JP2009030954A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009030954A
JP2009030954A JP2008093385A JP2008093385A JP2009030954A JP 2009030954 A JP2009030954 A JP 2009030954A JP 2008093385 A JP2008093385 A JP 2008093385A JP 2008093385 A JP2008093385 A JP 2008093385A JP 2009030954 A JP2009030954 A JP 2009030954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
refrigerant
low
stage compression
compression mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008093385A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5136165B2 (ja
Inventor
Shinichi Kasahara
伸一 笠原
Shuji Fujimoto
修二 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2008093385A priority Critical patent/JP5136165B2/ja
Priority to PCT/JP2008/001688 priority patent/WO2009004779A1/ja
Publication of JP2009030954A publication Critical patent/JP2009030954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5136165B2 publication Critical patent/JP5136165B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)

Abstract

【課題】超臨界二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた空気調和装置において、運転条件により、高低圧が変化したとしても、安定して空気調和装置を運転させる。
【解決手段】超臨界二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた空気調和装置に、冷媒回路(20)における気液分離器(25)から低段側圧縮機(21b)の吸入側へ流れる冷媒の圧力損失値を予め取得する試運転データ取得部(50a)と、冷媒回路(20)における中間圧及び低圧の圧力差が試運転データ取得部(50a)で取得した圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、低段側圧縮機(21b)と高段側圧縮機(21a)との運転周波数、及び室外膨張弁(24)の開度を調整する運転制御部(50b)とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置の運転制御技術に関するものである。
従来より、冷媒回路を備えた冷凍装置は空調機等に広く適用されている。
例えば特許文献1には、気液分離器を備えた冷媒回路を有し、二段圧縮冷凍サイクルを行う空調機が開示されている。
具体的に、この空調機の冷媒回路には、高段側圧縮機、低段側圧縮機、室外熱交換器、第1膨張弁、気液分離器、第2膨張弁、室内熱交換器が設けられている。この空調機の冷房運転では、高段側圧縮機の吐出冷媒が室外熱交換器を流れる。室外熱交換器では、冷媒が空気へ放熱する。室外熱交換器を通過した冷媒は、第1膨張弁を通過する際に中間圧まで減圧されてから、気液分離器内へ流入する。気液分離器では、中間圧の気液2相冷媒が、ガス冷媒と液冷媒とに分離される。気液分離器で分離された液冷媒は、第2膨張弁を通過する際に低圧まで減圧されてから室内熱交換器を流れる。室内熱交換器では、冷媒が空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内の冷房が行われる。
室内熱交換器を通過した冷媒は、圧縮機に吸入されて、低段側圧縮機構で中間圧まで圧縮される。低段側圧縮機構の吐出冷媒には、上記気液分離器で分離したガス冷媒が混合される。その後、この冷媒は、高段側圧縮機構で高圧まで圧縮されて圧縮機から再び吐出される。このように、冷媒が冷媒回路内を循環することにより、二段圧縮冷凍サイクルが行われる。
一方、上記二段圧縮冷凍サイクルでは、高圧と低圧との関係から最適な中間圧が存在する。そして、その最適な中間圧になるように、空調機を制御すれば、COP(成績係数)の高い、最適な運転を行うことができる。
特開2005−147456号公報
しかしながら、高圧が臨界圧力を超える二段圧縮冷凍サイクル(超臨界二段圧縮冷凍サイクル)の場合、すべての運転条件において、その最適な中間圧となるように空調機を制御した場合、運転条件によっては空調機の運転が不安定となり、所期の空調能力が得られないという問題がある。
例えば、冷房運転時に、外気温度が低くなると、上記冷媒回路の高圧が通常よりも下がるので、中間圧も通常より下がる。この状態で、最適な中間圧となるように空調機を制御すると、場合によって、さらに中間圧が下がり、中間圧と低圧との圧力差が小さくなることがある。そして、この圧力差が小さくなり過ぎると、室内熱交換器に冷媒が流れなくなることが考えられる。
又、冷房過負荷運転になると、上記冷媒回路の低圧が通常よりも上がるので、中間圧も通常より上がる。この状態で、最適な中間圧となるように空調機を制御すると、場合によって、さらに中間圧が上がる場合がある。そして、中間圧が上がり過ぎると、該中間圧が臨界圧力を超えてしまい、気液分離器内が超臨界圧力となる。すると、気液分離器内の液冷媒がなくなることが考えられる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、超臨界二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置において、運転条件により、高低圧が変化したとしても、安定して冷凍装置を運転させることにある。
第1の発明は、容量可変な低段側圧縮機構(21b)と容量可変な高段側圧縮機構(21a)と熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(24)と気液分離器(25)とが順に接続された熱源側回路(20a)に対して、利用側膨張機構(26)と利用側熱交換器(27)とが順に接続された利用側回路(20b)が少なくとも一つ以上接続されて超臨界二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置を前提としている。
そして、上記冷凍装置の冷媒回路(20)における気液分離器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側へ流れる冷媒の圧力損失値(圧力差)を予め取得するデータ取得手段(1a)と、上記冷媒回路(20)における中間圧及び低圧の圧力差が上記圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、低段側圧縮機構(21b)と高段側圧縮機構(21a)との運転周波数、及び熱源側膨張機構(24)の出口側と入口側との間の圧力差を調整する調整手段(1b)を備えていることを特徴としている。
第1の発明では、運転条件により、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルの高圧が通常よりも下がった場合であっても、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルにおける中間圧と低圧との圧力差が、上記データ取得手段(1a)で取得した圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、上記冷凍装置を運転することができる。又、低圧が通常よりも上がった場合であっても、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルにおける中間圧と低圧との圧力差が、上記データ取得手段(1a)で取得した圧力損失値以上であり、且つ中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、運転することができる。
第2の発明は、容量可変な低段側圧縮機構(21b)と容量可変な高段側圧縮機構(21a)と熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(24)と気液分離器(25)とが順に接続された熱源側回路(20a)に対して、利用側膨張機構(26)と利用側熱交換器(27)とが順に接続された利用側回路(20b)が少なくとも一つ以上接続されて超臨界二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置を前提としている。
そして、上記冷凍装置の冷媒回路(20)を流れる冷媒の循環方向を反転させることが可能な切換手段(22)を備え、上記利用側熱交換器(27)を放熱器、及び上記熱源側熱交換器(23)を蒸発器として運転するときに、上記冷媒回路(20)における高段側圧縮機構(21a)の吐出側から気液分離器(25)へ流れる冷媒の圧力損失値を予め取得するデータ取得手段(1a)と、上記冷媒回路(20)における高圧及び中間圧の圧力差が上記圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、低段側圧縮機構(21b)と高段側圧縮機構(21a)との運転周波数、及び熱源側膨張機構(24)の出口側と入口側との間の圧力差を調整する調整手段(1b)を備えていることを特徴としている。
ここで、上記冷媒回路(20)を流れる冷媒の循環方向が正方向であれば、利用側熱交換器(27)が蒸発器を構成するとともに上記熱源側熱交換器(23)が放熱器を構成するものとする。一方、冷媒の循環方向が逆方向であれば、利用側熱交換器(27)が放熱器を構成するとともに上記熱源側熱交換器(23)が蒸発器を構成するものとする。こうすると、上記冷凍装置の運転は、冷媒の循環方向が正方向であれば冷房運転を構成し、冷媒の循環方向が逆方向であれば暖房運転を構成する。
第2の発明では、暖房運転の場合において、運転条件により、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルの高低圧が変化した場合であっても、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルにおける高圧と中間圧との圧力差が、上記データ取得手段(1a)で取得した圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、上記冷凍装置を運転することができる。又、上記中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、運転することもできる。
第3の発明は、第1の発明において、上記データ取得手段(1a)は、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数をフィードバック値として入力すると、少なくとも気液分離器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側へ流れる冷媒の圧力損失値の補正値を出力する演算手段(3d)を備えていることを特徴としている。
第4の発明は、第2の発明において、上記データ取得手段(1a)は、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数をフィードバック値として入力すると、少なくとも高段側圧縮機構(21a)の吐出側から気液分離器(25)へ流れる冷媒の圧力損失値の補正値を出力する演算手段(3d)を備えていることを特徴としている。
第3、4の発明では、上記データ取得手段(1a)で取得した圧力損失値を、現在の高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数に基づいてフィードバック補正をすることができる。つまり、上記運転周波数が現在よりも高くなると上記冷媒回路(20)を流れる冷媒の循環量が増えるので、循環量の増加に応じて上記圧力損出値を高めに補正する。一方、上記運転周波数が現在よりも低くなると上記冷媒回路(20)を流れる冷媒の循環量が減るので、循環量の減少に応じて上記圧力損出値を低めに補正する。
第5の発明は、第1から第4の何れか1つの発明において、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を変更する容量変更手段(3e)と、該容量変更手段(3e)で高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を変化させて、上記利用側熱交換器(27)の冷媒出入口温度差が所定の温度範囲内となったときの上記冷媒回路(20)の上記圧力損失値を測定する測定手段(3f)とを備えていることを特徴としている。
ここで、所定の温度範囲は、冷媒が該利用側熱交換器(27)を流れていることを前提として設定される。したがって、この温度範囲外となったときの圧力損失値は、冷媒が利用側熱交換器(27)を流れている可能性の少ない状態の値であり、圧力損失として信頼性の低い値である。
第5の発明では、上記容量変更手段(3e)により高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を増減させることができる。容量を増減させると、上記圧力損失も同じように増減する。上記測定手段(3f)において、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量ごとに上記圧力損失値を測定することができる。
そして、上記測定手段(3f)で測定された圧力損失値、つまり圧力損失として信頼性の高い値に基づいて、上記調整手段(1b)が上記冷媒回路(20)の中間圧及び低圧の圧力差を調整することができる。
第6の発明は、第5の発明において、上記測定手段(3f)で測定された圧力損失値に基づいて、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差を、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量ごとに決定する決定手段(3b)を備えていることを特徴としている。
第6の発明では、上記決定手段(3b)において、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差を、上記測定手段(3f)で測定された圧力損失値に基づいて、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量ごとに決定することができる。
例えば、上記冷凍装置に要求される冷凍能力に必要な上記高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を決定すると、その決定した容量に応じて上記圧力損失値を決定することができる。そして、上記調整手段(1b)は、この容量ごとに決定された圧力損失値以上となるように、上記冷媒回路(20)の中間圧及び低圧の圧力差(空調機における暖房運転の場合は高圧及び中間圧の圧力差)を調整することができる。
第7の発明は、第5の発明において、上記測定手段(3f)で測定された最も大きな圧力損失値を、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差として定める決定手段(3b)を備えていることを特徴としている。
第7の発明では、上記決定手段(3b)において、上記測定手段(3f)で測定された最も大きな値を、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差を定めるための圧力損失値として決定することができる。
そして、上記調整手段(1b)は、この圧力損失値以上となるように、上記冷媒回路(20)の中間圧及び低圧の圧力差(空調機における暖房運転の場合は高圧及び中間圧の圧力差)を調整することができる。
第8の発明は、容量可変な低段側圧縮機構(21b)と容量可変な高段側圧縮機構(21a)と熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(24)と冷媒貯留容器(25)とが順に接続された熱源側回路(20a)に対して、利用側膨張機構(26)と利用側熱交換器(27)とが接続された利用側回路(20b)が少なくとも一つ以上接続されて超臨界二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置を前提としている。
そして、上記冷凍装置において、熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(24)とを接続する第1冷媒配管(85)から分岐して低段側圧縮機構(21b)と高段側圧縮機構(21a)とを接続する接続配管(86)に連通する第1分岐配管(84)と、該第1分岐配管(84)を流れる冷媒を減圧する減圧弁(87)と、高温側通路(81a)及び低温側通路(81b)を有して該高温側通路(81a)を流れる冷媒と該低温側通路(81b)を流れる冷媒とを熱交換するエコノマイザ熱交換器(81)とを有し、上記第1冷媒配管(85)が上記高温側通路(81a)に連通し、上記第1分岐配管(84)が上記低温側通路(81b)に連通するとともに、上記エコノマイザ熱交換器(81)の上流側にある上記第1分岐配管(84)に上記減圧弁(87)が設けられる一方、上記冷媒回路(20)における冷媒貯留容器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側へ流れる冷媒の圧力損失値を予め取得するデータ取得手段(1a)と、上記冷媒回路(20)における中間圧及び低圧の圧力差が上記圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、低段側圧縮機構(21b)と高段側圧縮機構(21a)との運転周波数、及び熱源側膨張機構(24)の出口側と入口側との間の圧力差を調整する調整手段(1b)とを備えていることを特徴としている。
第8の発明では、上記熱源側熱交換器(23)を流出した高圧冷媒を分岐することができる。分岐した高圧冷媒のうち、一方は減圧弁(87)で減圧量を調整することにより、第1中間圧冷媒とすることができ、他方は熱源側膨張機構(24)で減圧量を調整することにより、第2中間圧冷媒とすることができる。
そして、上記第1中間圧冷媒は、低段側圧縮機(21b)から吐出された冷媒とともに高段側圧縮機(21a)に吸入させることができ、上記第2中間圧冷媒は、利用側熱交換器(27)に流入させることができる。又、上記エコノマイザ熱交換器(81)により、高圧冷媒を第1中間圧冷媒で冷却することができる。
第9の発明は、第8の発明において、上記データ取得手段(1a)は、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数と上記減圧弁(87)の弁開度をフィードバック値として入力すると、少なくとも気液分離器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側へ流れる冷媒の圧力損失値の補正値を出力する演算手段(3d)を備えていることを特徴としている。
第9の発明では、上記データ取得手段(1a)で取得した圧力損失値を、現在の高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数と、現在の上記減圧弁(87)の弁開度とに基づいてフィードバック補正をすることができる。
第10の発明は、第8又は第9の発明において、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を変更する容量変更手段(3e)と、上記減圧弁(87)の弁開度を変更する弁開度変更手段(3e)と、該容量変更手段(3e)で高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を変化させ、該弁開度変更手段(3e)で上記減圧弁(87)の弁開度を変化させて、上記利用側熱交換器(27)の冷媒出入口温度差が所定の温度範囲内となったときの上記冷媒回路(20)の上記圧力損失値を測定する測定手段(3f)とを備えていることを特徴としている。
第10の発明では、上記容量変更手段(3e)により高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を変更し、上記弁開度変更手段(3e)により減圧弁(87)の弁開度を変更することができる。
両方の圧縮機構(21a,21b)の容量と減圧弁(87)の弁開度とを変更すると、上記圧力損失が変化する。上記測定手段(3f)において、この変化した圧力損失を両方の圧縮機構(21a,21b)の容量及び減圧弁(87)の弁開度ごとに測定することができる。
そして、上記測定手段(3f)で測定された圧力損失値、つまり圧力損失として信頼性の高い値に基づいて、上記調整手段(1b)が上記冷媒回路(20)の第2中間圧及び低圧の圧力差(暖房運転の場合は高圧及び第2中間圧の圧力差)を調整することができる。
第11の発明は、第10の発明において、上記測定手段(3f)で測定された圧力損失値に基づいて、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差を、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量と減圧弁(87)の弁開度ごとに決定する決定手段(3b)を備えていることを特徴としている。
第11の発明では、上記決定手段(3b)において、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差を、上記測定手段(3f)で測定された圧力損失値に基づいて、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量、及び減圧弁(87)の弁開度ごとに決定することができる。
例えば、上記冷凍装置に要求される冷凍能力に必要な上記高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量と減圧弁(87)の弁開度とを決定すると、その決定した容量及び弁開度に応じて上記圧力損失値を決定することができる。そして、上記調整手段(1b)は、この容量及び弁開度ごとに決定された圧力損失値以上となるように、上記冷媒回路(20)の第2中間圧及び低圧の圧力差(暖房運転の場合は高圧及び第2中間圧の圧力差)を調整することができる。
第12の発明は、第10の発明において、上記測定手段(3f)で測定された最も大きな圧力損失値を、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差として定める決定手段(3b)を備えていることを特徴としている。
第12の発明では、上記決定手段(3b)において、上記測定手段(3f)で測定された最も大きな値を、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差を定めるための圧力損失値として決定することができる。
そして、上記調整手段(1b)は、この圧力損失値以上となるように、上記冷媒回路(20)の第2中間圧及び低圧の圧力差(暖房運転の場合は高圧及び第2中間圧の圧力差)を調整することができる。
本発明によれば、運転条件により、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルの高圧が通常より下がった場合であっても、中間圧と低圧との圧力差が小さくなり過ぎて利用側熱交換器(27)に冷媒が流れなくなることがない。又、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルの低圧が通常よりも上がった場合であっても、中間圧が臨界圧力を超えることがないので、上記気液分離器(25)内が超臨界圧力となって、気液分離器(25)内の液冷媒がなくなることがない。したがって、運転条件により、高低圧が変化したとしても、上記冷凍装置を安定して運転することができる。
第2の発明によれば、暖房運転において、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルの高圧が通常より下がった場合であっても、高圧と中間圧との圧力差が小さくなり過ぎることがない。又、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルの低圧が通常よりも上がった場合であっても、中間圧が臨界圧力を超えることがない。したがって、運転条件により、高低圧が変化したとしても、上記冷凍装置を安定して運転することができる。
また、上記第3,4の発明によれば、上記データ取得手段(1a)で取得した圧力損失値を現在の高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数に基づいてフィードバック補正することができる。つまり、上記運転周波数の変化に応じて、上記圧力損失値を最適に補正することができるので、上記冷凍装置をより安定して運転することができる。
また、上記5の発明によれば、上記測定手段(3f)で測定された上記圧力損失、つまり冷媒が利用側熱交換器(27)を流れている状態の上記圧力損失値に基づいて、上記調整手段(1b)が上記冷媒回路(20)の中間圧及び低圧の圧力差(空調機における暖房運転の場合は高圧及び中間圧の圧力差)を調整することができる。これにより、冷媒が利用側熱交換器(27)を流れていない状態の上記圧力損失値、つまり圧力損失として信頼性の低い値に基づいて、上記調整手段(1b)が上記冷媒回路(20)の中間圧及び低圧の圧力差(空調機における暖房運転の場合は高圧及び中間圧の圧力差)を調整しないので、上記冷凍装置を安定して運転することができる。
また、第6の発明によれば、上記調整手段(1b)は、上記決定手段(3b)で決定された圧力損失値以上となるように、上記冷媒回路(20)の中間圧及び低圧の圧力差(空調機における暖房運転の場合は高圧及び中間圧の圧力差)を調整することができ、上記冷凍装置を安定して運転することができる。又、上記調整手段(1b)において、中間圧及び低圧の圧力差(空調機における暖房運転の場合は高圧及び中間圧の圧力差)を上記圧力損失値より小さくせずに、該圧力損失値の近傍で調整すれば、冷凍装置の中間圧を可能な限り下げることができ、該中間圧を二段圧縮冷凍サイクルにおける最適な値に近づけ易くできる。
また、第7の発明によれば、上記決定手段(3b)において、上記測定手段(3f)で測定された最も大きな値を、上記圧力損失値として決定することができる。これにより、上記圧力損失値を大きく設定することができるので、中間圧と低圧との圧力差(空調機における暖房運転の場合は高圧及び中間圧の圧力差)が上記圧力損失値より小さくなるのを抑えることができる。したがって、上記冷凍装置を安定して運転することができる。
第8の発明によれば、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルの高圧が通常より下がった場合であっても、上記熱源側膨張機構(24)で第2中間圧冷媒に対する減圧量を調整することにより、中間圧と低圧との圧力差が小さくなり過ぎて利用側熱交換器(27)に冷媒が流れなくなることがない。又、上記超臨界二段圧縮冷凍サイクルの低圧が通常よりも上がった場合であっても、上記熱源側膨張機構(24)で第2中間圧冷媒に対する減圧量を調整することにより、中間圧が臨界圧力を超えることがないので、上記冷媒貯留容器(25)内が超臨界圧力となって、冷媒貯留容器(25)内の液冷媒がなくなることがない。
一方、超臨界二段圧縮冷凍サイクルでは、高圧と低圧の関係から冷凍装置のCOPを高くするための最適な中間圧が存在する。上記減圧弁(87)で第1中間圧冷媒に対する減圧量を調整することにより、第1中間圧冷媒の圧力を最適な中間圧にすることができる。
又、上記エコノマイザ熱交換器(81)により、熱源側熱交換器(23)を流出した高圧冷媒の過冷却度を大きくすることができる。
以上より、超臨界二段圧縮冷凍サイクルの高低圧が変化したとしても、上記冷凍装置のCOPを高い状態にしつつ、該冷凍装置を安定して運転することができる。
第9の発明によれば、上記データ取得手段(1a)で取得した圧力損失値を現在の高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数、及び現在の上記減圧弁(87)の弁開度に基づいてフィードバック補正することができる。つまり、上記運転周波数及び上記弁開度の変化に応じて、上記圧力損失値を最適に補正することができるので、上記冷凍装置をより安定して運転することができる。
第10の発明によれば、上記測定手段(3f)で測定された上記圧力損失、つまり冷媒が利用側熱交換器(27)を流れている状態の上記圧力損失値に基づいて、上記調整手段(1b)が上記冷媒回路(20)の第2中間圧及び低圧の圧力差(暖房運転の場合は高圧及び第2中間圧の圧力差)を調整することができる。これにより、冷媒が利用側熱交換器(27)を流れていない状態の上記圧力損失値、つまり圧力損失として信頼性の低い値に基づいて、上記調整手段(1b)が上記冷媒回路(20)の第2中間圧及び低圧の圧力差(暖房運転の場合は高圧及び第2中間圧の圧力差)を調整しないので、上記冷凍装置を安定して運転することができる。
第11の発明によれば、上記調整手段(1b)は、上記決定手段(3b)で決定された圧力損失値以上となるように、上記冷媒回路(20)の第2中間圧及び低圧の圧力差(暖房運転の場合は高圧及び第2中間圧の圧力差)を調整することができ、上記冷凍装置を安定して運転することができる。
第12の発明によれば、上記決定手段(3b)において、上記測定手段(3f)で測定された最も大きな値を、上記圧力損失値として決定することができる。これにより、上記圧力損失値を大きく設定することができるので、第2中間圧と低圧との圧力差(暖房運転の場合は高圧及び第2中間圧の圧力差)が上記圧力損失値より小さくなるのを抑えることができる。したがって、上記冷凍装置を安定して運転することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《実施形態1》
本実施形態1の空気調和装置における冷房運転時の冷媒回路図を図1に示し、暖房運転時の冷媒回路図を図2に示す。
本実施形態1の空気調和装置は、室外機(図示なし)と室内機(図示なし)とを備えたセパレートタイプの空気調和装置であり、図1に示すように、冷媒回路(20)とコントローラ(1)とを備えている。上記冷媒回路(20)は、冷媒として二酸化炭素が充填された閉回路である。また、この冷媒回路(20)は、高圧が二酸化炭素の臨界圧力以上の値に設定される超臨界二段圧縮を行うように構成されている。
上記冷媒回路(20)は、高段側圧縮機(高段側圧縮機構)(21a)と低段側圧縮機(低段側圧縮機構)(21b)と四路切換弁(切換手段)(22)と室外熱交換器(熱源側熱交換器)(23)と室外膨張弁(熱源側圧縮機構)(24)とブリッジ回路(71)と気液分離器(25)とが接続された熱源側回路(20a)、及び室内膨張弁(利用側圧縮機構)(26)と室内熱交換器(利用側熱交換器)(27)とが接続された利用側回路(20b)を備えている。尚、図示しないが、上記熱源側回路(20a)は室外機に、上記利用側回路(20b)は室内機にそれぞれ搭載されている。
具体的に、上記熱源側回路(20a)において、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)は互いに直列に接続されている。そして、上記高段側圧縮機(21a)の吐出側が四路切換弁(22)の第1ポートに、上記低段側圧縮機(21b)の吸入側が四路切換弁(22)の第2ポートに、上記室外熱交換器(23)の流入端が四路切換弁(22)の第3ポートにそれぞれ接続されている。また、上記四路切換弁(22)の第4ポートの上流側には、上記熱源側回路(20a)と利用側回路(20b)とを接続するための第2接続端(20d)が設けられている。
上記ブリッジ回路(71)は、第1〜第4逆止弁(CV1,CV2,CV3,CV4)を備えている。上記室外熱交換器(23)の流出端から延びる第6冷媒配管(34e)が、上記ブリッジ回路(71)の第1逆止弁(CV1)と第4逆止弁(CV4)との間に接続されている。上記室内熱交換器(27)からブリッジ回路(71)側へ延びる第4冷媒配管(34c)の端部は、上記ブリッジ回路(71)の第2逆止弁(CV2)と第3逆止弁(CV3)との間に接続されている。
又、上記ブリッジ回路(71)の第1逆止弁(CV1)と第2逆止弁(CV2)との接続端から延びる上記第5冷媒配管(34d)の端部は、上記気液分離器(25)の上面を貫通して該気液分離器(25)内の下部空間に位置している。上記ブリッジ回路(71)の第3逆止弁(CV3)と第4逆止弁(CV4)との接続端から延びる上記第3冷媒配管(34b)の端部は、該第3冷媒配管(34b)に設けられた室外膨張弁(24)を介し、上記気液分離器(25)の上面を貫通して該気液分離器(25)内の上部空間に位置している。又、上記気液分離器(25)から延びる中間圧冷媒配管(34a)の端部が、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の間に接続されている。
一方、上記利用側回路(20b)において、上記第1接続端(20c)から第2接続端(20d)へ向かって順に、上記室内膨張弁(26)と室内熱交換器(27)とが設けられている。
上記高段側圧縮機(21a)及び低段側圧縮機(21b)は、可変容量型のいわゆる全密閉型に構成されている。低段側圧縮機(21b)は、吸入した冷媒(二酸化炭素)を圧縮し、高段側圧縮機(21a)へ吐出する。高段側圧縮機(21a)は、この吐出された冷媒を臨界圧力より高い圧力まで圧縮して吐出する。つまり、上記高段側圧縮機(21a)及び低段側圧縮機(21b)による二段圧縮が行われる。
上記四路切換弁(22)は、第1ポートと第3ポートが連通し且つ第2ポートと第4ポートが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートが連通し且つ第2ポートと第3ポートが連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。つまり、冷媒回路(20)において、四路切換弁(22)が第1状態の場合、冷媒が冷房サイクルで循環し、室内熱交換器(27)が蒸発器として、室外熱交換器(23)が放熱器(ガスクーラ)としてそれぞれ機能する。また、冷媒回路(20)において、四路切換弁(22)が第2状態の場合、冷媒が暖房サイクルで循環し、室内熱交換器(27)が放熱器(ガスクーラ)として、室外熱交換器(23)が蒸発器としてそれぞれ機能する。
室外熱交換器(23)は、室外ファン(28)によって取り込まれた室外空気と冷媒が熱交換する空気熱交換器を構成している。室内熱交換器(27)は、室内ファン(29)によって取り込まれた室内空気と冷媒が熱交換する空気熱交換器を構成している。室外膨張弁(24)および室内膨張弁(26)は、いずれも開度可変の電子膨張弁によって構成されている。
上記気液分離器(25)は縦長で円筒状の密閉容器であり、流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離して流出させるものである。
上記冷媒回路(20)には、上記冷媒回路(20)の高圧を検出する高圧センサ(35)と、低圧を検出する低圧センサ(36)と、上記冷媒回路(20)の中間圧を検出する中間圧センサ(図示なし)とが設けられている。又、上記冷媒回路(20)には、室内温度センサ(31)と吸入冷媒温度センサ(30)と第1熱交温度センサ(33)と外気温度センサ(38)と中間圧飽和温度センサ(37)とが設けられている。室内温度センサ(31)は、室内熱交換器(27)に取り込まれる室内空気の温度を検出する温度検出手段である。吸入冷媒温度センサ(30)は、低段側圧縮機(21b)の吸入冷媒の温度を検出する温度検出手段である。ここで、上記低圧センサ(36)の代わりに、吸入冷媒温度センサ(30)で検出される温度に基づいて低圧を算出してもよい。
第1熱交温度センサ(33)は、冷媒回路(20)において冷媒が暖房サイクルで循環するときに、室内熱交換器(27)の出口冷媒温度を検出する温度検出手段である。外気温度センサ(38)は、外気温度を検出する温度検出手段である。中間圧飽和温度センサ(37)は、気液分離器(25)から流出する冷媒の温度を検出する温度検出手段である。ここで、上記中間圧センサの代わりに、中間圧飽和温度センサ(37)で検出される温度に基づいて中間圧力を算出してもよい。又、上記冷媒回路(20)には、外気温度を検出するための外気温度センサ(38)も設けられている。
上記コントローラ(1)は、試運転データ取得部(データ取得手段)(1a)と運転制御部(調整手段)(1b)とを備え、該試運転データ取得部(1a)から得られるデータを参考にして、運転条件によって冷凍サイクルの高低圧が変化した場合であっても、上記空気調和装置が安定して運転できるように制御を行う。尚、上記コントローラ(1)による運転制御が本発明の特徴であり、詳細については後述する。
−運転動作−
〈冷房運転〉
次に、上記空気調和装置の運転動作について説明する。
先ず、冷房運転時には、図1に示すように、四路切換弁(22)が第1状態に設定される。この状態で高段側圧縮機(21a)と低段側圧縮機(21b)を運転すると、室外熱交換器(23)が放熱器となり、各室内熱交換器(27)が蒸発器となって冷凍サイクルが行われる。尚、上記コントローラ(1)により、上記高段側圧縮機(21a)の容量は、高圧センサ(35)で検知された圧力値に基づいて調整され、上記低段側圧縮機(21b)の容量は、低圧センサ(36)で検知された圧力値に基づいて調整される。
上記高段側圧縮機(21a)から吐出された超臨界状態の高圧冷媒は、室外熱交換器(23)に流れて室外空気へ放熱する。放熱した高圧冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧されて二相状態の中間圧冷媒となり、第3冷媒配管(34b)を介して気液分離器(25)に流入する。尚、該室外膨張弁(24)の開度は、上記中間圧飽和温度センサ(37)で検知された温度に基づいて、上記コントローラ(1)で調整される。
上記気液分離器(25)に流入した中間圧の冷媒は、液冷媒とガス冷媒とに分離される。そして、中間圧のガス冷媒は、気液分離器(25)の上部空間から上記中間圧冷媒配管(34a)を介して高段側圧縮機(21a)の吸入側へ流れる。一方、中間圧の液冷媒は気液分離器(25)の下部空間に一時的に貯留された後、下部空間から第5冷媒配管(34d)、ブリッジ回路(71)の第2逆止弁(CV2)、及び第4冷媒配管(34c)を介して上記室内膨張弁(26)へ流入する。該室内膨張弁(26)へ流入した中間圧の液冷媒は、該室内膨張弁(26)でさらに減圧されて二相状態の低圧冷媒となり、室内熱交換器(27)へ流入する。尚、該室内膨張弁(26)の開度は、上記吸入冷媒温度センサ(30)で検知された温度に基づいて、上記コントローラ(1)で調整される。
上記室内熱交換器(27)へ流入した二相状態の低圧冷媒は、室内空気から吸熱して蒸発し、低圧のガス冷媒となる一方、冷却された室内空気が室内へ供給される。低圧のガス冷媒は、四路切換弁(22)を介して低段側圧縮機(21b)へ吸入される。吸入された低圧のガス冷媒は、低段側圧縮機(21b)で圧縮され、中間圧のガス冷媒となって吐出される。そして、低段側圧縮機(21b)で吐出された中間圧のガス冷媒と、気液分離器(25)を流出した中間圧のガス冷媒とが合流し、高段側圧縮機(21a)に吸入される。合流した冷媒は高段側圧縮機(21a)で圧縮され、超臨界状態の高圧冷媒となって、再び室外熱交換器(23)に流入する。このように冷媒が循環することにより、空気調和装置において冷房運転が行われる。
〈暖房運転〉
暖房運転時には、図2に示すように、四路切換弁(22)が第2状態に設定される。この状態で高段側圧縮機(21a)と低段側圧縮機(21b)を運転すると、室内熱交換器(27)が放熱器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となって冷凍サイクルが行われる。尚、上記コントローラ(1)により、上記高段側圧縮機(21a)の容量は、高圧センサ(35)で検知された高圧圧力に基づいて調整され、上記低段側圧縮機(21b)の容量は低圧センサ(36)で検知された低圧圧力に基づいて調整される。又、場合によっては、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の容量は、上記中間圧飽和温度センサ(37)で検知された温度に基づいて、上記コントローラ(1)で調整される。
上記高段側圧縮機(21a)から吐出された超臨界状態の高圧冷媒は、室内熱交換器(27)に流れて室内空気へ放熱する。これにより、加熱された室内空気が室内へ供給される。放熱した高圧冷媒は、室内膨張弁(26)で減圧された二相状態の中間圧冷媒となり、第4冷媒配管(34c)を介して気液分離器(25)に流入する。尚、該室内膨張弁(26)の開度は、冷房運転とは違い、上記第1冷媒温度センサ(33)で検知された温度に基いて、上記コントローラ(1)で調整される。
上記気液分離器(25)に流入した中間圧の冷媒は、液冷媒とガス冷媒とに分離される。そして、中間圧のガス冷媒は、気液分離器(25)の上部空間から上記中間圧冷媒配管(34a)を介して高段側圧縮機(21a)の吸入側へ流れる。一方、中間圧の液冷媒は気液分離器(25)の下部空間に一時的に貯留された後、下部空間から第3冷媒配管(34b)を介して上記室外膨張弁(24)へ流入する。
上記室外膨張弁(24)へ流入した中間圧の液冷媒は、該室外膨張弁(24)でさらに減圧されて二相状態の低圧冷媒となり、室外熱交換器(23)へ流入する。尚、該室外膨張弁(24)の開度は、冷房運転とは違い、上記吸入冷媒温度センサ(30)で検知された温度に基づいて上記コントローラ(1)により調整される。
上記室外熱交換器(23)へ流入した二相状態の低圧冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発し、低圧のガス冷媒となる一方、室外空気が冷却される。そして、低圧のガス冷媒は、四路切換弁(22)を介して低段側圧縮機(21b)へ吸入される。吸入された低圧のガス冷媒は、低段側圧縮機(21b)で圧縮され、中間圧のガス冷媒となって吐出される。そして、低段側圧縮機(21b)で吐出された中間圧のガス冷媒と、気液分離器(25)を流出した中間圧のガス冷媒とが合流し、高段側圧縮機(21a)に吸入される。吸入された高圧のガス冷媒は、高段側圧縮機(21a)で圧縮され、超臨界状態の高圧冷媒となって、再び室内熱交換器(27)に流入する。このように冷媒が循環することにより、空気調和装置において暖房運転が行われる。
〈空気調和装置の運転制御〉
次に、上記コントローラ(1)における運転制御動作について、図3の制御ブロック図により説明する。上記コントローラ(1)は、上述した試運転データ取得部(1a)と運転制御部(1b)とを備える。
上記試運転データ取得部(1a)は、室内外高低差推定部(3a)、最大圧損推定部(決定手段)(3b)及び必要最小差圧決定部(2)を備えている。
上記室内外高低差推定部(3a)は、上記室外機及び室内機の高低差(図3における設置情報)を入力すると、推定冷媒ヘッド差Δhに変換して出力するものである。
上記最大圧損推定部(3b)は、試運転による運転情報(試運転情報)を入力すると、冷房運転時において、気液分離器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側までの冷媒圧力損失値(圧力差)を推定し、暖房運転時において、高段側圧縮機構(21a)の吐出側から気液分離器(25)までの冷媒圧力損失値を推定する推定部(3c)と、該推定部(3c)で推定された冷媒圧力損失値を補正する補正部(演算手段)(3d)を備えている。
又、上記最大圧損推定部(3b)は、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の運転周波数を変更する変更部(容量変更手段)(3e)と運転データを測定する測定部(測定手段)(3f)とを備えている。
上記最大圧損推定部(3b)が、冷媒圧力損失値を推定する場合には、試運転時に、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の運転周波数を変更部(3e)で変化させて、測定部(3f)で測定された運転データに基づいて行う。尚、この運転データは、高段側圧縮機(21a)及び低段側圧縮機(21b)の運転周波数データと、該運転周波数データと相関関係にある冷媒圧力損失値データとで構成されている。
そして、上記最大圧損推定部(3b)は、上記空気調和装置に対して要求される空調能力に必要な高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の運転周波数が決定すると、上記運転データに基づいてその決定した運転周波数データと相関関係にある冷媒圧力損失値データを決定する。この決定した冷媒圧力損失値データが、上記最大圧損推定部(3b)で推定される冷媒圧力損失値を構成する。
ここで、上記最大圧損推定部(3b)で推定される冷媒圧力損失値は、例えば、上記運転データにおける冷媒圧力損失値データのうち最も大きい値を、上記最大圧損推定部(3b)で推定される冷媒圧力損失値としてもよい。
上記補正部(3d)は、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の運転周波数を入力すると、冷房運転時において、気液分離器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側までの冷媒圧力損失値の補正値を出力し、暖房運転時において、高段側圧縮機構(21a)の吐出側から気液分離器(25)までの冷媒圧力損失値の補正値を出力するデータベースを備えている。図示しないが、現在の上記運転周波数をフィードバック値として入力すれば、その運転周波数に応じた補正値を出力する。以上より、上記最大圧損推定部(3b)は、試運転による運転情報を入力すると、上記推定部(3c)で冷媒圧力損失値が推定されるとともに、上記データベースに基づいて、上記推定部(3c)で推定した冷媒圧力損失値を補正した値ΔPを出力する。
ここで、上記冷媒圧力損失値は、冷房試運転時に、中間圧温度センサの測定温度から求めた飽和圧力と低圧センサ(36)で測定した圧力の差から求めてもよい。
尚、上記データベースは、上述した上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の運転周波数を上記変更部(3e)で変化させた場合に、上記測定部(3f)で測定される運転データに基いて作成されるものである。つまり、冷媒の圧力損失による誤差分を極力減らすため、循環量を低く抑えた(例えば最低周波数で運転)時の運転データを取得する。この際、上記室内膨張弁(26)は全開で運転する。このとき、室内熱交換器(27)内を冷媒が流れているかどうかは、該室内熱交換器(27)に設けられた液側配管温度センサとガス側配管温度センサの温度と温度差から判定する。
冷媒が十分流れていれば、室内膨張弁(26)を全開にしているので、室内熱交換器(27)の出口での過熱もほとんどつかず、両方のセンサ温度は(低圧+冷媒圧力損失値)の圧力の飽和温度となる。一方、冷媒がほとんど流れていなければ、過熱ガスが室内熱交換器(27)に滞留し、温度は飽和温度よりもかなり高くなる。
次に、通常運転に近い運転(高周波数または最大周波数)を行って、上記冷媒圧力損失値を求める。そしてこれらを使って圧縮機の容量が変化したときの必要最低差圧を求める式を現地で同定する。またこの方法が複雑である、試運転時間がかかるなどの理由でできない場合は、簡略化してどちらか一方の試運転を行い、他方はあらかじめ記憶した式などを使用して、概略値を求めてもよい。
尚、データベースは例示であり、例えば、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の運転周波数と、冷媒圧力損失値との相関関係を示す式であってもよい。
上記必要最小差圧決定部(2)は、上記推定冷媒ヘッド差Δhと上記冷媒圧力損失値ΔPとを加算した最大冷媒圧力損失値ΔPaが入力されると、冷媒が上記冷媒回路(20)を循環するのに必要な中間圧と低圧との間の最小差圧ΔPSを出力する。
次に、上記運転制御部(1b)について説明する。上記運転制御部(1b)は、センサ部(4,5,6)、最適中間圧算出部(8)、差圧判定部(9)、目標値算出部(10,11,14)、能力要求部(12)、最適高圧算出部(13)、高段圧縮機周波数算出部(15)、低段圧縮機周波数算出部(16)、及び室外膨張弁開度算出部(17)を備えている。
上記センサ部(4,5,6)は、室温センサ部(4a)、外気温センサ部(4b)、高圧センサ部(4c)、低圧センサ部(5)、及び中間圧センサ部(6)を備えている。これらのセンサ部(4,5,6)は、上記空気調和装置に設けられた各センサで検出された冷媒回路(20)の状態量を電気信号に変換して出力するものである。
上記最適中間圧算出部(8)は、上記室温センサ部(4a)、外気温センサ部(4b)、高圧センサ部(4c)、及び低圧センサ部(5)の出力値が入力されると、現在の上記冷媒回路(20)の冷凍サイクルにおいて、最もCOPの高い運転を行うための最適な中間圧値Pmを出力する。
上記差圧判定部(9)は、中間圧センサ部(6)から低圧センサ部(5)の出力値を引算して得られる値(現在の差圧)と上記最小差圧ΔPSとの大小を比較する比較部を備えている。そして、上記比較部で比較した結果に応じて、超臨界二段圧縮冷媒サイクルの高圧と低圧の補正値、及び補正した中間圧を出力する。つまり、上記比較部で比較した結果、上記現在の差圧が上記最小差圧ΔPSよりも大きい場合には、冷媒回路(20)の中間圧が上記最適な中間圧値Pmとなり、且つ中間圧が冷媒の臨界圧力を超えないようにするための上記補正値及び上記補正した中間圧を出力する。一方、上記現在の差圧が上記最小差圧ΔPS以下の場合には、該現在の差圧が上記最小差圧ΔPSよりも大きくなり、且つ中間圧が冷媒の臨界圧力を超えないようにするための上記補正値、及び補正した中間圧を出力する。
上記能力要求部(12)は、図示しない室内リモコンから出力された室内設定温度が入力されると、冷媒回路(20)の最適な低圧値を出力する。上記最適高圧算出部(13)は、現在の運転情報を入力すると、その運転情報に基づいて最適な高圧値を出力する。
上記目標値算出部(10,11,14)において、上記高圧目標値算出部(10)は、上記最適高圧算出部(13)で得られた高圧値と、上記差圧判定部(9)で得られた高圧の補正値とを入力すると、上記冷媒回路(20)の高圧目標値HPSを出力するものである。上記低圧目標値算出部(11)は、上記能力要求部(12)で得られた低圧値と、上記差圧判定部(9)で得られた低圧の補正値とを入力すると、上記冷媒回路(20)の低圧目標値LPSを出力するものである。上記中間圧目標値算出部(14)は、上記差圧判定部(9)で得られた補正した中間圧値を入力すると、上記冷媒回路(20)の中間圧目標値PmSを出力するものである。
上記高段圧縮機周波数算出部(15)は、上記高圧目標値HPSと、上記空気調和装置からフィードバックされた実測高圧値HP(上記高圧センサ部(4c)の出力値と同値)とを引算した値を入力すると、その引算した値に基づいて高段側圧縮機(21a)の周波数値Δf1を出力する。上記低段圧縮機周波数算出部(16)は、上記低圧目標値LPSと、上記空気調和装置からフィードバックされた実測低圧値LP(上記低圧センサ部(5)の出力値と同値)とを引算した値を入力すると、その引算した値に基づいて低段側圧縮機(21b)の周波数値Δf2を出力する。
上記室外膨張弁開度算出部(17)は、上記中間圧目標値PmSと、上記空気調和装置からフィードバックされた実測中間圧値Pm(上記中間圧センサ部(6)の出力値と同値)とを引算した値を入力すると、その引算した値に基づいて室外膨張弁(24)の開度値ΔEVを出力する。そして、上記高段側圧縮機(21a)の周波数値Δf1、低段側圧縮機(21b)の周波数値Δf2、及び室外膨張弁(24)の開度値ΔEVが空気調和装置に入力され、これらの入力値に基づいて、高段側圧縮機(21a)、低段側圧縮機(21b)、及び室外膨張弁(24)が操作される。そして、その操作の結果、実測高圧値HP、実測低圧値LP、及び実測中間圧値Pmが出力される。これらの出力値は、上記高低段圧縮機周波数算出部(15,16)又は上記室外膨張弁開度算出部(17)の入力値を演算するためのフィードバック値となる。
このように構成されたコントローラ(1)において、上記冷媒回路(20)の高圧が通常よりも下がった場合であっても、上記冷媒回路(20)における中間圧と低圧との圧力差(暖房時は、高圧と中間圧との圧力差)が、上記データ取得手段(1a)で取得した冷媒圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、上記空気調和装置を運転する。又、低圧が通常よりも上がった場合であっても、上記冷媒回路(20)における中間圧と低圧との圧力差(暖房時は、高圧と中間圧との圧力差)が、上記データ取得手段(1a)で取得した冷媒圧力損失値以上であり、且つ中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、上記空気調和装置を運転する。
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、運転条件により、上記冷媒回路(20)の高低圧が変化したとしても、冷媒回路(20)の中間圧と低圧との圧力差が上記冷媒圧力損失値より小さくなることがない。したがって、室内熱交換器(27)に冷媒が流れなくなることがない。又、該中間圧が臨界圧力を超えてしまい、上記気液分離器(25)内が超臨界圧力となって気液分離器(25)内の液冷媒がなくなることがない。したがって、上記空気調和装置を安定して運転することができる。
又、上記最大圧損推定部(3b)の補正部(3d)が、上記データベースを備えることにより、上記推定部(3c)で推定した冷媒圧力損失値を、現在の高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数に基づいてフィードバック補正をすることができる。つまり、上記運転周波数が現在よりも高くなると上記冷媒回路(20)を流れる冷媒の循環量が増えるので、循環量の増加に応じて上記冷媒圧力損出値を高めに補正する。一方、上記運転周波数が現在よりも低くなると上記冷媒回路(20)を流れる冷媒の循環量が減るので、循環量の減少に応じて上記冷媒圧力損出値を低めに補正する。
つまり、上記運転周波数の変化に応じて、上記冷媒圧力損失値を最適に補正することができるので、上記空気調和装置をより安定して運転することができる。
−実施形態1の変形例1−
図4,5は、実施形態1の変形例1に係る空気調和装置の冷媒回路図であり、図4は冷房時の場合、図5は暖房時の場合をそれぞれ示している。
本実施形態1と、実施形態1の変形例1との違いは、利用側回路(20b)が、熱源側回路(20a)に対して並列に複数設けられている点である。尚、図4,5では、2つの利用側回路(20b)が示されているが、これは例示であり、上記利用側回路(20b)が3台以上設けられてもよい。そして、各室内熱交換器(27)と各第2接続端(20d)との間には、それぞれ第2熱交温度センサ(32)が設けられている。ここで、上記第2熱交温度センサ(32)は、冷媒回路(20)において、冷媒が冷房サイクルで循環するときに、室内熱交換器(27)の出口冷媒温度を検出する温度検出手段である。そして、上記各室内膨張弁(26)の開度は、上記各第2熱交温度センサ(32)で検知された温度に基づいて、上記コントローラ(1)で調整される。
したがって、上記コントローラ(1)の調整により、各室内熱交換器(27)ごとに、空調負荷に応じて該室内熱交換器(27)の冷媒流量を調整することができる。
このように、熱源側回路(20a)に対して複数の利用側回路(20b)が設けられているマルチ型の冷凍装置の場合、上記推定部(3c)は、各利用側回路(20b)の室内膨張弁(26)の中で最も大きい前後差圧を考慮し、冷媒圧力損失値を推定する。仮に、室内膨張弁(26)の前後差圧を考慮せずに冷媒圧力損失値を推定した場合、各利用側回路(20b)の流量制御が困難になり、各利用側回路(20b)間の能力分配がうまくいかなくなることが考えられる。
ここで、前後差圧を考慮する場合には、ある程度のマージン(差圧余裕値)を確保する必要がある。このマージンを確保しないと、場合によって、各室内膨張弁(26)で過熱度制御を行う際に、大きく弁開度を変更しても過熱度がほとんど変わらなくなることが考えられる。この理由は、マージンを確保した場合に比べて、マージンを確保しない場合の方が、上記室内膨張弁(26)の弁開度に対する過熱度変化の感度が鈍くなるからである。
したがって、ある程度のマージン(差圧余裕値)を確保することにより、室内熱交換器(27)における熱交換能力の調整範囲が狭くならずに、各利用側回路(20b)間の能力分配をうまく行うことができる。
実施形態1の変形例1によれば、本実施形態1と同様に、冷房又は暖房運転時において、その運転条件により、上記冷媒回路(40)の高圧が通常よりも下がった場合であっても、上記冷媒回路(40)における中間圧と低圧との圧力差(暖房時は、高圧と中間圧との圧力差)が、上記データ取得手段(1a)で取得した冷媒圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、上記空気調和装置を運転することができる。又、低圧が通常よりも上がった場合であっても、上記冷媒回路(40)における中間圧と低圧との圧力差(暖房時は、高圧と中間圧との圧力差)が、上記データ取得手段(1a)で取得した冷媒圧力損失値以上であり、且つ中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、運転することができる。
ここで、各室内熱交換器(27)までの配管長の差が大きい場合、同一の室内機で同一程度の能力を出していても、上述の圧損の違いによって室内膨張弁(26)の開度が大きく異なっている場合がある。室内膨張弁(26)の流路断面積と冷媒流量は比例するが、このようなケースではその比例係数が大きく異なっていることになる。そのため同一の開度変更を行っても、冷媒流量の変化は大きく異なり、結果として同一開度変更に対する過熱度応答のゲインが大きく異なってしまう。これを補正するには各室内機機種毎に基準の差圧とゲインの関係を持たせ、そこからどの程度運転条件(差圧または開度)がずれているかでゲインをスケジューリングしてもよい。さらに、もし差圧が一定以上確保されていても、運転条件によって差圧が変化すると弁開度変化に対する冷媒過熱度の変化の感度が変化してしまうので、より制御性能を向上させるためには差圧をある一定の範囲内に収まるように制御することが望ましい。
このことから、運転条件により、上記冷媒回路(40)の高低圧が変化したとしても、上記冷媒回路(40)の中間圧と低圧との圧力差が小さくなり過ぎて各室内熱交換器(27)に冷媒が流れなくなることがない。又、該中間圧が臨界圧力を超えることがないので、上記気液分離器(25)内が超臨界圧力となって気液分離器(25)内の液冷媒がなくなることがない。したがって、上記空気調和装置を安定して運転することができる。
−実施形態1の変形例2−
図6は、実施形態1の変形例2に係る空気調和装置の冷媒回路図である。尚、図6は冷房時の場合を示しており、暖房時の場合は省略する。
実施形態1の変形例1と変形例2との違いは、図6に示すように、流量調整弁(73)と、内部熱交換器(74)とが設けられている点である。尚、内部熱交換器(74)は低温側流路と高温側流路とが形成され、各流路を流れる冷媒同士が熱交換するように構成されている。
上記内部熱交換器(74)は、上記中間圧冷媒配管(34a)と第5冷媒配管(34d)とに跨って設けられており、該中間圧冷媒配管(34a)が高温側流路に、該第5冷媒配管(34d)が低温側流路に連通するように配置されている。又、上記中間圧冷媒配管(34a)における上記気液分離器(25)と上記内部熱交換器(74)との間には、流量調整弁(73)が配置されている。
このように、流量調整弁(73)と内部熱交換器(74)とを設けることにより、中間圧冷媒配管(34a)を流れる冷媒で第5冷媒配管(34d)を流れる冷媒を冷却することができる。したがって、室内熱交換器(27)を流れる冷媒のエンタルピ差が、内部熱交換器(74)を設けない場合に比べて大きくなる。尚、上記流量調整弁(73)の開度調整によって、このエンタルピ差は変化する。つまり、上記流量調整弁(73)の開度を現在よりも開くと、上記内部熱交換器(74)の低温側流路を流れる冷媒量が増加するので、上記エンタルピ差は大きくなる。
実施形態1の変形例2によれば、変形例1とは違い、上記流量調整弁(73)が設けられており、該流量調整弁(73)の開度が、冷媒回路(70)の中間圧に影響する。つまり、流量調整弁(73)の開度を開くほど上記気液分離器(25)の圧力が下がるため、開き過ぎると、中間圧が下がり過ぎて、上記冷媒回路(70)における中間圧と低圧との圧力差が、上記データ取得手段(1a)で取得した冷媒圧力損失値より小さくなる場合がある。したがって、冷媒回路(70)を変形例2のような構成にした場合には、上記室外膨張弁(24)に追加して流量調整弁(73)も、上記コントローラ(1)で制御できるように構成する。
これにより、運転条件により、高低圧が変化したとしても、冷媒回路(20)の中間圧と低圧との圧力差が小さくなり過ぎて各室内熱交換器(27)に冷媒が流れなくなることがない。又、該中間圧が臨界圧力を超えることがないので、上記気液分離器(25)内が超臨界圧力となって気液分離器(25)内の液冷媒がなくなることがない。したがって、上記空気調和装置を安定して運転することができる。
《実施形態2》
図8は本発明の実施形態2に係る空気調和装置の冷媒回路図であり、図9は、実施形態2の空気調和装置における冷凍サイクルを二酸化炭素のP−h線図上に示した図である。また、図10は、実施形態2に係るコントローラ(50)のブロック線図である。
実施形態2の空気調和装置の冷媒回路(80)と実施形態1で示した空気調和装置の冷媒回路(20)(図1、図2)との違いは、図8に示すように、エコノマイザ熱交換器(81)と減圧弁(87)とが設けられている点、及び気液分離器(25)から延びる中間圧冷媒配管(34a)に代えて第1分岐配管(84)が設けられている点、及びブリッジ回路(71)が削除されている点である。図8において、実施形態1の冷媒回路(20)と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
上記エコノマイザ熱交換器(81)は、高温側通路(81a)と低温側通路(81b)とを備えており、高温側通路(81a)を通過する冷媒と低温側通路(81b)を通過する冷媒とが熱交換できるように構成されている。そして、上記高温側通路(81a)が、室外熱交換器(23)とブリッジ回路(71)とを接続する第6冷媒配管(34e)に連通している。尚、上記第6冷媒配管(34e)において、室外熱交換器(23)と室外膨張弁(24)とを接続する配管が第1冷媒配管(85)を構成する。この第1冷媒配管(85)におけるエコノマイザ熱交換器(81)の近傍には、高温側温度センサ(82)が設けられている。
又、上記低温側通路(81b)が、上記第1冷媒配管(85)から分岐して高段側圧縮機(21a)及び低段側圧縮機(21b)を接続する接続配管(86)に接続される第1分岐配管(84)に連通している。
上記減圧弁(87)は、上記第1分岐配管(84)に設けられ、第1冷媒配管(85)及び第1分岐配管(84)の分岐点とエコノマイザ熱交換器(81)との間に位置している。この減圧弁(87)は、上記高温側通路(81a)から流出して第1分岐配管(84)へ分岐する高圧の冷媒を減圧して中間圧の冷媒にする。又、上記第1分岐配管(84)における減圧弁(87)とエコノマイザ熱交換器(81)との間には低温側温度センサ(83)が設けられている。
上記気液分離器(25)は、該室外膨張弁(24)で超臨界域から二相域まで減圧された冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離可能に構成されている。尚、貯留した冷媒のうち液冷媒のみが室内膨張弁(26)へ送られる。
又、実施形態1の冷媒回路(20)では、中間圧センサ(図示なし)が1つ設けられていたが、実施形態2の冷媒回路(80)では、上記中間圧センサの代わりに、上記冷媒回路(80)の第1中間圧を検出する第1中間圧センサ(図示なし)と上記冷媒回路(80)の第2中間圧を検出する第2中間圧センサ(図示なし)とが設けられている。ここで、第1、第2中間圧については、詳しく後述する。
尚、実施形態2では、上記第1中間圧センサの代わりに、低温側温度センサ(83)で検出される温度に基づいて第1中間圧力を算出してもよいし、上記第2中間圧センサの代わりに、中間圧飽和温度センサ(37)で検出される温度に基づいて第2中間圧力を算出してもよい。
−運転動作−
〈冷房運転〉
次に、実施形態2の空気調和装置の運転動作について説明する。
先ず、冷房運転時には、図8に示すように、四路切換弁(22)が第1状態(実線)に設定される。この状態で高段側圧縮機(21a)と低段側圧縮機(21b)を運転すると、室外熱交換器(23)が放熱器となり、室内熱交換器(27)が蒸発器となって冷凍サイクルが行われる。尚、上記コントローラ(50)により、上記高段側圧縮機(21a)の容量は、高圧センサ(35)で検知された圧力値に基づいて調整され、上記低段側圧縮機(21b)の容量は低圧センサ(36)で検知された圧力値に基づいて調整される。
上記高段側圧縮機(21a)から吐出された超臨界状態の高圧冷媒(図8、図9のa4)は、四路切換弁(22)を通過した後、室外熱交換器(23)に流れて室外空気へ放熱する。放熱した高圧冷媒は室外熱交換器(23)を流出し(図8、図9のa5)、エコノマイザ熱交換器(81)の高温側通路(81a)へ流入する。
上記高温側通路(81a)へ流入した高圧冷媒は、該エコノマイザ熱交換器(81)の低温側通路(81b)を流れる冷媒により冷却された後、該高温側通路(81a)を流出する(図8、図9のa6)。該エコノマイザ熱交換器(81)を流出した高圧冷媒は、室外膨張弁(24)側へ流れる冷媒と減圧弁(87)側へ流れる冷媒とに分流する。
上記減圧弁(87)側へ流れる高圧冷媒は、該減圧弁(87)で減圧されて中間圧冷媒となる(図8、図9のa7)。この中間圧冷媒の圧力値はP1である(以下、圧力値P1の中間圧冷媒を第1中間圧冷媒という。)。この第1中間圧冷媒は、エコノマイザ熱交換器(81)の低温側通路(81b)へ流入する。該低温側通路(81b)へ流入した第1中間圧冷媒は、高温側通路(81a)を流れる高圧冷媒と熱交換を行って過熱蒸気となり、該低温側通路(81b)を流出した後、上記第1分岐配管(84)を経て上記接続配管(86)に送られる。尚、該減圧弁(87)の開度は、該低温側通路(81b)の入口側に設けられた低温側温度センサ(83)で検知された温度に基づいて、上記コントローラ(50)で調整される。又、高温側通路(81a)の出口側に設けられた高温側温度センサ(82)で検知された温度に基づいて調整されてもよい。
一方、上記室外膨張弁(24)側へ流れる高圧冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧されて中間圧冷媒となる(図8、図9のa8)。この中間圧冷媒の圧力値はP2である(以下、圧力値P2の中間圧冷媒を第2中間圧冷媒という。)。この第2中間圧冷媒は、冷媒貯留容器(25)に流入する。尚、上記室外膨張弁(24)の開度は、上記中間圧飽和温度センサ(37)で検知された温度に基づいて、上記コントローラ(50)で調整される。上記冷媒貯留容器(25)に流入した第2中間圧冷媒は、液冷媒とガス冷媒とに分離される。そして、液冷媒は冷媒貯留容器(25)から第4冷媒配管(34c)を介して上記利用側回路(20b)へ流入する。上記利用側回路(20b)へ流入した液冷媒は、上記室内膨張弁(26)でさらに減圧されて低圧冷媒となり(図8、図9のa9)、室内熱交換器(27)へ流入する。尚、該室内膨張弁(26)の開度は、上記吸入冷媒温度センサ(30)で検知された温度に基づいて、上記コントローラ(50)で調整される。
上記室内熱交換器(27)へ流入した低圧冷媒は、室内空気から吸熱して蒸発し、低圧のガス冷媒となる一方、冷却された室内空気が室内へ供給される。低圧のガス冷媒は、四路切換弁(22)を介して低段側圧縮機(21b)へ吸入される(図8、図9のa1)。吸入された低圧のガス冷媒は、低段側圧縮機(21b)で圧縮され、中間圧のガス冷媒となって吐出される(図8、図9のa2)。そして、この吐出されたガス冷媒と、エコノマイザ熱交換器(81)を流出した第1中間圧冷媒とが合流し(図8、図9のa3)、高段側圧縮機(21a)に吸入される。そして、合流した冷媒は高段側圧縮機(21a)で圧縮され、超臨界状態の高圧冷媒となって(図8、図9のa4)、再び室外熱交換器(23)に流入する。このように冷媒が循環することにより、空気調和装置において冷房運転が行われる。
〈暖房運転〉
次に暖房運転について説明する。図8に示すように、四路切換弁(22)が第2状態(破線)に設定される。この状態で高段側圧縮機(21a)と低段側圧縮機(21b)を運転すると、室外熱交換器(23)が蒸発器となり、室内熱交換器(27)が放熱器となって冷凍サイクルが行われる。又、上記減圧弁(87)は全閉に設定され、エコノマイザ熱交換器(81)による熱交換は行われなくなる。
上記高段側圧縮機(21a)から吐出された超臨界状態の高圧冷媒は、室内熱交換器(27)に流れて室内空気へ放熱する。これにより、加熱された室内空気が室内へ供給される。放熱した高圧冷媒は、室内膨張弁(26)で減圧されて二相状態の中間圧冷媒となり、第4冷媒配管(34c)を介して冷媒貯留容器(25)に流入する。尚、該室内膨張弁(26)の開度は、冷房運転とは違い、上記第1熱交温度センサ(33)で検知された温度に基づいて、上記コントローラ(50)で調整される。
上記冷媒貯留容器(25)に流入した中間圧の冷媒は、液冷媒とガス冷媒とに分離される。そして、液冷媒は冷媒貯留容器(25)の下部空間に一時的に貯留された後、下部空間から第3冷媒配管(34b)を介して上記室外膨張弁(24)へ流入する。
上記室外膨張弁(24)へ流入した中間圧の液冷媒は、該室外膨張弁(24)でさらに減圧されて二相状態の低圧冷媒となり、エコノマイザ熱交換器(81)を熱交換することなく通過した後、室外熱交換器(23)へ流入する。尚、該室外膨張弁(24)の開度は、冷房運転とは違い、上記吸入冷媒温度センサ(30)で検知された温度に基づいて上記コントローラ(50)により調整される。
上記室外熱交換器(23)へ流入した二相状態の低圧冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発し、低圧のガス冷媒となる一方、室外空気が冷却される。そして、低圧のガス冷媒は、四路切換弁(22)を介して低段側圧縮機(21b)へ吸入される。吸入された低圧のガス冷媒は、低段側圧縮機(21b)で圧縮され、中間圧のガス冷媒となって吐出され、高段側圧縮機(21a)に吸入される。吸入された高圧のガス冷媒は、高段側圧縮機(21a)で圧縮され、超臨界状態の高圧冷媒となって、再び室内熱交換器(27)に流入する。このように冷媒が循環することにより、空気調和装置において暖房運転が行われる。
〈空気調和装置の運転制御〉
次に、上記コントローラ(50)における運転制御動作について実施形態1との相違点についてのみ説明する。まず、試運転データ取得部(50a)について説明した後、運転制御部(50b)について説明する。
上記試運転データ取得部(50a)において、実施形態1との違いは、上記最大圧損推定部(3b)が、上記減圧弁(87)の弁開度も考慮して、冷媒圧力損失値を推定する点である。
具体的に、上記最大圧損推定部(3b)が冷媒圧力損失値を推定する場合には、上記変更部(3e)が、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の運転周波数と減圧弁(87)の弁開度とを変化させながら空気調和装置の試運転を行う。上記変更部(3e)が、各圧縮機(21a,21b)の容量変更手段と減圧弁(87)の弁開度変更手段とを構成する。そして、上記変更部(3e)により変化した運転状態を測定部(3f)で測定し、この測定された運転データに基づいて、上記最大圧損推定部(3b)が冷媒圧力損失値を推定を行う。
尚、この運転データは、高段側圧縮機(21a)及び低段側圧縮機(21b)の運転周波数データと、減圧弁(87)の弁開度データと、該運転周波数データ及び弁開度データに対して相関関係にある冷媒圧力損失値データとで構成されている。
そして、 上記最大圧損推定部(3b)は、上記運転データに基づいて、上記空気調和装置に対して要求される空調能力に必要な高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の運転周波数と減圧弁(87)の弁開度とを入力すると、上記冷媒圧力損失値データを出力する。この冷媒圧力損失値データが、上記最大圧損推定部(3b)で推定される冷媒圧力損失値を構成する。
上記補正部(3d)は、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の運転周波数と減圧弁(87)の弁開度とを入力すると、冷房運転時において、冷媒貯留容器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側までの冷媒圧力損失値の補正値を出力し、暖房運転時において、高段側圧縮機構(21a)の吐出側から冷媒貯留容器(25)までの冷媒圧力損失値の補正値を出力するデータベースを備えている。図示しないが、現在の上記運転周波数及び上記弁開度をフィードバック値として入力すれば、その運転周波数及び弁開度に応じた補正値を出力する。以上より、上記最大圧損推定部(3b)は、試運転による運転情報を入力すると、上記推定部(3c)で冷媒圧力損失値が推定されるとともに、上記データベースに基づいて、上記推定部(3c)で推定した冷媒圧力損失値を補正部(3d)で補正した値ΔPを出力する。
次に、上記運転制御部(50b)について説明する。
上記運転制御部(50b)において、実施形態1との違いは、中間圧目標値算出部(14)に代えて第1中間圧目標値算出部(18)及び第2中間圧目標値算出部(14a)が、中間圧センサ部(6)に代えて第2中間圧センサ部(6a)が、上記差圧判定部(9)に代えて第2中間差圧判定部(9a)が設けられている点である。又、上記運転制御部(50b)には、実施形態1とは違い、減圧弁開度算出部(19)が追加されている。
具体的に、第1中間圧目標値算出部(18)は、上記室温センサ部(4a)、外気温センサ部(4b)、高圧センサ部(4c)、及び低圧センサ部(5)の出力値が入力されると、現在の上記冷媒回路(80)の冷凍サイクルにおいて、最もCOPの高い運転を行うための最適な第1中間圧目標値P1Sを減圧弁開度算出部(19)へ出力する。
上記減圧弁開度算出部(19)は、上記第1中間圧目標値P1Sと、上記空気調和装置からフィードバックされた実測値である第1中間圧P1とを引算した値を入力すると、その引算した値に基づいて減圧弁(87)の開度値ΔEV1を出力する。この開度値ΔEV1に基いて減圧弁(87)の開度が調整される。
上記第2中間差圧判定部(9a)は、第2中間圧センサ部(6a)の出力値から低圧センサ部(5)の出力値を引算して得られる値(現在の差圧)と上記必要最小差圧決定部(2)から入力された最小差圧ΔPSとの大小を比較する比較部(図示なし)を備えている。そして、この比較部で比較した結果に応じて、超臨界二段圧縮冷媒サイクルの高圧と低圧の補正値、及び補正した第2中間圧を出力する。
つまり、上記比較部で比較した結果、上記現在の差圧が上記最小差圧ΔPSよりも大きい場合には、その現在の第2中間圧が冷媒の臨界圧力を超えないようにするための上記補正値及び上記補正後の第2中間圧を上記第2中間圧目標値算出部(14a)へ出力する。一方、上記現在の差圧が上記最小差圧ΔPS以下の場合には、現在の差圧が上記最小差圧ΔPSよりも大きくなり、且つ第2中間圧が冷媒の臨界圧力を超えないようにするための上記補正値及び上記補正後の第2中間圧を上記第2中間圧目標値算出部(14a)へ出力する。
第2中間圧目標値算出部(14a)は、上記第2中間差圧判定部(9a)から出力された補正後の第2中間圧値を入力すると、上記冷媒回路(80)の第2中間圧目標値P2Sを出力する。そして、この第2中間圧目標値P2Sに基づいて、上記室外膨張弁開度算出部(17)により上記室外膨張弁(24)の開度調整が行われる。
このように構成されたコントローラ(50)により、上記空気調和装置の運転が行われる。
−実施形態2の効果−
本実施形態2によれば、運転条件により、上記冷媒回路(80)の高低圧が変化したとしても、冷媒回路(80)の中間圧と低圧との圧力差が上記冷媒圧力損失値より小さくなることがない。したがって、室内熱交換器(27)に冷媒が流れなくなることがない。又、該中間圧が臨界圧力を超えてしまい、上記冷媒貯留容器(25)内が超臨界圧力となって冷媒貯留容器(25)内の液冷媒がなくなることがない。
又、超臨界二段圧縮冷凍サイクルでは、高圧と低圧の関係から冷凍装置のCOPを高くするための最適な中間圧が存在する。上記減圧弁(87)で第1中間圧冷媒に対する減圧量を調整することにより、第1中間圧冷媒の圧力を最適な中間圧にすることができる。
以上より、超臨界二段圧縮冷凍サイクルの高低圧が変化したとしても、上記冷凍装置のCOPを高い状態にしつつ、該冷凍装置を安定して運転することができる。
又、本実施形態2によれば、上記最大圧損推定部(3b)の補正部(3d)が、上記データベースを備えることにより、上記推定部(3c)で推定した冷媒圧力損失値を、現在の高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数と、現在の上記減圧弁(87)の弁開度とに基づいてフィードバック補正をすることができる。これにより、上記運転周波数及び上記弁開度の変化に応じて、上記冷媒圧力損失値を最適に補正することができるので、上記空気調和装置をより安定して運転することができる。
又、本実施形態2によれば、上記冷凍装置に要求される冷凍能力に必要な上記高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量と減圧弁(87)の弁開度とを決定すると、その決定した容量及び弁開度に応じて上記圧力損失値を決定することができる。そして、上記運転制御部(1b)は、この容量及び弁開度ごとに決定された圧力損失値以上となるように、上記冷媒回路(80)の第2中間圧及び低圧の圧力差を調整することができる。これにより、上記冷凍装置を安定して運転することができる。
又、本実施形態2によれば、上記最大圧損推定部(3b)において、上記測定部(3f)で測定された最も大きな値を、上記圧力損失値として決定することができる。これにより、上記圧力損失値を大きく設定することができるので、第2中間圧と低圧との圧力差が上記圧力損失値より小さくなるのを抑えることができる。したがって、上記冷凍装置を安定して運転することができる。
−実施形態2の変形例1−
実施形態2の変形例1において、実施形態2(図8)との違いは、図11に示すように、利用側回路(20b)が、熱源側回路(20a)に対して並列に複数設けられている点である。尚、変形例1では、2つの利用側回路(20b)が示されているが、これは例示であり、上記利用側回路(20b)が3台以上設けられてもよい。そして、各室内熱交換器(27)と各第2接続端(20d)との間には、それぞれ第2熱交温度センサ(32)が設けられている。ここで、上記第2熱交温度センサ(32)は、冷媒回路(80)において、冷媒が冷房サイクルで循環するときに、室内熱交換器(27)の出口冷媒温度を検出する温度検出手段である。そして、上記各室内膨張弁(26)の開度は、上記各第2熱交温度センサ(32)で検知された温度に基づいて、上記コントローラ(1)で調整される。 したがって、上記コントローラ(1)の調整により、各室内熱交換器(27)ごとに、空調負荷に応じて該室内熱交換器(27)の冷媒流量を調整することができる。
このように、熱源側回路(20a)に対して複数の利用側回路(20b)が設けられているマルチ型の冷凍装置の場合、上記推定部(3c)は、各利用側回路(20b)の室内膨張弁(26)の中で最も大きい前後差圧を考慮し、冷媒圧力損失値を推定する。仮に、室内膨張弁(26)の前後差圧を考慮せずに冷媒圧力損失値を推定した場合、各利用側回路(20b)の流量制御が困難になり、各利用側回路(20b)間の能力分配がうまくいかなくなることが考えられる。
ここで、前後差圧を考慮する場合には、ある程度のマージン(差圧余裕値)を確保する必要がある。このマージンを確保しないと、場合によって、各室内膨張弁(26)で過熱度制御を行う際に、大きく弁開度を変更しても過熱度がほとんど変わらなくなることが考えられる。この理由は、マージンを確保した場合に比べて、マージンを確保しない場合の方が、上記室内膨張弁(26)の弁開度に対する過熱度変化の感度が鈍くなるからである。
したがって、ある程度のマージン(差圧余裕値)を確保することにより、室内熱交換器(27)における熱交換能力の調整範囲が狭くならずに、各利用側回路(20b)間の能力分配をうまく行うことができる。
実施形態2の変形例1によれば、本実施形態2と同様に、冷房運転時において、その運転条件により、上記冷媒回路(80)の高圧が通常よりも下がった場合であっても、上記冷媒回路(80)における第2中間圧と低圧との圧力差が、上記データ取得手段(1a)で取得した冷媒圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、上記空気調和装置を運転することができる。又、低圧が通常よりも上がった場合であっても、上記冷媒回路(80)における第2中間圧と低圧との圧力差が、上記データ取得手段(1a)で取得した冷媒圧力損失値以上であり、且つ中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、運転することができる。
以上より、上記冷媒回路(80)の高低圧が変化したとしても、上記冷媒回路(80)の第2中間圧と低圧との圧力差が小さくなり過ぎて各室内熱交換器(27)に冷媒が流れなくなることがない。又、該第2中間圧が臨界圧力を超えることがないので、上記冷媒貯留容器(25)内が超臨界圧力となって冷媒貯留容器(25)内の液冷媒がなくなることがない。したがって、上記空気調和装置を安定して運転することができる。
−実施形態2の変形例2−
実施形態2の変形例2において、実施形態2の変形例1(図11)との違いは、図12に示すように、流量調整弁(102)と、内部熱交換器(101)と、第7冷媒配管(103)とブリッジ回路(71)とが設けられている点である。ここで、上記内部熱交換器(101)は低温側流路(101b)と高温側流路(101a)とが形成され、各流路(101a,101b)を流れる冷媒同士が熱交換するように構成されている。又、上記第7冷媒配管(103)は、その一端が上記冷媒貯留容器(25)の壁面を貫通して該冷媒貯留容器(25)の上部空間に位置し、他端が低段側圧縮機(21b)の吸入側に設けられた冷媒配管に接続されている。
尚、上記内部熱交換器(101)は、上記第7冷媒配管(103)と第4冷媒配管(34c)とに跨って設けられており、該第4冷媒配管(34c)が上記高温側流路(101a)に、該第7冷媒配管(103)が上記低温側流路(101b)に連通するように配置されている。又、上記冷媒貯留容器(25)と内部熱交換器(101)との間にある第7冷媒配管(103)には、上記流量調整弁(102)が配置されている。
このような構成にすると、上記流量調整弁(102)を通過した後の冷媒で、第4冷媒配管(34c)を流れる第2中間圧冷媒を冷却することができる。これにより、上記第2中間圧冷媒の過冷却度を大きくして各室内熱交換器(27)に流入させることができ、冷凍装置の性能を、内部熱交換器(101)を設けない場合に比べて、向上させることができる。
−実施形態2の変形例3−
実施形態2の変形例3において、実施形態2(図8)との違いは、図13に示すように、三路切換弁(89)と第8冷媒配管(88)とブリッジ回路(71)とが設けられている点である。ここで、三路切換弁(89)の第1ポートには、第1分岐配管(84)の一端が接続され、第2ポートには気液分離器(25)の側面から延びる第8冷媒配管(88)が接続され、第3ポートには、接続配管(86)から分岐した配管が接続されている。
尚、三路切換弁(89)は第1ポートと第3ポートとが連通する第1状態(図13に実線で示す状態)と、第2ポートと第3ポートとが連通する第2状態(図13に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
ここで、四路切換弁(22)が第1状態(冷房運転)に設定されると、三路切換弁(89)が第1状態に設定される。一方、四路切換弁(22)が第2状態(暖房運転)に設定されると、三路切換弁(89)が第2状態に設定される。
このような構成にすると、冷房運転の場合には、運転条件により、上記冷媒回路(80)の高低圧が変化したとしても、冷媒回路(80)の第2中間圧と低圧との圧力差が上記冷媒圧力損失値より小さくなることがない。したがって、室内熱交換器(27)に冷媒が流れなくなることがない。又、該第2中間圧が臨界圧力を超えてしまい、上記冷媒貯留容器(25)内が超臨界圧力となって冷媒貯留容器(25)内の液冷媒がなくなることがない。
又、超臨界二段圧縮冷凍サイクルでは、高圧と低圧の関係から冷凍装置のCOPを高くするための最適な中間圧が存在する。上記減圧弁(87)で第1中間圧冷媒に対する減圧量を調整することにより、第1中間圧冷媒の圧力を最適な中間圧にすることができる。
以上より、超臨界二段圧縮冷凍サイクルの高低圧が変化したとしても、上記冷凍装置のCOPを高い状態にしつつ、該冷凍装置を安定して運転することができる。
一方、暖房運転では、上記冷媒回路(20)の高低圧が変化したとしても、冷媒回路(20)の第2中間圧と低圧との圧力差が上記冷媒圧力損失値より小さくなることがない。したがって、室内熱交換器(27)に冷媒が流れなくなることがない。又、該第2中間圧が臨界圧力を超えてしまい、上記気液分離器(25)内が超臨界圧力となって気液分離器(25)内の液冷媒がなくなることがない。したがって、上記空気調和装置を安定して運転することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態1では、上記中間圧飽和温度センサ(37)で検知された温度に基いて、上記室外膨張弁(24)の開度を調整しているが、これに限定されず、図7に示すように、冷房運転時において、上記中間圧飽和温度センサ(37)で検知された温度に基いて、上記室外膨張弁(24)の開度だけでなく、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の容量を調整してもよい。これにより、中間圧の制御がより良好に行われて、より一層、上記空気調和装置を安定して運転することができる。
又、上記実施形態1では、熱源側膨張機構(24)として膨張弁を用いたが、これに限定されず、該膨張弁の代わりに膨張機を取り付けてもよい。この場合、上記空気調和装置を安定して運転することができるとともに、上記膨張機による動力回収も可能となる。
又、上記実施形態1では、上記気液分離器(25)から延びる中間圧冷媒配管(34a)の端部が、上記高段側圧縮機(21a)及び上記低段側圧縮機(21b)の間に接続されているが、これに限定する必要はなく、例えば、上記中間圧冷媒配管(34a)の端部が上記高段側圧縮機(21a)に設けられたガスインジェクション流入口に接続されてもよい。
又、上記実施形態2では、冷暖兼用の空気調和装置について説明したが、これに限定されず、冷房専用の冷凍装置であってもよい。ここで、冷房専用の冷凍装置の場合には、室外熱交換器(23)の第1冷媒配管(85)にエコノマイザ熱交換器(81)を設け、第1冷媒配管(85)から分岐した第1分岐配管(84)に減圧弁(87)を設けるようにする。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置について有用である。
本発明の実施形態1における空気調和装置の冷房時の冷媒回路図である。 本発明の実施形態1における空気調和装置の暖房時の冷媒回路図である。 本発明の実施形態1におけるコントローラの制御ブロック図である。 実施形態1の変形例1における空気調和装置の冷房時の冷媒回路図である。 実施形態1の変形例1における空気調和装置の暖房時の冷媒回路図である。 実施形態1の変形例2における空気調和装置の冷房時の冷媒回路図である。 本発明のその他の実施形態における空気調和装置の冷房時の冷媒回路図である。 本発明の実施形態2における空気調和装置の冷房時の冷媒回路図である。 本発明の実施形態2における空気調和装置の冷媒回路が行う冷凍サイクルをP−h線図上に示した図である。 本発明の実施形態2におけるコントローラの制御ブロック図である。 実施形態2の変形例1における空気調和装置の冷媒回路図である。 実施形態2の変形例2における空気調和装置の冷媒回路図である。 実施形態2の変形例3における空気調和装置の冷媒回路図である。
符号の説明
1 コントローラ
2 必要最小差圧決定部
3 最大圧損推定部
9 差圧判定部
1a 試運転データ取得部(データ取得手段)
1b 運転制御部(調整手段)
21a 高段側圧縮機(高段側圧縮機構)
21b 低段側圧縮機(低段側圧縮機構)
22 四路切換弁(切換手段)
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
24 室外膨張弁(熱源側圧縮機構)
25 気液分離器
26 室内熱交換器(利用側熱交換器)
27 室内膨張弁(利用側圧縮機構)

Claims (12)

  1. 容量可変な低段側圧縮機構(21b)と容量可変な高段側圧縮機構(21a)と熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(24)と気液分離器(25)とが順に接続された熱源側回路(20a)に対して、利用側膨張機構(26)と利用側熱交換器(27)とが順に接続された利用側回路(20b)が少なくとも一つ以上接続されて超臨界二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置であって、
    上記冷媒回路(20)における気液分離器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側へ流れる冷媒の圧力損失値を予め取得するデータ取得手段(1a)と、上記冷媒回路(20)における中間圧及び低圧の圧力差が上記圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、低段側圧縮機構(21b)と高段側圧縮機構(21a)との運転周波数、及び熱源側膨張機構(24)の出口側と入口側との間の圧力差を調整する調整手段(1b)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 容量可変な低段側圧縮機構(21b)と容量可変な高段側圧縮機構(21a)と熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(24)と気液分離器(25)とが順に接続された熱源側回路(20a)に対して、利用側膨張機構(26)と利用側熱交換器(27)とが順に接続された利用側回路(20b)が少なくとも一つ以上接続されて超臨界二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置であって、
    上記冷媒回路(20)を流れる冷媒の循環方向を反転させることが可能な切換手段(22)を備え、
    上記利用側熱交換器(27)を放熱器、及び上記熱源側熱交換器(23)を蒸発器として運転するときに、上記冷媒回路(20)における高段側圧縮機構(21a)の吐出側から気液分離器(25)へ流れる冷媒の圧力損失値を予め取得するデータ取得手段(1a)と、上記冷媒回路(20)における高圧及び中間圧の圧力差が上記圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、低段側圧縮機構(21b)と高段側圧縮機構(21a)との運転周波数、及び熱源側膨張機構(24)の出口側と入口側との間の圧力差を調整する調整手段(1b)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    上記データ取得手段(1a)は、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数をフィードバック値として入力すると、少なくとも気液分離器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側へ流れる冷媒の圧力損失値の補正値を出力する演算手段(3d)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項2において、
    上記データ取得手段(1a)は、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数をフィードバック値として入力すると、少なくとも高段側圧縮機構(21a)の吐出側から気液分離器(25)へ流れる冷媒の圧力損失値の補正値を出力する演算手段(3d)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項1から4の何れか1つにおいて、
    高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を変更する容量変更手段(3e)と、該容量変更手段(3e)で高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を変化させて、上記利用側熱交換器(27)の冷媒出入口温度差が所定の温度範囲内となったときの上記冷媒回路(20)の上記圧力損失値を測定する測定手段(3f)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項5において、
    上記測定手段(3f)で測定された圧力損失値に基づいて、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差を、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量ごとに決定する決定手段(3b)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  7. 請求項5において、
    上記測定手段(3f)で測定された最も大きな圧力損失値を、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差として定める決定手段(3b)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  8. 容量可変な低段側圧縮機構(21b)と容量可変な高段側圧縮機構(21a)と熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(24)と冷媒貯留容器(25)とが順に接続された熱源側回路(20a)に対して、利用側膨張機構(26)と利用側熱交換器(27)とが接続された利用側回路(20b)が少なくとも一つ以上接続されて超臨界二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置であって、
    上記熱源側熱交換器(23)と熱源側膨張機構(24)とを接続する第1冷媒配管(85)から分岐して低段側圧縮機構(21b)と高段側圧縮機構(21a)とを接続する接続配管(86)に連通する第1分岐配管(84)と、該第1分岐配管(84)を流れる冷媒を減圧する減圧弁(87)と、高温側通路(81a)及び低温側通路(81b)を有して該高温側通路(81a)を流れる冷媒と該低温側通路(81b)を流れる冷媒とを熱交換するエコノマイザ熱交換器(81)とを有し、
    上記第1冷媒配管(85)が上記高温側通路(81a)に連通し、上記第1分岐配管(84)が上記低温側通路(81b)に連通するとともに、上記エコノマイザ熱交換器(81)の上流側にある上記第1分岐配管(84)に上記減圧弁(87)が設けられる一方、
    上記冷媒回路(20)における冷媒貯留容器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側へ流れる冷媒の圧力損失値を予め取得するデータ取得手段(1a)と、
    上記冷媒回路(20)における中間圧及び低圧の圧力差が上記圧力損失値以上であり、且つ該中間圧が臨界圧力よりも低くなるように、低段側圧縮機構(21b)と高段側圧縮機構(21a)との運転周波数、及び熱源側膨張機構(24)の出口側と入口側との間の圧力差を調整する調整手段(1b)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  9. 請求項8において、
    上記データ取得手段(1a)は、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の運転周波数と上記減圧弁(87)の弁開度をフィードバック値として入力すると、少なくとも冷媒貯留容器(25)から低段側圧縮機構(21b)の吸入側へ流れる冷媒の圧力損失値の補正値を出力する演算手段(3d)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  10. 請求項8又は9において、
    高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を変更する容量変更手段(3e)と、上記減圧弁(87)の弁開度を変更する弁開度変更手段(3e)と、該容量変更手段(3e)で高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量を変化させ、該弁開度変更手段(3e)で上記減圧弁(87)の弁開度を変化させて、上記利用側熱交換器(27)の冷媒出入口温度差が所定の温度範囲内となったときの上記冷媒回路(20)の上記圧力損失値を測定する測定手段(3f)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
  11. 請求項10において、
    上記測定手段(3f)で測定された圧力損失値に基づいて、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差を、高段側圧縮機構(21a)及び低段側圧縮機構(21b)の容量と減圧弁(87)の弁開度ごとに決定する決定手段(3b)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  12. 請求項10において、
    上記測定手段(3f)で測定された最も大きな圧力損失値を、上記調整手段(1b)によって調整される圧力差として定める決定手段(3b)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
JP2008093385A 2007-06-29 2008-03-31 冷凍装置 Active JP5136165B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008093385A JP5136165B2 (ja) 2007-06-29 2008-03-31 冷凍装置
PCT/JP2008/001688 WO2009004779A1 (ja) 2007-06-29 2008-06-27 冷凍装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007173437 2007-06-29
JP2007173437 2007-06-29
JP2008093385A JP5136165B2 (ja) 2007-06-29 2008-03-31 冷凍装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009030954A true JP2009030954A (ja) 2009-02-12
JP5136165B2 JP5136165B2 (ja) 2013-02-06

Family

ID=40401650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008093385A Active JP5136165B2 (ja) 2007-06-29 2008-03-31 冷凍装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5136165B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011007350A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Sanyo Electric Co Ltd 冷凍装置
JP2011149622A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Fujitsu General Ltd 空気調和機
JP2013139902A (ja) * 2011-12-28 2013-07-18 Daikin Industries Ltd 冷凍装置
JP2014194313A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Fujitsu General Ltd 冷凍サイクル装置
JP2017137703A (ja) * 2016-02-04 2017-08-10 ケミカルグラウト株式会社 地盤凍結工法
US10508835B2 (en) 2014-07-23 2019-12-17 Mitsubishi Electric Corporation Refrigeration cycle apparatus
CN113677939A (zh) * 2019-03-29 2021-11-19 大金工业株式会社 制冷循环装置
WO2023225706A1 (en) * 2022-05-23 2023-11-30 Glaciem Cooling Technologies Pty Ltd Co 2 hvac system

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0195256A (ja) * 1987-10-06 1989-04-13 Sanki Eng Co Ltd 直膨冷凍装置
JPH03129253A (ja) * 1989-10-13 1991-06-03 Hitachi Ltd 冷凍装置
JPH05187723A (ja) * 1992-01-07 1993-07-27 Mitsubishi Electric Corp 冷凍装置
JP2001221518A (ja) * 2000-02-10 2001-08-17 Daikin Ind Ltd 冷凍装置
JP2003262413A (ja) * 2002-03-06 2003-09-19 Denso Corp エジェクタサイクル
JP2005214575A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Sanyo Electric Co Ltd 冷凍装置
JP2006343017A (ja) * 2005-06-08 2006-12-21 Sanyo Electric Co Ltd 冷凍装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0195256A (ja) * 1987-10-06 1989-04-13 Sanki Eng Co Ltd 直膨冷凍装置
JPH03129253A (ja) * 1989-10-13 1991-06-03 Hitachi Ltd 冷凍装置
JPH05187723A (ja) * 1992-01-07 1993-07-27 Mitsubishi Electric Corp 冷凍装置
JP2001221518A (ja) * 2000-02-10 2001-08-17 Daikin Ind Ltd 冷凍装置
JP2003262413A (ja) * 2002-03-06 2003-09-19 Denso Corp エジェクタサイクル
JP2005214575A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Sanyo Electric Co Ltd 冷凍装置
JP2006343017A (ja) * 2005-06-08 2006-12-21 Sanyo Electric Co Ltd 冷凍装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011007350A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Sanyo Electric Co Ltd 冷凍装置
JP2011149622A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Fujitsu General Ltd 空気調和機
JP2013139902A (ja) * 2011-12-28 2013-07-18 Daikin Industries Ltd 冷凍装置
JP2014194313A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Fujitsu General Ltd 冷凍サイクル装置
US10508835B2 (en) 2014-07-23 2019-12-17 Mitsubishi Electric Corporation Refrigeration cycle apparatus
JP2017137703A (ja) * 2016-02-04 2017-08-10 ケミカルグラウト株式会社 地盤凍結工法
CN113677939A (zh) * 2019-03-29 2021-11-19 大金工业株式会社 制冷循环装置
WO2023225706A1 (en) * 2022-05-23 2023-11-30 Glaciem Cooling Technologies Pty Ltd Co 2 hvac system

Also Published As

Publication number Publication date
JP5136165B2 (ja) 2013-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5136165B2 (ja) 冷凍装置
KR100856991B1 (ko) 냉동 공조장치, 냉동 공조장치의 운전 제어 방법, 냉동공조장치의 냉매량 제어 방법
US8353173B2 (en) Refrigerating cycle apparatus and operation control method therefor
JP6188947B2 (ja) 空気調和装置
KR101590884B1 (ko) 공기조화기 및 그 제어방법
EP2000751A2 (en) Refrigeration air conditioning device
JP6188948B2 (ja) 空気調和装置
WO2016171052A1 (ja) 冷凍サイクル装置
US8205464B2 (en) Refrigeration device
US20070022777A1 (en) Supercooling apparatus
US20100192607A1 (en) Air conditioner/heat pump with injection circuit and automatic control thereof
JPWO2013111176A1 (ja) 空気調和装置
US8171747B2 (en) Refrigeration device
KR101425040B1 (ko) 공기조화기
JP2011208860A (ja) 空気調和機
JP6341326B2 (ja) 冷凍装置の熱源ユニット
KR100845847B1 (ko) 공기조화기의 제어방법
JP2007155143A (ja) 冷凍装置
JP2009243881A (ja) ヒートポンプ装置及びヒートポンプ装置の室外機
CN114364929B (zh) 室外单元以及冷冻循环装置
JP6198945B2 (ja) 空気調和装置
CN113551390A (zh) 空调器的压缩机回油控制方法
KR101450545B1 (ko) 공기조화 시스템
JPWO2020208805A1 (ja) 空気調和装置
KR20130135132A (ko) 히트 펌프식 공기 조화 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110209

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121029

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5136165

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151122

Year of fee payment: 3