JP2009031684A - レーザー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非線形光学結晶の育成条件や加工工程において生じるばらつきや不均一性に起因するビーム形状の変化を補正する。
【解決手段】光源20と、非線形光学結晶2と、非線形光学結晶2のウォークオフ方向に全体として正の焦点距離を持つレンズ群30と、ウォークオフ方向と略直交する方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズ6と、ウォークオフ方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズ8と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、非線形光学結晶を用いて波長を変換するレーザー装置に関する。
レーザー光は、一般に、電波よりも周波数が高いので情報収容能力が大きく、また、波長が同一であり位相がそろっているので単色性や指向性に優れ、通常の光線にみられない干渉性をもっている。さらに、極めて細く収束できるため、微小な面積にエネルギーを集中して、局部的、瞬間的に高温、高圧を実現できるなどの特徴を有している。このため、通信及び情報関係、計測関係、加工技術への応用、医学面への応用など、多方面に応用されている。
レーザー光の波長を変換して例えば第2高調波を発生することができる非線形光学結晶からなる波長変換素子は、例えば、半導体の微細加工に用いられるステッパなどの半導体露光装置に適用されるレーザー光源や、安定な高出力レーザー光を発振できるレーザー光発生装置などに採用されている。
近年、このようなレーザー光源やレーザー光発生装置(例えば、半導体検査装置に用いられる光源)に関して、レーザー光の高出力化、短波長化の研究がなされている。
レーザー光の高出力化、短波長化を達成する手段として、現在、様々な手法が取られているが、これらの中で最も有望なものの一つに、固体レーザーからの出力光を非線形光学結晶の波長変換により短波長化し、短波長領域、特に紫外光領域のレーザー光を得る方法が挙げられる。固体レーザーは、半導体レーザーよりも、高効率でかつ安価に提供することが可能であり、また、KrFやArF等を用いるガスレーザーに比べて信頼性が高いと考えられる。
ここで、例えば、波長1064nmのレーザー光を発振するネオジム:イットリウム・アルミニウム・ガーネットレーザー(以下、Nd:YAGレーザーと称する。)の第4高調波、すなわち、波長266nmのレーザー光は、小型化が可能で比較的安価にて供給されるため、次世代半導体検査装置の光源や、青色波長帯域の記録再生用光を用いる次世代光記録媒体のマスタリング用光源等として有望である。
実際に波長266nmの深紫外線レーザー光を得るには、まず、波長1064nmの基本波からのSHG(Second Harmonic Generation:第2高調波発生)により波長532nmの第2高調波を得、さらにSHGによって、半分の波長を有する波長266nm、すなわち第4高調波のレーザー光を得るという方法が実施されている。
この第4高調波の発生過程を、図18を参照して説明する。
図18に示すように、Nd:YAGレーザー発振器等の光源(図示を省略する)から発振された波長1064nmのレーザー光Laは、非線形光学結晶101、例えばホウ酸リチウム結晶(以下、LBO結晶と称する)を通過する。この際、第2高調波である波長532nmのレーザー光Lbが発生する。次に非線形光学結晶101から出射されるレーザー光Lbは別の非線形光学結晶102、例えばβ‐ホウ酸バリウム結晶(以下、BBO結晶と称する)を通過して、第4高調波である波長266nmのレーザー光Lcが発生する。
図19は、波長532nmのレーザー光が波長266nmのレーザー光に変換される過程を示す説明図である。この例においては波長532nmのレーザー光を基本波、波長266nmのレーザー光をその第2高調波として説明する。基本波である波長532nmのレーザー光Lbは、レーザー光入射面103Aから非線形光学結晶103に入射し、非線形光学結晶103中で第2高調波の266nmのレーザー光を発生させながら光軸方向(すなわち図中z方向)に進行する。発生した波長266nmのレーザー光は結晶中で異常光線となるため基本波と別の方向、すなわちウォークオフ方向へとずれて進行する。このため、第2高調波である波長266nmのレーザー光はウォークオフを生じる。図19中、光軸に沿う光の進行方向をz方向、ウォークオフ方向をx方向、これらと直交する方向をy方向としてそれぞれ矢印で示す。
このため、波長266nmのレーザー光は非線形光学結晶103中を伝搬する間にウォークオフ方向(図中x方向)に広がっていく。一方、ウォークオフの生じない方向(すなわち図中y方向)については、ほぼ広がりは生じない。したがって図19に示すように、入射レーザー光Lbがほぼ円形をなす場合、非線形光学結晶103の出射面103Bから出射される波長266nmのレーザー光Lcは、レーザー出射面103Bではウォークオフ方向(すなわち、図中x方向)に偏平なビーム形状となる。
出射される波長266nmのレーザー光のプロファイルは、図中y方向についてはガウシアン分布となるが、x方向については、トップハット形状となる。このように、ウォークオフによりビームプロファイルがトップハット形状となる概念図を図20に示す。図20においては、横軸をx方向とし、非線形光学結晶の入射面である入射位置p1から出射面である出射位置p8までの各位置p1〜p8における各ビームプロファイルを示し、縦軸は強度(任意単位)である。入射位置p1で発生した波長266nmのレーザー光は、この入射位置p1付近ではガウシアン分布である。そして出射位置p8に向かって基本波が光軸方向に伝搬しながら各位置で波長266nmの第2高調波が発生する。各位置で発生した第2高調波レーザー光は次々にウォークオフによりx方向にずれながら進行する。このため、これらが重なり合い、出射位置p8では結果的に横方向に広がり、強度がある範囲で一定となるいわゆるトップハット形状のビームプロファイルとなる。ただし、完全なトップハット形状ではなく、両端はそれぞれガウシアン分布の片側の形状となる。
波長266nmにおけるBBO結晶のウォークオフ角は4.8°である。また、結晶の長さは、変換された波長266nmのレーザー光の必要な出力を得るため、6mm程度である。
ウォークオフ角をα、結晶の長さをlzとすると、x方向のビームの長さωxは下記の式(1)で表される。
ωx=tanα×lz・・・(1)
したがって、x方向のビームの長さはtan4.8°×6mm=0.5mmとなる。
例えば、波長532nmの基本波がビーム径90μmの円形のガウシアンビームで長さlz=6mmのBBO結晶に入射すると、発生した波長266nmのレーザー光のy方向のビーム径は64μm程度となり、x方向のビーム径は上記の通り0.5mmとなる。x方向のビームプロファイルはウォークオフにより両端にガウシアン分布の片側の形状を持った形状、すなわち図20において説明したトップハット形状となる。
BBO結晶から出射された波長266nmのレーザー光は、ニアフィールドではx方向の長さが0.5mm、y方向の長さが64μmのx方向に長い形状であり、x方向よりもy方向の発散角が大きいためにファーフィールドにおいては、y方向に長い形状となる。装置などの光源として使用する場合、このままの形状のビームでは利用しづらい。このため、ビーム整形光学系にてコリメートされた縦横比1:1のビームとして射出するのが望ましい。
従来においては、このようにビームを整形するには例えばアナモルフィックプリズムペアによって縦横比1:1のビームを得ている(例えば特許文献1参照。)。アナモルフィックプリズムペアを用いる場合の構成図を図21に示す。この場合、非線形光学結晶104より射出したビームが共振器ミラー105を通り、レンズ106にてx方向、y方向のビームがコリメートされ、アナモルフィックプリズム107及び108(アナモルフィックプリズムペア)によってx方向のみが拡大される。これにより、縦横比1:1としたビームを得る。
アナモルフックプリズムは通常、2枚または4枚の偏角プリズムから構成され、予め設定された拡大または縮小率となるように個々のプリズムの角度や位置が調整されたうえで固定されている。
特開2002−62555号公報
本発明者等は、上述した波長変換を行うレーザー装置においては、非線形光学結晶例えばBBO結晶に入射する基本波のビームパラメータや、非線形光学結晶の温度、位相整合などが同一条件の場合でも、出力される第2高調波のビームパラメータにばらつきが生じることを見出した。ここでビームパラメータとは、ビーム形状、もしくはビームの強度分布、またはビーム発散角を示す。この原因は、結晶の育成条件や加工工程により、下記の(a)〜(e)等が生じるためだと考えられる。
(a)内部屈折率の不均一性
(b)光軸方向の長さの加工精度による光路長のばらつき
(c)内部散乱体の影響
(d)内部吸収率の不均一性
(e)位相整合条件のばらつき
このようなビームパラメータのばらつきは特にx方向で顕著である。
たとえば、結晶の長さが光軸方向に設計値からずれた場合、すなわち上記(b)の場合を考える。設計上の結晶の長さが6.0mmであったときはx方向のビーム径が上記のように0.5mmである。ところが製造工程において例えば結晶の長さに−0.3mmの誤差が生じ、結晶の長さが5.7mmとなったとすると、式1から、x方向のビーム径は0.48mmとなり、5%縮小する。一方、y方向にはウォークオフがなく、結晶内における基本波のビーム径により、発生する第2高調波のビーム径が決まるため、結晶の長さにはほとんど影響されない。したがってたとえば結晶の長さに誤差があれば、ビームの縦横比が1:1となるように設計されたビーム整形光学系を通過すると、出力されるビームが縦横比1:1からずれてしまう。これを補正して縦横比1:1のビームとするには、例えばアナモルフィックプリズムの拡大率を変化させることが考えられる。しかし通常、アナモルフィックプリズムは、ある決められた角度・位置に接着あるいは金枠などに固定されているため、ビームのばらつきに対応させて拡大率を変化させることは困難である。
このような理由から、従来は、x方向のビームパラメータのばらつきによる縦横比の調整ができないという問題がある。
その他の上記(a)、(c)、(d)、(e)の理由によってもx方向のビーム径が変化し、出力されるビームが縦横比1:1からずれてしまう。
また、本発明者等は、ある条件下、例えば500mW以上の出力とするときにおいては第2高調波のビームパラメータが数分から数時間の間で経時変化することも発見した。この経時変化もx方向で顕著である。アナモルフィックプリズムを用いたビーム整形光学系を用いた場合、たとえ経時変化を起こす前のビームの縦横比を1:1に調整したとしても、ビームパラメータの経時変化によって1:1からずれてしまう。アナモルフィックプリズムは前述のように拡大率を変化させることができないため、これを補正することができない。
更に、本発明者等は、ビームパラメータのみでなく、ビームポインティングも変化することを発見した。これは、非線形光学結晶が基本波および第2高調波を吸収することで熱レンズ効果が発生することが原因である。一例として、第2高調波のビームポインティングが変動する様子を図22に示す。このように、ビームポインティングが変化すると、たとえば光軸上に設置されたアパーチャーによりビームがけられ、有効なパワーが減少してしまうという問題がある。
以上の問題に鑑みて、本発明は、非線形光学結晶により波長変換を行うにあたって、非線形光学結晶の育成条件や加工工程において生じるばらつきや不均一性に起因するビーム形状の変化を補正することが可能なレーザー装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明によるレーザー装置は、光源と、非線形光学結晶と、非線形光学結晶のウォークオフ方向に全体として正の焦点距離を持つレンズ群と、ウォークオフ方向と略直交する方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズと、ウォークオフ方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズと、を備える。
本発明のレーザー装置において、レンズ群及びシリンドリカルレンズのうち1以上の面間隔を可変とすることが望ましい。
更に、本発明のレーザー装置においては、前記レーザー装置の内部に形成される前記ウォークオフ方向のビームウェスト位置近傍に、ウォークオフ方向と略直交する方向に延長するスリットを設ける。
このスリットを設ける場合は、レンズ群、シリンドリカルレンズ及びスリットのうち1以上の面間隔を可変とすることが望ましい。
上述の本発明のレーザー装置において非線形光学結晶から出射される第2高調波は、全体としてウォークオフ方向に正の焦点距離を持つレンズ群により集光され、ビームウェストを形成する。そしてウォークオフ方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズによりコリメートされる。非線形光学結晶より射出するウォークオフ方向のプロファイルはトップハット形状をしているため、上記レンズ群にて形成されるビームはトップハットのフーリエ変換であるsincx関数の形状となる。このビームウェストがウォークオフ方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズによりコリメートされると、再びフーリエ変換されることによりトップハット形状のビームに戻る。一方、ウォークオフ方向に直交する方向の成分については、このウォークオフ方向と直交する方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズによってコリメートされる。
したがって、上記のレンズ群、シリンドリカルレンズの位置を調整することによって、非線形光学結晶の育成条件や加工工程において生じるばらつきや不均一性に起因するビームの形状の変化を抑え、良好なビーム形状の第2高調波を出射することが可能となる。
またこの構成において、上記のレンズ群、シリンドリカルレンズの面間隔を可変とする場合、すなわち例えば光軸に沿う方向に移動調整が可能なステージ上等にレンズ群等を配置することによって、きわめて簡易な作業によりビーム形状の補正を行うことが可能となる。
また、ビームウェスト位置近傍において、ウォークオフ方向と直交する方向に延長するスリットを設ける場合は、このスリットを通すことでビームの中央部のピークのみ残し、両脇のサイドローブを遮ることができる。したがって、得られるビームの形状をガウシアンビームに近い形状とすることができ、高品質のビームを出力することができる。
このようにスリットを設ける場合は、レンズ群、シリンドリカルレンズ及びこのスリットのうち1以上の面間隔を可変とすることによって、同様に、きわめて簡易な作業によりビーム形状の補正を行うことが可能となる。
本発明のレーザー装置によれば、上述した非線形光学結晶の育成条件や加工に起因するビーム形状の変化に加え、経時変化や出力変化により生じるビーム形状の変化を補正することも可能となる。
本発明のレーザー装置によれば、非線形光学結晶による波長変換レーザーにおいて、非線形光学結晶の育成条件や加工に起因するビーム形状の変化を補正し、所望の縦横比に調整することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
[1]第1の実施の形態例
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るレーザー装置の構成と作用を説明する。図1に示すように、このレーザー装置50は、基本波レーザー光を出射する光源20と、非線形光学結晶2とを備える。図1及び以下の各図においては、前述の図19及び図21と同様に、非線形光学結晶2のウォークオフ方向をx方向として示し、これとは直交する方向をy方向、また光軸に沿う光の進行方向をz方向として示す。そしてこのレーザー装置50においては、非線形光学結晶2のウォークオフ方向、すなわちx方向に全体として正の焦点距離を持つレンズ群30、この例においてはレンズ3及び4と、ウォークオフ方向と略直交する方向すなわちy方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズ6と、ウォークオフ方向すなわちx方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズ8とを備える。
この例においては、光源20から出射される基本波を非線形光学結晶2に集光するレンズ10を光源20と非線形光学結晶2との間に配置する。
また、この場合、レーザー装置の内部に形成される前記ウォークオフ方向のビームウェスト位置の近傍に、ウォークオフ方向と略直交する方向すなわちy方向に延長するスリット7を設ける。
本発明のレーザー装置に用いる非線形光学結晶としては、一般的な非線形光学結晶、又は非線形光学結晶に周期分極反転処理等の加工を施した非線形光学素子を利用することができる。波長変換の種類は例えば、SHG(第2高調波発生)、THG(第3高調波発生)等、或いは、和周波発生や光パラメトリック発振等がある。使用材料としては、KTiOPO(KTP)、β−BaB(BBO)、LiB(LBO)、LiTaO、LiNbO、そのコングルーエント(一様融液)組成、そのストイキオメトリック(化学量論的)組成や、Mg、Zn等の添加物を添加した材料が挙げられる。
例えば、C−LiNbO、C−LiTaO、S−LiNbO、S−LiTaO、MgO:C−LiNbO、MgO:C−LiTaO、ZnO:C−LiNbO、ZnO:C−LiTaO、MgO:S−LiNbO、MgO:S−LiTaO、ZnO:S−LiNbO、ZnO:S−LiTaO、などの結晶材料を用いることができる。
また、それらに分極反転処理をほどこした、PP−C−LiNbO、PP−C−LiTaO、PP−S−LiNbO、PP−S−LiTaO(PPLST)、PP−MgO:C−LiNbO、PP−MgO:C−LiTaO、PP−ZnO:C−LiNbO、PP−ZnO:C−LiTaO、PP−MgO:S−LiNbO、PP−MgO:S−LiTaO、PP−ZnO:S−LiNbO、PP−ZnO:S−LiTaO、PP−KTiOPOなどの結晶素子を挙げることができる。
なおここで、「C」は「congruent(一様融液)組成」、「S」は「Stoichiometric(化学量論的)組成」を意味する。また、「PP」は「Periodical Poling(周期分極反転)」を意味し、非線形光学結晶に対し電圧印加等による周期分極制御により周期分極反転構造をもつ非線形光学素子が得られる。これらの材料は、使用波長に合わせて、位相整合条件を満たす適切な角度で加工され、あるいは適切な周期分極反転構造を作ることによって(擬似)位相整合条件が満たされる。
上述の構成のレーザー装置50において、光源20から出射される基本波のレーザービームはレンズ10により非線形光学結晶2に集光される。ここで基本波は波長変換され第2高調波となり、非線形光学結晶2の出射面から発する。このとき第2高調波は、前述の図20において説明したように、非線形光学結晶2内で進行する際に各位置でウォークオフ方向に発生するので、出射された第2高調波のx方向のプロファイルはトップハットに近い形状となる。図2においては、このトップハット形状のビーム強度を立体的に表わす。
この波長変換されたレーザービームの伝搬は以下の通りである。まず波長変換されたビームのx方向すなわちウォークオフ方向の成分のビームについて説明する。非線形光学結晶2の出射面から発したビームは、この場合x方向に曲率を持つ正のシリンドリカルレンズ3と負のシリンドリカルレンズ4の組合せによるレンズ群30により集光され、ビームウェストを点Wで示す位置に形成する。そしてx方向に曲率を持つ正のシリンドリカルレンズ8によりコリメートされる。非線形光学結晶2より射出するx方向のプロファイルは前述の図20において説明したトップハット形状であるため、シリンドリカルレンズの組合せによるレンズ群30にて形成されるビームはトップハットのフーリエ変換であるsincx関数の形状となる。このビーム形状を図3Aに模式的に示す。このビームウェストがシリンドリカルレンズ8によりコリメートされると、再びフーリエ変換されることによりトップハット形状のビームに戻る。
ビームウェスト位置Wにおいて、図3Aに示すビームの中央部のピークのみ残し、両脇の小さなピーク(サイドローブ)を図3Bに示すようにy方向に延長するスリット7で遮ると、図3Cに示すように、サイドローブを消去したガウシアンビームに近い形状となる。こうすることによって、これより先のビームはガウシアンビームと同等に伝搬し、高品質のビームを得ることができる。
なお、スリットはビームウェスト位置近傍であればよく、すなわち、上述のサイドローブを消去し得る範囲であれば、ビームウェスト位置から多少ずれていてもよい。
次にy方向すなわちウォークオフ方向に直交する方向の成分のビーム伝搬について説明する。非線形光学結晶2の射出面から発したビームは、y方向に曲率を持つ正のシリンドリカルレンズ6によってコリメートされる。
図4においては、x方向とy方向のビーム径を等しくした場合、すなわち縦横比を1:1としたビーム強度を立体的に表した図を示す。なお、ビーム径とは、ピークパワー密度に対して1/eとなるビームの直径のことである。
なお、x方向及びy方向のビームはそれぞれ、y方向及びx方向に曲率を持つシリンドリカルレンズを通過するが、曲率を持つ方向に直交する成分に対しては集光または発散の作用がないので説明を省略する。
ところで、x方向に曲率を持つ正と負のシリンドリカルレンズ3及び4を有するレンズ群30のレンズ間隔Lを可変とすると、x方向の合成焦点距離を変化させることができる。非線形光学結晶2より発する第2高調波ビームのx方向のビーム径にばらつきがあったとしても、スリット7を設ける位置Wに形成されるビームウェスト径をある一定の値(設計値)に調整することができる。スリット7におけるビームウェスト径が一定であれば、コリメートレンズ8によってコリメートされるビーム径も一定となるため、コリメートされたx方向とy方向のビーム径の比率(縦横比)を容易に所望の値(例えば1:1)にすることができる。
また、例えば結晶に内部屈折率の不均一性などがあった場合、トップハット形状が乱れて非対称形のビーム形状となる場合がある。この場合のビーム強度分布の一例を図5に示す。通常のトップハット形状のビームを集光すると、図3Aに示すようにトップハットのフーリエ変換であるsincx関数の形状となるが、図5に示すような非対称形のビームを集光した場合、図6Aに示すように、sincx関数からはずれた非対称な強度分布となる。非対称性は主にサイドローブと呼ばれる左右の小さなピークの強度の差として現れる。このサイドローブを図6Bに示すようにy方向に延長するスリット7で遮り、中心部のピークのみを取り出すことで、図6Cに示すように、強度分布の対称性がよい高品質なビームを得ることができる。
このように、スリットを設けることで、内部屈折率の不均一性などによるビーム品質の劣化を防ぐことができる。また、第2高調波のビームポインティングの数分から数時間の範囲で生じる経時変化についても、上記の構成により補正することができ、強度分布の対称性を改善することができる。
また、第2高調波のビームポインティングの経時変化が大きい場合や、共振器の筐体の歪み等に起因する比較的大きいばらつきに対しては、以下の手順によりレーザー装置から射出するビームポインティングの変動をなくすことができる。
まず、結晶の温度を変化させて補正する。すなわち非線形光学結晶2の温度を制御するヒートシンク、ペルチェ素子等の温度制御手段を設ける。これにより、ある程度のビームポインティングの変動を抑制できる。
また、ビームポインティングの方位を例えば4分割フォトダイオード等の検出手段を設けて検出する。そして検出されたビームポインティングの変位を、ビーム整形光学系を構成するレンズを移動することによって補正する。この移動は例えばレンズの光軸に垂直な面内で移動させる移動機構を設け、その移動量として、検出した変位に対応する移動量をフィードバックする構成としてもよい。すなわちビームポインティングの変動を抑制するようにレンズを適切量偏芯させる構成とする。レンズの偏芯によって結晶から射出するビームの変動をキャンセルすることによって、最終的にレーザー装置から射出するビームポインティングの経時変化を回避もしくは十分に抑制することができる。
さらに熱レンズ効果によって第2高調波の発散角が変化することもあるが、これはフォトダイオードの信号をモニタすることによって検出できる。上述の方法と同様に例えばレンズの間隔を変化させることによって、発散角の変化も補正することができる。
このように、本実施の形態のレーザー装置によれば、レンズの間隔を変更することで、また必要に応じて非線形光学結晶の温度制御手段やビームの変位を検出する検出手段、また光軸と垂直な面内でレンズ等を移動する移動手段を設け、検出した変位をフィードバックして移動手段の移動量を制御することで、最終的にレーザー装置から射出するビームのビームパラメータを一定に保つことができる。
なお、レンズの距離の調整は、接着剤等を使わずにネジ止め等の取り外し可能な固定方法により各部を固定して、調整時にその都度固定し直してもよい。また、光軸に沿う方向に可動性を有するレール等を設け、その上に各部を配置するとか、或いは光軸に沿う方向に移動するモータステージ上に各部を配置する等の構成としてもよく、この場合は、容易にレンズ間の距離を調整することが可能となる。
[2]第2の実施の形態例
図7は、本発明の第2の実施形態に係るレーザー装置の概略構成図である。図7において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この例においては、非線形光学結晶2を、4枚のミラーを交叉して配置するいわゆるボウタイ型の外部共振器構成の共振器1内に配置する場合を示す。この共振器1には、図示しない例えば波長532nmの光源からレーザー光が入射される。レーザー光の出力としては、例えば1Wの連続レーザーを用いることができる。非線形光学結晶2としては例えばBBO結晶を用いて、その光軸方向の長さlzは例えば6.0mmとする。
共振器1はインプットミラー11、アウトプットミラー12、ミラー13及び14より構成される。アウトプットミラー12は、共振器1の内側に凹面を向けその反対の面は平面とされる平凸レンズより構成される。曲率半径は100mm、厚さ3mm、材質は合成石英であり、光軸に対してx方向、すなわち非線形光学結晶2のウォークオフ方向に10°傾いて設置される。アウトプットミラー12は、共振器1を構成するとともに、非線形光学結晶2より射出される波長変換された例えば波長266nmのレーザービームを共振器1の外部へ通過させる。
アウトプットミラー12から第2高調波が出射される外部の光路上には、シリンドリカルレンズ4、6、スリット7及びシリンドリカルレンズ8が配置される。シリンドリカルレンズ4は共振器側1に凸面を向けたx方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、例えば曲率半径が33mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
シリンドリカルレンズ6は共振器側に平面を向けたy方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は71.9mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
スリット6はビームウェスト位置Wの近傍に配置され、y方向に延長するスリットである。x方向の幅は0.1mmとする。ここにx方向のビームウェストが形成される。
シリンドリカルレンズ7は共振器側に平面を向けたx方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は90mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
ここで、非線形光学結晶2からアウトプットミラー12までの距離をa1、アウトプットミラー12からシリンドリカルレンズ4までの距離をa2、シリンドリカルレンズ4からシリンドリカルレンズ6までの距離をa3、シリンドリカルレンズ6からスリット7までの距離をa4、スリット7からシリンドリカルレンズ8までの距離をa5、波長266nmにおける合成石英の屈折率をnとすると、以下の通りとする。
a1:75mm
a2:可変
a3:可変
a4:可変
a5:179mm
n:1.499683
ここで、非線形光学結晶2の長さlzに対して採りうる距離a2、a3及びa4の値の一例を下記の表1に示す。lz=6mmの場合はa2=35mm、a3=44mm、a4=38mmとする。
なお、ここで距離とは、レンズ間においてはレンズの面間隔、非線形光学結晶との距離とはその出射面との間隔、スリットとの距離とは、スリット内の中心点、この場合ビームウェスト位置Wとの間隔を指す。
Figure 2009031684
共振器1の内部における波長532nmのビーム径が最も小さくなる位置、すなわちビームウェストの位置に非線形光学結晶2、この場合BBO結晶が配置される。ここで波長532nmのビーム形状は円形であり、ビーム径は90μmである。BBO結晶により波長変換されて発生する波長266nmのx方向のビーム径は、上記式(1)より0.5mm、y方向のビーム径は64μmとなる。非線形光学結晶2から射出されたビーム形状を図8に示す。波長266nmのビームはアウトプットミラー13を通り、共振器1の外部へ射出される。
共振器から射出されるビームのx方向の成分のビーム伝搬について説明すると、負のレンズ作用を有する球面ミラーであるアウトプットミラー13と、x方向に曲率を持つ正のシリンドリカルレンズ4とのレンズ群30により、スリット7を配置する位置Wにおいて、x方向のビームウェストが形成される。x方向のビームウェスト径は70μmである。ここに配置されたスリット7により、図3において説明した例と同様に、サイドローブが除かれる。次にシリンドリカルレンズ8により、ビーム径1mmのビームにコリメートされる。
一方y方向の成分のビームは、共振器から射出されたビームはシリンドリカルレンズ6により、ビーム径1mmのビームにコリメートされる。よって縦横比1:1のビームが得られる。得られたビーム形状を図9に示す。
ここで、例えば非線形光学結晶2の光軸方向の長さlzに製造誤差が生じ、lz=5.7mmとなった場合について説明する。非線形光学結晶2により波長変換されて発生する266nmのビームは、上記式(1)よりx方向のビーム径が0.475mmとなり、ビーム伝搬が変化してしまう。しかし、上記距離a2、a3及びa4の値を上記表1に示すように変更すると、ビームウェスト位置Wに形成されるx方向のビームウェスト径は、誤差が生じない場合と同様、70μmとなり、それ以降は同様に伝搬し、x方向、y方向ともビーム径1mmの縦横比1:1のビームが得られる。
これに対し、距離a3、a4及びa5を変更しないと、x方向のビーム径が0.95mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:0.95となってしまう。
また、非線形光学結晶2の光軸方向の長さに製造誤差が生じ、lz=6.3mmとなった場合について説明する。非線形光学結晶により波長変換されて発生する266nmのビームは上記式(1)よりx方向のビーム径が0.525mmとなりビーム伝搬が変化してしまう。しかし、a3、a4及びa5の値を表1に示すように変更すると位置Wに形成されるx方向のビームウェスト径は、誤差が生じない場合と同様、70μmとなり、それ以降は同様に伝搬し、x方向、y方向ともビーム径1mmの縦横比1:1のビームが得られる。
これに対し、a3、a4及びa5を変更しないと、x方向のビーム径が1.05mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:1.05となってしまう。
したがって、レンズ群30のレンズ間の距離a2、更にレンズ6及びスリット7の間隔a3、a4を調整することによって、縦横比を所望の値に補正し、良好なビーム形状とすることができる。
[3]第3の実施の形態
図10は、本発明の第3の実施形態に係るレーザー装置の概略構成図である。図10において、図1及び図7と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においても、非線形光学結晶2をボウタイ型の共振器1内に設ける例であり、図中に示していない波長532nmのレーザー光源からレーザー光が入射される。またレーザー光としては例えば出力1Wの連続光を用い得る。非線形光学結晶2としては例えばBBO結晶を用いて、光軸方向の長さlzは6.0mmとする。共振器1のアウトプットミラー13は、内側に凹面を向けその反対の面は平面であり、曲率半径を100mm、厚さ3mm、材質は合成石英とし、光軸に対してx方向すなわちウォークオフ方向に10°傾いて設置される。
この例においてもアウトプットミラー13は共振器1を構成するとともに、非線形光学結晶2より射出される波長変換された266nmのビームを共振器1の外部へ通過させる。シリンドリカルレンズ4は共振器1側に平面を向けたx方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は25mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
シリンドリカルレンズ5は共振器1側に凹面を向けたx方向に曲率を持つ平凹型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は25mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
シリンドリカルレンズ6は共振器1側に平面を向けたy方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は71.9mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
スリット7はx方向のビームウェスト位置Wに配置され、y方向に延長するスリットであり、x方向の幅は0.1mmである。ここにx方向のビームウェストが形成される。
シリンドリカルレンズ8は共振器側に平面を向けたx方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は90mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
ここで、非線形光学結晶2からアウトプットミラー12までの距離をb1、アウトプットミラー12からシリンドリカルレンズ4までの距離をb2、シリンドリカルレンズ4からシリンドリカルレンズ5までの距離をb3、シリンドリカルレンズ5からシリンドリカルレンズ6までの距離をb4、シリンドリカルレンズ6からスリット7までの距離をb5、スリット7からシリンドリカルレンズ8までの距離をb6、波長266nmにおける合成石英の屈折率をnとすると、以下の通りとする。
b1:63mm
b2:35mm
b3:可変
b4:可変
b5:可変
b6:179mm
n:1.499683
ここで、非線形光学結晶2の長さlzに対して採りうる距離b3、b4及びb5の値の一例を下記の表2に示す。lz=6mmの場合はb3=45mm、b4=6.5mm、b5=14mmとする。
Figure 2009031684
共振器1の内部における532nmのビーム径が最も小さくなる位置、すなわちビームウェストの位置に非線形光学結晶2、この場合BBO結晶が配置される。ここで波長532nmのレーザーのビーム形状は円形であり、ビーム径は90μmである。BBO結晶により波長変換されて発生する波長266nmのレーザー光のx方向のビーム径は上記式(1)より0.5mm、y方向のビーム径が64μmである。非線形光学結晶2から射出されたビーム形状を図11に示す。波長266nmのレーザービームはアウトプットミラー12を通り、共振器1の外へ射出される。
共振器1から射出されたビームのx方向の成分のビーム伝搬について説明すると、負レンズの作用を持つ凹面ミラーであるアウトプットミラー12、x方向に曲率を持つ正のシリンドリカルレンズ4及びx方向に曲率を持つ正のシリンドリカルレンズ5により、位置Wにx方向のビームウェストが形成される。x方向のビームウェスト径は70μmである。ここに配置されたスリット7により図3において説明した例と同様にサイドローブが除かれる。次にシリンドリカルレンズ8により、ビーム径1mmのビームにコリメートされる。
一方y方向の成分のビームは、共振器1から射出されたビームはシリンドリカルレンズ6により、ビーム径1mmのビームにコリメートされる。よって縦横比1:1のビームが得られる。得られたビーム形状を図12に示す。
ここで、例えば非線形光学結晶2の光軸方向の長さlzに製造誤差が生じ、lz=5.7mmとなった場合について説明する。非線形光学結晶2により波長変換されて発生する波長266nmのビームは上記式(1)よりx方向のビーム径が0.475mmとなり、ビーム伝搬が変化してしまう。しかし、上記距離b3、b4及びb5の値を、上記表2に示すように変更すると、位置Wに形成されるx方向のビームウェスト径は、誤差が生じない場合と同様、70μmとなり、それ以降は同様に伝搬する。したがって、x方向、y方向ともビーム径1mmの縦横比1:1のビームが得られる。
これに対し、距離b3、b4及びb5を変更しない場合は、x方向のビーム径が0.95mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:0.95となってしまう。
また、非線形光学結晶2の光軸方向の長さlzに製造誤差が生じ、lz=6.3mmとなった場合について説明する。非線形光学結晶2により波長変換されて発生する266nmのビームは、上記式(1)よりx方向のビーム径が0.525mmとなりビーム伝搬が変化してしまう。しかし、b3、b4及びb5の値を上記表2に示すように変更すると、位置Wに形成されるx方向のビームウェスト径は、誤差が生じない場合と同様、70μmとなり、それ以降は同様に伝搬する。これにより、x方向、y方向ともビーム径1mmの縦横比1:1のビームが得られる。
この場合においても距離b3、b4及びb5を変更しないと、x方向のビーム径が1.05mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:1.05となってしまう。
したがって、レンズ群30のレンズ間の距離b3、更にレンズ5、6及びスリット7の間隔b4、b5を調整することによって、縦横比を所望の値に補正し、良好なビーム形状とすることができる。
[3]第4の実施の形態
図13は、本発明の第4の実施形態に係るレーザー装置の概略構成図である。図13において、図1、図7及び図10と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においては、図中に示していない波長532nmのレーザー光源から非線形光学結晶2にレーザー光が入射される。レーザー光としては例えば平均出力1Wのパルス光を用い、非線形光学結晶2としてはBBO結晶を用いることができる。非線形光学結晶2の光軸方向の長さlzは6.0mmとする。非線形光学結晶2の出射光路上に、シリンドリカルレンズ4及び5、スリット7、シリンドリカルレンズ6及び8が配置される。
シリンドリカルレンズ4は、非線形光学結晶2側に凸面を向けたx方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は27mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。シリンドリカルレンズ5は非線形光学結晶2側に凹面を向けたx方向に曲率を持つ平凹型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は25mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。位置Wに配置されるy方向に延長するスリット7は、そのx方向の幅を0.12mmとする。この位置Wにx方向のビームウェストが形成される。
シリンドリカルレンズ6は非線形光学結晶2側に平面を向けたy方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は98.5mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。シリンドリカルレンズ8は非線形光学結晶2側に平面を向けたx方向に曲率を持つ平凸型のシリンドリカルレンズであり、曲率半径は99mm、厚さ2mm、材質は合成石英である。
非線形光学結晶2からシリンドリカルレンズ4までの距離をc1、シリンドリカルレンズ4からシリンドリカルレンズ5までの距離をc2、シリンドリカルレンズ5からスリット7までの距離をc3、スリット7からシリンドリカルレンズ6までの距離をc4、シリンドリカルレンズ6からシリンドリカルレンズ8までの距離をc5、波長266nmにおける合成石英の屈折率をnとすると、以下の通りとする。
c1=85.7mm
c2:可変
c3:可変
c4:可変
c5:可変
n=1.499683
ここで、非線形光学結晶2の長さlzに対して採りうる距離c2、c3、c4及びc5の値の一例を下記の表3に示す。lz=6mmの場合はc2=34.5mm、c3=27mm、c4=40.5mm、c5=150mmとする。
Figure 2009031684
この場合、図示しないレーザー光源からの波長532nmのレーザー光が非線形光学結晶2に入射し、その内部において円形のビームウェストを形成し、ビーム径は90μmである。非線形光学結晶2により波長変換されて発生する波長266nmのレーザー光のx方向のビーム径は上記式(1)より0.5mm、y方向のビーム径が64μmである。非線形光学結晶2から射出された第2高調波光のビーム形状を図14に示す。
非線形光学結晶2から射出されたビームのx方向の成分のビーム伝搬について説明すると、x方向に曲率を持つ正と負のシリンドリカルレンズ4及び5により、位置Wにx方向のビームウェストが形成される。x方向のビームウェスト径は77μmである。ここに配置された幅100μmのスリットにより、図3において説明した例と同様にサイドローブが除かれる。次にシリンドリカルレンズ8により、ビーム径1mmのビームにコリメートされる。
一方y方向の成分のビームはシンドリカルレンズ6により、ビーム径1mmのビームにコリメートされる。よって縦横比1:1のビームが得られる。得られたビーム形状を図15に示す。
ここで、例えば非線形光学結晶2の光軸方向の長さlzに製造誤差が生じ、lz=5.7mmとなった場合について説明する。非線形光学結晶2により波長変換されて発生する波長266nmのビームは上記式(1)よりx方向のビーム径が0.475mmとなりビーム伝搬が変化してしまう。しかし、上記距離c2、c3、c4及びc5の値を上記表3に示すように変更すると、位置Wに形成されるx方向のビームウェスト径は、誤差が生じない場合と同様、77μmとなり、それ以降は同様に伝搬する。したがって、x方向、y方向ともビーム径1mmの縦横比1:1のビームが得られる。
これに対し、距離c2、c3、c4及びc5を変更しないと、x方向のビーム径が0.95mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:0.95となってしまう。
また、非線形光学結晶2の光軸方向の長さlzに製造誤差が生じ、lz=6.3mmとなった場合について説明する。非線形光学結晶2により波長変換されて発生する波長266nmのビームは上記式(1)よりx方向のビーム径が0.525mmとなりビーム伝搬が変化してしまう。しかし、距離c2、c3、c4及びc5の値を上記表3に示すように変更すると、位置Wに形成されるx方向のビームウェスト径は、誤差が生じない場合と同様、77μmとなり、それ以降は同様に伝搬する。この場合も、x方向、y方向ともビーム径1mmの縦横比1:1のビームが得られる。
これに対し、距離c2、c3、c4及びc5を変更しないと、x方向のビーム径が1.05mm、y方向のビーム径が1mmとなり、縦横比が1:1.05となってしまう。
したがって、この例においても、レンズ群30のレンズ間の距離c2、更にレンズ5及びスリット7の間隔c3、スリット7とレンズ6との間隔c4、レンズ6及び8の間隔c5を調整することによって、縦横比を所望の値に補正し、良好なビーム形状とすることができる。
なお、本発明においては、上述の各実施の形態において説明した例のほか、例えば光路を折り曲げるミラー等、種々の他の光学素子を付加してもよいことはいうまでもない。
例えば、図16においては、図7において説明した第1の実施の形態例と同様の構成として、スリット7とシリンドリカルレンズ8との間に光路を略90°折り曲げるミラー9を設ける場合の概略構成図を示す。図16において、図7と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においても、上述の図7に示す例と同様に、距離a2〜a4を変更することによって、ビームプロファイルの変化を補正して、良好なビーム形状とすることが可能である。
更に、本発明において、上述したように、筐体の歪等によって比較的大きいビームポインティングの変化が生じた場合などにおいて、レンズ等を光軸と直交する面内で移動する構成としてもよい。この場合のレーザー装置の一例の概略構成図を図17に示す。図17において、図6及び図16と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図17に示すように、この例においては、スリット7とミラー9との間に凹レンズ21、ミラー9とシリンドリカルレンズ8との間に凸レンズ22を配置して、これらが光軸と直交する面内で移動可能な構成とする。図示しないが移動手段としてはステッピングモーターや2軸アクチュエーター等種々の駆動装置を用い得る。
また、ミラー9を例えば半透過ミラーとして、一部を4分割フォトダイオード等の検出手段23に受光させ、制御装置24において例えばレンズ21及び22の矢印m1,m2で示す方向の移動量を検出し、図示しない移動手段に信号Sm1,Sm2として出力する構成とし、いわばビームポインティングの変動をフィードバックさせる構成とすることも可能である。
このような構成として移動手段によりレンズを偏心させることにより、より大きいビームポインティングの変動を補正することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、非線形光学結晶の製造誤差などによりウォークオフ方向のビーム径が変化しても、つねに所望の縦横比(たとえば1:1)のビームが得られる。もちろん、同様の方法で、発散角の変化にも対応することができる。熱レンズ効果によるポインティングの経時変化に対しても、スリットを設けることで補正可能である。更に、筐体の歪等にも起因するような比較的大きいビームポインティングのずれに対しては、レンズ等を光軸に垂直な面内で移動させ、いわばレンズを偏心させる構成とすることでこのずれを解消することができ、ビームポインティングを常に一定に保つことができる。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。非線形光学結晶により変換される変換波は第2高調波に限定されることなく、第3高調波、和周波混合、パラメトリック発振によるもの等種々の波長変換態様とし得る。
本発明の実施の形態に係るレーザー装置の概略構成図である。 第2高調波のビームプロファイルの一例を示す図である。 A〜Cは、本発明の実施の形態に係るレーザー装置においてビーム形状の補正態様を説明する説明図である。 第2高調波のビームプロファイルの一例を示す図である。 第2高調波のビームプロファイルの一例を示す図である。 A〜Cは、本発明の実施の形態に係るレーザー装置においてビーム形状の補正態様を説明する説明図である。 本発明の実施の形態に係るレーザー装置の概略構成図である。 第2高調波のビームプロファイルの一例を示す図である。 第2高調波のビームプロファイルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るレーザー装置の概略構成図である。 第2高調波のビームプロファイルの一例を示す図である。 第2高調波のビームプロファイルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るレーザー装置の概略構成図である。 第2高調波のビームプロファイルの一例を示す図である。 第2高調波のビームプロファイルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るレーザー装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係るレーザー装置の概略構成図である。 従来のレーザー装置の一例の概略構成図である。 非線形光学結晶内の変換波の伝搬態様を示す図である。 非線形光学結晶におけるウォークオフの概念図である。 従来のレーザー装置の位置英の概略構成図である。 ビームポインティングの経時変化を示す図である。
符号の説明
1.共振器、2.非線形光学結晶、3.シリンドリカルレンズ、4.シリンドリカルレンズ、5.シリンドリカルレンズ、6.シリンドリカルレンズ、7.スリット、8.シリンドリカルレンズ、ミラー、10.レンズ、11.ミラー、12.アウトプットミラー、13.ミラー、14.ミラー、20.光源、30.レンズ群

Claims (6)

  1. 光源と、
    非線形光学結晶と、
    前記非線形光学結晶のウォークオフ方向に全体として正の焦点距離を持つレンズ群と、
    前記ウォークオフ方向と略直交する方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズと、
    前記ウォークオフ方向に正の焦点距離を持つシリンドリカルレンズと、を備える
    ことを特徴とするレーザー装置。
  2. 前記レンズ群及びシリンドリカルレンズのうち1以上の面間隔が可変とされることを特徴とする請求項1記載のレーザー装置。
  3. 前記レーザー装置の内部に形成される前記ウォークオフ方向のビームウェスト位置近傍に、前記ウォークオフ方向と略直交する方向に延長するスリットが設けられることを特徴とする請求項1記載のレーザー装置。
  4. 前記レンズ群、前記シリンドリカルレンズ、前記スリットのうち1以上の面間隔が可変とされることを特徴とする請求項3記載のレーザー装置。
  5. 前記レーザー装置内に設ける1以上の光学素子を光軸に垂直な面内で移動可能とする調整機構が設けられたことを特徴とする請求項1記載のレーザー装置。
  6. 前記非線形光学結晶から出射される変換光の一部を受光してビームプロファイルの変化が検出され、前記ビームプロファイルの変化に対応して前記調整機構による移動量が制御されることを特徴とする請求項5記載のレーザー装置。
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