JP2009025617A - 揺動体装置、光偏向器およびそれを用いた光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウエハ厚みばらつきがあっても、固有振動モードの周波数の誤差を小さくする。
【解決手段】 可動部をねじり軸を中心に揺動可能に支持する支持部を有する揺動体装置であって、前記支持部は前記ねじり軸に垂直な断面がX字形状であり、前記X字形状の上面及び下面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L1と、前記X字形状の側面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L2と、前記支持基板の厚さtの変化に応じて、前記可動部のねじり軸まわりの慣性モーメントが変化する率αiとが、L1/L2=C1・Exp{C2・(αi+C3)}+C4・αi+C5、前記C1、C2、C3、C4、C5は、それぞれ、C1=5.0×10^−1、C2=−4.4、C3=4.6×10^−2、C4=−6.0×10^−1、1.5<C5<1.7の関係であることを特徴とする揺動体装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ねじり振動可能に可動部が弾性支持された揺動体装置、及びこれを利用した光偏向器、それを用いた画像形成装置などの光学機器に関する。この光偏向器は、例えば、光の偏向走査によって画像を投影するプロジェクションディスプレイや、電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタ、デジタル複写機等の画像形成装置に好適に利用されるものである。
従来から、半導体プロセスによって単結晶シリコンからなるウエハから製造される微小機械部材はマイクロメータオーダの加工が可能であり、これらを用いて様々な微小機能素子が実現されている。特に、このような技術によって形成される揺動体装置により反射面をねじり振動し光走査を行う光偏向器は、ポリゴンミラー等の回転多面鏡を使用した光走査光学系に比べて、次の様な特徴がある。すなわち、光偏向器を小型化することが可能であること、消費電力が少ないこと、等の特徴がある。特に、揺動体装置のねじり振動の固有振動モードの周波数付近で駆動することにより、低消費電力とできる。
特許文献1には、Siウエハを異方性エッチングすることでX字形状のねじりバネを形成する技術、及びX字形状のねじりバネを有する光偏向器を画像形成装置等に適用する技術が開示されている。
特開2004−34256
しかしながら、半導体プロセスによってウエハから揺動体装置を製造する場合、ウエハの厚みにばらつきがあると、固有振動モードの周波数(共振周波数ともいう)にばらつきが生じていた。
よって、本発明の目的はウエハの厚みにばらつきがある場合でも、このばらつきに起因する固有振動モードの周波数の変動の少ない揺動体装置を提供することである。
上記課題を解決する本発明に係る揺動体装置は、支持基板とねじりバネと可動部とを含み、前記可動部が、前記ねじりバネによって、前記支持基板に対してねじり軸を中心にねじり振動可能に支持されている揺動体装置であって、前記ねじりバネは、X字形状の前記ねじり軸に垂直な断面と、単結晶シリコンの(100)等価面で構成された上面及び下面とを有し、該上面及び該下面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L1と、前記X字形状のねじりバネの側面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L2と、前記支持基板の厚さtの変化に対しての前記可動部のねじり軸まわりの慣性モーメントの変化率αとが、L1/L2=C1・Exp{C2・(α+C3)}+C4・α+C5、前記C1、C2、C3、C4、C5は、それぞれ、C1=5.0×10^−1、C2=−4.4、C3=4.6×10^−2、C4=−6.0×10^−1、1.5<C5<1.7の関係であることを特徴とする。
また本発明に係る他の揺動体装置は、支持基板と、第1の可動部と、該第1の可動部を前記支持基板に対してねじり軸を中心に第1のねじりバネ定数(K1)でねじり振動可能に支持する第1のねじりバネと、第2の可動部と、該第2の可動部を前記第1の可動部に対して前記ねじり軸を中心に第2のねじりバネ定数(K2)でねじり振動可能に支持する第2のねじりバネとを含む可動系と、を有する揺動体装置であって、前記可動系は、基準周波数の固有振動モードである基準振動モードと、前記基準周波数の略整数倍の固有振動モードである2次振動モードとを有し、前記第1及び第2のねじりバネは、X字形状の前記ねじり軸に垂直な断面と、単結晶シリコンの(100)等価面で構成された上面及び下面とをそれぞれ有し、前記第1のねじりバネの上面及び下面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L1と、前記X字形状の側面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L2と、前記第2のねじりバネの上面及び下面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離M1と、前記X字形状の側面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離M2と、前記支持基板の厚さtの変化に対しての前記第1の可動部および前記第2の可動部の慣性モーメント(それぞれI1、I2)の変化率(それぞれαi1、αi2)とが、L1/L2=C1・Exp{C2・(αk1+C3)}+C4・αk1+C5、M1/M2=C1・Exp{C2・(αk2+C3)}+C4・αk1+C5、αk1=Q1・αi1+Q2・αi2、αk2=Q2・αi1+Q1・αi2、Q1=(I2・K1−I1・K2)/{I2・K1−(I1+I2)・K2}、Q2=(I2・K2)/{(I1+I2)・K2−I2・K1}、前記C1、C2、C3、C4、C5は、C1=5.0×10^−1、C2=−4.4、C3=4.6×10^−2、C4=−6.0×10^−1、1.5<C5<1.7の関係であることを特徴とする。
本発明に係る揺動体装置は、ねじり軸に垂直な断面形状を上記のような好適なX字状とすることで、ウエハ厚みばらつきに起因する固有振動モードの周波数の変化を小さくすることができる。
(第1の実施形態)
本発明は、支持基板とねじりバネと可動部とを含み、可動部がねじりバネによって、支持基板に対してねじり軸を中心にねじり振動可能に支持されている揺動体装置に関する発明である。
従来、揺動体装置の共振周波数を所定の共振周波数にするために、可動部の慣性モーメントとねじりバネのバネ定数を設計値として用いていた。これは、揺動体装置の共振周波数が可動部の慣性モーメントとねじりバネのバネ定数により決定されるためである。
しかしながら、揺動体装置を作製する際の材料であるシリコンウエハは厚み誤差を有する場合があり、可動子の慣性モーメント及びねじりバネのバネ定数にも誤差が生じ、その結果、揺動体装置の共振周波数にも誤差が生じる場合があった。
本発明は、断面がX字形状のねじりバネを揺動体装置に用い、このねじりバネのX字形状を従来では着目していなかった以降で説明する形状とすることで、ウエハの厚み誤差の共振周波数への影響を低減することを可能とした。
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態の揺動体装置の構成を示す上面図である。図1において揺動体装置は、支持基板2とねじりバネ3と可動部6とを含み、可動部6が、ねじりバネ3によって、支持基板2に対してねじり軸(B軸)を中心にE方向にねじり振動可能に支持されている。支持基板2は、ねじりバネ3を支えるはたらきをする部材である。ねじりバネ3は可動部6を支持基板2に対してねじり軸を中心にねじり振動可能に支持している。図1では、可動部6は2本のねじりバネ3により支持されているが、本実施形態では可動部6が1本のねじりバネ3で支持されている構成としてもよい。またねじりバネ3には、図1に示すように、凹部5Aが形成されている。そして、ここでは図示の距離Lsをねじりバネ3の長さとする。
本発明の第1の実施形態の揺動体装置は、一体の単結晶シリコン材料で構成されている。ここでいう一体の単結晶シリコン材料とは、ウエハの内部に貼り合わせ界面を持たない単結晶シリコン材料(ウエハ)を意味する。
図2は、図1中A−A´線でのねじり軸Bに垂直な平面におけるねじりバネ3の断面図を示している。図示のように、ねじりバネ3の断面は、ねじりバネの上下面及び両側面に形成された4つの凹部5A、5B、5C、5Dによって、X字形状となっている。上面10、下面11は単結晶シリコンの(100)等価面(即ち、{100}面)で構成されている。上面10、下面11には、それぞれねじり軸B方向へ延び、断面がV字状の凹部5A、凹部5Bが形成されている。また、凹部5A、5Bの最も深い個所(つまりX字形状を形成するV字状の凹部の頂点)をそれぞれ凹部の底12A、12Bと定義する。図3には図2の領域Zを拡大した図を示している。凹部の底は、図示のように厳密には曲率半径を有していてもよい。この場合は、凹部の底とは、図示のとおり、凹部のV字状の側面を延長させた交点と定義する。図3のような曲率半径を有する形状は、ねじり変位による応力集中を緩和できるという利点がある。
更に、凹部5A、5Bの開口部分と底12A、12Bの位置関係が90度回転した向きに、凹部5C、5D、凹部の底12C、12Dが形成される。すなわち、X字形状のねじりバネの側面に形成された凹部5C,5Dのそれぞれの底が12C、12Dである。以上のように4個の凹部5A、5B、5C、5Dによって、ねじりバネ3の断面は、X字形状となっている。
そして、凹部5A、5Bの開口部分の幅Wgは、ねじりバネ(支持基板)の厚さtに対して、以下のような寸法範囲で形成されている。
Wg<t/tan54.7° (式1)
式1の関係を満たすことで、凹部5A、5Bが貫通して1つの貫通孔にならず、X字形状のねじりバネを作製することができる。ねじりバネに形成されたそれぞれの凹部の表面は単結晶シリコンの(111)等価面(即ち、{111}面)で構成されている。
尚、図1では支持基板2とねじりバネ3との接続部分、及び可動部6とねじりバネ3との接続部分からねじりバネの凹部5A、5Bを形成している。しかし、これらの凹部を形成する位置はそれぞれの接続部分から若干ねじりバネの中央部側へずらしてもよい。この様に凹部を形成する位置をずらすことにより、それぞれの接続部分への応力の集中を防止することができる。
一方、図4は図1のC−C´線での可動部6の断面図である。可動部6は、図示の通り表面13と裏面14を有している。また、表面13、裏面14はそれぞれねじりバネ3の上面10、下面11と同一平面である。本実施形態の、表面13(すなわち上面10)と裏面14(すなわち下面11)方向の寸法を、基板の厚さtとする。つまり、支持基板2、ねじりバネ3、可動部6の厚さは基板の厚さtと同じである。
そして、本実施形態の揺動体装置は、ねじり軸Bまわりにねじり振動の固有振動モードを有する。その周波数fは以下の式で表すことができる。
f=1/(2・π)・√(2・K/I) (式2)
ここで、Kは1つのねじりバネ3のねじり軸Bまわりのねじりバネ定数、Iは可動部6のねじり軸Bまわりの慣性モーメントを示している。このような、固有振動モードの周波数fは、例えば、後述する光偏向器での応用のように、駆動周波数をこれとほぼ一致させることで省電力な駆動を実現できる。よって、周波数fが駆動周波数を決定してしまうため、周波数fの製造ばらつきが小さいことが望ましい。
しかし、基板の厚みtに誤差があると、可動部6の厚さ自体が誤差を生じるため、慣性モーメントは正確な値にはならない。
前述のように、Iは可動部6のねじり軸Bまわりの慣性モーメントである。よって、可動部6の微小部分dmとねじり軸Bの距離をrとすると、可動部の慣性モーメントIは以下の式で表される。
Figure 2009025617
ここで、式3のVは可動部6の形状全体にわたっての積分を示している。したがって、厚みtの基板に厚み誤差があると、可動部6の厚さ自体が厚さtからずれてしまい、慣性モーメントの値は正確な値とはならない。ここで、基板の想定厚さをt、誤差を有する基板の厚さをtとし、基板の厚み誤差t−tをΔtとする。また、Iは想定厚さtにおける慣性モーメントである。そして、式3のVは厚み誤差により変化するため、慣性モーメントにも誤差が生じる。誤差が生じた慣性モーメントをIとする。このとき、慣性モーメントの誤差I−IをΔIとする。そして、厚み誤差に対する慣性モーメントの変化率α(可動部6の慣性モーメントの厚み誤差係数)は以下のようになる。
α=(ΔI/I)/(Δt/t) (式4)
つまりαは、基板に厚み誤差Δtがある場合に可動部の慣性モーメントがどの程度変化するかを表す係数である。
よって、式4より誤差を含んだ慣性モーメントIは、次のようになる。
=I(1+α・(Δt/t)) (式5)
一方、ねじりバネ3についても、基板の厚みtに誤差があると、ねじり軸Bまわりのねじりバネ定数Kは、式6のようなねじりバネ定数Kとなる。
=K(1+α・(Δt/t)) (式6)
ここで、式6のαを、ねじりバネ3のねじりバネ定数の厚み誤差係数と呼ぶ。この係数は、基板に厚み誤差Δtがある場合に、ねじりバネのねじりバネ定数がどの程度変化するかを表す係数である。
本発明の揺動体装置は、ねじりバネ定数の厚み誤差係数αをαiとほぼ等しくすることで、ねじりバネ定数Kと慣性モーメントIの比で決定される周波数fの誤差を低減することが可能となる。すなわち、式2のKとIに、式5のItと式6のKを代入すると、式2のK/Iの部分が、K(1+α・(Δt/t))/I(1+α・(Δt/t))となる。よって、αとαをほぼ等しい値とすることで1+α・(Δt/t)と1+α・(Δt/t)をほぼ等しい値とすることができ、K(1+α・(Δt/t))/I(1+α・(Δt/t))の値に対するウエハの厚み誤差の影響を低減することができる。
以下、本発明のねじりバネ定数の厚み誤差係数αを慣性モーメントの厚み誤差係数αiとほぼ等しくする方法について説明する。
まず、ねじりバネ3のねじりバネ定数Kは、ねじりバネ3の横弾性係数をG、ねじりバネ3の長さをLsとすると、
K=J・G/Ls (式7)
の関係がある。このとき、Jで示した係数をねじり係数と呼ぶ。このねじり係数Jは、ねじり状態の断面形状に応じて生じるせん断応力から決定される値であり、ねじりバネの断面形状に依存する値である。例えば、ねじりバネの断面積が円形の場合は、断面2次極モーメントとなるが、一般的な断面形状の場合は断面に渡って分布するせん断応力を積分したトルクとの関係から得ることができる。したがって、断面形状を決定すれば有限要素法などを用いた数値解析によって、ねじり係数Jを精度よく算出することができる。本実施形態の発明においては、各々のL1/L2を有するX字形状の断面を有する構造体のねじり係数を、数値解析によって算出している。
式7に示すように、Kを決定するパラメータ、J、G、Lsにおいて、基板の厚みにより変化する項目は断面形状に依存するパラメータであるJのみである。したがって、ねじりバネ定数の厚み誤差係数αは、ねじり係数Jの厚みに対する変化率(すなわち、ねじり係数の厚み誤差係数)と等しい。ねじり係数Jは、想定厚さtから厚み誤差によって断面がどのように変化するかにより決定される。
そこで、想定厚さtから誤差が生じた場合の形状誤差を説明するため、断面がX字形状であるねじり軸と可動部の製造方法について説明する。図5、図6は、ねじりバネ3のX字形状の断面と可動部6の製造方法を示す断面図である。本実施形態の揺動体装置は、単一のシリコンウエハ100から、1回のエッチング工程によって、ねじりバネ3のX字形状の断面と可動部6が製造される。
図5(a)〜(c)は、図2に示したねじりバネ3の断面が製造される様子を示している。まず、(a)のように、結晶方位が<100>方向であるシリコンウエハ100の両面にエッチングマスク部101を形成する。例えば、シリコンウエハの上下面にシリコン窒化膜を成膜し、それをドライエッチングすることによって形成することができる。エッチングマスク部101の寸法Wgは、上述の式1の関係を満たし、寸法Wg、Wsを適切な値とすることで、厚みtのウエハに対して、L1/L2を所望の値とすることができる。また、上面10、下面11の位置は、シリコンウエハの(100)等価面となり、X字形状の斜面が(111)等価面となる。(111)等価面によって断面形状を形成すると異方性エッチングによって正確に形状を形成できるという利点がある。
続いて、シリコンの結晶異方性エッチングを行う。エッチング液としては、例えば、水酸化カリウム水溶液を用いることができる。このエッチングは、エッチングレートが結晶方位に依存するので、エッチングが進行すると、(b)に示すように、凹部5A、5Bが形成される。更にエッチングが進むと、(c)のように、凹部5C、5Dが形成されエッチングを終了する。以上のように、単一のシリコンウエハ100から、1回のエッチング工程によって、(c)のような凹部5A、5B、5C、5Dを有するX字状のねじりバネ3を形成することができる。
図6(a)〜(c)は、シリコンの異方性エッチングを行った際の、可動部6がエッチングされる様子を示している。図6は、図4の破線で囲んだZ領域を示している。可動部6も(c)に示すように、側面が(111)等価面となる。このため、異方性エッチングによって正確に形状を形成できるという利点がある。
そして、貼り合わせ界面のない単一のシリコンウエハを用いることによって、揺動体装置がねじり振動する際の材料の内部摩擦が小さく、振動モードの振動のQ値が大きな可動部を形成できる。また、本実施形態に係る揺動体装置は、貼り合わせ界面がないので、貼り合わせ界面で破損することはない。
基板の厚さtが想定厚さtから誤差を持つ場合、寸法Wg、Wsは影響を受けないが、完成される凹部の底12A、12B、12C、12Dの距離L1、L2は影響をうける。これにより、X字形状の断面は次のように変化する。すなわち、厚みtが想定厚さtより大きくなれば、L1は大きく、L2は小さくなる。逆に厚みtが想定厚さtより小さくなれば、L1は小さく、L2は大きくなる。これは、ねじりバネ3が単一ウエハのシリコン結晶面の(111)等価面を利用した形状であるため、厚さtの誤差に対して、凹部5A、5Bの深さは不変であるが、凹部5C、5Dの深さは変化するためである。そのため、ねじりバネ3の断面の変化は、L1/L2の値を用いて表現することができる。そして、L1/L2をパラメータとしたねじりバネ3のねじりバネ定数Kの厚み誤差係数αは、図7となる。
図7の曲線は、それぞれのL1/L2の値に対してのねじり係数Jの厚みに対する変化率(Δt/tに対するねじり係数の変化率ΔJ/J)、すなわち、ねじりバネ定数の厚み誤差係数αを、数値解析により求めてプロットしたものである。つまりαは、L1/L2に対するねじり係数Jの関数を厚みtで偏微分した値である。
図7の曲線は、L1/L2が約2のとき、αが0となり、L1/L2が2以下の領域で、αを正の様々な値とすることができる。一方、L1/L2が2以上の領域とすると、αを負の値とすることもできる。
図8は、図7のパラメータの対応関係を逆にして、横軸をねじりバネ定数の厚み誤差係数α、縦軸をL1/L2としたグラフである。図8の曲線は、以下のような数式でフィッティングを行うことができる。
L1/L2=C1・Exp{C2・(α+C3)}+C4・α+C5 (式8)
ここで、C1、C2、C3、C4、C5は以下のとおりである。
C1=5.0×10^−1
C2=−4.4
C3=4.6×10^−2
C4=−6.0×10^−1
C5=1.6
したがって、可動部6の慣性モーメントの厚み誤差係数αと等しくなるL1/L2を式8から決定することができる。
よって、ウエハの厚み誤差よるねじりバネ3のバネ定数の変化と、ウエハの厚み誤差による可動部6の慣性モーメントの変化とをほぼ等しくすることができるため、振動モードの周波数fの誤差を小さくすることが可能となる。
尚、図8においてL1/L2に対するねじりバネ定数の厚み誤差係数αの値に誤差が生じる場合もある。例えば、200μmのウエハを用いた場合の慣性モーメントの厚み誤差係数に10%の誤差が生じた場合、式8のC5の値の範囲は、1.5<C5<1.7となる。この範囲は、図8の破線で表した領域に相当する。
このC5の範囲は、200μm以外の厚みを持ったウエハにおいても適用できる値である。しかし、振動時の可動部の変形を抑制することを考慮すると、可動部の厚さを200μ以上とすることが好ましい。
次に、例えば図1に示す揺動体装置の可動部6を、ウエハの想定厚さ300μm、ねじり軸Bの方向の長さを0.8mm、幅を3.2mmとした場合について説明する。このとき、可動部6の想定慣性モーメントIは、1.216×10^―12 kg・m^2である。今、厚さ300μmに±10μmの誤差がある場合を想定する。その場合の、慣性モーメントの変化は図9となる。図示のように、厚み誤差の範囲で、慣性モーメントの変化は一次関数で表されることがわかる。図9の一次関数が示す傾きと想定厚さt=300μm、想定慣性モーメントI=1.216×10^―12 kg・m^2から、式4を用いれば、慣性モーメントの厚み誤差係数αは、0.780となる。ここで、αは、可動部6の構成により決定される量であり、可動部6の幅や長さが変化した場合や、可動部6に別の部品を形成した場合などにより、様々な値となり得る。
そして、式8から、ねじりバネ3のL1/L2を決定し1.13となっている。このとき、ねじりバネ3のWg、Ws、Lsはそれぞれ152μm、288μm、5500μmである。本実施形態の揺動体装置は想定の固有振動モードの周波数が4.54kHzである。図10には、本実施形態の揺動体装置のウエハ厚さに誤差が生じた場合の固有振動モードの周波数の誤差を示している。また、比較のため、本実施形態に係る発明を考慮しないで作成した揺動体装置の例として、L1/L2=1.41(Wg=144μm,Ws=281μm,Ls=5500μm)の場合の周波数誤差を示した。本実施形態の揺動体装置は、周波数誤差は変動幅が0.39%である。一方、本実施形態に係る発明を考慮しないで作成した揺動体装置(L1/L2=1.41)の場合は、1.39%である。このように、本実施形態の揺動体装置は、L1/L2を可動部6に適した値とすることにより、ウエハ厚さに対する誤差固有振動モードの周波数誤差を低減できる。更に、基板の厚さを高精度にそろえる必要がないため、揺動体装置を安価に製造することができる。
また、本実施形態に係る揺動体装置を光偏向器として用いる場合は、可動部6の表面13にアルミを蒸着し、反射面(不図示)を形成する。このとき、駆動手段として支持基板2に図示しないPZT圧電体で構成された加振手段を接続し、支持基板2に揺動体装置のねじり軸Bまわりの固有振動モードの周波数付近の微小な振動を導入する。これにより、可動部6を大きな変位角でねじり軸Bまわりに振動することが可能となり、光を走査する光偏向器とすることができる。
(第2の実施形態)
図11(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態に係る揺動体装置を示す図である。
図11(a)は、揺動体装置の上面図、(b)はD−D´線での断面図を示している。なお、図11では、図1と同一部分は同一符号を付している。図11(a)に示すように、第2の実施形態の揺動体装置は、第1の可動部8が支持基板2に対して、第1のねじりバネ15によりねじり軸Bを中心にねじり振動可能に支持されている。そして、第2の可動部9は、第1の可動部8に対して、第2のねじりバネ16によりねじり軸Bを中心にねじり振動可能に支持されている。ここで、第1の可動部8、第1のねじりバネ15、第2の可動部9、第2のねじりバネ16を可動系とよぶ。
このように、第2の実施形態の揺動体装置の可動系は、ねじり軸Bまわりのねじり振動について、2自由度振動系を形成している。そして、ねじり軸Bまわりに基準周波数の固有振動モードである基準振動モードと、その略2倍の周波数を有する2次振動モードを有している。尚、本発明において略2倍とは、1.98から2.02の範囲のことである。第1の可動部8、第2の可動部9のねじり軸Bまわりの慣性モーメント(それぞれI1、I2)に対して、上記2つの振動モードを有するように、第1のねじりバネ15、第2のねじりバネ16のねじりバネ定数(K1、K2)が決定されている。尚、本実施形態では2次振動モードの周波数を基準振動モードの周波数の略2倍としたが、この値は略整数倍であればどのような値を用いてもよく、振動に応じてこの値を変えることができる。本発明において略整数倍とは、nを2以上の整数とした場合、0.98nから1.02n倍のことである。
図11(b)は、図11(a)D−D´線での第1の可動部8の断面図を示している。第1可動部8には、駆動手段として図示の方向に磁極を有する永久磁石7が、表面13、裏面14の両面に接着されている。図示しないコイルに交流を通電することにより発生する交流磁界によりトルクを発生させ、上記2つの振動モードを同時に励起する。このように2倍の関係を有する2成分を良好な振幅比、位相差で励起すれば、走査角の時間変化を正弦波状ではなく、略のこぎり波状にすることができる。これにより、走査の角速度を略一定とできる。
また、本実施形態に係る揺動体装置の第2の可動部に反射面4を形成することで、光偏向器として用いることもできる。
本実施形態の揺動体装置は、第1の実施形態で説明した、図5、図6に示す製造工程で製造される。ここで、第1のねじりバネ15、第2のねじりバネ16は、図2示すような凹部12A、12B、12C、12Dを有するX字形状の断面を有している。しかし、第1のねじりバネ15、第2のねじりバネ16のそれぞれのWg、Wsの寸法は異なっている。第1のねじりバネ15、第2のねじりバネ16の凹部12A、12Bの互いの底を結ぶ距離と、12C、12Dの互いの底を結ぶ距離を、それぞれ第1のねじりバネ15についてはL1とL2、第2のねじりバネ16については、M1、M2とする。
本実施形態においても、貼り合わせ界面のない単一のシリコンウエハを用いることによって、揺動体装置がねじり振動する際の材料の内部摩擦が小さく、振動モードの振動のQ値が大きな可動部を形成できる。また、本実施形態に係る揺動体装置は、貼り合わせ界面がないので、貼り合わせ界面で破損することはない。
本実施形態では、距離L1、距離L2、距離M1、距離M2の、L1/L2、M1/M2を以下に示す関係から決定される値とすることにより、揺動体装置の2つの振動モードの周波数のいずれも、基板の厚さtの誤差に対して変動を低減することが可能となる。
第1の可動部8、第2の可動部9の慣性モーメントの厚み誤差係数をαi1、αi2とする。また、第1のねじりバネ15、第2のねじりバネ16のねじりバネ定数の厚み誤差係数をαk1、αk2とする。すると、I1、I2、K1、K2、αi1、αi2の値によって構成される2自由度振動系では、2つの振動モードの周波数の変動を低減可能なαk1、αk2が存在する。本実施形態の揺動体装置では、第1の実施形態の場合と同様の手法(式8参照)を用いることで、このような値となるようなL1/L2、M1/M2を決定することができる。
I1、I2、K1、K2で構成される2自由度振動系において、振動モードの振幅、位相関係で構成されるモードマトリックスを求めることができる。このモードマトリックスによって、実際の座標系(本実施形態の場合、第1の可動部8、第2の可動部9のねじり軸Bまわりのそれぞれの変位角)を座標変換し、主モード座標系とする。すると、2自由度振動系においても、2つの振動モードが互いに連成せず、2つの1自由度振動系として記述できる。つまり、主モード座標系においては、2つの振動モードの周波数は、主モード座標系における慣性モーメントとねじりバネ定数を用いれば式2の形であらわされる。そこで、この座標系における2つの1自由度振動系に対して、慣性モーメントの厚み誤差係数αi1、αi2を導入する。そして、この2つの1自由度振動系の主モード座標系において、慣性モーメントとねじりバネ定数の厚み誤差係数を等しくするように、αk1、αk2を求める。すると、以下の関係となる。
αk1=Q1・αi1+Q2・αi2 (式9)
αk2=Q2・αi1+Q1・αi2 (式10)
Q1=(I2・K1−I1・K2)/{I2・K1−(I1+I2)・K2} (式11)
Q2=(I2・K2)/{(I1+I2)・K2−I2・K1} (式12)
式9および式10のαk1、αk2を用いると、本実施形態の2つのねじりバネのL1/L2、M1/M2は式8を用いて以下のようになる。
L1/L2=C1・Exp{C2・(αk1―C3)}+C4・αk1+C5 (式13)
M1/M2=C1・Exp{C2・(αk2―C3)}+C4・αk2+C5 (式14)
C1=5.0×10^−1
C2=−4.4
C3=4.6×10^−2
C4=−6.0×10^−1
C5=1.6
したがって、第1の可動部8の慣性モーメントの厚み誤差係数αi1、及び第2の可動部9の慣性モーメントの厚み誤差係数αi2と等しくしくなるL1/L2、M1/M2を式13、式14から決定することができる。
以上のような方法を用いることにより、第1及び第2のねじりバネ定数の厚み誤差係数αk1、αk2と第1及び第2の可動部の慣性モーメントの厚み誤差係数αi1、αi2とを等しくすることができる。よって、本実施形態においては、基板の厚さtの誤差に起因する2つの振動モードの周波数の変動を低減することが可能となる。
尚、図8においてL1/L2に対するねじりバネ定数の厚み誤差係数αの値に誤差が生じる場合もある。例えば、200μmのウエハを用いた場合の慣性モーメントの厚み誤差係数に10%の誤差が生じた場合、上記式のC5の値の範囲は、1.5<C5<1.7となる。この範囲は、図8の破線で表した領域に相当する。
このC5の範囲は、200μm以外の厚みを持ったウエハにおいても適用できる値である。しかし、振動時の可動部の変形を抑制することを考慮すると、可動部の厚さを200μ以上とすることが好ましい。
次に、図11に示す揺動体装置を基板の想定厚さが300μmである基板を用いて作製した場合について説明する。
図12は、本実施形態の揺動体装置において、想定厚さ300μmの基板に誤差が生じた場合の2つの振動モードの周波数の誤差を百分率で示している。図12では、中実丸印が、本発明を適用した場合の基準振動モード、中実三角印が本発明を適用した場合の2次振動モードの誤差を示している。また、中空印は本発明を適用しない場合の、2つの振動モードの誤差を示している。
本実施形態の揺動体装置は、
I1=4.781×10^―12 kg・m^2
I2=1.217×10^―12 kg・m^2
K1=1.401×10^−2 Nm/rad
K2=6.729×10^−3 Nm/rad
αi1=0.3553
αi2=0.7556
であり、第1のねじりバネ15、第2のねじりバネ16の断面形状はそれぞれ、
L1/L2=1.3(このとき第1のねじりバネ15のWg=106μm、Ws=328μm)
M1/M2=1.3(このとき第2のねじりバネ16のWg=143μm、Ws=287μm)
である。
一方、中空印では、
L1/L2=1.4
M1/M2=1.4
である。
本実施形態の揺動体装置では、想定厚さ300μmに対して±10μmの誤差を有しても、2つの振動モードの周波数がそれぞれ±0.1%しか変動しないことがわかる。これは、一般に入手可能なシリコンウエハの標準的な厚み誤差において、正確な周波数を実現できることを示している。また、2つの周波数の誤差の割合はほぼ同じであるため、2つの周波数を2倍の関係を保ったままとすることができる。更に、想定厚さにおける周波数に対して、厚さが増しても、減じても、低周波数側にしか変動しない。したがって、例えば、厚みで生じた周波数誤差の調整を慣性モーメントを減ずる方法(つまり周波数を高周波数へシフトさせる方法)のみで行うことができる。可動部の慣性モーメントを減ずる方法としては、可動部の一部にトリミング用のタブを設け、このタブをレーザ光により切断する方法や、可動部の一部にレーザ光を照射し可動部の部材の一部を蒸発させて質量を減ずる方法がある。
以上のように、本実施形態では、L1/L2、M1/M2を好適な値とすることにより、2つの固有振動モードのいずれの周波数も厚さの誤差にあまり依存せず、揺動体装置を安定に製造可能となる。また、2つの周波数変動の比率もほぼ等しくなるため、整数倍の関係を厚み誤差にあまり依存せず安定とすることができる。そして、基板の厚さを高精度に揃える必要がないため、揺動体装置を安価に製造可能となる。
一般的にシリコンで形成される揺動体装置はQ値が大きいため、固有振動モードの周波数でのピークが鋭く、この周波数からずれると駆動効率が低減する。しかし、本発明を用いることで、固有振動モードの周波数を持った揺動体装置を精度よく作製することができる。したがって、本発明を用いることで少ない電力で大きな走査を実現する揺動体装置を提供することができる。
(第3の実施形態)
図13は、本発明の光偏向器を用いた光学機器の実施形態を示す概略斜視図である。
まず、光学機器の一つである画像形成装置について説明する。図13において、3003は本発明の光偏向器であり、本実施形態では入射光を走査する。3001はレーザ光源である。3002はレンズ或いはレンズ群であり、3004は書き込みレンズ或いはレンズ群、3005は感光体である。
レーザ光源3001から射出されたレーザ光は、光の偏向走査のタイミングと関係した所定の強度変調を受けている。この強度変調光は、レンズ或いはレンズ群3002を通って、光走査系(光偏向器)3003によりに走査される。この走査されたレーザ光は、書き込みレンズ或いはレンズ群3004により、感光体3005上に画像(静電潜像)を形成する。
走査方向と直角な方向に回転軸の回りに回転される感光体3005は、図示しない帯電器により一様に帯電されており、この上に光を走査することによりその走査部分に静電潜像が形成される。次に、図示しない現像器により静電潜像の画像部分にトナー像が形成され、これを、例えば、図示しない用紙に転写・定着することで用紙上に画像が形成される。
そして、本発明の光偏向器3003を画像形成装置に用いることで、良好な画像を形成することが可能となる。また、第2の実施形態の光偏向器を用いれば光の偏向走査の角速度を感光体3005上で略等角速度とすることもでき、より鮮明な画像を生成できる画像形成装置を提供することができる。
また、本発明に係る光偏向器をプロジェクションディスプレイなどの画像表示装置に用いる場合は、以下のような構成とする。画像データに基づいて変調された光ビームを発生する光源からの光ビームを、本発明に係る光偏向器で偏向し、該光ビームを被照射体に照射することで画像を形成する。光偏向器は、光ビームを被照射体上の主走査方向と副走査方向に偏向できるような構成とする。
上記の様に、本発明に係る光偏向器はこのような光学機器にも適用することができる。
本発明の第1の実施形態の揺動体装置を示す上面図である。 本発明のねじりバネを示す断面図である。 本発明の凹部12Aの底の拡大図である。 本発明の可動部を示す断面図である。 (a)、(b)、(c)本発明のねじりバネの製造方法を示す断面図である。 (a)、(b)、(c)本発明の可動部の製造方法を示す断面図である。 本発明のL1/L2とねじりバネ定数の厚み誤差係数を示すグラフである。 本発明のねじりバネ定数の厚み誤差係数とL1/L2を示すグラフである。 厚さ300μm±10μmのウエハを用いた場合の慣性モーメントの変化を示す図である。 本発明の第1の実施形態の基板厚さと周波数誤差を示すグラフである。 (a)本発明の第2の実施形態の揺動体装置を示す上面図である。(b)本発明の第2の実施形態の揺動体装置の可動部の断面図である。 本発明の第2の実施形態の基板厚さと周波数誤差を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態の光学機器を示す斜視図である。
符号の説明
2 支持基板
3 ねじりバネ
4 反射面
5A 5B 5C 5D 凹部
6 可動部
7 永久磁石
8 第1の可動部
9 第2の可動部
10 上面
11 下面
12A 12B 12C 12D 凹部の底
13 表面
14 裏面
15 第1のねじりバネ
16 第2のねじりバネ
100 シリコンウエハ
101 エッチングマスク部
3001 光源(レーザ光源)
3003 光偏向器(光走査系)
3005 感光体

Claims (12)

  1. 支持基板とねじりバネと可動部とを含み、
    前記可動部が、前記ねじりバネによって、前記支持基板に対してねじり軸を中心にねじり振動可能に支持されている揺動体装置であって、
    前記ねじりバネは、X字形状の前記ねじり軸に垂直な断面と、単結晶シリコンの(100)等価面で構成された上面及び下面とを有し、該上面及び該下面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L1と、前記X字形状のねじりバネの側面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L2と、前記支持基板の厚さtの変化に対しての前記可動部のねじり軸まわりの慣性モーメントの変化率αとが、
    L1/L2=C1・Exp{C2・(α+C3)}+C4・α+C5
    前記C1、C2、C3、C4、C5は、それぞれ
    C1=5.0×10^−1
    C2=−4.4
    C3=4.6×10^−2
    C4=−6.0×10^−1
    1.5<C5<1.7
    の関係であることを特徴とする揺動体装置。
  2. 前記C5は、1.6であることを特徴とする請求項1に記載の揺動体装置。
  3. 前記支持基板、前記ねじりバネ、前記可動部、及び前記凹部は一体の単結晶シリコンで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の揺動体装置。
  4. 前記ねじりバネの前記凹部は(111)等価面で構成された表面を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の揺動体装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の揺動体装置の前記可動部に、光を反射する反射面、及び前記可動部を支持基板に対して駆動するための駆動手段を備えていることを特徴とする光偏向器。
  6. 支持基板と、
    第1の可動部と、該第1の可動部を前記支持基板に対してねじり軸を中心に第1のねじりバネ定数(K1)でねじり振動可能に支持する第1のねじりバネと、第2の可動部と、該第2の可動部を前記第1の可動部に対して前記ねじり軸を中心に第2のねじりバネ定数(K2)でねじり振動可能に支持する第2のねじりバネとを含む可動系と、を有する揺動体装置であって、
    前記可動系は、基準周波数の固有振動モードである基準振動モードと、前記基準周波数の略整数倍の固有振動モードである2次振動モードとを有し、
    前記第1及び第2のねじりバネは、X字形状の前記ねじり軸に垂直な断面と、単結晶シリコンの(100)等価面で構成された上面及び下面とをそれぞれ有し、
    前記第1のねじりバネの上面及び下面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L1と、前記X字形状の側面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L2と、
    前記第2のねじりバネの上面及び下面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離M1と、前記X字形状の側面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離M2と、
    前記支持基板の厚さtの変化に対しての前記第1の可動部および前記第2の可動部の慣性モーメント(それぞれI1、I2)の変化率(それぞれαi1、αi2)とが、
    L1/L2=C1・Exp{C2・(αk1+C3)}+C4・αk1+C5
    M1/M2=C1・Exp{C2・(αk2+C3)}+C4・αk1+C5
    αk1=Q1・αi1+Q2・αi2
    αk2=Q2・αi1+Q1・αi2
    Q1=(I2・K1−I1・K2)/{I2・K1−(I1+I2)・K2}
    Q2=(I2・K2)/{(I1+I2)・K2−I2・K1}
    前記C1、C2、C3、C4、C5は、
    C1=5.0×10^−1
    C2=−4.4
    C3=4.6×10^−2
    C4=−6.0×10^−1
    1.5<C5<1.7
    の関係であることを特徴とする揺動体装置。
  7. 前記C5は、1.6であることを特徴とする請求項6に記載の揺動体装置。
  8. 前記支持基板、前記第1のねじりバネ、前記第2のねじりバネ、前記第1の可動部、前記第2の可動部は一体の単結晶シリコンで構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の揺動体装置。
  9. 前記第1のねじりバネおよび第2のねじりバネの前記凹部は、(111)等価面で構成された表面を有する請求項6乃至8のいずれか一項に記載の揺動体装置。
  10. 請求項6乃至9のいずれか一項に記載の揺動体装置の第1の可動部または第2の可動部は光を反射する反射面を有し、
    前記第1の可動部または第2の可動部の少なくとも1つは前記可動系を前記支持基板に対して駆動するための駆動手段を備え、且つ、前記可動系は前記基準振動モードと前記2次振動モードとで同時に振動されることを特徴とする光偏向器。
  11. 光源と、請求項5又は10に記載の光偏向器と、感光体を有し、前記光偏向器は、前記光源からの光を偏向し、該光の少なくとも一部を前記感光体に照射し静電潜像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  12. 光源と、請求項5又は10に記載の光偏向器と、を有し、
    前記光源からの光ビームを前記光偏向器で偏向し、該光ビームを被照射体に照射することで画像を形成することを特徴とする画像表示装置。
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