JP2009010992A - 音声信号処理装置、音声信号処理方法、プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分割手段により複数系統の音声信号をそれぞれ複数の周波数帯域に分割すると共に、位相差算出手段と上記レベル比算出手段とにより算出された複数の周波数帯域ごとの位相差とレベル比とに基づいて、上記分割手段による分割出力について所要の音声信号処理を施す。これによって或る角度に定位している音源について所要の調整を行うことができる。
【選択図】図3
Description
のマイク(マイクロフォン)により収録することもあるが、その場合においても音声信号自体は最終的には2ch(チャンネル)や5.1chなどの予め定められたch数に絞られることになる。このとき、ミキシング等が行われることで、それぞれの音源がそれぞれ対応する角度(方向)に定位するように調整されることになる。
しかしながら、ユーザの嗜好などにより、制作側で意図した音源の定位感が受け入れられない場合もある。また、或る方向に定位している音源のみを抽出するなど、コンテンツの楽しみ方の幅を広げるような工夫も要請される。これに伴い、或る方向に定位している音源を抽出する、或いはその音像を大きくする/小さくする、又は消すなどといった調整を行うことが要請されている。
つまり、先ず、入力された複数チャンネルの音声信号をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する分割手段を備える。
また、上記分割手段により分割された上記複数の周波数帯域ごとに上記複数チャンネルの音声信号の位相差を算出する位相差算出手段を備える。
また、上記分割手段により分割された上記複数の周波数帯域ごとに上記複数チャンネルの音声信号のレベル比を算出するレベル比算出手段を備える。
また、上記音声信号と同期した映像信号を入力する映像入力手段と、上記映像信号に基づき得られる映像の一部が拡大されるようにして映像信号処理を施す映像信号処理手段を備える。
また、上記映像信号処理手段により拡大される上記映像の一部の位置に応じた定位角度情報を取得する定位角度取得手段を備える。
さらに、上記位相差算出手段と上記レベル比算出手段とにより算出された上記複数の周波数帯域ごとの位相差とレベル比と、上記定位角度取得手段により取得された定位角度情報とに基づき、上記分割手段による分割信号についてゲイン調整を行うことで、上記定位角度情報が指示する定位角度に定位している周波数帯域の音声信号をズーム位置抽出信号として抽出する音声抽出手段を備えるようにした。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
図1は、実施の形態としての音声信号処理装置を含んで構成される再生装置1の内部構成を示したブロック図である。
この再生装置1としては、図示するメディア再生部2を備え、例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、或いはブルーレイディスク(Blu-Ray Disc)などの光ディスク記録媒体や、MD(Mini Disc:光磁気ディスク)、ハードディスクなどの磁気ディスク、半導体メモリを内蔵した記録媒体など、所要の記録媒体についての再生が可能とされる。
なお、この音声信号処理部3の内部構成については後述する。
システムコントローラ5に対しては図示する操作部6とコマンド受信部7とが備えられる。操作部6には、当該再生装置1の筐体外部に表出するようにして設けられた各種の操作子が備えられ、それらの操作に応じたコマンド信号をシステムコントローラ5に供給する。また、コマンド受信部7は、図示するリモートコマンダ10から発せられた例えば赤外線信号等に依るコマンド信号を受信する。リモートコマンダ10上にも各種の操作子が設けられており、コマンド受信部7はこれらリモートコマンダ10上の操作子の操作に応じたコマンド信号をシステムコントローラ5に供給するようにされる。
システムコントローラ5は、操作部6及びコマンド受信部7からのコマンド信号に応じた各種の制御動作を実行するようにされる。これによって再生装置1ではユーザの操作入力に応じた動作が実行されるようになっている。
ユーザは、上記右方向キー10a、又は左方向キー10bを操作することにより、再生装置1に対し定位角度を指示入力することができる。
先ず、音声信号処理部3には、Lchの音声信号を入力する分析フィルタバンク11Lと、Rchの音声信号を入力する分析フィルタバンク11Rとが備えられる。これら分析フィルタバンク11L、分析フィルタバンク11Rは、入力音声信号を所定複数の周波数帯域に分割するために備えられる。
周知のように、入力信号成分を複数の周波数帯域に分割する手法としては、DFT(Discrete Fourier Transform)フィルタバンク、ウェーブレットフィルタバンク、QMF(Quadrature Mirror Filter)フィルタバンクなどのフィルタバンクと呼ばれる手法がある。フィルタバンクは、分析フィルタバンクと合成フィルタバンクの1セットで構成される。このフィルタバンクの手法は、入力信号を各帯域ごとに目的に応じて処理する場合などに利用されているもので、例えば非可逆圧縮などで広く用いられている。
合成フィルタバンク14Lでは、このようにして供給されるn個のサブバンド信号(sub1-L〜subn-L)を合成して元の音声信号形態に再構成する。
合成フィルタバンク14Rでは、供給されるn個のサブバンド信号(sub1-R〜subn-R)を合成して元の音声信号形態に再構成する。
なお、ここでは各分析フィルタバンク11によって入力音声信号を等帯域幅により分割するものとしたが、非等帯域幅により分割することもできる。
同様に、分析フィルタバンク11Rにより生成されたサブバンド信号sub1-R〜subn-Rの個々としても、バンド別ゲイン算出回路12-1〜12-nのうち対応する添え字の付されるバンド別ゲイン算出回路12に対してもそれぞれ分岐して供給される。
つまり、これによってバンド別ゲイン算出回路12-1〜12-nの個々には、それぞれ対応する帯域のLchのサブバンド信号(以下サブバンド信号sub-Lとも言う)とRchのサブバンド信号(以下サブバンド信号sub-Rとも言う)とが入力されるようになっている。
つまり、バンド別ゲイン算出回路12-1では、サブバンド信号sub1-L、サブバンド信号sub1-Rに設定すべきゲインG-sub1を生成し、バンド別ゲイン算出回路12-2ではサブバンド信号sub2-L、サブバンド信号sub2-Rに設定すべきゲインG-sub2を生成するといったように、バンド別ゲイン算出回路12-1〜12-nによっては、それぞれの帯域のサブバンド信号sub1-L〜subn-L、サブバンド信号sub1-R〜subn-Rに設定されるべきゲインGsub1〜G-subnが生成される。
なお、このようなバンド別ゲイン算出回路12の内部構成については後述する。
ゲイン器13の個々は、供給されたゲインG-subに基づき、それぞれ分析フィルタバンク11Lからのサブバンド信号sub-L、分析フィルタバンク11Rからのサブバンド信号sub1-Rのゲインを調整し、サブバンド信号sub-Lについては合成フィルタバンク14Lへ、サブバンド信号sub-Rについては合成フィルタバンク14Rへそれぞれ供給する。
ここで、ゲイン器13-1〜13-nから供給される各帯域のサブバンド信号sub-L、サブバンド信号sub-Rは、それぞれ対応するバンド別ゲイン算出回路12で生成された、角度指示信号により指示される角度に定位している音源を抽出するためのゲインG-subに応じてゲインが調整されたもとなっている。
例えば、指示された角度に定位している音源が帯域1〜帯域2(サブバンド信号sub1-L〜sub2-L、サブバンド信号sub1-R〜sub2-R)で構成されるものであったとすれば、例えばこれらサブバンド信号sub1-L〜sub2-L、サブバンド信号sub1-R〜sub2-Rのみがゲイン=1とされ、それ以外の帯域がすべてゲイン=0に調整されるといったものである。
これにより、上記のようにして全ての帯域のサブバンド信号が合成されて再構成された音声信号としては、上記角度指示信号により指示された角度に定位している音源のみが抽出されたものとして再現できるものとなっている。
ここでは、このように合成フィルタバンク14L、14Rからそれぞれ出力される、角度指示信号により指示された角度に定位している音源を抽出したものとできる音声信号のことを、それぞれ音声信号Lex、音声信号Rexと呼ぶ。
先ず、図3に示した分析フィルタバンク11Lからのサブバンド信号sub-Lは、フーリエ変換器21Lに入力され、ここにおいて例えばFFT(高速フーリエ変換)などのフーリエ変換処理が施される。フーリエ変換処理により得られた複素サブバンド信号csub-Lは、位相差算出器22とレベル比算出器23とに供給される。
また、分析フィルタバンク11Rからのサブバンド信号sub-Rは、フーリエ変換器21Rに供給されフーリエ変換処理が施され、同様に複素サブバンド信号csub-Rとして位相差算出器22とレベル比算出器23とに供給される。
ここで、時間ωにおける複素サブバンド信号csub-Lとcsub-RとをそれぞれL(ω)、R(ω)とした場合、時間ωにおける複素サブバンド信号csub-Lと複素サブバンド信号csub-Rとの位相差θlr(ω)は、次の[数1]により与えられる。
但し、下記[数1]において、−180≦θlr(ω)≦180とする。
また、Re(x)は複素数xの実部を、Im(x)はxの虚部を表す。
ここで、時間ωにおける複素サブバンド信号csub-Lとcsub-RとをそれぞれL(ω)、R(ω)とした場合、時間ωにおける複素サブバンド信号csub-Lと複素サブバンド信号csub-Rとのレベル比maglr(ω)は、次の[数2]により与えられる。
但し、下記[数2]において、−1≦maglr(ω)≦1とする。
レベル比算出器23は、上記[数2]に基づいてフーリエ変換器21Lからの複素サブバンド信号csub-Lとフーリエ変換器21Rからの複素サブバンド信号csub-Rとのレベル比maglr(ω)を算出する。そして、このように算出される位相差maglr(ω)を順次出力することで、ゲイン算出器24にレベル比信号maglrを供給するようにされる。
本明細書では、このように感覚的に音像の位置が知覚されることを定位と呼び、或る点を基準としたときの音像の定位位置への角度を定位角度と呼んでいる。
このようにして位相差θlr(ω)、レベル比maglr(ω)により各周波数帯域ごとの定位角度が求まれば、図4におけるゲイン算出器24としては、入力される角度指示信号と、これら周波数帯域ごとの定位角度との違いに基づき、上記角度指示信号により指示される定位角度の音源が抽出されるように、それぞれの周波数帯域の音声信号(sub1-L〜subn-L、sub1-R〜subn-R)に設定すべきゲインを算出すればよい。
つまり、時間ωにおけるゲインG-subをゲイン値G-sub(ω)とすると、
G-sub(ω)=Gθ(ω)×Gmag(ω)
により最終的なゲインG-subを求める。
但し、下記[数3]において、gradientは0以上の任意の値、top_widthは0≦top_width≦180の任意の値であるとする。
また、角度指示信号により指示可能な定位角度angleは−180≦angle≦180であるとする。
また、位相差側ゲインGθ(ω)については、0≦Gθ(ω)≦1であり、算出されたGθ(ω)の値が0よりも小さいときはGθ(ω)=0とする。
但し、この[数4]においてもgradientは0以上の任意の値、top_widthは0≦top_width≦180の任意の値であるとする。
また、角度指示信号により指示可能な定位角度angleは−180≦angle≦180であるとする。
また、レベル比側ゲインGmag(ω)については、0≦Gmag(ω)≦1であり、算出されたGmag(ω)の値が0よりも小さいときはGmag(ω)=0とする。
先ず第一例としては、全ての周波数帯域(サブバンド)について、gradient、top_widthの値を固定とする手法である。上記[数3]において、例えばtop_width=20、gradient=1に固定とし、角度指示信号により指示されたangleの値がangle=0、angle=−80であったときにそれぞれ得られる位相差側ゲインGθ(ω)の特性を次の図5に示す。
先ず、この第一例ではtop_widthの値が「20」に固定であることから、位相差側ゲインGθ(ω)の値が最大値となる(この場合はGθ(ω)=1)幅が40となる。具体的に、angle=0のときは位相差θlr(ω)が−20〜20までの範囲がtop_width(Gθ(ω)=1)となり、angle=−80のときは位相差θlr(ω)が−100〜−60までの範囲がtop_width(Gθ(ω)=1)となる。すなわち、先の[数3]([数4]も同様)において、ゲインが最大値となる範囲は「angle−top_width〜angle+top_width」の範囲となるので、ゲインが最大値となる範囲は「top_width×2」となる。
また、この場合はgradientの値が「1」で固定であるため、top_widthの範囲外、つまり(θlr(ω)>angle+top_width)または(θlr(ω)<angle−top_width)となる部分では、[数3]を解くと必ず位相差側ゲインGθ(ω)が負の値となり、先に述べた0≦Gθ(ω)≦1の条件を合わせると、このtop_widthの範囲外の位相差側ゲインGθ(ω)は全て「0」となる。
top_width=|angle/4|
により求めるものとする。例えば先の[数4]において、gradientの値をgradient=20で固定し、angleの値としてangle=0、angle=−80がそれぞれ指示された場合に得られるレベル比側ゲインGmag(ω)の特性を次の図6に示す。
この場合、top_widthの値が指示されたangleの値に応じて「top_width=|angle/4|」に変化するので、angle=0のときは図示するようにtop_width=0となり、angle=−80のときはtop_width=20となる。
また、この場合は、gradientの値が先の第一例の場合の「1」ではなく「20」とされたので、top_widthの範囲外のレベル比側ゲインGmag(ω)は全て「0」にはならい。すなわち、この場合はtop_widthの範囲外となる(maglr(ω)・180>angle+top_width)または(maglr(ω)・180<angle−top_width)となる部分のうち、レベル比maglr(ω)の値の或る範囲までは、[数4]の計算結果として正の値が得られる。つまり、このことで、図示するようにtop_widthの範囲外であってもレベル比maglr(ω)の値が或る値となるまでは、angleの値から遠ざかるにつれレベル比側ゲインGmag(ω)の値は0に向けて徐々に減少するようになる。
上記手法によれば、top_widthの値とこのようなgradientの値の設定によって、ゲイン窓の形状を自由に調整することができる。
つまり、このように位相差θlr(ω)、レベル比maglr(ω)の値が中央寄りの値で得られてしまう場合において、angleにより0から遠い角度が指示されたときにtop_widthが狭く抽出する定位角度範囲が狭めであった場合には、抽出すべき定位角度に定位している周波数帯域成分が適正に抽出されず、逆にそれ以外の周波数帯域成分が抽出されてしまうといった虞がある。
これに対し、上記第二例のように指示されたangleの値が0から遠ざかるにつれtop_widthの幅を拡大すれば、上記のように位相差θlr(ω)、レベル比maglr(ω)として「0」寄りの値が算出される場合にも抽出すべき周波数帯域を適正に抽出することができるようになる。
そして、上述もしたように、図4に示したゲイン算出器24では、これら[数3]「数4」に基づき得られた位相差側ゲインGθ(ω)とレベル比側ゲインGmag(ω)とを乗算することで、対応するサブバンド信号sub-L、sub-Rに対して最終的に設定されるべきゲイン値G-sub(ω)を算出するようにされる(G-sub(ω)=Gθ(ω)×Gmag(ω))。
その上でゲイン算出器24は、このゲイン値G-sub(ω)を図3に示したゲイン器13に供給すべきゲインG-subとして順次出力するようにされる。
図7において、先ずステップS101では、Lch信号、Rch信号を複数バンドに分割する。すなわち、この動作は、図3に示した分析フィルタバンク11L、分析フィルタバンク11Rが、それぞれ入力されるLch音声信号、Rch音声信号をn個の周波数帯域に分割し、それぞれサブバンド信号sub1-L〜subn-L、サブバンド信号sub1-R〜subn-Rを生成する動作に相当する。
このステップS107により、各バンド別ゲイン算出回路12におけるゲイン算出器24において、それぞれのバンドに設定すべき最終的なゲイン値G-sub(ω)が得られる。
これによって合成フィルタバンク14L、合成フィルタバンク14Rからは、先にも説明したように角度指示信号により指示された角度(angle)に定位している音源のみが抽出されたものとして再現できる音声信号Lex、音声信号Rexが出力される。
つまり、例えば先の図5に示したangle=0のときを例に挙げれば、予めこのangle=0のときのゲイン窓の形状を定めておき、このゲイン窓の形状を定義する関数として、位相差θlr(ω)(定位角度)を変数としてゲインGθ(ω)を求めるための関数を予め生成して用意しておく。同様に、他のangleの値についてもそのangleのときに対応して設定されるべきゲイン窓の形状を定めておき、それらの窓形状を定義する関数を予め生成して用意しておく。
また、レベル比maglr(ω)についても、同様に指示可能なangleの値ごとにそのangleのときに対応して設定されるべきゲイン窓の形状を定めておき、それらの窓形状を定義する関数として、レベル比maglr(ω)を変数とした関数を予め生成して用意しておく。
そして、実際に角度指示信号によりangleの値が指示されたときは、この指示されたangleの値に応じて位相差側、レベル比側の窓関数をそれぞれ1つ選択し、その窓関数に対し、算出した位相差θlr(ω)、レベル比maglr(ω)の値を代入して、それぞれ位相差側ゲインGθ(ω)、レベル比側ゲインGmag(ω)を算出するといったものである。
すなわち、上記説明から理解されるように、窓関数を用いる手法では、各angle対応に個別の関数をそれぞれ用意しておく必要があり、この点でゲイン算出のための関数を保持しておくために必要なメモリ容量が増大化する傾向となる。これに対し、上記のように[数3][数4]のみを保持しておくだけで済めば、その分必要なメモリ容量を削減することができる。
具体的に、リバーブ処理であれば、ゲイン器13がリバーブ処理を実行するリバーブ処理器となり、位相差とレベル比とに基づき算出されたリバーブ係数(リバーブのレベルを変化させるためのパラメータ)に基づき各サブバンド信号にリバーブ処理を施すように構成すればよい。
続いては第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の応用として、音声信号と同期した映像信号を再生する場合において、映像のズームに応じて音源の抽出を行うようにしたものである。
図8は、このような第2の実施の形態としての再生装置30の内部構成を示している。
なお、この図8において、既に先の図1において説明した部分については同一の符号を付して説明を省略する。
再生された音声信号としてのLch信号、Rch信号は、音声信号処理部33に供給される。また、これらLch信号、Rch信号と同期して再生される映像信号Vは、映像信号処理部34に供給される。
ズーム操作としては、右方向キー10a/左方向キー10bにより画面の左右方向を指示することができ、また上方向キー10c/下方向キー10dによりズームイン/ズームアウト指示を行うことができる。
また、上方向キー10c/下方向キー10dに対応するコマンド信号の入力に応じては、システムコントローラ5は図示するようにズーム倍率指示信号を出力するようにされる。このズーム倍率指示信号としても、音声信号処理部33と映像信号処理部34とに供給される。
なお、音声信号処理部33の内部構成については後述する。
また、特にこの場合は、上記した角度指示信号とズーム倍率指示信号とに応じた映像のズーム処理を行う。具体的には、角度指示信号で指示される画面の左右位置と、ズーム倍率指示信号により指示されるズーム倍率とに応じて、映像信号Vに基づき映し出される映像の一部がズームイン/ズームアウトするように処理を行う。
この映像信号処理部34により映像信号処理が施された映像信号Vは、図示するようにD/Aコンバータ35を介して出力される。
なお、この図9においても既に第1の実施の形態(図3)において説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
この場合の音声信号処理部33において、Lch信号は、図示するように分析フィルタバンク11Lに入力される共に、分岐してゲイン調整回路39Lに対しても供給される。また、分析フィルタバンク11Rに供給されるRch信号は、分岐してゲイン調整回路39Rに対しても供給される。
このゲイン調整回路39Lでは、ズーム倍率指示信号により指示されるズーム倍率に応じ、音声信号LexまたはLch信号のゲインを調整するようにされる。つまり、ズーム倍率の上昇(つまりズームイン)に応じては、音声信号Lexのゲインを上げる(またはLch信号のゲインを下げる)ようにしてゲイン調整を行う。また、ズーム倍率の低下(つまりズームアウト)に応じては、音声信号Lexのゲインを下げる(またはLch信号のゲインを上げる)ようにしてゲイン調整を行う。
そしてゲイン調整回路39Lは、ゲイン調整したこれら音声信号LexとLch信号とを合成(加算)して出力する。
このゲイン調整回路39Rとしても、ズーム倍率指示信号により指示されるズーム倍率に応じ、音声信号RexまたはRch信号のゲインを調整するようにされる。つまり、ズーム倍率の上昇(つまりズームイン)に応じては音声信号Rexのゲインを上げる(またはRch信号のゲインを下げる)ようにしてゲイン調整を行う。また、ズーム倍率の低下(つまりズームアウト)に応じては、音声信号Rexのゲインを下げる(またはRch信号のゲインを上げる)ようにしてゲイン調整を行う。
そしてゲイン調整回路39Rとしても、ゲイン調整したこれら音声信号RexとRch信号とを合成して出力するようにされる。
しかし、このような映像のズーム機能を備える従来の装置においては、ズームインした場合にも音声信号としては通常通り出力される。これによると、場合によってはズームインによって画面中に映し出されなくなった部分からの音も含まれるなど、映像と音声との一体感が損なわれてユーザに違和感を抱かせる可能性がある。
なお、この図10において、ステップS201〜S209による動作は、先の図7に示したステップS101〜S109と同様に、角度指示信号により指示された角度に定位している音源を抽出するための動作となる。従って、これらステップS201〜S209の動作についてここで改めて説明はせず、ステップS210〜S213についてのみ説明する。
その上で、ステップS212において、Lch信号・音声信号Lex、Rch信号・音声信号Rexを合成して出力する。つまり、ゲイン調整回路39LがLch信号・音声信号Lexを合成して出力し、ゲイン調整回路39RがRch信号・音声信号Rexを合成して出力する。
例えば前者の調整、すなわちズームインに応じて音声信号Lex・Rex側のゲインを上げる調整を行ったときは、これら音声信号Lex・Rexの音量が設定音量よりも大きくなるように調整されることになる。このことによると、ユーザの設定音量が守られなくなるといった点で問題となりかねない。
これを対策するとした場合には、後者の調整、つまりズームイン操作に応じLch信号・Rch信号側のゲインを下げるように調整を行えばよい。
そこで、この点を考慮する場合等には、ズーム倍率指示信号に応じて音声信号Lex・Rex側、Lch信号・Rch信号側の双方のゲインを総合的に調整するようにすることもできる。
第3の実施の形態は、先の第1の実施の形態を応用して、予め定められた所定の定位角度範囲ごとに、定位している音源のゲイン調整ができるようにするものである。
なお、第3の実施の形態において、再生装置の全体構成としては、先の図1に示した再生装置1と同様であるとする。つまり、記録媒体に記録された音声信号についてのみ再生が可能とされているものとする。
これらつまみ操作子6−1、6−2、6−3、6−4、6−5は、それぞれ対応する定位角度範囲に定位する音源についてのゲイン(音量)を調整するための操作子となる。
つまりこの場合、聴取者の正面を0°(中央)とすると、180°〜108°、108°〜36°、36°〜−36°、−36°〜−108°、−108°〜−180°の範囲に分けるものとしている。これらの定位角度範囲を、ここでは定位角度レンジと呼ぶ。
この場合、5つに分けられた定位角度レンジのうち、180°〜108°の範囲を定位角度レンジ1とし、108°〜36°の範囲を定位角度レンジ2とする。以降も順に36°〜−36°の範囲は定位角度レンジ3、−36°〜−108°の範囲は定位角度レンジ4、−108°〜−180°の範囲は定位角度レンジ5とする。
これらつまみ操作子6−1〜6−5によるそれぞれの操作情報は、図示は省略するが、システムコントローラ5に入力されて各レンジごとのゲイン指示信号に変換される。このようなレンジごとのゲイン指示信号は、次の図12にも示すように、音声信号処理部43内のバンド別ゲイン算出回路12−1〜12−nに対しそれぞれ供給されるようになっている。
また、ここでは定位角度レンジは等間隔に分けるものとしたが、非等間隔で分けることもできる。また、定位角度レンジの数は5つとしたがそれ以外の数に分けることもできる。
上記もしているように、この場合の再生装置においては、つまみ操作子6−1〜6−5によるそれぞれの操作情報が、システムコントローラ5に入力されてレンジごとのゲイン指示信号に変換され、図示するようにバンド別ゲイン算出回路12−1〜12−nに対しそれぞれ供給される。
各バンド別ゲイン算出回路12では、このように入力されるレンジごとのゲイン指示信号と、分析フィルタバンク11Lからのサブバンド信号sub-Lと分析フィルタバンク11Rからのサブバンド信号sub-Rとに基づき、後段のゲイン器13にて対応する帯域のサブバンド信号sub-L、サブバンド信号sub-Rに設定されるべきゲインG-subを算出する。
なお、この図13においても先の図4にて説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
この場合のバンド別ゲイン算出回路12には、先の図4に示したバンド別ゲイン算出回路12が備えていたゲイン算出器24に代えて、ゲイン算出器44が設けられる。このゲイン算出器44としても、位相差算出器22からの位相差信号θlrと、レベル比算出器23からのレベル比信号maglrとが入力される。また、システムコントローラ5からのレンジごとのゲイン指示信号は、このゲイン算出器44に入力されるようになっている。
この窓関数対応情報45aは、レンジごとのゲイン指示信号により指示され得る各定位角度レンジごとのゲインの組み合わせの1つ1つに、予め定められた対応する窓関数が対応づけられた情報である。この場合も、最終的なゲイン値G-sub(ω)としては位相差側ゲインGθ(ω)とレベル比側ゲインGmag(ω)とを乗算して求めるので、この窓関数としては、位相差信号θlrの値(θlr(ω))を変数として位相差側ゲインGθ(ω)を表す位相差側窓関数と、レベル比信号maglrの値(maglr(ω))を変数としてレベル比側ゲインGmag(ω)を表すレベル比側窓関数との2種が用意される。
つまり、窓関数対応情報45aとしては、レンジごとのゲイン指示信号により指示され得る各定位角度レンジごとのゲインの組み合わせの1つ1つに予め定められた対応する位相差側窓関数が対応づけられた情報と、同じくレンジごとのゲイン指示信号により指示され得る各定位角度レンジごとのゲインの組み合わせの1つ1つに予め定められた対応するレベル比側窓関数が対応づけられた情報とを含むものとなっている。
なお、このような窓関数対応情報45aついては後の図14、図15にて改めて説明する。
また、これと共にゲイン算出器44は、レンジごとのゲイン指示信号を元に上記窓関数対応情報45aから対応するレベル比側窓関数を読み出し、このレベル比側窓関数とレベル比算出器23からのレベル比maglr(ω)とに基づく演算を行うことで、対応する周波数バンドに応じたレベル比側ゲインGmag(ω)を算出する。
そしてこの場合のゲイン算出器44としても、
G-sub(ω)=Gθ(ω)×Gmag(ω)
による演算を行ってゲイン値G-sub(ω)を算出する。
全ての定位角度レンジのゲインとして同じ値が指示された場合は、これら図14(a)(b)に示されるように、入力される位相差θlr(ω)、レベル比maglr(ω)の値に関わらす、常に一定のゲイン値となるような関数が定められる。
このような窓関数(位相差側窓関数、及びレベル比側窓関数)は、予め、例えば聴感上の実験を行った結果などに基づき、各定位角度レンジに定位している音源が、指示されたゲイン(音量)で出力できるようにして設定される。
そして、このような窓関数としては、レンジごとのゲイン指示信号により指示され得る各定位角度レンジごとのゲインの組み合わせの1つ1つについて、それぞれ予め定めておくようにする。このようなレンジごとのゲイン指示信号により指示され得る各定位角度レンジごとのゲインの組み合わせの1つ1つと、その個々に応じて定めた窓関数とを対応づけて、先の窓関数対応情報45aを生成するようにされる。
そして、このように適正に選択された窓関数に基づき、ゲイン算出器44では、位相差θlr(ω)、レベル比maglr(ω)から対応する周波数バンドに設定されるべき適正なゲイン値Gθ(ω)、Gmag(ω)が求まる。
これらゲイン値Gθ(ω)、Gmag(ω)が、先に説明したようにゲイン算出器44にて乗算されて、各ゲイン器13にてゲインG-subとして対応するサブバンド信号sub-L、サブバンド信号sub-Rに与えられる。これにより、合成フィルタバンク14L、合成フィルタバンク14Rで合成されて得られる音声信号Lex、音声信号Rexとしては、各定位角度レンジに定位している音源が、それぞれレンジごとのゲイン指示信号により指示されるゲイン(音量)となるようにできるものとなっている。
すなわち、これによってレンジごとのゲイン指示信号で指示されたゲインで、各定位角度レンジに定位している音源のゲインを調整することができる。
先ず、ステップS301〜S304においては、先の図7に示したステップS101〜、S103、及びS105と同様の動作により、Lch信号、Rch信号のバンド分割、フーリエ変換、及び各バンドごとの位相差θlr(ω)、レベル比maglr(ω)の算出が行われる。
また、ステップS307では、バンドごとに、選択したレベル比側窓関数とレベル比maglr(ω)とに基づき、レベル比側ゲインGmag(ω)を算出する。すなわち、各バンド別ゲイン算出回路12内のゲイン算出器44が、選択したレベル比側窓関数にレベル比算出器23からのレベル比maglr(ω)を代入してこれを解くことでレベル比側ゲインGmag(ω)を算出する。
これにより、各定位角度レンジに定位している音源がそれぞれレンジごとのゲイン指示信号により指示されるゲイン(音量)となるようにできる音声信号Lex、音声信号Rexが出力されることになる。
そして、各バンドごとに、このように算出された位相差側ゲインGθ(ω)とレベル比側ゲインGmag(ω)とを乗算して最終的なゲイン値G-sub(ω)を得るようにする。
この場合において、上記説明のようにレンジごとに独立して求めた位相差側ゲインの値を、レンジごとのゲイン指示信号により指示された各レンジのゲイン値によって乗算して位相差側ゲインGθ(ω)を求めることは、次の[数5]により表すことができる。
具体的に、位相差側ゲインGθ1(ω)、Gθ2(ω)、Gθ3(ω)、Gθ4(ω)、Gθ5(ω)は、定位角度レンジごとのゲイン窓の左斜辺の傾斜を各々gradientθ1L、gradientθ2L、gradientθ3L、gradientθ4L、gradientθ5Lとし、定位角度レンジごとのゲイン窓の右斜辺の傾斜を各々gradientθ1R、gradientθ2R、gradientθ3R、gradientθ4R、gradientθ5Rとし、また、各定位角度レンジごとのゲイン窓の上底の幅を2で割ったものを各々top_widthθ1、top_widthθ2、top_widthθ3、top_widthθ4、top_widthθ5としたとき、下記の[数7][数8][数9][数10][数11]により求める。
但し、下記[数7]〜[数11]において、0≦Gθ1(ω)≦1、0≦Gθ2(ω)≦1、0≦Gθ3(ω)≦1、0≦Gθ4(ω)≦1、0≦Gθ5(ω)≦1であるとする。
つまり、レベル比側ゲインGmag1(ω)、Gmag2(ω)、Gmag3(ω)、Gmag4(ω)、Gmag5(ω)は、定位角度レンジごとのゲイン窓の左斜辺の傾斜を各々gradientmag1L、gradientmag2L、gradientmag3L、gradientmag4L、gradientmag5Lとし、定位角度レンジごとのゲイン窓の右斜辺の傾斜を各々gradientmag1R、gradientmag2R、gradientmag3R、gradientmag4R、gradientmag5Rとし、また、各定位角度レンジごとのゲイン窓の上底の幅を2で割ったものを各々top_widthmag1、top_widthmag2、top_widthmag3、top_widthmag4、top_widthmag5としたとき、下記の[数12][数13][数14][数15][数16]により求める。
但し、下記[数12]〜[数16]においても、0≦Gmag1(ω)≦1、0≦Gmag2(ω)≦1、0≦Gmag3(ω)≦1、0≦Gmag4(ω)≦1、0≦Gmag5(ω)≦1であるとする。
また、gradientθ1L〜gradientθ5L、gradientθ1R〜gradientθ5R、gradientmag1L〜gradientmag5L、gradientmag1R〜gradientmag5R、top_widthθ1〜top_widthθ5、top_widthmag1〜top_widthmag5の各値は、固定値、またはシステムコントローラ5から適宜指示される値とすることができる。例えばシステムコントローラ5から適宜指示されるようにした場合、各定位角度レンジ間の境界でゲイン値が繋がるような値を選定するようにすればよい。
また、図18では、gradientmag1L〜gradientmag5L、gradientmag1R〜gradientmag5Rをすべて「1」とし、さらにtop_widthmag1〜top_widthmag5をすべて「36」とした場合において、レンジごとのゲイン指示信号により定位角度レンジ1のゲインGset1=1.0、定位角度レンジ2のゲインGset2=0.7、定位角度レンジ3のゲインGset3=1.0、定位角度レンジ4のゲインGset4=1.3、定位角度レンジ5のゲインGset5=1.0が指示された場合において、横軸をレベル比maglr(ω)、縦軸をレベル比側ゲインGmag(ω)としてレベル比側ゲインGmag(ω)の特性をグラフ化して示している。
また、それ以外の定位角度レンジ2、定位角度レンジ3、定位角度レンジ5については、それぞれ[gradientθ2L=26,gradientθ2R=26,top_widthθ2=30]、[gradientθ3L=20,gradientθ3R=180,top_widthθ3=30]、[gradientθ5L=180,gradientθ5R=20,top_widthθ5=30]とされたことに応じ、それぞれのレンジのゲイン窓(ゲイン特性)の形状は図のようになる。そして、この場合は定位角度レンジ2のゲイン=1.3、定位角度レンジ3のゲイン=1.0、定位角度レンジ5のゲイン=1.0であることから、各々top_widthの部分のゲイン値は「1.3」、「1.0」、「1.0」となる。また、これら定位角度レンジ2、定位角度レンジ3、定位角度レンジ5のtop_width以外の部分は、先の[数8][数9][数11]に基づく計算(具体的には各式の(1)(3))が行われることで図のような形状が得られる。
すなわち、この場合においてメモリ部45に格納しておくべき関数としては、少なくとも[数7]〜[数11]、[数12]〜[数16]のみとすることができ、先に説明したような各定位角度レンジで設定され得るゲイン値の組み合わせごとに対応させて窓関数を用意する場合よりも、メモリ部45に格納しておくべきデータ容量を削減することができる。
先ず、この場合、ステップS401〜S404では、先の図16に示したステップS301〜S304と同様に、Lch信号、Rch信号のバンド分割、フーリエ変換、及び各バンドごとの位相差θlr(ω)、レベル比maglr(ω)の算出が行われる。
つまり、先ずは定位角度レンジ対応に、その定位角度レンジに定位している音源を抽出する音声信号Lexと音声信号Rexを生成する系を備える。つまり、この場合は定位角度レンジ1に定位する音源を抽出するための音声信号Lexと音声信号Rexの生成系と、定位角度レンジ2に定位する音源を抽出するための音声信号Lexと音声信号Rexの生成系と、定位角度レンジ3に定位する音源を抽出するための音声信号Lexと音声信号Rexの生成系と、定位角度レンジ4に定位する音源を抽出するための音声信号Lexと音声信号Rexの生成系と、定位角度レンジ5に定位する音源を抽出するための音声信号Lexと音声信号Rexの生成系とを備える。例えば、このような構成としては、第1の実施の形態の音声信号処理部3を5系統備えるようにしたものと捉えることができる。
その上で、これら複数系統の音声信号Lex・音声信号Rexの出力の1つ1つに対応して、それぞれゲイン調整回路を設け、これらゲイン調整回路において、レンジごとのゲイン指示信号により指示される定位角度レンジごとのゲイン値に応じて、それぞれ入力される音声信号Lex・音声信号Rexのゲインを調整して出力する。そして、最終的には、これらゲイン調整回路から出力される各音声信号Lex、各音声信号Rexをそれぞれ合成して出力する。
これによって同様に各定位角度レンジに定位している音源をレンジごとのゲイン指示信号の値に応じて調整することができる。
以上実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した各実施の形態に限定されるべきものではない。
例えば各実施の形態では、音声信号はLchとRchの2chのみとしたが、2ch以上の音声信号に対応することもできる。
また、レベル比以外にも、各ch信号の音圧レベルの差を表すものであれば他の要素について算出し、これに基づきゲイン値を算出することもできる。
つまり、音声信号のみについて再生を行う場合にも、指示された角度に定位している音像の音量を上方向キー10c/下方向キー10dなどを利用した手動の操作に応じて調整するように構成するものである。
つまり、上方向キー10cによるズームイン操作に応じて、例えば[数3]及び[数4]におけるtop_widthやgradientの値を小さくし、下方向キー10dによるズームアウト操作に応じてtop_widthやgradientの値を大きくすることで抽出する音源の範囲がズームイン/ズームアウト操作に連動して変化するように構成するものである。
Claims (7)
- 入力された複数チャンネルの音声信号をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する分割手段と、
上記分割手段により分割された上記複数の周波数帯域ごとに上記複数チャンネルの音声信号の位相差を算出する位相差算出手段と、
上記分割手段により分割された上記複数の周波数帯域ごとに上記複数チャンネルの音声信号のレベル比を算出するレベル比算出手段と、
上記音声信号と同期した映像信号を入力する映像入力手段と、
上記映像信号に基づき得られる映像の一部が拡大されるようにして映像信号処理を施す映像信号処理手段と、
上記映像信号処理手段により拡大される上記映像の一部の位置に応じた定位角度情報を取得する定位角度取得手段と、
上記位相差算出手段と上記レベル比算出手段とにより算出された上記複数の周波数帯域ごとの位相差とレベル比と、上記定位角度取得手段により取得された定位角度情報とに基づき、上記分割手段による分割信号についてゲイン調整を行うことで、上記定位角度情報が指示する定位角度に定位している周波数帯域の音声信号をズーム位置抽出信号として抽出する音声抽出手段と
を備える音声信号処理装置。 - さらに、上記映像信号処理手段による上記映像の一部の拡大倍率を指示する映像拡大倍率指示手段と、
上記チャンネルごとに、上記入力された音声信号と上記ズーム位置抽出信号とを入力し、上記映像拡大倍率指示手段により指示される上記拡大倍率の上昇に応じては、相対的に上記ズーム位置抽出信号側のゲインが大となるようにゲイン調整を行い、上記拡大倍率の低下に応じては、相対的に上記音声信号側のゲインが大となるようにしてゲイン調整を行う共に、ゲイン調整後の上記音声信号と上記ズーム位置抽出信号とを上記チャンネルごとに合成するゲイン調整・合成手段とを備える
請求項1に記載の音声信号処理装置。 - 上記ゲイン調整・合成手段は、
上記拡大倍率の上昇/低下に対し、上記ズーム位置抽出信号側のゲインのみを調整する
請求項2に記載の音声信号処理装置。 - 上記ゲイン調整・合成手段は、
上記拡大倍率の上昇/低下に対し、上記音声信号側のゲインのみを調整する
請求項2に記載の音声信号処理装置。 - 上記ゲイン調整・合成手段は、
上記拡大倍率の上昇/低下に対し、上記ズーム位置抽出信号と上記音声信号の双方のゲインを調整する
請求項2に記載の音声信号処理装置。 - 入力された複数チャンネルの音声信号をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する分割手順と、
上記分割手順により分割した上記複数の周波数帯域ごとに上記複数チャンネルの音声信号の位相差を算出する位相差算出手順と、
上記分割手順により分割した上記複数の周波数帯域ごとに上記複数チャンネルの音声信号のレベル比を算出するレベル比算出手順と、
上記音声信号と同期した映像信号を入力する映像入力手順と、
上記映像信号に基づき得られる映像の一部が拡大されるようにして映像信号処理を施す映像信号処理手順と、
上記映像信号処理手順により拡大される上記映像の一部の位置に応じた定位角度情報を取得する定位角度取得手順と、
上記位相差算出手順と上記レベル比算出手順とにより算出した上記複数の周波数帯域ごとの位相差とレベル比と、上記定位角度取得手順により取得した定位角度情報とに基づき、上記分割手順による分割信号についてゲイン調整を行うことで、上記定位角度情報が指示する定位角度に定位している周波数帯域の音声信号をズーム位置抽出信号として抽出する音声抽出手順と
を有する音声信号処理方法。 - 入力された複数チャンネルの音声信号をそれぞれ複数の周波数帯域に分割する分割処理と、
上記分割処理により分割した上記複数の周波数帯域ごとに上記複数チャンネルの音声信号の位相差を算出する位相差算出処理と、
上記分割処理により分割した上記複数の周波数帯域ごとに上記複数チャンネルの音声信号のレベル比を算出するレベル比算処理と、
上記音声信号と同期した映像信号を入力する映像入力処理と、
上記映像信号に基づき得られる映像の一部が拡大されるようにして映像信号処理を施す映像信号処理実行処理と、
上記映像信号処理実行処理により拡大される上記映像の一部の位置に応じた定位角度情報を取得する定位角度取得処理と、
上記位相差算出処理と上記レベル比算出処理とにより算出した上記複数の周波数帯域ごとの位相差とレベル比と、上記定位角度取得処理により取得した定位角度情報とに基づき、上記分割処理による分割信号についてゲイン調整を行うことで、上記定位角度情報が指示する定位角度に定位している周波数帯域の音声信号をズーム位置抽出信号として抽出する音声抽出処理と
を音声信号処理装置に実行させるプログラム。
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