JP2009024506A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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智幸 小野
Akitoshi Tomota
晃利 友田
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忍 石山
Michio Furuhashi
道雄 古橋
Koichiro Nakatani
好一郎 中谷
Tomoyoshi Ogo
知由 小郷
Yoshihiro Hisataka
良裕 久高
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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置において、燃料噴射時期をより好適な時期に補正する技術を提供する。
【解決手段】燃料噴射弁と、内燃機関の吸気通路を流通する吸気の温度を検出する吸気温度センサと、吸気温度センサが検出する検出温度が目標吸気温度より高い場合には燃料噴射弁から燃料を噴射する燃料噴射時期を遅角し、検出温度が目標吸気温度より低い場合には燃料噴射時期を進角する制御手段と、検出温度の温度変化が下降変化である場合に制御手段が変更する燃料噴射時期を進角側に補正し(S105)、検出温度の温度変化が上昇変化である場合に制御手段が変更する燃料噴射時期を遅角側に補正する(S106)補正手段と、を備えた。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の気筒内へ燃料噴射を行う燃料噴射時期を、内燃機関の吸気通路における吸気の温度に基づいて変更する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開平10−252529号公報 特開2001−140690号公報 特開平5−171984号公報
ところで、内燃機関の吸気通路における吸気の温度を検出する吸気温度センサには、検出温度が実際の温度よりも遅れて変化する応答遅れが生じている。
このため、吸気温度が下降変化していると、吸気温度センサの検出温度が実際の吸気温度より高く示される。そして、吸気温度センサの検出温度が目標吸気温度よりも高く、内燃機関の気筒内の筒内温度を下げるため、実際の吸気温度よりも高い検出温度を示す吸気温度センサの検出温度に基づいて燃料噴射時期を遅角する場合がある。この場合には、遅角量が過大になり、筒内温度が想定よりも低下し過ぎてしまい、内燃機関において着火遅れや失火等の燃焼不安定を招いたり、内燃機関から排出されるHCの排出量が増加したりするおそれがある。
また、吸気温度が上昇変化していると、吸気温度センサの検出温度が実際の吸気温度より低く示される。そして、吸気温度センサの検出温度が目標吸気温度よりも低く、内燃機関の気筒内の筒内温度を上げるため、実際の吸気温度よりも低い検出温度を示す吸気温度センサの検出温度に基づいて燃料噴射時期を進角する場合がある。この場合には、進角量が過大になり、筒内温度が想定よりも上昇し過ぎてしまい、内燃機関から排出されるスモークやNOxの発生量が増加するおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものでその目的とするところは、内燃機関の制御装置において、燃料噴射時期をより好適な時期に補正する技術を提供することにある。
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、
内燃機関の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射手段と、
前記内燃機関の吸気通路を流通する吸気の温度を検出する吸気温度検出手段と、
前記吸気温度検出手段が検出する検出温度が目標吸気温度より高い場合には前記燃料噴射手段から燃料を噴射する燃料噴射時期を遅角し、前記検出温度が目標吸気温度より低い場合には前記燃料噴射時期を進角する制御手段と、
前記検出温度の温度変化が下降変化である場合に前記制御手段が変更する前記燃料噴射時期を進角側に補正し、前記検出温度の温度変化が上昇変化である場合に前記制御手段が変更する前記燃料噴射時期を遅角側に補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置である。
吸気温度検出手段が検出する検出温度が目標吸気温度より高い場合には、筒内温度を下げるため、燃料噴射時期を遅角することが行われている。また、吸気温度検出手段が検出
する検出温度が目標吸気温度より低い場合には、筒内温度を上げるため、燃料噴射手段から燃料を噴射する燃料噴射時期を進角することが行われている。
しかしながら、吸気温度検出手段には、検出温度が実際の温度よりも遅れて変化する応答遅れが生じている。
このため、吸気温度が下降変化していると、吸気温度検出手段の検出温度が実際の吸気温度より高く示される。そして、例えば、吸気温度検出手段の検出温度が目標吸気温度よりも高く、内燃機関の気筒内の筒内温度を下げるため、実際の吸気温度よりも高い検出温度を示す吸気温度検出手段の検出温度に基づいて燃料噴射時期を遅角する場合がある。この場合には、遅角量が過大になり、筒内温度が想定よりも低下し過ぎてしまい、内燃機関において着火遅れや失火等の燃焼不安定を招いたり、内燃機関から排出されるHCの排出量が増加したりするおそれがある。
また、吸気温度が上昇変化していると、吸気温度検出手段の検出温度が実際の吸気温度より低く示される。そして、例えば、吸気温度検出手段の検出温度が目標吸気温度よりも低く、内燃機関の気筒内の筒内温度を上げるため、実際の吸気温度よりも低い検出温度を示す吸気温度検出手段の検出温度に基づいて燃料噴射時期を進角する場合がある。この場合には、進角量が過大になり、筒内温度が想定よりも上昇し過ぎてしまい、内燃機関から排出されるスモークやNOxの発生量が増加するおそれがある。
そこで、本発明では、検出温度の温度変化が下降変化である場合に制御手段が変更する燃料噴射時期を進角側に補正し、検出温度の温度変化が上昇変化である場合に制御手段が変更する燃料噴射時期を遅角側に補正するようにした。
これによると、検出温度の温度変化が下降変化である場合には、燃料噴射時期が進角側に補正され、筒内温度が想定よりも低下し過ぎてしまうことが抑制される。よって、内燃機関の燃焼室における燃料の燃焼が安定化し、着火遅れや失火等の燃焼不良を抑制できると共に、内燃機関から未燃燃料の排出が抑制され、HCの排出量が増加することを抑制できる。
また、検出温度の温度変化が上昇変化である場合には、燃料噴射時期が遅角側に補正され、筒内温度が想定よりも上昇し過ぎてしまうことが抑制される。よって、内燃機関の燃焼室における燃焼温度が過剰に高くなることが抑制され、内燃機関から排出されるスモークやNOxの発生量が増加することを抑制できる。
以上のように、応答遅れのある吸気温度検出手段の検出温度の温度変化に対して燃料噴射時期を補正することによって、燃料噴射時期をより好適な時期に補正できる。
前記吸気通路の吸気圧力を検出する吸気圧力検出手段を備え、前記補正手段は、前記吸気圧力検出手段が検出する吸気圧力が大きくなる程、補正量を小さくするとよい。
吸気圧力が大きくなる程、吸気量が多くなり、吸気温度検出手段に当たる吸気が増加する。すると、吸気温度検出手段は応答性が向上し、応答遅れが小さくなる。そこで、吸気圧力が大きくなる程、応答遅れが小さくなるため、補正量を小さくする。これによると、燃料噴射時期を過剰に補正してしまうことが抑制でき、燃料噴射時期をより好適な時期に補正できる。
前記補正手段は、前記吸気温度検出手段の汚れ度合いが大きくなる程、補正量を大きくするとよい。
吸気温度検出手段の汚れ度合いが大きくなる程、吸気温度検出手段は検出精度が悪化し、応答遅れが大きくなる。そこで、吸気温度検出手段の汚れ度合いが大きくなる程、応答遅れが大きくなるため、補正量を大きくする。これによると、燃料噴射時期を補正する際の補正量が不足してしまうことが抑制でき、燃料噴射時期をより好適な時期に補正できる。
本発明によると、内燃機関の制御装置において、燃料噴射時期をより好適な時期に補正することができる。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
<実施例1>
図1は、本実施例に係る内燃機関の制御装置を適用する内燃機関とその吸・排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する水冷式の4ストロークサイクル・ディーゼルエンジンである。
内燃機関1の各気筒2には、燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁2aが設けられている。また、内燃機関1には、吸気通路3及び排気通路4が接続されている。
内燃機関1に接続された吸気通路3の途中には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャのコンプレッサ5aが配置されている。また、コンプレッサ5aよりも上流の吸気通路3には、該吸気通路3内を流通する吸気の流量を調節する第1スロットル弁6が配置されている。この第1スロットル弁6は、電動アクチュエータにより開閉される。第1スロットル弁6よりも上流の吸気通路3には、該吸気通路3内を流通する新気吸入空気(以下、新気という)の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ7が配置されている。このエアフローメータ7により、内燃機関1の新気量が測定される。
コンプレッサ5aよりも下流の吸気通路3には、吸気と外気とで熱交換を行うインタークーラ8が配置されている。そして、インタークーラ8よりも下流の吸気通路3には、該吸気通路3内を流通する吸気の流量を調整する第2スロットル弁9が設けられている。この第2スロットル弁9は、電動アクチュエータにより開閉される。また、第2スロットル弁9よりも下流の吸気通路3には、吸気の温度を検出する吸気温度センサ10が配置されている。本実施例における吸気温度センサ10が本発明の吸気温度検出手段に相当する。
一方、内燃機関1に接続された排気通路4の途中には、ターボチャージャのタービン5bが配置されている。また、タービン5bよりも下流の排気通路4には、排気浄化装置11が配置されている。
排気浄化装置11は、酸化触媒と当該酸化触媒の後段に配置されたパティキュレートフィルタ(以下単にフィルタという)とを有して構成されている。フィルタには吸蔵還元型NOx触媒(以下単にNOx触媒という)が担持されている。
排気浄化装置11よりも下流の排気通路4には、該排気通路4内を流通する排気の流量を調節する排気絞り弁12が配置されている。この排気絞り弁12は、電動アクチュエータにより開閉される。
そして、内燃機関1には、排気通路4内を流通する排気の一部を低圧で吸気通路3へ還
流(再循環)させる低圧EGR装置30が備えられている。この低圧EGR装置30は、低圧EGR通路31、低圧EGR弁32、及び低圧EGRクーラ33を備えて構成されている。
低圧EGR通路31は、排気絞り弁12よりも下流側の排気通路4と、コンプレッサ5aよりも上流かつ第1スロットル弁6よりも下流側の吸気通路3と、を接続している。この低圧EGR通路31を通って、排気が低圧で内燃機関1へ送り込まれる。そして、本実施例では、低圧EGR通路31を流通して還流される排気を低圧EGRガスと称している。
また、低圧EGR弁32は、低圧EGR通路31内に配置され、低圧EGR通路31の通路断面積を調整することにより、該低圧EGR通路31を流れる低圧EGRガスの量を調節する。なお、低圧EGRガス量の調節は、低圧EGR弁32の開度の調整以外の方法によって行うこともできる。例えば、第1スロットル弁6の開度を調整することにより低圧EGR通路31の上流と下流との差圧を変化させ、これにより低圧EGRガスの量を調節することができる。
さらに、低圧EGRクーラ33は、低圧EGR通路31内に配置され、該低圧EGRクーラ33を通過する低圧EGRガスと、内燃機関1の機関冷却水とで熱交換をして、該低圧EGRガスの温度を低下させる。
一方、内燃機関1には、排気通路4内を流通する排気の一部を高圧で吸気通路3へ還流させる高圧EGR装置40が備えられている。この高圧EGR装置40は、高圧EGR通路41、及び高圧EGR弁42を備えて構成されている。
高圧EGR通路41は、タービン5bよりも上流側の排気通路4と、コンプレッサ5aよりも下流側の吸気通路3と、を接続している。この高圧EGR通路41を通って、排気が高圧で内燃機関1へ送り込まれる。そして、本実施例では、高圧EGR通路41を流通して還流される排気を高圧EGRガスと称している。
また、高圧EGR弁42は、高圧EGR通路41に配置され、高圧EGR通路41の通路断面積を調整することにより、該高圧EGR通路41を流れる高圧EGRガスの量を調節する。なお、高圧EGRガス量の調節は、高圧EGR弁42の開度の調整以外の方法によって行うこともできる。例えば、第2スロットル弁9の開度を調整することにより高圧EGR通路41の上流と下流との差圧を変化させ、これにより高圧EGRガスの量を調節することができる。また、ターボチャージャのタービン5bが可変容量型の場合には、タービン5bの流量特性を変更するノズルベーンの開度を調整することによっても高圧EGRガスの量を調節することができる。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU13が併設されている。このECU13は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
ECU13には、エアフローメータ7、及び吸気温度センサ10などの各種センサが電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU13に入力されるようになっている。
一方、ECU13には、第1スロットル弁6、第2スロットル弁9、排気絞り弁12、低圧EGR弁32、及び高圧EGR弁42の各アクチュエータ、並びに燃料噴射弁2aが電気配線を介して接続されており、該ECU13によりこれらの機器が制御される。
次に、本実施例におけるEGR制御について説明する。図2は、本実施例における内燃機関1の運転状態に応じた低圧EGR装置30と高圧EGR装置40の使用領域を例示した概略図である。図2の横軸は内燃機関の機関回転数NEを表し、縦軸は内燃機関の機関負荷を表している。
図2において、領域HPLは、内燃機関1の運転状態が低負荷・低回転の領域であり、高圧EGR装置40だけによってEGRが行われ、高圧EGRガスのみが流通するEGR制御状態である。領域MIXは、内燃機関1の運転状態が中負荷・中回転の領域であり、高圧EGR装置40及び低圧EGR装置30が併用されてEGRが行われ、低圧EGRガス及び高圧EGRガスの両方が流通するEGR制御状態である。領域LPLは、内燃機関1の運転状態が高負荷・高回転の領域であり、低圧EGR装置30だけによってEGRが行われ、低圧EGRガスのみが流通するEGR制御状態である。
このように、低圧EGR装置30と高圧EGR装置40とを切り替え、或いは併用することによって、広範な運転領域においてEGRを行うことが可能になり、内燃機関1から排出されるNOxの生成量を低減することが可能になっている。
ところで、高圧EGRガスと低圧EGRガスとは、その温度特性が異なる。高圧EGR通路41は、内燃機関1の本体近傍の排気通路4と吸気通路3をつなぐため、その経路長が比較的短く、燃焼室から排出され高圧EGR通路41及び吸気通路3を経て燃焼室に戻るまでの流通過程で高圧EGRガスは冷却され難い。したがって、高圧EGRガスの温度は比較的高温になる。これに対し、低圧EGR通路31は、内燃機関1から離れた位置で排気通路4と吸気通路3とをつなぐため、その経路長が比較的長く、さらには低圧EGRガスの流通経路の途中にはインタークーラ8や低圧EGRクーラ33が配置されており、燃焼室から排出され低圧EGR通路31及び吸気通路3を経て燃焼室に戻るまでの流通過程で低圧EGRガスは冷却され易い。したがって、低圧EGRガスの温度は比較的低温になる。
このため、内燃機関1の運転状態に応じて低圧EGR装置30と高圧EGR装置40の使用領域を変更すると、図3に示すように、吸気温度センサ10が検出する検出温度(吸気温度)が変化する。図3は、本実施例における内燃機関1の機関負荷に応じた吸気温度センサの検出温度を示す図である。図3において、低負荷域では領域HPLに属し、比較的高温の高圧EGRガスが大量に流通するので、検出温度は比較的高くなる。また、高負荷域では領域LPLに属し、比較的低温の低圧EGRガスが大量に流通するので、検出温度は比較的低温になる。中負荷域では領域MIXに属し、高圧EGRガス及び低圧EGRガスの両方が流通するので、吸気温度は領域HPLと領域LPLとの間の中間の温度になる。
このように、低圧EGR装置30と高圧EGR装置40とを切り替え、或いは併用することによって、吸気温度センサ10によって検出される検出温度は温度変化する。そして、この検出温度の温度変化は、実際の運転状態に対応する目標吸気温度よりも遅れてしまう。
例えば、内燃機関1の運転状態が低負荷から高負荷へ移行する加速過渡時においては、領域HPLから領域MIXを経て領域LPLへ移行することになるので、低圧EGRガスの目標量が増加すると共に高圧EGRガスの目標量が減少する。ここで、運転状態が移行する直前まで吸気通路3を流通しているEGRガスは、移行後の運転状態の定常時において吸気通路3を流通するEGRガスと比較して、高温の高圧EGRガスを多く含み、高温である。したがって、運転状態が移行した直後の吸気通路3の温度は、移行後の運転状態
の定常時と比較して高温の状態である。吸気通路3にはインタークーラ8等の熱容量の大きな機関部材が配置されているため、運転状態が移行した後、低温の低圧EGRガスが吸気通路3に流入し始めても、吸気通路3の温度は即座には低下し難い。
さらに、運転状態が移行した直後、運転状態が移行する直前までに吸気通路3に流入している高温のEGRガスが、運転状態が移行した後の低温のEGRガスによって掃気されるまでの一定期間は、高温のEGRガスが燃焼室に吸入される。そのため、運転状態が移行した後、低温のEGRガスが吸気通路3に流入し始めても、この一定期間は吸気温度が低下し難い。
このように、内燃機関1の加速過渡時においては、吸気温度センサ10が検出する検出温度が、移行後の運転状態に対応する目標吸気温度と比較して高くなる。検出温度が目標吸気温度より高い場合には、筒内温度が想定よりも高くなるため、スモークやNOxの発生量が増加する可能性がある。
一方、内燃機関1の運転状態が高負荷から低負荷へ移行する減速過渡時においては、領域LPLから領域MIXを経て領域HPLへ移行することになるので、高圧EGRガスの目標量が増加すると共に低圧EGRガスの目標量が減少する。ここで、運転状態が移行する直前まで吸気通路3を流通しているEGRガスは、移行後の運転状態の定常時において吸気通路3を流通するEGRガスと比較して、低温の低圧EGRガスを多く含み、低温である。したがって、運転状態が移行した直後の吸気通路3の温度は、移行後の運転状態の定常時と比較して低温の状態である。吸気通路3にはインタークーラ8等の熱容量の大きな機関部材が配置されているため、運転状態が移行した後、高温の高圧EGRガスが吸気通路に流入し始めても、吸気通路3の温度は即座には上昇し難い。
さらに、運転状態が移行した直後、運転状態が移行する直前までに吸気通路3に流入している低温のEGRガスが、運転状態が移行した後の高温のEGRガスによって掃気されるまでの一定期間は、低温のEGRガスが燃焼室に吸入される。そのため、運転状態が移行した後、高温のEGRガスが吸気通路3に流入し始めても、この一定期間は吸気温度が上昇し難い。
このように、内燃機関1の減速過渡時においては、吸気温度センサ10が検出する検出温度が、移行後の運転状態に対応する目標吸気温度と比較して低くなる。検出温度が目標吸気温度より低い場合には、筒内温度が想定よりも低くなるため、着火遅れや失火等の燃焼不安定を招いたり、HCの排出量が増加したりする可能性がある。
これに対し、検出温度が目標吸気温度より高い内燃機関1の加速過渡時に、燃料噴射弁2aによる燃料噴射時期を、移行後の運転状態に対応する基本燃料噴射時期より遅角させる。これにより、燃焼室における燃料の燃焼温度が低くなり、筒内温度が低下するため、加速過渡時において筒内温度が想定に近づき、スモークやNOxの発生量が増加する不具合を抑制できる。
一方、検出温度が目標吸気温度より低い内燃機関1の減速過渡時に、燃料噴射弁2aによる燃料噴射時期を、移行後の運転状態に対応する基本燃料噴射時期より進角させる。これにより、燃焼室における燃料の燃焼温度が高くなり、筒内温度が上昇するため、減速過渡時において筒内温度が想定に近づき、燃焼が不安定になったり、HCの排出量が増加したりする不具合を抑制できる。
ここで、検出温度は、吸気温度センサ10によって検出されている。この吸気温度センサ10には、検出温度が実際の吸気温度よりも遅れて変化する応答遅れが生じている。
このため、図4に示すように、加速過渡時のように吸気温度が下降変化していると、吸気温度センサ10の検出温度(実線)が実際の吸気温度(破線)より高く示される。そして、上記のように、吸気温度センサ10の検出温度が目標吸気温度よりも高く、内燃機関1の気筒2内の筒内温度を下げるため、実際の吸気温度よりも高い検出温度を示す吸気温度センサ10の検出温度に基づいて燃料噴射時期を遅角する場合がある。この場合には、吸気温度センサ10の応答遅れ分だけ遅角量が過大になり、筒内温度が想定よりも低下し過ぎてしまい、内燃機関1において着火遅れや失火等の燃焼不安定を招いたり、内燃機関1から排出されるHCの排出量が増加したりするおそれがある。
また、図4に示すように、減速過渡時のように吸気温度が上昇変化していると、吸気温度センサ10の検出温度(実線)が実際の吸気温度(破線)より低く示される。そして、吸気温度センサ10の検出温度が目標吸気温度よりも低く、内燃機関1の気筒2内の筒内温度を上げるため、実際の吸気温度よりも低い検出温度を示す吸気温度センサ10の検出温度に基づいて燃料噴射時期を進角する場合がある。この場合には、吸気温度センサ10の応答遅れ分だけ進角量が過大になり、筒内温度が想定よりも上昇し過ぎてしまい、内燃機関1から排出されるスモークやNOxの発生量が増加するおそれがある。
そこで、本実施例では、加速過渡時のように検出温度の温度変化が下降変化である場合に遅角する燃料噴射時期を進角側に補正し、減速過渡時のように検出温度の温度変化が上昇変化である場合に進角する燃料噴射時期を遅角側に補正するようにした。
具体的には、図5に示すように、吸気温度センサ10の応答遅れを考慮しない場合の燃料噴射時期の変更量を示す基準ラインに対して、加速過渡時のように検出温度の温度変化が下降変化である場合には、進角側に補正量Thys1を加え加速過渡時ラインとしこの加速過渡時ライン上で燃料噴射時期を調整し、減速過渡時のように検出温度の温度変化が上昇変化である場合には、遅角側に補正量Thys2を加え減速過渡時ラインとしこの減速過渡時ライン上で燃料噴射時期を調整する。
これによると、加速過渡時のように検出温度の温度変化が下降変化である場合には、燃料噴射時期が進角側に補正され、筒内温度が想定よりも低下し過ぎてしまうことが抑制される。よって、内燃機関1の燃焼室における燃料の燃焼が安定化し、着火遅れや失火等の燃焼不良を抑制できると共に、内燃機関から未燃燃料の排出が抑制され、HCの排出量が増加することを抑制できる。
また、減速過渡時のように検出温度の温度変化が上昇変化である場合には、燃料噴射時期が遅角側に補正され、筒内温度が想定よりも上昇し過ぎてしまうことが抑制される。よって、内燃機関1の燃焼室における燃焼温度が過剰に高くなることが抑制され、内燃機関1から排出されるスモークやNOxの発生量が増加することを抑制できる。
以上のように、応答遅れのある吸気温度センサ10の検出温度の温度変化に対して燃料噴射時期を補正することによって、燃料噴射時期をより好適な時期に補正できる。
次に、本実施例による燃料噴射時期の補正制御ルーチンについて説明する。図6は、本実施例による燃料噴射時期の補正制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、本ルーチンを実行するECUが、本発明の制御手段に相当する。
ステップS101では、ECU13は、目標吸気温度Tbseを算出する。目標吸気温度Tbseは、内燃機関の運転状態に基づいて定められる。
ステップS102では、ECU13は、吸気温度センサ10から検出温度Timを検出する。検出温度Timは吸気温度センサ10の実測する検出温度であるので、上記のように実際の吸気温度に対して応答遅れのある温度である。
ステップS103では、ECU13は、吸気温度センサ10の検出温度の時間変化ΔTim/Δtを算出する。
ステップS104では、ECU13は、ステップS103で算出した吸気温度センサ10の検出温度の時間変化ΔTim/Δtが負となるか否かを判別する。これにより、吸気温度センサ10の検出温度変化が下降変化しているか、上昇変化しているかを判別する。
ステップS104において、ΔTim/Δtが負(ΔTim/Δt<0:下降変化)と判定された場合には、ステップS105へ移行する。また、ΔTim/Δtが正(ΔTim/Δt>0:上昇変化)と判定された場合には、ステップS106へ移行する。
ステップS105では、ECU13は、燃料噴射時期を変更する係数ΔTを、
ΔT=検出温度Tim−補正量Thys1−目標吸気温度Tbse
から算出する。
(検出温度Tim−目標吸気温度Tbse)は、図5に示す基準ラインに関する変数に相当し、(−補正量Thys1)が燃料噴射時期を進角側に補正する加速過渡時ラインとするための切片に相当する。
また、ステップS106では、ECU13は、燃料噴射時期を変更する係数ΔTを、
ΔT=検出温度Tim+補正量Thys2−目標吸気温度Tbse
から算出する。
(検出温度Tim−目標吸気温度Tbse)は、図5に示す基準ラインに関する変数に相当し、(+補正量Thys2)が燃料噴射時期を遅角側に補正する減速過渡時ラインとするための切片に相当する。
ここで、補正量Thys1及び補正量Thys2は、予め実験等から定められた遅角・進角の補正量である。また、ステップS105及びステップS106を実行するECUが、本発明の補正手段に相当する。ステップS105及びステップS106の処理後、ステップS107へ移行する。
ステップS107では、ECU13は、燃料噴射弁2aによる気筒2内への燃料噴射時期を、ΔTに係数kを乗算したタイミングに設定し、燃料噴射を実施する。本ステップの処理後、一旦本ルーチンを終了する。
以上説明したルーチンを実行することにより、燃料噴射時期をより好適な時期に補正することができる。
なお、上記実施例では、補正量Thys1,Thys2は、一定値に定められていた。しかし、吸気圧力が大きくなる程、吸気量が多くなり、吸気温度センサ10に当たる吸気が増加する。すると、吸気温度センサ10は応答性が向上し、応答遅れが小さくなる。そこで、図7に示すように、吸気圧力が大きくなる程、応答遅れが小さくなるため、補正量Thys1,Thys2を小さくする。これによると、燃料噴射時期を過剰に補正してしまうことが抑制でき、燃料噴射時期をより好適な時期に補正できる。なお、吸気圧力は、
図1に示すように、吸気温度センサ10と並列したコンプレッサ5aよりも下流の吸気通路3に、吸気圧力センサ14を配置することで検出できる。本実施例の吸気圧力センサ14が、本発明の吸気圧力検出手段に相当する。
また、吸気温度センサ10の汚れ度合いが大きくなる程、吸気温度センサは検出精度が悪化し、応答遅れが大きくなる。そこで、吸気温度センサ10の汚れ度合いが大きくなる程、応答遅れが大きくなるため、補正量Thys1,Thys2を大きくする。これによると、燃料噴射時期を補正する際の補正量Thys1,Thys2が不足してしまうことが抑制でき、燃料噴射時期をより好適な時期に補正できる。
ここで、吸気温度センサ10の汚れ度合いは、図8(a)に示すように高圧EGR弁開度の時間変化ΔHPL/Δtと、吸気温度センサの検出温度の時間変化ΔTim/Δtとを比較し、ΔHPL/Δtが変化しているにもかかわらず、ΔTim/Δtが変化していないような、図8(a)の汚れ判定基準を下回ると、吸気温度センサ10が汚れていると判断する。そして、図8(b)に示すように、汚れ判定基準を下回った際の汚れ判定基準からの量に応じて、補正量Thys1,Thys2を増加させるとよい。
本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。
実施例1に係る内燃機関及び吸・排気系の概略構成を示す図である。 実施例1に係る内燃機関の運転状態に応じた低圧EGR装置と高圧EGR装置の使用領域を例示した概略図である。 実施例1に係る内燃機関の機関負荷に応じた吸気温度センサの検出温度を示す図である。 実施例1に係る過渡状態において検出温度と真の吸気温度と差異が生じることを示す図である。 実施例1に係る過渡状態において燃料噴射時期を補正する補正量を示す図である。 実施例1に係る燃料噴射時期の補正制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例1に係る吸気圧力と燃料噴射時期の補正量との関係を示す図である。 図8(a)は、実施例1に係る高圧EGR弁開度の時間変化と、吸気温度センサの検出温度の時間変化との関係を示す図であり、図8(b)は、実施例1に係る汚れ判定基準からの量と燃料噴射時期の補正量との関係を示す図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
2a 燃料噴射弁
3 吸気通路
4 排気通路
5a コンプレッサ
5b タービン
6 第1スロットル弁
7 エアフローメータ
8 インタークーラ
9 第2スロットル弁
10 吸気温度センサ
11 排気浄化装置
12 排気絞り弁
13 ECU
14 吸気圧力センサ
30 低圧EGR装置
31 低圧EGR通路
32 低圧EGR弁
33 低圧EGRクーラ
40 高圧EGR装置
41 高圧EGR通路
42 高圧EGR弁

Claims (3)

  1. 内燃機関の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    前記内燃機関の吸気通路を流通する吸気の温度を検出する吸気温度検出手段と、
    前記吸気温度検出手段が検出する検出温度が目標吸気温度より高い場合には前記燃料噴射手段から燃料を噴射する燃料噴射時期を遅角し、前記検出温度が目標吸気温度より低い場合には前記燃料噴射時期を進角する制御手段と、
    前記検出温度の温度変化が下降変化である場合に前記制御手段が変更する前記燃料噴射時期を進角側に補正し、前記検出温度の温度変化が上昇変化である場合に前記制御手段が変更する前記燃料噴射時期を遅角側に補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記吸気通路の吸気圧力を検出する吸気圧力検出手段を備え、
    前記補正手段は、前記吸気圧力検出手段が検出する吸気圧力が大きくなる程、補正量を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記補正手段は、前記吸気温度検出手段の汚れ度合いが大きくなる程、補正量を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
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