JP2009029400A - 飛翔体 - Google Patents

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Abstract

【課題】コアンダ効果による揚力を大きくすることが可能な飛翔体を提供する。
【解決手段】飛翔体は、流体を供給する流体供給部20と、流体の流れ方向に対して下方に傾斜する外面12を有し、流体の流れ方向を下方に変化させて揚力を得る揚力生成部80と、揚力生成部10の外面12に対向する対向面32を有し、流体の流れ方向の上流側における外面12と対向面32との間隔が、流体の流れ方向の下流側における外面12と対向面32との間隔よりも広い流体収集部30と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、コアンダ効果を利用して揚力を得る飛翔体に関する。
インターネットサイト(非特許文献1)には、コアンダ効果を利用して揚力を得る飛翔体が示されている。
また、従来文献(特許文献1)には、圧縮空気を利用して揚力を得る飛翔体が示されている。この従来文献では、コアンダ効果を利用して補助翼に揚力を発生させる飛翔体が一例として示されている。
http://jlnlabs.imars.com/gfsuav/n01amvt.htm 特開平1−301495号公報
しかしながら、従来技術の揚力発生装置では、流体のコアンダ効果を利用して揚力を発生させるものの、流体損失により流速が低下するため、その分だけ揚力が低下してしまう。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、コアンダ効果による揚力を大きくすることが可能な飛翔体を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る飛翔体は、流体を供給する流体供給部と、流体の流れ方向に対して下方に傾斜する外面を有し、流体の流れ方向を下方に変化させて揚力を得る揚力生成部と、揚力生成部の外面に対向する対向面を有し、流体の流れ方向の上流側における外面と対向面との間隔が、流体の流れ方向の下流側における外面と対向面との間隔よりも広い流体収集部と、を備えることを特徴とする。
上述した飛翔体によれば、流体供給部が流体を揚力生成部に供給すると、揚力生成部の外面が流体の流れ方向に対して下方に傾斜しているため、この外面において流体の流れ方向が下方に変化し、コアンダ効果により揚力生成部に揚力が作用する。一方、流体収集部は、揚力生成部の外面に対向する対向面を有しており、この対向面と揚力生成部の外面との間隔は、上流側ほど広い。このため、流体供給部からの流体が揚力生成部と流体収集部との間を通過することにより、流体収集部の流体入口側の周囲の気体が揚力生成部と流体収集部との間に引き込まれて通過する。この結果、揚力生成部に作用する揚力を効率的に大きくすることができる。
上述した飛翔体において、流体収集部の対向面の位置または姿勢を調節する調節機構を、さらに備えることが好ましい。この構成によれば、調節機構により流体収集部の対向面の姿勢が調節されるため、揚力生成部と流体収集部との間に引き込まれる流体量を調節して、揚力生成部に作用する揚力を調節することができる。
上述した飛翔体において、流体供給部は流体の吹出し口を有しており、当該吹出し口は外面と対向面との間に配置されていることが好ましい。この構成によれば、流体供給部の流体吹出し口が、揚力生成部の外面と流体収集部の対向面との間に配置されているため、流体が揚力生成部と流体収集部との間を通過する時の流体損失が小さくなるため、揚力生成部に作用する揚力の低下を抑制することができる。
上述した飛翔体において、揚力生成部の外面には、流体の流れを乱流化する乱流生成手段が設けられていることが好ましい。この構成によれば、揚力生成部の外面に設けられた乱流生成手段により流体の流れが乱流化されるため、揚力生成部の外面に沿って流れる流体は当該外面から剥離し難くなり、揚力生成部に揚力を確実に作用させることができる。
なお、上述した飛翔体は、流体収集部の対向面の面積は、揚力生成部の外面の面積よりも小さくなるように構成すればよい。また、上述した飛翔体は、流体収集部の対向面は、揚力生成部の外面の下流側端部よりも上流側の部位に対向ように構成すればよい。また、上述した飛翔体は、揚力生成部の外面は、飛翔体の機体本体の外面となるように構成すればよい。
上述した飛翔体において、流体収集部の上流にある流体の内部エネルギを増大させる内部エネルギ増大部を、さらに備えることが好ましい。この構成によれば、内部エネルギ増大部は、流体収集部の上流にある流体の内部エネルギを増大させる。流体の内部エネルギは増大しているため、流体は流体収集部付近でより大きく断熱膨張する。よって、揚力生成部に沿って流れる流体の運動量を大きくして、揚力生成部により大きな揚力を発生させることができる。
上述した飛翔体において、流体収集部は断熱材を用いて構成されていることが好ましい。この構成によれば、流体収集部は断熱材を用いて構成されているため、流体の内部エネルギが流体収集部により奪われ難くなり、流体は流体収集部付近でより大きく断熱膨張する。よって、揚力生成部に沿って流れる流体の運動量を大きくして、揚力生成部により大きな揚力を発生させることができる。
上述した飛翔体において、流体収集部は、流体の流れ方向に沿って複数設けられており、複数の流体収集部のいずれか1つの下流端における外面と対向面との間隔よりも、その1つ下流側にある流体収集部の上流端における外面と対向面との間隔の方が大きいことが好ましい。この構成によれば、流体の流れ方向に沿って複数の流体収集部が設けられているため、複数の流体収集部により多量の流体を収集して揚力生成部に沿って流すことができ、揚力生成部により大きな揚力を発生させることができる。
上述した飛翔体において、複数段の流体収集部の少なくとも1つは、揚力生成部の外面に対向する第1位置、または、揚力生成部の内部に格納される第2位置のいずれか一方に位置調節自在に構成されていることが好ましい。この構成によれば、流体収集部を揚力生成部の外面に対向する第1位置に移動した場合には、流体収集部は揚力向上に寄与する。一方、流体収集部を揚力生成部の内部に格納される第2位置に移動した場合には、流体収集部は揚力向上に寄与しない。すなわち、流体収集部の少なくとも1つを第1位置または第2位置のいずれか一方に位置調節自在とすることにより、飛翔体に作用する揚力を調節することができる。
上述した飛翔体において、流体収集部を通過する流体に水蒸気を供給する水蒸気供給装置を、さらに備えることが好ましい。この構成によれば、流体収集部を通過する流体に水蒸気を供給されるため、水蒸気が凝集した場合には凝集潜熱が流体に与えられる。この結果、流体の内部エネルギは増大するため、流体は流体収集部付近でより大きく断熱膨張する。よって、揚力生成部に沿って流れる流体の運動量を大きくして、揚力生成部により大きな揚力を発生させることができる。なお、流体供給部は、非燃焼式の駆動機構を用いて流体を供給するものであってもよい。
本発明によれば、コアンダ効果による揚力を大きくすることが可能な飛翔体を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
先ず、本発明の第1実施形態に係る飛翔体1について説明する。図1(a)は、第1実施形態に係る飛翔体1を側方から見た概略的な断面図である。図1(b)は、第1実施形態に係る飛翔体1を上方から見た上面図であり、図1(b)のI−I断面が図1(a)に対応している。
第1実施形態に係る飛翔体1は、全体として円盤形状に構成されており、コアンダ効果を利用して揚力を得て飛翔する物体である。第1実施形態に係る飛翔体1は、揚力生成部10、流体供給部20および流体収集部30を備えている。
流体供給部20は、円盤形状の揚力生成部10の上側中央に配置されている。流体供給部20は、ファン、ジェットエンジン、プロペラなどの流体の流れを生成する機構を内部に有しており、側面に形成された吹出し口22から流体(空気)を揚力生成部10の上側外面12に供給する。なお、流体供給部20の吹出し口22は、上から見て360°全て方向に形成されており、360°全ての方向の揚力生成部10の上側外面12に流体を供給する。
揚力生成部10は、飛翔体1の機体本体である。揚力生成部10は、概ね円盤形状に構成されており、上方から見ると円形形状であり、側方から見ると横方向に延びた形状である。揚力生成部10の上側外面12は、上に向かって凸の曲面となっている。このため、揚力生成部10の上側外面12の各部位において、揚力生成部10の上側外面12は、流体の流れ方向に対して下方に傾斜している。揚力生成部10の上側外面12は、中央付近の部位にて曲面の曲率が小さくなっており、この部位で得られる揚力は小さい。一方、揚力生成部10の上側外面12は、中央から離れた部位12aにおいて曲面の曲率が最大となっており、この部位付近で得られる揚力が大きい。
流体収集部30は、揚力生成部10の上方に配置されたリング状の板部材である。流体収集部30の下側面は、揚力生成部10の上側外面12に対向する対向面32である。流体収集部30の対向面32は、下に向かって凸の曲面となっている。流体収集部30の対向面32と揚力生成部10の上側外面12との間隔は、流体の流れ方向の上流側において広く、流体の流れ方向の下流側において狭くなっている。流体収集部30の対向面32の面積は、揚力生成部10の上側外面12の面積よりも小さい。流体収集部30の対向面32は、揚力生成部10の上側外面12の下流側端部よりも上流側の部位に対向しており、より具体的には、揚力生成部10の上側外面12の最大曲率部位12aよりも上流側の部位に対向している。
上述した本実施形態の飛翔体1によれば、流体供給部20が流体の流れを生成して揚力生成部10に供給すると、揚力生成部10の上側外面12が流体の流れ方向に対して下方に傾斜しているため、流体は揚力生成部10の上側外面12に沿って流れ、この上側外面12において流体の流れ方向が下方に変化する。この時、揚力生成部10にはコアンダ効果による流れの方向の変化により揚力が作用し、飛翔体1を重力に逆らって浮き上がらせる。なお、揚力生成部10の上側外面12の各部分には、その部分の曲率に応じた揚力が作用する。揚力生成部10の上側外面12の最大曲率部分12a付近にて、揚力が最大となる。
流体収集部30は、揚力生成部10の上側外面12に対向する対向面32を有しており、流体の流れ方向の上流側における外面と対向面との間隔が、流体の流れ方向の下流側における外面と対向面との間隔よりも広い。このため、流体供給部20からの流体が揚力生成部10と流体収集部30との間を通過することにより、流体収集部30の流体入口側の周囲の気体が揚力生成部10と流体収集部30との間に引き込まれて通過する。このような流体の現象は、イジェクト効果(エジェクター効果)と呼ばれている。
ここで、流体の流速と損失の関係を説明する。流体が比較的に低速である場合には、流体抵抗は粘性による影響が支配的となり速度の1乗に比例するため、流体の運動量の低下は少なく、流体の剥離も抑制され、流体損失が小さい。一方、流体が比較的に高速である場合には流体抵抗は、流体抵抗は慣性による影響が支配的となり速度の2乗に比例するため、流体の運動量は周囲の流体の抵抗を受けて顕著に低下し、流体の剥離も大きく、流体損失が大きい。
上述した飛翔体1では、流体収集部30の流体入口側の周囲の気体が揚力生成部10と流体収集部30との間に引き込まれるため、流体の流量を増やすとともに流体の流速を低下させることができる。このように、揚力生成部10の上側外面12に沿って流れる流体を低速で大流量とすることで、流体の運動量が周囲の流体の抵抗を受けて顕著に低下することを抑制することができ、この結果、揚力生成部10に作用する揚力を大きくすることができる。
なお、上述した飛翔体1は、通常のヘリコプタと比較して飛行状態が安定するという利点がある。すなわち、飛翔中に飛翔体1の姿勢が傾くと、揚力生成部10の傾斜により高くなった部位における流体圧が、揚力生成部10の傾斜により低くなった部位における流体圧よりも高くなり、飛翔体1の姿勢を元に戻そうとする。よって、飛翔体1は、水平状態から姿勢が崩れても元の水平状態に戻ることができ、静止時や方向転換時などで外乱に強くなる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る飛翔体3について説明する。図2(a)は、第2実施形態に係る飛翔体3を側方から見た概略的な断面図である。図2(b)は、第2実施形態に係る飛翔体3を上方から見た上面図であり、図2(b)のII−II断面が図2(a)に対応している。
第2実施形態に係る飛翔体3は、第1実施形態と同様に、全体として円盤形状に構成されており、コアンダ効果を利用して揚力を得て飛翔する物体である。第2実施形態に係る飛翔体3は、揚力生成部10、流体供給部20、流体収集部30に加えて、流体収集部30の位置または姿勢を調節するための調節機構40を備えている。流体収集部30は、それぞれ独立した8つの板部材34からなり、全体としてリング状に配置されている。そして、各板部材34に対応して調節機構40が設けられている。
流体収集部30の位置または姿勢を調節する調節機構40は、第1調節機構43、第2調節機構42および第3調節機構41を備えている。第1調節機構43は、流体の流れ方向に板部材34を駆動するアクチュエータを有しており、流体収集部30の対向面32の流体供給部20からの距離を調節する。第2調節機構42は、流体の流れ方向に直行する方向に板部材34を駆動するアクチュエータを有しており、流体収集部30の対向面32の揚力生成部10からの距離を調節する。第3調節機構41は、板部材34を回転駆動するアクチュエータを有しており、揚力生成部10の上側外面12に対する流体収集部30の対向面32の姿勢を調節する。言い換えれば、第3調節機構41は、上流側に向かった板部材34の開き具合を調節する。
飛翔体3の内部には、第1調節機構43、第2調節機構42、第3調節機構41の各々を制御するための制御装置44が設けられている。また、飛翔体3には、飛翔体3の飛翔状態(機体の対地速度、空気に対する機体の相対速度、進行方向に対する機体の角度、機体の温度、重力方向に対する機体の角度、流体の供給量、流体の温度、等)を検知するための複数種類のセンサ(不図示)が設けられている。制御装置44は、センサによる検出値を取り込んで、飛翔体3の飛翔状態に応じた駆動指令を演算し、この駆動指令を各調節機構40に供給する。各調節機構40は、駆動指令に応じて流体収集部30の位置および姿勢を調節する。このように制御装置44が各調節機構40を制御することにより、飛翔体3の飛翔状態に応じて適切な揚力を得ることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る飛翔体5について説明する。図3(a)は、第3実施形態に係る飛翔体5を側方から見た概略的な断面図である。図3(b)は、第3実施形態に係る飛翔体5を上方から見た上面図であり、図3(b)のIII−III断面が図3(a)に対応している。
第3実施形態に係る飛翔体5は、第1実施形態と同様に、全体として円盤形状に構成されており、コアンダ効果を利用して揚力を得て飛翔する物体である。第3実施形態に係る飛翔体5は、揚力生成部10、流体供給部20および流体収集部30を備えており、流体収集部30の流体吹出し口22は揚力生成部10の上側外面12と流体収集部30の対向面32との間に配置されている。
本実施形態では、流体収集部30の流体吹出し口22が揚力生成部10の上側外面12と流体収集部30の対向面32との間に配置されているため、殆どの流体は、流体吹出し口22から吹き出してから、流体収集部30により遮られることなく、揚力生成部10の上側外面12と流体収集部30の対向面32との間を通過する。よって、流体収集部30による流体損失を抑制することができ、揚力生成部10に作用する揚力を大きくすることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る飛翔体7について説明する。図4(a)は、第4実施形態に係る飛翔体7を側方から見た概略的な断面図である。図4(b)は、第4実施形態に係る飛翔体7を上方から見た上面図であり、図4(b)のIV−IV断面が図4(a)に対応している。
第4実施形態に係る飛翔体7は、第1実施形態と同様に、全体として円盤形状に構成されており、コアンダ効果を利用して揚力を得て飛翔する物体である。第4実施形態に係る飛翔体7は、揚力生成部10、流体供給部20および流体収集部30を備えており、揚力生成部10の上側外面12には流体の流れを乱流化する乱流生成手段50が設けられている。
乱流生成手段は、揚力生成部10の上側外面12に固定された乱流生成用の複数の凸部50である。乱流生成用の凸部50は、金属を材質とする線材を円形に成形し、揚力生成部10の上側外面12に接合することで形成される。乱流生成用の凸部50は、揚力生成部10の上側外面12において流体収集部30に対向する部位よりも外側に固定されている。乱流生成用の凸部50は、流体の流れ方向に間隔を空けて揚力生成部10の上側外面12に固定されている。乱流生成用の凸部50は、揚力生成部10と比較すると微小な物体であり、揚力生成部10の上側外面12に沿って流れる流体の内側層にのみ乱流を生じさせる。このように乱流の発生により、流体が揚力生成部10の上側外面12から剥離し難くなり、流体が揚力生成部10の上側外面12に沿って流れやすくなる。よって、流体の揚力生成部10の上側外面12からの剥離を抑制して、より多量の流体を揚力生成部10の上側外面12に沿って流すことで、コアンダ効果による揚力をより確実に得ることができる。
なお、本実施形態では、乱流生成手段は微小な凸部50であったが、乱流生成手段はこれに限らない。例えば、乱流生成手段は、揚力生成部10の上側外面12に形成された凹部であってもよい。また、本実施形態に係る飛翔体は円盤状であったが、本発明はこれに限らず、例えば図5にあるような流体供給部20、流体収集部30、翼60、フラップ62を備える飛翔体9であってもよい。
[飛翔体の揚力発生原理]
本明細書に記載された全ての実施形態に共通する「飛翔体の揚力発生原理」について、詳しく説明する。図6は、飛翔体の揚力生成原理を説明するための飛翔体1の側面図である。
実施形態の飛翔体1によれば、流体供給部20が流体の流れを生成して揚力生成部10に供給すると、流体は揚力生成部10の上側外面12に沿って流れる。揚力生成部10の上側外面12が流体の流れ方向に対して下方に傾斜しているため、この上側外面12において流体の流れ方向が下方に変化する。このような流体の現象は、コアンダ効果と呼ばれている。コアンダ効果により流体の流れ方向が変化すると、流体の運動量が変化する。すなわち、流体の流れ方向が下方に変化するため、流体の運動量の下方向成分が大きくなる。
この時、コアンダ効果による流体の流れ方向変化の反作用として、揚力生成部10には揚力が作用し、飛翔体1を重力に逆らって浮き上がらせる。流体の運動量の下方向成分が大きくなるほど、揚力生成部10には大きな揚力が作用する。すなわち、揚力生成部10に作用する揚力の大きさは、揚力生成部10に沿って流れる流体の流量、揚力生成部10の上側外面12の各部の曲率、等の要因によって決定される。
流体収集部30の対向面32の上流端32uと揚力生成部10の上側外面12との間隔は、流体収集部30の対向面32の下流端32dと揚力生成部10の上側外面12との間隔よりも広い。このため、流体供給部20の吹出し口22から吹き出した流体が揚力生成部10と流体収集部30との間を通過する時に、流体収集部30の上流側斜め上方の流体が揚力生成部10と流体収集部30との間に引き込まれる。このような流体の現象は、イジェクト効果(エジェクター効果)と呼ばれている。このイジェクト効果により、流体供給部20から吹き出した流体に周囲の流体が合流するため、揚力生成部10と流体収集部30との間を通過する流体の質量が増加する(事象1)。
揚力生成部10と流体収集部30との間には、2つの流体層が存在する。1つの流体層は、流体供給部20から吹き出した流体により形成される流体層であり、揚力生成部10側を流れる流体層である。もう1つの流体層は、周囲から引き込まれた流体により形成される流体層であり、流体収集部30側を流れる流体層である。揚力生成部10側の流体層は、流体収集部30側の流体層により揚力生成部10に押し付けられるため、揚力生成部10から剥離し難い。
揚力生成部10側の流体層は、揚力生成部10と流体収集部30との間に進入する前には流速が大きいが、揚力生成部10と流体収集部30との間で徐々に減速する。一方、流体収集部30側の流体層は、揚力生成部10と流体収集部30との間に進入する前には流速がほぼ0であるが、揚力生成部10と流体収集部30との間で徐々に加速される。すなわち、流体供給部20から吹き出す流体の平均流速よりも、揚力生成部10と流体収集部30との間から出る流体の平均流速の方が小さくなる(事象2)。
揚力生成部10と流体収集部30との間において、流体は断熱膨張する。すなわち、揚力生成部10と流体収集部30との間において、流体自体の有する内部エネルギが流体を膨張させるための外部仕事に変換され、これにより流体が膨張する。流体が膨張して流体の体積が増加する分、流体の流速は大きくなる。このように、揚力生成部10と流体収集部30との間における流体の断熱膨張は、流体の流速を大きくすることに寄与する(事象3)。
以上に説明したように、流体収集部30では、イジェクト効果により流体の質量が増加すると共に、流体の流速が全体として低下する(上記の事象1および事象2)。また、流体の断熱膨張が流体の流速を大きくすることに寄与する(上記の事象3)。この結果、揚力生成部10と流体収集部30との間を通過する前の流体と、揚力生成部10と流体収集部30との間を通過した後の流体とを比較すると、流体の流量は全体として増加する。このように流体の流量が増加するのは、揚力生成部10と流体収集部30との間における流体の断熱膨張の影響が大きい。
流体収集部30において流体の流量が増加するため、コアンダ効果により流体の流れ方向が変化した時の流体の運動量変化が大きい。よって、流体の流れ方向変化の反作用である、揚力生成部10に作用する揚力を大きくすることができる。ここで、流体の断熱膨張は流体自体の有する内部エネルギを使って行われるため、揚力生成部10に作用する揚力を大きくするために流体供給部20の消費エネルギを大きくする必要がない。すなわち、飛翔体1に流体収集部30を設けることにより、揚力生成部10に作用する揚力の増大と共に、流体供給部20の省費エネルギ化を実現している。
また、合流後の流体の流速が流体供給部20からの流体の流速より小さいことから、流体抵抗は粘性による影響が支配的となり速度の1乗に比例するため、流体の運動量の低下は少なく、流体の剥離も抑制され、流体損失が小さい。(参考:逆に、流体が比較的に高速である場合には流体抵抗は、流体抵抗は慣性による影響が支配的となり速度の2乗に比例するため、流体の運動量は周囲の流体の抵抗を受けて顕著に低下し、流体の剥離も大きく、流体損失が大きい。)
但し、流体の流速が低下することは、揚力生成部10に作用する揚力を大きくために必須ではない。揚力生成部10および流体収集部30の構造次第では、流体収集部30の流体入口側の周囲の気体が揚力生成部10と流体収集部30との間に引き込まれた場合に、流体の流量を増やすとともに流体の流速を大きくすることができる。そして、その結果、揚力生成部10に作用する揚力を大きくすることができる。よって、本発明は、揚力生成部10および流体収集部30が流体の流速を大きくするように構成された場合を排除するものではない。
[特公昭63‐60222号との対比]
また、従来技術(特公昭63‐60222号)に示される技術と対比して、実施形態に係る飛翔体の効果について説明する。この従来文献には、V/STOL機用のタービンエンジンが示されている。このタービンエンジンでは、イジェクト効果を利用して2次空気導入路を通して外気を排気通路に導入するように構成されている。
揚力を得るための一つの方法として、タービンエンジンを垂直に配置して、タービンエンジンのジェット流を垂直下向きに噴射させる方法がある。しかし、タービンエンジンを垂直に配置した場合には、タービンエンジンは、本発明の実施形態に係る飛翔体のようにコアンダ効果を生じさせる曲面を持たない。このため、タービンエンジンを垂直に配置した場合には、イジェクト効果により導入された外気は、タービンエンジンの内側を通過するだけであり、タービンエンジンに反力を与えず、タービンエンジンに作用する揚力に寄与しない。すなわち、実施形態に係る飛翔体のように揚力を得るためには、イジェクト効果による流体増加現象と、コアンダ効果による揚力生成現象と、を組み合わせて相乗効果を得ることが重要である。
また、揚力を得るための他の方法として、タービンエンジンを水平に配置して、タービンエンジンが生成するジェット流を機体の翼表面(下方に曲がった曲面)に沿って噴射させる方法がある。しかし、タービンエンジンから噴出するジェット流は、回転しながら進む渦流であり、整流されておらず拡散しやすいため、機体の翼表面に沿って流れない。よって、タービンエンジンを水平に配置した場合には、イジェクト効果により導入された外気は、機体に作用する揚力に寄与しない。
また、上記の従来文献の図2に示されるように、タービンエンジンを水平に配置して、ジェット流をデフレクタにより垂直下方へ偏向する方法がある。図2のタービンエンジンには、下方に傾動する偏向フラップが設けられているが、この偏向フラップは揚力生成に寄与しない。この理由は、タービンエンジンのデフレクタおよび偏向フラップはベンド管を構成しており、偏向フラップ付近には管軸に垂直な二次流れが生じるため、流体は偏向フラップに沿って流れないからである。
上記の従来文献に係る技術に対して、実施形態に係る飛翔体では、揚力生成部に沿って流れる流体は、揚力生成部の上面から剥離しにくくなっている。このため、実施形態に係る飛翔体では、効果的に揚力を得ることができる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る飛翔体70について説明する。図7は、第6実施形態に係る飛翔体70を上方から見た概略的な上面図である。第6実施形態に係る飛翔体70は、前後方向に長い胴体72と、胴体72の中央部から左右に延びる一対の翼部80L,80Rと、を有する飛行機70である。この飛行機70において、各翼部80L,80Rには流体供給部90および流体収集部100が搭載されており、また、各翼部80L,80Rは揚力生成部となっている。
図8は、第6実施形態に係る飛翔体70の翼部80を側方から見た概略的な断面図であり、図7のVIII−VIII断面が図8に対応している。第6実施形態に係る飛翔体70は、揚力生成部80、流体供給部90、流体収集部100を備えている。さらに、第6実施形態に係る飛翔体70は、流体供給部90の一部として、流体の内部エネルギを増大するための内部エネルギ増大部110を備えている。
流体供給部90は、揚力生成部80である翼部上面82の前側に配置されている。流体供給部90は、モータや内燃機関などの駆動機構93を動力源として回転駆動されるプロペラ94を内部に有しており、側面に形成された吹出し口92から流体(空気)を揚力生成部80の上側外面82に供給する。なお、本実施形態の変形例では、流体供給部90は、ファン、ジェットエンジンなどの流体の流れを生成する他の種類の機構を内部に有するものであってもよい。
流体供給部90の内部には、プロペラ94が配置される下側空間Rと、プロペラ94の上側である上側空間Rと、を分離する仕切り板95が設けられている。流体供給部90の前端には、流体供給部90の内部に流体を取り込むための吸込み口96が形成されている。流体供給部90の後端下部には、流体供給部90の内部の流体を吹き出すための吹出し口92が形成されている。プロペラ94が回転駆動されることにより、流体供給部90の前方にある流体は吸込み口96から流体供給部90の内部に吸い込まれ、流体供給部90の下側空間Rを通過して吹出し口92から流体供給部90の後方に吹き出す。
一方、流体供給部90の上側空間Rに関連して設けられる構成は、流体収集部100の上流側斜め上方にある流体の内部エネルギを増大させる内部エネルギ増大部110である。本実施形態の内部エネルギ増大部110は、モータや内燃機関などの動力源の排熱(排気)を利用して、流体収集部100の上流にある流体を暖めるように構成されている。以下、内部エネルギ増大部110の構成について説明する。
本実施形態の内部エネルギ増大部110では、動力源93の排熱により昇温された流体を上側空間Rに供給するための管状部材である排熱供給管97が、動力源93から流体供給部90の上側空間Rまで延設されている。また、流体供給部90の後端上部には、流体供給部90の後端上部の隅部から延びる送風管である排熱供給ダクト98が設けられている。排熱供給ダクト98は、円弧状に曲がりながら、流体供給部90の下流側斜め上方まで延びている。流体供給部90の下流側斜め上方の位置は、言い換えれば、流体収集部100の上流側斜め上方の位置であり、イジェクト効果により流体収集部100と揚力生成部80との間に引き込まれる流体が通過する位置である。
上述した内部エネルギ増大部110の構成によれば、動力源93の排熱により昇温された流体が上側空間Rに供給され、吸込み口96から上側空間Rに流れ込んだ流体と共に、排熱供給ダクト98を通過して流体供給部90の下流側斜め上方に吹き出す。このようにして、内部エネルギ増大部110は、流体収集部100の上流にある流体に熱量を供給し、当該流体の内部エネルギを増大させる。よって、流体収集部100付近における流体の断熱膨張を促進して、揚力生成部80に沿って流れる流体の運動量を大きくし、揚力生成部80により大きな揚力を発生させることができる。
また、上述した内部エネルギ増大部110の構成によれば、揚力生成部80により大きな揚力を発生させるため、飛翔体70をより高い高度まで上昇させることができる。また、動力源93から発生する排熱を利用して揚力生成部80に作用する揚力を大きくするため、飛翔体70を省エネルギ化することができる。
また、前述したように流体の断熱膨張により内部エネルギが低下して温度が低下するため、流体中の水分が凝結して流体収集部100に氷が付着する傾向がある。これに対して、上述した内部エネルギ増大部110の構成によれば、動力源93から発生する熱を利用して流体収集部100の上流にある流体を暖めるため、流体収集部100に氷が付着することを抑制することができる。よって、流体収集部100に付着した氷によって流体収集部100に沿って流れる流体が乱されることを抑制して、揚力生成部80に発生する揚力が低下してしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態における内部エネルギ増大部110の構成は単なる一例である。内部エネルギ増大部110の構成は、流体収集部100と揚力生成部80との間を通過する流体の内部エネルギを増大するものであれば、本実施形態の構成に限定されない。(1)例えば、本実施形態において内部エネルギ増大部110は動力源93の排熱を利用するものであったが、本実施形態の変形例では内部エネルギ増大部110は動力源93とは別に設けられた発熱体の熱で流体を暖めるものであってもよい。
(2)また、本実施形態では内部エネルギ増大部110はイジェクト効果により引き込まれる流体を暖めるものであったが、本実施形態の変形例では内部エネルギ増大部110は吹出し口92から吹き出す流体を暖めるものであってもよい。例えば、流体収集部100の内部にジェットエンジンが配置されており、流体収集部100の吹出し口92から吹き出される流体がジェットエンジンの燃焼ガスである場合が、この一例である。
(3)また、本実施形態では内部エネルギ増大部110は流体収集部100に到達する前の流体を暖めるものであったが、本実施形態の変形例では内部エネルギ増大部110は、流体収集部100と揚力生成部80との間を通過している流体を暖めるものであってもよい。例えば、図9に示される第6実施形態の変形例のように、流体収集部100に発熱体105を設けて、流体収集部100に沿って流れる流体を加熱すればよい。発熱体105は、例えば、電流が流れると発熱する電熱線、高温水蒸気が流れるスチームパイプ、高温液体が流れるヒートパイプなどである。なお、発熱体を揚力生成部80の上側外面82に設けても、流体の内部エネルギを増大することができ好ましい。
なお、第6実施形態の変形例では、流体収集部100の対向面102側は鋼等の高強度材料で構成されており、その反対側は断熱材106で構成されている。この構成によれば、流体収集部100は断熱材106を用いて構成されているため、流体の内部エネルギを流体収集部100により奪われ難くすると共に、発熱体105の熱が反対側面に逃げることを抑制することができる。よって、流体収集部100付近で流体をより大きく断熱膨張させて、揚力生成部80により大きな揚力を発生させることができる。なお、流体収集部100の対向面102側を断熱材で構成してもよい。また、断熱材を揚力生成部80の上側外面82に設けても、流体の内部エネルギを増大することができ好ましい。
また、第6実施形態の変形例では、氷の付着を防止するために、ピエゾ素子等の振動子108が流体収集部100に設けられている。この振動子108は、流体収集部100の表面を振動させて、流体収集部100に付着した氷を振り落とすため、流体収集部100の対向面102に沿って流れる流体の乱れを抑制することができ、揚力生成部80に作用する揚力を高めることができる。また、前述した発熱体105を用いて流体を加熱する場合には、前もって流体収集部100に付着した氷を振り落とすことにより、発熱体105の熱が氷の融解に用いられることなく流体の加熱に用いられるため、発熱体105の熱を用いて確実に揚力を高めることができる。但し、氷の付着を防止するための構成として、発熱体105を用いてもよい。
また、流体収集部100に氷が付着することを防止するために、流体収集部100および揚力生成部80を黒塗りして、太陽光を受けると昇温するように構成してもよい。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係る飛翔体70について説明する。第7実施形態に係る飛翔体70は、第6実施形態と同様に飛行機である。図10は、第7実施形態に係る飛翔体70の翼部を側方から見た概略的な断面図である。
第7実施形態に係る飛翔体70では、各翼部には、2つの流体収集部100,120が流体の流れ方向に沿って設けられている。上流側にある1段目の流体収集部100は流体供給部90から一定距離をもって配置されており、下流側にある2段目の流体収集部120は1段目の流体収集部100から更に一定距離をもって配置されている。
1段目の流体収集部100は、揚力生成部80の上側外面82に対向する対向面102を有しており、流体の流れ方向の上流端における上側外面82と対向面102との間隔が、流体の流れ方向の下流端における上側外面82と対向面102との間隔よりも広い。よって、流体供給部90から吹き出して揚力生成部80に沿って流れる流体が1段目の流体収集部100を通過する時には、イジェクト効果により流体収集部100の流体入口側の周囲の流体が揚力生成部80と流体収集部100との間に引き込まれる。
2段目の流体収集部120は、揚力生成部80の上側外面82に対向する対向面122を有しており、流体の流れ方向の上流端における上側外面82と対向面122との間隔が、流体の流れ方向の下流端における上側外面82と対向面122との間隔よりも広い。また、1段目の流体収集部100の下流端における上側外面82と対向面102との間隔よりも、2段目の流体収集部120の上流端における上側外面82と対向面122との間隔の方が広い。よって、流体供給部90から吹き出して揚力生成部80に沿って流れる流体が2段目の流体収集部120を通過する時には、イジェクト効果により流体収集部120の流体入口側の周囲の気体が揚力生成部80と流体収集部120との間に引き込まれる。
本実施形態の飛翔体70によれば、揚力生成部80の上側外面82に沿って2段の流体収集部100,120を設けることにより、単一の流体収集部100が設けられる場合よりも、揚力生成部80に沿った流体の流量を増大させることができる。よって、揚力生成部80に沿って流れる流体の運動量を大きくして、揚力生成部80により大きな揚力を発生させることができる。なお、本実施形態では、揚力生成部80の上側外面82に沿って2段の流体収集部100,120が設けられているが、本実施形態の変形例では、揚力生成部80の上側外面82に沿って3段以上の流体収集部が設けられてもよい。
また、本実施形態の飛翔体70には、2段目の流体収集部120の位置を調節するための位置調節機構130が設けられている。位置調節機構130は、制御装置132からの指令に従って2段目の流体収集部120を移動して位置調節する。2段目の流体収集部120は、この位置調節機構130により、揚力生成部80の上側外面82に対向する基本位置P、または、揚力生成部80の内部に格納される格納位置Pのいずれか一方に位置調節自在である。
この構成によれば、2段目の流体収集部120を基本位置Pに移動した場合には、2段目の流体収集部120により流体の流量が増加するため、2段目の流体収集部120は揚力向上に寄与する。一方、2段目の流体収集部120を格納位置Pに移動した場合には、2段目の流体収集部120は揚力向上に寄与しない。すなわち、2段目の流体収集部120を基本位置Pまたは格納位置Pのいずれか一方に移動自在とすることにより、飛翔体70に作用する揚力を調節することができる。
また、本実施形態の飛翔体70において、飛翔体70のホバリング時に2段目の流体収集部120を基本位置Pに移動し、飛翔体70の移動時に2段目の流体収集部120を格納位置Pに移動することが、特に好適である。このような制御方法の利点を、以下に説明する。
飛翔体70のホバリング時には、2段目の流体収集部120を基本位置Pに移動すると共に、流体供給部90から吹き出す流体の流量を通常よりも少なくする。流体供給部90から吹き出す流体の流量が少なくても、2つの流体収集部100,120により流体の流量は増加する。よって、流体供給部90における消費エネルギを抑制できると共に、飛翔体70がホバリングするために十分な大きさの揚力を得ることができる。
飛翔体70の飛行速度には、揚力生成部80に沿って流れる流体の流速よりも大きくすることができない、という特性がある。上述したホバリング時の制御方法では、2つの流体収集部100,120を用いることにより揚力生成部80に沿って流れる流体の流速が遅くなるため、飛翔体70の上昇移動や水平移動などに必要な流速を得ることができない場合がある。よって、上述したホバリング時の制御方法は、飛翔体70の移動時の制御方法としては適していない。
そこで、飛翔体70の移動時には、2段目の流体収集部120を格納位置Pに移動すると共に、流体供給部90から吹き出す流体の流量を通常どおりとする。2段目の流体収集部120が格納されており、2段目の流体収集部120により流体の流速が低下することがないため、揚力生成部80に沿って流体が高速で流れる。よって、揚力生成部80に沿って高速で流れる流体により、飛翔体70が上昇移動や水平移動するために十分な大きさの推進力を得ることができる。すなわち、本実施形態の飛翔体70によれば、2段目の流体収集部120を位置調節することにより、ホバリング時における飛翔体70の省エネルギ化を実現すると共に、移動時における飛翔体70の十分な加速性能を実現することができる。
なお、本実施形態では、2段目の流体収集部120が位置調節自在に構成されたが、本実施形態の変形例では、1段目の流体収集部100が位置調節自在に構成されてもよい。また、飛翔体70に3つ以上の流体収集部が設けられた場合には、複数の流体収集部のうち少なくとも1つが位置調節自在に構成されればよい。さらに、複数の流体収集部が位置調節自在に構成された場合には、飛翔体70の飛翔状態に応じて、下流側の流体収集部から順に格納位置に移動するように制御装置が制御を行えばよい。
なお、本実施形態の飛翔体70には、第6実施形態の飛翔体70と同様に内部エネルギ増大部110が設けられているが、内部エネルギ増大部110が設けられない構成としてもよい。また、本実施形態の飛翔体70は、本明細書で開示する他の実施形態の構成を組み合わせてもよい。
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態に係る飛翔体70について説明する。第8実施形態に係る飛翔体70は、第6実施形態と同様に飛行機である。図11は、第8実施形態に係る飛翔体70の翼部を側方から見た概略的な断面図である。
第8実施形態に係る飛翔体70では、翼部の複数位置に水蒸気を含む流体(空気)を供給する水蒸気供給装置140が設けられている。水蒸気供給装置140は、水を貯留するリザーバ141、水蒸気送り用の配管142、水蒸気送り用のポンプ143、水蒸気生成用のヒータ144を備えている。
リザーバ141に貯留された水は、水蒸気送り用のポンプ143により吸い上げられ、水蒸気送り用の配管142aの内部を進む。水蒸気送り用の配管142aの途中で水蒸気生成用のヒータ144により水が加熱されて、水蒸気が飽和した湿った流体が生成される。水蒸気が飽和した流体は、さらに水蒸気送り用の配管142aの内部を進んで分岐点に到達する。水蒸気送り用の配管142aは、流体供給部90の上側空間Rまで延びる第1の配管142bと、流体供給部90の下側空間Rまで延びる第2の配管142cと、流体収集部100の上流側の直前位置まで延設される第3の配管142dと、に分岐している。
水蒸気送り用の配管142aの内部を進む流体の一部は、第1の配管142bの内部を通って、流体供給部90の上側空間Rに放出される。放出された水蒸気を含む流体は、上側空間Rからダクト98を通って流体収集部100の上流側斜め上方に吹き出す。ダクト98から吹き出した流体は、流体収集部100と揚力生成部80との間に引き込まれる。
また、水蒸気送り用の配管142aの内部を進む水蒸気の他の一部は、第2の配管142cの内部を通って、流体供給部90の下側空間Rに放出される。放出された水蒸気を含む流体は、下側空間Rから吹出し口92を通って流体収集部100の上流側に吹き出す。吹出し口92から吹き出した流体は、流体収集部100と揚力生成部80との間を流れる。
また、水蒸気送り用の配管142aの内部を進む水蒸気の残りの一部は、第3の配管142dの内部を通って、流体収集部100の直前位置に放出される。水蒸気は、上流側から流れてきた流体と共に、流体収集部100と揚力生成部80との間を流れる。
流体収集部100付近において流体が断熱膨張する際に、水蒸気が凝集するための気温・気圧等の条件が揃っている場合には、流体に含まれる水蒸気は凝集する。この時、水蒸気から氷または水へと相変態するため、周囲の流体に凝集潜熱が与えられる。この凝集潜熱は、流体収集部100と揚力生成部80との間を流れる流体の内部エネルギとなって、流体の断熱膨張を促進する。よって、本実施形態の水蒸気供給装置140によれば、揚力生成部80に沿って流れる流体の流量を大きくして、揚力生成部80により大きな揚力を発生させることができる。なお、水蒸気が凝集する際に流体の体積は少し収縮するが、その体積収縮率は無視できる程度の値であり、飛翔体70に作用する揚力には殆ど影響しない。
また、本実施形態の水蒸気供給装置140では、飛翔体70の周囲環境に応じて水蒸気の供給量を変化させてもよい。すなわち、飛翔体70の周囲の湿度が低い場合には水蒸気の供給量を多くし、飛翔体70の周囲の湿度が高い場合には水蒸気の供給量を少なくしてもよい。このように水蒸気の供給量を調節することにより、飛翔体70が飛行している地帯が乾燥地帯であるかまたは湿潤地帯であるかに応じて、飛翔体70に作用する揚力を適度に調節することができる。
また、本実施形態の水蒸気供給装置140は、プロペラを駆動するための動力源93が電動モータなどの非燃焼式の駆動機構である場合に好適である。燃焼式の駆動機構によりプロペラを駆動する場合には、燃焼により水蒸気を含む排気が生成されるため、この排気を流体収集部100の上流側に放出することで、断熱膨張する流体に凝集潜熱を与えることができる。一方、非燃焼式の駆動機構によりプロペラを駆動する場合には、水蒸気を含む排気が生成されないため、流体には水蒸気が乏しい場合がある。よって、本実施形態の水蒸気供給装置140を用いて水蒸気を供給することにより、揚力生成部80に作用する揚力を増大することができ好適である。
なお、本実施形態では、電熱式ヒータ144を用いて水蒸気を生成しているが、電熱式ヒータ144に代えて動力源93(エンジン、モータ、インバータ、燃料電池等)の排熱を用いて水蒸気を生成してもよい。
また、本実施形態の飛翔体70には、凝集した水を回収するための水回収装置150が設けられている。水回収装置150は、水回収用の回収溝151、水戻り用の配管152、水戻り用ポンプ153を備えている。水回収用の回収溝151は、揚力生成部80の上側外面82の後端付近に形成されている。流体が断熱膨張している時に凝集した水の一部は、揚力生成部80の上側外面82に付着し、揚力生成部80の上側外面82に沿って流れて回収溝151に入り込む。そして、回収溝151に入った水は、水戻り用の配管152aに流れ込む。水戻り用ポンプ153が駆動することにより、水戻り用の配管152cに流れ込んだ水はリザーバ141に戻される。
また、水戻り用の配管152bは、流体収集部100の下面まで延設されている。流体が断熱膨張している時に凝集した水の他の一部は、流体収集部100の対向面102に付着し、流体収集部100の対向面102に沿って流れて、水戻り用の配管152bに流れ込む。水戻り用ポンプ153が駆動することにより、水戻り用の配管152cに流れ込んだ水はリザーバ141に戻される。本実施形態の水回収装置150によれば、揚力生成部80の上側外面82および流体収集部100に付着した水(氷または水滴)を回収して再利用することができる。
なお、飛翔体70の飛翔中に水切れとなる事態を回避するために、飛翔中に使用する十分な水をリザーバ141に貯えてから、飛翔体70の飛翔を開始する必要がある。但し、本実施形態の水回収装置150を用いれば、飛翔中に水を回収して再利用するため、飛翔体70の飛翔中に水切れとなる心配が少なく、貯水容量を小さなリザーバ141を用いることができる。
なお、本実施形態では、水戻り用ポンプ153を駆動して水をリザーバ141に回収しているが、水戻り用ポンプ153を設けずに、重力の作用により水がリザーバ141まで戻るように構成してもよい。
なお、本実施形態の飛翔体70には、第6実施形態の飛翔体70と同様に内部エネルギ増大部110が設けられているが、内部エネルギ増大部110が設けられない構成としてもよい。また、本実施形態の飛翔体70は、本明細書で開示する他の実施形態の構成を組み合わせてもよい。
[第9実施形態]
次に、本発明の第9実施形態に係る飛翔体70について説明する。第9実施形態に係る飛翔体70は、第6実施形態と同様に飛行機である。図12は、第9実施形態に係る飛翔体70の翼部を側方から見た概略的な断面図である。
第9実施形態に係る飛翔体70では、流体供給部90の吹出し口92は、揚力生成部80の上側外面82と流体収集部100の対向面102との間に配置されている。この構成により、流体収集部100における流体損失を抑制することができ、揚力生成部80に作用する揚力を大きくすることができる。
また、第9実施形態に係る飛翔体70では、揚力生成部80の上側外面82には流体の流れを乱流化する乱流生成手段84が設けられている。乱流生成手段は、揚力生成部10の上側外面12に固定された乱流生成用の複数の凸部84である。この構成により、流体の揚力生成部80の上側外面82からの剥離を抑制して、より多量の流体を揚力生成部80の上側外面82に沿って流すことで、コアンダ効果による揚力をより確実に得ることができる。
なお、第9実施形態に係る飛翔体70は、第6実施形態、第3実施形態および第4実施形態を組み合わせて構成された飛翔体である。このように、上記に説明した各実施形態を任意に組み合わせて飛翔体を構成してもよい。
第1実施形態に係る飛翔体を示す上面図および側面図である。 第2実施形態に係る飛翔体を示す上面図および側面図である。 第3実施形態に係る飛翔体を示す上面図および側面図である。 第4実施形態に係る飛翔体を示す上面図および側面図である。 第5実施形態に係る飛翔体を示す上面図および側面図である。 全ての実施形態に共通する揚力発生原理を説明するための側面図 第6実施形態に係る飛翔体を示す上面図である。 第6実施形態に係る飛翔体を示す側面図である。 第6実施形態の変形例に係る飛翔体を示す側面図である。 第7実施形態に係る飛翔体を示す側面図である。 第8実施形態に係る飛翔体を示す側面図である。 第9実施形態に係る飛翔体を示す側面図である。
符号の説明
1,3,5,7…飛翔体、10…揚力生成部、12…上側外面、20…流体供給部、22…吹出し口、30…流体収集部、32…対向面、34…板部材、40…各調節機構、40,41,42,43…調節機構、44…制御装置、50…乱流生成手段(凸部)。

Claims (13)

  1. 流体を供給する流体供給部と、
    流体の流れ方向に対して下方に傾斜する外面を有し、流体の流れ方向を下方に変化させて揚力を得る揚力生成部と、
    前記揚力生成部の外面に対向する対向面を有し、流体の流れ方向の上流側における前記外面と前記対向面との間隔が、流体の流れ方向の下流側における前記外面と前記対向面との間隔よりも広い流体収集部と、
    を備えることを特徴とする飛翔体。
  2. 前記流体収集部の対向面の位置または姿勢を調節する調節機構を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の飛翔体。
  3. 前記流体供給部は流体の吹出し口を有しており、当該吹出し口は前記外面と前記対向面との間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の飛翔体。
  4. 前記揚力生成部の外面には、流体の流れを乱流化する乱流生成手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の飛翔体。
  5. 前記流体収集部の対向面の面積は、前記揚力生成部の外面の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の飛翔体。
  6. 前記流体収集部の対向面は、前記揚力生成部の外面の下流側端部よりも上流側の部位に対向していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の飛翔体。
  7. 前記揚力生成部の外面は、前記飛翔体の機体本体の外面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の飛翔体。
  8. 前記流体収集部の上流にある流体の内部エネルギを増大させる内部エネルギ増大部を、さらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の飛翔体。
  9. 前記流体収集部は断熱材を用いて構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の飛翔体。
  10. 前記流体収集部は、流体の流れ方向に沿って複数設けられており、
    前記複数の流体収集部のいずれか1つの下流端における前記外面と前記対向面との間隔よりも、その1つ下流側にある流体収集部の上流端における前記外面と前記対向面との間隔の方が大きいことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の飛翔体。
  11. 前記複数段の流体収集部の少なくとも1つは、前記揚力生成部の外面に対向する第1位置、または、前記揚力生成部の内部に格納される第2位置のいずれか一方に位置調節自在に構成されていることを特徴とする請求項10に記載の飛翔体。
  12. 前記流体収集部を通過する流体に水蒸気を供給する水蒸気供給装置を、さらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の飛翔体。
  13. 前記流体供給部は、非燃焼式の駆動機構を用いて流体を供給するものであることを特徴とする請求項12に記載の飛翔体。
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