JP2009008399A - 圧力センサの分極装置および圧力センサの分極方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】可撓性感圧体に余剰な張力を印加させることなく均一に満遍なく分極させることで、特性ばらつきのない安定した特性を得ることを目的とする。
【解決手段】芯電極2に周設された可撓性感圧体3と、前記可撓性感圧体3の全周で接触するように導電性繊維で構成された導電体4と、前記芯電極2と前記導電体4に接続された電圧印加手段8と、前記可撓性感圧体3を加熱する加熱手段5と、前記導電体4を前記可撓性感圧体3に接触しながら移動させる移動手段6とを設けることによって、可撓性感圧体3に均一に導電体を接触させ、全周囲から均一に満遍なく分極するようにした。このため、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】芯電極2に周設された可撓性感圧体3と、前記可撓性感圧体3の全周で接触するように導電性繊維で構成された導電体4と、前記芯電極2と前記導電体4に接続された電圧印加手段8と、前記可撓性感圧体3を加熱する加熱手段5と、前記導電体4を前記可撓性感圧体3に接触しながら移動させる移動手段6とを設けることによって、可撓性感圧体3に均一に導電体を接触させ、全周囲から均一に満遍なく分極するようにした。このため、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は圧力センサの分極装置および分極方法に関するものである。
従来、この種の圧力センサは図8示すようなものがある。すなわち、芯電極101の周囲に可撓性感圧体102を配置し、その周囲に外側電極103と外皮104を順次被覆して構成されている。
可撓性感圧体102としては合成ゴムや合成樹脂の中にチタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛のセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられ、外側電極103は可撓性感圧体102の表面に銀系ゴム塗料などの導電塗料を塗着したものが用いられている。
そして、上記ケーブル状圧力センサの一部あるいは全面に圧力が印加されたとき、その部分の圧力センサが歪む結果、芯電極101と外側電極103の間に電圧が誘起され、この誘起電圧を利用して圧力を検出している(例えば、特許文献1参照)。
分極方法は、芯電極101と外側電極103の間に高電圧を印加して、可撓性感圧体102を分極している(例えば、非特許文献1参照)。
また、図9示すように、可撓性感圧体102をブロック状導電体105の通路に配設させ、このブロック状導電体105と芯電極101間に電圧を印加させることにより、ブロック状導電体105に配設された部分の可撓性感圧体102を分極している。
この分極により、セラミック粒子の自発分極の方向が電界方向に揃うので、可撓性感圧体102に圧電性が付与される(例えば、特許文献2参照)。
特開昭62−230071号公報
特開2002−280633号公報
「圧電セラミック粉末と合成ゴムとから成る圧電複合材料」紛体と工業、22巻、1号、1990年p50・56
しかしながら、従来の圧力センサの分極方法では、芯電極101と外側電極103の間に高電圧を印加したときに、可撓性感圧体102中に微小なクラックや空孔などの欠陥が存在すると、その欠陥部で微小放電が生じる。
この微小放電により、可撓性感圧体102の構成材料が熱的に蒸発、飛散して芯電極101と外側電極103間が短絡し、これら芯電極101と外側電極103間に高電圧を印加できなくなるので可撓性感圧体102を分極できないという課題を有していた。
また、ブロック状導電体105に可撓性感圧体102を配設し、この可撓性感圧体102を移動手段106によって移動させながら分極する場合においては、可撓性感圧体102はケーブル状をなしているので、ブロック状導電体105に接する部分と接さない部分が生じてしまい、分極の度合に差が生じ、特性ばらつきが発生するという課題があった。
さらに、ブロック状導電体5を加熱手段107によって加熱することによって、可撓性感圧体102を加熱する場合においても、この可撓性感圧体102には加熱される部分と
されない部分が存在し、温度分布が生じることによる、特性ばらつきが発生するという課題があった。
されない部分が存在し、温度分布が生じることによる、特性ばらつきが発生するという課題があった。
さらに、分極の際に芯電極と導電体との間に引力が発生するため、分極しながら可撓性感圧体を移動させると可撓性感圧体に過剰な張力が加わってしまうので、例えばプーリーやロール等を介して可撓性感圧体を移動させると可撓性感圧体がプーリー等に接した際に張力等によって可撓性感圧体が変形するという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、欠陥部が存在しても全体の可撓性感圧体が分極できなくなることを防ぎ、さらに、導電性繊維で構成された導電体を可撓性感圧体の全周で接触させ、導電体を移動させることで可撓性感圧体を分極する構成にすることで、可撓性感圧体に余剰な張力を印加させることなく均一に満遍なく分極させることで、特性ばらつきのない安定した特性を得ることを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のケーブル状圧力センサの分極装置は、芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の全周で接触するように導電性繊維で構成された導電体と、前記芯電極と前記導電体に接続された電圧印加手段と、前記可撓性感圧体を加熱する加熱手段と、前記導電体を前記可撓性感圧体に接触しながら移動させる移動手段とを設けることによって、可撓性感圧体に均一に導電体を接触させることができるので全周囲から均一に満遍なく分極することが可能となる。
このため、分極できていない部分がなく、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。
さらに、導電体を移動させて可撓性感圧体を分極するため、分極時に可撓性感圧体を移動させる必要が無く、過剰な張力などが可撓性感圧体に印加されるのを抑制することが出来るので、例えば可撓性感圧体がプーリーやロール等に接した際などによって生じる変形などを抑制することができる。
本発明のケーブル状圧力センサは、欠陥部が存在しても長尺状のケーブル全体の可撓性感圧体が分極できなくなることを防ぐことができる。さらに、導電性繊維で構成された導電体を可撓性感圧体の全周で接触するように構成にすることで、均一に満遍なく分極し、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。さらに、導電体を移動させて可撓性感圧体を分極するため、分極時に可撓性感圧体を移動させる必要が無く、過剰な張力などが可撓性感圧体に印加されるのを抑制することが出来るので、例えば可撓性感圧体がプーリーやロール等に接した際などによって生じる変形などを抑制することができる。
第1の発明は、芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の全周で接触するように導電性繊維で構成された導電体と、前記芯電極と前記導電体に接続された電圧印加手段と、前記可撓性感圧体を加熱する加熱手段と、前記可撓性感圧体を前記導電体に接触しながら移動させる移動手段とを設け、可撓性感圧体に均一に導電体を接触させることができるので全周囲から均一に満遍なく分極することが可能となる。
このため、分極できていない部分がなく、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。
さらに、導電体を移動させて可撓性感圧体を分極するため、分極時に可撓性感圧体を移
動させる必要が無く、過剰な張力などが可撓性感圧体に印加されるのを抑制することが出来るので、例えば可撓性感圧体がプーリーやロール等に接した際などによって生じる変形などを抑制することができる。
動させる必要が無く、過剰な張力などが可撓性感圧体に印加されるのを抑制することが出来るので、例えば可撓性感圧体がプーリーやロール等に接した際などによって生じる変形などを抑制することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、可撓性感圧体を移動させる第二の移動手段を設け、第二の移動手段は電圧印加手段が停止している時に動作する構成にすることによって、分極時に生じる導電体と芯電極間の引力の影響も受けないので過剰な張力などが可撓性感圧体に印加されるのを抑制しながら、長尺の可撓性感圧体を分極することが可能になる。
つまり、分極装置内に配設されている可撓性感圧体は導電体を移動させることで分極し、分極終了時点で第二の移動手段によって分極された可撓性感圧体を移動させるとともに、分極されていない可撓性感圧体を分極装置内に配設させることができるため、長尺の可撓性感圧体を分極することが可能となる。
さらに、第二の移動手段は電圧印加手段の出力が停止している時に行うので、分極時に生じる導電体と芯電極間の引力の影響も受けないので、過剰な張力などが可撓性感圧体に印加されるのを抑制することも可能となる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、導電体を導電性材料で構成した支持部材に固定させることによって、電圧印加手段をひとつの導電体に接続するだけで各々の導電体に電圧を印加することができるため、電圧印加手段からの接続を簡素化できる。
第4の発明は、特に、第1の発明において、導電性繊維の先端部に曲率を持たせることによって、導電性繊維の先端部が可撓性感圧体に接した際に可撓性感圧体に傷が付くのを抑制することができるため、分極時の不良発生を抑制するとともに、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。
第5の発明は、特に、第1の発明において、導電性繊維の側面を筒状にすることによって、導電性繊維の側面が可撓性感圧体に接した際に可撓性感圧体に傷が付くのを抑制することができるため、分極時の不良発生を抑制するとともに、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。
第6の発明は、特に、第1の発明において、導電体が加熱手段を兼ねる構成にすることによって、可撓性感圧体の周囲から均一に電圧印加と加熱を同時に行うので、分極装置を簡素化できるとともに、均熱性が向上することによって、分極効率を向上させることができる。
第7の発明は、特に、第3の発明において、支持部材に固定された導電体を空隙を介して複数設けることによって、可撓性感圧体に欠陥部が存在すると、欠陥部を一部に含む一連の可撓性感圧体の分極はできなくなっていたものが、複数の分極電極を断続して設けることで、一定の長さで分極がし得なかった部分があったとしても、分極出来なかった部分を最小単位にとどめて、再度分極することが可能となる。
よって、一連の可撓性感圧体の外側電極を形成する前に、微小な欠陥が一定長さ範囲内に存在することを検知することができ、これを加工して圧電ケーブルとして製造する際の歩留まりを向上することができる。
第8の発明は、特に、第3または7の発明において、導電体を導電性材料で構成した支持部材に固定させることによって、電圧印加手段を支持部材に接続するだけで各々の導電
体に電圧を印加することができるため、電圧印加手段からの接続を簡素化できる。
体に電圧を印加することができるため、電圧印加手段からの接続を簡素化できる。
第9の発明は、芯電極に可撓性感圧体を周設するステップと、前記可撓性感圧体を分極する導電性繊維で構成された導電体と前記芯電極に接続された電圧印加手段により電圧を印加するステップと、分極中に前記可撓性感圧体を加熱するステップとからなるケーブル状圧力センサの分極方法である。そしてこの分極方法により、電圧印加がケーブルの全周囲に印加されるので、均質な分極特性を有するケーブル状圧力センサを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1において、ケーブル状圧力センサ1は、芯電極2に可撓性感圧体3を周設して形成されている。
図1において、ケーブル状圧力センサ1は、芯電極2に可撓性感圧体3を周設して形成されている。
芯電極2としては、コイル状金属線や金属細線を束ねた線などが用いられ、また、可撓性感圧体3としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコン樹脂等の高分子母材に、チタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料を複合化した高分子材料が用いられる。
この可撓性感圧体3は、導電性繊維で構成された導電体4に全周で接触するように配設される。
導電体4としては、鉄、ステンレス、銅、黄銅、アルミニウム等を用いる。
本実施の形態において、導電体4として使用する導電性繊維は、図2に示すように直径100μmで長さが30mmの円柱状のものを使用し、かつ先端部が球状になったアルミニウムで構成している。
さらに、導電体4を加熱するために、その上部に加熱手段5を設けた。可撓性感圧体3を加熱しながら導電体4によって分極することで、効率良く分極を行うことができる。
さらに、導電体4を移動させる移動手段6を設けている。本実施例において移動手段6は、導電体4上にレールと一体になったモータを設けることで、導電体4が可動する構成としており、この移動手段6によって導電体4を可撓性感圧体3に接しながら移動させることが可能になる。
移動手段6であるモータのスピードを変化させることによって、導電体4が可撓性感圧体3に接触する時間、言い換えれば分極時間を容易に調整することが可能となる。
また、移動手段6を設けることによって、自動化することができるため、歩留まりを向上することができる。
導電性繊維100本は導電性材料で構成した支持部材7で固定している。支持部材7は縦が20mm、横20mmのアルミニウムのブロックで構成し、このアルミニウムのブロックに100個の導電性繊維を密集させて固定する構成とした。
本構成にすることによって、電圧印加手段8の出力を支持部材7に配設され、複数の導電性繊維で構成された導電体4のうち、1つに接続するだけで、支持部材7に固定された
複数の導電体4のすべてに電圧印加手段8の出力を接続した状態と同様となる。
複数の導電体4のすべてに電圧印加手段8の出力を接続した状態と同様となる。
そのため、複数の導電性繊維に電圧印加手段8の出力を接続する必要がなく、構成を簡素化することが可能となる。
このように接続して、電圧印加手段8により芯電極2と導電体4間に高電圧が印加されるので、可撓性感圧体3が分極される。
本実施の形態において印加電圧は5kV/mmで分極を行った。可撓性感圧体3の中に微少な欠陥が含まれ、その部分が導電体4に配設されているとき、欠陥部で生じる微少な放電により導電体4と芯電極2間に高電流が流れ、短絡するために分極できなくなるが、欠陥部が導電体4から脱離し、この導電体4に配設されている可撓性感圧体3中に欠陥がなければ、導電体4と芯電極2間の絶縁性は再び回復するので、分極が可能となる。
このように本実施の形態の分極装置によれば、欠陥を含む部分が導電体4に配設されているときのみ、分極はできないがそれ以外の場合は分極可能となる。
従って、欠陥の存在により可撓性感圧体3が全体にわたって分極できなくなることはない。
また、本実施の形態において、可撓性感圧体3の芯電極2をアース電位にして、この芯電極2と導電体4の間に直流電圧を印加した。このように接続することで、人体に危険な直流高電圧部分を導電体4に限定でき、人体への安全を確保できる。
本構成にすることによって、可撓性感圧体3の全周囲を導電体4で接触しながら分極することができるので、可撓性感圧体3の全周囲から均一に満遍なく分極することが可能となるため、分極できていない部分がなく、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。
また、可撓性感圧体3の全周囲を導電体4で密着するよりも、可撓性感圧体3との接触抵抗を低減した状態で導電体4と接触しながら移動をさせることができるので、生産性が向上するとともに、接触抵抗によって生じる可撓性感圧体3の傷を防ぐこともできる。
さらに、分極しながら導電体4を移動させることによって、可撓性感圧体3に過剰な張力などが印加されるのを抑制することが出来るので、例えば可撓性感圧体3がプーリーやローラー等に接した際などによって生じる変形などを抑制することができる。
つまり、電圧印加手段8を動作中に可撓性感圧体3を移動させる場合、芯電極2と導電体4間の引力と可撓性感圧体3と導電体4の摩擦の両方の力が必要になるため、大きな力が必要になる。
例えば、長尺の可撓性感圧体3を分極する場合には、この可撓性感圧体3を蛇行させて配設することが分極装置のスペースとして有効であるが、その際には可撓性感圧体3の進行方向を変更させるプーリーやローラー等が必要となる。
図3にプーリー9を介した分極装置を示す。この例において、20mの可撓性感圧体3を分極するため、5mの可撓性感圧体3を1列に配設し、プーリー9を3個用いることで4列配設する構成とした。
通常、プーリー9を介して可撓性感圧体3を移動させる場合、大きな張力で可撓性感圧
体3を引っ張るために、プーリーによって可撓性感圧体3が押しつけられてしまい、変形するなどの課題があったが、本例のように導電体4が移動することで可撓性感圧体3を連続的に分極することができるため、直接可撓性感圧体3がプーリー等によって変形することがなく、信頼性を向上することができる。
体3を引っ張るために、プーリーによって可撓性感圧体3が押しつけられてしまい、変形するなどの課題があったが、本例のように導電体4が移動することで可撓性感圧体3を連続的に分極することができるため、直接可撓性感圧体3がプーリー等によって変形することがなく、信頼性を向上することができる。
また、図9示す従来の分極装置では、ブロック状導電体に接さない部分と接する部分の各々に振動を印加し、その時に発生する電圧を測定した結果、ブロック状導電体に接さない部分と接する部分とでは出力電圧に約1.6倍もの差を生じた。しかし、本実施の形態の分極装置を使用し、可撓性感圧体3の同軸方向に対して90°角度を変えた4方向で加振した結果、最も出力電圧が高かったものと小さかったものの比は1.14倍以下に抑えられた。
よって、電圧印加手段8による電圧印加中に可撓性感圧体3が導電性繊維で構成された導電体4によって、可撓性感圧体3の全周から満遍なく周囲から電圧を印加でき、均一な分極を実現することができる。
特に本実施の形態では、導電性繊維を円柱形状でかつ先端部を球状にしたことによって、導電性繊維に突起や角などがないため、可撓性感圧体3に接しても傷などが付くのを抑制することができる。
また、電圧印加手段8による電圧印加中に可撓性感圧体3が導電体4に接触しながら少なくとも1回転するように回転させることによって、可撓性感圧体3と導電体4とが接触しない箇所を低減でき、満遍なく導電体と接触させることでより均一な分極を行うことが可能となる。
可撓性感圧体3の同軸方向に対して90°角度を変えた4方向で加振した結果、最も出力電圧が高かったものと小さかったもの比は1.03倍以下に抑えることができた。
(実施の形態2)
図4は実施の形態2を示し、実施の形態1と異なるところは、長尺の可撓性感圧体3を連続的に分極するため、可撓性感圧体3を移動させる第二の移動手段10を設けている点である。
図4は実施の形態2を示し、実施の形態1と異なるところは、長尺の可撓性感圧体3を連続的に分極するため、可撓性感圧体3を移動させる第二の移動手段10を設けている点である。
本実施の形態において、第二の移動手段10は電圧印加手段8が停止している時に動作する構成となっている。
本構成にすることによって、分極時に生じる導電体4と芯電極2間の引力の影響も受けないので過剰な張力などが可撓性感圧体3に印加されることなく、長尺の可撓性感圧体3を連続して分極することが可能になる。
つまり、分極装置内に配設されている可撓性感圧体3は導電体4を移動させることで分極し、分極終了時点で第二の移動手段10によって分極された可撓性感圧体3を移動させるとともに、分極されていない可撓性感圧体3を分極装置内に配設させることができるため、長尺の可撓性感圧体3を分極することが可能となる。
さらに、第二の移動手段10は電圧印加手段8の出力が停止している時に行うので、分極時に生じる導電体4と芯電極2間の引力の影響も受けないので、過剰な張力などが可撓性感圧体に印加されるのを抑制することも可能となる。
(実施の形態3)
図5は実施の形態3を示し、実施の形態1と異なるところは、導電体が加熱手段を兼ねる加熱手段兼用分極電極4aという構成にしている点である。
図5は実施の形態3を示し、実施の形態1と異なるところは、導電体が加熱手段を兼ねる加熱手段兼用分極電極4aという構成にしている点である。
本構成にすることによって、可撓性感圧体3を同軸方向から素早く加熱しながら分極するので、均一に可撓性感圧体3を加熱することが可能となる。
この結果、可撓性感圧体3の温度分布を抑制でき、効率良く分極することができ、特性ばらつきも抑制することができる。
熱手段兼用分極電極4aは図6に示すように、発熱体11の外周に設けられた絶縁体12と、絶縁体12の外周に設けられた導電体13とで構成することによって、発熱体11の外周を同軸状に絶縁体12及び導電体13が覆っている構成とした。
本実施の形態の分極装置は、図5示す従来の分極装置のように一方向のみの加熱ではないので、可撓性感圧体3の一部が加熱しすぎる、あるいは加熱が不十分ということがない。さらに、加熱手段5が繊維形状をなすことによって可撓性感圧体3の外周方向から均一に加熱することができるため、温度制御も容易になる。
本実施の形態において、発熱体11としてステンレス箔、絶縁体12として化マグネシウム、導電体13としてステンレスを使用したが、それに限るものではない。
なお、支持部材7が加熱手段を兼ねる構成にしても同様の効果が得られる。
(実施の形態4)
図7は実施の形態3を示し、実施の形態1および2と異なるところは、支持部材7に固定された導電性繊維の導電体4を空隙を介して複数設け、可撓性感圧体3が連続して導電体4と接触するように構成している点である。
図7は実施の形態3を示し、実施の形態1および2と異なるところは、支持部材7に固定された導電性繊維の導電体4を空隙を介して複数設け、可撓性感圧体3が連続して導電体4と接触するように構成している点である。
なお、前記実施の形態2〜4において実施の形態1と同一部分については同一符号を付し、具体的説明はそれら実施の形態2〜4のものを援用する。
本実施の形態において、電圧印加手段8の出力側にこれら支持部材7を並列接続している。
こうすることで、各々の支持部材7に固定された複数の導電性繊維の導電体4効率良く電圧印加手段8の出力が印加されることとなる。
例えば、導電体4が固定された支持部材7の長さを2mで構成した場合、可撓性感圧体3の欠陥箇所の前後2m(計4m)は分極時間が所定時間より短い、もしくは分極できていない不良箇所となる。
しかし、0.5mの支持部材7に固定された導電体4を4個設けた場合では、欠陥箇所の前後0.5m(計1m)が不良箇所となり、不良箇所を1/4に低減できるため歩留まりを向上することができる。
また、支持部材7を複数設け、各々の支持部材7と芯電極2間に印加される電圧あるいは電流値を測定することによって、どの支持部材7内に欠陥箇所があるかを検知することができ、可撓性感圧体3の欠陥箇所の判定にも寄与できる。
また、支持部材7の長さ、連続個数を、移動手段5による移動速度とともに調整して、
分極時間の調節を行うことが可能であり、可撓性圧電体3の使用目的に合致する条件での分極条件を選択できるように構成することも可能である。
分極時間の調節を行うことが可能であり、可撓性圧電体3の使用目的に合致する条件での分極条件を選択できるように構成することも可能である。
以上のように、本発明にかかる圧力センサの分極装置およびその分極方法は、欠陥部が存在しても全体の可撓性感圧体が分極できなくなることを防ぐとともに、可撓性感圧体が導電性繊維で構成された導電体を可撓性感圧体の全周で接触するように構成するとともに、導電体を移動させて可撓性感圧体を分極することで、過剰な張力を可撓性感圧体に印可させることなく均一に満遍なく分極することができる。そのため、可撓性感圧体の変形などが無く、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができるので、圧電体等の分極装置に利用できるものである。
2 芯電極
3 可撓性感圧体
4 導電体
5 加熱手段
6 移動手段
7 支持部材
10 第二の移動手段
3 可撓性感圧体
4 導電体
5 加熱手段
6 移動手段
7 支持部材
10 第二の移動手段
Claims (9)
- 芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の全周で接触するように導電性繊維で構成された導電体と、前記芯電極と前記導電体に接続された電圧印加手段と、前記可撓性感圧体を加熱する加熱手段と、前記導電体を前記可撓性感圧体に接触しながら移動させる移動手段とを設けた圧力センサの分極装置。
- 可撓性感圧体を移動させる第二の移動手段を設け、この第二の移動手段は電圧印加手段が停止している時に動作することを特徴とした請求項1記載の圧力センサの分極装置。
- 導電体は、導電性材料で構成した支持部材に固定されていることを特徴とする請求項1記載の圧力センサの分極装置。
- 導電性繊維の先端部に曲率を持たせる構成とした請求項1記載の圧力センサの分極装置。
- 導電性繊維の側面は筒状であることを特徴とした請求項1記載の圧力センサの分極装置。
- 導電体が加熱手段を兼ねる構成とした請求項1記載の圧力センサの分極装置。
- 支持部材に固定された導電体を空隙を介して複数設け、可撓性感圧体が連続して導電体と接触するように設けたことを特徴とする請求項3記載の圧力センサの分極装置。
- 電圧印加手段は芯電極と支持部材に接続する構成とした請求項3または7記載のケーブル状圧力センサの分極装置。
- 芯電極に可撓性感圧体を周設するステップと、前記可撓性感圧体を分極する導電性繊維で構成された導電体と前記芯電極に接続された電圧印加手段により電圧を印加するステップと、分極中に前記可撓性感圧体を加熱するステップとからなる圧力センサの分極方法。
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2007
- 2007-06-26 JP JP2007167132A patent/JP2009008399A/ja active Pending
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