JP2009016554A - 太陽電池用光散乱膜、太陽電池用光学部材および太陽電池 - Google Patents

太陽電池用光散乱膜、太陽電池用光学部材および太陽電池 Download PDF

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Abstract


【課題】本発明は、その上に成膜する半導体層に欠陥を生じさせず、光閉じ込め効果の高い太陽電池用光散乱膜および太陽電池用光学部材、および変換効率が高い太陽電池を提供することを目的とする。
【解決手段】マトリックス樹脂中に、前記マトリックス樹脂よりも屈折率が低い散乱粒子が分散されてなる平坦面2bを有する太陽電池用光散乱膜2であって、前記光散乱膜2の透過率が70%以上であり、前記マトリックス樹脂と前記散乱粒子との屈折率差が0.10〜0.13であり、前記散乱粒子の平均粒径が1.0〜10.0μmであることを特徴とする太陽電池用光散乱膜2を用いることにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池用光散乱膜、太陽電池用光学部材および太陽電池に関するものである。
近年、石油エネルギーの代替エネルギーとして、およびクリーンエネルギーの必要性の高まりにともない、太陽電池の研究が活発に行われている。
太陽電池には、単結晶シリコン系太陽電池、多結晶シリコン系太陽電池、薄膜シリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、色素増感太陽電池などがある。さらに、前記薄膜シリコン系太陽電池には、アモルファスシリコン太陽電池と微結晶シリコン太陽電池がある。さらに、アモルファスシリコン太陽電池と微結晶シリコン太陽電池を積層したタンデム型太陽電池、さらに3つの太陽電池を積層したトリプル型太陽電池などがある。
これらの中で、薄膜シリコン系太陽電池は、その構成材料が地球上に豊富に存在すること、大面積化が容易なこと、構成材料を薄く成膜することができること、構成材料の消費量が少ないこと、技術的な成熟度が高いこと等の優れた特色を持っている。
しかし、薄膜シリコン系太陽電池では、発生させる電流値を高くできないという問題があった。一般に、太陽電池においては光吸収の量に伴い発生する電流値を高くすることができるので、光電変換層において光吸収に寄与するi層の膜厚を厚くすることが必要となる。しかし、薄膜シリコン系太陽電池としてアモルファスシリコン太陽電池を用いた場合には、i層の膜厚を厚くすると光劣化率が大きくなり、長期間の使用を考えるとかえって変換効率が減少することとなり、薄膜シリコン系太陽電池として微結晶シリコン太陽電池を用いた場合には、i層の膜厚を厚くすると生産時間が長くかかり、生産性を落とすこととなった。
さらに、アモルファスシリコン太陽電池でも微結晶シリコン太陽電池の場合でも、i層の膜厚を厚くすると内蔵電界がかかりにくくなるので、出力電圧や曲線因子が悪化して変換効率を向上させることができなくなった。
そこで、i層の膜厚を厚くすることなく、i層での光の吸収量を増加させる方法が検討された。特許文献1では、i層の光の受光面側に、凹凸表面構造からなる“テクスチャー構造”と呼ばれる構造を透明導電膜によって設け、入射光をこの“テクスチャー構造”によって散乱させることにより、i層を通過する光の行路長を長くして、i層で吸収される光の量を増加させる方法が開示されている。しかしながら、非特許文献1にあるように、この“テクスチャー構造”の凹凸表面構造は、その上に半導体膜を形成した場合、半導体膜に多くの欠陥を誘起して出力電圧や曲線因子を悪化させ、変換効率を悪化させる場合があった。
また、特許文献2では、i層の光の受光面側にバインダーに絶縁性微粒子を分散した薄膜を設けた例について開示されている。この薄膜は、絶縁性微粒子の形状に起因する凹凸形状をそのバインダー表面に形成するので、“テクスチャー構造”と同様にその表面で入射光を散乱させ、i層で吸収される光の量を増加させることができる。しかし、この薄膜の上に半導体膜を成膜した場合には、表面の凹凸形状によって半導体膜の一部に欠陥を生じさせ、その欠陥が反射損失を生じさせて変換効率を悪化させた。
そこで、その上に成膜する半導体層に欠陥を生じさせず、光閉じ込め効果の高い光散乱膜が求められている。また、同時に、その光散乱膜を具備した光学部材、およびその光散乱膜あるいは光学部材を具備し、変換効率が高い太陽電池が求められている。
特許第2862174号公報 特許第3706835号公報 Y・ナスノら(Y.Nasuno et al.),ジャパニーズ・ジャーナル・アプライド・フィジックス(Jpn.J.Appl.Phys.Lett.),40,L303(2001)
本発明は、その上に成膜する半導体層に欠陥を生じさせず、光閉じ込め効果の高い太陽電池用光散乱膜および太陽電池用光学部材、および変換効率が高い太陽電池を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、本発明の光散乱膜は、マトリックス樹脂中に、前記マトリックス樹脂よりも屈折率が低い散乱粒子が分散されてなる平坦面を有する光散乱膜であって、前記光散乱膜の透過率が70%以上であり、前記マトリックス樹脂と前記散乱粒子との屈折率差が0.10〜0.13であり、前記散乱粒子の平均粒径が1.0〜10.0μmであることを特徴とする。
本発明の太陽電池用光散乱膜は、前記マトリックス樹脂中に分散させた散乱粒子の混合率が30質量%以下であることが好ましい。
本発明の太陽電池用光散乱膜は、前記光散乱膜の膜厚が、前記散乱粒子の平均粒径より大であることが好ましい。
本発明の太陽電池用光散乱膜は、前記光散乱膜のヘイズ率が、57〜90%であることが好ましい。
本発明の太陽電池用光散乱膜は、前記平坦面の表面粗さが50〜300Åであることが好ましい。
本発明の太陽電池用光学部材は、先に記載の太陽電池用光散乱膜と、前記太陽電池用光散乱膜の前記平坦面と反対側の面に配置された透明基体とからなることを特徴とする。
本発明の太陽電池は、光電変換層を備えてなる太陽電池であって、前記光電変換層の少なくとも光取り込み側に先に記載の太陽電池用光散乱膜が備えられてなることを特徴とする。
上記構成によれば、その上に成膜する半導体層に欠陥を生じさせず、光閉じ込め効果の高い太陽電池用光散乱膜および太陽電池用光学部材、および変換効率が高い太陽電池を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態である太陽電池の一例を示す断面模式図である。
基板(透明基体)1上に光散乱膜(太陽電池用光散乱膜)2、上部電極層3、光電変換層4および下部電極層5がこの順序で積層され、太陽電池100が構成されている。
基板1は、光取り込み面1aを有し、その反対側の面1bに光散乱膜2の一面2aが接合されている。光散乱膜2の他面側は平坦性を有し平坦面2bとされている。このようにして、基板1と光散乱膜2とからなる光学部材(太陽電池用光学部材)10が形成されている。
光電変換層4は、p型薄膜シリコン層41、i型薄膜シリコン層42およびn型薄膜シリコン層43がこの順序で積層されて形成されている。また、下部電極層5は、下部透明導電電極51と金属電極52がこの順序で積層されて形成されている。
このように、基板1、上部電極層3、光電変換層4、下部電極層5がこの順序で積層された構造を「スーパーストレートタイプ」と呼称する。
「スーパーストレートタイプ」構造においては、図1において光の入射方向が矢印Aによって示されているように、光は光取り込み面1aから基板1に入射され、基板1内部を通過した後、光取り込み面1aの反対側の面1bに接合された光散乱膜2に入射される構成となっている。さらに、光散乱膜2および上部電極層3を通過して、光電変換層4に入射される。この光電変換層4において光起電力を生じ、光は電力へと変換される構成となっている。
基板1は、透明な材料からなることが好ましい。透明であれば、基板1において光を損失させることがなく、光電変換層4での変換効率を向上させることができるためである。透明な材料としては、たとえば、ガラス、石英および透明性ポリイミドなどを挙げることができる。
また、基板1は、耐熱性材料からなることが望ましい。光電変換層4をアモルファスシリコン層で形成する場合には製造工程において熱処理が行われるので、耐熱性であることが望ましい。
また、太陽電池を屋外で使用する場合にも、太陽光によって、基板表面が熱せられる場合があるので、耐熱性であることが望ましい。
光散乱膜2は、マトリックス樹脂中に散乱粒子が分散されて構成されている。
マトリックス樹脂および散乱粒子は、透明な材料からなることが好ましい。光を損失なく光散乱膜2から光電変換層4へ透過させることによって光電変換層4での変換効率を向上させることができるためである。
マトリックス樹脂と散乱粒子との屈折率差は0.05〜0.30であることが好ましく、0.10〜0.25がより好ましく、0.12〜0.20が更に好ましい。
マトリックス樹脂と散乱粒子との屈折率差が0.05未満の場合には、光を効果的に散乱させることができないため好ましくなく、マトリックス樹脂と散乱粒子との屈折率差が0.30を超える場合には、光を十分に光電変換層4に入射させることができないため好ましくない。
マトリックス樹脂と散乱粒子との屈折率差は、紫外領域、可視光領域および赤外領域における屈折率差を示すが、少なくとも70%以上の透過率となる波長領域でマトリックス樹脂と散乱粒子との屈折率差が0.05〜0.30となればよい。
また、光散乱膜2は、平坦面2bを有する膜であることが好ましく、その平坦面2bの表面粗さは、50〜300Åであることが好ましく、50〜150Åがより好ましく、50〜100Åが更に好ましい。ここで、表面粗さとは、いわゆる算術平均粗さRaをいう。
表面粗さRaが300Å以下であれば、その上に成膜する上部電極層3、光電変換層4および下部電極層5を平坦に形成することができる。
前記平坦面2bの表面粗さRaが300Åを超える場合には、この平坦面2b上に積層する上部電極層3、光電変換層4および下部電極層5の平坦性を高くすることができず、光電変換層4を構成する薄膜シリコン層41〜43内の欠陥が増加するおそれがあるので好ましくない。
前記平坦面2bの表面粗さRaが50Å未満とすると、光散乱膜の形成が困難となり、生産効率が低下するので好ましくない。
なお、表面粗さRaは、たとえば、接触式膜厚計(株式会社 アルバック社製 商品名「Dektak16000」)で測定できる。
光散乱膜2の透過率は70%以上であることが好ましく、88%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。
光散乱膜2の透過率が70%未満の場合には、光を十分に光電変換層4へ入射させることができず、光電変換層4での変換効率を向上させることができないため好ましくない。
光散乱膜2の透過率は、紫外領域、可視光領域および赤外領域の光に対する透過率を示すが、紫外から赤外まですべての領域で、透過率が70%以上である必要はなく、特定の一部の領域、たとえば、可視光領域のみで透過率が70%であってもよい。
なお、光散乱膜2の透過率は、たとえば、分光測定装置(日立製作所製 商品名「U4000」)で空気をレファレンスとして透過率を測定し、積分球で透過光を集める方法で測定できる。
また、光散乱膜2は、ヘイズ率が57〜90%の膜であることが好ましく、65〜79%がより好ましい。
光散乱膜2のヘイズ率が57%未満の場合には、光散乱性が低下して、光を効果的に閉じ込めることができないため好ましくなく、光散乱膜2のヘイズ率が90%を超えると、透過率が低下するおそれがあるので好ましくない。
光散乱膜2のヘイズ率は、紫外領域、可視光領域および赤外領域の光に対するヘイズ率を示すが、少なくとも70%以上の透過率となる波長領域でヘイズ率が57〜90%となればよい。
なお、光散乱膜2のヘイズ率は、たとえば、ヘイズメーター(株式会社 村上色彩研究所社製 商品名「HM−150」)で測定できる。
光散乱膜2の透過率が70%以上であり、かつヘイズ率が57〜90%である場合に、優れた光閉じ込め効果が発現される。光閉じ込め効果とは、太陽電池100の内部に入射された光が太陽電池100の内部から外部に放射されない効果のことをいう。
図1に示すように、太陽電池100は光取り込み面1aを一面側に有し、他面側は金属電極52で構成されている。そのため、太陽電池100において光散乱膜2を設けない場合には、光取り込み面1aから入射された光のうち光電変換層4で電気エネルギーに変換されなかった光は金属電極52の一面52aで反射されて外部に放出される場合がある。しかしながら、光閉じ込め効果を有する光散乱膜2を光電変換層4の光取り込み面1a側に設けることによって、光取り込み面1a側から入射されて金属電極52の一面52aで反射された光の外部への放出を防止することができる。
光散乱膜2を構成するマトリックス樹脂の材料としては、カルド樹脂、熱硬化型樹脂あるいは光硬化型樹脂のいずれかを用いればよい。
マトリックス樹脂に用いる熱硬化型樹脂としては、カルド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが好ましい。また、光硬化型樹脂としては、前記カルド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化型樹脂を変性させ2重結合を付加させたタイプが望ましい。
また、マトリックス樹脂は、1.51〜1.68の範囲の屈折率を有するものがよい。
たとえば、熱硬化型のカルド樹脂の屈折率は1.62程度であり、アクリルモノマーで変性したカルド樹脂の屈折率は、1.58程度である。
光散乱膜2をパターニング形成する場合は、マトリックス樹脂に光硬化型樹脂を用いるのが好ましい。光硬化型の樹脂にアクリルモノマー、光重合開始剤などを加えて感光性樹脂組成物としたものを用いれば、フォトリソグラフィ法などよってパターニングして光散乱膜2を形成することができる。
また、マトリックス樹脂に補助材として無機化合物を分散させて形成してもよい。無機化合物をマトリックス樹脂に分散させることによって、マトリックス樹脂の屈折率を更に高めて、散乱粒子との屈折率差をより大きくすることができる。また、透過率も高めることができる。無機化合物を加えすぎると、光散乱膜2の透過率が低下するので、無機化合物の量は10質量%以下とすることが好ましい。また、無機化合物は、平均粒径が数nmオーダーの微粒子を用いることが好ましい。無機化合物としては、TiOのあるいはSnOなどを挙げることができる。
たとえば、マトリックス樹脂としてカルド樹脂を用い、補助材としてTiOを分散させる場合には、TiOの濃度を10質量%程度とすることが好ましい。TiOを10%程度含有させたカルド樹脂の屈折率は1.64程度になる。
次に、光散乱膜2を構成する散乱粒子の材料としては、無機化合物あるいは樹脂が好ましい。また、散乱粒子は、1.40〜1.50程度の屈折率を有するものが好ましい。
散乱粒子に用いる無機化合物としては、シリカなどの無機酸化物、およびエアロゲル(多孔質シリカ等)などの中空フィラーなどが好ましい。
また、散乱粒子に用いる樹脂としては、アクリル樹脂(屈折率1.51)、ハロゲン化アクリレートなどが好ましく、特に、フッ化アクリレートは屈折率が1.45(ハロゲンランプD線589nm)と小さいため好ましい。
また、散乱粒子は、種類の異なる2種類以上の粒子で構成されていてもよい。たとえば、マトリックス樹脂中に、フッ化アクリレートからなる散乱粒子と中空フィラーからなる散乱粒子とが混在されていても良い。
マトリックス樹脂に対する分散性を向上させるために、散乱粒子の表面に対して適当な処理を行ってもよい。
たとえば、SiO、ZrO、Al、ZnO、透明樹脂、カップリング剤、または界面活性剤などにより表面を被覆する処理を行うことにより、または、アルコール、アミン、または有機酸などを用いて表面を化学処理することにより、マトリックス樹脂に対する散乱粒子の分散性を向上させることができる。
上記のように、散乱粒子は、マトリックス樹脂の屈折率よりも低い屈折率を有する材料を選択するとよい。
表1は、マトリックス樹脂と散乱粒子の組み合わせの一例を示したものであり、マトリックス樹脂および散乱粒子の屈折率と、マトリックス樹脂と散乱粒子の屈折率差を示している。なお、この組み合わせはあくまで例示であり、本発明がこの組み合わせに限定されるものではない。
Figure 2009016554
散乱粒子の平均粒径は、1.0〜10.0μmであることが好ましく、1.0〜3.0μmがより好ましく、1.2〜1.45μmが更に好ましい。
散乱粒子の平均粒径が1.0μm未満の場合には、十分な散乱が得られないため好ましくなく、散乱粒子の平均粒径が10.0μmを超える場合には、粒径が大きくすぐに液中で沈下してしまうため好ましくない。
なお、散乱粒子の平均粒径は、粒度分布計SD−2000(シスメックス株式会社製)で測定したものであって、散乱粒子が球状の場合には、散乱粒子の直径の平均値であり、散乱粒子が回転楕円体の場合には、短径の平均値である。
散乱粒子は、平均粒径が異なる2種類の散乱粒子を混ぜて用いることがより好ましい。平均粒径が異なる2種類の散乱粒子を混ぜて用いることによって、長波長側の光をより散乱させることができ、光電変換層4において発電量を増加させることができるためである。たとえば、平均粒径が1.0〜1.9μmである散乱粒子と、平均粒径が1.5〜1.9μmである散乱粒子を混合して用いることが好ましい。
光散乱膜2の膜厚は、散乱粒子の平均粒径より大きくすることが好ましい。光散乱膜2の膜厚が散乱粒子の平均粒径より小さい場合には、光散乱膜2の表面に、散乱粒子に起因する凹凸形状が形成され、平坦面2bの表面粗さを300Å以下にすることが困難になるためである。
マトリックス樹脂に分散させる散乱粒子の含有量は30質量%以下が好ましい。
マトリックス樹脂に分散させる散乱粒子の含有量が30質量%を超える場合には、散乱粒子を均一に分散させることができなくなり、光散乱膜2の透過率やヘイズ率など特性が面内でばらつくおそれが発生するため好ましくない。
光散乱膜2は、まず、未硬化のマトリックス樹脂中に散乱粒子を分散させた溶液を調製し、この溶液をスピンコーティング法、ロールコート法、スプレー法、バーコート法、ダイコート法、フローコート法あるいはデッピング法などのウエットプロセスを用いて、基板表面に成膜して形成する。なお、この溶液には、有機溶剤、分散助剤、レベリング剤、及びカップリング剤のような添加剤を含有させることができる。
また、光散乱膜2は、耐熱性材料からなることが望ましい。光電変換層4をアモルファスシリコン層で形成する場合には製造工程において熱処理が行われるので、耐熱性であることが望ましい。また、太陽電池を屋外で使用する場合にも、太陽光によって基板表面が熱せられる場合があるので、耐熱性であることが望ましい。少なくとも230〜250℃で3時間の耐熱性があることが望ましい。
また、光散乱膜2は、熱膨張係数がSiに近いことが望ましく、60ppm/℃よりも小であることが望ましい。
さらにまた、光散乱膜2は、紫外線吸収剤を添加するもしくは紫外線吸収機能層を含むことによって、耐紫外線性を具備させることが望ましい。太陽電池を屋外で使用する場合には、太陽光によって基板表面は紫外線に曝されるためである。なお、光散乱膜2の外側に紫外線吸収機能層が設けられていてもよい。例えば光散乱膜2と基板との間に紫外線吸収機能層が設けられていてもよい。
上部電極層3の材料としては、透明導電性酸化物が好ましい。たとえば、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウムカドミウム(CdIn)、酸化カドミウムスズ(CdSnO)、酸化亜鉛スズ(ZnSnO)、酸化インジウム亜鉛(In−Zn−O)などを挙げることができる。
また、透明導電性酸化物に不純物を添加(ドープ)してもよい。たとえば、酸化インジウムにスズ(Sn)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)をドープしたり、酸化スズにアンチモン(Sb)、フッ素(F)をドープしたり、酸化亜鉛にインジウム、アルミニウム、ガリウム(Ga)をドープしたりすることができる。
特に、酸化スズにフッ素をドープしたものと、酸化亜鉛にガリウムまたはアルミニウムをドープしたものが好ましい。次の光電変換層4の形成工程において、上部電極層3が水素プラズマに曝されるので、FドープしたSnOあるいはGaドープもしくはAlドープしたZnOなどのような還元雰囲気に強い材料が好ましいためである。
上部電極層3の作成方法は、スパッタリング法、蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ゾルーゲル法などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
光電変換層4は、p型薄膜シリコン層41、i型薄膜シリコン層42、n型薄膜シリコン層43を積層して形成する。
光電変換層4を構成する材料は、結晶質および非結晶質シリコンのどちらを用いてもよい。また、結晶質および非結晶質のシリコンカーバイドあるいはシリコンゲルマニウムなどのシリコンを30%以上含有する材料を用いてもよい。
光電変換層4の形成には、プラズマCVD法、光CVD法、Hot−wire CVD法などの作成方法を用いる。特に、プラズマCVD法を用いることが好ましい。プラズマCVD装法は、膜質の良い膜を高い生産性で形成することができるためである。
p型薄膜シリコン層41は、光電変換層4を形成する過程において、まずp型ドーパントであるボロン、ガリウム、アルミニウムなどをドーピングして形成する。
p型ドーピングに用いる原料は、ボロン源はジボラン、B(CH、BFなどを挙げることができ、ガリウム源はトリメチルガリウム、トリエチルガリウムなどを挙げることができ、アルミニウム源は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどを挙げることができるが、これらの材料に限定されるものではない。
また、p型薄膜シリコン層41の形成の際に、炭素をドーピングすることにより、p型薄膜シリコン層のバンドギャップを大きくして、より多くの光をi層内に導くことができ、多くのキャリアを生成できる構成とすることができる。この場合の原料の炭素源はメタンを挙げることができる。
i型薄膜シリコン層42は、p型薄膜シリコン層41を形成した後、ドーパントをドーピングせずに形成する。
n型薄膜シリコン層43は、i型薄膜シリコン層42を形成した後、n型ドーパントであるリンなどをドーピングして形成する。
下部電極層5は、下部透明導電電極51と金属電極52を順次積層して形成する。
下部電極層5の作成方法は、スパッタリング法、蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ゾルーゲル法などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
下部透明導電電極51の材料は、導電性があり、透明な酸化物からなる材料であればよい。
たとえば、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウムカドミウム(CdIn)、酸化カドミウムスズ(CdSnO)、酸化亜鉛スズ(ZnSnO)、酸化インジウム亜鉛(In−Zn−O)などを挙げることができる。
また、上記の酸化物に不純物を添加(ドープ)してもよい。たとえば、酸化インジウムにスズ(Sn)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)をドープしたり、酸化スズにアンチモン(Sb)、フッ素(F)をドープしたり、酸化亜鉛にインジウム、アルミニウム、ガリウム(Ga)をドープしたりすることができる。
金属電極52の材料は、Al、Au、Ag、Cu、Pt、Crなどの金属が好ましく、Alが特に好ましい。Alは、鏡面反射性を有しており、光を素子内に閉じ込めることができるとともに、光電変換層4で生じたキャリアを効率よく取り出すことができるためである。また、前記金属を含有する合金であってもよい。
(実施形態2)
図2は、本発明の実施形態である太陽電池の別の一例を示す断面模式図である。
基板1上に光散乱膜2、上部電極層3、光電変換層4、下部光電変換層6、下部電極層5が順次積層されて、太陽電池101が構成されている。
基板1は、光取り込み面1aを有し、その反対側の面1bに光散乱膜2の一面2aが接合されている。光散乱膜2の他面側は平坦性を有し平坦面2bとされている。このようにして、基板1と光散乱膜2とからなる光学部材10が形成されている。
光電変換層4は、p型薄膜シリコン層41、i型薄膜シリコン層42、n型薄膜シリコン層43がこの順序で積層されて形成されている。
下部光電変換層6は、p型薄膜シリコン層61、i型薄膜シリコン層62、n型薄膜シリコン層63がこの順序で積層されて形成されている。また、下部電極層5は、下部透明導電電極51と金属電極52がこの順序で積層されて形成されている。
このように、基板1、上部電極層3、光電変換層4、下部光電変換層6、下部電極層5がこの順序で積層された構造を「タンデム型」と呼称する。
なお、実施形態1と同一の部材については、同一の符号を付して示してある。
「タンデム型」構造においては、図2において光の入射方向が矢印Aによって示されているように、光は光取り込み面1aから基板1に入射され、基板1内部を通過した後、光取り込み面1aの反対側の面1bに接合された光散乱膜2に入射される構成となっている。さらに、光散乱膜2および上部電極層3を通過して、光電変換層4および下部光電変換層6に入射される。この光電変換層4および下部光電変換層6において光起電力を生じ、光は電力へと変換される構成となっている。
図2に示すように、「タンデム型」は光電変換層4と下部光電変換層6の2つの光電変換層を直列につなげた構造である。2つの光電変換層を有するため、1つの光電変換層しか有しない太陽電池よりも、光起電力の大きさを上げることができる。
なお、「タンデム型」では、バンドギャップの大きい太陽電池素子が光入射側に設置された方が、有効に光を利用できるため光電変換層4がアモルファスシリコン太陽電池、下部光電変換層6が微結晶シリコン太陽電池またはシリコンゲルマニウム太陽電池であることが好ましい。
(実施形態3)
図3は、本発明の実施形態である太陽電池のさらに別の一例を示す断面模式図である。
基板11上に下部電極層5、光電変換層4、上部電極層3、光散乱膜2が順次積層されて、太陽電池102が構成されている。
基板11上に下部電極層5が設けられている。下部電極層5は、金属電極52、下部透明導電電極51がこの順序で積層されて形成されている。
下部透明導電電極51の上には、光電変換層4が設けられている。
光電変換層4は、n型薄膜シリコン層43、i型薄膜シリコン層42、p型薄膜シリコン層41がこの順序で積層されて形成されている。
光電変換層4の上には、上部電極層3が設けられている。
さらに、上部電極層3の一面は、光散乱膜2の平坦面2bに接合されている。そのため、上部電極層3、光電変換層4および下部電極層5は平坦性を確保できる構成となっている。
光散乱膜2の平坦面2bの他面側には、光取り込み面2aが設けられ、光を太陽電池102の内部に取り込むことができる構成となっている。
また、このように、上部電極層3、光電変換層4、下部電極層5、基板11がこの順序で積層された構造を「サブストレートタイプ」と呼称する。
なお、実施形態1と同一の部材については、同一の符号をつけて示してある。
「サブストレートタイプ」構造においては、図3において光の入射方向が矢印Aによって示されているように、光は光取り込み面2aから光散乱膜2に入射され、光散乱膜2内部を通過した後、光取り込み面2aの反対側の平坦面2bに接合された上部電極層3に入射される構成となっている。さらに、上部電極層3を通過して、光電変換層4に入射される。この光電変換層4において光起電力を生じ、光は電力へと変換される構成となっている。
基板11は、不透明な材料であってもよい。「サブストレートタイプ」構造においては、基板11側の反対側の面、すなわち光散乱膜2の光取り込み面2aから光が入射され、光電変換層4において光電変換され光起電力を生ずるためである。たとえば、ガラス、石英および透明性ポリイミドなどの透明な材料を用いることもできるが、不透明性ポリイミド、ステンレス薄板などを用いることもできる。
以下、本発明の効果について説明する。
本発明の光散乱膜は、マトリックス樹脂中に、前記マトリックス樹脂よりも屈折率が低い散乱粒子が分散されているので、太陽電池において効果的に光を散乱させる膜とすることができる。
本発明の光散乱膜は、平坦面を有するので、その上に成膜する半導体層に欠陥を生じさせることがない。そのため、半導体膜に多くの欠陥を誘起して出力電圧や曲線因子を悪化させ、変換効率を悪化させることがない。
本発明の光散乱膜は、前記マトリックス樹脂と前記散乱粒子との屈折率差が0.10〜0.13であるので、光閉じ込め効果を向上させることができ、太陽電池の変換効率を向上させることができる。
本発明の光散乱膜は、散乱粒子の平均粒径が1.0〜10.0μmであるので、十分に光を散乱させる膜とすることができる。また、マトリックス樹脂中に散乱粒子を分散させた溶液を調整しても、すぐに溶液の中で散乱粒子が沈下してしまうということがないので、散乱粒子を均一に分散させた光散乱膜を形成することができる。
本発明の光散乱膜は、前記マトリックス樹脂中に分散させた散乱粒子の混合率が30質量%以下であるので、散乱粒子を均一に分散させることができ、光散乱膜2の透過率やヘイズ率などの特性のばらつきを抑制することができる。
本発明の光散乱膜は、前記光散乱膜の膜厚が、前記散乱粒子の平均粒径より大であるので、光散乱膜2の表面に散乱粒子に起因する凹凸形状を形成することはなく、平坦面2bの表面粗さを300Å以下にすることにより、その上に積層する半導体層の平坦性を保つことができる。
本発明の光散乱膜は、前記の透過率が70%以上であり、ヘイズ率が57〜90%であるので、光閉じ込め効果を向上させることができ、太陽電池の変換効率を向上させることができる。
本発明の光散乱膜は、その平坦面の表面粗さが50〜300Åであるので、その上に成膜する半導体層に欠陥を生じさせず、半導体膜に多くの欠陥を誘起して出力電圧や曲線因子を悪化させ、変換効率を悪化させることがない。
本発明の光学部材は、先に記載の光散乱膜と、前記光散乱膜の前記平坦面と反対側の面に配置された透明基体とからなるので、光散乱膜の上に成膜する半導体層に欠陥を生じさせることがない。さらに、光閉じ込め効果を向上させる効果も有するので、太陽電池の変換効率を向上させることができる。
本発明の太陽電池は、光電変換層を備えてなる太陽電池であって、前記光電変換層の少なくとも光取り込み側に先に記載の光散乱膜が備えられているので、欠陥のない半導体膜を具備した太陽電池とすることができる。さらに、光閉じ込め効果が高められ、変換効率の高い太陽電池とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
まず、フッ素化アクリル粒子を10質量部と、アルカリ可溶フルオレン樹脂を20質量部と、多官能アクリルモノマー(東亞合成(株)製、商品名「アロニックスM ―400」)を10質量部と、光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名「イルガキュアー907」)を0.5質量部と、有機溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を120質量部とを混合して、光散乱膜2を形成する塗布液を調整した。
なお、フッ素化アクリル粒子は、平均粒径1.6μmのものを用いた。
次に、所定の量の塗布液をコーニング1737ガラス基板上に滴下し、このガラス基板を毎分800回転の回転速度で5秒間回転させることにより、塗膜を形成した。この塗膜を乾燥させた後、230℃で60分間焼成することにより、コーニング1737ガラス基板上に厚さ2.0μmの光散乱膜を形成し、ガラス基板と光散乱膜からなる光学部材を作製した。
光散乱膜の表面はきわめて平坦であり、表面粗さRaは150Åであった。また、光散乱膜のヘイズ値は57.3%であった。
次に、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、ZnO:Ga(Ga:5wt%)セラミックターゲットをスパッタし、光散乱膜上にガリウムドープ酸化亜鉛透明導電膜を200nm成膜し、上部電極層を形成した。
次に、プラズマCVD装置を用いて、ガリウムドープ酸化亜鉛透明導電膜上に、膜厚20nmのp型アモルファスシリコンカーバイド層、膜厚300nmのi型アモルファスシリコン層、膜厚25nmのn型アモルファスシリコン層をこの順序で成膜し、光電変換層を形成した。
引き続き、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、ZnO:Ga(Ga:5wt%)セラミックターゲットをスパッタし、膜厚15nmのガリウムドープ酸化亜鉛透明導電膜を成膜し、下部透明電極を形成した。
最後に、真空蒸着装置により、n型アモルファスシリコン層の上に膜厚100nmのアルミニウムからなる金属電極を成膜して、下部透明電極と金属電極とからなる下部電極を形成して、「スーパーストレートタイプ」の太陽電池サンプルを作製した。
(実施例2)
まず、実施例1で用いた材料に、無機化合物として平均粒径10nmの非活性酸化チタンを2質量部加えたこと以外は実施例1と同様にして、光散乱膜を形成する塗布液を調整した。
なお、フッ素化アクリル粒子は、平均粒径1.9μmのものを用いた。
次に、実施例1と同様の方法で、厚さ2.5μmの光散乱膜を形成し、ガラス基板と光散乱膜とからなる光学部材を作製した。
光散乱膜の表面はきわめて平坦であり、表面粗さRaは105Åであった。また、この光散乱膜のヘイズ値は70.5%であった。
さらに、実施例1と同様の方法で、上部電極層、光電変換層、下部透明電極と金属電極とからなる下部電極を順次積層し、「スーパーストレートタイプ」の太陽電池サンプルを作製した。
(実施例3)
まず、実施例1、2で用いたフッ素化アクリル粒子を10質量部と、グリシジル基をもつフルオレン樹脂を25質量部と、多価カルボン酸であるトリメリット酸を5質量部と、実施例2で用いた酸化チタンを2質量部と、実施例1、2で用いた有機溶媒を120質量部とを混合して、光散乱膜を形成する塗布液を調整した。
なお、フッ素化アクリル粒子は、平均粒径1.9μmのものを用いた。
次に、実施例1と同様の方法で、厚さ3.0μmの光散乱膜を形成し、ガラス基板と光散乱膜とからなる光学部材を作製した。
光散乱膜の表面はきわめて平坦であり、表面粗さRaは98Åであった。また、この光散乱膜のヘイズ値は79.3%であった。これらの結果についても、表2にあわせて示す。
さらに、実施例1と同様の方法で、上部電極層、光電変換層、下部透明電極と金属電極とからなる下部電極を順次積層し、「スーパーストレートタイプ」の太陽電池サンプルを作製した。
(比較例1)
ヘイズ率が10%のAsahi−Type−U基板(旭硝子(株)製)を用意し、DCマグネトロンスパッタ装置のチャンバー内の所定の位置にセットした。このDCマグネトロンスパッタ装置を用いて、ZnO:Ga(Ga:5wt%)セラミックターゲットをスパッタし、Asahi−Type−U基板上にガリウムドープ酸化亜鉛透明導電膜を200nm成膜し、上部電極層を形成した。
次に、プラズマCVD装置を用いて、ガリウムドープ酸化亜鉛透明導電膜上に、膜厚20nmのp型アモルファスシリコンカーバイド層、膜厚300nmのi型アモルファスシリコン層、膜厚25nmのn型アモルファスシリコン層をこの順序で成膜し、光電変換層を形成した。
引き続き、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、ZnO:Ga(Ga:5wt%)セラミックターゲットをスパッタし、膜厚15nmのガリウムドープ酸化亜鉛透明導電膜を成膜し、下部透明電極を形成した。
最後に、真空蒸着装置により、n型アモルファスシリコン層の上に膜厚100nmのアルミニウムからなる金属電極を成膜して、下部透明電極と金属電極とからなる下部電極を形成して、「スーパーストレートタイプ」の太陽電池サンプルを作製した。
実施例1〜3および比較例1で作製した太陽電池サンプルの特性測定実験を行った。
25℃の雰囲気中で、ソーラーシミュレーターによってAM1.5、100mW/cmの擬似太陽光を作り出し、これを太陽電池サンプルに照射して、開放電圧、曲線因子、短絡電流および変換効率の4つの特性を測定した。
実施例1〜3および比較例1の光散乱膜の特性を表2にまとめて示すとともに、実施例1〜3および比較例1の太陽電池の特性を表3および図4に示す。ここで透過率とは波長400nm〜800nmでの積分球による透過率測定値(空気をレファレンスとして測定)の平均値で表している。
表3および図4から分かるように、実施例1〜3の太陽電池サンプルの開放電圧、曲線因子、短絡電流および変換効率の値は、比較例1の太陽電池サンプルよりも高くなり、優れた発電特性を示すことがわかる。
Figure 2009016554
Figure 2009016554
本発明の実施形態である太陽電池の一例を示す図である。 本発明の実施形態である太陽電池の一例を示す図である。 本発明の実施形態である太陽電池の一例を示す図である。 実施例1〜3および比較例1の光散乱膜のヘイズ率と開放電圧、曲線因子、短絡電流および変換効率との関係を表したグラフである。
符号の説明
1…基板(透明基体)、1a…光取り出し面、2…光散乱膜(太陽電池用光散乱膜)、2a…光取り出し面、2b…平坦面、3…上部電極層、4…光電変換層、10…光学部材(太陽電池用光学部材)、41…p型薄膜シリコン層、42…i型薄膜シリコン層、43…n型薄膜シリコン層、5…下部電極層、51…下部透明導電電極、52…金属電極、6…下部光電変換層、61…p型薄膜シリコン層、62…i型薄膜シリコン層、63…n型薄膜シリコン層

Claims (7)

  1. マトリックス樹脂中に、前記マトリックス樹脂よりも屈折率が低い散乱粒子が分散されてなる平坦面を有する光散乱膜であって、
    前記光散乱膜の透過率が70%以上であり、
    前記マトリックス樹脂と前記散乱粒子との屈折率差が0.05〜0.30であり、
    前記散乱粒子の平均粒径が1.0〜10.0μmであることを特徴とする太陽電池用光散乱膜。
  2. 前記マトリックス樹脂中に分散させた散乱粒子の混合率が30質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用光散乱膜。
  3. 前記光散乱膜の膜厚が、前記散乱粒子の平均粒径より大であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の太陽電池用光散乱膜。
  4. 前記光散乱膜のヘイズ率が、57〜90%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池用光散乱膜。
  5. 前記平坦面の表面粗さが50〜300Åであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池用光散乱膜。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用光散乱膜と、前記太陽電池用光散乱膜の前記平坦面と反対側の面に配置された透明基体とからなることを特徴とする太陽電池用光学部材。
  7. 光電変換層を備えてなる太陽電池であって、
    前記光電変換層の少なくとも光取り込み側に請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用光散乱膜が備えられてなることを特徴とする太陽電池。



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