JP2009019648A - 動圧流体軸受装置およびそれを備えたスピンドルモータ、ディスク駆動装置 - Google Patents

動圧流体軸受装置およびそれを備えたスピンドルモータ、ディスク駆動装置 Download PDF

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Hiroo Yoshikawa
洋生 吉川
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Abstract

【課題】スラスト軸受中央部に発生し易くなる気泡を外部に排出し易い構造であり、携帯用や車載用にも適した動圧流体軸受装置を提供する。
【解決手段】ヘリングボーン形状の凸部動圧発生溝であるスラスト動圧発生溝9の内方中心付近に、スラストプレート5のシャフト1のフランジ部2に対向する面に中央凸部14を設け、この中央凸部14には前記シャフト1の中心に対称で中央凸部14を横断する少なくとも一本以上の凹状横断溝15を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハードディスクドライブ(以下、HDD装置と示す。)等の情報記録再生装置に搭載される動圧流体軸受装置およびそれを備えたスピンドルモータ、ディスク駆動装置に関するものである。
HDD装置は、パソコンへの使用はもちろんのこと、携帯音楽プレーヤや携帯電話などにも使用されている。このため、HDD装置およびHDD装置に搭載されるスピンドルモータに対しては、薄型化、小型化に加え、耐振動性、耐衝撃性などが求められる。
従来のHDD装置等用スピンドルモータ63を図9に示す。図9において、51はシャフト、52はシャフトに設けたフランジ部、53はスリーブ、54はキャップ、55はスラストプレート、56はロータハブ、57はロータマグネット、58はステータコア、59はコイル、60は磁気シールド板、61はベースである。シャフト51の外周またはスリーブ53の内周にはラジアル動圧発生溝64が形成されてラジアル軸受部66を構成している。シャフト51の端部に形成されているフランジ部52のスラストプレート55に対向する端面またはスラストプレート55にはスラスト動圧発生溝65が形成されてスラスト軸受部67を構成している。前記ラジアル軸受部66および前記スラスト軸受部67は、少なくとも図示しない潤滑流体62で満たされている。
以上のように構成されたHDD装置等用スピンドルモータ63において、ステータコア58に巻回されたコイル59に回転磁界が発生するように順次通電すると、ロータマグネット57が回転力を受け、前記ロータマグネット57が固定されたロータハブ56およびシャフト51が回転する。シャフト51、ロータハブ56、およびロータマグネット57から成るロータ部70が回転を始めると、ラジアル動圧発生溝64が形成されたラジアル軸受部66にラジアル動圧発生溝64と潤滑流体62による動圧力が発生し、また、スラスト動圧発生溝65が形成されたスラスト軸受部67にスラスト動圧発生溝65と潤滑流体62による動圧力が発生し、ロータ部70を非接触で回転させる。
ここで、ラジアル動圧発生溝64には一般的には当業者にはよく知られたヘリングボーン形状の動圧発生溝が形成されている。ラジアル動圧発生溝64の軸方向長さが長いほどシャフト51の傾きに対する復元力が大きくなり、いわゆる角度剛性が大きくなるので耐振動性、耐衝撃性が高くなる。
一方、スラスト動圧発生溝65には一般的には当業者にはよく知られたヘリングボーン形状やスパイラル形状の動圧発生溝が形成されているが、前述したようにHDD装置等用スピンドルモータにおいては薄型化・小型化が求められており、軸方向高さが抑えられるため、ラジアル軸受長が十分長く取れなくなってきているので、スラスト動圧発生溝65のラジアル方向長さを長くして角度剛性を大きくすることが行われており、図10に示すように、従来のスラストプレート55に形成されたスラスト動圧発生溝65は、フランジ部52またはシャフト51を実質的に支持する最大圧力部径φMが大きく取れるようにヘリングボーン形状としている。図中斜線部はスラストプレートに形成されたスラスト動圧発生溝65であり、凸状に形成されている。そして、このヘリングボーン形状のスラスト動圧発生溝65中央部には同じく凸状ランド72が設けられている。
特開2002−39166号公報 特開2002−70866号公報 特開平6−307435号公報
しかしながら、前記従来の構成ではスラスト動圧発生溝がヘリングボーン形状のため、シャフトの回転時にスラスト軸受部の圧力分布は最大圧力部径φMから中心に向かって低くなる(場合によっては負圧)。したがって、気泡は圧力の高い方から低い方へと移動して中央部に蓄積し易く、一度蓄積するとなかなか排出されないという課題を有していた。
そして、中央部に蓄積した気泡は温度上昇、低圧環境下、および衝撃による負圧などによって膨張し、潤滑流体を軸受外部に押し出すので、軸受は耐久性や信頼性などを十分に満足できる潤滑流体の量を保持することが困難であった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、気泡をスラスト軸受部中央部に蓄積し難くすると共に、スラスト軸受部の外に速やかに排出できる動圧流体軸受を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の動圧流体軸受装置は、シャフトと、前記シャフトが回転自在に挿入される軸受孔を有するスリーブと、前記シャフトの端面に対向し、前記スリーブの軸受孔を閉塞するスラストプレートと、前記スラストプレートの前記シャフト端面に対向する面、もしくは前記シャフト端面にヘリングボーン形状の凸状動圧発生溝を設け、前記シャフト、前記スリーブと前記スラストプレートにて形成された間隙に潤滑流体を有し、前記へリングボーン形状の凸状動圧発生溝の内方中心付近に中央凸部を形成し、前記中央凸部には前記シャフト中心から対称に設けられた少なくとも一本以上の前記中央凸部を横断する凹状横断溝を有することを特徴としたものである。
また、本発明は前記凹状横断溝の外周開口部の幅が、前記へリングボーン形状動圧発生溝の溝幅より小さいことを特徴としたものである。
また、本発明は前記凹状横断溝の外周開口部は、前記へリングボーン形状動圧発生溝の内周側開口部の範囲内に位置することを特徴としたものである。
また本発明は、前記シャフトのフランジ部に設けた凹部の外周部が、前記スラストプレートのへリングボーン形状の凸状動圧発生溝と半径方向に重なる位置に形成されていることを特徴としたものである。
さらに、前記シャフトの端面と前記スラストプレートに設けられた前記中央の凸面によって形成される間隙が、前記凹状横断溝の幅よりも小さく設定されていることを特徴としたものである。
また、本発明は一方の端面に径大なフランジ部を有するシャフトと、前記シャフトが回転自在に挿入される軸受孔を有するスリーブと、前記シャフトのフランジ部側の前記スリーブの軸受穴を閉塞するスラストプレートと、前記シャフトのフランジ部に対向する前記スラストプレート面にヘリングボーン形状の凸状動圧発生溝を設け、前記スラストプレートに対向する前記フランジ部の中央に中央凹部を設け、前記シャフト、前記スリーブと前記スラストプレートにて形成された間隙に介在している潤滑流体を有し、前記フランジ部の中央に設けた中央凹部の外周部に前記中央凹部の深さよりも深い環状凹部を設けたことを特徴としたものである。
また、本発明は前記中央凹部の中心には、前記環状凹部の内径よりも小さい外径の突出部が設けられていることを特徴としたものである。
また、本発明は前記フランジ部の中央部に設けた凹部の深さが、外周部に向かうほど軸方向に深く形成されていることを特徴としたものである。
さらに、本発明は前記シャフトのフランジ部に設けた凹部の外周部が、前記スラストプレートのへリングボーン形状の凸状動圧発生溝と半径方向に重なる位置に形成されていることを特徴としたものである。
以上のように本発明によれば、潤滑流体中の気泡をスラスト軸受部中央部に蓄積し難くできると共に、スラスト軸受部の外に速やかに排出できる動圧流体軸受を提供することができる。
以下に、本発明の動圧流体軸受装置およびそれを備えたスピンドルモータ、ディスク駆動装置の実施の形態を図1から図7を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における動圧流体軸受装置の断面図を示す。また、図2に本発明の実施の形態1におけるスラスト動圧発生溝の平面図とO−O‘断面図を示す。本実施の形態の説明では、便宜上、図面の上下方向を「軸方向上側」、「軸方向下側」などと表現するが、動圧流体軸受装置の実際の取り付け状態を限定するものではない。
図1において、1はシャフトであり、スリーブ3の軸受孔に回転自在な状態で挿入されている。このシャフト1の一端にはフランジ部2が設けられており、スリーブ3の軸受孔より径大でかつ、フランジ部2の高さよりも深い凹部に収まっている。そして、フランジ部2のシャフト1と反対側の端面に対向してスリーブ3の軸受孔を閉塞するスラストプレート5がスリーブ3にカシメなどによって固定されている。シャフト1の外周またはスリーブ3の内周にはラジアル動圧発生溝7が形成されてラジアル軸受部8を構成している。シャフト1のフランジ部2のスラストプレート5に対向する端面またはスラストプレート5にはヘリングボーン形状の凸部動圧発生溝であるスラスト動圧発生溝9が形成されてスラスト軸受部10を構成している。なお、フランジ部2を有さないシャフト1においてはシャフト1の端面にスラスト動圧発生溝9を形成してもよい。そして、前記ラジアル軸受部8および前記スラスト軸受部10は、少なくとも図示しない潤滑流体11で満たされている。
ここで、図2に示すように、スラスト動圧発生溝9の内方中心付近で、スラストプレート5のシャフト1のフランジ部2に対向する面に中央凸部14を設け、この中央凸部14にはシャフト1の中心に対称で中央凸部14を横断する2本の直交する凹状横断溝15が形成されている。
なお、フランジ部2のスリーブ3の端部に対向する面またはスリーブ3の端面に、第2のスラスト動圧発生溝12を形成し、第2のスラスト軸受部13を構成してもよい。
また、HDD装置等用スピンドルモータにおいては薄型化・小型化が求められており、軸方向高さが抑えられるため、ラジアル軸受部8の長さが十分長く取れなくなってきている。このため、動圧流体軸受装置の角度剛性(すなわち、シャフト1を傾ける方向にかかる外力に対する復元力を表し、通常は変位角度に対する復元力の比率で表す)を向上させるために、スラスト軸受部10の半径方向長さを大きく取ってスラスト軸受部10による角度剛性の向上を狙うように設計することが重要になってきている。スラスト軸受部10による角度剛性を向上させるためには、シャフト1の回転によって発生する圧力分布が最大になる最大圧力点発生部の径をできるだけ大きくすることが望ましい。これはフランジ部をできるだけ大きい範囲で支えることを目的とする。このためには、スラスト動圧発生溝9は最内周部に最大圧力点発生部を有するスパイラル形状よりも、最大圧力点発生部の径を大きくできるヘリングボーン形状が有利であり、本実施の形態1ではスラスト動圧発生溝9はヘリングボーン形状としている。
次に本実施の形態1の動作を以下に説明する。
図1において、シャフト1が回転していない時にはシャフト1のフランジ部2はスラストプレート5に接触しているが、シャフト1が回転すると、
スラスト軸受部10のヘリングボーン形状であるスラスト動圧発生溝9外周側の動圧溝によって潤滑流体11が溝頂点付近に向かって掻き集められ、スラスト軸受部10内部に流入する。一方、シャフト1が回転していない時にスラスト軸受部10内部に存在していた潤滑流体11やシャフト1の回転開始時に新たに外周部から流入してきた潤滑流体11は、スラスト動圧発生溝9内周部の動圧溝によって溝頂点付近に向かって掻き集められる。このときヘリングボーン形状であるスラスト動圧発生溝9は中心部の圧力分布が低くなり易く、スラスト軸受部10の中心付近に気泡が蓄積し、大きく成長する。
このとき、スラストプレート5中央の中央凸部14に設けた凹状横断溝15が気泡に対して相対的に回転することによって、溜まった気泡は、凹状横断溝15のエッジによって細かく砕かれ、凹状横断溝15の両端の開口部からスラスト動圧発生溝9の内周部に向かって外方に移動し易くなり、回転開始時は、シャフト1を浮上させるためにスラスト軸受部10に潤滑流体11が外部から流入してくるので、気泡はその流れとは反対に外部に向かって移動し易く、スラスト軸受部10外部へと排出される。
以上のように本実施の形態1によれば、スラスト動圧発生溝9の内方中心付近で、スラストプレート5のシャフト1のフランジ部2に対向する面に中央凸部14を設け、この中央凸部14にはシャフト1の中心に対称で中央凸部14を横断する2本の直交する凹状横断溝15を形成することにより、シャフト1の回転時にスラスト軸受部10中心付近に蓄積している気泡を細かく砕くことができ、気泡をスラスト軸受部10外部に排出し易くすることができる。さらに、気泡が細かく砕かれるので、スラスト動圧発生溝9を横切るときに発生動圧に与える影響が少なく、NRRO(Non Repeatable Run Out)を著しく悪化させることがないという効果も得られる。
なお、本実施例では凹状横断溝15を2本の直交する溝としたが、図3(a)、(d)、(e)、(f)に示すように少なくとも1本以上の溝があれば同様の効果を得ることができる。さらに凹状横断溝15の断面形状は、図3(a)に示すような矩形状で図示したがこれに限るものではなく、図3(b)、(c)に示すようにU字形状やV字形状でもよい。
上記の構成で気泡をスラスト軸受部10外部に排出し易くすることができるが、さらに下記の構成と組合わせることにより、より効果的に気泡を排出することができる。
本実施の形態1においてはヘリングボーン形状のスラスト動圧発生溝9の溝幅の最小部寸法Iを凹状横断溝15の溝幅Aよりも大きくすること、すなわち
I > A ・・・式1
により、シャフト1の回転時に、前述したように気泡は細かく砕かれてヘリングボーン形状の内周部に移動していくが、その大きさは凹状横断溝15の溝幅Aよりも小さいものが多いので、それよりも溝幅Iを大きくすることで、細かく砕かれた気泡はヘリングボーン形状の溝をスムーズに通過することができ、気泡の外部への排出がさらに容易となる。
また、本実施の形態1においては凹状横断溝15の開口部位置と、ヘリングボーン形状のスラスト動圧発生溝9内周部開口部(幅B)の位置を合わせ、開口部幅Bの範囲に溝幅Aが入るようにすること、すなわち
B > A ・・・式2
により、細かく砕かれた気泡は、凹状横断溝15の開口部付近に滞留することなくスムーズにスラスト動圧発生溝9内に移動することができ、気泡の外部への排出がさらに容易となる。
また、本実施の形態1においてはシャフト1またはフランジ部2の端面に設けた中央凹部16の最外径φDを、ヘリングボーン形状のスラスト動圧発生溝9の最内径φCより大きく設定すること、すなわち
φD > φC ・・・式3
により、スラスト動圧発生溝9の内周部が中央凹部16の範囲内に入るので、中央凸部14の凹状横断溝15で細かく砕かれた気泡は、中央凸部14の周囲から中央凹部16の範囲に移動し、そこでスラスト動圧発生溝9に捕らえられてその内部に引き込まれるため、気泡がスムーズに移動できるようになり、中央凸部14の周囲に滞留することがなく、気泡の外部への排出がさらに容易となる。
さらに、本実施の形態1においてはスラストプレート5の中央凸部14とシャフト1端面またはフランジ部2端面に微小な中央凹部16を形成することにより、この中央凹部16とスラストプレート5の隙間Fを凹状横断溝15の溝幅Aよりも小さくすること、すなわち
A > F ・・・式4
により、滞留した気泡は、シャフト1端面またはフランジ部2端面とスラストプレート5の中央凸部14とでスライスされるような効果が発生し、気泡をより細かく砕くことが可能となり、スラスト動圧発生溝9を横切るときに発生動圧に与える影響がさらに少なく、NRROを著しく悪化させることがなくなる。
なお、図3(a)、(b)、(c)は、中央凸部14の横断溝の上面図とそのO−O‘断面図であり、図3(d)、(e)、(f)は、中央凸部14の横断溝の上面図とその中央凸部の側面図である。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図4から図7を使って説明する。
図4は本発明の実施の形態2における動圧流体軸受装置の断面図、図5は本発明の実施の形態2における第1のシャフト端部とスラストプレートの断面図である。図5において、1はシャフトであり、その一端にはフランジ部2が設けられており、このフランジ部2の端面の中央部に中央凹部16が形成されている。そして図4に示すようにスラストプレート5側に形成されたスラスト動圧発生溝9の最内周径をφCとすると、シャフト1側に形成する中央凹部16の最外周径φDは、前記φCよりも大きいことは本実施の形態1と同様で、異なる点は中央凹部16の形状であり、フランジ部2に対して30〜70μmの隙間Fだけ窪んだ平面段差部18が中央付近に形成されており、その外周にはそれより深い80〜120μmの深さEで広さが0.2〜0.4mmである幅Gの環状凹部17が形成されている。
E > F ・・・式5
以上のように本実施の形態2においてはスラスト軸受部10中央付近に滞留する気泡は、相対的に毛管力の大きい平面段差部18に潤滑流体が集まるので、反対に気泡はより毛管力の小さい環状凹部17に移動し易くなるため、外周部の環状凹部17に気泡が集まる。そして環状凹部17はスラスト動圧発生溝9が位置的に重なっているので、移動した気泡がシャフト1の回転時にスラスト動圧発生溝9によって外周に向かって掻き出され易くなる。
ここで、スラストプレート5の中央にある中央凸部14は図4に示すような円板形状としているが、本実施の形態1の中で図1から図3を用いて説明した形状でも良いことは言うまでもない。
また、スラストプレート5側にスラスト動圧発生溝9が形成されており、シャフト1端部またはフランジ部2側に中央凹部16が形成される構成としているが、これに限るものではなく、シャフト1端部またはフランジ部2側にスラスト動圧発生溝が形成され、スラストプレート5側に以下に説明する中央凹部16が形成される構成としても良い。
また、スラストプレート5に形成された中央凸部14はスラスト動圧発生溝9の表面と同じ高さとすれば加工が容易で、同じ工程で形成することができる。ここで、シャフト1端面またはフランジ部2がこれらの面に対向して間隙を形成しているが、中央凸部14に対向する面との間では動圧は発生しないので、この間隙が小さいと回転損失の原因となるため、30〜70μm程度の中央凹部16を形成し、間隙を大きくすることにより、回転損失を低減している。
一方で、この間隙が大きくなりすぎると蓄積する気泡が大きくなる。また、シャフト1端面またはフランジ部2を平面にして、中央凸部14とスラスト動圧発生溝9の高さに差を設けてもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態2においては図6に示すように中央凹部16中央部の30〜70μmである隙間Fの頂点から外周に向かって約2度の傾斜で直線的に単調増加する傾斜面段差部19が形成されており、外周における段部を80〜120μmの深さEとしたことにより、中央付近に滞留する気泡は、相対的に毛管力の大きい傾斜面段差部19の中央に潤滑流体が集まり反対に気泡はより毛管力の小さい傾斜面段差部19の外周に移動し易くなるため、外周部に気泡が集まる。そしてこの部分にはスラスト動圧発生溝9が位置的に重なっているので、移動した気泡が起動時にスラスト動圧発生溝9によって外周に向かって掻き出され易くなる。
ここで、平面段差部18の形状が傾斜を有している場合はシャフト1の回転時にシャフト1端面またはフランジ部2との間の回転損失を大きくすることはないので、隙間Fはスラストプレート5に当接しない程度に小さい(0μmより大きい)隙間でも良い。
また、本実施の形態2においては図7に示すように、平面段差部18の中心付近に外径Jの幅は0.2〜0.4mmで、先端部の深さKの寸法は10〜30μmの突出部20が回転損失に影響のない程度に形成されている。ここで、環状凹部17の内径をLとすると、
φL > φJ ・・・式6
となっている。
平面段差部18を切削などにより加工する場合に、中央付近に切り残しが発生し易く、この切り残しの大きさは制御が極めて困難であり、軸受特性に影響を及ぼしたり、組立後にその切り残しが脱落する可能性もある。そこで、この切り残しを除去するため、研磨等の後加工が必要であり、加工コストを引き上げる原因になる。そこで、あらかじめ突出部20を設けることによって、加工による切り残しの発生を防止できる。切り残しは中央付近を切り込むことでも解決できるが、中央付近に凹部が形成されてしまい、ここに気泡が滞留するので好ましくない。
なお、本実施の形態1および2において、図1または図4のスリーブ3の断面図右側に、スリーブ3の軸受孔の内周に形成している上軸受と下軸受からなるラジアル動圧発生溝を記載したが、これに限られるものではない。例えば、どちらか一方の単一のラジアル軸受で構成されていてもよい。
また、前記の上軸受と下軸受からなるラジアル動圧発生溝において、上軸受の溝パターンは上半分のパターンが下半分のパターンより長い(非対称パターン、図1においてp>q)ので、潤滑流体にはラジアル軸受部内において、図中上から下に向かって循環力が働く。これによって、気泡がラジアル軸受部8から連通孔6に向かって移動し、連通孔6の内部を下から上に向かって移動し、最終的にキャップ4に設けた換気孔21から排出されるが、これに限られるものではない。例えば、下軸受が非対称パターン(図1においてr>s)でもよいし、両方が非対称パターンでもよい。
なお、スラスト軸受部10をフランジ部2とスラストプレート5の隙間に形成したが、さらにスリーブ3とフランジ部2の上端面の隙間に第2のスラスト動圧発生溝12からなる第2のスラスト軸受部13を形成してもよい。この場合は、低温時の潤滑流体粘度増大によって発生しやすくなる浮上量増大による動圧流体軸受の擦れ等を防止することができる。また、前述した循環力はフランジ部の上端面に設けた第2のスラスト動圧発生溝12で発生させてもよい。
さらに、シャフト1はフランジ部2を有しているが、これに限られるものではない。例えば、フランジ部2を持たないストレートシャフトでもよい。ただし、この場合はシャフトの抜け止め手段を別途設ける必要がある。
また、本実施の形態1および2において、スラストプレート5にスラスト動圧動圧発生溝9および中央凸部14を形成したが、これに限るものではない。例えば、図8に示すようにシャフト1またはフランジ部2にスラスト動圧動圧発生溝9および中央凸部14を形成し、スラストプレート5に中央凹部16を形成してもよい。
本発明にかかる動圧流体軸受装置およびそれを備えたスピンドルモータ、ディスク駆動装置は、潤滑流体中の気泡をスラスト軸受部中央部に蓄積し難くできると共に、スラスト軸受部の外に速やかに排出できる動圧流体軸受を提供でき、
HDD装置等の情報記録再生装置に搭載される動圧流体軸受装置およびそれを備えたスピンドルモータ、ディスク駆動装置等として有用である。
本発明の実施の形態1における動圧流体軸受装置の断面図 本発明の実施の形態1におけるスラスト動圧発生溝の平面図とO−O‘断面図 本発明のスラストプレート中央凸部のその他の例の平面図と側面図およびO−O‘断面図 本発明の実施の形態2における動圧流体軸受装置の断面図 本発明の実施の形態2におけるシャフト端部とスラストプレートの断面図 本発明の実施の形態2におけるシャフト端部のその他の例の断面図 本発明の実施の形態2におけるシャフト端部のその他の例の断面図 本発明の実施の形態1および2におけるシャフト側にスラスト動圧発生溝を形成したその他の例の断面図 従来の流体軸受装置を備えたスピンドルモータの断面図 従来の流体軸受装置のスラスト動圧発生溝の平面図
符号の説明
1、51 シャフト
2、52 フランジ部
3、53 スリーブ
4、54 キャップ
5、55 スラストプレート
6 連通孔
7、64 ラジアル動圧発生溝
8、66 ラジアル軸受部
9、65 スラスト動圧発生溝
10、67 スラスト軸受部
14 中央凸部
15 凹状横断溝
16 中央凹部
17 環状凹部
18 平面段差部
19 傾斜面段差部
20 突出部
21 換気孔
56 ロータハブ
57 ロータマグネット
58 ステータコア
59 コイル
60 磁気シールド板
61 ベース
63 スピンドルモータ
72 凸状ランド

Claims (11)

  1. シャフトと、
    前記シャフトが回転自在に挿入される軸受孔を有するスリーブと、
    前記シャフトの端面に対向し、前記スリーブの軸受孔を閉塞するスラストプレートと、
    前記スラストプレートの前記シャフト端面に対向する面、もしくは前記シャフト端面にヘリングボーン形状の凸状動圧発生溝を設け、
    前記シャフト、前記スリーブと前記スラストプレートにて形成された間隙に潤滑流体を有し、
    前記へリングボーン形状の凸状動圧発生溝の内方中心付近に中央凸部を形成し、前記中央凸部には前記シャフト中心から対称に設けられた少なくとも一本以上の前記中央凸部を横断する凹状横断溝を有することを特徴とする動圧流体軸受装置。
  2. 前記凹状横断溝の外周開口部の幅が、前記へリングボーン形状動圧発生溝の溝幅より小さいことを特徴とする請求項1に記載の動圧流体軸受装置。
  3. 前記凹状横断溝の外周開口部は、前記へリングボーン形状動圧発生溝の内周側開口部の範囲内に位置することを特徴とする請求項1および2に記載の動圧流体軸受装置。
  4. 前記シャフトのフランジ部に設けた凹部の外周部が、前記スラストプレートのへリングボーン形状の凸状動圧発生溝と半径方向に重なる位置とされていることを特徴とする請求項1から3に記載の流体軸受装置。
  5. 前記シャフトの端面と前記スラストプレートに設けられた前記中央の凸面によって形成される間隙が、前記凹状横断溝の幅よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1から4に記載の動圧流体軸受装置。
  6. 一方の端面に径大なフランジ部を有するシャフトと、
    前記シャフトが回転自在に挿入される軸受孔を有するスリーブと、
    前記シャフトのフランジ部側の前記スリーブの軸受穴を閉塞するスラストプレートと、
    前記シャフトのフランジ部に対向する前記スラストプレート面にヘリングボーン形状の凸状動圧発生溝を設け、
    前記スラストプレートに対向する前記フランジ部の中央に中央凹部を設け、
    前記シャフト、前記スリーブと前記スラストプレートにて形成された間隙に介在している潤滑流体を有し、
    前記フランジ部の中央に設けた中央凹部の外周部に前記中央凹部の深さよりも深い環状凹部を設けたことを特徴とする動圧流体軸受装置。
  7. 前記中央凹部の中心には、前記環状凹部の内径よりも小さい外径の突出部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の動圧流体軸受装置。
  8. 前記中央凹部の深さは、外周部に向かうほど軸方向に深く形成されていることを特徴とする請求項6に記載の動圧流体軸受装置。
  9. 前記中央凹部の外周部が、前記スラストプレートのへリングボーン形状の凸状動圧発生溝と半径方向に重なる位置とされていることを特徴とする請求項6から8に記載の流体軸受装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の動圧流体軸受装置を搭載したスピンドルモータ。
  11. 請求項10に記載のスピンドルモータを搭載したディスク駆動装置。
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