JP2009014021A - 電動式給水制御弁装置とこれを用いたパイロット式流調弁装置及び湯水混合弁装置 - Google Patents

電動式給水制御弁装置とこれを用いたパイロット式流調弁装置及び湯水混合弁装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電動式給水制御弁装置において、停電時には弁体を自動閉弁させ得て止水を行うことができ、また停電解除の際に弁体閉弁状態の下で再び電動モータにて弁体を駆動可能な状態となす。
【解決手段】給水制御弁装置を、パイロット弁体60を支持して進退移動させる回転カム70と、駆動源としての電動モータ22と、回転カム70をパイロット弁体60を支持可能な作用位置から支持不能な非作用位置に向けて付勢するコイルばね92及び通電による電磁力にて回転カム70をプランジャ90を介して作用位置に吸引する電磁コイル94を備え、電磁コイル94の通電及び通電停止により回転カム70とパイロット弁体60とを結合及び結合解除するクラッチ機構とを含んで構成する。そのクラッチ機構は、回転カム70がパイロット弁体60の閉弁に対応した初期回転角度となっていないときには、これを初期回転角度まで回転させた上で非作用位置から作用位置へと戻すものとしておく。
【選択図】 図2

Description

この発明は電動式給水制御弁装置とこれを用いたパイロット式流調弁装置及び湯水混合弁装置に関する。
従来より、駆動源として電動モータを用い、弁体を電動モータにより進退移動させて開度調節し、給水制御するようになした電動式給水制御弁装置が公知である。
例えば下記特許文献1,特許文献2,特許文献3にこの種の電動モータを駆動源とした給水制御弁装置が開示されている。
かかる電動式給水制御弁装置の場合、弁体を電気的に即ち電動モータの駆動力で進退移動させることができるので、使用者は手動でハンドル操作を行う等して弁体を進退移動させなくても良く、使用に際して労力を要しない利点があり、またこれを水栓に組み込むことで水栓を自動化できる等の利点を有する。
一方でこの電動式給水制御弁装置の場合、停電によって電動モータが作動不能状態となってしまう問題があり、この場合弁体が開弁したままで作動不能状態に陥ってしまうと、水が流れっ放しとなってしまう不都合が生ずる。
対策としてバックアップ電池を搭載しておき、停電時にはそのバックアップ電池から電力供給して、弁体を閉弁させるようにすることが考えられるが、この場合、バックアップ電池の搭載によって装置が大型化してしまい、またバックアップ電池の電池交換を忘れてしまうと、いざというときにバックアップ電池からの電力供給ができなくなってしまう。
そのため使用者はバックアップ電池が電池切れしていないか否かを常に意識していなければならず、使用者に無用な負担を強いてしまう。
そこで特許文献1に開示のものでは、弁体の駆動機構を多数の歯車列で構成して、その歯車列を介して弁体と電動モータとを作動的に連結するとともに、通常時には電磁コイルによる電磁力で歯車列を噛合状態に保持し、そして停電が生じたときには電磁コイルにおける通電停止により、ばねにて歯車を軸方向に押し出して歯車列の噛合いを解除し、弁体を自動閉弁させるようになしている。
しかしながらこの特許文献1に開示のものでは、停電時に歯車列の噛合いを確実に解除するために、歯車と歯車との噛合部分の大きな摩擦抵抗力に抗して歯車を非噛合位置まで移動させることが必要で、そのためにばね力の強いばねを用いる必要があり、従って停電が解除となって歯車列を元の噛合状態に復帰させる際に、歯車をその大きなばね力に抗して噛合位置に戻す必要があり、しかもその際においても歯車と歯車との噛合いの摩擦抵抗に抗して歯車を元の噛合位置に戻さないといけない。
従って電磁コイルとして大きな電磁力を発生させ得るパワーの大きなものが必要で、電磁コイルに要するコストも高くなる。
ところで弁体が開弁状態の下で停電が生じたとき、一旦これを自動閉弁させ得たとしても、停電解除によって電動モータと弁体とを駆動機構にて作動連結状態としたとき、弁体がいきなり停電発生時の状態、即ち開弁状態に戻されてしまうと、停電解除により使用者の知らないうちに吐水再開されてしまい、使用者がその後も気付かなければそのまま水が流れっ放しとなり、多量の水が無駄に消費されてしまうこととなる。
この点、特許文献1に開示のものでは、停電の解除と同時に弁体が閉弁状態の下で歯車が噛み合うこととなるため、そうした不都合は生じないものの、一旦噛合解除された歯車と歯車とは回転位置が僅かでもずれていると、停電解除されてもそれら歯車が良好に噛合い得ず、当初の状態に復帰できない恐れがある問題を内包する。
また特許文献1に開示のものは通常時、即ち非停電時には常時電磁コイルにて電磁力を発生させ、その電磁吸引力にて歯車列を噛合状態に維持するようになしているため、電磁コイルにより電力が多量に消費されてしまう問題もある。
実開平5−79151号公報 特開平6−281038号公報 特開2006−258272号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、駆動源として電動モータを用いた電動式給水制御弁装置において、停電時には弁体を自動閉弁させ得て止水を行うことができ、また停電解除によって再び電動モータにて弁体を駆動可能な状態となすこと、また弱い力で電動モータと弁体とを連結及び連結解除し得ること、停電解除の際に弁体を自動的に開弁状態としてしまって、そのことにより水を流れっ放しとしてしまわないこと、また非停電時の通常状態の下で電力消費を少なく抑え得ること等を目的としてなされたものである。
而して請求項1は電動式給水制御弁装置に関するもので、(イ)弁体を閉弁方向に付勢する弁体付勢手段と、(ロ)回転カムにて該弁体側の被支持部を該弁体付勢手段による付勢方向とは逆方向に支持し、該回転カムの回転により該被支持部に対する支持位置を変化させて該弁体を進退移動させる駆動機構と、(ハ)駆動源となる電動モータと、(ニ)該電動モータを作動制御する制御部と、(ホ)(a)前記回転カムを、前記被支持部を支持可能な作用位置と支持不能な非作用位置との間で前記弁体の進退移動方向と交差方向に移動可能に保持するカム保持手段、(b)該回転カムを前記作用位置から非作用位置に向けて付勢するカム付勢手段、及び(c)通電により発生した電磁力で該回転カムを前記カム付勢手段の付勢力に抗して前記作用位置に保持し、通電停止により保持を解除する電磁コイル、を備えて前記駆動機構と前記弁体側の被支持部とを結合及び結合解除し、該結合解除による該回転カムの前記非作用位置への移動により前記弁体を前記弁体付勢手段にて自動閉弁せしめるクラッチ機構と、を有し、且つ該クラッチ機構は、前記回転カムが前記結合解除のために前記作用位置から非作用位置に向けて前記被支持部から離れる際に、前記弁体の閉弁に対応した初期回転角度となっていないときには、前記非作用位置に到った該回転カムを該回転角度を維持したままでは前記作用位置へと移動できないものとなしてあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記回転カムが前記閉弁に対応した初期回転角度でないときに、前記作用位置に向う該回転カムの前記被支持部側の側面が、該被支持部の該回転カム側の対応する側面に当ることによって、前記作用位置へと移動できないようになしてあることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記回転カムが前記閉弁に対応した初期回転角度となっていないときに、該回転カムを前記作用位置に戻す前に該初期回転角度まで回転させるカム復帰手段が備えてあることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項3において、前記カム復帰手段が、前記回転カムが前記非作用位置へ移動する際に該回転カムを前記初期回転角度まで回転させるものであることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項3において、前記カム復帰手段が、前記回転カムが前記非作用位置から前記作用位置へ移動する際に該回転カムを前記初期回転角度まで回転させるものであることを特徴とする。
請求項6のものは、請求項3〜5の何れかにおいて、前記カム復帰手段が、前記制御部及び該制御部にて作動制御される前記電動モータにて構成してあることを特徴とする。
請求項7のものは、請求項1〜6の何れかにおいて、前記弁体が閉弁した後、設定時間経過後に前記電磁コイルを通電停止し、前記回転カムを前記非作用位置へと移動させるようになしてあることを特徴とする。
請求項8はパイロット式流調弁装置に関するもので、(イ)主弁座に向けて主弁体を進退移動させ、主水路の開度を変化させる主弁と、(ロ)該主弁体の背後に形成され、内部の圧力を該主弁体に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(ハ)前記主水路における1次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と、(ニ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と、(ホ)該背圧室側に設けられたパイロット弁体を、前記主弁体に設けられたパイロット弁座に向けて進退移動させるパイロット弁装置と、を備え、該パイロット弁体の進退移動に追従して前記主弁体を同方向に進退移動させて、前記主水路の流量調節を行うパイロット式流調弁装置であって、前記パイロット弁装置が、請求項1〜7の何れかの前記電動式給水制御弁装置にて構成してあることを特徴とする。
請求項9は湯水混合弁装置に関するもので、(イ)主弁座に向けて主弁体を進退移動させ、主水路の開度を変化させる主弁と、(ロ)該主弁体の背後に形成され、内部の圧力を該主弁体に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(ハ)前記主水路における1次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と、(ニ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と、(ホ)該背圧室側に設けられたパイロット弁体を、前記主弁体に設けられたパイロット弁座に向けて進退移動させるパイロット弁装置と、を備え、該パイロット弁の進退移動に追従して前記主弁体を同方向に進退移動させて、前記主水路の流量調節を行うパイロット式流調弁装置を水側の弁装置,湯側の弁装置としてそれぞれ備え、それら弁装置にて水と湯との混合比率を調節する湯水混合弁装置であって、前記湯側のパイロット式流調弁装置における前記パイロット弁装置が、請求項1〜7の何れかの電動式給水制御弁装置にて構成してあることを特徴とする。
発明の作用・効果
請求項1の電動式給水制御弁装置では、弁体付勢手段にて弁体が閉弁方向に付勢され、そして駆動源となる電動モータの駆動力を弁体に伝達して駆動する駆動機構に回転カムが備えられている。
その回転カムは、弁体側の被支持部を弁体付勢手段による付勢方向とは逆方向に支持し、そして回転カムの回転により支持位置を変化させて弁体を進退移動させる。
この請求項1の給水制御弁装置では、回転カムを弁体に対して支持可能な作用位置から支持不能となる非作用位置に向けて付勢するカム付勢手段と、通電により発生した電磁力で回転カムを作用位置に保持し、通電停止により保持を解除する電磁コイルとを備えて、駆動機構と弁体側の被支持部とを結合及び結合解除するクラッチ機構が設けてあり、クラッチ機構による結合解除にて回転カムが非作用位置に移動し、弁体が自動閉弁せしめられる。
従って停電時には電磁コイルによる保持が解除されて、回転カムが自動的に非作用位置へと移動し、ここにおいて弁体が弁体付勢手段による付勢力で自動閉弁するため、停電により水が流れっ放しとなるのを有効に防止することができる。
この請求項1では、電磁コイルの通電停止による結合解除のために回転カムが作用位置から非作用位置に向けて弁体側の被支持部から離れる際、弁体が開弁状態であるとき即ち回転カムが弁体の閉弁に対応した初期回転角度となっていないとき、その回転角度を維持したままでは非作用位置から再び作用位置へと移動できないようになしてある。
従って電磁コイルが停電解除により再び通電状態となり、発生した電磁力により回転カムを元の作用位置へと戻そうとしても、そのままではこれを作用位置へと戻すことができない。
従って停電が解除されて復帰したときに自動的に弁体が開弁状態となって、使用者の知らないうちに水が流れ始め、その後、使用者が気付かないまま水が流れっ放しとなってしまうのを有効に防止することができる。
換言すればこの請求項1の弁装置では、弁体詳しくは被支持部と駆動機構とを結合解除した後、回転カムを弁体の閉弁に対応した初期回転角度まで回転した後に、これを作用位置に戻して弁体と駆動機構とを結合状態に戻すこととなる。
従ってこの請求項1の給水制御弁装置では、回転カムが作用位置へと戻って弁体と駆動機構とが再結合状態となった後、確実に止水状態から吐水開始させ且つ最少流量から流量調節を行わせるようになすことができる。
この請求項1ではまた、回転カムを弁体側の被支持部から離して非作用位置へと移動させる際、或いは非作用位置から再び作用位置へと戻す際に、特許文献1に開示のようにギヤとギヤとの噛合いをそれらの間の大きな摩擦抵抗に抗して外し、或いは再び噛み合せる場合と異なって小さな力で行うことができ、従ってカム付勢手段として付勢力の弱いものを用いることができるとともに、回転カムを非作用位置から作用位置へと戻し且つ保持するための電磁コイルとして小パワーの安価なものを用いることが可能となる。
また被支持部に対して支持を行う作用位置から外れた回転カムは、これを初期回転角度まで回転させることで、簡単に回転カムを再び作用位置へと戻し、弁体と駆動機構とを結合状態となし得る特長を有する。
本発明では、回転カムが閉弁に対応した初期回転角度でないとき、作用位置に向う回転カムの被支持部側の側面が、被支持部の回転カム側の対応する側面に当ることによって作用位置へと移動できないようになしておくことができる(請求項2)。
請求項3は、回転カムが閉弁に対応した初期回転角度となっていないときに、回転カムを作用位置に戻す前に初期回転角度まで回転させるカム復帰手段を備えたもので、この請求項3によれば、結合解除の際に弁体の閉弁に対応した初期回転角度となっていない回転カムを、確実に初期回転角度まで回転させた上で作用位置へと戻すことができる。
この場合においてカム復帰手段は、回転カムを非作用位置へと移動する際に初期回転角度まで回転させるものとなしておくことができる(請求項4)。
或いはまた回転カムを非作用位置から作用位置へ移動する際に初期回転角度まで回転させるものとなしておくことができる(請求項5)。
この場合において初期回転角度となっていない回転カムを機械的な手段により回転させ、初期回転角度まで戻すようになすといったことも可能であるが、請求項6に従って、カム復帰手段を上記制御部及び制御部にて作動制御される、弁体の駆動源としての電動モータにて構成しておくことができる。
このようにすれば、弁体を進退駆動する駆動源としての電動モータをカム復帰手段として利用し得て望ましい。
次に請求項7は、弁体が閉弁した後、設定時間経過後に電磁コイルを通電停止し、回転カムを非作用位置へと移動させるようになしたものである。
この請求項7によれば、弁体が閉弁した後即ち止水後の設定時間の間は回転カムが作用位置に待機している状態にあり、従って止水後設定時間内では直ちに弁体を開弁させて給水開始することが可能となる。
一方、止水後において設定時間経過した後には電磁コイルが通電停止となるため、給水制御弁がその後長く使用されないにも拘らず電磁コイルが通電状態を維持して、その間に多くの電力が消費されてしまう不都合を回避でき、節電を図ることができる。
次に請求項8は、パイロット式流調弁装置におけるパイロット弁装置として、上記請求項1〜7の給水制御弁装置を適用したもので、この請求項8では、僅かな力で主弁を進退駆動でき、従って電動モータとして小型のものを用いることができる。
次に請求項9は、湯水混合弁装置の湯側の弁装置におけるパイロット弁装置に上記の電動式給水制御弁装置を適用したもので、この請求項9においても電動モータとして出力の小さな小型のものを用いることが可能であるとともに、停電が生じたときには確実に湯側の弁装置を閉弁作動させることができ、湯が出っ放しとなってしまう危険を回避して安全を図ることができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は水栓で、12は水栓10における吐水管である。
吐水管12は、カウンター上面等の取付面(図示省略)から起立する形態で設けられている。
吐水管12は、ここでは全体として逆U字状のグースネック形状をなしており、その先端に吐水口14が備えられている。
また吐水管12には、最上位から先端にかけて下向きに下がった下り形状部且つその先端部の上面に、吐止水と吐水の流量調節とを行う回転式のダイヤル操作部16が設けられている。
ここでダイヤル操作部16は電気的操作部として構成してあって、このダイヤル操作部16を回転させると、回転位置検出センサがこれを検知して、その回転位置に応じた信号を発生する。そしてその信号が後述の制御部24に送られる。
18は給水路で、この給水路18上にパイロット式流調弁装置(以下単に流調弁装置とする)20が設けられている。
22はその流調弁装置20における駆動源となるステッピングモータ(電動モータ)で、制御部24に電気的に接続されている。
制御部24にはまた、上記のダイヤル操作部16(詳しくはその回転位置を検出する回転位置検出センサ)が電気的に接続されている。
この実施形態では、制御部24からの指令によって流調弁装置20が作動制御される。
図2〜図5に流調弁装置20の具体的構成が示してある。
図4において、26は流調弁装置20の弁ハウジングで、28,30はそれぞれ主水路を形成する1次側の流入水路,2次側の流出水路であり、31はその主水路上に設けられた主弁で、ダイヤフラム弁体からなる主弁体32と、主弁座38とを有している。
主弁体32は、硬質の樹脂からなる主弁本体34と、これにより保持されたゴム製のダイヤフラム膜36とからなっている。
この主弁体32は主弁座38に向けて進退移動し、主水路の開度を変化させる。
詳しくは、主弁座38への主弁体32の着座によって主水路を遮断し、また主弁座38から図中上向きに離間することによって主水路を開放する。
また主弁座38からの離間量に応じて主水路の開度を大小変化させ、主水路を流れる水の流量を調節する。
この主弁31の図中上側、即ち主弁体32の背面側には背圧室40が設けられている。
背圧室40は、内部の圧力を主弁体32に対し閉弁方向の押圧力として作用させる。
図6の拡大図にも示しているように、主弁体32には、これを貫通して1次側の流入水路28と背圧室40とを連通させる導入小孔42が設けられている。
この導入小孔42は、1次側の流入水路28からの水を背圧室40に導いて背圧室40の圧力を増大させる。
主弁体32にはまた、その中心部を貫通して背圧室40と2次側の流出水路30とを連通させる、水抜水路としてのパイロット水路44が設けられている。
このパイロット水路44は、背圧室40内の水を2次側の流出水路30に抜いて背圧室40の圧力を減少させる。
背圧室40の図4中上側には凹所46が形成されている。
凹所46は、後述のパイロット弁体60の周りの連通路48を通じて背圧室40と連通しており、内部には水が満たされている。
この凹所46は、図2に示す後述の凹所50,52及び背圧室40とともに、背圧室40と同圧の水室54を形成している。
56は主弁体32の開度制御を行うパイロット弁で、先端部にゴム製のシール部58の設けられた、パイロット弁56の主体をなすパイロット弁体60と、主弁体32の背面に突出形成されたパイロット弁座62とを有している。
パイロット弁体60は、その大部分が凹所46内に入り込んでおり、そして凹所46内に位置する、シール部58とは反対側の端部の被支持部64に金属製のコイルばね(弁体付勢手段)66の図中下端が下向きに当接させられている。ここでコイルばね66もまた凹所46内に収容されている。
パイロット弁体60は、このコイルばね66の図中下向きの付勢力によって常時閉弁方向、即ち前進方向に付勢されている。
このパイロット弁体60は図中上下方向、即ち主弁体32に設けられたパイロット弁座62に向けて軸方向に進退移動し、主弁体32停止状態の下でパイロット水路44の開度を変化させる。
詳しくは、パイロット弁体60がパイロット弁座62に着座することでパイロット水路44が遮断され、またパイロット弁体60がパイロット弁座62から図中上向きに離間することで、パイロット水路44が解放される。
更にパイロット弁体60のパイロット弁座62からの離間量に応じてパイロット水路44の開度が変化せしめられる。
パイロット弁体60は全体が水室54内部に水没しており、背圧室40の圧力がパイロット弁体60に対して後退方向の力として働かないのはもとより、このパイロット弁体60に対しては、水室54内部の圧力がパイロット弁体60に対して下向きの、即ち前進方向の付勢力として働く。
詳しくは、パイロット弁体60がパイロット弁座62に着座した閉弁状態の下では、水室54内の圧力を下向きに受ける受圧面の面積に対して、パイロット弁座62に対応する面積分だけ、水室54の圧力を上向きに受ける受圧面の面積が少なく、その受圧面積の差分だけ、パイロット弁体60に対し水室54の圧力による付勢力が下向きに働く。
またパイロット弁体60が開弁した状態の下でも、同様に水室54内の圧力がパイロット弁体60に対する下向きの付勢力として働く。
図7はその理由を模式的に表している。
この実施形態では、後述するようにパイロット弁体60はパイロット弁座62との間に一定の微小な間隔を保ちつつ、主弁体32とともに即ちパイロット弁座62とともに上下に移動し、そしてそのようなパイロット弁体60の開弁状態の下では、背圧室40内の水がパイロット弁座62を乗り越えてパイロット水路44へと流れ込む。
このためパイロット弁体60の下面のうち、パイロット水路44の上端開口に対向する面積Qの部分には、背圧室40内の1次圧は上向きに作用せず、どちらかというと背圧室40からパイロット水路44に流れ込む水の流れによる吸込みの力が働く傾向にある。
従ってパイロット弁体60の開弁状態の下でも、パイロット弁体60に対しては水室54内の圧力が下向きの、即ち前進(閉弁)方向の付勢力として働く。
上記コイルばね66は、水室54内の圧力によるパイロット弁体60への下向きの付勢力を補助する補助ばねとして働く。
即ちこの実施形態では、水室54内の圧力による図中下向きの力と、コイルばね66のばね力とがともにパイロット弁体60を閉弁方向に付勢する付勢力として働いている。
図4において、68はパイロット弁体60の進退移動方向と直交方向に配設された駆動軸(カム保持手段)で、この駆動軸68に回転カム70が一体回転状態に固設されている。
図6に示すように回転カム70はその外周形状が、回転中心O即ち駆動軸68の軸心から外周位置までの距離が駆動軸68の回転方向に連続的に変化する形状をなしている(但し外周部の一部はフラットな形状をなすフラット部72とされている)。
回転カム70は、パイロット弁体60が最も後退した位置、即ち後退端にあるとき、図6に示す部位X即ち回転中心までの距離が最大となる部位Xが、パイロット弁体60の被支持部64の下面に当接した状態となり、その位置から回転カム70が回転するのに伴って、被支持部64に当接する部位を図中下方に連続的に変化させ、回転中心Oと被支持部64との上下の距離を漸次少なくして行く。
そしてこれに伴ってパイロット弁体60がパイロット弁座62に向けて前進移動して行く。
回転カム70の回転により、フラット部72の一端側の部位(部位Xとは反対側の端の部位)Xよりも図6中時計方向の部位Xが被支持部64の下面に当接した時点でパイロット弁体60は閉弁状態となるが(図10(III)参照)、回転カム70は更に引き続いて図中時計方向に回転運動する。
これにより回転カム70は被支持部64から下向きに離間し、図6及び図11(IV)に示すように最終的にフラット部72が図中水平向きとなって、被支持部64との間に最大のクリアランス(隙間)Cを生ぜしめ、そこで回転停止する。
図4及び図6はこのときの状態を表している。
この実施形態において、回転カム70,パイロット弁56及び主弁31は次のように作用する。
図10(I)は、パイロット弁体60が後退端にあって、主弁体が最大開弁している状態を表しており(図8(I)参照)、このとき回転カム70は回転中心Oから最大距離の部位Xがパイロット弁体60における被支持部64の下面に当接した状態にある。
この状態から図10(II)に示すように回転カム70を時計方向に回転させると、これに伴って回転カム70の図中上端の位置が漸次下方に推移し、回転カム70がパイロット弁体60の被支持部64に対する支持位置を漸次下方に移行させて行く。
これに伴ってパイロット弁体60が水室54の圧力による下向きの付勢力及びコイルばね66の下向きの付勢力によって下方に前進移動する(図8(I))。
而してパイロット弁体60が下方に前進移動すると、パイロット弁体60とパイロット弁座62との間の隙間が一時的に小となって、背圧室40からパイロット水路44を通じて流出水路30に抜ける水の量が少なくなり、背圧室40の圧力が増大する。
すると背圧室40の圧力が流入水路28の圧力に打ち勝つに到り、その差圧によって主弁体32が図中下向きに前進移動させられ、そして背圧室40の圧力と流入水路28の圧力とが釣り合った位置(このときパイロット弁体60とパイロット弁座62との間の隙間が元に戻る)で、主弁体32の前進移動が停止する(図8(II)参照)。
この状態で回転カム70の回転によりパイロット弁体60が更に下向きに前進移動すると、背圧室40の圧力と流入水路28の圧力とをバランスさせるようにして、主弁体32がパイロット弁体60に追従して同方向に前進移動し、これによって主弁体32と主弁座38との間の隙間、即ち主水路における開度を小として、主水路を流れる水の流量を減少させて行く。
このとき、主弁体32はパイロット弁座62とパイロット弁体60との間の隙間をほぼ一定に保つようにパイロット弁体60に追従して、パイロット弁体60と同じ方向に前進移動して行く(図8(III))。
この実施形態において、回転カム70は更に引き続く図中時計方向の回転によりパイロット弁体60を前進移動させて行き、最終的にパイロット弁体60をパイロット弁座62に着座させる。即ちパイロット弁体60を最終的に閉弁させる。
図10(III)はこのときの状態を表している。
回転カム70は、その状態から更に時計方向に回転し、その回転に伴って、回転カム70がパイロット弁体60の被支持部64から下方に離間した状態となる。
そしてフラット部72が被支持部64の下面と平行の水平向きとなり、被支持部64の下面との間にクリアランスCを生じたところで回転停止する。
図4,図6及び図11(IV)はこのときの状態を表している。
このとき、回転カム70はパイロット弁体60の被支持部64から最も大きく下方に離間した状態となる。
この状態の下ではパイロット弁体60は回転カム70による拘束、詳しくは回転カム70,駆動軸68,後述の回転部84(図2及び図3参照),駆動ギヤ76,従動ギヤ78からなる駆動機構による拘束から解き放たれた状態となり、独立して前進方向に移動可能となる。
この実施形態では、パイロット弁体60をパイロット弁座62に軽く当てて、パイロット弁体60及び主弁体32を閉弁させるようになしてあり、従ってその閉弁後において、即ち止水後において流入水路28の給水の圧力が増大し、背圧室40の圧力がこれに伴って増大すると、主弁体32が背圧室40の増大した圧力によりゴム製のダイヤフラム膜36の圧縮変形を伴って下向きに沈み込む。
このときパイロット弁体60が位置固定で移動できない状態にあると、パイロット弁座62とパイロット弁体60との間に隙間が生じて止水不良を引き起こしてしまうが、この実施形態では、主弁体32が上記の沈込みを生じると、パイロット弁体60に対して働く水室54の圧力による下向きの付勢力、及びコイルばね66の付勢力によって、パイロット弁体60が主弁体32の下向きの沈込みに追従して前進移動し、閉弁状態を維持してパイロット水路44を遮断状態に保つ。
従ってこの実施形態によれば、主弁体32の沈込みによる止水不良を生じることはない。
さて上記の止水状態の下で回転カム70を今度は逆方向の図中反時計方向に回転させると(図11(V)参照)、一定角度回転したところで回転カム70がパイロット弁体60の被支持部64の下面に当接するに到り、そして回転カム70の更なる反時計方向の回転によって、パイロット弁体60が水室54の下向きの付勢力及びコイルばね66の下向きの付勢力に抗して、図中上向きに後退移動させられる(図9(I))。
すると主弁体32が背圧室40の圧力と流入水路28の圧力とをバランスさせるようにして、パイロット弁体60に追従して図中上向きに後退移動し(図9(II))、主水路を開く。
そして更に主水路の開度を広くして主水路を流れる水量を増大変化させる(図9(III))。
図2において、22はパイロット弁体60の駆動源となるステッピングモータで、その出力軸74に駆動ギヤ76が一体回転状態に固設されている。
78は、駆動ギヤ76に噛み合って、駆動ギヤ76により回転させられる従動ギヤで、水室形成部材にて構成された軸部80周りに回転可能に設けられている。
この従動ギヤ78には複数のマグネット(永久磁石)82が、図5に示しているように周方向に所定ピッチで放射状に複数埋設されている。
一方、水室54内部に設けられた駆動軸68の図中右端側には、円筒形状をなす回転部84が一体に設けられている。
回転部84は軸受ピン86に回転可能に嵌合され、軸受ピン86にて回転可能に支持されている。
この回転部84はまた、軸受ピン86に対し図中左右方向即ち軸方向に摺動可能とされている。
回転部84には、図5に示しているように従動ギヤ78のマグネット82に対応した複数の磁性体(マグネットであっても良い)88が、周方向に一定ピッチで放射状に設けられている。
従って回転部84は、従動ギヤ78が回転すると磁性体88とマグネット82との磁力に基づいて、従動ギヤ78と一体に回転せしめられる。即ち駆動軸68が従動ギヤ78と一体に回転せしめられる。
この実施形態では、回転部84と従動ギヤ78とが磁性体88とマグネット82とにより磁気カップリングされており、水室54外で従動ギヤ78が回転することによって、水室54内で回転部84が、即ち駆動軸68が従動ギヤ78と一体に回転せしめられる。
駆動軸68の回転部84とは反対側の図中左端には、磁性体からなるプランジャ90が一体に構成されており、このプランジャ90が、水室54を形成する凹所52内に回転可能且つ軸方向に移動可能に挿入されている。ここでプランジャ90は凹所52の内周面によって回転可能に支持されている。
尚プランジャ90の外周面と凹所52の内周面との間には環状の連通路48が形成されていて、その連通路48によって凹所52が上記の背圧室40に連通せしめられている。
従ってこの凹所52にも水が満たされており、従ってプランジャ90もまた水没状態となっている。
この凹所52にはカム付勢手段としての金属製のコイルばね92が収容されており、このコイルばね92によってプランジャ90が、即ちプランジャ90と一体の駆動軸68に一体回転状態に固設された回転カム70が、図中右向きに付勢されている。
凹所52の外側にはプランジャ90を取り巻くようにして電磁コイル94が配設されている。
この電磁コイル94は通電により電磁力を発生させ、その電磁力によりプランジャ90をコイルばね92の付勢力に抗して図中左向きに吸引し、回転カム70を図2に示す作用位置、即ちパイロット弁体60における被支持部64をその下側で支持可能な作用位置に位置させる。
この作用位置では、パイロット弁体60とステッピングモータ22とは作動的に連結状態にあって、ステッピングモータ22にて回転カム70が駆動軸68と一体に回転せしめられると、回転カム70がその回転によってパイロット弁体60の被支持部64に対する支持位置を図中上下に変化させてパイロット弁体60を進退移動させる。
一方電磁コイル94が通電停止状態になると、磁気的な吸引力の消失によってプランジャ90が、即ち駆動軸68全体がコイルばね92の付勢力によって図中右向きに押し出され、回転カム70が図3に示す非作用位置に位置させられる。
この非作用位置は、回転カム70がパイロット弁体60の被支持部64から図中右向きに外れた位置である。
この位置は回転カム70がパイロット弁体60の被支持部64を支持不能な位置であり、従ってこの状態で回転カム70が駆動軸68とともに回転しても、パイロット弁体60は進退移動しない。
但し電磁コイル94は通常は通電状態にあり、従って回転カム70はその電磁コイル94による電磁吸引力により、コイルばね92の図中右向きの付勢力に抗して左位置即ちパイロット弁体60の被支持部64を支持可能な作用位置に位置している。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では回転カム70,駆動軸68,回転部84,駆動ギヤ76及び従動ギヤ78が、駆動源となるステッピングモータ22の駆動力をパイロット弁体60に伝達してこれを駆動する駆動機構を構成している。
また電磁コイル94とコイルばね92とが、駆動機構とパイロット弁体60とを作動的に結合及び結合解除するクラッチ機構を構成している。
更に駆動源としてのステッピングモータ22,上記の駆動機構,クラッチ機構及びパイロット弁56が、本発明の給水制御弁装置としてのパイロット弁装置を構成している。
本実施形態では、例えば停電によって電磁コイル94が通電停止状態になると、電磁吸引力の消失によってプランジャ90が、即ち駆動軸68がコイルばね92の付勢力によって図2中右向きに押し出され、回転カム70が図2の作用位置から図3に示す非作用位置へと移動せしめられる。
このときパイロット弁体60及び主弁体32が、例えば図12(I)に示す開弁状態(他の開弁状態である場合も同じ)の下で通電停止状態になった場合、回転カム70が図3に示す非作用位置へと移動することで、パイロット弁体60は回転カム70による支持を失い(図12(II))、水室54内の圧力及びコイルばね66による付勢力によって、図12(III)に示すようにパイロット弁60が自動的に前進移動し、閉弁状態となる。即ち止水状態となる。
このとき回転カム70は、図12(III)(B)に示しているように上端側の部分が、パイロット弁体60の被支持部64における下面即ち被支持面よりも上側に突き出した状態にあり、従って回転カム70はその後図2に示す作用位置へと移動する際に、そのままの回転角度では図中左側の側面が被支持部64の図中右側の側面に当って、作用位置へと戻ることはできない。
即ち主弁体32及びパイロット弁体60が開弁状態の下で回転カム70が同じ回転角度を保ったまま非作用位置へと到ったとき、その回転角度を維持したままでは、その後のパイロット弁体60の閉弁状態の下で回転カム70は再び作用位置へと戻ることはできない。
パイロット弁体60の閉弁状態の下で回転カム70が再び図2の作用位置へと戻るためには、回転カム70がパイロット弁体60の閉弁に対応した初期回転角度となっている必要がある。
ここで初期回転角度とは、回転カム70のフラット部70が被支持部64の下面と平行の水平向きの状態(クリアランスCを生じている状態)から、回転カム70が被支持部64の下面に接する直前までの範囲内の回転角度を意味している。
この間はパイロット弁体60が回転カム70の回転にも拘らず閉弁状態に維持されている。
そこでこの実施形態では、例えば停電状態の解除によって電磁コイル94が通電状態となり、回転カム70が非作用位置から作用位置へと戻るまでに、回転カム70を閉弁時(開弁前でもある)の初期位置(初期回転角度)まで回転させ、これをリセットした上で作用位置へと戻すようにする。
その手段として、回転カム70を機械的な手段により初期回転角度まで回転させるようになすことも可能であるが、ここでは制御部の制御の下にステッピングモータ22により駆動軸68を回転させることによって、回転カム70を初期回転角度まで回転させる。
その回転カム70の初期回転角度即ち初期位置への復帰は、図13(IV),(V)に示すように、図3に示す非作用位置に到った回転カム70が、停電解除による通電開始によって作用位置へと移動する際に行うようになすことができる。
このとき、回転カム70を非作用位置の状態でそのまま回転させることもできるし、或いは非作用位置から作用位置へと移動する過程で回転カム70を初期回転角度まで回転させるようになすことができる。
或いはまた蓄電用のコンデンサーその他の蓄電手段を備えておいて、停電による電磁コイル94の通電停止後、回転カム70が図2の作用位置から図3の作用位置へと移動する際に、その蓄電手段により、図14に示しているようにステッピングモータ22を回転させることによって回転カム70を初期回転角度まで回転させ(II)、初期位置へとリセットするようになすこともできる(III)。尚このときにも回転カム70が非作用位置に到ったところで初期回転角度まで回転させるようになすことができる。
この場合、単に回転カム70を僅かに回転させるだけで良いため、容量の小さなコンデンサーその他の蓄電手段で十分その目的を達することができる。
以上のように本実施形態によれば、停電時には電磁コイル94による保持が解除されて、回転カム70が自動的に非作用位置へと移動し、そして主弁体32及びパイロット弁体60が自動閉弁するため、停電により水が流れっ放しとなるのを有効に防止することができる。
また本実施形態では、一旦非作用位置に到った回転カム70がパイロット弁体60の閉弁に対応した初期回転角度まで回転した後に作用位置に戻るようになしてあることから、停電解除したときにパイロット弁体60閉弁状態の下でパイロット弁体60と駆動機構とを結合状態とすることができ、その後に確実に止水状態から吐水開始させ且つ最少流量から流量調節を行わせるようになすことができる。
また回転カム70を作用位置から非作用位置へと移動させる際、或いは非作用位置から再び作用位置へと戻す際に小さな力でこれを行うことができ、従ってコイルばね92として付勢力の弱いものを用いることができるとともに、回転カム70を非作用位置から作用位置へと戻し且つ保持するための電磁コイル94として小パワーの安価なものを用いることが可能となる。
また被支持部64に対して支持を行う作用位置から外れた回転カム70を初期回転角度まで回転させることで、簡単に非作用位置の回転カム70を再び作用位置へと戻し、パイロット弁体60と駆動機構とを結合状態となすことができる。
以上主として停電及び停電解除の際の作用を述べたが、本実施形態では非停電状態の下で、パイロット弁体60が閉弁した後、設定時間を経過した後に意図的に電磁コイル94を通電停止し、回転カム70を非作用位置へと移動させるようにしておくことができる。
このようにすれば、流調弁装置20がその後長く使用されないにも拘らず電磁コイル94が通電状態を維持して、その間に多くの電力を消費してしまう不都合を回避でき、節電を図ることができる。
図15〜図18は本発明の他の実施形態を示している。
この例は、湯水混合弁装置に本発明を適用した場合の例である。
図15において、28C及び30Cは水側の流入通路及び流出通路で、28H及び30Hは湯側の流入通路及び流出通路であり、それら水側と湯側との各主水路上に、上記と同じ形態の主弁31C,31Hが設けられている。
水及び湯の流出通路30C,30Hからの水と湯とは、混合室96に流れ込んで、そこで水と湯とが混合され、その混合水が混合水出口98から流出する。
尚水側の主弁31C,湯側の主弁31Hは上記と同じ構造のものであるので、ここでは符号のみを示して詳しい説明は省略する。
またパイロット弁56C,56Hも基本的に上記実施形態と同様のものである。
但しここでは水側のパイロット弁体60C,湯側のパイロット弁体60Hともに円板状に構成されている。
100は水側,湯側に共通の温調軸で、この温調軸100の軸方向の一端側と他端側とに、水側のパイロット弁体60C及び湯側のパイロット弁体60Hが、軸方向に一体移動する状態に固設されている。
この湯水混合弁装置では、温調軸100が図中右方向に移動するとパイロット弁体60C,60Hの移動に追従するようにして水側の主弁体32Cが図中右向きに、湯側の主弁体32Hが同じく図中右向きに移動し、それぞれ水側の主水路の開度を広く、また湯側の主水路の開度を狭く変化させる。
その結果混合室96に流入する水の流量が多く、湯の流量が少なくなって混合水温度が低められる。
また温調軸100が逆方向の図中左方向に移動すると、水側の主弁体32Cが主水路の開度を狭く、また湯側の主弁体32Hが主水路の開度を広く変化させて、混合室96に流入する水の量を少なく、湯の流量を多くして混合水温度を高める。
この実施形態では、給水制御弁装置が湯側のパイロット式流調弁装置20Hに適用されている。
具体的には、湯側のパイロット弁体60Hに対して、弁体付勢手段としてのコイルばね66がその付勢力を図中右向き、即ちパイロット弁体60Hを閉弁させる方向に及ぼしている。
温調軸100には、軸方向略中間部に大径の被支持部64が設けられていて、その被支持部64の図中右面を被支持面として、回転カム70が被支持部64を、コイルばね66の図中右向きの付勢力とは反対方向に支持するようになっている。
即ち湯側のパイロット弁体60H側をコイルばね66による付勢力とは反対方向に支持している。
従ってこの実施形態では、回転カム70が作用位置において回転運動し、被支持部64に対する当接位置即ち支持位置を図中左右方向に変化させることで、湯側のパイロット弁体60Hが水側のパイロット弁体60Cとは逆の関係で前進及び後退移動させられる。
尚、温調軸100には左右方向に長い貫通の開口部102が設けられており、駆動軸68はこの開口部102を挿通して延びている。
温調軸100はこの開口部102内に駆動軸68を挿通した状態で、図中左右方向に移動可能である。
この実施形態では、湯側のパイロット弁体60Hの閉弁状態の下で、回転カム70と被支持部64との間に所定のクリアランスCが生ずるように、回転カム70の形状が定めてある。
図18(III)はこのときの状態を表している。
従ってこの実施形態では、回転カム70が図18(III)に示す回転角度(クリアランスCを生じる回転角度)から、被支持部64に当接する直前までの範囲内の角度が、回転カム70の初期回転角度ということになる。
この実施形態においても、駆動軸68は図16及び図17に示しているように、これに固設された回転カム70とともに温調軸100、即ち水側のパイロット弁体60C及び湯側のパイロット弁体60Hの進退移動方向と直交方向に配向されており、且つその直交方向にその全体が移動可能となしてある。
また電磁コイル94,カム付勢手段としてのコイルばね92,プランジャ90,ステッピングモータ22,駆動ギヤ76,従動ギヤ78等を備えている点についても上記実施形態と同様である。
この実施形態では、例えば停電状態となって電磁コイル94が通電停止したとき、電磁吸引力の消失によって回転カム70が図16に示す作用位置から、図17(I)に示す非作用位置へと移動せしめられる。
すると湯側のパイロット弁体60Hが、回転カム70による支持を失って、弁体付勢手段としてのコイルばね66の付勢力により図17において右向きに押され、自動的に閉弁動作する。
そしてパイロット弁体60Hが開弁状態の下で回転カム70が作用位置から図16中下向きに外れた場合、回転カム70は停電状態の回復等により電磁コイル94への通電開始により再び図16の作用位置へと戻る際、図18(II)に示すように予め初期回転角度まで回転させられた上で作用位置へと戻り、温調軸100の被支持部64を支持可能な状態となる。
尚、他の点については上記実施形態と基本的に同様である。
この実施形態では、例えば停電が生じて電磁コイル94が通電停止状態となったとき、湯側のパイロット弁体60H、更に湯側の主弁体32Hが自動閉弁して湯側の主水路を閉じ、その後も湯が流出し続けることによる危険を回避することができ、また湯の無駄な消費を防止できる利点を有する。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態である電動式給水制御装置を備えた水栓の図である。 同実施形態の電動式給水制御装置を含む流調弁装置の横断面図である。 図2の流調弁装置を異なる作動状態で示した横断面図である。 同流調弁装置を別の断面で示した図である。 図2のV−V断面図である。 図2のIV−IV断面図である。 同実施形態において水室の圧力がパイロット弁体の付勢力として働く原理の説明図である。 同実施形態の作用説明図である。 図8に続く作用説明図である。 同実施形態の他の作用説明図である。 図10に続く作用説明図である。 同実施形態の更に他の作用説明図である。 図12に続く作用説明図である。 図13に続く作用説明図である。 本発明の他の実施形態の平面断面図である。 図15の実施形態の正面断面図である。 図16とは異なる作動状態の図である。 同実施形態の作用説明図である。
符号の説明
20 パイロット式流調弁装置
22 ステッピングモータ
24 制御部
28 1次側の流入水路
30 2次側の流出水路
38 主弁座
40 背圧室
44 パイロット水路
60 パイロット弁体
62 パイロット弁座
64 被支持部
66 コイルばね(弁体付勢手段)
70 回転カム
90 プランジャ
92 コイルばね
94 電磁コイル

Claims (9)

  1. (イ)弁体を閉弁方向に付勢する弁体付勢手段と
    (ロ)回転カムにて該弁体側の被支持部を該弁体付勢手段による付勢方向とは逆方向に支持し、該回転カムの回転により該被支持部に対する支持位置を変化させて該弁体を進退移動させる駆動機構と
    (ハ)駆動源となる電動モータと
    (ニ)該電動モータを作動制御する制御部と
    (ホ)(a)前記回転カムを、前記被支持部を支持可能な作用位置と支持不能な非作用位置との間で前記弁体の進退移動方向と交差方向に移動可能に保持するカム保持手段、(b)該回転カムを前記作用位置から非作用位置に向けて付勢するカム付勢手段、及び(c)通電により発生した電磁力で該回転カムを前記カム付勢手段の付勢力に抗して前記作用位置に保持し、通電停止により保持を解除する電磁コイル、を備えて前記駆動機構と前記弁体側の被支持部とを結合及び結合解除し、該結合解除による該回転カムの前記非作用位置への移動により前記弁体を前記弁体付勢手段にて自動閉弁せしめるクラッチ機構と、
    を有し、且つ該クラッチ機構は、前記回転カムが前記結合解除のために前記作用位置から非作用位置に向けて前記被支持部から離れる際に、前記弁体の閉弁に対応した初期回転角度となっていないときには、前記非作用位置に到った該回転カムを該回転角度を維持したままでは前記作用位置へと移動できないものとなしてあることを特徴とする電動式給水制御弁装置。
  2. 請求項1において、前記回転カムが前記閉弁に対応した初期回転角度でないときに、前記作用位置に向う該回転カムの前記被支持部側の側面が、該被支持部の該回転カム側の対応する側面に当ることによって、前記作用位置へと移動できないようになしてあることを特徴とする電動式給水制御弁装置。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記回転カムが前記閉弁に対応した初期回転角度となっていないときに、該回転カムを前記作用位置に戻す前に該初期回転角度まで回転させるカム復帰手段が備えてあることを特徴とする電動式給水制御弁装置。
  4. 請求項3において、前記カム復帰手段が、前記回転カムが前記非作用位置へ移動する際に該回転カムを前記初期回転角度まで回転させるものであることを特徴とする電動式給水制御弁装置。
  5. 請求項3において、前記カム復帰手段が、前記回転カムが前記非作用位置から前記作用位置へ移動する際に該回転カムを前記初期回転角度まで回転させるものであることを特徴とする電動式給水制御弁装置。
  6. 請求項3〜5の何れかにおいて、前記カム復帰手段が、前記制御部及び該制御部にて作動制御される前記電動モータにて構成してあることを特徴とする電動式給水制御弁装置。
  7. 請求項1〜6の何れかにおいて、前記弁体が閉弁した後、設定時間経過後に前記電磁コイルを通電停止し、前記回転カムを前記非作用位置へと移動させるようになしてあることを特徴とする電動式給水制御弁装置。
  8. (イ)主弁座に向けて主弁体を進退移動させ、主水路の開度を変化させる主弁と
    (ロ)該主弁体の背後に形成され、内部の圧力を該主弁体に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と
    (ハ)前記主水路における1次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と
    (ニ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と
    (ホ)該背圧室側に設けられたパイロット弁体を、前記主弁体に設けられたパイロット弁座に向けて進退移動させるパイロット弁装置と、を備え、該パイロット弁体の進退移動に追従して前記主弁体を同方向に進退移動させて、前記主水路の流量調節を行うパイロット式流調弁装置であって、
    前記パイロット弁装置が、請求項1〜7の何れかの前記電動式給水制御弁装置にて構成してあることを特徴とするパイロット式流調弁装置。
  9. (イ)主弁座に向けて主弁体を進退移動させ、主水路の開度を変化させる主弁と
    (ロ)該主弁体の背後に形成され、内部の圧力を該主弁体に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と
    (ハ)前記主水路における1次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と
    (ニ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と
    (ホ)該背圧室側に設けられたパイロット弁体を、前記主弁体に設けられたパイロット弁座に向けて進退移動させるパイロット弁装置と、を備え、該パイロット弁の進退移動に追従して前記主弁体を同方向に進退移動させて、前記主水路の流量調節を行うパイロット式流調弁装置を水側の弁装置,湯側の弁装置としてそれぞれ備え、それら弁装置にて水と湯との混合比率を調節する湯水混合弁装置であって、
    前記湯側のパイロット式流調弁装置における前記パイロット弁装置が、請求項1〜7の何れかの電動式給水制御弁装置にて構成してあることを特徴とする湯水混合弁装置。
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