JP2009024147A - フルオレン基を有するノルボルネン単量体およびその重合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】フルオレン基を含む新規ノルボルネン化合物およびその重合体を提供する。
【解決手段】本発明は、ディールス・アルダー(Diels-Alder)反応を利用したフルオレン基を有する新規ノルボルネン化合物の合成に係るものである。該化合物は高活性開環メタセシス重合の特徴を示し、分子量が制御可能でかつ分子量分布の狭いフルオレン基を有するノルボルネン材料を作り出すことができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、ディールス・アルダー(Diels-Alder)反応を利用したフルオレン基を有する新規ノルボルネン化合物の合成に係るものである。該化合物は高活性開環メタセシス重合の特徴を示し、分子量が制御可能でかつ分子量分布の狭いフルオレン基を有するノルボルネン材料を作り出すことができる。
【選択図】図1
Description
本発明はノルボルネン単量体およびその重合体に関し、特に、フルオレン基を有するノルボルネン単量体およびその重合体に関するものである。
ポリノルボルネン(Polynorbornene)およびその誘導体は、開環メタセシス重合(Ring-opening Metathesis Polymerization,ROMP)により商業化された初めての製品であり、その優れた透明性、耐衝撃性、機械特性、加工性、および広い使用温度範囲のために、各種産業分野において広範かつ大量に使用がされている。よってかかる新規なポリマー材料の合成方法は重要性が増してきている。
オレフィンメタセシス重合はポリマー合成における極めて重要な手法であり、近年、シクロオレフィン開環メタセシス重合ならびに非環式ジエンおよびアルキンメタセシス重合がポリマー材料の合成においてとりわけ重要になっている。各種の新型触媒の開発に伴って、様々な官能基を有するポリマー材料の合成がますます頻繁に行われるようになり、それらは機能性ポリマー合成の重要な手法の1つになっている。有機金属触媒は、以前よりメタセシス重合に使用されている触媒であるが、官能基を有する単量体の重合に用いられる場合には制約があることが多い。
例えば、タングステン、チタニウムおよびルテニウムなどの金属は安定性と相溶性に優れ、水溶液中で重合反応を進行させることも可能である。例として、グラブス(Grubbs)が新規に開発したルテニウム触媒((Cl2Ru(CHPh)([PC6H11]3)2)はシクロオレフィン開環メタセシス重合に非常に有効であり、特に空気中にてある程度安定であるため、官能基を有する単量体の重合を進行させることができる。一般に、高重合速度および高分子量を達成できるようなメタセシス重合は、概してリビング重合性を示す。シクロオレフィン誘導体を単量体として進行させる開環メタセシス重合に関しては、研究がますます活発になされており、側鎖型液晶、二段階合成トリブロック共重合体、各種官能基を導入した重合体がその主たる研究対象である。官能基の導入は重合体に光電物性、生化学的活性などの特性を持たせる。
さて、近年におけるナノテクノロジーとナノマテリアルの重要性の高まりにより、開環メタセシス重合技術は特殊構造重合体の開発、両親媒性重合体の作製のみならず、自己組織化ナノ粒子材料の形成にも活用されている。オレフィンメタセシス(Olefin metathesis)はここ数年で注目度が高まってきた新規な炭素−炭素結合化合物の合成手法である。様々な新規触媒の開発と共にシクロオレフィンの精密メタセシス重合ならびに非環式ジエンおよびアルキンメタセシス重合の重要さが増している中で、機能性基を備えるノルボルネン誘導体により進行させる開環メタセシス重合は、新型機能性重合体を合成するための新たな手法となっている。また、各種官能基を持つポリマー合成材料の重要性が高まっているが、官能基の導入を利用すれば、重合体に光電物性、生化学的活性およびナノマテリアル特性を与え、重要な機能性ポリマー材料を作り出すことができる。ポリマー材料の性質は、ポリマーの構造、例えばポリマー材料のパフォーマンスに大きく関与する重合度、分子量、分子量分布および重合体組成などを左右かつ制御する。
上述に鑑み、ハイテクノロジー産業の特殊ポリマー材料に対する要求を満足するべく、本発明の目的は、フルオレン基を有するノルボルネン単量体およびこれを含んでなる重合体を提供することにある。
本発明は、ディールス・アルダー(Diels-Alder)反応を利用したフルオレン基を有する新規ノルボルネン化合物の合成に係るものである。該化合物は高活性開環メタセシス重合の特徴を示し、分子量が制御可能でかつ分子量分布の狭いフルオレン基を有するノルボルネン材料を作り出すことができる。
本発明の1実施態様は、一般式(I)で示される構造を備えたフルオレン基を有するノルボルネン単量体を提供する。
本発明の1実施態様は、一般式(II)で示される構造を備えたフルオレン基側鎖を有する重合体を提供する。
本発明の1実施態様は、一般式(III)で示される構造を備えたカルバゾール基およびフルオレン基を有するブロック共重合体を提供する。
本発明の1実施態様は、一般式(IV)で示される構造を備えたフルオレン基重合体を有する架橋ポリマー材料を提供する。
また、上述の化合物を提供するほかに、本発明の1実施態様は、フルオレン基側鎖を有する重合体の製造方法をも提供する。該方法は、一般式(I)で示される構造を備えたフルオレン基を有するノルボルネン単量体を、触媒Cl2Ru(CHPh)([PC6H11]3)2の存在下で重合させる工程を含む。
さらに、上述のフルオレン基重合体を有する架橋ポリマー材料の製造方法は、一般式(II)で示される構造を備えたフルオレン基側鎖を有する重合体を、触媒FeCl3の存在下、一般式(I)で示される構造を備えたフルオレン基を有するノルボルネン単量体と重合させる工程を含む。
本発明のフルオレン基を有する新規ノルボルネン化合物は高活性開環メタセシス重合の特徴を示し、分子量が制御可能でかつ分子量分布の狭いフルオレン基を有するノルボルネン重合体を極めて短時間に形成させることができる。さらに、本発明のフルオレン基を含むノルボルネン単量体をバッチ式に添加するまたは単量体と触媒のモル比を調整することにより、得られる重合体の分子量および分子量分布を制御することができる。また、本発明のフルオレン基を含むノルボルネン単量体はリビング開環メタセシス重合特性を示す化合物であるため、一連のブロック共重合体ポリマー材料の作製も可能になる。
本発明の上述した目的および特徴がより明らかにかつ容易に理解されるよう、以下に好ましい実施例を挙げ、添付の図面と対応させながら詳細に説明していく。
本発明は、ディールス・アルダー(Diels-Alder)反応を利用したフルオレン基を有する新規ノルボルネン化合物の合成に係るものである。該化合物は高活性開環メタセシス重合の特徴を示し、分子量が制御可能でかつ分子量分布の狭いフルオレン基を有するノルボルネン材料を作り出すことができる。
リビング開環重合技術は広い分野で用いられているが、リビング開環重合の特徴を示す化合物の設計は非常に難しい。また、公知技術から知り得るように、ノルボルネンのエキソ体(exo isomers)はエンド体(endo isomers)よりも活性が高い。反応時間の長短は分子設計の違いにより大きく異なってくる。本発明に係るフルオレン基を有する化合物は、レーザー生成材料および光学活性蛍光材料に利用することができる。本発明は、新規ノルボルネン化合物のエキソ−5−(フルオリンカルボキシルメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(exo−f)およびその活性重合体を設計して開示し、レーザー生成材料と光学活性蛍光材料への応用も可能とする。
メタセシス重合の反応条件
(1)メタセシス触媒
タングステンおよびモリブデン系メタセシス触媒には、これら金属を含むハロゲン化物、オキシハロゲン化物、およびオキシ有機化合物があり、より具体的には、六塩化タングステン、四塩化タングステン、五塩化モリブデンおよび酸化モリブデンアセチルアセトカルボキシレートなどが挙げられる。さらに、ルテニウム系のメタセシス触媒もあり、本発明ではCl2Ru(CHPh)([PC6H11]3)2を使用する。
(1)メタセシス触媒
タングステンおよびモリブデン系メタセシス触媒には、これら金属を含むハロゲン化物、オキシハロゲン化物、およびオキシ有機化合物があり、より具体的には、六塩化タングステン、四塩化タングステン、五塩化モリブデンおよび酸化モリブデンアセチルアセトカルボキシレートなどが挙げられる。さらに、ルテニウム系のメタセシス触媒もあり、本発明ではCl2Ru(CHPh)([PC6H11]3)2を使用する。
(2)溶剤
本発明に係るノルボルネン系単量体の開環メタセシス重合は溶剤を使用せずとも進行させることができるが、通常は不活性有機溶剤中で反応させる。使用する溶剤については、炭化水素系溶剤が好ましく、中でも溶解性に優れた開環重合体を生成させ得る環状炭化水素系溶剤がより好ましい。具体的には、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびジメチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロホルム、ジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素を挙げることができ、これら溶剤を二種類以上混合して使用してもよい。また、単量体に対する溶剤の使用量に制限はないが、通常は単量体1重量部に対して溶剤1〜20重量部とする。
本発明に係るノルボルネン系単量体の開環メタセシス重合は溶剤を使用せずとも進行させることができるが、通常は不活性有機溶剤中で反応させる。使用する溶剤については、炭化水素系溶剤が好ましく、中でも溶解性に優れた開環重合体を生成させ得る環状炭化水素系溶剤がより好ましい。具体的には、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびジメチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロホルム、ジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素を挙げることができ、これら溶剤を二種類以上混合して使用してもよい。また、単量体に対する溶剤の使用量に制限はないが、通常は単量体1重量部に対して溶剤1〜20重量部とする。
(3)温度
開環メタセシス重合の温度条件に特に制限はないが、通常は−20〜100℃、好ましくは0〜100℃とする。
開環メタセシス重合の温度条件に特に制限はないが、通常は−20〜100℃、好ましくは0〜100℃とする。
開環重合体
本発明により得られる開環メタセシス重合体およびその共重合体の分子量は、プロセス条件を利用して制御することができる。例えば数平均分子量は1000〜60000で必要に応じて増減制御可能である。また、本発明により得られる開環メタセシス重合体およびその共重合体の分子量分布(PDI)は、反応条件を利用して1.1以内に制御することができる。よって本発明により得られる重合体は優れた光電特性を備える。開環メタセシス重合体およびその共重合体の分子量および分子量分布はゲル浸透クロマトグラフィーにより分析し測定できる。
本発明により得られる開環メタセシス重合体およびその共重合体の分子量は、プロセス条件を利用して制御することができる。例えば数平均分子量は1000〜60000で必要に応じて増減制御可能である。また、本発明により得られる開環メタセシス重合体およびその共重合体の分子量分布(PDI)は、反応条件を利用して1.1以内に制御することができる。よって本発明により得られる重合体は優れた光電特性を備える。開環メタセシス重合体およびその共重合体の分子量および分子量分布はゲル浸透クロマトグラフィーにより分析し測定できる。
以下に本発明の好ましい実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1:末端にフルオレン基を含む新規ノルボルネン単量体(NBF)(exo−f)の合成
シクロペンタジエン25mL(0.304mmol)とメチルアクリレート30.1mL(0.335mmol)とを混合してからジクロロメタン30mL中に溶かし、24時間還流した。反応溶液を濃縮し、ナトリウムメトキシド(メタノール80mL中にナトリウム5.3g)溶液で処理してから4時間還流した。減圧回転蒸発によりメタノールを取り除き、残留物を水50mL中に溶解して還流し、メチルアクリレート基を酸性基に変えた。溶液が冷却したら、エーテルで抽出し、未反応物を除去した。次いで、希硫酸で水溶液を酸性化させ、エーテルで抽出し、さらにMgSO4で乾燥させた。そして、その混合物を、酸性の異性体を分離するために重炭酸ナトリウム28.8gを含有する水460mL中に溶かした。
シクロペンタジエン25mL(0.304mmol)とメチルアクリレート30.1mL(0.335mmol)とを混合してからジクロロメタン30mL中に溶かし、24時間還流した。反応溶液を濃縮し、ナトリウムメトキシド(メタノール80mL中にナトリウム5.3g)溶液で処理してから4時間還流した。減圧回転蒸発によりメタノールを取り除き、残留物を水50mL中に溶解して還流し、メチルアクリレート基を酸性基に変えた。溶液が冷却したら、エーテルで抽出し、未反応物を除去した。次いで、希硫酸で水溶液を酸性化させ、エーテルで抽出し、さらにMgSO4で乾燥させた。そして、その混合物を、酸性の異性体を分離するために重炭酸ナトリウム28.8gを含有する水460mL中に溶かした。
続いて、ヨウ素25.5gおよびヨウ化カリウム53.2gを水150mL中に溶かし、スポイトで反応溶液中に滴下した。さらに水溶液をエーテルで抽出してエンド体(endo isomer)(idolactone)を除去した。得られた溶液を酸性化することによりexo−bを生成し、エーテルで抽出して黄色の結晶を得たのち、冷ペンタン(−78℃)で再結晶させてexo−bを得た。
次に、exo−b3.5gをエーテル150mLに約4時間かけて溶解させ、水素化アルミニウムリチウム1.45gとエーテル25mLの混合物中にゆっくりと加え、9時間室温に置いてから45分還流し、混合物を冷却させて15mLの水および20%塩酸を加えた。エーテル層が分離したら、10%水酸化ナトリウム、水および飽和塩水で洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥させてエキソ−5−(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(exo−e)を得た。続いて、exo−eと9H−フルオレン−9−カルボン酸とを反応させて、末端にフルオレン基を含む新規ノルボルネン単量体(exo−f)を得た。融点は44〜45℃であった。実施例1により得られた末端にフルオレン基を含む新規ノルボルネン単量体(exo−f)の反応フローを下記反応式(I)に示す。
末端にフルオレン基を含む新規ノルボルネン単量体(exo−f)の水素および炭素核磁気共鳴スペクトルの結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(CDCl3):δ/ppm=1.18−1.21(H6,H7),1.27−1.37(H7),1.77−1.81(H5),2.68(H4),2.86(H1), 4.09−4.28(H8),4.92(H10),6.11(H2,H3),7.37−7.80 (H11)。
13C−NMR(CDCl3) :δ/ppm=29.49(C6),37.95(C5),41.52(C1),3.58(C4),44.92(C7),53.47(C10),69.34(C8),136.21(C3),137.99(C2),119.94,125.53,127.21,127.99,140.67,141.36,170.75(C9)
13C−NMR(CDCl3) :δ/ppm=29.49(C6),37.95(C5),41.52(C1),3.58(C4),44.92(C7),53.47(C10),69.34(C8),136.21(C3),137.99(C2),119.94,125.53,127.21,127.99,140.67,141.36,170.75(C9)
図1において曲線(a)は末端にフルオレン基を含む新規ノルボルネン単量体(exo−f)の蛍光スペクトルを表している。この図からわかるように、該単量体は391nmにピークを有し、375〜420nmに緩やかなピークがある。
実施例2:フルオレン基側鎖を含むノルボルネン重合体の作製
この実施例では精密メタセシスを利用してフルオレン基を含むノルボルネン重合体を重合する。先ず、105℃/4mmHgの条件下で減圧蒸留を行い、末端にフルオレン基を含む新規ノルボルネン単量体を精製した。そして、末端にフルオレン基を含むノルボルネン単量体(exo−f)0.911mmolをTHF3mL中に溶かして反応ビンに入れ、高真空装置に連結して“凍結−真空引き−封管−解凍”のサイクルを4回繰り返し行った。窒素を満たした乾燥グローブボックス中で、ルテニウム金属触媒(RuCl2[C21H26N2][CHC6H5]P(C6H11)3) 75mg(9.11×l0-3mmol)をTHF 0.2mLに溶かし、反応ビン中にシリンジでアルゴンガスを注入した。35℃で90秒反応させ、エチルビニルエーテル0.1mLを加えて重合反応を停止させたのち、窒素を通じたメチルアルコール500mL中で溶液から沈殿を析出させ、沈殿物を取り出して乾燥させた。沈殿した重合体1mmolをジクロロメタン10mL中に溶解してから、再度メチルアルコール500mL中にて沈殿させ、この手順を3回繰り返して精製重合体を得た。得られた精製重合体をベンゼン中に溶かしてろ過し、室温下で凍結乾燥した。DSC(示差走査熱量計)により新規なフルオレン基側鎖を含むノルボルネン重合体を分析したところ、そのガラス転移温度(Tg)は80℃であり、公知技術におけるポリノルボルネンのガラス転移温度(Tg=35℃)よりも高く、つまりその熱安定性が公知技術に比べて優れることがわかった。
この実施例では精密メタセシスを利用してフルオレン基を含むノルボルネン重合体を重合する。先ず、105℃/4mmHgの条件下で減圧蒸留を行い、末端にフルオレン基を含む新規ノルボルネン単量体を精製した。そして、末端にフルオレン基を含むノルボルネン単量体(exo−f)0.911mmolをTHF3mL中に溶かして反応ビンに入れ、高真空装置に連結して“凍結−真空引き−封管−解凍”のサイクルを4回繰り返し行った。窒素を満たした乾燥グローブボックス中で、ルテニウム金属触媒(RuCl2[C21H26N2][CHC6H5]P(C6H11)3) 75mg(9.11×l0-3mmol)をTHF 0.2mLに溶かし、反応ビン中にシリンジでアルゴンガスを注入した。35℃で90秒反応させ、エチルビニルエーテル0.1mLを加えて重合反応を停止させたのち、窒素を通じたメチルアルコール500mL中で溶液から沈殿を析出させ、沈殿物を取り出して乾燥させた。沈殿した重合体1mmolをジクロロメタン10mL中に溶解してから、再度メチルアルコール500mL中にて沈殿させ、この手順を3回繰り返して精製重合体を得た。得られた精製重合体をベンゼン中に溶かしてろ過し、室温下で凍結乾燥した。DSC(示差走査熱量計)により新規なフルオレン基側鎖を含むノルボルネン重合体を分析したところ、そのガラス転移温度(Tg)は80℃であり、公知技術におけるポリノルボルネンのガラス転移温度(Tg=35℃)よりも高く、つまりその熱安定性が公知技術に比べて優れることがわかった。
実施例2で得られたフルオレン基側鎖を含むノルボルネン重合体の反応フローを下記反応式(II)に示す。
フルオレン基側鎖を含むノルボルネン重合体の水素および炭素核磁気共鳴スペクトルの結果は以下のとおりであった。
1H−NMR(CDCl3):δ/ppm=1.14−2.71(H1,H4,H5,H6,H7),3.75−4.13(H8),4.85(H10),5.10−5.27(H2,H3),7.26−7.73(H11)
13C−NMR(CDCl3) :δ/ppm=29.85−46.27(C1,C4,C5,C6,C7),53.56(C10),69.90(C8),131.37−132.79(C3,C2),120.02,125.63,127.29,128.10, 140.72,141.43(C11),170.95(C9)(trans/cis:85/15)
13C−NMR(CDCl3) :δ/ppm=29.85−46.27(C1,C4,C5,C6,C7),53.56(C10),69.90(C8),131.37−132.79(C3,C2),120.02,125.63,127.29,128.10, 140.72,141.43(C11),170.95(C9)(trans/cis:85/15)
図1において曲線(b)はフルオレン基側鎖を含むノルボルネン重合体の蛍光スペクトルである。この図から、360nmと375nmに2つのメインピークがあり、単量体の蛍光スペクトルとは明らかに異なることがわかる。このことは、該ノルボルネン重合体と単量体のフルオレン基が異なる凝集挙動を示すことを意味する。
実施例3:単量体と触媒のモル比を利用したフルオレン基側鎖を含む重合体の分子量制御
実施例2と同じ手順でフルオレン基側鎖を含む重合体の合成を行った。ただし、単量体とルテニウム触媒のモル濃度比([M]/[I])を40から250まで調整し、分子量の変化をGPCでそれぞれ測定した。その結果は図2に示すとおりである。この結果から、本発明によれば、単量体とルテニウム触媒のモル濃度比([M]/[I])を変えることによって、得られるフルオレン基側鎖を含む重合体の分子量を制御できるということがわかる。
実施例2と同じ手順でフルオレン基側鎖を含む重合体の合成を行った。ただし、単量体とルテニウム触媒のモル濃度比([M]/[I])を40から250まで調整し、分子量の変化をGPCでそれぞれ測定した。その結果は図2に示すとおりである。この結果から、本発明によれば、単量体とルテニウム触媒のモル濃度比([M]/[I])を変えることによって、得られるフルオレン基側鎖を含む重合体の分子量を制御できるということがわかる。
図3において曲線(A)はフルオレン基側鎖を含むノルボルネン重合体(単量体と触媒のモル濃度比([M]/[I])は125)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による測定結果である。該重合体のPDI値は1.06であった。注目すべきは、本発明のRuCl2[C21H26N2][CHC6H5]P(C6H11)3を用いた末端にフルオレン基を含む新規ノルボルネン単量体の重合では、反応温度を35℃に保つという条件下において重合体が反応時間わずか90秒で理論分子量に達し、単量体濃度の触媒濃度に対する比([M]/[I])の増加に伴って、フルオレン基側鎖を含むノルボルネン重合体の分子量も線形に増加するという点である。なおかつ、実験分子量値は理論分子量値に非常に近い上、分子量分布(PDI)を1.05〜1.10の間に保つことができ、収率はいずれも99%をこえた。フルオレン基側鎖を含むノルボルネン化合物とルテニウム金属触媒の溶液についてNMRスペクトル分析を行ったところ、単量体二重結合の特性ピークδ5.5〜6.0ppmが消失し、ポリノルボルネン主鎖二重結合の特性ピークが5.1〜5.2ppmに現れることを見出した(trans/cis=85/15)。NMR結果は、たった90秒という短い時間内に、フルオレン基を含むノルボルネン単量体が完全に消費されて、フルオレン基側鎖を含むポリノルボルネンが生成されたということを示している。かような結果は、本発明が設計したフルオレン基を含むノルボルネン単量体がリビング開環メタセシス重合特性を示す化合物であるということを明らかにしている。特に、本発明のフルオレン基を含むノルボルネン単量体のリビング重合の特性を利用すれば、一連のブロック共重合体ポリマー材料の作製が可能になる点に留意されたい。
実施例4:バッチ添加を利用したフルオレン基側鎖を含む重合体の分子量制御
35当量濃度の末端にフルオレン基を有するノルボルネン単量体をTHF溶液中に溶かして反応ビンに入れ、高真空装置に連結して“凍結−真空引き−封管−解凍”のサイクルを4回繰り返し行った。続いて、窒素を満たした乾燥グローブボックス中で1当量濃度のルテニウム金属触媒(RuCl2[C21H26N2][CHC6H5]P(C6H11)3)をTHF溶液中に溶かし、シリンジで反応ビンに注入した。35℃で90秒反応させてから測定したところ、分子量は1.14×104であり、理論分子量である1.10×104に非常に近いものであった([M]/[I]=35)。次に、上記溶液中に35当量濃度の末端にフルオレン基を有するノルボルネン単量体を再度注入し、同じように35℃下90秒反応させた。その後、エチルビニルエーテル0.1mLを加えて重合反応を停止させた。最後に、沈殿物を析出し乾燥させてから、メチルアルコールで精製し、精製重合体を得た。その分子量は2.55×104、分子量分布は1.10であった。上述からわかるように、本実施例によれば、分子量が異なりかつ分子量分布の狭い重合体を極めて短い時間で容易に得ることができる。
35当量濃度の末端にフルオレン基を有するノルボルネン単量体をTHF溶液中に溶かして反応ビンに入れ、高真空装置に連結して“凍結−真空引き−封管−解凍”のサイクルを4回繰り返し行った。続いて、窒素を満たした乾燥グローブボックス中で1当量濃度のルテニウム金属触媒(RuCl2[C21H26N2][CHC6H5]P(C6H11)3)をTHF溶液中に溶かし、シリンジで反応ビンに注入した。35℃で90秒反応させてから測定したところ、分子量は1.14×104であり、理論分子量である1.10×104に非常に近いものであった([M]/[I]=35)。次に、上記溶液中に35当量濃度の末端にフルオレン基を有するノルボルネン単量体を再度注入し、同じように35℃下90秒反応させた。その後、エチルビニルエーテル0.1mLを加えて重合反応を停止させた。最後に、沈殿物を析出し乾燥させてから、メチルアルコールで精製し、精製重合体を得た。その分子量は2.55×104、分子量分布は1.10であった。上述からわかるように、本実施例によれば、分子量が異なりかつ分子量分布の狭い重合体を極めて短い時間で容易に得ることができる。
比較例
表1は、ノルボルネン化合物を重合するのに用いられるリビング開環メタセシス重合に関する公知技術を示している。これら公知技術で使用されるノルボルネン単量体(例えば表1の比較例1〜6で用いられている単量体)に、本実施例で使用する触媒Ru−1(RuCl2[C21H26N2][CHC6H5]P(C6H11)3)を用いたとしても、反応時間は依然として25分も要され、ひいては理論分子量に達するまでに5時間もの時間がかかる。これら比較例の中には、より高活性であるが価格も高い触媒(Ru−2)を用いることによって反応時間短縮を図ろうとしたものもあるが、それでもその系には4時間の反応時間が必要である(比較例7)。また、これら比較例のうち、N−ヘテロ環状カーボン(N-hetero-cyclic carbon)を含むルテニウム触媒を用いて、“Super−Grubbs”触媒(Ru−3)を作製しようとしたものがあるが、Ru−3を用いての重合反応は分子量と分子量分布の制御が難しいほか、リビング重合の効果を有効に達成させるために20時間近く時間がかかる(比較例8)。さらに、公知技術において、重合に必要な時間の短縮を目的とした開始が速やかな触媒(Ru−4)も開発されているが、かかる触媒でも30分の反応時間を要する(比較例9)。これら比較例と対比して、本実施例のフルオレン基を有するノルボルネン化合物にRu−1を組み合わせると、たった90秒でリビング重合を達成することができる。
表1は、ノルボルネン化合物を重合するのに用いられるリビング開環メタセシス重合に関する公知技術を示している。これら公知技術で使用されるノルボルネン単量体(例えば表1の比較例1〜6で用いられている単量体)に、本実施例で使用する触媒Ru−1(RuCl2[C21H26N2][CHC6H5]P(C6H11)3)を用いたとしても、反応時間は依然として25分も要され、ひいては理論分子量に達するまでに5時間もの時間がかかる。これら比較例の中には、より高活性であるが価格も高い触媒(Ru−2)を用いることによって反応時間短縮を図ろうとしたものもあるが、それでもその系には4時間の反応時間が必要である(比較例7)。また、これら比較例のうち、N−ヘテロ環状カーボン(N-hetero-cyclic carbon)を含むルテニウム触媒を用いて、“Super−Grubbs”触媒(Ru−3)を作製しようとしたものがあるが、Ru−3を用いての重合反応は分子量と分子量分布の制御が難しいほか、リビング重合の効果を有効に達成させるために20時間近く時間がかかる(比較例8)。さらに、公知技術において、重合に必要な時間の短縮を目的とした開始が速やかな触媒(Ru−4)も開発されているが、かかる触媒でも30分の反応時間を要する(比較例9)。これら比較例と対比して、本実施例のフルオレン基を有するノルボルネン化合物にRu−1を組み合わせると、たった90秒でリビング重合を達成することができる。
実施例5:カルバゾール基およびフルオレン基を含むブロック共重合体の合成
アルゴンを満たした乾燥グローブボックス内で、本発明で用いるルテニウム金属触媒を乾燥したTHF中に溶解した。次いで、THF中に、実施例1で得られたフルオレン基を有するノルボルネン単量体(exo−f)を溶かした。該単量体濃度の触媒濃度に対する比([M]/[I])は125とした。次に、真空装置を用いて「凍結−真空引き−解凍」の工程を行い、それを4回繰り返した。続いて、シリンジで触媒溶液を反応容器中に注入し、30℃で90秒反応させてPoly−exo−fを得た。この段階におけるPoly−exo−fの分子量は3.90×104(分子量分布PDI=1.06)であった(理論分子量3.96×104)。
アルゴンを満たした乾燥グローブボックス内で、本発明で用いるルテニウム金属触媒を乾燥したTHF中に溶解した。次いで、THF中に、実施例1で得られたフルオレン基を有するノルボルネン単量体(exo−f)を溶かした。該単量体濃度の触媒濃度に対する比([M]/[I])は125とした。次に、真空装置を用いて「凍結−真空引き−解凍」の工程を行い、それを4回繰り返した。続いて、シリンジで触媒溶液を反応容器中に注入し、30℃で90秒反応させてPoly−exo−fを得た。この段階におけるPoly−exo−fの分子量は3.90×104(分子量分布PDI=1.06)であった(理論分子量3.96×104)。
次いで、カルバゾール基ノルボルネン単量体(NBCbz)([M]/[I]=50)を上記反応溶液中に注入し、2時間撹拌し続けた。最後に、エチルビニルエーテル0.2mLを注入して反応を停止させ、メチルメタノールで精製し、析出後にカルバゾール基およびフルオレン基を有するノルボルネンブロック共重合体(Poly(exo−f)−b−(NBCbz))を得た。第2段階におけるPoly(exo−f)−b−(NBCbz)の分子量は5.12×104(分子量分布PDI=1.21)であった(理論分子量5.23×104)。図3における曲線(B)は実施例5で得られたカルバゾール基およびフルオレン基を有するノルボルネンブロック共重合体のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による測定結果である。
実施例5のカルバゾール基およびフルオレン基を有するノルボルネンブロック共重合体の反応フローを下記反応式(III)に示す。
本発明のPoly−exo−fをNMRで分析したところ、δ/ppm:7.26〜7.73(Ha−Hd)(1HNMR)ならびにδ/ppm:118.63,125.60,127.28,128.31(Ca〜Cd)および140.38,140.37(Ce〜Cf)(13CNMR)にフルオレン基のシグナルがあることがわかった。カルバゾール基およびフルオレン基を有するノルボルネンブロック共重合体に重合した後では、かかる重合体は、δ/ppm:8.11,7.26〜7.73(1HNMR)ならびにδ/ppm 109.79,118.54,120.28, 125.43(Ca'〜Cd')および112.81,138.49(Ce',Cf')にカルバゾール基の特徴ピークを有していた。
実施例6:フルオレン基重合体を含む架橋ポリマー材料の合成
フルオレン基の2,7位にπ共役網目構造誘導体を形成する。FeCl3を用いフルオレン基を有するノルボルネン重合体(Poly−exo−f)に化学酸化反応を進行させることによって作製を行うことができる。主な工程は次のとおりである。フルオレン基を有するノルボルネン重合体(Poly−exo−f)0.1gをクロロホルム10mL中に溶解してから、その溶液中に室温下で塩化鉄(III)(約5当量)を加えた。該溶液中に鉄を加えると、混合物の色が黒褐色に変わった。溶液を4時間撹拌し続け、混合物を大量のメチルアルコール中にあけ、フルオレン基重合体を含む架橋ポリマー材料を得た。この材料の蛍光スペクトルは図1の曲線(c)に示すとおりである。フルオレン基重合体を含む架橋ポリマー材料は非常に強いピークを示し(350nm)、これは共役性2,7−フルオレン基重合体)の主要特徴ピークである。さらに、この新規なフルオレン基を有するノルボルネン重合体の酸化架橋ポリマー材料はTgが161℃であり(DSCで測定)、Poly−exo−f(Tg=80℃)よりも81℃高かった。
フルオレン基の2,7位にπ共役網目構造誘導体を形成する。FeCl3を用いフルオレン基を有するノルボルネン重合体(Poly−exo−f)に化学酸化反応を進行させることによって作製を行うことができる。主な工程は次のとおりである。フルオレン基を有するノルボルネン重合体(Poly−exo−f)0.1gをクロロホルム10mL中に溶解してから、その溶液中に室温下で塩化鉄(III)(約5当量)を加えた。該溶液中に鉄を加えると、混合物の色が黒褐色に変わった。溶液を4時間撹拌し続け、混合物を大量のメチルアルコール中にあけ、フルオレン基重合体を含む架橋ポリマー材料を得た。この材料の蛍光スペクトルは図1の曲線(c)に示すとおりである。フルオレン基重合体を含む架橋ポリマー材料は非常に強いピークを示し(350nm)、これは共役性2,7−フルオレン基重合体)の主要特徴ピークである。さらに、この新規なフルオレン基を有するノルボルネン重合体の酸化架橋ポリマー材料はTgが161℃であり(DSCで測定)、Poly−exo−f(Tg=80℃)よりも81℃高かった。
実施例6のフルオレン基重合体を含む架橋ポリマー材料の反応フローを下記反応式(IV)に示す。
以上、本発明を好適な実施例により開示したが、本発明はこれに限定しようとするものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲を逸脱しない限りで変更および修飾を施すことができる。よって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲で定義されたものが基準とされる。
Claims (8)
- 単量体をバッチ式に添加する、または単量体と触媒のモル比を調整することによって、前記フルオレン基側鎖を有する重合体の分子量および分子量分布を制御する請求項5記載の製造方法。
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