JP2009025322A - 光ファイバアレイおよびその光ファイバアレイを用いた多チャンネル光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型で、製造が容易で、信頼性が高く、クロストークの抑制が充分にでき、安価な2×N光ファイバアレイとその製造方法および光ファイバアレイを用いた多チャンネルモジュールを提供する。
【解決手段】 基板上にV溝を形成し、該V溝によって光ファイバを収容整列させた一対のV溝基板を構成し、該V溝基板におけるV溝側、即ち、光ファイバの整列面同志を対向させて組み合わせ、対向位置に収容整列させたN組の各2本の光ファイバ同志が、該V溝基板の基板面に対して垂直に概ね接触して整列した状態の2×N光ファイバアレイを作製して解決した。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板上にV溝を形成し、該V溝によって光ファイバを収容整列させた一対のV溝基板を構成し、該V溝基板におけるV溝側、即ち、光ファイバの整列面同志を対向させて組み合わせ、対向位置に収容整列させたN組の各2本の光ファイバ同志が、該V溝基板の基板面に対して垂直に概ね接触して整列した状態の2×N光ファイバアレイを作製して解決した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、Nを自然数即ち正の整数として、2×Nの配列を有する2xN光ファイバアレイおよびその光ファイバアレイを用いた多チャンネル光モジュールに関するものである。
光ファイバを、所定のピッチで複数本整列させて固定した光ファイバアレイは、平面光波回路に対して入出力ファイバを接続するための部品として多用されている。
光ファイバアレイは、ガラスやシリコン等の基板の表面に、研削や化学エッチングによって所定のピッチでV溝を形成し、そのV溝に光ファイバを収容整列させ、整列させた光ファイバを上方から押さえ板で押さえ、接着剤で固定して作製される。光ファイバアレイの端面は、通常、基板表面(即ち、光ファイバの光軸)に対して垂直軸から8度程度傾けて研磨されている。
図3に、従来の4チャンネルの光ファイバアレイの例を示すが、(a)は側面から見た説明図、(b)は上方から見た説明図であり、(c)は端面側から見た側面図で光ファイバの整列状態を示した図である。ガラス製の基板1にV溝3を形成し、この溝に先端部の被覆を除去した光ファイバ4を収容し、リッド2で押さえ、接着剤層5で固定したものである。光ファイバ4は固定剤6で基板1にも固定されている。光ファイバは、V溝とリッドで極めて高い精度で固定する必要がある。光ファイバの整列のピッチは、通常、250μmであるが、127μmの狭ピッチのものもあり、光ファイバのコアの位置ずれは所定の位置から0.5μm以内で作製される。
平面光波回路は、ガラス材料を用いて、ガラスやシリコン基板上に形成されるが、平面光波回路に光信号を入出力させるために、光ファイバが接続される。この平面光波回路に光ファイバを接続させるために、通常、光ファイバアレイが用いられる。この光ファイバアレイが収容する光ファイバの本数は、8芯程度から128芯程度まで平面光波回路の用途に応じて作製される。
従来の光ファイバアレイを使用して平面光波回路に入出力ファイバを接続した例を図4に示す。これは、1つの入力信号を4つに分岐するスプリッタに応用した例である。平面光波回路(スプリッタ)12に対し、4チャンネルの光ファイバアレイ11aと単チャンネルの光ファイバアレイ11bを接続したものである。このようなスプリッタは、FTTH(Fiber To The Home)ネットワーク用の部品として使用されている。このように、光ファイバアレイは一平面上に光ファイバを整列させた部品として極めて有用である。
さて、光ファイバネットワークに用いられる各種の光部品は、極めて多岐にわたるが、所定の光信号のみを切り出したりするフィルタや所定の光信号パワーの一部を切り出したりするタップのような部品は光信号処理や光信号モニターに不可欠な部品であり、光ネットワークの随所に用いられている。
図5は、このような光部品の基本的な構成の例として、単チャンネルの光フィルタモジュールを示したものである。入力信号光のうち、所定の波長の光信号のみがフィルタによって切り出され、残りの信号光はフィルタによって反射され出力ファイバに出力される機能を有する。即ち、光ファイバ4aから入力した光信号は、コリメートレンズ22aでコリメートされ、フィルタ23によって所定の波長の光信号のみが切り出され、コリメートレンズ22bで光ファイバ4cに結合されて出力される。残りの信号光は、フィルタ23で反射され、コリメートレンズ22aで光ファイバ4bに結合されて出力される。これらの部品は、いわゆる4F配置することでこのような機能を低損失で実現できる。また、光ファイバ4a,4bは、2芯フェルール21aで、光ファイバ4cは、1芯フェルール21bで保持されている。特に、入出力用の2芯側の光ファイバは、小型化のため近接して、例えばコア間距離が127μmとなるよう配置されている。このように、これらのモジュール構成は、基本的に、入出力光ファイバが1x2の構成をしている。
同様な例として、フィルタの代わりにビームスプリッタを配置したタップモジュールがある。これは、ビームスプリッタにより、入力した光信号の一部(通常は、2〜5%)を透過させて光信号の一部を切り出して、フォトダイオード(PD)で受光するもので、入力信号の有無やその大きさをモニターするためのモジュールである。即ち、タップモニターモジュールは、光フィルタ23の代わりにビームスプリッタを配置し、光ファイバ4cの代わりにフォトダイオード(PD)を配置するものである。これによって信号光パワーをモニターする機能を有している。
光ネットワークの普及につれて、上記のような単チャンネルのモジュールに代わって、複数の信号光を処理するために多チャンネル化したモジュールが用いられている。例えば、光フィルタに対しては、平面光波回路によるアレイ導波路格子がある。アレイ導波路格子は、一般に、40チャンネル以上とチャンネル数が多く、高価である等の問題がある。これに対して、1x2構成の基本モジュールを少数(例えば、4〜8チャンネル)多チャンネル化することのできるモジュールを用いれば、初期投資を抑制して需要に応じた設備投資で対応することができる利点があるが、結果的にパッケージは小さくならないという問題がある。
多チャンネル化する場合、最も簡便には、単チャンネルのモジュールを小型化し、複数チャンネルを1個のパッケージに収容することで対応することができる。この場合には、小型化にも限度があることから、価格の低減に対する効果は低い。従って、アレイ化された部品を用いることが有利となる。
1x2構成で多チャンネル化する場合、2芯側の光ファイバの整列保持の構成をどのように実現するかが課題となる。これに対して、光ファイバアレイを用いて狭ピッチで配列し、隣り合うファイバを2芯側のフェルールに対応させることによって平面状の光ファイバ保持部を作製することが可能である。しかしながら、これには、次の問題が生じる。2芯側の光ファイバは近接して配置する必要があるが、通常の光ファイバアレイでは、光ファイバは同一の平面上に整列され、この場合の配置のピッチは、光ファイバの直径が125μmなので、127μmとされている。一方、1芯側は、通常の250μmピッチとなるので、多チャンネル化した場合、ピッチずれが生じてくる。特に、タップモニターモジュールでは、1芯側の光ファイバアレイの代わりにPDアレイを配置することになるが、PDアレイのピッチが250μmなので、ピッチずれはチャンネル数が増加した場合に大きな影響を及ぼす。また、PD表面で反射した光が他のチャンネルの光ファイバに入射して、クロストークの劣化を生じさせる。従って、平面アレイを用いたタップモニターモジュールではクロストークの解決が極めて困難であり、そのため実用的な製品は作製されていないのが現状である。
タップモニターモジュールでは、光路に平面光波回路を用いたものもある。これは入出力光ファイバに対応して、該V字型の光路を形成し、それらの交差部分にフィルタやタップのチップを設置して、機能を発揮することができる。この場合は集積化できるために小型化には極めて有利である。しかしながら、回路内での光の損失が大きいことやチャンネル間でのクロストークの抑制が不十分であり、そのため、十分な特性を有するタップモニターアレイは作製されていないのが現状である。
このような問題を回避するためには、入出力光ファイバを同一平面上に整列するのではなく、各チャンネル毎に入出力ファイバを整列面と垂直方向に配置することが有効となる。そのためには、MTコネクタ様のフェルール部品を用いることで、光ファイバの保持穴を2段にして整列させることが可能となる。即ち、各チャンネルの入出力光ファイバを整列面と垂直方向に127μmピッチで配置し、これを整列面方向に250μmピッチで整列させることにより、多チャンネル用の2芯側の入出力光ファイバアレイを作製することができる。このようなフェルールは射出成形によって作製されるが、この場合、スリーブを作製するための金型が極めて高価なものになり、また、光ファイバ保持穴間の壁厚が極めて薄くなってしまうことから保持穴が変形してしまうなどの問題がある。
これまで、2×N配列を有する光ファイバアレイは開発されている。たとえば、特開2004−226940号公報(以下、特許文献1という)には、多段の光ファイバアレイの例が記載されている。これは、光ファイバを密に実装しようとしたものであり、本願発明の狙いとする1×2、もしくは2×2モジュールのアレイ化には、全く約に立たないものである。上下面での光ファイバは、基板面に対して垂直ではなく、また、水平方向への光ファイバの整列ピッチも加減することができないからである。
特開2002−72017号公報(以下、特許文献2という)には、光ファイバアレイを碁盤の目状に配列する方法が記載されているが、上面側と下面側の間には、スペーサが不可欠となっているため、上下(垂直)方向の光ファイバの整列ピッチを、例えば、127μmにすることは不可能である。
特開2000−155238号公報(以下、特許文献3という)には、光ファイバの間にダミーのファイバを規則的に挿入し、光ファイバを水平、垂直方向とも整列させることが可能であるが、整列ピッチを所定の大きさにするには、各種サイズのダミーファイバが必要になる。また、この場合は、光ファイバの間にダミーファイバを規則正しく配列させなければならないので、その作業が著しく複雑になり、とても、安価に簡便に作製できるとは考えられない。
このように、2×N配列の光ファイバアレイは作製されているが、光ファイバの位置は必ずしも光ファイバの整列面に対して垂直な面、即ち、碁盤目状の点に配置されているわけではない。さらに、仮に、光ファイバの整列面に対して垂直方向に光ファイバが整列されていたとしても、従来の技術では光ファイバ間の間隔は大きく、1×2、あるいは2×2モジュールに必要な狭間隔に配列されているものはない。2×N光ファイバアレイにおいて重要なことは、コアに対して垂直方向の光ファイバアレイ間隔が最小で、約125μmであり、水平間隔は、光機能素子の間隔である250μmにきっちりと配列できることである。
特開2004−226940号公報
特開2002−72017号公報
特開2000−155238号公報
以上説明したように、光ネットワークの普及をさらに進めるには、小型で、製造が容易で、信頼性が高く、クロストークの抑制が十分にでき、安価な光ファイバアレイおよび光ファイバアレイを用いた多チャンネル光モジュールの実現が必要である。
このような問題を回避するためには、入出力ファイバを同一平面上に整列するのではなく、各チャンネル毎に入出力ファイバを整列面と垂直方向に配置することが有効となる。そのためには、MTコネクタ様のフェルール部品を用いることで、光ファイバの保持穴を2段にして整列させることが可能となる。即ち、各チャンネルの入出力光ファイバを整列面と垂直方向に127μmピッチで配置し、これを整列面方向に250μmピッチで整列させることにより、多チャンネル用の2芯側の入出力光ファイバアレイが作製できる。このようなフェルールは射出成形によって作製されるが、この場合、スリーブを作製するための金型が極めて高価なものになり、また、光ファイバ保持穴間の壁厚が極めて薄くなってしまうことから保持穴が変形してしまうなどの問題がある。
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、本発明の目的の一つは、光ファイバの整列面を近接させて積層させる課題を解決した2xN配列の光ファイバアレイならびにそれを用いた多チャンネル光モジュールを安価に提供することにある。
本発明は前記の課題を解決せんとしてなされたものである。本発明の特徴の一つは、後述のような、対向させて配置した2つのV溝を光ファイバの位置決めに利用したことで、光ファイバの整列面に対して垂直方向にも光ファイバが配置されているところが従来とは異なる点である。
以下、具体的に本発明の例を説明する。
課題を解決せんとしてなされた本発明の例としての第1の発明(以下、発明1という)の光ファイバアレイは、Nを自然数として、対向させて配置された一対の基板の表面にそれぞれ形成された断面が概V字形状で所定の深さを有し該V溝の開口部が対向して配置された一対のV溝(以下、該一対のV溝をV溝対という)の間に2本の光ファイバを収容整列させ、接着固定してなる光ファイバアレイであって、該V溝対の各溝のV字形の2つの斜面がそこに収容される各1本の光ファイバの位置決めとなる基準面になっており、該2本の光ファイバ同士が該V溝対の各V溝の整列方向、即ち、基板面平面方向に対して垂直方向に概接触していることを特徴とする2×N光ファイバアレイである。
発明1を展開してなされた本発明の例としての第2の発明(以下、発明2という)の光ファイバアレイは、基板表面に、断面が概V字形状で所定の深さを有する溝を複数形成し、該溝に光ファイバを収容整列させ、接着剤で固定してなる光ファイバアレイにおいて、光ファイバを整列収容した一対の基板表面同士を貼り合わせた光ファイバアレイであって、光ファイバ同士が該基板表面と垂直方向に概接触して重なり合うように張り合わせてなることを特徴とする2×N光ファイバアレイである。
発明1、発明2を展開してなされた本発明の例としての第3の発明(以下、発明3という)の光ファイバアレイは、該一対の基板表面に形成され、互いに対向するように配置されている該各V溝が概同一形状と寸法であるように形成されていることを特徴とする2×N光ファイバアレイである。
課題を解決せんとしてなされた本発明の例としての第4の発明(以下、発明4という)は前記本発明の2×N光ファイバアレイの製造方法で、断面が概V字形状で所定の深さを有する溝を複数形成した基板表面の該溝に光ファイバを収容整列させ、接着剤で光ファイバを固定し、該光ファイバを整列収容した一対の基板表面同士を一対の該V溝の開口部を対向させて配置し貼り合わせることを特徴とする2×N光ファイバアレイの製造方法である。
基板上に複数のV溝を形成し、このV溝に光ファイバを整列収容し、整列面同士を光ファイバが整列面に対して垂直方向に重なり合うように貼り付けることによって2xN配列の光ファイバアレイを構成する製造方法は、配列精度の高いアレイが極めて簡便に構成できる利点がある。
このような2xN配列の光ファイバアレイを用いれば、入出力ポートが1x2の基本構成を有する単チャンネル光モジュールを多チャンネル化した光モジュールが極めて簡便な構成で、高い精度、低い光損失で構成できる利点がある。
課題を解決せんとしてなされた本発明の例としての第5の発明(以下、発明5という)は前記本発明の2×N光ファイバアレイを用いた多チャンネル光モジュールで、入出力ポートの構成が、2x1あるいは2x2の対向型空間光学系で構成される光チャンネルを複数配置した多チャンネル光モジュールにおいて、該入出力ポートに光ファイバが接続されてなる光モジュールであって、2芯側入出力ポートに接続されている光ファイバが基板表面に、断面が概V字形状で所定の深さを有する溝を複数形成し、該溝に光ファイバを収容整列させ、接着剤で固定してなる基板表面同士を貼り合わせて形成した光ファイバアレイであり、光ファイバ同士が該基板表面と垂直方向に概接触して重なり合うように張り合わさてなる光ファイバアレイであることを特徴とする多チャンネル光モジュールである。
以上、課題を解決する手段としてなした本発明の例を説明したが、本発明は、これらに狭く限定されるものではなく、多くのバリエーションを可能とするものであり、前記各発明を適宜組み合わせた発明を構成することができることは明らかであるとともに、後述のように、本発明の基本技術を展開して多くの発明を構成することができるものである。
以上説明したように、本発明は、基板上に複数のV溝を形成し、このV溝に光ファイバを整列収容し、整列面同士を2本の光ファイバが整列面に対して垂直方向に重なり合うように、例えば前記2枚の基板同志を対向させて貼り付けることによって、2xN配列の光ファイバアレイを構成するため、配列精度の高いアレイが極めて簡便に構成できるという大きな効果を発揮するものである。
そして、本発明は、この2xN配列の光ファイバアレイを用いて、入出力ポートが1x2の基本構成を有する単チャンネル光モジュールを多チャンネル化した光モジュールを、極めて簡便な構成で、高い精度で、低い光損失で構成できるという大きな効果を発揮するものである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例について説明する。なお、説明に用いる各図は本発明の例を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状、配置関係などを概略的に示してある。そして本発明の説明の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあり、本発明の例の説明に用いる図は、必ずしも実施例などの実物や記述と相似形でない場合もある。また、各図において、同様な構成成分については同一の番号を付けて示し、重複す
る説明を省略することもある。
る説明を省略することもある。
本発明の実施の形態例にはいくつかの特徴がある。そして本発明はその各特徴それぞれに着目した光ファイバアレイおよびその光ファイバアレイを用いた多チャンネル光モジュールとして実施することができ、また、いくつかの特徴を組み合わせて実施することもできる。
また、本発明の光ファイバアレイおよびその光ファイバアレイを用いた多チャンネル光モジュールとそれらの製造方法に関する技術思想の説明は、以下の説明からも容易に理解できるように、それぞれを独立に説明すると、重複する部分が多くなる。したがって、重複を避けるため、技術的に大きな欠落が生じなくそして誤解を生じない範囲において、本発明の光ファイバアレイの説明をもって本発明の光ファイバアレイの製造方法やその光ファイバアレイを用いた多チャンネル光モジュールやその製造方法の技術思想の説明を兼ねたり、本発明の光ファイバアレイの製造方法やその光ファイバアレイを用いた多チャンネル光モジュールの説明をもって本発明の光ファイバアレイの技術思想の説明を兼ねたりする場合がある。
以下、図を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態例としての2x4配列の光ファイバアレイを説明する図で、2x4配列の光ファイバアレイであって、(a)は側面からみた説明図、(b)は上方から見た説明図、(c)は端面側から見た側面図である。図中、点線は見えない部分の光ファイバの位置を示している。図1で、符号1a、1bは基板、3はV溝、4は光ファイバ、5,5a,5bは接着剤層である。
これを作製するには、、まず、基板1a、1bのそれぞれにV溝3を形成しておく。
被覆を除去した2本の光ファイバ4の先端部は、図のように対向して配置された一対のV溝内に、基板に垂直方向に整列収容されている。そして、この2本の光ファイバは、図のように対向して配置された一対のV溝内に、各V溝の頂点方向に整列収容されている。
このように位置決めされて整列された光ファイバとV溝を、たとえば紫外線硬化型接着剤で固定する。
図1の2x4配列の光ファイバアレイを作製する本発明の製造方法の例を説明する。
これを作製するには、まず、基板1a、1bのそれぞれにおいて、光ファイバ4の先端部を、その被覆を除去して、V溝3に整列収容する。
このとき、各V溝3に収容する光ファイバの位置は、整列させた各光ファイバの上から基板に垂直方向に押し当てた位置決め用平板(図2参照)とによって、光ファイバの長さ方向に直交する断面において、光ファイバ断面の最高点が当該基板に垂直方向になるように、各光ファイバと前記位置決め用平板との接点および各光ファイバと各V溝の断面V字を形成する2面との各接点の3点支持によって位置決めされる。
このように位置決めされて整列された光ファイバとV溝を、たとえば紫外線硬化型接着剤5a,5bで仮固定する。その後、光ファイバの上から押し当てている位置決め用平板を取り除く。
次に、両基板1a,1bを、光ファイバの整列面が直接重なり合い、光ファイバ同士が整列面に垂直方向に概ね接触して整列するように位置調整して、接着剤層5で張り合わせる。さらに、端面を研磨して仕上げる。
さらに具体的に説明する。基板1a,1bとしては低熱膨張性のガラスを用いた。基板の寸法は、幅2.5mm、長さ10mm、厚さ1.5mmで、これを、長さ5mmの位置で、片側を厚さ1.2mmになるよう薄くし、残りの厚さ1.5mmの部分にV溝を形成した。V溝は、先端の開き角が60度になるように形成し、基板表面における幅が182μmとなるよう形成した。V溝のピッチは、250μmとした。光ファイバは、外径が125μmの単一モードファイバである。
図2は、本発明の他の実施の形態例を説明する図で、本発明による図1に示した光ファイバアレイを用いて、4チャンネルの光フィルタモジュールを構成した例を示すもので、(a)は側面からみた説明図、(b)は上方からみた説明図で、端面側から見た側面図は図1(c)と同様である。
2芯側の入出力光ファイバ4a,4bは、2x4光ファイバアレイ31aにより保持されており、1芯側の光ファイバ4cは、図3に示す通常型の光ファイバアレイ31bで保持されている。符号32a、32bはレンズアレイであり、33はフィルタアレイである。これらは、4F配置されており、各チャンネルの機能は、図5に示した単チャンネルフィルタモジュールと同様である。
さらに具体的に説明すると、2芯側の光ファイバアレイ31aは実施例1に示した2x4配列のアレイを用い、1芯側の光ファイバアレイ31bは、図3に示す通常型のアレイを用いた。レンズアレイ32a,32bは、ピッチが250μm、開口数が0.12のガラス製である。フィルタアレイ33は、CWDMに対応する1530〜1590nmのバンドパスフィルタである。レンズアレイとフィルタアレイは、予め所定の位置になるよう調芯してユニット化した。このユニットに対して、光ファイバアレイ31aを両外側のチャンネルに対して光を入射し、それぞれの反射光が最大になるように調芯し、固定した。また、光ファイバアレイ31bは、同様に、透過光が最大になるように調芯して固定した。
各チャンネルにおいて、透過ポートに対する光損失は、最大0.8dB、反射ポートに対する光損失は、最大0.9dBであった。
このように、本発明によれば、多チャンネルの光フィルタモジュールが、低損失で極めて簡便な構成で作製できる利点がある。
本実施例では、多チャンネルタップモニターモジュールに対して本発明の光ファイバアレイを応用した例を説明する。
タップモジュールは、4チャンネルとし、その構成は、図2に示した光フィルタモジュールにおいて、フィルタアレイ33の代わりにビームスプリッタ、光ファイバアレイ31bの代わりにPDアレイを配置したものである。ビームスプリッタは、Cバンドの光信号に対して、2%の透過率とした。また、PDアレイは、ピッチが250μm、受光径が100μmのものとした。
これを作製するには、実施例2に示したフィルタモジュールと同様の手順により、ビームスプリッタとレンズアレイを予め調芯してユニット化し、このユニットに対して反射光が最大になるよう2芯側のアレイを調芯して固定し、さらに、受光量が最大になるようにPDアレイを調芯して固定した。
各チャンネルにおいて、透過ポートに対する光損失は、最大0.4dB、反射ポートに対する光損失は、最大0.9dBであった。また、隣接チャンネルにおけるクロストーク、即ち、隣接PDに対する漏れ光量は、最大57dBであった。
このように、本発明によって、多チャンネルのタップモニターモジュールが、低損失で低クロストークの多チャンネルタップモニターモジュールが極めて簡便な構成で作製できる利点がある。
以上、図面を参照しながら本発明の実施の形態例としての光ファイバアレイおよびその光ファイバアレイを用いた多チャンネル光モジュールとそれらの製造方法を説明したが、本発明はこれに狭く限定されるものではなく、たとえば、フィルタの代わりに光スイッチ素子、可変光減衰器を用いるなど本発明の技術思想に基づいた多くのバリエーションを可能とするものである。
本発明による光ファイバアレイは、実施例3および4で説明した多チャンネルフィルタモジュールや多チャンネルタップモニターモジュールへの応用に限られず、入出力ポートが2x2となるモジュールにも応用可能であることは言うまでもない。
以上説明したように、本発明は、小型で、高精度で、高い信頼性を有し、損失が少ない2xN配列の光ファイバアレイとそれを用いた光モジュールを安価に提供することができ、光通信をはじめ、光信号を利用する広い産業分野の著しい発展をもたらすことができる。
1,1a,1b:基板
2:リッド
3:V溝
4,4a,4b,4c:光ファイバ
5,5a,5b:接着層
6:固定剤
11a:4芯光ファイバアレイ
11b:1芯光ファイバアレイ
12:平面光波回路
21a:2芯フェルール
21b:1芯フェルール
22a,22b:レンズ
23:フィルタチップ
31a:2x4芯光ファイバアレイ
31b:4芯光ファイバアレイ
32a,32b:レンズアレイ
33:フィルタアレイ
2:リッド
3:V溝
4,4a,4b,4c:光ファイバ
5,5a,5b:接着層
6:固定剤
11a:4芯光ファイバアレイ
11b:1芯光ファイバアレイ
12:平面光波回路
21a:2芯フェルール
21b:1芯フェルール
22a,22b:レンズ
23:フィルタチップ
31a:2x4芯光ファイバアレイ
31b:4芯光ファイバアレイ
32a,32b:レンズアレイ
33:フィルタアレイ
Claims (5)
- Nを自然数として、対向させて配置された一対の基板の表面にそれぞれ形成された断面が概V字形状で所定の深さを有し該V溝の開口部が対向して配置された一対のV溝(以下、該一対のV溝をV溝対という)の間に2本の光ファイバを収容整列させ、接着固定してなる光ファイバアレイであって、該V溝対の各溝のV字形の2つの斜面がそこに収容される各1本の光ファイバの位置決めとなる基準面になっており、該2本の光ファイバ同士が該V溝対の各V溝の整列方向、即ち、基板面平面方向に対して垂直方向に概接触していることを特徴とする2×N光ファイバアレイ。
- 基板表面に、断面が概V字形状で所定の深さを有する溝を複数形成し、該溝に光ファイバを収容整列させ、接着剤で固定してなる光ファイバアレイにおいて、光ファイバを整列収容した一対の基板表面同士を貼り合わせた光ファイバアレイであって、光ファイバ同士が該基板表面と垂直方向に概接触して重なり合うように張り合わせてなることを特徴とする請求項1に記載の2×N光ファイバアレイ。
- 該一対の基板表面に形成され、互いに対向するように配置されている該各V溝が概同一形状と寸法であるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の2×N光ファイバアレイ。
- Nを自然数として、断面が概V字形状で所定の深さを有する溝を複数形成した基板表面の該溝に光ファイバを収容整列させ、接着剤で光ファイバを固定し、該光ファイバを整列収容した一対の基板表面同士を一対の該V溝の開口部を対向させて配置し貼り合わせることを特徴とする2×N光ファイバアレイの製造方法。
- Nを自然数として、入出力ポートの構成が、2x1あるいは2x2の対向型空間光学系で構成される光チャンネルを複数配置した多チャンネル光モジュールにおいて、該入出力ポートに光ファイバが接続されてなる光モジュールであって、2芯側入出力ポートに接続されている光ファイバが基板表面に、断面が概V字形状で所定の深さを有する溝を複数形成し、該溝に光ファイバを収容整列させ、接着剤で固定してなる基板表面同士を貼り合わせて形成した光ファイバアレイであり、光ファイバ同士が該基板表面と垂直方向に概接触して重なり合うように張り合わさてなる光ファイバアレイであることを特徴とする多チャンネル光モジュール。
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JP2007185136A JP2009025322A (ja) | 2007-07-17 | 2007-07-17 | 光ファイバアレイおよびその光ファイバアレイを用いた多チャンネル光モジュール |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012118262A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-06-21 | Ntt Electornics Corp | アレイ型光学素子 |
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