JP2009028628A - 排ガス浄化触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガス浄化触媒における外部に開放されて閉じていない細孔構造を制御する排ガス浄化触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】表面に凸部を有する樹脂基板表面上の凹部に触媒粒子が充填されていて、凸部を有する面が基材表面側になるように基材上に樹脂基板を配置し、ポリマー及び樹脂基板を焼失させる排ガス浄化触媒の製造方法。
【選択図】なし

Description

この発明は、排ガス浄化触媒の製造方法に関し、さらに詳しくは樹脂基板表面上に凸部を用いて凹部に触媒粒子が充填されていて、樹脂基板を焼失させる排ガス浄化触媒の製造方法に関する。
自動車エンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素等の成分を浄化するための排ガス浄化触媒(三元触媒)が種々提案されている。このような排ガス浄化触媒の中で代表的なものは、多数のセルを有するコージェライト製のハニカム基材等の触媒基材の排ガス流路表面に、γ−アルミナ及び/又は酸化セリウム等の金属酸化物から選ばれた触媒担体をコートし、さらにこの担体にプラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等から選ばれた金属触媒を担持して構成された排ガス浄化触媒である。
このような排ガス浄化のためには、排ガス浄化触媒が排ガスと接触する面積をできるだけ大きくすることが望ましい。
しかし、従来の触媒の製造法で得られる排ガス浄化触媒では、触媒コート層内部の一部でガス拡散が阻害され反応に寄与しない部分、従って触媒金属が使われない部分が存在していた。
このため、従来の製造によって得られるハニカム基材に触媒等を担持させた排ガス浄化用触媒は、益々環境基準の厳しい要求レベルが求められる自動車のエンジンの排ガス系統に組み込んで使用した場合に満足のいく程の高い触媒活性を示さず、高活性の排ガス浄化触媒を再現性良く得ることが困難であった。
つまり、従来の触媒を担持させた排ガス浄化触媒の細孔構造は、再現性良く制御することが困難であった(成り行きによる細孔構造の制御であった)。
このため、排ガス浄化触媒における細孔構造を考慮した触媒の高活性化の試みや、細孔の構造を制御する試みがなされている(特許文献1〜3)。
特開平4−122441号公報 特開2002−136871号公報 特開2005−339884号公報
上記の特開平4−122441号公報には、コージェライト基材などのハニカム基材の表面に熱処理されたアルミナ粉末と高比表面積のセリア粉末とを含む水性混合物を付着、乾燥、焼成して触媒担体を形成する第1工程と、担持層に触媒貴金属を担持する第2工程よりなる排ガス浄化用触媒の製造方法が記載されている。しかし、上記公報には排ガス浄化触媒の細孔の構造を制御する具体的な方法は示されていない。
上記の特開2002−136871公報には、排ガス中の有機ハロゲン化合物を分解することができる酸化チタンを主成分とする担体に触媒活性成分を担持させた触媒であって、多孔化剤として焼成温度以下で例えばメタクリツ樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂などの樹脂を用いて、触媒の孔径分布が少なくとも3つあり、Cr、Co、Fe、Cu又はMnの1つの金属の酸化物を含む有機ハロゲン化合物を含有する排ガス処理触媒およびその製法が記載されている。そして、具体例として種々の細孔容積を有する細孔構造を有する触媒が示されているが、ポリマー鋳型は記載されてなく、一定の配列で構成された均一な規則構造を有する触媒については示されていない。そのため上記公報に記載の触媒では排ガス浄化に寄与しない閉じた細孔が形成される。
上記の特開2005−339884号公報には、陽極酸化被膜の微細孔中に硬化性樹脂液を充填して硬化させ、ついで第1の方法では陽極酸化被膜を除去してポリマー鋳型を作り、このポリマー鋳型を、基板上に形成された金属酸化物微粒子からなるゾル層を押し付けて、ポリマー鋳型の形状をゾル層に転写するか、あるいは、ついで第2の方法では金属箔等を基板に押し当てた後、陽極酸化被膜を除去して、基板上にポリマー鋳型を形成し、このポリマー鋳型上に金属酸化物微粒子を分散したゾルを塗布し、最後にゾルを加熱、焼成する凹型酸化膜構造体の製法が記載されている。しかし、上記公報には排ガス浄化触媒の製造法については示されていない。
以上のように、公知文献によっても、排ガス浄化触媒における外部に開放されて閉じていない細孔構造を制御するという排ガス浄化触媒の製造法における課題の解決は達成されていないのである。
従って、この発明は、排ガス浄化触媒における外部に開放されて閉じていない細孔構造を制御する排ガス浄化触媒の製造方法を提供することである。
この発明は、表面に凸部を有する樹脂基板表面上の凹部に触媒粒子が充填されていて、凸部を有する面が基材表面側になるように基材上に樹脂基板を配置し、樹脂基板を焼失させる排ガス浄化触媒の製造方法に関する。
この発明によれば、外部に開放されて閉じていない細孔構造が制御された排ガス浄化触媒を容易に製造することができる。
この発明における好適な態様を次に示す。
1)触媒粒子が、樹脂基板表面上の凹部に触媒粒子を分散した溶液を塗布、乾燥して充填される前記の製造方法。
2)凸部が、金属酸化物、セラミックス又は金属からなる凹型金型を用いて形成される前記の製造方法。
3)触媒粒子がさらに、横孔を形成するための第2のポリマーを含む前記の製造方法。
4)触媒粒子が、セリア及びアルミナを含み、アルミナの少なくとも一部が予め700℃以上の温度で熱処理されている前記の製造方法。
この発明においては、先ず表面にポリマーからなる凸部を有する樹脂基板表面上の凹部に触媒粒子が充填されていることが必要である。
前記のポリマーからなる凸部を用いないで直接的に、例えば後述の金属酸化物、セラミックス又は金属からなる凹型金型を用いて触媒粒子を充填しても適した排ガス浄化触媒を得ることができない。
そして、前記の工程におけるポリマー、例えばポリマー粒子からなる凸部が樹脂基板表面に形成された基板上の凹部は、例えば基板表面にポリマー粒子を一定の間隔で所定の孔形状を模した形状の凸部を形成することによって得ることができる。
前記のポリマーからなる凸部は、好適には金属酸化物、セラミックス又は金属からなる凹型金型を用いて形成することもできる。また、ポリマー粒子を樹脂基板上に配置して形成することもできる。ポリマー粒子を樹脂基板上に配置する場合は、触媒粒子との混合液の状態にして塗布しても構わない。
前記の基板としては、樹脂基板が用いられる。また、前記基材としては、アルミナ、コージェライトなどのセラミックス(金属酸化物や金属複合酸化物)からなるものであってよい。
前記のセラミックス又は金属からなる凹型金型を与えるセラミックス又は金属としては、特に制限はなく、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニオブなどの金属の酸化物、セラミックス、ニッケル、銅等の金属、好適にはアルミナを挙げることができる。
前記のセラミックス又は金属からなる凹型金型は、前記の材料を用いて化学的、物理的および機械的な処理の少なくとも1つの処理を施すことによって、所望の形状の孔形を一定の間隔を持って樹脂基板上に形成することによって得ることができる。前記の孔形は望ましい触媒形状を模したものであってよい。例えば、浄化触媒としてハニカムを形成する場合には、孔形としては柱状であってよい。
しかし、触媒形状として従来公知のハニカム形状に限定されず、一定の配列の任意の形状の触媒形状を取り得る。
前記のセラミックス又は金属からなる凹型金型の1例について、この発明の実施態様の1例の工程を示す図1を用いて説明する。
図1の工程(A)において陽極酸化アルミナの凹型鋳型が準備される。この陽極酸化アルミナの凹型鋳型は、例えば図4に示す規則的細孔構造を有する。
次いで、次の工程(B)において第1のポリマーからなる樹脂基板表面に一定の配列で形成された凸部(実施態様においては、樹脂凸部ともいう。)が準備され、陽極酸化アルミナの均一な細孔を凹型ポリマー鋳型に転写する。次の工程(C−1)において工程(B)で得られた凸部からなる凸型鋳型の基板上の凹部に触媒微粒子を充填し凸部を有する面が基材表面側になるように基材上に樹脂基板を配置し、樹脂基板を焼成して消失させることによってポリマーも焼失し、はじめの陽極酸化アルミナの均一な細孔が転写された触媒を得ることができる。
前記の実施態様における陽極酸化アルミナの凹型鋳型は、例えばアルミニウム箔を用いて陽極酸化処理を施すことによって得ることができる。
前記の陽極酸化処理は、例えば電界浴として硫酸浴、しゅう酸浴、リン酸浴などを用い、電圧10〜500V、浴温度0〜25℃、電解時間0.1〜24時間で実施することができる。
この陽極酸化処理の条件(電圧、処理時間)を変化させて陽極酸化アルミナの凹型鋳型の製造条件を変えることによって、陽極酸化アルミナの凹型鋳型の細孔径、細孔長さを調整することが可能である。
この発明における凸部が基板表面に形成された基板上の樹脂凸部について、この発明の実施態様の1例である前記の図1を用いて説明する。
前記の工程(B)において、樹脂基板表面に一定の配列で形成されたポリマーからなる凸部が準備され、陽極酸化アルミナの均一な細孔がポリマーからなる凸型の内部に転写される。
前記のポリマー(第1ポリマーということもある)としては、耐熱性を有する熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂、例えばエポキシ樹脂、メタクリル酸メチルポリマー、アクリル樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。
前記第1ポリマーとして、前記の樹脂の粒子を挙げることができる。
また、前記の第1ポリマーとして、前記の樹脂を与えるモノマーを陽極酸化アルミナの凹型鋳型に充填した後、熱および/又は光によってモノマーを重合することによって得られる樹脂であってもよい。
この発明において、例えば前記凸部は、前記樹脂の粒子を溶媒、例えばアセトン、水、好適には水に分散させた樹脂分散物を樹脂基板表面に形成された基板上の凹部に充填し、乾燥する工程を1回以上行うことによって樹脂を充填した後、セラミックス又は金属からなる凹型鋳型を除去することによって形成することができる。
前記の樹脂分散物は、前記樹脂の粒子と溶媒とを超音波攪拌を10分間以上、好適には10〜60分間程度行って均一混合したものが好ましい。
前記のセラミックス又は金属からなる凹型金型を除去してポリマー鋳型を形成する方法としては、特に制限はなく樹脂に対しては非溶解性でセラミックス又は金属を溶解し得る溶媒を用いてセラミックス又は金属を溶解し凸部を残すことによって行うことができる。
例えば、この発明の実施態様を示す前記の陽極酸化アルミナの凹型鋳型を用いる場合には、高濃度(例えば5〜20質量%)のアルカリ(例えば、NaOH、KOHなど)水溶液中に樹脂を充填した凹型鋳型に数秒〜10時間程度浸漬して基板を除くアルミナおよびアルミニウムを溶解し除去して、樹脂基板を有する凸部を得ることができる。
この発明の実施態様においては、次の工程(C−1)において工程(B)で得られた凸部からなる凸型鋳型と樹脂基板とで形成される基板上の凹部に触媒微粒子を充填し、凸部を有する面が基材表面側になるように基材上に樹脂基板を配置し、ポリマー及び樹脂基板を焼成(燃焼)させて消失させる。この焼失工程で、第1のポリマーが燃焼されて規則的に配列した棒状の触媒間に縦孔が形成され、また触媒粒子の一部が熱的ないしは物理的に相互に結合される。
前記の触媒粒子の凹部への充填において、触媒粒子の均一充填を容易にし、且つ均一形状の構造体を得るためにコージェライトなどからなり任意形状の、例えば円筒形の耐熱性基材を用いて最外殻とすることが好ましい。この場合には、前記の焼成工程によって耐熱性基材と細孔構造体とが一体になった触媒が得られる。
前記の工程(A)、工程(B)および工程(C−1)によって、はじめの陽極酸化アルミナの均一な細孔を転写された排ガス浄化触媒を得ることができる。
前記の触媒微粒子としては、担体粒子、貴金属触媒又は貴金属触媒を担持した担体粒子のいずれをも意味する。
前記の触媒微粒子の樹脂基板上の凹部への充填は、樹脂に対して中立である溶媒、例えば、アセトン、水、好適には水に触媒微粒子を分散させたクラスター微粒子の溶媒分散液を使用して実施することが好ましい。
また、前記の凸部を焼成させて消失させる工程は、400〜750℃、好適には400〜700℃程度の温度で30分間〜5時間程度の時間、空気中で加熱することによって行うことができる。
前記の触媒粒子として担体粒子を用いて細孔構造体を得た場合には、該細孔構造体にそれ自体公知の方法によって貴金属触媒を担持することによって排ガス浄化触媒を得ることができる。例えば、この発明の方法によって得られた細孔構造体に、アルミナやジルコニアなどの耐熱性金属酸化物の薄いコート層をウオッシュコート法によって形成した後、後述の貴金属触媒を与える貴金属化合物、例えばエタノールアミン白金、アンミン白金やジニトロジアンミン白金の水溶液を用いて貴金属触媒を担持させる方法あるいはヘキサヒドロ白金などの貴金属化合物とアミノアルコールとを組み合わせて吸水担持させる方法によって貴金属触媒を担持させることができる。
前記の担体粒子としては、アルミナ(Al)、セリア(CeO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)などの金属酸化物粒子、特にセリア及びアルミナを含み、アルミナが予め700℃以上、好適には700〜1200℃の温度で、好適には1〜10時間程度の時間で熱処理されている金属酸化物粒子からなる担体粒子が挙げられる。
前記の担体粒子は、平均粒径が5nm以上100nm未満であるものが好ましい。
これの金属酸化物粒子には、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)成分を加えたものであってよい。
前記の好適な態様である少なくとも一部が700℃以上で熱処理されたアルミナとセリアとを組み合わせて使用することによって、後述の実施例の欄で詳細に説明される条件での耐久試験後の触媒の比表面積の低下が少なく、良好な触媒活性が得られるので好ましい。前記の焼結したアルミナの割合はアルミナ中で10〜100質量%であることが好ましい。
この両成分の組み合わせによれば、触媒として700℃以上で熱処理されたアルミナを単独で用いた場合とセリアを単独で用いた場合の、各々の耐久試験後の触媒の比表面積から混合比に基いて想定される比表面積の計算値よりも大きい比面積値を与えることが明らかになった。これは、700℃以上で熱処理されたアルミナとセリアとの混合により、セリア粒子の凝集を抑制している効果であると考えられる。
前記の700℃以上で熱処理されたアルミナとセリアとの割合は、アルミナ:セリア(質量割合)が10:1〜1:2、特に2:1〜1:2であることが好ましい。
前記の触媒としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことが望ましい。
前記の触媒は、前記の金属粒子であってもよく、又は前記の金属酸化物の粒子表面にPt、Rh、Pdなどの触媒を担持させたものであってもよい。前記の触媒にBaCO、KやNaなどのアルカリ成分を含むNO吸蔵材を担持させることによって、担体の高温でのシンタリングが抑制され、触媒金属のシンタリングも抑制され、高性能の担持触媒を得ることができる。
この発明について、この発明の第2の実施態様の工程を示す図2を用いて説明する。
図2において、前記の図1と同じ工程である工程(A)および工程(B)に続いて、次の工程(C−2)において工程(B)で得られた基板上の凸部からなる基板上に形成された凸型鋳型の基板上の凹部に触媒粒子とともに横孔を形成するためのポリマー粒子(第2のポリマーということもある)を充填し、凸部を有する面が基材表面側になるように基材上に樹脂基板を配置し、樹脂基板およびポリマーからなる凸部を焼成させて消失させることによって、触媒粒子の構造体中に第2のポリマーに基づく細孔が形成されて、はじめの陽極酸化アルミナの均一な細孔が転写され且つ第1のポリマーの鋳型による細孔と第2のポリマーの鋳型による細孔とが組み合わさった細孔構造を有する排ガス浄化触媒を得ることができる。
前記の工程(A)、工程(B)および工程(C−2)によって、はじめの陽極酸化アルミナの均一な細孔を転写された排ガス浄化触媒を得ることができる。
前記の第2のポリマーとしては、第1のポリマーとは耐熱性(特に焼成温度)および/又は粒径が異なる又は同じポリマーであってもよい。
前記の第2のポリマーとして、例えば前記の第1のポリマーであってよい。
また、前記の第2のポリマーとして、ポリスチレンを挙げることができる。
この発明を、この発明の第3の実施態様の工程を示す図3を用いて説明する。
図3において、前記の図1と同じ工程である工程(A)および工程(B)に続いて、次の工程(C−3)において工程(B)で得られた基板上の凸部からなる凸型鋳型の基板上に形成された凹部に、触媒粒子とともに第2のポリマーとは粒径の異なる第3のポリマーを順次導入する方法によって、例えば触媒のナノ微粒子と第2のポリマーとしてのポリスチレン微粒子を含む溶媒混合物を導入して鋳型の隙間にしっかりと充填し、この充填する工程を繰り返し、その際に導入する第3のポリマーとしての粒子の大きさを変えたポリスチレンの多層で層ごとに粒径の異なるポリスチレンが充填された凸部を形成し、ポリマーからなる凸部を有する面が基材表面側になるように基材上に樹脂基板を配置し、この凸部および樹脂基板を焼成させて消失させることによって、はじめの陽極酸化アルミナの均一な規則構造を有し、且つ細孔壁にもポリスチレン粒子に準じた細孔を形成させたナノ触媒微粒子で構成された触媒構造体を得ることができる。
前記の工程(A)、工程(B)および工程(C−3)によって、はじめの陽極酸化アルミナの均一な細孔を転写され且つ深さ方向に細孔径が異なる排ガス浄化触媒を得ることができる。
前記の場合の第3のポリマーとしては、2種以上の粒径を有するものが挙げられる。
この発明による前記の図1、図2および図3に実施態様として示される工程(A)、工程(B)および工程(C−1)、(C−2)又は(C−3)の各工程によって、所望の細孔径および細孔長を有する触媒粒子が一定の配列で構成され、すなわち均一な規則構造を有し、所望の細孔構造体を有する排ガス浄化触媒を得ることができる。
また、この発明において、前記触媒粒子として担体粒子を用いて細孔構造体を形成した場合には、貴金属をそれ自体公知の方法によって担体粒子に担持させる必要がある。
また、この発明において、基材としてコージェライトあるいはアルミナなどの耐熱性金属酸化物を用いる場合は、前記の基材に前記細孔構造体が積層された排ガス浄化触媒を得ることができる。
以下、この発明を更に説明するために実施例を示すが、この発明は実施例に限定されるものではない。
各例において、触媒の750℃、5時間、空気中で熱耐久試験後の比表面積(SSA)は窒素吸着による多点BET法により測定した。
実施例1
アルミニウム箔に前処理として電解研磨(電解液:リン酸、50℃、7A電流、5分)した後、0.3mol/L蓚酸、5℃、60V定電圧で30分間の条件で陽極酸化して、図4に示す規則的細孔構造を有する陽極酸化アルミナ鋳型(凹型)を得た。
この陽極酸化アルミナ鋳型を用いて、基板と鋳型との凹部に、エポキシ樹脂(エポフィックス、丸本ストルアス社製)を導入(陽極酸化アルミナ細孔内へ樹脂を導入させるため、真空⇔大気を5回繰り返した。)硬化した樹脂を、10質量%水酸化ナトリウム水溶液中に常温で浸漬して、陽極酸化アルミナとアルミニウムとを完全に溶解、除去し、凸部を作製した。この凸部に基板としてエポキシ樹脂からなる補強材を積層した。
このエポキシ樹脂からなる鋳型の凸型の方を上方にしてアルミナ粒子(ナノテックアルミナ微粒子、数十nm、ナノテック社製)分散液を導入し、120℃で乾燥させてコージェライト基材をのせて500℃でエポキシ樹脂を1時間焼成して多孔質構造体である排ガス浄化触媒を得た。
得られた構造体の表面の実体顕微鏡写真を図5に示す。
比較例1
常用の手段によって、コージェライトハニカムにアルミナ球状粒子(平均粒径:数10nm、ナノテック社製)が担持された基材を得た。
実施例2
メタクリル酸メチルポリマー(平均粒径:数10μm)とアルミナ球状粒子(平均粒径:数10nm、ナノテック社製)とセリア粒子(ナノテック社製)を質量割合1:5:5の比率で水に超音波攪拌を15分間実施して混合分散させてアルミナを含む混合材料としての混合物を調製した。
この混合物を樹脂基板の上に塗って乾燥させた。得られた積層物をポリマーとアルミナ球状粒子とセリア粒子との混合物層が間になるようにハニカム基材の上にのせて、空気中で最高加熱温度400℃で1時間焼成して樹脂基板とメタクリル酸メチルポリマーを消失させ、ハニカム基材上にアルミナ球状粒子およびセリア粒子のみで構成される規則構造を有する排ガス浄化触媒を得た。
この排ガス浄化触媒の耐久試験後のBET比表面積測定結果を図6に示す。
実施例2で得られた触媒と比較例1で得られた触媒担体について、以下の方法で触媒活性評価を行った。
実施例2および比較例1で得られた基材を用いて、以下の触媒を担持させて浄化触媒活性評価を行った。
1.触媒仕様
Pt:2g/L、アルミナ、セリア、ジルコニアを所定量入れたコート層270g/L、K:0.15mol/L
2.評価条件
初期および耐久処理(750℃、5時間、空気中焼成)後の触媒について、600℃昇温後、常法により、リッチ/リーン=4秒/20秒で繰り返しガスを切替えて、平均活性率を算出した。
実施例2および比較例1の浄化触媒についての触媒活性評価結果を図7に示す。初期および耐久(750℃、5時間、空気中焼成)後のいずれも実施例2で得られた排ガス浄化触媒が比較例1の基準品を上回る触媒性能を示した。
実施例3
混合材料用のアルミナ球状粒子として、アルミナ球状粒子(平均粒径:数10nm、ナノテック社製)を空気中で750℃で5時間焼結させた焼結アルミナ粒子に置き換えた他は実施例2と同様にして、規則構造を有する排ガス浄化触媒を得た。
この排ガス浄化触媒の耐久試験後のBET比表面積測定結果を図6に示す。
実施例4
アルミナ粒子とセリア粒子との割合を質量割合で1:1から3:1に変えた他は実施例2と同様にして、規則構造を有する排ガス浄化触媒を得た。
得られた排ガス浄化触媒の耐久試験後のBET比表面積測定結果を実施例2および実施例3の結果とまとめて図6に示す。
実施例5〜7
空気中で750℃で5時間焼結させた焼結アルミナ球状粒子とセリア粒子との割合を質量割合1:1(5:5)から、0:1(実施例5)、3:1(実施例6)、1:0(実施例7)に変えた他は実施例3と同様にして、規則構造を有する排ガス浄化触媒を得た。
実施例5〜7の排ガス浄化触媒の耐久試験後のBET比表面積測定結果を実施例2の結果とともにまとめて図6に示す。
また、アルミナ球状粒子:セリア粒子=1:0又は0:1の場合のBET比表面積測定結果から前記の両成分の比率が1:1および3:1の場合に計算で求められる予測値も併せて図6に示す。
実施例8
メタクリル酸メチルポリマーとアルミナ球状粒子(平均粒径:数10nm、ナノテック社製)を1:5の質量割合で水に混合し超音波攪拌を15分間程度実施して調製した分散混合物に、ポリスチレン微粒子(10質量%、30nm、ゼネラルサイエンスコーポレーション)を水分散物(ポリスチレン:10質量%)としてメタクリル酸メチルポリマーと同量加えて混合材料を得た。
この混合材料を用いた他は実施例2と同様にして、最高加熱温度400℃で1時間焼成して、メタクリル酸メチルポリマーおよびポリスチレンを消失させることによって、アルミナ球状粒子のみで構成された排ガス浄化触媒を得た。
得られた排ガス浄化触媒の表面の実体顕微鏡写真を図8に示す。
また、細孔分布を測定した。結果を図9に示す。
これらの結果から、骨格に構成された細孔は30nm近傍に分布を形成していることが確認された。
実施例9
メタクリル酸メチルポリマーとアルミナ球状粒子(平均粒子径:数10nm、ナノテック社製)を1:5の質量割合で水に混合し、超音波攪拌を15分間程度実施して調製した分散混合物に、ポリスチレン微粒子(10質量%、30nm、ゼネラルサイエンスコーポレーション)およびポリスチレン微粒子(10質量%、100nm、ゼネラルサイエンスコーポレーション)を水分散物(ポリスチレン:10質量%)としてメタクリル酸メチルポリマーと同量ポリスチレン粒子ごとに2回加えて混合材料を得た。
この混合材料を用いた他は実施例2と同様にして最高加熱温度400℃で1時間焼成して、メタクリル酸メチルポリマーおよびポリスチレンを消失させることによって、アルミナ球状粒子のみで構成された規則構造を有する排ガス浄化触媒を得た。
得られた排ガス浄化触媒の走査型電子顕微鏡写真を図10に示す。
また、細孔分布を測定した結果を図11に示す。
これらの結果から、骨格に構成された細孔は30nm、100nm近傍に分布を形成していることが確認された。
図1は、この発明の実施態様の1例の工程を示す。 図2は、この発明の第2の実施態様の1例の工程を示す。 図3は、この発明の第3の実施態様の1例の工程を示す。 図4は、この発明の実施例で用いた陽極酸化アルミナの規則的細孔構造鋳型の走査型顕微鏡写真を示す。 図5は、実施例1で得られた排ガス浄化触媒の実体顕微鏡写真を示す。 図6は、実施例2〜7で得られた排ガス浄化触媒の耐久試験後のBET比表面積測定結果をまとめて示す。 図7は、実施例2および比較例1の排ガス浄化触媒についての触媒活性評価結果をまとめて示す。 図8は、実施例8で得られた排ガス浄化触媒の実体顕微鏡写真を示す。 図9は、実施例8で得られた排ガス浄化触媒の細孔分布を測定した結果を示す。 図10は、実施例9で得られた排ガス浄化触媒の実体顕微鏡写真を示す。 図11は、実施例9で得られた排ガス浄化触媒の細孔分布を測定した結果を示す。
符号の説明
1 排ガス浄化触媒
2 第1凸部に基く細孔
3 ナノ触媒微粒子
4 第2凸部に基く細孔

Claims (5)

  1. 表面に凸部を有する樹脂基板表面上の凹部に触媒粒子が充填されていて、凸部を有する面が基材表面側になるように基材上に樹脂基板を配置し、樹脂基板を焼失させる排ガス浄化触媒の製造方法。
  2. 触媒粒子が、樹脂基板表面上の凹部に触媒粒子を分散した溶液を塗布、乾燥して充填される請求項1に記載の製造方法。
  3. 凸部が、金属酸化物、セラミックス又は金属からなる凹型金型を用いて形成される請求項1に記載の製造方法。
  4. 触媒粒子がさらに、横孔を形成するためのポリマーを含む請求項1〜3のいずか1項に記載の製造方法。
  5. 触媒粒子が、セリア及びアルミナを含み、アルミナの少なくとも一部が予め700℃以上の温度で熱処理されている請求項1〜4のいずか1項に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011026179A (ja) * 2009-07-29 2011-02-10 Hitachi Aic Inc 水素触媒部材またはその製造方法
JP2014125081A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Bridgestone Corp 非空気入りタイヤ

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