JP2009013436A - バネ加工品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】遅れ破壊が抑制されて腐食雰囲気下でも用いることができ、特殊な元素を添加する必要が無く製造コストも低減できる、バネ加工品及びその製造法を提供する。
【解決手段】このバネ加工品は、質量%で、C:0.5〜0.7%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.6〜0.9%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、その組織がベイナイト相B及びフェライト相αの混合組織となっており、更に、旧オーステナイト粒の粒度番号が10番以上で、かつ、混合組織全体の面積に対して、旧オーステナイト粒の粒界面γsに存在するフェライト相αの面積が5〜20%とされている。そして、上記組成の素材からなる加工率が5%以上の母材を形成し、この母材を所定形状に加工して加工品を形成し、これをA変態点以上かつA変態点よりも40℃高い温度以下で加熱保持後、オーステンパー処理を施す。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、自動車用のホースクランプなどに好適な、腐食雰囲気下でも遅れ破壊が起こりにくいバネ加工品及びその製造方法に関する。
例えば、自動車の内部配管として用いられるホースどうしを接続する際には、接続されるべき装置に設けられたパイプの端部外周に可撓性のホースを被せ、このホース外周を更にホースクランプによって締付けることによって、固定する方法が広く用いられている。この種のホースクランプは、略C字状に曲成された締付リングと、該締付リングの両端部から交差して半径方向に起立する一対のツマミ片とからなり、一対のツマミ片を互いに近接させたときには締付リングが弾性力に抗して拡径し、一対のツマミ片が離反したときには締付リングが弾性力によって元の縮径状態に戻って、ホースを締付けるようになっている。
上記ホースクランプのように、金属材料の弾性力を利用したバネ加工品は、例えば、所定成分の母材を所定形状に加工した後、その加工品を、バネに要求される諸性能(引張強度や靱性)を満足させるために、焼入れ・焼戻し等の熱処理を施して製造されている。そして、焼入れ・焼戻しを行った場合の組織である焼戻マルテンサイトよりも、粘り強く靱性が良い性質を有するベイナイト相とするために、オーステナイト状態から300〜500℃程度で一定時間保持して等温変態を行わせる、いわゆるオーステンパー処理を施すことが広く行われている。
オーステンパー処理を施したバネ用の鋼として、例えば、下記特許文献1には、重量比にしてC:0.40〜0.70%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.70〜1.50%、Cr:0.80〜1.50%、Al:0.010〜0.050%、V:0.05〜0.50%、N:0.010〜0.030%を含有し、残部がFe及び不純物元素からなる鋼を820〜950℃に加熱してオーステナイト化した後、320〜400℃の温度でオーステンパー処理を施し、その後330〜450℃かつ前記オーステンパー処理温度より10℃以上高い温度にて焼もどしを施した鋼であって、組織が焼もどしベイナイト組織からなることを特徴とする熱へたり性に優れた薄板ばね用鋼が開示されている。
ところで、ホースクランプはホースを締め付け固定しているため、その状態では常に一定の応力が負荷されている。このようなホースクランプが、例えば、水素が発生しやすく腐食雰囲気下となりやすい、燃料タンク周辺等に配設されたパイプどうしの接続に用いられた場合、水素脆性によってホースクランプの延性・靱性が低下して、ある時間が経過したときに、突然破壊するいわゆる遅れ破壊が生じ虞れがあった。この遅れ破壊の原因としては、ホースクランプの組織中に水素が侵入することにより、旧オーステナイト粒の粒界面に水素が貯まって粒界面の強度が低くなり、その結果、外部応力に耐え切れずに、旧オーステナイト粒の粒界面から割れてしまうことにより生じるものと考えられている。
上記の遅れ破壊を抑制するための措置としては、例えば、鋼の組織中に、TiCやVC等の水素との結合が強い炭化物を生成して、これにより水素をトラップする(捕捉又は固定する)ことが知られている。例えば、下記特許文献2には、水素脱離のための活性化エネルギーが25〜50kJ/molであり、かつ水素トラップ容量が0.2wt.ppm以上である、V、Mo、Ti、Nb及びZrのいずれか1種又は2種以上を含有する酸化物、炭化物及び窒化物、並びにこれらのいずれか2種以上の複合析出物の少なくとも1種からなる水素トラップサイトを有することを特徴とする、耐水素疲労特性に優れた高強度ばね用鋼が開示されている。
特開平7−179936号公報 特開平6−271975号公報
しかしながら、上記特許文献2の場合、水素トラップ用として、TiやV等の比較的高価な元素を鋼中に添加しなければならないので、製造コストが増加するという問題があった。
一方、引用文献1の場合、種々の元素を添加して、オーステナイト化温度を820〜950℃とし、オーステンパー処理前に鋼組織を均一なオーステナイト相として、最終的に均一なベイナイト相とさせる技術が開示されているが、水素脆性に対する措置が施されておらず、遅れ破壊を抑制できていない。
したがって、本発明の目的は、遅れ破壊が抑制されて腐食雰囲気下でも用いることができ、特殊な元素を添加する必要が無く製造コストも低減することができる、バネ加工品及びその製造法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1は、質量%で、C:0.5〜0.7%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.6〜0.9%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、その組織がベイナイト相及びフェライト相の混合組織となっており、更に、旧オーステナイト粒の粒度番号が10番以上で、かつ、前記混合組織全体の面積に対して、前記旧オーステナイト粒の粒界面に存在する前記フェライト相の面積が5〜20%とされていることを特徴とするバネ加工品を提供するものである。
上記発明によれば、旧オーステナイト粒の粒度番号を10番以上としたことにより、旧オーステナイト粒が細かくなり、その粒界面が微細化されるので、粒界面に集まりやすい水素を組織全体に分散させることができると共に、粒界面を起点する割れが生じにくくなり、水素が生じる腐食雰囲気下で、バネ加工品に応力が負荷された場合に生じる遅れ破壊を抑制することができる。
更に、旧オーステナイト粒の粒界面に水素吸蔵量が小さなフェライト相が、混合組織全体の面積に対して5〜20%の面積割合で存在しているので、上記のように微細な旧オーステナイト粒の粒界面によって分散状態とされた水素が、組織中に貯蔵されにくくなって、遅れ破壊をより抑制することができる。
また、比較的延性が大きなフェライト相が、微細な旧オーステナイト粒の粒界面に上記の割合で存在しているので、旧オーステナイト粒の粒界面が割れにくくなり、遅れ破壊をより一層抑制することができる。
更に、Si,Mn以外の特別な元素を添加する必要がないので、バネ加工品の製造コストを低減することができる。
本発明の第2は、前記第1の発明において、自動車用のホースクランプとして適用されるバネ加工品を提供するものである。
上記発明によれば、自動車用のパイプどうしを接続するためのホースクランプは、水素が生じやすい腐食雰囲気下で使用されることが多く、水素脆化に伴なう遅れ破壊が生じる虞れがあるが、本発明のバネ加工品を用いることにより、遅れ破壊を防止して安全性を高めることができる。
本発明の第3は、質量%で、C:0.5〜0.7%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.6〜0.9%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる組成からなる素材を熱間圧延した後、球状化処理を施して加工率が5%以上の母材を形成し、この母材を所定形状に加工して加工品を形成し、更に、前記加工品を、A変態点以上で、かつ、A変態点よりも40℃高い温度以下で加熱保持した後、オーステンパー処理を施すことを特徴とするバネ加工品の製造方法を提供するものである。
上記発明によれば、加工率5%以上とされて、フェライト相が微細化された母材からなる加工品を、上記条件下で加熱保持することにより、均一なオーステナイト相とすることなく、オーステナイト相に加えフェライト相を残した状態とし、その状態でオーステンパー処理が施されるようになっているので、ベイナイト相とフェライト相との混合組織を有するバネ加工品を製造することができる。このとき、上記のように加工率5%以上としたことにより、熱処理前の母材のフェライト相の粒界面が、予め微細化されているので、旧オーステナイト粒の粒度番号が10番以上のバネ加工品を得ることができる。また、予めフェライト相が微細化されているので、上記温度で加熱保持したときのオーステナイト相も微細となり、その結果、オーステナイト相の界面に沿ってフェライト相が析出されやすくなり、混合組織全体の面積に対して、旧オーステナイト粒の粒界面に存在するフェライト相の面積を5〜20%となるバネ加工品を得ることができる。このように、予め母材の加工率を5%以上としたうえで、上記熱処理条件によりオーステンパー処理を施すことにより、上記組成からなるバネ加工品を製造することができ、また、その際に、Si,Mn以外の特別な元素を添加する必要がないので、バネ加工品の製造コストを低減することができる。
本発明のバネ加工品によれば、旧オーステナイト粒の粒度番号を10番以上としたことにより、旧オーステナイト粒の粒界面が微細化され、粒界面に集まりやすい水素を組織全体に分散できて、粒界面の割れが生じにくくなり、腐食雰囲気下での遅れ破壊を抑制することができる。更に、旧オーステナイト粒の粒界面に水素吸蔵量の小さなフェライト相が上記割合で存在しているので、水素が組織中に貯蔵されにくくなり、遅れ破壊がより抑制される。
一方、本発明のバネ加工品の製造方法によれば、加工率5%の母材からなる加工品を、上記条件下で加熱保持することにより、均一なオーステナイト相とすることなく、オーステナイト相にフェライト相が残存した状態で、オーステンパー処理が施されるので、上記組成からなるバネ加工品を製造することができる。
本発明のバネ加工品は、例えば、図1に示す自動車用のホースクランプ10に用いることができる。なお、ホースクランプ10以外にも、自動車用のクリップや、プッシュナット等にも用いることができ、特に限定されるものではない。
図1に示すように、ホースクランプ10は、略C字状の締付リング11と、この締付リング11の一端部及び他端部から半径方向外方にそれぞれ突出し、互いに対向して配置された一対のツマミ片13,13と、一対のツマミ片13,13どうしを接続する接続片15とからなる。前記締付リング11は、その自由状態では一対のツマミ片13,13が互いに周方向に離れて縮径しており、締付リング11の弾性力に抗して両ツマミ片13,13を互いに近接させると拡径した状態となる。そのため、一方のパイプP及びこれに接続される他方のパイプ(図示せず)の接続部外周に装着されたホースHの外周に、ホースクランプ10を拡径状態で配置し、一方のツマミ片13から伸びる接続片15を他方のツマミ片13から外すことにより、締付リング11が縮径して、ホースHが締め付け固定されて、両パイプどうしが接続されるようになっている。
そして、本発明のバネ加工品においては、その組成が、質量%で(以下、組成成分の%は質量%を意味する)、C:0.5〜0.7%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.6〜0.9%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなっている。
Cは、バネ加工品としての適度な強度を得るために必要である。Cが0.5%未満であると、所望の硬さが得られないので好ましくなく、一方、Cが0.7%を超えると、粗大な炭化物が生成されやすくなって、靱性が低下するので好ましくない。
Siは、バネ加工品を成形する前の素材を製鋼する際の脱酸剤として作用すると共に、フェライトに固溶して強化する作用がある。Siが0.15%未満であると、上記作用が得られないので好ましくなく、一方、Siが0.35%を超えると、結晶粒の粗大化を招き、靱性が低下するので好ましくない。
Mnは、上記Siと同様に脱酸剤として作用すると共に鋼に有害なSを除去し、更に焼入れ性を高める効果を有する。Mnが0.6%未満であると、上記効果が得られないので好ましくなく、一方、Mnが0.9%を超えると、靱性が低下するので好ましくない。
なお、上記組成は、いわゆる機械構造用炭素鋼材(JIS G 4051で規定される)であるS50C〜S70Cに相当するものであり、このような既成の鋼材を用いることにより、製造コストの低減を図れるようになっている。
そして、上記組成からなる本発明のバネ加工品は、その組織がベイナイト相及びフェライト相の混合組織となっており、更に、旧オーステナイト粒の粒度番号が10番以上で、かつ、前記混合組織全体の面積に対して、前記旧オーステナイト粒の粒界面に存在する前記フェライト相の面積が5〜20%とされている点に特徴がある。それにより、旧オーステナイト粒の粒界面が微細化されて、水素を組織全体に分散させると共に、粒界面の割れが生じにくくなり、更に、粒界面に上記割合で存在するフェライト相により、水素が貯蔵されにくくなって、遅れ破壊が抑制されるようになっている。
上記組織について図面を参照して説明すると、図4(a)〜(c)に示すように、このバネ加工品は、母相がベイナイト相Bとなっており、このベイナイト相B中にフェライト相αが存在していて、ベイナイト相B及びフェライト相αからなる混合組織となっている。これは所定のエッチング液により、組織面をエッチングすることにより観察されるものである。なお、フェライト相αは黒丸で囲った部分であり(便宜上のもので実際の組織面とは異なる)、ベイナイト相Bはそれ以外の部分である。
更に、上記とは別のエッチング方法によって、図4(a)〜(c)に示す組織面と同じ組織面をエッチングすることにより、旧オーステナイト粒の粒界面を観察できるようになっている。すなわち、図5(a)〜(c)に示すように、前記図4(a)〜(c)にそれぞれ対応した組織面に、旧オーステナイト粒の粒界面γsが存在している(図4(a),図5(a)がC:0.61%、図4(b),図5(b)がC:0.56%、更に、図4(c),図5(c)がC:0.56%)。なお、旧オーステナイト粒の粒界面とは、オーステナイト相がオーステンパー処理によってベイナイト相に等温変態したときに、残存するオーステナイト相の粒界面をいう。そして、本発明においては、この旧オーステナイト粒の粒度番号が10番以上となっており、図7(a)〜(c)に示す粒度番号が10未満のものよりも、旧オーステナイト粒の粒界面γsが微細となっている。ここでいう粒度番号は、JIS G 0551「鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法」により定義され、番号が大きいほど微細となり、小さいほど粗大となる。なお、この旧オーステナイト粒の粒度番号が10番未満であると、旧オーステナイト粒が大きすぎて、水素を組織全体に分散させることができず、かつ、粗大な粒であるために、外部からの応力が伝播しやすく、粒界面γsに割れが生じやすくって、遅れ破壊を抑制しにくくなるので、本発明においては不適当である。
そして、本発明のバネ加工品においては、図2の組織状態の概念図に示すように、上記の旧オーステナイト粒の粒界面γsに存在するフェライト相αの面積が、ベイナイト相B及びフェライト相αからなる混合組織全体の面積に対して5〜20%となっている。すなわち、フェライト相αの全面積をSαとし、ベイナイト相Bの全面積をSとし、その他の球状化セメンタイト等の全面積をSとした場合、下式(i)を満たすようになっている。
α/(Sα+S+S)×100=5〜20%・・・(i)
また、フェライト相αは、特に旧オーステナイト粒の粒界面γsに存在しているもののみをカウントし、母相のベイナイト相Bに析出したものはカウントしない。すなわち、旧オーステナイト粒の粒界面γs上に存在するフェライト相αをカウントすることを基本とし、好ましくは3つ以上の旧オーステナイト粒の粒界面γs上に跨って存在すると共に、球状化セメンタイト(図示せず)よりも大きなフェライト相αをカウントする。例えば、4つの旧オーステナイト粒の粒界面γsに存在するフェライト相α´(図中、想像線で示す)をカウントしてもよい。なお、上記フェライト相αの面積が、混合組織全体の面積に対して5%未満の場合は、フェライト相αによる水素吸蔵量の低減を期待できず、遅れ破壊の抑制が不十分となるので、本発明では不適当で、20%を超えた場合には、混合組織全体に対して、柔らかく延性が大きなフェライト相αが過大に存在することとなり、バネ加工品の強度が低下するので、この場合も本発明には不適当である。
次に、本発明のバネ加工品の製造方法について説明する。上述した組成よりなるバネ加工品は、例えば、本発明のバネ加工品の製造方法により得られる。
バネ加工品の製造にあたっては、質量%で、C:0.5〜0.7%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.6〜0.9%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる組成からなる素材を用いる。なお、各組成割合については、上述した通りであるので省略する。このような組成成分の素材を熱間圧延した後、球状化処理(球状化焼なまし:パーライト相中のセメンタイトを球状化させる処理))を施して加工率が5%以上の母材を形成する。なお、ここでいう加工率とは、圧延前の素材の断面積をAとし、圧延後の母材の断面積をAとした場合、下式(ii)により導き出されるものである。
加工率(%)=(A−A)/A×100・・・(ii)
なお、素材の加工率が5%未満の場合は、フェライト相が粗大となって、後述する熱処理によって目的とする組織が得られなくなるので、本発明では不適当である。
そして、加工率5%とされた母材を所定形状に加工して加工品を形成する。この実施形態では、図1に示すホースクランプ10の形状に形成する。そして、この加工品を、A変態点以上で、かつ、A変態点よりも40℃高い温度以下で加熱保持した後、オーステンパー処理を施すようになっている。図3にはFe−C系の平衡状態図の要部が示されているが、本発明では、C:0.5〜0.7%の範囲であって、更に、A変態点(図3中、A線参照)以上で、かつ、A変態点よりも40℃高い温度の領域T内において、ホースクランプの形状をなした加工品を加熱保持するようになっている。
この領域T内で加熱保持することより、ホースクランプ10の形状とされた加工品のフェライト相が、均一なオーステナイト相γとならずに、オーステナイト相γに加えフェライト相αを残した状態にすることができる。
ところで、図3中においては、上記領域Tはオーステナイト化領域にあるが、実際には、加工品のフェライト相全てが均一なオーステナイト相となるわけではない。つまり、図3のFe−C系における平衡状態図は、加熱冷却の速度を無限に小さくした場合(平衡状態)の、各温度における組織の状態を示したものであり、フェライト相α+オーステナイト相γの状態から加工品が加熱されて、図3に示すA線に示す変態点を越えたとしても、直ちにフェライト相αが消失して均一なオーステナイト相γとなるような変態は起こりにくく、A線よりも高い温度のときに、均一なオーステナイト相γに変態することが知られている(平衡状態でのA線をAeとし、加熱時でのA線をAcとすると、Ac>Aeとなる)。このことから、オーステンパー処理を施すべく、鋼を均一なオーステナイト相γとする際には、A線よりも50〜60℃高い温度に加熱保持することが一般的である。また、上記A線は、加工品に含有される各種成分の添加量等によっても、ずれることがある。
本発明においては、フェライト相α+オーステナイト相γが混在するように、上記温度条件を選択すると共に、この温度条件下で加工品を加熱保持することにより、加工品のフェライト相を均一なオーステナイト相γとさせずに、あえてオーステナイト相γとフェライト相αとを残存させるようになっている。なお、上記加熱保持条件において、A変態点よりも加熱保持温度が低い場合は、加工品のフェライト相αの量が多くなりすぎて、バネ加工品としての強度が低下するので、本発明では不適当であり、一方、A変態点よりも40℃高い温度よりも、加熱保持温度が高い場合には、加工品が均一なオーステナイト相γとなってフェライト相αが残らなくなるので、本発明では不適当である。
また、上記領域T内に、加工品を保持する時間としては、この実施形態の場合、例えば、15〜30分となっている。
そして、上記領域T内にて加熱保持された加工品について、オーステンパー処理を施すことによって、ベイナイト相Bとフェライト相αとの混合組織を有するバネ加工品を製造することができる。例えば、加工品を300〜400℃の雰囲気下で、1〜30分保持することにより、加工品にオーステンパー処理を施すことができる。
以上説明したように、本発明のバネ加工品の製造方法によれば、加工率5%以上とされて、フェライト相が微細化された母材からなる加工品を、上記条件下で加熱保持することにより、均一なオーステナイト相γとすることなく、オーステナイト相γに加えフェライト相αを残した状態とし、その状態でオーステンパー処理が施されるようになっているので、図4(a)〜(c)に示すベイナイト相Bとフェライト相αとの混合組織を有する、ホースクランプ10のようなバネ加工品を製造することができる。
このとき、上記のように母材の加工率を5%以上としたことにより、熱処理前の母材のフェライト相の粒界面が、予め微細化されているので、旧オーステナイト粒の粒度番号が10番以上のバネ加工品を得ることができる。また、予めフェライト相が微細化されているので、上記温度条件下で加熱保持したときのオーステナイト相γも微細となり、その結果、オーステナイト相γの界面に沿ってフェライト相αが析出されやすくなり、混合組織全体の面積に対して、旧オーステナイト粒の粒界面γsに存在するフェライト相αの面積を5〜20%となるバネ加工品を得ることができる。
このように、予め母材の加工率を5%以上としたうえで、上記熱処理条件によりオーステンパー処理を施すことにより、上記組成からなるバネ加工品を製造することができ、また、その際に、Si,Mn以外の特別な元素を添加する必要がないので、バネ加工品の製造コストを低減することができる。
そして、上記の製造方法により製造された本発明のバネ加工品は、次のような作用効果を奏する。すなわち、旧オーステナイト粒の粒度番号を10番以上としたことにより、旧オーステナイト粒が細かくなり、その粒界面γsが微細化されるので、粒界面に集まりやすい水素を組織全体に分散させることができると共に、粒界面γsを起点する割れが生じにくくなり、水素が生じる腐食雰囲気下で、バネ加工品に応力が負荷された場合に生じる遅れ破壊を抑制することができる。
更に、旧オーステナイト粒の粒界面に水素吸蔵量が小さなフェライト相αが、混合組織全体の面積に対して5〜20%の面積割合で存在しているので、上記のように微細な旧オーステナイト粒の粒界面γsによって分散状態とされた水素が、組織中に貯蔵されにくくなって、遅れ破壊をより抑制することができる。
また、比較的延性が大きなフェライト相が、微細な旧オーステナイト粒の粒界面γsに上記の割合で存在しているので、旧オーステナイト粒の粒界面γsが割れにくくなり、遅れ破壊をより一層抑制することができる。更に、外部から衝撃力が加わった場合には、旧オーステナイト粒の粒界面γsに沿って、その衝撃力が伝播するところ、柔らかで延性の大きなフェライト相αが、前記衝撃力を和らげて粒界面に沿った亀裂の伝播を抑制されるので、バネ加工品の強度を高めることができる。
更に、旧オーステナイト粒の粒界面γsに存在するフェライト相αは、Cを0.02%しか固溶しない性質を有しているので、それ以上のCは母材であるベイナイト相B中に拡散するようになっている。したがって、フェライト相αが存在することにより生じる硬度の低下を、Cがベイナイト相Bに固溶して同ベイナイト相の硬度を向上させることによりほぼ相殺されるようになっているので、バネ加工品の硬度を維持することができる。
また、この実施形態においては、バネ加工品を自動車用のホースクランプ10として適用されるようになっている(図1参照)。ところで、自動車用のパイプどうしを接続するためのホースクランプ10は、水素が生じやすい腐食雰囲気下で使用されることが多く、水素脆化に伴なう遅れ破壊が生じやすいのであるが、この実施形態によるバネ加工品を用いることにより、安全性を高めることができる。
各種バネ加工品の耐水素脆性特性、旧オーステナイト粒の粒度番号、及びフェライト相の割合を、それぞれ評価した。
(1)試験片の作製
(実施例1)
質量%で、C:0.61%、Si:0.20%、Mn:0.65%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる素材を加工して、加工率 %とした母材を、70mm×15mm×2mmの短冊状に切り出して加工品を形成し、これをオーステナイト化温度としてA変態点+40℃で30分保持した後、330℃の雰囲気化で30分保持することによりオーステンパー処理を施して、実施例1を作製した。
(実施例2)
質量%で、C:0.56%、Si:0.20%、Mn:0.67%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる素材を用いた以外は、上記実施例1と同様の条件で、実施例2を作製した。
(実施例3)
試験結果のバラツキを想定して、上記実施例2と同じ条件で、実施例3を作製した。
(比較例1)
上記実施例2と同じ素材を用い(C:0.56%)、オーステナイト化温度をA変態点+50℃とした以外は、上記実施例1と同様の条件で、比較例1を作製した。
(比較例2)
上記実施例1と同じ素材を用い(C:0.61%)、オーステナイト化温度をA変態点+60℃とした以外は、上記実施例1と同様の条件で、比較例1を作製した。
(比較例3)
オーステナイト化温度をA変態点+80℃とした以外は、上記比較例2と同様の条件で、比較例3を作製した。
(2)耐水素脆化の特性評価試験
上記の各実施例及び比較例を、3点曲げ試験方法により試験する。すなわち、短冊状とされた実施例及び比較例を、曲げ荷重試験機の治具に取付け、各実施例及び比較例の底面側の、長手方向両端の2点間で支持すると共に(支点間の距離を60mmとする)、各実施例及び比較例の長手方向中間の上方から押圧子を押し込んで、所定の曲げ応力(1300MPa、1400MPa、1500MPa)を負荷させる。
上記の曲げ応力を負荷した状態、すなわち、各実施例及び比較例を治具にセットした状態で、治具ごと各実施例及び比較例を、腐食雰囲気化にすべく、塩酸(HCl)36%溶液に2分間浸漬させる。その後水洗いをし、24時間常温で放置することにより乾燥する。すなわち、塩酸浸漬→水洗→乾燥という工程を繰り返し、これを1サイクルとして、各実施例及び比較例を、上記の各曲げ応力でもって、何サイクルで破断するかを測定した。その結果を、図8に示す。
(3)旧オーステナイト粒の粒度番号の測定
上記(2)の試験により破断した各実施例及び比較例を、熱硬化性樹脂に埋め込んで、その切断面を研磨して滑らかな表面とした後、ピクリン酸溶液含有の腐食液に浸漬させて、前記表面を腐食させ、組織中に旧オーステナイト粒の粒界面が現出させる。そして、その表面を400倍率の金属顕微鏡にて観察し、旧オーステナイト粒をカウントすると共に、その組織を撮影した。図5(a)〜(c)に実施例1〜3の組織がそれぞれ示され、図7(a)〜(c)に比較例1〜3の組織がそれぞれ示されている。そして、旧オーステナイト粒の数量をカウントし、JIS G 0551「鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法」に則って、粒度番号を算出した。
(4)フェライト相の割合の測定
上記(2)で旧オーステナイト粒の粒度番号を算出した後、それらについて更にナイタル腐食液に浸漬させることにより、その表面を更に腐食させて、ベイナイト相及びフェライト相を現出させる。図4(a)〜(c)に実施例1〜3の組織がそれぞれ示され、図6(a)〜(c)に比較例1〜3の組織がそれぞれ示されている。そして、その表面を400倍率の金属顕微鏡にて観察し、上記(2)で観察した旧オーステナイト粒の粒界面と照らし合わせて、旧オーステナイト粒の粒界面に存在する共に、3つ以上の旧オーステナイト粒の粒界面を跨ぐ、かつ、球状化セメンタイトよりも大きなフェライト相αのみをカウントした。更に、金属顕微鏡の400倍率での視野全体を100%として、フェライト相αの合算面積の、視野全体に対する割合を算出した。
以上の(2)耐水素脆化の特性評価試験結果、(3)旧オーステナイト粒の粒度番号の測定結果、及び、(4)フェライト相の割合の測定結果を、下記表1にまとめて示す。
(5)まとめ
上記表1に示すように、旧オーステナイト粒の粒度番号が10番以上で、かつ、そのフェライト相が全面積に対して12〜14%の割合にある実施例1〜3では、図8に示すように、腐食環境下においても破壊されにくくなっていることが分かる。すなわち、本発明のバネ加工品によれば、腐食環境下における遅れ破壊を、効果的に抑制できることが理解できる。
本発明のバネ加工品を適用したホースクランプを示す斜視図である。 同本発明のバネ加工品の組織状態を示す概念図である。 本発明のバネ加工品の製造法における、熱処理条件を説明するFe−C系の平衡状態図である。 ベイナイト相及びフェライト相を現出させた状態の組織写真を示しており、(a)は実施例1の組織写真、(b)は実施例2の組織写真、(c)は実施例3の組織写真である。 旧オーステナイト粒の粒界面を現出させた状態の組織写真を示しており、(a)は実施例1の組織写真、(b)は実施例2の組織写真、(c)は実施例3の組織写真である ベイナイト相及びフェライト相を現出させた状態の組織写真を示しており、(a)は比較例1の組織写真、(b)は比較例2の組織写真、(c)は比較例3の組織写真である。 旧オーステナイト粒の粒界面を現出させた状態の組織写真を示しており、(a)は比較例1の組織写真、(b)は比較例2の組織写真、(c)は比較例3の組織写真である。 耐水素脆化の特性評価試験の結果を示す説明図である。
符号の説明
10 ホースクランプ
α フェライト相
γ オーステナイト相
γs 粒界面
B ベイナイト相

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.5〜0.7%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.6〜0.9%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、
    その組織がベイナイト相及びフェライト相の混合組織となっており、更に、旧オーステナイト粒の粒度番号が10番以上で、かつ、前記混合組織全体の面積に対して、前記旧オーステナイト粒の粒界面に存在する前記フェライト相の面積が5〜20%とされていることを特徴とするバネ加工品。
  2. 自動車用のホースクランプとして適用される請求項1記載のバネ加工品。
  3. 質量%で、C:0.5〜0.7%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.6〜0.9%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる組成からなる素材を熱間圧延した後、球状化処理を施して加工率が5%以上の母材を形成し、この母材を所定形状に加工して加工品を形成し、
    更に、前記加工品を、A変態点以上で、かつ、A変態点よりも40℃高い温度以下で加熱保持した後、オーステンパー処理を施すことを特徴とするバネ加工品の製造方法。
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