JP2009025153A - 変圧器の異常様相同定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】変圧器の鉄心、巻線の異常様相を簡易に同定する。
【解決手段】少なくとも鉄心変形時に変化が現れる第1の測定領域5と、巻線異常時に変化が現れる第2の測定領域6について、低圧巻線を開放した状態と短絡した状態の高圧巻線の伝達関数を測定すると共に、前記高圧巻線を開放した状態と短絡した状態の低圧巻線の伝達関数を測定し、変化が現れた測定領域の組み合わせに基づいて変圧器の異常様相を同定する。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも鉄心変形時に変化が現れる第1の測定領域5と、巻線異常時に変化が現れる第2の測定領域6について、低圧巻線を開放した状態と短絡した状態の高圧巻線の伝達関数を測定すると共に、前記高圧巻線を開放した状態と短絡した状態の低圧巻線の伝達関数を測定し、変化が現れた測定領域の組み合わせに基づいて変圧器の異常様相を同定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、変圧器の異常様相同定方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、変圧器巻線の伝達関数に基づいて変圧器の鉄心や巻線の異常様相を同定する変圧器の異常様相同定方法に関するものである。
変圧器の内部の異変を非破壊で察知する方法として、周波数応答解析(FRA:Frequency Response Analysis)を利用するものがあり、このFRAを利用するものとして、例えば特開2004−251763号公報に開示された変圧器内部診断装置がある。この変圧器内部診断装置を図14に示す。この変圧器内部診断装置は、変圧器巻線に高周波信号または系統内のサージを入力し、その信号またはサージの応答状況を外部に設けた観測手段で観測して、予め設定した応答状況レベルに達したかを判断し、その判断結果から変圧器内部の良否状況を診断するものである。観察手段は、高周波信号またはサージによる変圧器内部からの応答信号を分析する周波数分析器101と、この分析による分析結果から変圧器内部の良否を判断する判定装置102と、この判定装置102からの判定結果を報知する警報装置103とからなっている。
変圧器本体104にはブッシングポケット105を介してブッシング106が設置され、ブッシングポケット105内には発振器接続用変成器107と電流測定用の変成器108が設けられている。変成器107には周波数可変発振器109から高周波信号が入力される。この信号は変成器108から電流測定値として取り出される。取り出された電流値とラインリード110の電圧値が周波数分析器101に入力され、電圧/電流からインピーダンスが得られる。周波数分析器101では、さらに周波数特性も分析されるために、変圧器巻線のインピーダンス−周波数特性が得られる。このインピーダンス−周波数特性が予め設定された正常時のレベルと比較され、そのレベル以上に達したなら判定装置102から警報装置103を介して警報が発せられる。
しかしながら、上述の変圧器内部診断装置では、周波数分析器101によって得られたインピーダンス−周波数特性を予め設定された正常時のレベルと比較し、そのレベル以上に達したか否かによって異常を検出している。そのため、何らかの異常があることを検出することは可能であるが、その異常の様相を同定することまではできない。
本発明は、異常様相の同定が可能であり、しかも簡易に同定することが可能な変圧器の異常様相同定方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、変圧器の異常について、単にその異常を検出するだけではなく、異常の様相を簡易に同定できる方法について鋭意研究を行った結果、変圧器に異常が発生した場合に低圧巻線及び高圧巻線の伝達関数が変化する領域と、その異常様相との間には一定の関係があることを知見し、本発明をするに至ったものである。
請求項1記載の変圧器の異常様相同定方法は、少なくとも鉄心変形時に伝達関数の変化が現れ得る周波数の第1の測定領域と巻線異常時に伝達関数の変化が現れ得る周波数の第2の測定領域について、低圧巻線を開放した状態と短絡した状態の高圧巻線の伝達関数をそれぞれ測定すると共に、高圧巻線を開放した状態と短絡した状態の低圧巻線の伝達関数をそれぞれ測定し、低圧巻線を開放した状態で測定した高圧巻線の伝達関数の測定値を第1の測定値とし、低圧巻線を短絡した状態で測定した高圧巻線の伝達関数の測定値を第2の測定値とし、高圧巻線を開放した状態で測定した低圧巻線の伝達関数の測定値を第3の測定値とし、高圧巻線を短絡した状態で測定した低圧巻線の伝達関数の測定値を第4の測定値とし、第1及び第3の測定値の第1の測定領域に変化が現れ、第2及び第4の測定値の第1の測定領域と4つの測定値の第2の測定領域には変化が現れない場合に鉄心に異常があると判断し、4つの測定値の第2の測定領域に変化が現れ、4つの測定値の第1の測定領域には変化が現れない場合に低圧巻線又は高圧巻線に位置ずれ異常があると判断し、第1及び第2の測定値の第2の測定領域に変化が現れ、第3及び第4の測定値の第2の測定領域と4つの測定値の第1の測定領域には変化が現れない場合に高圧巻線に変形異常があると判断し、第3及び第4の測定値の第2の測定領域に変化が現れ、第1及び第2の測定値の第2の測定領域と4つの測定値の第1の測定領域には変化が現れない場合に低圧巻線に変形異常があると判断するものである。
変圧器の異常様相ごとに4つの伝達関数に変化が現れる領域の組み合わせが異なるので、4つの伝達関数を測定し、それらの測定値の変化領域を調べることで、変化領域の組み合わせに基づいて変圧器の異常様相を同定することができる。
例えば、変圧器の鉄心に異常が発生すると、第1及び第3の測定値の第1の測定領域に変化が認められ、第2及び第4の測定値の第1の測定領域と4つの測定値の第2の測定領域には変化が認められない。したがって、これらの条件に4つの測定値の変化の組み合わせが一致した場合に変圧器の鉄心に異常があると判断できる。また、変圧器の低圧巻線又は高圧巻線に位置ずれ異常が発生すると、4つの測定値の第2の測定領域に変化が認められ、4つの測定値の第1の測定領域には変化が認められない。したがって、これらの条件に4つの測定値の変化の組み合わせが一致した場合に変圧器の低圧巻線又は高圧巻線に位置ずれ異常があると判断できる。また、変圧器の低圧巻線又は高圧巻線に変形異常が発生すると、変形した方の巻線についての測定値の第2の測定領域に変化が認められ、変形していない方の巻線についての測定値の第2の測定領域と4つの測定値の第1の測定領域には変化が認められない。したがって、これらの条件に4つの測定値の変化の組み合わせが一致した場合に変圧器の低圧巻線又は高圧巻線に変形異常があると判断できる。
伝達関数の測定は、第1の測定領域と第2の測定領域を含むより広い周波数領域について行なっても良いが、鉄心変形に対応する変化と巻線異常に対応する変化とを検出できれば異常様相の同定は可能であるので、少なくとも第1の測定領域と第2の測定領域について測定を行えば足りる。また、第1の測定領域として鉄心変形時に変化が現れる領域の全てを測定しても良いが、変化が現れる領域を部分的に測定しても良い。同様に、第2の測定領域として巻線異常時に変化が現れる領域の全てを測定しても良いが、変化が現れる領域を部分的に測定しても良い。なお、鉄心の異常が現れる周波数領域は巻線の異常が現れる周波数領域よりも低い周波数領域である。
また、請求項2記載の変圧器の異常様相同定方法は、使用前に予め測定しておいた伝達関数との比較によって測定値の変化を検出するものである。即ち、使用前の異常が発生していない状態で測定した伝達関数を基準値とし、この基準値と対応する測定値との比較によって伝達関数の変化を検出することができる。この場合、変圧器は単相変圧器でも3相変圧器でも良い。
また、請求項3記載の変圧器の異常様相同定方法は、3相交流の巻線について測定を行い、他の相の対応する測定値との比較によって測定値の変化を検出するものである。3相変圧器の場合、測定値の変化が3相交流の巻線の全てに等しく現れることは殆ど考えられない。したがって、他の相の巻線の測定値を基準値とし、この基準値との対比によって対象とする相の伝達関数の変化を検出することができる。
請求項1記載の変圧器の異常様相同定方法では、上述のようにして変圧器の異常様相を同定するので、変圧器の異常様相を簡易、迅速、正確に同定することができる。
また、請求項2記載の変圧器の異常様相同定方法では、使用前に予め測定しておいた伝達関数との比較によって測定値の変化を検出するので、予め測定して記憶しておいた基準値との比較によって変圧器の異常様相を簡易、迅速、正確に同定することができる。
また、請求項3記載の変圧器の異常様相同定方法では、3相交流の巻線について測定を行い、他の相の対応する測定値との比較によって測定値の変化の出現を検出するので、予め基準値を測定し記憶しておく必要が無くなる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の変圧器の異常様相同定方法は、図1に示すように、少なくとも鉄心変形時に伝達関数の変化Aが現れ得る周波数の第1の測定領域5と、巻線異常時に伝達関数の変化Aが現れ得る周波数の第2の測定領域6について変圧器巻線の伝達関数を測定し、伝達関数の変化Aが現れた測定領域5,6の組み合わせに基づいて変圧器の異常様相を同定するものである。伝達関数の測定値としては、低圧巻線を開放した状態で測定する高圧巻線の伝達関数(以下、第1の測定値という)、低圧巻線を短絡した状態で測定する高圧巻線の伝達関数(以下、第2の測定値という)、高圧巻線を開放した状態で測定する低圧巻線の伝達関数(以下、第3の測定値という)、高圧巻線を短絡した状態で測定する低圧巻線の伝達関数(以下、第4の測定値という)の4種類である。
伝達関数としては、変圧器巻線に何らかの電気的信号を入力し、それに対する何らかの電気的出力信号を測定したものであれば良く、例えば電圧についての伝達関数の使用が可能である。ただし、電圧についての伝達関数に限定されるものではなく、例えば巻線インピーダンスについての伝達関数、巻線アドミタンスについての伝達関数等の使用も可能である。検出感度に違いがあるとは考えられるが、原理的にはどのような伝達関数も選択可能である。各種異常(巻線の変形や位置ずれ)によって巻線間容量やターン間容量等の電気的パラメータ(回路定数)は変化するが、商用周波数(50Hz)ではこれらのパラメータは巻線抵抗や巻線インダクタンスに比べて非常に小さく、変化を検出することは困難である。しかし、高周波(数10kHz)では巻線間容量やターン間容積が支配的になり、これらの変化を検出することができる。したがって、このような電気的パラメータを測定している伝達関数(例えば電圧、巻線インピーダンス、巻線アドミタンス等)を選択することで、変圧器の異常を同定することができる。本実施形態では、最も感度が良いと考えられる電圧に関する伝達関数を測定する。
伝達関数の測定法として、本実施形態では例えば周波数挿引法を使用する。
伝達関数の測定は、鉄心変形時に伝達関数の変化が現れ得る周波数領域即ち第1の測定領域5と、巻線異常時に伝達関数の変化が現れ得る周波数領域即ち第2の測定領域6を含むより広い周波数領域について測定を行っても良い。例えば第1の測定領域5と第2の測定領域6を含む連続した1つの広い周波数領域について測定を行っても良い。ただし、鉄心変形に対応する伝達関数の変化と巻線異常に対応する伝達関数の変化とを検出することができれば良いので、少なくとも第1の測定領域5と第2の測定領域6について行えば足りる。また、第1の測定領域5として鉄心変形時に変化が現れる領域の全てを測定しても良いが、変化が現れる領域を部分的に測定しても良い。同様に、第2の測定領域6として巻線異常時に変化が現れる領域の全てを測定しても良いが、変化が現れる領域を部分的に測定しても良い。
ここで、鉄心変形時に変化が現れる周波数領域と巻線異常時に変化が現れる周波数領域は、対象となる変圧器に応じて若干変化するので、第1の測定領域5と第2の測定領域6を一律に決定することは困難である。ただし、異常時に変化が現れる周波数領域は各変圧器で大体共通しているので、各変圧器に対応できるように測定領域を決定しておけば各変圧器毎にいちいち測定領域を決定する必要がなくなり、より簡易でより便利である。また、より多くの変圧器に対応できるように測定領域を決定しておけば、汎用性を高めることができる。なお、少しぐらい測定領域を狭くしても測定に要する時間は殆ど変わらないので、あまり狭くするメリットはなく、実際には測定領域を広めにしておくことが同定の精度向上、汎用性向上等の観点から好ましい。
このように測定領域の数値を一律に決めることは困難であり、また、その必要もないが、本発明者らの実験では20Hz〜10MHzの周波数について伝達関数の測定を行なった結果、鉄心異常の場合の伝達関数の変化は概ね10kHz以下の領域で現れ、巻線異常の場合の伝達関数の変化は概ね50kHz以上の領域で現れた。このため、例えば20Hz〜10kHzの領域と50kHz〜10MHzの領域を含むより広い連続した20Hz〜10MHzの領域を測定しても良いが、第1の測定領域5として20Hz〜10kHzの領域を、第2の測定領域6として50kHz〜10MHzの領域をそれぞれ測定するようにしても良い。
なお、本発明は周波数応答解析(FRA:FrequencyResponse Analysis)の一種であり、一般的に知られているFRA(例えば、佐野,宮城「周波数応答分析による電力溶変圧器診断の適用性検証」,電気学会静止器研究会資料,SA−06−108,2006)では、一般的に数十Hz〜数MHzの周波数領域について測定を行うので、本発明でも同様に数十Hz〜数MHzの周波数領域について測定を行うことが考えられる。
図2に、伝達関数の測定の概念を示す。変圧器1の高圧巻線2の伝達関数を測定する場合には、高圧巻線2を測定器(周波数特性解析装置)4に接続し、低圧巻線3を開放した状態と短絡させた状態とで測定を行う(図2(a))。また、変圧器1の低圧巻線3の伝達関数を測定する場合には、低圧巻線3を測定器4に接続し、高圧巻線2を開放した状態と短絡させた状態とで測定を行う(図2(b))。
伝達関数の変化の検出は、第1、第2、第3、第4の測定値を異常が発生していない状態の値とそれぞれ比較することで行われる。異常が発生していない状態の値(基準値)としては、例えば変圧器の使用前に予め測定しておいた伝達関数の使用が可能である。即ち、異常が発生していないことが明らかな状態で第1、第2、第3、第4の測定値を測定しておき、これらをそれぞれ基準値として記憶しておく。そして、異常様相同定のために今回測定した第1の測定値をこれに対応する基準値と比較し、変化を検出する。第2、第3、第4の測定値についても同様である。この方法の場合は、単相変圧器と3相変圧器の両方に対応可能である。ただし、基準値としては上述のものに限るものではない。
図1に、伝達関数の測定値の変化領域と変圧器1の異常様相との関係を示す。ここでは、20Hz〜2MHzの周波数について伝達関数を示している。個々のグラフでは基準値を実線で、実際の測定値を破線でそれぞれ示している。実線に対して破線がずれている領域が、伝達関数の測定値の変化領域である。なお、伝達関数の測定法として周波数挿引法を用い、巻線の一端に入力した電圧と他端で出力電圧を測定し、その比として伝達関数を定義している(図2)。また、巻線の位置ずれと変形については低圧巻線3についてのものである。ただし、後述する図10を用いた検討のように、高圧巻線2と低圧巻線3によって伝達関数変化様相に違いはないと考えられる。
変化が認められた領域に符号Aを付して示す。この結果からも明らかなように、鉄心が変形した場合には、片方の巻線を開放した状態でもう片方の巻線の伝達関数を測定すると(第1、第3の測定値)、その第1の測定領域5(第一共振周波数付近)で伝達関数が変化する。また、巻線の位置ずれではずれた巻線だけでなく他方のずれていない巻線の第2の測定領域6の伝達関数も変化する。これに対し、巻線の変形では変形した巻線の第2の測定領域6の伝達関数のみが変化し、変形していない巻線の伝達関数は変化しない。
即ち、鉄心が変形した場合には、第1及び第3の測定値の第1の測定領域5に変化が認められ、第2及び第4の測定値の第1の測定領域5と4つの測定値の第2の測定領域6には変化が認められない。したがって、変化が現れた測定領域がこのような組み合わせの場合には、鉄心に変形異常あると判断できる。
巻線の位置ずれが生じた場合には、4つの測定値の第2の測定領域6に変化が認められ、4つの測定値の第1の測定領域5には変化が認められない。したがって、変化が現れた測定領域がこのような組み合わせの場合には、低圧巻線3又は高圧巻線2に位置ずれが生じていると判断できる。
低圧巻線3又は高圧巻線2に変形異常が生じた場合には、変形した方の巻線についての測定値の第2の測定領域6に変化が認められ、変形していない方の巻線についての測定値の第2の測定領域6と4つの測定値の第1の測定領域5には変化が認められない。したがって、変化が現れた測定領域がこのような組み合わせの場合には、低圧巻線3又は高圧巻線2に変形が生じていると判断できる。
このように本発明では、4つの伝達関数を測定し、それら測定値の変化領域を検出することで、変化領域の組み合わせに基づいて変圧器1の異常様相を簡易、迅速、正確に同定することができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、変圧器1の使用前に予め測定しておいた伝達関数(基準値)との比較によって4つの測定値の変化を検出していたが、3相変圧器の場合には、3相のそれぞれについて第1〜第4の測定値を求め、他の相の対応する測定値との比較によって測定値の変化を検出するようにしても良い。この場合、測定値の変化が全ての相で等しく出現することは殆ど考えられないので、他の相の対応する測定値を基準値とし、この基準値と対象としている相の測定値を比較することで対象としている相の伝達関数の変化を検出することができる。この場合には、単相変圧器には適用できないという不便はあるが、予め基準値を測定し記憶しておく必要がないというメリットがある。
また、上述の説明では、伝達関数の測定法として例えば周波数挿引法を使用していたが、これに限るものではなく、その他の方法、例えばインパルス法を使用しても良い。インパルス法では、低電圧のインパルスを入力信号とし、出力信号(例えば電流)を測定する。入力信号および出力信号をフーリエ変換し、その商として伝達関数を求める。一方周波数挿引法では、正弦波の入力信号(例えば電圧)を入力し、出力信号(例えば電流)の振幅と位相を測定する。この測定を、周波数を変化させながら繰り返すことにより伝達関数を求める。インパルス法は、周波数挿引法に比べ測定時間が短いという利点がある。一方、周波数挿引法には、信号対ノイズ比が良いこと、周波数領域全域で測定精度が同等であること、広い周波数領域の測定が可能なこと、インパルス法に比べ測定装置が小型であることなどの利点がある。
変圧器1の異常を巻線2,3の伝達関数の変化パターンに基づいて同定できることを確認する実験とその検討を行った。
(伝達関数の測定)
伝達関数を測定した。本実験の測定では、測定器4として、特に断りが無い限りDoble社の周波数特性解析装置M5300を用いた。M5300は伝達関数の測定法として周波数挿引法を採用している。
伝達関数を測定した。本実験の測定では、測定器4として、特に断りが無い限りDoble社の周波数特性解析装置M5300を用いた。M5300は伝達関数の測定法として周波数挿引法を採用している。
本発明における入力信号、出力信号は任意に選ぶことができる。本実験の測定では、特に断りがない限り、図2に示すように巻線端子の一端に入力した電圧を入力信号Vinput、他端で測定される電圧を出力信号Voutputとし、伝達関数H(jω)を数式1で定義した。なお、巻線2,3と測定器4の端子との接続には、例えば50Ω同軸ケーブル7を使用した。
ここで、jは虚数単位、ωは角周波数である。伝達関数と端子間のインピーダンスZ(jω)との関係は数式2で書ける。
(モデル変圧器による検討)
本発明による変圧器異常様相同定の可否を検討する目的で、モデル変圧器を用いて変圧器1の異常を模擬し、その伝達関数の変化を検討した。測定対象にした3種のモデル変圧器A,B,Cを図3および表1に示す。
本発明による変圧器異常様相同定の可否を検討する目的で、モデル変圧器を用いて変圧器1の異常を模擬し、その伝達関数の変化を検討した。測定対象にした3種のモデル変圧器A,B,Cを図3および表1に示す。
なお本実験では、絶縁油(変圧器絶縁油の比誘電率は一般に2.2程度)を使用せず気中で測定しているので、巻線間容量やターン間容量などが実変圧器よりも小さく、検出の感度は実変圧器に適用した場合に比べて低いと考えられる。そのため、比較的大きく変形あるいは位置ずれさせて伝達関数を測定した。
(鉄心の変形)
本実験で用いた鉄心は、上下に2分されており、金属ベルトを用いて固定する構造になっている。その断面は1辺60mmの正方形の角を階段状に切り取った形状をしている。上側鉄心と下側鉄心が丁度重なる位置を正規位置とし、ここから上側鉄心のみを短辺方向に4mm水平移動させてモデル変圧器Cの伝達関数を測定した。その伝達関数を図4に示す。図4(a)は第1の測定値、(b)は第2の測定値、(c)は第3の測定値、(d)は第4の測定値についてのものである。他方の巻線を開放した場合(同図(a),(c))、概ね10kHz以下の領域(第1の測定領域5)で伝達関数が変化した。他方の巻線を短絡した場合(同図(b),(d))は、上側鉄心を短辺方向に4mm移動させても伝達関数は変化しなかった。
本実験で用いた鉄心は、上下に2分されており、金属ベルトを用いて固定する構造になっている。その断面は1辺60mmの正方形の角を階段状に切り取った形状をしている。上側鉄心と下側鉄心が丁度重なる位置を正規位置とし、ここから上側鉄心のみを短辺方向に4mm水平移動させてモデル変圧器Cの伝達関数を測定した。その伝達関数を図4に示す。図4(a)は第1の測定値、(b)は第2の測定値、(c)は第3の測定値、(d)は第4の測定値についてのものである。他方の巻線を開放した場合(同図(a),(c))、概ね10kHz以下の領域(第1の測定領域5)で伝達関数が変化した。他方の巻線を短絡した場合(同図(b),(d))は、上側鉄心を短辺方向に4mm移動させても伝達関数は変化しなかった。
(巻線の軸方向位置ずれ)
モデル変圧器A、B、Cを用い、内側低圧巻線3を固定した状態で外側高圧巻線2のみを上向きにずらし、外側高圧巻線2をずらす前後に測定した伝達関数を図5〜図7に示す。図中実線でずらす前の状態(初期状態)を、破線でずらした後(10mm移動)をそれぞれ示す。なお、図5はモデル変圧器Aの測定結果、図6はモデル変圧器Bの測定結果、図7はモデル変圧器Cの測定結果である。また、各図の(a)は第1の測定値、(b)は第2の測定値、(c)は第3の測定値、(d)は第4の測定値についてのものである。
モデル変圧器A、B、Cを用い、内側低圧巻線3を固定した状態で外側高圧巻線2のみを上向きにずらし、外側高圧巻線2をずらす前後に測定した伝達関数を図5〜図7に示す。図中実線でずらす前の状態(初期状態)を、破線でずらした後(10mm移動)をそれぞれ示す。なお、図5はモデル変圧器Aの測定結果、図6はモデル変圧器Bの測定結果、図7はモデル変圧器Cの測定結果である。また、各図の(a)は第1の測定値、(b)は第2の測定値、(c)は第3の測定値、(d)は第4の測定値についてのものである。
図5に示すように、モデル変圧器Aでは、概ね数百kHz以上で伝達関数が変化した。ただし、他端を短絡した場合(同図(b),(d))には、数百kHzにピークがある共振の低周波数側でもバイアスが重畳したように変化した。一方、図6に示すように、モデル変圧器Bでは、伝達関数がほとんど変化しなかった。また、図7に示すように、モデル変圧器Cでは、概ね100kHz以上の領域で伝達関数が変化した。なお、図7(b)に示す低圧巻線3を短絡して高圧巻線2を測定した場合では、10kHz以下の領域でも伝達関数が変化しているが、これは共振周波数90kHz付近の共振が変化したものであり、高周波領域での伝達関数の変化である。即ち、90kHzは高周波領域といえる周波数であり、90kHz付近をピークにもつ共振の連続した変化は全体としては高周波領域での伝達関数の変化と解釈するのが妥当である。したがって、図7(b)の低周波領域での伝達関数の変化は鉄心の影響が現れているとはいえない。
高周波領域の共振の変化が低周波領域まで連続しているのは、以下の理由による。モデル変圧器Cの高圧巻線2は実験用に自作したものであり、一般使用の変圧器用に巻かれた高圧巻線に比べて低周波領域でインピーダンスが大きくなっている。一般使用の変圧器用に巻かれた巻線(モデル変圧器Aの低圧巻線と高圧巻線およびモデル変圧器B,Cの低圧巻線)は低周波領域で伝達関数=0dBであるが、モデル変圧器Cの自作の高圧巻線2はインピーダンスが0となっていない。等価回路(図10(b))で考えると、巻線のインピーダンスが十分小さい場合、電流は巻線→他端を短絡した導線にのみ流れ、巻線の位置ずれが影響するターン間容量は関係しないことになる。一方、巻線のインピーダンスが大きい場合は、他端を短絡した導線に電流が流れる間にターン間容量などに流入する電流も無視できなくなるため、低周波領域でも伝達関数が変化したと考えられる。実際の変圧器では、巻線インピーダンスは十分小さくなるように設計されており、図7(b)の10kHz以下の領域における伝達関数の変化は現れることはない。なお、インピーダンスをZとすると、今回測定している伝達関数は50/(50+Z)であり、電流の流れやすさを表わす指標といえる。伝達関数が負で大きいほどインピーダンスが大きく、伝達関数=0でZ=0Ωを意味する。
モデル変圧器Bで外側高圧巻線2を軸方向に位置ずれさせても伝達関数が変化しなかったのは、高圧巻線2と低圧巻線3との電気的結合が小さいためと考えられる。モデル変圧器Bとモデル変圧器Cを比較すると、伝達関数が変化しなかったモデル変圧器Bの方が、高圧巻線2と低圧巻線3間の間隔が広く、電気的結合が弱い(巻線間容量が小さい)と判断できる。このことから、巻線が位置ずれすると、巻線間容量が変化して伝達関数が変化するといえる。巻線間容量が小さいモデル変圧器Bでは、巻線の位置ずれによってその値が変化しても、伝達関数への影響は小さい。なお、モデル変圧器Bのように電気的結合が弱いものは実際に使用される変圧器にはない。
モデル変圧器A,Cでは、位置ずれさせた高圧巻線2だけでなく固定した低圧巻線3の伝達関数も変化した(図5(b)(d)、図7(b)(d))。
(巻線の変形)
モデル変圧器Cの低圧巻線3を、長辺方向に圧縮変形させた。このときの低圧巻線3の形状を図8に、寸法を表2に示す。図8(a)では変形していな形状(初期形状)を示し、図8(b)に変形後の形状を示す。また、変形前後で測定した伝達関数を図9に示す。なお、図9(a)は第1の測定値、(b)は第2の測定値、(c)は第3の測定値、(d)は第4の測定値についてのものである。
モデル変圧器Cの低圧巻線3を、長辺方向に圧縮変形させた。このときの低圧巻線3の形状を図8に、寸法を表2に示す。図8(a)では変形していな形状(初期形状)を示し、図8(b)に変形後の形状を示す。また、変形前後で測定した伝達関数を図9に示す。なお、図9(a)は第1の測定値、(b)は第2の測定値、(c)は第3の測定値、(d)は第4の測定値についてのものである。
変形させた低圧巻線3の伝達関数(図9(c),(d))は、100kHz以上で大きく変化した。また、高圧巻線2を開放した低圧巻線3の測定(同図(c))、低圧巻線3を開放した高圧巻線2の測定(同図(a))では、第1の測定領域5でも若干変化した。これは、低圧巻線3の内径が変化し、鉄心との磁気的結合が変化したためと解釈できる。変形させていない高圧巻線2の伝達関数(同図(a),(b))は、数100kHz以上の領域で若干変化した。この変化は、高圧巻線2を軸方向に位置ずれさせたときの変化と似ており、巻線の間隔が変化したためと解釈できる。これら同図(a)(c)の第1の測定領域5での伝達関数変化や、同図(a)(b)の変形させていない高圧巻線2の第2の測定領域6での伝達関数変化は、感度が低い巻線2,3を用いて検討する目的で極端に巻線3を変形させたことによって発生したと考えられる。このように鉄心と巻線との磁気的結合が変化するような大きな巻線変形が実際に使用される変圧器に発生することはない。即ち、実変圧器1で本来検出対象とするようなわずかな変形では、変形した巻線3の第2の測定領域6のみで伝達関数が変化するので、本発明によって巻線異常の同定は可能である。
(変圧器異常様相の同定に関する考察)
以上の検討では、伝達関数は、鉄心の変形により第1の測定領域5で変化し、巻線の変形および位置ずれではそれより高周波側の第2の測定領域6で変化した。
以上の検討では、伝達関数は、鉄心の変形により第1の測定領域5で変化し、巻線の変形および位置ずれではそれより高周波側の第2の測定領域6で変化した。
図4〜図7、図9で高圧巻線2を開放または短絡して低圧巻線3を測定した(c)と(d)を比較すると、高圧巻線2を短絡することで第1の測定領域5の第一共振がなくなっている。これより第2の測定領域6の伝達関数は、高圧巻線2を開放した場合と短絡した場合で似ている。このことから、第1の測定領域5に鉄心の特性が現れ、第2の測定領域6に巻線の特性が現れるといえる。
図10に、検討した3種の変圧器異常によって変化する電気的パラメータを示す。図10(a)は鉄心の変形を、(b)は巻線の位置ずれを、(c)は巻線の変形をそれぞれ示している。ここで、RWH,RWL:巻線抵抗、LWH,LWL:漏れインダクタンス、LE:励磁サセプタンス、RE:励磁コンダクタンス、CTH,CTL:ターン間容量/セクション間容量、CIW:巻線間容量、CE:励磁容量、CGH,CGL:対地容量である。なお、添え字のHまたはLはそれぞれ高圧巻線2、低圧巻線3を意味している。
巻線が位置ずれを起こすと主に巻線間容量が変化するので、低圧巻線3、高圧巻線2共に伝達関数が変化すると解釈できる。一方、巻線が変形すると主にターン間容量あるいはセクション間容量が変化するので、変形した巻線の伝達関数のみ変化する。第2の測定領域6では、励磁アドミタンスが十分大きいと考えられるので、巻線の変形によるターン間容量あるいはセクション間容量の変化は、他方の巻線で測定した伝達関数には影響しない。
以上により、伝達関数の変化様相から同定される変圧器1の異常様相は、図1にまとめられる。
(実変圧器1を用いた検討)
(伝達関数測定結果)
変圧器短絡試験の前後で参考として伝達関数を測定し、図1に基づいて同定した異常様相と解体調査結果を照合した。
(伝達関数測定結果)
変圧器短絡試験の前後で参考として伝達関数を測定し、図1に基づいて同定した異常様相と解体調査結果を照合した。
図11に、短絡試験前後に測定した伝達関数を示す。図11で他方の巻線を短絡した測定しか示していないのは、鉄心の影響を無視し、巻線の変形や位置ずれのみの検出を目的としたためである。他方の巻線を開放した測定では、鉄心の特性を表す第1の測定領域5で伝達関数が変化していたが、これは残留磁束の影響と考えられる。
低圧巻線3の伝達関数は第2の測定領域6(100kHz以上)で変化しているが(図11(c)(d))、高圧巻線2の伝達関数は変化していない(同図(a)(b))。この結果を、図1に照らし合わせると、低圧巻線3が変形していると同定される。
(解体調査結果)
短絡試験終了後に実施された解体調査では、本発明で巻線が変形していると同定された低圧巻線3に変形が発見された。この結果は、本発明による同定結果と一致している。
短絡試験終了後に実施された解体調査では、本発明で巻線が変形していると同定された低圧巻線3に変形が発見された。この結果は、本発明による同定結果と一致している。
(実変圧器短絡試験時の巻線変形をモデル変圧器で模擬したときの伝達関数変化)
短絡試験による変圧器巻線の変形をモデル変圧器Cで模擬し、その伝達関数の変化様相が、短絡試験で測定したそれと同様であること確認する。モデル変圧器Cの初期形状と変形した形状を、図12(a)(b)に示す。測定した伝達関数を図13に示す。なお、図13の伝達関数は、Agilent Technologies 社のインピーダンスアナライザ4294Aを用いて4端子法により測定したアドミタンスから、数式2を用いて求めた。
短絡試験による変圧器巻線の変形をモデル変圧器Cで模擬し、その伝達関数の変化様相が、短絡試験で測定したそれと同様であること確認する。モデル変圧器Cの初期形状と変形した形状を、図12(a)(b)に示す。測定した伝達関数を図13に示す。なお、図13の伝達関数は、Agilent Technologies 社のインピーダンスアナライザ4294Aを用いて4端子法により測定したアドミタンスから、数式2を用いて求めた。
変形させた低圧巻線3の伝達関数は500kHz程度以上の第2の測定領域6で変化している(図13(c)(d))。一方の変形していない高圧巻線2の伝達関数は変化していない(同図(a)(b))。この変化様相は、短絡試験で測定した伝達関数の変化様相と一致する。
(検討結果)
本実験では変圧器1の異常を鉄心の変形、巻線2,3の位置ずれ、巻線2,3の変形の3種に大まかに分類し、モデル変圧器を用いた検討によって、伝達関数の変化様相に着目して同定できることを確認した。
本実験では変圧器1の異常を鉄心の変形、巻線2,3の位置ずれ、巻線2,3の変形の3種に大まかに分類し、モデル変圧器を用いた検討によって、伝達関数の変化様相に着目して同定できることを確認した。
変圧器短絡試験の前後で参考として行った実験では、巻線2,3のわずかな変形を検出することができた。このときの変圧器異常様相を、上記の検討に基づいて同定した結果は、後日行われた解体調査の結果と一致した。また、短絡試験による変圧器1の異常を、モデル変圧器で模擬し、その伝達関数の変化様相が短絡試験で測定したそれと同様であること確認した。
以上のように本実験では変圧器1の異常様相を同定できることを確認できた。
1 変圧器
2 高圧巻線
3 低圧巻線
5 第1の測定領域
6 第2の測定領域
2 高圧巻線
3 低圧巻線
5 第1の測定領域
6 第2の測定領域
Claims (3)
- 少なくとも鉄心変形時に伝達関数の変化が現れ得る周波数の第1の測定領域と巻線異常時に前記伝達関数の変化が現れ得る周波数の第2の測定領域について、低圧巻線を開放した状態と短絡した状態の高圧巻線の前記伝達関数をそれぞれ測定すると共に、前記高圧巻線を開放した状態と短絡した状態の前記低圧巻線の伝達関数をそれぞれ測定し、前記低圧巻線を開放した状態で測定した前記高圧巻線の伝達関数の測定値を第1の測定値とし、前記低圧巻線を短絡した状態で測定した前記高圧巻線の伝達関数の測定値を第2の測定値とし、前記高圧巻線を開放した状態で測定した前記低圧巻線の伝達関数の測定値を第3の測定値とし、前記高圧巻線を短絡した状態で測定した前記低圧巻線の伝達関数の測定値を第4の測定値とし、前記第1及び前記第3の測定値の第1の測定領域に変化が現れ、前記第2及び第4の測定値の第1の測定領域と前記4つの測定値の第2の測定領域には変化が現れない場合に鉄心に異常があると判断し、前記4つの測定値の第2の測定領域に変化が現れ、前記4つの測定値の第1の測定領域には変化が現れない場合に前記低圧巻線又は前記高圧巻線に位置ずれ異常があると判断し、前記第1及び前記第2の測定値の第2の測定領域に変化が現れ、前記第3及び前記第4の測定値の第2の測定領域と前記4つの測定値の第1の測定領域には変化が現れない場合に前記高圧巻線に変形異常があると判断し、前記第3及び前記第4の測定値の第2の測定領域に変化が現れ、前記第1及び前記第2の測定値の第2の測定領域と前記4つの測定値の第1の測定領域には変化が現れない場合に前記低圧巻線に変形異常があると判断することを特徴とする変圧器の異常様相同定方法。
- 使用前に予め測定しておいた伝達関数との比較によって測定値の変化を検出することを特徴とする請求項1記載の変圧器の異常様相同定方法。
- 3相交流の巻線について前記測定を行い、他の相の対応する測定値との比較によって測定値の変化を検出することを特徴とする請求項1記載の変圧器の異常様相同定方法。
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- 2007-07-19 JP JP2007188482A patent/JP2009025153A/ja active Pending
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