JP2009023936A - 抗酸化剤および化粧料組成物 - Google Patents

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義彦 飯島
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Abstract

【課題】色素などのカナメモチ抽出物の活用を図ることにより、カナメモチの利用形態を拡大させながら、天然成分であるカナメモチ抽出物の優れた抗酸化性やラジカル消去性を利用した効率的で効果の優れた抗酸化剤および化粧料組成物を提供すること。
【解決手段】カナメモチ抽出物を含有することを特徴とする抗酸化剤およびそれを用いた化粧料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗酸化剤および該抗酸化剤を含有する化粧料組成物に関する。さらに詳しくは天然成分であるカナメモチ抽出物の抗酸化性やラジカル消去性を利用した効率的で効果の優れた抗酸化剤および化粧料の提供を目的とする。
カナメモチ類は、芽吹きどきの新葉は赤く、次第に緑色の割合が増えていくが、赤色は殆ど1年中保たれる。生垣用などに改良されたものは特に新葉の色が鮮やかで、ベニカナメとも呼ばれ、全葉の7割以上の広範な部位が赤色を呈し、天然の赤色色素を効率的に生産する。このカナメモチの赤色色素はアントシアニンであることが報告されており、果実中のアントシアニンとしてシアニジン−3−グルコシド(クリサンテミン)とシアニジン−3−ラムノグルコシド(アンチリニン)が報告されている(非特許文献1)。
また、葉と果実のフラボノイドパターンは類似すること(非特許文献2)や日本で見られる被子植物において新葉が赤くなり、アントシアニンが生産されること(非特許文献3)を考えると、赤いカナメモチの新葉においてもアントシアニンが蓄積されると考えられる。
アントシアニンは、合成着色料に比べて安全性が高いことや自然な色合いを有することから、古くから種々の食品に着色料として利用されてきた。また、最近になってアントシアニンが抗酸化性やラジカル消去性、さらには抗変異原性などを示すことが見いだされ、生体内酸化ストレスやDNA変異を抑止する食品因子としても再評価されている。
従って、赤色色素の高生産性を顧慮すると、カナメモチ抽出物、特に色素を含む抽出物の抗酸化性を始めとした生理活性を中心とした利用が望まれるが、用途開発、技術開発の報告はあまり見られない。カナメモチは現在、生垣、庭木などとして利用されているが、カナメモチの利用効率向上のためには、化学成分の利用を含む広範な用途開発・技術開発が望まれている。
Ishikura,N:Botanical Magazine Tokyo,88,41-45(1975) Ishikura,N:Phytochemistry,11,1741-1750(1972) Ishikura,N:Botanical Magazine Tokyo,85,303-306(1972)
従って、本発明の目的は、上記の問題を解決し、色素などのカナメモチ抽出物の活用を図ることにより、カナメモチの利用形態を拡大させながら、天然成分であるカナメモチ抽出物の優れた抗酸化性やラジカル消去性を利用した効率的で効果の優れた抗酸化剤および化粧料組成物を提供することである。
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意研究の結果、カナメモチ抽出物を抗酸化剤および化粧料組成物として用いることにより、上記の如き従来技術の問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明はカナメモチ抽出物を含有することを特徴とする抗酸化剤およびそれを用いた化粧料組成物を提供する。
本発明によれば、カナメモチ抽出物を抗酸化剤として化粧料組成物に用いることにより、有効に抗酸化性、ラジカル消去性が発揮され、高いアンチエージング効果、抗しわ効果、抗たるみ効果などを発現でき、同時にカナメモチの有効利用が促進される。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明で使用されるカナメモチとは、カナメモチおよびその類縁種のことで、バラ科カナメモチ属の常緑小高木、Photinia glablaの学名を持つ植物、およびその類縁の植物である。新葉が赤くなるのでアカメモチとも呼ばれる。
また、別称としてソバギ、ソバキ、ソバノキなどが使用される場合もあるが、これらも本発明で使用されるカナメモチに含まれる。カナメモチの変種で、特に芽出しが赤く、その後赤い新葉を多くつけるものにベニカナメやベニカナメモチと呼ばれるものがあるが、これらも本発明で使用されるカナメモチに含まれる。
また、カナメモチの類縁種としては、より大きな葉が特徴で、若葉がベニカナメ様に赤いオオカナメモチ或いはナガバカナメモチの名前を持つPhotinia serrulataの学名が採用されている植物が挙げられる。さらに、カナメモチの類縁種としてカナメモチとオオカナメモチの雑種で新芽が真っ赤なレッドロビン(Photinia×fraseri)という園芸品種があり、西洋で作出されたことからセイヨウベニカナメやアメリカカナメモチとも呼ばれることがあるが、これらの名前の植物も本発明で使用されるカナメモチに含まれる。
本発明において特に好適に使用される品種は、赤い新葉を多くつけるベニカナメやセイヨウベニカナメなどである。本発明で生理活性剤として使用されるのは、新葉、根、茎、葉などの各部位からの抽出物であるが、特に好適に使用されるのは植物の赤く着色した新葉の部分からの抽出物である。
カナメモチ新葉中の主な抗酸化物質としては、アントシアニンとカロテノイドが挙げられる。カナメモチは新葉が赤くなるが、この赤色はアントシアニンによるもので、クロロフィルが生産できるまで、新葉を紫外線から守る働きをしているとされる。また、赤い新葉ではカロテノイドの合成も起きていると思われる。カロテノイドは葉緑体中にクロロフィルと共に存在する黄色の色素で、植物体中では、光エネルギーの吸収、励起エネルギーの移動、光傷害防御などの機能を果たしているとされる。
カナメモチの赤い新葉はやがてクロロフィルが生産され、新緑へと変化するが、このクロロフィルの生産に先立ってカロテノイドの合成が起きることが知られている。従って、カナメモチの新葉中では赤色色素アントシアニンと黄色色素カロテノイドの蓄積が同時に起きていると考えられる。アントシアニンについてはそのポリフェノール構造のため、またカロテノイドについてはその長い共役二重結合系のため、これらの色素は強い抗酸化力を有すると考えられる。
本発明で抗酸化剤の原料として使用されるカナメモチの形態としては、赤く着色した新葉、根、茎、葉などを適当な大きさに裁断し、これより水、エチルアルコール、メチルアルコール、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチルエーテル、石油エーテルなどの適当な抽出媒体により抽出物を得て、この抽出物を化粧料用抗酸化剤として使用する。
本発明の抗酸化剤が使用される化粧料の種類としては、洗顔クリーム、洗顔フォーム、化粧水、美容液、パック、マッサージ剤、乳液、リップクリーム、モイスチャークリームなどの基礎化粧品用化粧料、ファンデーション、白粉、口紅、アイカラー、チークカラーなどのメイクアップ化粧品用化粧料、ネイルエナメル、リムーバー、石鹸、ボディシャンプー、入浴剤、サンスクリーン剤、デオドラントスプレー、脱色クリーム、脱毛クリームなどのボディ化粧品用化粧料、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント剤、ヘアムース、ヘアリキッド、ポマード、パーマウエーブ剤、ヘアカラー、ブリーチ剤などの頭髪用化粧品用化粧料、育毛剤、ヘアトニック、スカルプトリートメント剤などの頭皮用化粧品用化粧料、香水、オーデコロン、オードトワレなどの芳香化粧品用化粧料などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の抗酸化剤の化粧品への配合量は特に限定されないが、化粧品100質量部に対して0.0001〜20質量部程度である。特に化粧品100質量部に対して0.001〜5質量部程度が好ましい。
本発明の抗酸化剤が用いられる化粧品には、油脂、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸などの油性基剤、精製水、エチルアルコールなどの水性基剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などの界面活性剤、天然高分子物質、合成高分子物質などの高分子基剤、タルク、カオリンなど、粉体基剤などの化粧品基剤が使用される。該化粧品の剤型としては、例えば、溶液タイプ、ジェルタイプ、乳化タイプ、固体タイプ、粉体タイプ、ペーストタイプ、皮膜タイプ、エアロゾルタイプなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で抗酸化剤として使用されるカナメモチ抽出物の抽出方法は、通常の抽出方法でよく、抽出物がフリーラジカル消去能などの抗酸化能を有していれば特に限定されない。例えば、抽出溶媒を用いて抽出する場合は、抽出溶媒として、水、親水性有機溶媒、疎水性有機溶媒のいずれも用いられる。例えば、水、二酸化炭素、炭素数1〜5の低級アルコール類、含水低級アルコール類、炭素数1〜5の低級アルコールと炭素数1〜5の脂肪酸とのエステル類、ケトン類、上記エステル類と上記ケトン類の含水物、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、炭化水素類、液化ガス(液体炭酸、液化プロパン、液化ブタンなど)などの溶媒が用いられるが、水、エチルアルコール、メチルアルコール、1,3−ブチレングリコール、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、エチルエーテル、石油エーテル、クロロホルム、ベンゼン、n−ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサンなどが好適に用いられる。特に好適に用いられるのは水、エタノールなどである。また、これらの抽出溶媒の混合物も好適に用いられる。
抽出温度や抽出時間などの抽出条件も特に限定されず、通常行われる抽出条件が用いられる。例えば、好適な抽出温度としては0〜90℃の範囲の温度が用いられ、特に5〜70℃の範囲の温度が好適に用いられる。好適な抽出時間としては1時間〜1週間の範囲の抽出時間が用いられ、特に1日〜3日の範囲の抽出時間が好適に用いられる。好ましい溶媒容量は、被抽出物に対して質量比で1〜100倍量の範囲の溶媒量が好適に用いられ、特に2〜50倍量の溶媒量が好適に用いられる。
カナメモチ抽出物は、上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、或いは濃縮して得ることができる。抽出手段は特に限定されず、例えば、上記溶媒中に新葉、葉、茎、根などのカナメモチ原料を室温にて浸漬、静置する方法、上記溶媒中に該カナメモチ原料を投入の後、該溶媒の沸点以下の温度で加温、攪拌しながら抽出する方法、さらには超臨界抽出法、亜臨界抽出法なども用いられる。
本発明の抗酸化剤の使用形態は特に制限されないが、上記カナメモチ抽出物は必要に応じて種々の添加剤とともに、溶液、分散液、乳化液などの液状として、また、粉体、顆粒状、フィルム状、シート状などの固体として、化粧料として用いられる。添加剤としては、水、油剤、界面活性剤、潤滑剤、アルコール類、水溶性高分子剤、ゲル化剤、保湿剤、緩衝剤、防腐剤、抗炎症剤、増粘剤、香料、ビタミン類、他の抗酸化剤などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの添加剤は1種または2種以上を混合して用いることもできる。
本発明のカナメモチ抽出物は、そのままの状態でも抗酸化剤としても使用できるとともに、従来公知の抗酸化剤基材に添加して製剤化しても使用できる。抗酸化剤基材に対する使用量は特に限定されないが、目安としては、抗酸化剤基材と併用した場合、抗酸化剤基材100質量部に対して10〜100質量部程度である。特に、抗酸化剤基材100質量部に対して50〜100質量部程度が好ましい。
本発明における化粧料組成物とは、必須成分であるカナメモチ抽出物と通常の皮膚外用剤として知られる種々の形態の基剤を配合することにより調製されるものをいい、局所または全身用の皮膚洗浄料または、皮膚用化粧品類、頭皮頭髪用化粧品類、浴用剤、消臭・脱臭・防臭剤、化粧用シート、衛生用品などの化粧用製品と成すことができる。該化粧用製品の形態としては、アンプル、カプセル、粉末、顆粒、固形、溶液、ゲル、分散体、エマルジョン、シート、ミスト剤、スプレー剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記化粧用製品には、例えば、乳液、クリーム、化粧水、軟膏、美容液、ジェル、ローション、美容オイル、パック料、ミスト、顔面用化粧シートなどの基礎化粧料、入浴剤、洗浄料、皮膚洗浄料、消臭剤、制汗剤、クレンジング料、日焼け止め料などのボディ化粧品、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラなどのメイクアップ化粧料、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、整髪料、パーマ剤、ヘアトニック、染毛料、育毛・養毛料などの頭髪・頭皮化粧料、香水類、オーデコロンなどの芳香用化粧品が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の化粧料組成物には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で通常使用される成分として、水、油剤、油脂類、ロウ類、脂肪酸、鉱物油、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、多価アルコール類、エステル類、水溶性高分子、被膜形成剤、樹脂、ガム類、糖類、包接化合物、ビタミン類、アミノ酸類、pH調節剤、抗菌剤、防腐剤、他の抗酸化剤、血行促進剤、保湿剤、清涼剤、酸化防止剤、香料などを加えることができる。
本発明の化粧料組成物に使用されるカナメモチ抽出物の使用量は限定されないが、化粧料100質量部に対して、カナメモチ抽出物は乾燥分として0.00001〜20質量部程度で使用され、特に0.0005〜5質量部の範囲の時に好適に使用される。また、抽出液の場合は、この乾燥分換算量で使用される。
カナメモチ由来抽出物による抗酸化性の発現は、以下のメカニズムによって行われると考えられる。一般に、抗酸化性とは、電子が奪われる反応に抗する性質と定義されるが、具体的には様々な形で生体にとって不都合状態を惹起させる活性酸素・フリーラジカルによる水素引き抜き反応や該活性酸素・フリーラジカルによって引き起こされるラジカル連鎖反応を停止させる性質である。この場合、活性酸素とは三重項酸素(大気中の酸素分子)がより反応性の高い物質に変化したものの総称を言うが、一般的には、スーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、過酸化水素の反応性や毒性が特に強い4種を指す。
ここで、スーパーオキシドアニオンラジカルとヒドロキシラジカルはフリーラジカルである。フリーラジカルとは1つ以上の不対電子を持つ分子または原子と定義されるが、過酸化水素からも紫外線などのよりフリーラジカルであるヒドロキシラジカルが発生する。また、スーパーオキシドアニオンラジカルも過酸化水素とすばやく反応し、ヒドロキシラジカルを発生させる。ヒドロキシラジカルは細胞膜を構成している脂質と比較的容易に反応し、脂質を毒性の高い過酸化脂質に変え、次々に反応を起こさせ、生体成分を傷害する。また、これらの活性酸素・フリーラジカルは、皮膚の真皮中の細胞間マトリックスを変性させ、真皮を構成する線維芽細胞に傷害を与える。
細胞間マトリックスはコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ムコ多糖、プロテオグリカンなどから構成されるが、規則的な繊維構造を持つコラーゲン構造が活性酸素・フリーラジカルにより破壊されると、皮膚の張りがなくなり、しわを形成する一因となる。さらに、皮膚の弾力や伸縮に関係するエラスチンも活性酸素・フリーラジカルにより容易に分解され、その結果、しわ、たるみ、柔軟性低下といった皮膚老化を招来すると考えられる。また、活性酸素・フリーラジカルにより線維芽細胞のDNAが損傷されると、皮膚がんを生ずる原因となる。
主に赤や紫を呈する色素であるアントシアニンなどのカナメモチ由来抽出物中のフラボノイドは、その構造中のフェノール性水酸基が水素供与性、さらには該水素供与により発生するラジカルによるラジカルカップリング性により上記のヒドロキシラジカルやスーパーオキシドアニオンラジカルなどのフリーラジカルを消去させ、抗酸化性を発揮し、ヒドロキシラジカル、スーパーオキシドアニオンラジカル、さらには過酸化水素由来の生体成分に対する傷害を防御すると思われる。
一方、一重項酸素に対しては、一重項酸素がカナメモチ由来アントシアニジンの2位の炭素に結合して、ヒドロペルオキシドを生じ、さらにはB環部分が分離し、安息香酸誘導体を生じさせることにより、その反応性を不活化させ、皮膚におけるSODやカタラーゼなどの酸化防御システムの補完に有効的に機能すると考えられる。また、上記のラジカルのほかに、脂質ペルオキシルラジカル、アルコキシラジカル、ヒドロペルオキシラジカル、一酸化窒素、二酸化窒素などのフリーラジカルの消去にも有効に作用すると思われる。
また、カナメモチ由来抽出物中の主に黄色を呈する色素であるカロテノイドも一重項酸素やフリーラジカルの消去に効果がある。一重項酸素の消去は、一重項酸素からカナメモチ由来カロテノイドへエネルギー移動が起こり、その結果、三重項励起状態になったカロテノイドが振動緩和により基底状態に戻ることにより実現されると考えられる。また、フリーラジカルの消去については、カロテノイドがヒドロキシラジカルやその他の上記フリーラジカルと直接電子のやりとりを行うことにより機能され、傷害が防止されると考えられる。
カナメモチ由来抽出物は、上記のアントシアニンやカロテノイドの効果が相俟って、総じて大部分の活性酸素・フリーラジカルの消去に有効に作用し、その結果、老化(しわ、たるみ、柔軟性低下など)や炎症、疾患など該活性酸素・フリーラジカルに起因する様々な症状を緩和できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、文中の「%」は質量基準である。
<実施例1>カナメモチ(ベニカナメ)新葉由来抽出物
赤く色づいたカナメモチ(ベニカナメ)の新葉を切り取り、その10グラムをエタノール100ミリリットルに二晩浸漬した。その後、浸漬液を定性濾紙(No.2)で濾過し、抽出液とした。抽出残渣はさらに100ミリリットルのエタノールで同様に抽出濾過を繰り返し、300ミリリットルの抽出液を得た。抽出液はロータリーエバポレーターでエタノールを留去し、乾固後、1.2gの赤褐色のカナメモチ新葉由来抽出物を得た。
<実施例2>カナメモチ(ベニカナメ)新葉由来抽出物の薄層クロマトグラフィー(TLC)分析
シリカゲル60F254TLCアルミニウムプレート(5×20cm、Merck製)に、20%カナメモチ(ベニカナメ)新葉由来抽出物(実施例1)エタノール溶液を点着し、室温23℃で上昇法にて展開した。展開溶媒はBAW(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:5上層)を用い、約3時間展開した。ヘヤードライヤーで約3分風乾の後、出現したスポットのRf値と色調を調べた。この結果を表1に示した。この結果よりカナメモチ新葉由来抽出物には、少なくとも5種類の赤、紫、黄の色調を持つ色素が存在することが明らかになった。
Figure 2009023936
<実施例3>カナメモチ(ベニカナメ)新葉由来抽出物のラジカル消去能
DPPH(1,1-diphenyl-2-pycrylhydrazyl)ラジカルに対する消去能を測定し、試料の抗酸化性を分光学的に分析した。
実施例1のカナメモチ新葉由来抽出物1.0gを水5ミリリットルに溶解し、カナメモチ新葉由来抽出物溶液原液とした。96穴マイクロプレートを用い、50%エタノール水溶液で適宜に希釈したカナメモチ新葉由来抽出物溶液20マイクロリットルに125マイクロリットルの0.2mM DPPH(エタノール溶液)と125マイクロリットルの0.2M MES(2−モルホノリノエタンスルホン酸水溶液 pH6.0)を加え室温におき、20分後に540ナノメートルの吸光度を測定した。コントロールには試料溶液の代わりに50%エタノール水溶液、試料が着色しているためブランクとして試料溶液に50%エタノール水溶液250マイクロリットルを加えたものを用いて同時に測定した。なお、ラジカル消去活性は各吸光度を用いて次式により算出した。
ラジカル消去活性(%)=(1−(試料−ブランク)/コントロール)×100
この結果を表2に示す。この結果よりカナメモチ新葉由来抽出物は強いラジカル消去能を有していることが明らかになった。
Figure 2009023936
<実施例4>カナメモチ(ベニカナメ)新葉由来抽出物のSOD活性
実施例3のカナメモチ新葉由来抽出物溶液原液を50%エタノール水溶液にて適宜希釈して調製したカナメモチ新葉由来抽出物溶液を用い、該カナメモチ新葉由来抽出物のSOD活性を測定した。測定には、キサンチン−キサンチンオキシダーゼをスーパーオキシドの発生系とし、発生したスーパーオキシドが水溶性ホルマザンを生成することを検出原理としたSOD活性測定キットSOD Assay Kit(dojindo製)を用いた。なお、コントロールには試料溶液の代わりに純水を用いた。また、試料が着色しているためブランクとしては、キサンチンオキシダーゼの代わりに希釈用緩衝液(キットに付属)を用いて同時に測定した。SOD活性(阻害率)は各吸光度を用いて次式により算出した。
SOD活性(阻害率)(%)=(1−(試料−ブランク)/コントロール)×100
この結果を表3に示す。この結果よりカナメモチ新葉由来抽出物は強いSOD活性を有していることが明らかになった。
Figure 2009023936
以下に本発明に関わる化粧料組成物の処方例を示す。
配合例1(化粧水)
・グリセリン 5.0質量部
・プロピレングリコール 4.0質量部
・1%カナメモチ新葉由来抽出物(実施例1)1,3ブチレングリコール溶液
2.0質量部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(20E.O.) 1.0質量部
・エタノール 10.0質量部
・酸化防止剤 適量
・防腐剤 適量
・香料 適量
・精製水 残部
合計 100質量部
配合例2(クリーム)
・グリセリン 5.0質量部
・流動パラフィン 5.0質量部
・ミリスチン酸イソプロピル 5.0質量部
・1%カナメモチ新葉由来抽出物(実施例1)1,3ブチレングリコール溶液
2.0質量部
・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5.0質量部
・エタノール 5.0質量部
・酸化防止剤 適量
・防腐剤 適量
・香料 適量
・精製水 残部
合計 100質量部
本発明によれば、カナメモチ抽出物を抗酸化剤として化粧料組成物に用いることにより、有効に抗酸化性、ラジカル消去性が発揮され、高いアンチエージング効果、抗シワ効果、抗たるみ効果などを発現でき、同時にカナメモチの有効利用が促進される。

Claims (3)

  1. カナメモチ抽出物を含有することを特徴とするラジカル消去性抗酸化剤。
  2. カナメモチ抽出物を含有することを特徴とする活性酸素消去性抗酸化剤。
  3. 請求項1または2に記載の抗酸化剤を含有することを特徴とする化粧料組成物。
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