ40で音声を出力する場合、ユーザには、その振動させる振動素子の位置付近の透明パネルより音声が聞こえるようになる。図3に白丸で示されるように、この透明パネルには複数の振動素子(例えば、24個)が設けられる。
図3に示されるように、フラットパネルスピーカ40は、振動板となる透明パネル41と、その透明パネル41を支え、透明パネル41の振動の軸となる枠42、複数の振動素子および振動素子を枠42に固定する固定部材44を有している。
透明パネル41は、テレビジョン受像機11〜19の表示面に重畳されるため、例えば、ガラスやアクリル素材等の透明な材質の1枚の板状素材により構成される。なお、以下において、この透明パネル41の大きさおよび形状は、設置台10に設置されたときのテレビジョン受像機11〜19全体の大きさおよび形状と略同じとして説明するが、例えばテレビジョン受像機11〜19の全体の大きさより大きかったり、形状が互いに異なったりしてもよい。また、透明パネル41が複数枚の板状素材を張り合わせたものであってももちろんよい。
枠42は、この透明パネル41を振動可能に支持する部材であり、フラットパネルスピーカ40をテレビジョン受像機11〜19に重畳させた場合に、アレイ状に配置されたテレビジョン受像機11〜19の枠の、一番外側の部分に重畳される部材である。
各振動素子は、透明パネル41を振動させる振動素子であり、いずれも、フラットパネルスピーカ40がテレビジョン受像機11〜19に重畳された場合に、画像表示の邪魔にならないように、各テレビジョン受像機の枠(画像非表示部分)に重畳されるように配置される。なお、振動素子の数はいくつであってもよい。以下において、振動素子を互いに区別して説明する必要のない場合、振動素子53と称する。
固定部材44は、透明パネル41に設置される振動素子43を透明パネル41(枠42)とで挟み込むように枠42に固定する部材であり、各振動素子43の位置に応じて、各テレビジョン受像機の枠(画像非表示部分)に対応する位置に設けられる。上述したように、振動素子43は、テレビジョン受像機11〜19の枠に対応する部分に設けられるため、固定部材44は、テレビジョン受像機11〜19の枠の部分、つまり表示部分が網目となるような網状に形成される。
つまり、フラットパネルスピーカ40は、スケーラブルTVシステムとして3行×3列に並べられて配置されたテレビジョン受像機11〜19の全体としての画像表示範囲の周囲だけでなく、その内部にも振動素子が設けられる。このとき、その内側の振動素子は各テレビジョン受像機の枠上(画像非表示部分)に位置するように設けられている。すなわち、フラットパネルスピーカ40は、テレビジョン受像機11〜19の枠部分(画像非表示部分)を積極的に利用して、画像表示の妨げとならないように、画像表示範囲の内側に振動素子を配置している。これにより、フラットパネルスピーカ40は、テレビジョン受像機11〜19による画像表示を妨げずに、画像表示範囲の周囲にのみ振動素子が配置された場合に比べて出力音圧を大きくすることができ、波形の歪みを抑制することができる。特に、フラットパネルスピーカ40は、パネル全体を効率よく振動させることができるので、パネル全体を振動させなければ作り出すことのできない低音を容易に出力することができる。
さらに、上述したように、フラットパネルスピーカ40は、パネル全体に振動素子が配置されているので、振動させる振動素子を切り替えるだけで、容易に、透明パネル上の任意の位置および範囲で音声を出力するように制御することができる(パネル全体の振動制御が容易になる)。例えば、テレビジョン受像機11の表示面に画像が表示されている場合において、テレビジョン受像機11の前面からのみ音声を出力するには、テレビジョン受像機11の枠35に対応する位置の振動子43−1〜振動子43−4を振動させるようにすればよい。
次に、このようなスケーラブルTVの電気的構成について説明する。図4に、本実施の形態によるシステムの内部構成例を示すブロック図を示す。
図4に示されるように、スケーラブルTVシステム1は、複数のチューナ51と、複数の記録媒体52と、制御部50と、複数のディスプレイ(表示装置)55と、その複数のディスプレイ55の表面に取り付けられた複数のフラットパネルスピーカ58と、メモリインタフェース(メモリI/F)62から構成してある。チューナ51は、例えば設置台10に設置されたテレビジョン受像機に対応して設置され、放送局より受信したテレビジョン信号から、任意のチャンネルの番組の映像信号と音声信号を抽出する。記録媒体52は、映像信号とビデオ信号を含むビデオデータなどを記憶するものであり、ハードディスクドライブなどの他、着脱可能なリムーバブルメディアでもよい。
このスケーラブルTVシステム1において、制御部50には、映像信号および音声信号の入力先として、チューナ51および記録媒体52が接続されている。チューナ51は、テレビジョン信号のような映像信号および音声信号を含む信号を制御部50へ供給する。同様に、記録媒体52はビデオ信号のような映像信号および音声信号を含む信号を制御部50へ供給する。また、制御部50には、映像信号の出力先として、ディスプレイ55(例えば、テレビジョン受像機11〜19)が接続されている。また、制御部50には、音声信号の出力先として、フラットパネルスピーカ58(例えば、フラットパネルスピーカ21〜29)が接続されている。
制御部50は、チューナ51または記録媒体52により得られる映像信号および音声信号を含む入力信号から、ユーザコマンドや音声出力ディスプレイ情報に基づいて出力用の映像信号や音声信号を生成し、それらを出力するディスプレイ(モニタ)やスピーカを選択し、その選択先に各信号を出力する。このような処理を行うために、制御部50は、画像セレクタ53、表示処理部54、音声セレクタ56、音変換処理部57、音声出力モード処理モジュール59、音変換係数60、符号化部61、不揮発性メモリ64を有している。
画像セレクタ53は、チューナ51や記録媒体52により得られる映像信号から、ユーザコマンドによる制御信号に基づいて、映像信号(画像)を選択するとともに表示するディスプレイを選択し、表示処理部54に出力する。例えば、ユーザがリモコン装置31を操作して、チューナ51が受信するチャンネルの番組を選択するとともに、全画面、4画面、拡大画面等のいずれの表示態様でディスプレイに表示するのかを指定した場合、画像セレクタ53は、選択された番組の映像信号を表示処理部54に送るととともに、指定された表示態様の情報を表示処理部54に送る。
表示処理部54は、画像セレクタ53から供給された映像信号に対して画像処理等、所定の処理を施すとともに、指定された表示態様の情報に基づいて、その映像信号の出力先として、ディスプレイ55(テレビジョン受像機11〜19)の中から1つまたは複数選択し、その選択先に映像信号を出力し映像を表示させる。例えば、ユーザが設置台10に設置されたテレビジョン受像機11〜19の全体に目的の映像を表示させたい場合、1つの画像を9分割処理して、分割した画像に対応する映像信号をテレビジョン受像機11〜19に出力する。
制御部50は、音声信号生成部50A(音声信号生成手段)を有しており、この音声信号生成部50Aは、音声セレクタ56、音変換処理部57、音声出力モード処理モジュール59、音変換係数60から構成してある。
音声セレクタ56(音声切り替え手段)は、チューナ51や記録媒体52により得られる音声信号から、ユーザコマンドおよび音声出力モード処理モジュール59からの制御信号に基づいて、音声信号を選択するとともに出力するフラットパネルスピーカ(振動子)を選択し、音変換処理部57に出力する。例えば、ユーザがリモコン装置31を操作して、チューナ51が受信するチャンネルの番組を選択するとともに、全画面、4画面、拡大画面等のいずれの表示態様でディスプレイに表示するのかを指定した場合、音声セレクタ56は、選択された番組の音声信号を音変換処理部57に送るととともに、指定された表示態様に対応するフラットパネルスピーカの振動子のみ振動するように制御する。さらに、画像が表示された複数のテレビジョン受像機の中からユーザがあるテレビジョン受像機を指定した場合、その指定されたテレビジョン受像機からまたはそのテレビジョン受像機の方向から音が聞こえるように、フラットパネルスピーカの振動させるべき振動子を選択し、音変換処理部57に送る。
音声セレクタ56は、フラットパネルスピーカ(一般的なコーン型等のスピーカにも適用される)の配置と出力音との関係についての情報(マッピングデータ)を内部に持っている。すなわち、スケーラブルTVシステムのディスプレイの配置とフラットパネルスピーカ(振動子)の配置関係に加えて、指定されたディスプレイに対してどのフラットパネルスピーカを鳴らすか(どの振動子を振動させるか)という情報が含まれている。このマッピングデータは、図示しない不揮発性のメモリに記憶されるが、不揮発性メモリ64あるいはリムーバブルメディアに記憶されていてもよい。
例えば図1に示すスケーラブルTVシステム1において、テレビジョン受像機11〜19の前面に、それぞれ図2に示すようなフラットパネルスピーカが設置されている場合を考える。この場合において、ユーザがテレビジョン受像機11を指定してこの方向から音が出力されるように設定すると、音声セレクタ56は、指定されたテレビジョン受像機11のディスプレイに対応して配置されたフラットパネルスピーカ21の振動子33−1〜振動子33−12を振動させるよう制御する。また他の例として、テレビジョン受像機11〜19の前面に、それぞれ図3に示すようなフラットパネルスピーカが設置されているとした場合において、ユーザがテレビジョン受像機11を指定すると、音声セレクタ56は、フラットパネルスピーカ40の指定されたテレビジョン受像機11の表示面に対応して配置された振動子43−1〜振動子43−4を振動させるよう制御する。
音変換処理部57は、音声セレクタ56より供給された音声信号に対し、音変換係数60から供給された音変換係数に基づいて、音変換処理(音質変換処理、遅延処理)を行う。なお、後述するが音変換係数の選び方によっては、音変換処理前後で音質および遅延量が変化しない場合もある。この音変換処理に関しては後に詳細を記載する。
音声出力モード処理モジュール59は、特許請求の範囲に記載された出力制御部の一例であり、ユーザコマンドおよび音声出力ディスプレイ情報に基づいて、音声セレクタ56に振動を与えるべきスピーカ(振動子)を指示するとともに、受信したユーザコマンドに基づいて音変換係数60の中から音変換処理部57で音変換処理に使用する音変換係数を指示する。この音声出力ディスプレイ情報は、後述する仮想座席位置(仮想視聴位置)の情報を含み、音声出力モード処理モジュール59は、ユーザコマンドと音声出力ディスプレイ情報によって、いずれの仮想座席位置が選択されたか判断し、判断結果を、音変換係数60と音声セレクタ56に送る。
音変換係数60は、仮想座席位置と音変換係数および遅延量とが対応づけられたテーブル情報である。音変換係数60において、音声出力モード処理モジュール59からの仮想座席位置を含む制御信号に基づいて、音変換係数を抽出し音変換処理部に57に出力する。この音変換係数60は、図示しない不揮発性のメモリに記憶されるが、不揮発性メモリ64あるいはリムーバブルメディアに記憶されていてもよい。
符号化部61は、表示処理部54から出力される映像信号および音声変換処理部60から出力される音声信号を、所定の符号化方式により符号化処理してメモリI/F62に出力する。符号化方式としては、一例としてMPEG方式が挙げられるが、この例に限られない。符号化部61で符号化された映像信号および音声信号は、メモリI/F62を介してリムーバブルメディア63に記録される。
リムーバブルメディア63は、例えば半導体メモリを利用したメモリカードを使用できる。このリムーバブルメディア63には、1つの画像を複数の表示領域(表示装置)に分割し、その分割した表示領域に対応する映像信号と、該映像信号ごとに音声信号が割り当てられ、各表示領域に対応して再生される音声信号が記録される。なお、リムーバブルメディアとしては、光ディスク記録媒体、相変化型記録媒体など、種々の記録媒体を利用することができる。
不揮発性メモリ64は、制御部50内の各部を動作させて映像信号および音声信号を生成するためのコンピュータプログラムやデータが記録されている。この不揮発性メモリ64は、不揮発性の記憶手段であればよく、ハードディスクドライブなどの他、半導体メモリや着脱可能なリムーバブルメディアでもよい。
上述のように構成されたスケーラブルTVシステム1は、チューナ51や記録媒体52により得られた映像信号や音声信号が、画像セレクタ53や音声セレクタ56を通じてそれぞれ、各ディスプレイ(モニタ)55やスピーカ58に出力される。音声データに関しては、ユーザコマンドによる制御信号により選択された音変換係数60を利用して音変換処理部57により、仮想視聴位置の効果を向上させる処理が行われる。また、音声出力モード処理モジュール59は、ユーザに指定されたディスプレイの方向から音が鳴るようにスピーカ(フラットパネルスピーカの振動子)を選択して、音声セレクタ56に出力する。
次に、具体的に映像信号の内容(コンテンツ)の例を挙げて、様々な条件下での効果と処理内容について説明する。本実施の形態の例では、コンテンツの例として、オーケストラを対象とする。
本出願人が出願した特開2006−313966号公報には、スタンドに取り付けて全周囲の音を集音できる器具(集音システム)が提案されている。本実施の形態は、このような器具を用いてオーケストラの映像および音源を収録した実施の形態の例である。
図5は、オーケストラの楽器配置例を示したものである。複数の楽器がそれぞれパートに別れて配置されている。弦楽器は観客席から見て手前に配置され、比較的高い音を出す弦楽器は向かって左側、低い音を出す弦楽器は向かって右側に位置し、木管楽器や金管楽器は正面方向、打楽器は左奥、合唱隊は上方(後方)に位置している。図5に示した例では、舞台の中央手前に指揮者、それから指揮者の近くにソリスト、第1バイオリン、第2のバイオリン、ヴィオラ、チェロが配置され、その奥にフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、トランペット、トロンボーンが配置される。そして、左奥にはティンパニ打楽器、右側には手前からコントラバス、ホルン、チューバ等が配置される。合唱隊は一番奥に配置される。なお、本実施の形態では、オーケストラを上方から見たような映像になっているが、実際には、観客席上方から撮影したような映像(鳥瞰図)であると、全体の配置がより立体的にわかりやすいとともに、臨場感が高まる。
図6に、空間を分割して収録可能な集音システムの一例を示す。この集音システム70では、ディスプレイ数(図1に示した例では、9個)に応じてほぼ全方向にマイクロホン(計9個)を配置してある。その集音システム70の設置場所としては、図5に示すように、指揮者の前に設置をするのが望ましい。また、それぞれのパートごとに各マイクロホン71の向きを上下左右に変えるようにする(パンチルトの微調整)。このとき各マイクロホン71に入る音、は空間的に分割されていることが望ましい。さらに、多数のマイクロホン71を配置したベース72を安定的に、かつ、低い位置に配置することが望ましい。
例えば、図6で示されるように、3本の脚73を図示しない固定穴または貫通穴に固定する。例えば、脚73は、木製、樹脂、または金属で形成される。例えば、脚73の長さは、ベース72の直径より短くされる。より好ましくは、脚73の長さは、ベース72の半径より短くされる。脚73を貫通穴に固定する場合には、ベース72に対する脚73の位置を自由に調整することができる。このようにすることで、多数のマイクロホン71を配置したベース72を安定的に、かつ、低い位置に配置することができる。その結果、ローアングルからの音を自在にとることができるようになる。
図6に示した集音システムの例は、特開2006−313966号公報に提案されている器具の一つであり、この例に限られるものではない。
このような集音システム70を用いて収録された音が、それぞれのフラットパネルスピーカ21〜29に出力される(図1参照)。図7は、図1に示す9個のフラットパネルスピーカに対応して各マイクロホン71に番号A〜Iを付した例を示したものである。そして、図8に示すように、各マイクロホン71(A〜I)で集音される音声を、スケーラブルTVシステム1のテレビジョン受像機11〜19に対応して配置されたフラットパネルスピーカ21〜29に割り当てる。
これにより、ユーザは、各パートの音をリモコン装置31などの入力インタフェースを使って選択することができる。例えば、図9に示すように、例えば第1バイオリンの音が聴きたいときは、テレビジョン受像機17(つまりフラットパネルスピーカ27)を選択するなど、各空間(テレビジョン受像機に表示された画像)の音を選択できる。
また、それぞれのパートを組み合わせることができ、それぞれのパートの調和がとれているかが確認できる。例えば図10に示すように、テレビジョン受像機12(フラットパネルスピーカ22)とテレビジョン受像機19(フラットパネルスピーカ29)を選択すれば、チェロやコントラバスの音に合唱が合っているか確認することができる。あるいは図11に示すように、合唱による歌とソリストによる歌のタイミングや音程等が合っているか等を確認できる。
また、図12に示すように、全てのフラットパネルスピーカ21〜29を鳴らしたとき(つまりテレビジョン受像機11〜19を選択したとき)は、オーケストラ全体の音を聴くことが可能である。
本実施形態によると、画像の視認性を確保できるディスプレイ一体型スピーカ装置を備えるスケーラブルTVシステムを用いて、ユーザが空間的に分割された音声を画面ごとに選択したり、それぞれの画面(ディスプレイ)から聞こえる音の調和を確認したりすることができる。
また、各パートの音のボリューム(音量)を調節するなど、観客席にいるのと同様な音量バランスをつくることが可能である。図13に、仮想的な座席位置での音視聴例を示す。図13に示すように、コンサート会場等では、任意の観客席(S1〜S5)に応じて各楽器からの距離が異なるので聞こえる雰囲気(音質、遅延量)が違う。この座席の幅は特に制限するものではないが、簡便のためオーケストラに向かって横に5分割した場合の例として説明する。縦に分割した場合にも適用可能なことは勿論である。図13に示したシステムを使うことにより、任意の座席位置での音の雰囲気を楽しむことができる。
以下、本例の仮想的な座席位置での音視聴を実現する具体的な手段を説明する。
図14は、音変換処理部57(図4参照)の内部構成例を示すブロック図である。音変換処理部57は、音声信号と各係数が入力され所定の音質変換処理を行う音質変換部57−1と、音質変換処理された音声信号に対し遅延処理を行う遅延処理部57−2とから構成される。
図15に、座席表位置ごとの音変換係数をまとめた表の一例を示す。図4に示した音変換係数60の内部に、各座席番号(S1〜S5)に対する各ディスプレイA〜I(テレビジョン受像機11〜19)への出力音声に掛かる音質係数Vと遅延量Dが一覧する形で入力されている。この音質係数Vは周波数軸のデータとして持つことができる。すなわち周波数(パート)ごとのボリューム変化量としての情報を含んでいる。座席番号S3のとき座席位置が中央となるので(図13参照)、この座席位置を基準としている。つまり、音質係数Vの値を1.0とすることで、音質変換部57−1による変換前後で音質が変化しないようにしてある。また遅延量Dも、座席位置がS3のときその値を0として遅延処理部57−2による遅延処理前後で遅延量が変わらない。
図15に示す音質係数および遅延量を得るには、仮想音源位置である仮想座席位置S1〜S5のそれぞれにおいて、各楽器(パート)から仮想座席位置S1〜S5までの音響伝達関数を求める必要がある。
これらの音響伝達関数は、例えば各楽器の配置位置に実スピーカを設置して、各位置に設置した実スピーカからインパルス音を放音し、仮想座席位置S1〜S5にそれぞれ聴取点を設け、それぞれの聴取点でのインパルス応答を測定することにより求めることができる。すなわち、それぞれの聴取点で測定したインパルス応答がインパルス音を放音した場合の実音源位置(各楽器)から仮想座席位置S1〜S5までの音響伝達関数である。
このようにして求められた各座席位置における音響伝達関数(音質係数および遅延量)を用いて、座席位置S3における音声信号に対して畳み込み(音変換)を行い、各座席位置における仮想的な音視聴が実現される。
図16のフローチャートを参照して、スケーラブルTVシステム1による座席位置に基づく音変換処理例を示す。各座席での雰囲気を確認したい場合、ユーザはリモコン装置31などを用いて音変換処理を実行するアプリケーションソフトウェアを起動させ、図示しないメニュー上で座席ID(座席位置を識別する番号S1〜S5)を選択する。スケーラブルTVシステム1はリモコン信号受信部30(図1参照)よりリモコン信号を受信する(ステップS1)。そして、リモコン信号に含まれる座席IDを受信する(ステップS2)。
次に、スケーラブルTVシステムの画像セレクタ53および音声セレクタ56(図4参照)は、リモコン信号(ユーザコマンド)に基づいて、チューナ51または記録媒体52から音声信号を選択するとともに、ディスプレイ(フラットパネルスピーカ)を選択する(ステップS3)。さらに、リモコン装置31から発せられたユーザコマンドは、音声出力モード処理モジュール59に入力され、座席IDに基づき、音変換係数60(図4参照)の内部係数(音質係数V、遅延量D)が抽出される(ステップS4)。
抽出された内部係数は、音変換処理部57に入力される。そして、音変換処理部57の音質変換部57−1および遅延処理部57−2によって、選択されたモニタA〜I(すなわち、テレビジョン受像機11〜19およびフラットパネルスピーカ22〜29に対応)に出力される音声信号に対し、各音質係数Vと遅延量Dよりなる係数に基づく音変換処理の演算が行われる(ステップS5)。
このような実際の座席位置とは異なる仮想的な座席位置であたかもその座席で音を視聴しているかのような効果を奏する処理は、仮想音像定位処理とも呼ばれる。このようにすることにより、画像の視認性を確保できるディスプレイ一体型スピーカ装置を備えるスケーラブルTVシステムを用いて、収音現場における仮想座席位置での音声の聞こえ方が確認できるようになる。
この遅延量に関しては、実際の楽器への代表距離差から求めてもよい。つまり、上述したように実測ではなく、机上の計算から求める手法である。図17は、仮想座席位置S1に対する遅延量を求める場合の例を示したものである。図17に示すように、座席IDS1からコントラバスの代表地点までの代表距離を距離dとして、音変換係数60内など、不揮発性のメモリに記憶しておく。不揮発性のメモリに、各楽器と各座席位置の組合せごとにその距離を登録しておく。この距離d と音速との比例関係から遅延量を求めることができる。このようにして計算した遅延量を、遅延処理部57−2の遅延処理に用いることもできる。
図18に示すフローチャートを参照して、遅延量計算を使った場合の音変換処理例を説明する。図18におけるステップS11〜S13の処理は、図16におけるステップS1〜S3の処理と同じなので、説明を割愛する。ステップS13の処理が終了後、リモコン装置31から発せられたユーザコマンドは、音声出力モード処理モジュール59に入力され、座席IDに基づき、音変換係数60(図4参照)の内部係数(音質係数V)が抽出される。同時に、上記手法により、音変換係数の遅延量を計算する(ステップS14)。
抽出された内部係数(音質係数V)は、音変換処理部57に入力される。そして、音変換処理部57の音質変換部57−1および遅延処理部57−2によって、選択されたモニタA〜I(すなわち、テレビジョン受像機11〜19およびフラットパネルスピーカ22〜29に対応)に出力される音声信号に対し、各音質係数Vと計算により求めた遅延量よりなる係数に基づく音変換処理の演算が行われる(ステップS15)。
このようにしたことにより、計算により目的の楽器と座席配置との組合せにおける遅延量を求めることができるので、遅延量の実測が不要となり、楽器の配置が変更となっても容易に対応することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態の例を説明する。
図19は、本発明の第2の実施の形態に係るスケーラブルTVシステムの構成例を示したものである。スケーラブルTVシステム80は、第1の実施の形態におけるスケーラブルTVシステム1と同様、テレビジョン受像機11〜19より構成される表示手段を有している。ただし、第1の実施の形態によるスケーラブルTVシステム1では、各テレビジョン受像機の前面にそれぞれフラットパネルスピーカを配置していたが、本実施の形態によるスケーラブルTVシステム80では、テレビジョン受像機11〜19の周囲4辺に、コーン型などから構成される複数のスピーカ81を配置した例としてある。なお、スピーカの配置および個数はこの例に限られるものではない。例えば、特許文献4(特開2007−53610号公報)の図2等に記載されているような態様でもよい。
指定されたテレビジョン受像機(ディスプレイ)の位置に応じて、このテレビジョン受像機11〜19の周囲に配置したスピーカ81を適宜選択して、音を出力することにより、上述したスケーラブルTVシステム1と同様の効果が得られる。
例えば、図9に示すように第1バイオリンが表示されたテレビジョン受像機17が選択された場合、下側の左3個のスピーカ81と左側の下2個のスピーカ81を選択するようにする。また、図10に示すようにテレビジョン受像機12とテレビジョン受像機19が選択された場合、上側の中央1個または3個のスピーカ81を選択するとともに、下側の右3個のスピーカ81と右側の下2個のスピーカ81を選択するようにすればよい。
次に、本発明の第3の実施の形態の例を説明する。
図20は、本発明の第3の実施の形態に係るTVシステム(テレビジョン受像機)の例を示したものである。この例では、個別のテレビジョン受像機の組合せから大きな表示装置(スケーラブルTVシステム)を構成するのではなく、一つのテレビジョン受像機90の表示画面を複数の表示領域91〜99に分割し、かつその両側に複数のコーン型等のスピーカ100L−1〜スピーカ100L−6およびスピーカ100R−1〜スピーカ100R−6を配置する。そして、選択された表示領域に基づいて、その表示領域と対応する所定のスピーカから音を鳴らすようにする。
例えば、図20に示す表示領域91〜99からなる表示画面に、図8に示すオーケストラが表示されている場合について説明する。図9に示すように第1バイオリンが表示されている表示領域97(テレビジョン受像機17に相当)が選択された場合、左側の下2個のスピーカ100L−5とスピーカ100L−6を選択するようにする。また、図10に示す場合と同じように表示領域92,99(テレビジョン受像機12,19に相当)が選択された場合、例えば左右上端のスピーカ100L−1,100R−1を選択するとともに、右側の下2個のスピーカ100R−5とスピーカ100R−6を選択するようにすればよい。
ただし、図20に示す例の場合、表示領域とユーザが感じる音の出所が一致しない、あるいはその効果が弱いことも考えられる。その場合、図13〜図18を参照して説明した仮想音像定位処理を左右に配置されたスピーカに供給される音声信号に適用し、あたかも選択された表示領域から音が鳴っているように仮想音像を定位させる処理を施すとよい。
このようにした場合、一つのテレビジョン受像機の表示画面を複数の表示領域に分割することにより、複数のテレビジョン受像機を用意することなく、図1および図19に示した例と同様の作用効果を奏することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態の例を説明する。
図21は、本発明の第4の実施の形態に係るスケーラブルTVシステムの構成例を示したものである。本例のスケーラブルTVシステム110は、図1に示したスケーラブルTVシステム1に対して、各テレビジョン受像機11〜19の前面にフラットパネルスピーカを設けずに、スケーラブルTVシステム110の前方にいるユーザ111の近くに例えば2つのスピーカ112Lとスピーカ112Rを配置するようにしている。スピーカ112Lとスピーカ112Rと、スケーラブルTVシステム110は、それぞれ有線または無線のケーブルで接続してある。
この場合も、上述した音響伝達関数を利用した仮想音像定位処理を応用することにより、選択されたテレビジョン受像機から音が聞こえてくるような効果を得ることができる。例えば、スピーカ112Lとスピーカ112RからスケーラブルTVシステム110の前方にいるユーザ2までの音響伝達関数を測定する。また、各テレビジョン受像機11〜19からユーザ2までの音響伝達関数をそれぞれ測定する。そして、スピーカ112Lおよびスピーカ112Rの音響伝達関数に、選択されたテレビジョン受像機の音響伝達関数をたたみ込むことにより、あたかも選択されたテレビジョン受像機の表示画面から音が聞こえるように仮想音像を定位することができる。
このようにした場合、図1の例と比較して、スピーカの個数が削減できるので、費用を抑えられる。
以上説明したように、上述した第1〜第4の実施の形態によると、ユーザは、複数の表示領域(複数の画面)に分割された一つの画像を見ながら、音の選択ととともに任意の空間の音の調和を確認することができる。
また、現場での音量バランスと同じような感覚で音を聞くことができるようになる。すなわち実際と異なる仮想的な視聴位置の音も確認することができる。
なお、上述した各実施の形態においては、コンテンツの例としてオーケストラの例を説明したが、スポーツなど空間的に音源を分割できる場について、同様に適用することができる。例えば、野球を例にとると、ライトスタンド側の応援、レフトスタンド側の応援、両チームのベンチ内の声、審判の声、各選手にマイクロホンをつけてもらって集音した音、など、空間的に種々の音を分割して集音することができる。
また、スケーラブルTVシステムのスピーカは、上述したようにフラットパネルスピーカを代表としたが、各モニタ(ディスプレイ)と一体または近傍に設置したスピーカであればよい。あるいは、図21のように、仮想音像定位処理を用いれば、ディスプレイと離れていてもよい。また、上述した各システムは、モニタの数または表示領域の分割数を増やすことが可能であり、そのモニタ数に応じてマイクロホンを増やすことができる。
さらに、このスケーラブルTVシステムは、図中ではモニタ(例えば、テレビジョン受像機)間を密着して描いているが、モニタ間を離すことも可能であり、その状態でも音を視聴することが可能である。
また、コンテンツとして利用される画像は、動画やストリーム画像が好ましいが静止画でもよい。
本発明の第1の実施形態に係るスケーラブルTVシステムの構成例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラットパネルスピーカの例を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る他のフラットパネルスピーカの例を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るシステムの内部構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るオーケストラの楽器配置例を示す舞台上面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロホンの配置例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラットパネルスピーカに対応したマイクロホン番号の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るマイクロホンとフラットパネルスピーカの対応例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラットパネルスピーカの選択例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラットパネルスピーカの組合せ例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るフラットパネルスピーカの組合せ例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る全てのフラットパネルスピーカを選択した例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る仮想的な座席位置での音視聴の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る音変換処理部の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る座席位置ごとの音変換係数例を示す表である。 本発明の第1の実施形態に係る座席位置に基づく音変換処理例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る座席位置ごとの遅延量の算出方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る遅延量計算を用いた場合の音変換処理例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るスケーラブルTVシステムの例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るTVシステム(テレビジョン受像機)の例を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態に係るスケーラブルTVシステムの例を示す外観図である。
符号の説明
1…スケーラブルTVシステム、11〜19…テレビジョン受像機、21〜29,40…フラットパネルスピーカ、51…チューナ、52…記録媒体、53…画像セレクタ、54…表示処理部、55…ディスプレイ、56…音声セレクタ、57…音変換処理部、57−1…音質変換部、57−2…遅延処理部、58…スピーカ、59…音声出力モード処理モジュール、60…音声変換係数、61…符号化部、62…メモリI/F、63…メモリカード、64…制御部、65…不揮発性メモリ、70…集音システム、71…マイクロホン、80…スケーラブルTVシステム、81…スピーカ、90…テレビジョン受像機、91〜99…表示領域、100L−1〜100L−6,100R−1〜100R−6…スピーカ、110…スケーラブルTVシステム、112L,112R…スピーカ

Claims (17)

  1. 複数の表示領域に分割して表示された1つの画像に関して音声信号を生成する音声信号生成装置であって、
    指定された1以上の表示領域に割り当てられた音声信号を生成する音声信号生成手段、
    を備える音声信号生成装置。
  2. 前記指定された表示領域に割り当てられた音声信号は、当該指定された表示領域に表示された画像の内容に対応する音声信号である、
    請求項1に記載の音声信号生成装置。
  3. 前記指定された表示領域に表示された画像の内容に対応する音声信号は、当該指定された表示領域に表示された事物が発生する音から生成される、
    請求項2に記載の音声信号生成装置。
  4. 前記音声信号生成手段により生成された音声信号をスピーカに出力する、
    請求項3に記載の音声信号生成装置。
  5. 前記スピーカは、複数の表示領域に分割された画像を表示できる装置とほぼ一体にまたはその近傍に設置される、
    請求項4に記載の音声信号生成装置。
  6. 前記複数の表示領域に分割された画像を表示できる装置に対し、前記複数の表示領域の配置と対応して複数の前記スピーカが配置される、
    請求項5に記載の音声信号生成装置。
  7. 前記音声信号生成手段は、前記指定された表示領域に応じた音声信号を、前記指定された表示領域に対応して配置されたスピーカに出力する、
    請求項6に記載の音声信号生成装置。
  8. 前記スピーカは、複数の表示領域に分割された画像を表示できる装置と離れて設置され、
    前記音声信号生成手段は、前記指定された表示領域に割り当てられた音声信号を、前記スピーカに出力する、
    請求項4に記載の音声信号生成装置。
  9. 前記音声信号生成手段は、前記指定された表示領域に割り当てられた音声信号に対し、前記指定された表示領域から音が出力されているような仮想音像定位処理を実施する、
    請求項8に記載の音声信号生成装置。
  10. 前記複数の表示領域に分割された画像を表示できる表示手段を更に備える、
    請求項3に記載の音声信号生成装置。
  11. 前記表示手段は、1つの表示領域を1つの表示装置により表示する、
    請求項10に記載の音声信号生成装置。
  12. 前記表示装置の前面の画像表示部分にフラットパネルスピーカが配置されている、
    請求項11に記載の音声信号生成装置。
  13. 入力される制御信号を受信し、該制御信号に基づき指定された表示領域を指示する出力制御部を更に備え、
    前記音声信号生成手段は、前記出力制御部の指示に基づいて前記指定された表示領域に割り当てられた音声信号を生成する、
    請求項3に記載の音声信号生成装置。
  14. 仮想聴取位置と音変換係数とを対応づけて記憶する記憶部を更に備え、
    前記音声信号生成手段は、前記出力制御部が受信した前記制御信号に含まれる仮想聴取位置情報に対応する音変換係数を前記記憶部から選択し、該選択した音変換係数に基づいて前記指定された表示領域に割り当てられた音声信号の変換処理を行う、
    請求項13に記載の音声信号生成装置。
  15. 複数の表示領域に分割して表示された1つの画像に関して音声信号を生成する音声信号生成方法であって、
    入力される制御信号を受信し、該制御信号に基づき指定された1以上の表示領域を音声信号生成手段に指示するステップと、
    前記指定された表示領域に割り当てられた音声信号を前記音声信号生成手段にて生成するステップと、
    を含む音声信号生成方法。
  16. 複数の表示領域に分割して表示された1つの画像に関して音声信号を生成するための音声信号生成プログラムであって、
    入力される制御信号を受信し、該制御信号に基づき指定された1以上の表示領域を音声信号生成手段に指示する手順と、
    前記指定された表示領域に割り当てられた音声信号を前記音声信号生成手段にて生成する手順を、
    コンピュータに実行させるための音声信号生成プログラム。
  17. 1つの画像を複数の表示領域に分割し、該分割した表示領域に対応する映像信号と、該映像信号ごとに音声信号が割り当てられ、指定された1以上の表示領域に対応して再生される音声信号が記録された、
    コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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