JP2009036510A - 冷暖房システム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱媒体を拡散させて広範囲に熱を供給する熱媒体拡散部材と効率よく冷暖房室の冷房及び暖房を行う冷暖房システムとを提供すること。
【解決手段】風導部31と、風導導出方向Vsにある熱媒体gの流れ方向を変換する変換部材32とを有し、変換前の流れ方向Vsと変換後の流れ方向Vcとのなす角θが鋭角であり、スリット30sが、筒状の周方向に断続的に、かつ、筒状の軸直角方向断面の中心と該断面上のスリット30sとを結ぶ線の方向に対して所定の角度αをもって熱媒体gを導出するように形成されている熱媒体拡散部材30を備え、変換部材32が冷暖房室の区画面に接触するように配置されている冷暖房システムは、変換部材32の周りを旋回しながら区画面に沿って熱媒体が拡散していって効率よく冷暖房室の区画面に熱を伝達することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は熱媒体拡散部材及び冷暖房システムに関し、特に広範囲に熱を供給することができる熱媒体拡散部材及びこの熱媒体拡散部材を用いる冷暖房システムに関する。
近年、省エネルギーと快適性とを両立する冷暖房方式として、輻射冷暖房システムが注目されている。輻射冷暖房システムは、天井面や床面等を、冷房時は冷やし暖房時は温めて、冷却又は加熱した天井面や床面等からの輻射熱により冷暖房室の温度を調整するシステムである。輻射熱による冷暖房は、室内に極端な温度ムラが生じないため快適であると共に、天井面や床面等を冷却又は加熱するのに必要な熱量がいわゆる対流方式の冷暖房システムに比べて少ない。このため、輻射冷暖房システムは、より省エネルギーなシステムと言える。
輻射冷暖房システムの一例として、床下地ボードの下面に冷風や温風の熱媒体を衝突させて放射状に拡散させ、床仕上材を効率よく冷却又は加熱して、床仕上材から生じる冷輻射や温輻射熱の効果を高めて、床輻射冷暖房を行うものがある。この輻射空調システムでは、コンクリートスラブと床下地ボードとの間の床下送気空間に、床下地ボードに対して水平方向に熱媒体を流し、床下送気空間に複数設置された気流方向変換器で水平方向の流れを垂直方向の流れに変換して、熱媒体を床下地ボードの下面に衝突させて床仕上材を冷却又は加熱して床輻射冷暖房を行っていた(例えば特許文献1参照)。
特開2004−132680号公報(図1等)
上述の気流方向変換器は、熱媒体を気流方向変換器のほぼ真上の床下地ボードに衝突させているが、上述の気流方向変換器よりもさらに熱媒体の拡散を十分に行うことができれば、より広範囲に渡って熱媒体を供給することとなり、冷暖房効率が向上することが考えられる。
本発明は上述の課題に鑑み、熱媒体を拡散させて広範囲に熱を供給することができる熱媒体拡散部材、及びこの熱媒体拡散部材を用いて効率よく冷暖房室の冷房及び暖房を行うことができる冷暖房システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る熱媒体拡散部材は、例えば図2に示すように、気体の熱媒体gを導入する導入口11aと熱媒体gを導出する導出口11bとが形成された風導部11と;風導部11における熱媒体gの風導導出方向Vsの投影面上で導出口11bを包含する大きさを有し、風導導出方向Vsにある熱媒体gの流れ方向を変換する変換部材12とを備え;変換前の流れ方向Vsと変換後の流れ方向Vcとのなす角θが鋭角である。ここで「風導導出方向」とは、変換部材がないと仮定したときの熱媒体の流れ方向である。
このように構成すると、風導導出方向にある熱媒体の流れ方向を変換する変換部材を備え、変換前の流れ方向と変換後の流れ方向とのなす角が鋭角であるので、風導部の導出口よりも風導導出方向側で、風導導出方向に対して角度をもって熱媒体が拡散し、拡散しない場合に比べて広範囲に熱を供給することができる。
また、本発明の第2の態様に係る熱媒体拡散部材は、例えば図2に示すように、本発明の第1の態様の熱媒体拡散部材において、風導部11と変換部材12との間にスリット10sが形成されている。
このように構成すると、スリットによって熱媒体が噴流となって拡散し、熱媒体が拡散する範囲が拡大する。
また、本発明の第3の態様に係る熱媒体拡散部材は、例えば図2に示すように、本発明の第2の態様の熱媒体拡散部材において、スリット10sは、切り欠きを含んで形成されている。
このように構成すると、切り欠き部分のある箇所から導出される熱媒体が切り欠き部分がない箇所から導出される熱媒体よりも流速が大きくなり、切り欠き部分のある箇所から導出される熱媒体に切り欠き部分がない箇所から導出される熱媒体が誘引されて、全体として導出された熱媒体の到達距離がより長くなる。
また、本発明の第4の態様に係る熱媒体拡散部材は、例えば図2に示すように、本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様の熱媒体拡散部材において、風導部11が筒状に形成されると共に、変換部材12が錐体状に形成されている。
このように構成すると、熱媒体が放射状に拡散し、風導導出方向の投影面上において、熱媒体拡散部材を中心とした周囲全体に、偏りなく熱媒体を拡散させることができる。
また、本発明の第5の態様に係る熱媒体拡散部材は、例えば図3に示すように、本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様の熱媒体拡散部材において、風導部21が、最も長い辺21xが導出口21bの一辺となる直方体21Rに形成されると共に、変換部材22が、一辺21xの方向に延びる板状に形成され;直方体21Rの内部に、前記投影面上で、一辺21xの方向の端部を残して導出口21bを塞ぐように遮蔽板23が配設されて構成されている。
このように構成すると、最も長い辺が導出口の一辺となる直方体に風導部が形成されると共に、変換部材が一辺の方向に延びる板状に形成されているので、幅広い範囲から帯状に熱媒体を拡散させることができる。
また、本発明の第6の態様に係る熱媒体拡散部材は、例えば図4に示すように、本発明の第2の態様の熱媒体拡散部材において、風導部31が筒状に形成されると共に、変換部材32が錐体状に形成され;スリット30sが、筒状の周方向に断続的に、かつ、筒状の軸直角方向断面の中心31cと断面上のスリット30sとを結ぶ線の方向に対して所定の角度αをもって熱媒体gを導出するように形成されている。
このように構成すると、スリットが、筒状の周方向に断続的に、かつ、筒状の軸直角方向断面の中心と該断面上のスリットとを結ぶ線の方向に対して所定の角度をもって熱媒体を導出するように形成されているので、熱媒体が旋回しながら拡散していくこととなって熱媒体の滞留時間が長くなる。
上記目的を達成するために、本発明の第7の態様に係る冷暖房システムは、例えば図1に示すように、本発明の第1の態様乃至第6の態様のいずれか1つの態様の熱媒体拡散部材10、20、30を備え;変換部材12(例えば図2参照)が冷暖房室Rの区画面FBに接触するように配置されている。
このように構成すると、冷暖房室の区画面に沿って熱媒体が拡散していって効率よく冷暖房室の区画面に熱を伝達することができ、熱が伝わった区画面からの輻射熱によって冷暖房室の冷房及び暖房を行うことができる。なお、「輻射熱」は、冷熱の輻射(区画面が冷暖房室内よりも低温のときに区画面が吸熱を行う)を含む。
本発明に係る熱媒体拡散部材によれば、風導導出方向にある熱媒体の流れ方向を変換する変換部材を備え、変換前の流れ方向と変換後の流れ方向とのなす角が鋭角であるので、風導部の導出口よりも風導導出方向側で、風導導出方向に対して角度をもって熱媒体が拡散し、拡散しない場合に比べて広範囲に熱を供給することができる。
また、本発明に係る冷暖房システムによれば、冷暖房室の区画面に沿って熱媒体が拡散していって効率よく冷暖房室の区画面に熱を伝達することができ、熱が伝わった区画面からの輻射熱によって冷暖房室の冷房及び暖房を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る冷暖房システム100を説明する図であり、(a)は冷暖房室の床下部分を示す部分斜視図、(b)は(a)に対する部分平面図、(c)は熱媒体変換部材と冷暖房室の区画面との位置関係を説明する部分立面図である。冷暖房システム100は、冷房又は暖房を行う対象となる冷暖房室Rを区画する床FBの下に、熱媒体拡散部材10、20、30と、複数の熱媒体拡散部材10、20、30に供給する空気を分配するコアンダ空気分配器40、40A及び遠心空気分配器50と、熱媒体拡散部材10、20、30に供給する空気gの温度を調節する温調機器65とを備えている。
ここで図2を参照して、熱媒体拡散部材としての放射状噴流ノズル10について説明する。図2は放射状噴流ノズル10を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)はスリット10sを説明する部分詳細図、(d)は変換部材12との接続部分の風導部11を説明する部分詳細図である。放射状噴流ノズル10は、風導部11と変換部材12とを有している。
風導部11は筒状に形成されており、典型的には円筒状に形成されているが、円筒状以外に、筒の軸に対して直角方向の断面が三角形あるいは四角形等の多角形の筒状に形成されていてもよい。風導部11は、筒の両端面が開口しており、一方の開口が熱媒体である空気gを導入する導入口11aとして形成されており、他方の開口が熱媒体の空気gを導出する導出口11bとして形成されている。導出口11b側の風導部11の端部には、周方向に間隔をあけて複数の凹部11eが形成されている。凹部11eは、典型的には半円形に形成されるが、四角形等であってもよい。形成される凹部11eの数及び大きさは、風導部11の直径や導出される空気gの流量によって適宜決定されるが、概ね凹部11eが半円形の場合は凹部11eの直径が風導部11の直径の1/10以下、隣り合う凹部11e同士の間隔(半円形の中心間の距離)Leが凹部11eの直径の2〜3倍程度とするとよい。また、風導部11の側面には、固定ピース15が設けられている。
変換部材12は、錐体状に形成されており、典型的には円錐状に形成されているが、円錐状以外の三角錐あるいは四角錐等の底面部が多角形の錐体状に形成されていてもよい。錐体の底面は開口となっていてもよい。錐体の底面が開口となっていると、変換部材12の製造が容易になる。他方、錐体の底面を有することとすると、空気gから伝わった熱を底面に接触する部材に伝達することができる。変換部材12の大きさは、変換部材12がないと仮定した場合に導出口11bから空気gが導出される方向である「風導導出方向」の投影面上で、錐体の底面部が少なくとも風導部11の導出口11bを包含する大きさに形成されている。風導導出方向は、典型的には、風導部11を形成する筒の軸方向であるが、筒の軸方向以外の成分を含む場合はすべての成分を考慮に入れることが好ましい。すべての成分を考慮に入れると、空気gが確実に変換部材12を形成する錐体の辺に接触することとなり好ましい。しかしながら、簡易的に、主な成分(典型的には筒の軸方向成分)だけを考慮して風導導出方向を決定してもよい。逆に、変換部材12を形成する錐体の底面部の最大は、風導部11の軸直角方向の長さの平均の1.6倍以下とするのが好ましい。例えば、風導部11が円筒状で変換部材12が円錐状に形成された場合、変換部材12の底面部の直径が導出口11bの直径より20mm程度大きくなるように形成されるのが好ましい。
変換部材12は、風導部11に対して、変換部材12を形成する錐体の頂部が導出口11bから風導部11の中に入り、錐体の底面部が風導部11の外側に位置するように取り付けられている。この際、変換部材12の錐体の頂部が風導部11を形成する筒の軸上に位置するのが好適である。図2(c)に示すように、風導部11と変換部材12とは、その相対位置が、風導部11の導出口11b側の端部を延長したと仮定した場合に変換部材12に接触する位置と導出口11b側の端部との距離Lsが、ほぼ凹部11eの直径程度になるように配設されているが、距離Lsは適宜決定してもよい。これにより、風導部11と変換部材12との間に、導出口11b側の端部の全周に渡って幅Lsのスリット10sが形成される。導出口11b側の風導部11の端部に凹部11eが形成されていることにより、スリット10sは切り欠きを含んで形成されている。なお、凹部11eは、風導部11ではなく、導出口11bの外周に対向する変換部材12の錐体の辺に形成されていてもよい。
変換部材12の風導部11への取り付けは、図2(d)に示すような突起13を、その先端をより幅の狭い爪13aとして導出口11b側の端部に3箇所程度設けると共に、突起13に対向する位置の取付部材12に爪13aを通すが突起13を通さない大きさの取付孔12hを形成し、爪13aを取付孔12hに通した後に折り曲げることにより行われる。なお、爪13aや取付孔12hを形成せずに、突起13を取付部材12に溶接することにより取り付けてもよい。
上記のように構成された放射状噴流ノズル10では、導入口11aから導入され風導部11内を流れる空気gが、導出口11b付近から略変換部材12の錐体の辺に沿った流れとなる。言い換えれば、風導部11内を流れる空気gは、変換部材12によって流れ方向が変換させられる。放射状噴流ノズル10では、図2(c)に示すように、方向が変換される前の空気gの流れ方向Vs(風導部11内を流れる空気gの平均の流れ方向Vs)と変換された後の空気の流れ方向Vc(スリット10sから流出する空気gの平均の流れ方向Vc)とのなす角θは鋭角となる。ここで、変換された後の空気の流れ方向Vcを説明する際の「スリット10sから流出する空気g」は、典型的には、変換部材12を形成する錐体の辺の法線が、風導部11の導出口11b側の端部外周を通るときの、変換部材12と風導部11との間を流れる空気gをいう。変換部材12が錐体状となっており、スリット10sが全周に渡って形成されているので、放射状噴流ノズル10から導出された空気gは、放射状に拡散される。空気gが放射状に拡散されるとき、切り欠きが形成された部分のスリット10sから導出される空気gの流速が、切り欠きが形成されていない部分のスリット10sから導出される空気gの流速よりも速くなっているので、流速の速い空気gが流速の遅い空気gを誘引し、空気g全体の到達距離が長くなる。なお、切り欠きが形成された部分のスリット10sとは、風導部11の凹部11eが形成されている部分の筒端面に平行な方向の距離(凹部11eが半円形の場合はその半円の直径)と、風導部11と変換部材12との間の筒端面に垂直な方向の距離とで囲まれた部分をいう。また、切り欠きが形成された部分のスリット10sとは、先に述べた凹部11eが形成されている部分の筒端面に平行な方向の距離に相当する凹部11eが形成されていない部分の筒端面に平行な方向の距離と、風導部11と変換部材12との間の筒端面に垂直な方向の距離とで囲まれた部分をいう。
次に図3を参照して、熱媒体拡散部材としての二方向噴流ノズル20について説明する。図3は二方向噴流ノズル20を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は風導部21の斜視図である。二方向噴流ノズル20は、風導部21と変換部材22とを有している。
風導部21(図3(d)参照)は、直方体21Rとその一面に取り付けられた円筒21Pとを含んで構成されている。円筒21Pは、直方体21Rの最も長い辺21xが一辺となる面21faのほぼ中央に取り付けられ、円筒21Pと直方体21Rとが連通するようになっている。円筒21Pの、直方体21Rと連接する端面とは逆側の端面は開口となっており、この開口が熱媒体としての空気gを導入する導入口21aとなっている。直方体21Rの、円筒接続面21faと対向する面21fbは開口となっており、この開口が空気gを導出する導出口21bとして形成されている。すなわち、導出口21bは、直方体21Rの最も長い辺21xが一辺となる開口で形成されている。また、直方体21Rの内部には、円筒接続面21faとほぼ並行に、空気gの流れを妨げる遮蔽板23が配設されている。遮蔽板23は、直方体21Rの辺21xに平行な両辺全体が、円筒接続面21faから垂直に延びる面21ffに接触しているが、導出口21bを形成する辺のうちの短い方の辺21yに平行な両辺全体は、円筒接続面21faから垂直に延びる面21fsに接触していない。すなわち、遮蔽板23は、直方体21R内に、最も長い辺21xが延びる方向の両端部で空気gが流通可能な開口が形成されるように取り付けられている。
風導部21の円筒21Pの径は、通過する空気gの流量に応じて決定される。直方体21Rの大きさは、導出口21bを形成する短辺21yの長さが円筒21Pの直径とほぼ同じか円筒21Pの直径の2倍以下が好ましく、1.5倍以下がより好ましい。また、導出口21bを形成する長辺21xの長さは、短辺21yの3〜10倍程度が好ましく、4〜8倍程度がより好ましい。また、円筒接続面21faに対して垂直に延びる方向の辺21zの長さは、短辺21yの0.5〜1.5倍、好適には0.7倍程度とするとよい。なお、長辺21xの長さを短辺21yの10倍以上としてもよく、その場合は2個あるいは3個以上の円筒21Pを円筒接続面21faに取り付けるとよい。円筒21Pを2個取り付けることとした場合、2個の円筒21Pを円筒接続面21faのほぼ中央部に取り付けてもよく、円筒接続面21faを2つの領域に分けてそれぞれの領域のほぼ中央に1個ずつの円筒21Pを取り付けるようにしてもよい。2個の円筒21Pを2つに分けた領域のそれぞれの中央部に取り付ける場合は、各領域の境界付近の遮蔽板23を除去して空気gが通る開口を形成するのが好ましい。
円筒接続面21faから垂直に延びる面のうち長辺21xを含む面21ffの導出口21b側の端部には、間隔をあけて複数の凹部21eが形成されている。凹部21eは、典型的には半円形に形成されるが、四角形等であってもよい。形成される凹部21eの数及び大きさは、風導部21の大きさや導出される空気gの流量によって適宜決定されるが、概ね凹部21eが半円形の場合は凹部21eの直径が短辺21yの長さの1/10以下、隣り合う凹部21e同士の間隔(半円形の中心間の距離)Leが凹部21eの直径の2〜6倍程度とするとよい。風導部21の円筒21Pの側面には、固定ピース25が設けられている。
変換部材22(図3(a)〜(c)参照)は、一辺が風導部21の直方体21Rの長辺21xと同じ長さで、これに直交する辺が直方体21Rの短辺21yを超え長辺21x未満である長さを有する矩形の平板を「くの字」に折り曲げて、くの字の頂部が長辺21xの方向に連なるように形成されている。つまり、変換部材22は、概ね、直方体21Rの長辺21xの方向に延びる板状の部材が、長手方向に垂直な断面がくの字状を有するように形成されている。変換部材22は、断面くの字状の両端を直線的に結ぶ長さLtが、風導部21の直方体21Rの短辺21yの長さの1.2〜2.0倍の長さに形成されている。変換部材22は、矩形の平板がくの字に曲げられて形成された谷の部分を塞ぐように天板22Bが設けられるのが好ましい。天板22Bが設けられると、空気gから伝わった熱を天板22Bに接触する部材に伝達することができると共に、「くの字」の角度が変わることを防ぐことができる。しかしながら、製造容易の観点から、天板22Bを設けなくてもよい。
変換部材22は、風導部21に対して、変換部材22の「くの字」の頂部が導出口21bから風導部21の中に入り、長手方向に延びる両辺が風導部21の外側に位置するように取り付けられている。変換部材22の風導部21への取り付けは、円筒接続面21faから垂直に延びる短辺21yを含む面21fsの内側に、変換部材22のくの字状に曲がった辺を溶接することなどによって行われる。この際、変換部材22の「くの字」の頂部が、風導部21の直方体21Rの短辺21yの中点を通り、円筒接続面21faに垂直な仮想面上に位置するのが好適である。このように取り付けられることにより、変換部材22がないと仮定した場合に導出口21bから空気gが導出される方向である「風導導出方向」の投影面上で、導出口21bが変換部材22に包含されることとなる。「風導導出方向」については、放射状噴流ノズル10(図2参照)の説明において述べたのと同様である。また、図3(c)に示すように、風導部21と変換部材22とは、その相対位置が、風導部21の導出口21b側の端部を延長したと仮定した場合に変換部材22に接触する位置と導出口21b側の端部との距離Lsが、ほぼ凹部21eの直径程度になるように配設されている。これにより、風導部21の正面21ffと変換部材22との間に、導出口21b側の両長辺21xの全長に渡って幅Lsのスリット20sが形成される。導出口21b側の風導部21の端部に凹部21eが形成されていることにより、スリット20sは切り欠きを含んで形成されている。なお、凹部21eは、風導部21ではなく、長辺21xに対向する部分の変換部材22に形成されていてもよい。
上記のように構成された二方向噴流ノズル20では、導入口21aから導入された空気gが円筒21Pから直方体21Rに流入し、遮蔽板23に衝突して長手方向の両端部に形成された開口に向かって広がり、導出口21b側に至る。遮蔽板23よりも導出口21b側に移動した風導部21内の空気gは、導出口21b付近から略変換部材22のくの字状の辺に沿った流れとなる。言い換えれば、風導部21内を導出口21bに向かって流れる空気gは、変換部材22によって流れ方向が変換させられる。二方向噴流ノズル20では、図3(c)に示すように、方向が変換される前の空気gの流れ方向Vs(遮蔽板23よりも導出口21b側の風導部21内を流れる空気gの平均の流れ方向Vs)と変換された後の空気の流れ方向Vc(スリット20sから流出する空気gの平均の流れ方向Vc)とのなす角θは鋭角となる。「スリット20sから流出する空気g」については、放射状噴流ノズル10における場合と同様である。変換部材22がくの字状となっているので、二方向噴流ノズル20から導出された空気gは、長辺21xに対して垂直方向に二方向に拡散される。空気gが二方向に拡散されるとき、切り欠きが形成された部分のスリット20sから導出される空気gの流速が、切り欠きが形成されていない部分のスリット20sから導出される空気gの流速よりも速くなっているので、流速が速い空気gが流速が遅い空気gを誘引し、空気gの到達距離が長くなる。切り欠きが形成された部分のスリット20s及び切り欠きが形成されていない部分のスリット20sについては、放射状噴流ノズル10における場合と同様である。なお、二方向噴流ノズルでは、遮蔽板23を設けることによって、スリット20sから導出される空気gの動圧の均一化を図っている。
次に図4を参照して、熱媒体拡散部材としての旋回噴流ノズル30について説明する。図4は旋回噴流ノズル30を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は風導部31の軸直角方向断面図、(c)は風導部31の斜視図、(d)はスリット30sを説明する部分詳細図である。旋回噴流ノズル30は、風導部31と変換部材32とを有している。風導部31は、放射状噴流ノズル10の風導部11(図2参照)と比較して、凹部11e部分を除く風導部11(図2参照)と同様に構成されている。このとき、風導部11の導入口11a、導出口11b及び固定ピース15(図2参照)に相当する部分が、風導部31の導入口31a、導出口31b及び固定ピース35となる。また、変換部材32は、放射状噴流ノズル10の変換部材12(図2参照)と同様、錐体状に構成されている。
風導部31では、導出口31b側の風導部31の端部に、筒の一部が外側に折り曲げられて形成される襟部31eが、周方向に間隔をあけて複数形成されている。別の観点から説明すれば、襟部31eは、導出口31b側の端部から風導部31を形成する筒状部材に筒の軸方向の切り込みを、周方向にほぼ等しい間隔で入れ、切り込みの奥端部(導出口31bと離れる側の切り込みの端部)と、風導部31の導出口31b側の端部の周上の切り込み位置から離れた点とを結ぶ線で風導を外側に折り曲げることにより形成されている。襟部31eが形成されることにより、導出口31b側の風導部31の端部に、開口31hが形成される。
変換部材32は、風導部31に対して、変換部材32の錐体の頂部が導出口31bから風導部31の中に入り、錐体の底面部が風導部31の外側に位置するように取り付けられている。この際、変換部材32の錐体の頂部が風導部31を形成する筒の軸上に位置するのが好適である。変換部材32は、風導部31を形成する筒の導出口31b側の端部の周上(襟部31eとして外側に折り曲げられずに残った部分)で風導部31と接触し、接触部分が溶接等で固着されている。あるいは、図1(d)のように爪を有する突起で固定してもよい。これにより、風導部31と変換部材32との間に、風導部31を形成する筒の周方向に断続的に形成される複数の開口31hからなる、スリット30sが形成される。
上記のように構成された旋回噴流ノズル30では、導入口31aから導入され風導部31内を流れる空気gが、導出口31b付近から変換部材32の錐体の辺に沿った流れとなる。言い換えれば、風導部31内を流れる空気gは、変換部材32によって流れ方向が変換させられる。旋回噴流ノズル30では、図4(d)に示すように、方向が変換される前の空気gの流れ方向Vs(風導部31内を流れる空気gの平均の流れ方向Vs)と変換された後の空気の流れ方向Vc(風導部31を形成する筒の軸方向断面の平面におけるスリット30sから流出する空気gの平均の流れ方向Vc)とのなす角θは鋭角となる。変換部材32の錐体の辺に沿って流れる空気gは、スリット30s付近で、外側に広がった襟部31eによって方向付けられ、スリット30sの各開口31hから、風導部31の筒の軸直角方向断面の中心31cとその断面上のスリット30s(開口31h)とを結ぶ線の方向に対して所定の角度αをもって導出される。所定の角度αは、空気gが変換部材32の錐体の周りを旋回するような角度であり、風導部31の筒状部材が円筒の場合は接線方向成分を含んでいる。
次に図5を参照して、ダクト内を流れる空気gを分配するコアンダ空気分配器40について説明する。図5はコアンダ空気分配器40を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。コアンダ空気分配器40は、チャンバー41と湾曲部材42とを有している。
チャンバー41は、直方体に形成されている。チャンバー41には、直方体の1つの面に、空気gを流すダクトを接続するメインソケット44Aが取り付けられており、メインソケット44Aが取り付けられた面41faに対向する面41fbに、空気gを流すダクトを接続するメインソケット44Bが取り付けられている。メインソケット44A、44Bは、典型的には、取り付けられる矩形の面41fa、41fbに対して、短辺41zが延びる方向にはそのほぼ中央に、長辺41xが延びる方向にはその中央ではなく偏心し、メインソケット44A及び44Bの芯が1本の直線上に配置されるように取り付けられている。また、メインソケット44A、44Bが取り付けられた面41fa、41fbと垂直な短辺41zを含む面のうち、メインソケット44A、44Bから遠い方の面41fcのほぼ中央に、空気gを流すダクトを接続するサブソケット45が取り付けられている。また、チャンバー41には、コアンダ空気分配器40を固定するための固定ピース46が取り付けられている。
湾曲部材42は、チャンバー41の内部に設けられている。湾曲部材42は、矩形の平板を、この平板の1組の対向する辺42a、42b同士を近づけるように湾曲させて湾曲面42fを有するように作られる。辺42a、42b自体は直線を維持している。湾曲面42fが作る曲線は、典型的には、シャフト43Cに対して垂直方向断面において、シャフト43Cを中心とした円の円弧であるが、楕円の弧のように途中で曲率が変わるものであってもゆるやかに曲がっていればよく、このようなものも円弧の概念に含まれる。湾曲の程度は、円弧の中心角が30°〜150°、好ましくは60°〜120°、さらに好ましくは80°〜100°、典型的には90°とするとよい。湾曲部材42の湾曲した両辺を挟むように2枚の回動板43A、43Bが取り付けられている。回動板43A、43Bは、向かい合う面が平行になるように湾曲部材42が取り付けられている。2枚の回動板43A、43Bには、それぞれの中心を貫くシャフト43Cが取り付けられている。湾曲部材42及び回動板43A、43Bが取り付けられたシャフト43Cは、チャンバー41のメインソケット44A、44B及びサブソケット45が取り付けられた面41fa、41fb、41fcのいずれにも垂直な2つの面41fd、41feを貫くようにして、貫く面41fd、41feに対して垂直にチャンバー41に取り付けられている。シャフト43Cは、メインソケット44A、44Bが取り付けられた面41fa、41fbのほぼ中間で、かつ、回動板43A、43Bの径方向の面41ff側の端部が、メインソケット44A、44Bの径方向の面41ff側の端部よりもサブソケット45が取り付けられた面41fc側に位置するように、チャンバー41に取り付けられている。湾曲部材42は、チャンバー41内で、湾曲した方向に、シャフト43Cを中心として回動することができるように構成されている。
上記のように構成されたコアンダ空気分配器40では、メインソケット44Aからメインソケット44Bに流れようとする空気gの一部が湾曲部材42に捕捉される。湾曲部材42に捕捉された空気gは、コアンダ効果(流れの中に物体を置いたときにその物体に沿って流れの向きが変わる流体の性質)により湾曲面42fに沿って流れ、サブソケット45に向かう流れへと方向を変える。このとき、空気gが湾曲面42fに沿って流れるので、空気gが流れ方向を変える際の圧力損失が軽減され、メインソケット44A、44B間を流れる空気gをサブソケット45から導出される空気gに効率よく分配することができる。湾曲部材42に捕捉されなかった空気gは、メインソケット44Bから導出される。なお、湾曲部材42を回動板43A、43B及びシャフト43Cを介して回動することにより、サブソケット45側に分配する空気gの流量を調節することができる。
次に図6を参照して、気体分配器としての遠心空気分配器50について説明する。図6は遠心空気分配器50を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図、(c)は導入筒の軸直角方向断面図である。遠心空気分配器50は、導入筒51と、チャンバー53と、可動遮蔽部材57とを有している。
導入筒51は、筒状(典型的には円筒状)に形成され、その一端51aが閉塞されている。導入筒51の閉塞された一端51aとは反対側の他端は開口となって、空気gを導入する導入口51bが形成されている。導入口51bは、閉塞端面51aから離れた位置に形成されている。導入筒51の閉塞端面51aと導入口51bとの間の側面には、空気gを導出する複数の側面開口51hが形成されている。側面開口51hは、閉塞端面51aに近い側面に、導入筒51の軸方向に長い長方形を罫書き、長方形の長辺の一辺であるつなぎ辺51vを残して切り込みを入れ、長方形をつなぎ辺51vから外側に折り曲げることにより形成される。つなぎ辺51vから外側に折り曲げた長方形は、側面開口51hから導出する空気gの導出方向を定めるガイド51eとなる。導入筒51は、側面開口51h及びガイド51eが形成されることにより、導入筒51の軸直角方向断面の中心51cとその断面上の側面開口51hとを結ぶ線の方向に対して所定の角度γをもって空気gを導出することができるように構成されている。なお、導入口51bは、側面開口51hよりも閉塞端面51aから離れる側の側面に形成し、閉塞端面51aと対向する端面も閉塞してもよい。
チャンバー53は、典型的には直方体に形成され、直方体の互いに向かい合う一対の面53R、53Sがほぼ正方形に形成されている。ほぼ正方形の面53R、53Sに対して垂直な4つの面53A、53B、53C、53Dは、面53R、53Sに対して垂直な辺が、導入筒51に形成された側面開口51hのつなぎ辺51vの長さよりも長く形成されている。ほぼ正方形の面の一方である面53Sには、ほぼ中央に、導入筒51を挿入可能であるが導入筒51との隙間ができるだけ小さくなるような導入筒貫通孔53Shが形成されており、面53Sに対向する面53Rには、正方形の一辺よりもやや小さい直径の可動遮蔽板貫通孔53Rhが形成されている。可動遮蔽板貫通孔53Rhは、導入筒貫通孔53Shよりも大きく形成されている。チャンバー53には、導入筒51の側面開口51hがチャンバー53内に収容され、導入口51bがチャンバー53の外側に位置するように、導入筒51が挿入されている。このとき、導入筒51とチャンバー53とは、導入筒51の閉塞端面51aと、面53Rとがほぼ揃うように配設されている。
チャンバー53の面53A、53B、53C、53Dには、面53Rを上側に、面53Sを下側に見た場合の左端部に、空気gを導出する導出口53hがそれぞれ形成されている。また、チャンバー53には、面53A〜53Dの導出口53hを形成する辺のうち内側の辺から、その面に対して垂直にチャンバー内に延びるガイド板54が取り付けられている。ガイド板54は、可動遮蔽板貫通孔53Rhの境界までチャンバー53内に延びている。なお、面53R及び面53Sは、正方形ではなく六角形や八角形であってもよい。六角形や八角形とした場合は、これらに垂直な面が6面あるいは8面となり、導出口53hを6つあるいは8つにすることができる。また、面53R及び面53Sは、いずれの形状であっても、各頂点の角度が等しくなるようにすると、各導出口53hから導出される空気gの量がほぼ等しくなり好適である。
可動遮蔽部材57は、可動遮蔽板55及び円板56を有している。円板56は、チャンバー53の可動遮蔽板貫通孔53Rhよりもやや大きい直径を有している。可動遮蔽板55は、矩形の平板がチャンバー53の可動遮蔽板貫通孔53Rhとほぼ同様の曲率に湾曲したものであり、円板56の面に対して垂直に延びるように円板56の外周からやや内側に入った円板56の面に取り付けられている。可動遮蔽板55は、面53R、53Sが正方形の場合は、円板56に等間隔で4つ取り付けられている。可動遮蔽板55の湾曲していない辺は、チャンバー53の面53A〜53D同士が接続している辺の長さと同様の長さになっている。円板56には回動させるためのつまみ56aが取り付けられている。可動遮蔽部材57は、チャンバー53に対し、可動遮蔽板55が内部に位置し、円板56が外部に位置するように配設されている。
上記のように構成された遠心空気分配器50では、導入筒51の導入口51bから空気gが流入し、流入した空気gは側面開口51hから導入筒51の外周を旋回するように流出する。導入筒51から流出した空気gは、流出して衝突するチャンバー53内の面53A〜53Dに沿ってそれぞれ流れ、面53A〜53Dとガイド板54との間を通って導出口53hから導出される。なお、円板56を円周方向に回動させることにより、可動遮蔽板55が面53A〜53Dとガイド板54とに挟まれて形成される流路の断面積を可変とすることができ、これにより導出口53hから導出する空気gの流量を可変とすることができる。
再び図1に戻り、適宜図2〜6も参照して、冷暖房システム100の説明を続ける。
温調機器65は、パッケージ型空調機やエアハンドリングユニット等が好適に用いられる。温調機器65は、空気gを各噴流ノズル10、20、30に送気する送風機66が内蔵されているが、送風機66は外付けであってもよい。温調機器65は、コイル(不図示)内を流れる流体と熱交換することにより、冷暖房室Rを冷房するときは空気gを冷却し、冷暖房室Rを暖房するときは空気gを温めるように構成されている。
温調機器65は、遠心空気分配器50の導入筒51に形成された導入口51bと、ダクト81を介して接続されている。本実施の形態では、遠心空気分配器50の底部から延びる導入筒51にダクト81を接続しているが、遠心空気分配器50の天地を逆にして上方に導入筒51が延びるように配設し、遠心空気分配器50の上部からダクト81を接続してもよい。このようにすると、遠心空気分配器50の設置スペースをより小さくすることができる。このときは、つまみ56aが水平方向に延びるように円板56に設けられる。遠心空気分配器50のチャンバー53に形成された各導出口53hは、コアンダ空気分配器40のメインソケット44Aと、ダクト82を介して接続されている。コアンダ空気分配器40のメインソケット44Bと、隣接するコアンダ空気分配器40のメインソケット44Aとは、ダクト83を介して接続されている。冷暖房システム100は、必要に応じてコアンダ空気分配器40よりも一回り小さい大きさのコアンダ空気分配器40Aを備えており、コアンダ空気分配器40Aを備える本実施の形態では、コアンダ空気分配器40のサブソケット45とコアンダ空気分配器40Aのメインソケット44Aとがダクト84を介して接続されている。コアンダ空気分配器40Aのメインソケット44Bと、隣接するコアンダ空気分配器40Aのメインソケット44Aとも、ダクト84を介して接続されている。コアンダ空気分配器40Aのサブソケット45は、放射状噴流ノズル10の導入口11aと、あるいは二方向噴流ノズル20の導入口21と、あるいは旋回噴流ノズル30の導入口31と、ダクト85を介して接続されている。ダクト81〜85は、典型的にはフレキシブルダクトが用いられるが、亜鉛鉄板で成形されたダクトを用いてもよい。
各噴流ノズル10、20、30は、変換部材12、22、32が冷暖房室Rの区画面FBに接触するように、冷暖房室Rの区画面FBの裏側に、取付金具を用いて取り付けられている。
図7は、ノズル取付金具61を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図である。ノズル取付金具61は、補強部材62が、湾曲した矩形の金属製の平板63のほぼ中央に取り付けられて形成されている。補強部材62及び平板63には、各噴流ノズル10、20、30の風導部11、21P、31を挿通し、固定ピース15、25、35が取り付けられた部分は通さないような挿通孔61hが形成されている。二方向噴流ノズル20を固定するのに用いるノズル取付金具61の挿通孔61hは、円筒21Pを通すことができる開口となっている。
各噴流ノズル10、20、30を設置するには、まずノズル取付金具61を、冷暖房室Rの区画面FBを固定するための根太や軽量鉄骨に、湾曲して凸になった側を冷暖房室Rの区画面FB側に向けて取り付ける。次に、根太や軽量鉄骨に取り付けられたノズル取付金具61の挿通孔61hに、冷暖房室Rの区画面FB側から各噴流ノズル10、20、30の風導部11、21P、31を挿通する。各噴流ノズル10、20、30は、固定ピース15、25、35が補強部材62に接触して挿通が止まる。このとき、各噴流ノズル10、20、30の変換部材12、22、32の端部が仕上面(例えば図1(c)におけるFL面)よりも冷暖房室R側に入るように設置する。変換部材12、22、32の端部が冷暖房室R側に入る程度は、変換部材12、22、32の端部が仕上面に移動したときに、ノズル取付金具61の平板63が弾性変形の範囲内で変形する程度である。最後に冷暖房室Rの区画面FBを形成する仕上材を根太や軽量鉄骨に取り付けると、ノズル取付金具61が板バネのようにたわんで、各噴流ノズル10、20、30の変換部材12、22、32の端部が仕上面FBに押しつけられるように接触する。
なお、本実施の形態では、3種類の噴流ノズル10、20、30を配設することとしているが、いずれか1種類あるいは任意の2種類の噴流ノズルを配設することとしてもよい。放射状噴流ノズル10は、その周囲の広範囲に空気gを拡散させるのに好適であり、二方向噴流ノズル20は、例えば根太等が邪魔をして放射状に拡散させることができない場合に好適であり、旋回噴流ノズル30は滞留時間が長くなるため、到達距離を多少犠牲にしても空気gからの放熱量(吸熱量)を大きくしたい場合に好適である。
続いて図1を主に参照し、図2〜図6を適宜参照して、冷暖房システム100の作用を説明する。熱媒体としての空気gは、温調機器65で温度が調節された後にダクト81を通って導入口51bから遠心空気分配器50に流入する。遠心空気分配器50では、空気gがバランスよく分配され、面53A〜53Dに形成された各導出口53hから流出する。このように、遠心空気分配器50では、気体gをほぼ均等に4つのダクト82に分配する。遠心空気分配器50で分配された空気gは、ダクト82を通ってメインソケット44Aからコアンダ空気分配器40に流入する。コアンダ空気分配器40では、流入した空気gの一部がサブソケット45からダクト84に流出し、残りがメインソケット44Bからダクト83に流出する。メインソケット44Bから流出した空気gは、次のコアンダ空気分配器40でさらに空気gを分配し、これを必要に応じて繰り返す。他方、サブソケット45から流出した空気gは、必要に応じて一回り小さいコアンダ空気分配器40Aに流入してさらに空気gを分配する。なお、遠心空気分配器50から流出する空気gの量、及びコアンダ空気分配器40、40Aで分配する空気gの比率を変更するため、遠心空気分配器50の可動遮蔽板55が取り付けられた円板56やコアンダ空気分配器40、40Aの湾曲部材42が取り付けられた回動板43A、43Bを操作することができるように、冷暖房室Rの区画面FBに点検口を設けておくことが好ましい。
コアンダ空気分配器40、40Aで分配した空気gは、ダクト85を介して放射状噴流ノズル10、二方向噴流ノズル20、旋回噴流ノズル30に流入する。各噴流ノズル10、20、30は、ダクト83やダクト84に接続されていてもよい。放射状噴流ノズル10では、スリット10sから流出した空気gが略変換部材12の錐体の辺に沿って区画面FBに向かって放射状に流れる。その後、空気gは、区画面FBに衝突して区画面FBに沿う方向に向きを変え、区画面FBに沿って、放射状噴流ノズル10を中心に放射状に拡散する。二方向噴流ノズル20では、スリット20sから、長辺21xと垂直の方向に空気gが流出する。スリット20sから流出した空気gは、まず略変換部材22の表面に沿い、次いで区画面FBに沿って流れ、長辺21xと垂直の二方向に拡散する。旋回噴流ノズル30では、スリット30sから流出した空気gが略変換部材12の錐体の辺に沿って区画面FBに向かって螺旋状に流れる。その後、空気gは、区画面FBに衝突し、旋回噴流ノズル30を中心に旋回しながら拡散する。
区画面FBに沿って拡散した空気gは、区画面FBに放熱して区画面FBを温め(暖房時)、あるいは区画面FBから吸熱して区画面FBを冷やす(冷房時)。そして、温められ、あるいは冷やされた区画面FBからの輻射熱により冷暖房室Rの冷房あるいは暖房を行う。なお、この輻射冷暖房に加えて、各噴流ノズル10、20、30から吹き出した空気gを冷暖房室Rに導入し、これを対流させて冷房又は暖房したのちに収集し、収集した空気gを温調機器65に戻すようにしてもよい。
以上の説明では、冷暖房システム100が温調機器65を備えることとして説明したが、外気をそのまま冷熱の熱媒体として利用する外気冷房を行う場合や、各噴流ノズル10、20、30に代えて冷暖房室R内に空気gを吹き出す吹出口を設けて冷暖房室Rの冷暖房を行わずに換気のみを行う場合等は、温調機器65に代えて送風機を設けることとしてもよい。このように、冷暖房システム100は、冷暖房室Rの温度調節を行わない換気設備として利用することもできる。
本発明の実施の形態に係る冷暖房システムを説明する図である。(a)は冷暖房室の床下部分を示す部分斜視図、(b)は(a)に対する部分平面図、(c)は熱媒体変換部材と冷暖房室の区画面との位置関係を説明する部分立面図である。 放射状噴流ノズルを説明する図である。(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)はスリットを説明する部分詳細図、(d)は変換部材との接続部分の風導部を説明する部分詳細図である。 二方向噴流ノズルを説明する図である。(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は風導部の斜視図である。 旋回噴流ノズルを説明する図である。(a)は正面図、(b)は風導部の軸直角方向断面図、(c)は風導部の斜視図、(d)はスリットを説明する部分詳細図である。 コアンダ空気分配器を説明する図である。(a)は斜視図、(b)は平面図である。 遠心空気分配器を説明する図である。(a)は斜視図、(b)は分解斜視図、(c)は導入筒の軸直角方向断面図である。 ノズル取付金具を説明する図である。(a)は斜視図、(b)は正面図である。
符号の説明
10 放射状噴流ノズル
10s スリット
11 風導部
11a 導入口
11b 導出口
12 変換部材
20 二方向噴流ノズル
20s スリット
21 風導部
21b 導出口
21R 直方体
21x 最長辺
22 変換部材
23 遮蔽板
30 旋回噴流ノズル
30s スリット
31 風導部
31c 筒の軸直角方向断面の中心
32 変換部材
100 冷暖房システム
g 空気(熱媒体)
FB 区画面
R 冷暖房室
Vc 変換後の流れ方向(風導導出方向)
Vs 変換前の流れ方向
α 所定の角度
θ 変換前後の流れ方向のなす角

Claims (2)

  1. 気体の熱媒体を導入する導入口と前記熱媒体を導出する導出口とが形成された風導部と、前記風導部における前記熱媒体の風導導出方向の投影面上で前記導出口を包含する大きさを有し、前記風導導出方向にある前記熱媒体の流れ方向を変換する変換部材とを有する熱媒体拡散部材を備え;
    前記熱媒体の変換前の流れ方向と変換後の流れ方向とのなす角が鋭角であり;
    前記風導部と前記変換部材との間に前記熱媒体が導出するスリットが形成され;
    前記風導部が筒状に形成されると共に、前記変換部材が錐体状に形成され;
    前記熱媒体拡散部材は、前記スリットが、前記筒状の周方向に断続的に、かつ、前記筒状の軸直角方向断面の中心と該断面上の前記スリットとを結ぶ線の方向に対して所定の角度をもって前記熱媒体を導出するように形成され、前記スリットから導出した熱媒体が前記変換部材の周りを旋回しながら冷暖房室の区画面に沿って流れるように配置された;
    冷暖房システム。
  2. 前記熱媒体拡散部材は、前記変換部材が前記区画面の裏側に接触するように配置された;
    請求項1に記載の冷暖房システム。
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