JP2009007409A - 水分散性イソシアネート組成物および水性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

水分散性イソシアネート組成物および水性ポリウレタン樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水に対する安定性や耐水性に優れ、作業性や塗膜物性の向上を図ることのできる、水分散性イソシアネート組成物、および、その水分散性イソシアネート組成物を含む水性ポリウレタン樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】水分散性イソシアネート組成物は、炭素数5以上のモノオールとジイソシアネートとの反応により得られ、反応により得られる化学結合が実質的にアロファネート結合のみからなる、アロファネート変性イソシアネートと、少なくとも1つの活性水素基とポリオキシエチレンユニットとを含む親水性化合物との反応により得られる水分散性アロファネート変性イソシアネートを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、水分散性イソシアネート組成物および水性ポリウレタン樹脂組成物、詳しくは、硬化剤として用いられる水分散性イソシアネート組成物、および、その水分散性イソシアネート組成物を含む水性ポリウレタン樹脂組成物に関する。
ポリウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート硬化剤とポリオール主剤とを混合し、それらを反応させて、混合物を硬化させることにより、塗料や接着剤として用いられている。
近年、環境負荷の低減や作業環境の改善の観点から、水性ポリウレタン樹脂組成物の開発が進められており、ポリイソシアネート硬化剤やポリオール主剤を、水分散性の組成物として調製することが、種々検討されている。
例えば、有機ジイソシアネート、ポリオキシエチレングリコールモノアルキルエーテルおよび炭素数1〜40のアルキルモノアルコールを、アロファネート化触媒の存在下でアロファネート化反応させて、イソシアネート含量1.0〜5.0質量%かつアロファネート化平均重合度5〜15の変性ポリイソシアネートを調製し、それを乳化剤として、有機ポリイソシアネートを水乳化させてなる水乳化イソシアネート硬化剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−195385号公報
しかし、特許文献1に記載される水乳化イソシアネート硬化剤では、水に対する安定性や耐水性が十分でなく、商業的な使用において、作業性や塗膜物性などに関して、改善すべき不具合がある。
本発明の目的は、水に対する安定性や耐水性に優れ、作業性や塗膜物性の向上を図ることのできる、水分散性イソシアネート組成物、および、その水分散性イソシアネート組成物を含む水性ポリウレタン樹脂組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の水分散性イソシアネート組成物は、炭素数5以上のモノオールとジイソシアネートとの反応により得られ、反応により得られる化学結合が実質的にアロファネート結合のみからなる、アロファネート変性イソシアネートと、少なくとも1つの活性水素基とポリオキシエチレンユニットとを含む親水性化合物との反応により得られる水分散性アロファネート変性イソシアネートを含んでいることを特徴としている。
また、本発明の水分散性イソシアネート組成物において、前記アロファネート変性イソシアネートは、有機カルボン酸ビスマス塩および有機亜リン酸トリエステルの存在下、反応させることにより、得られていることが好適である。
また、本発明の水分散性イソシアネート組成物において、前記親水性化合物が、ポリオキシエチレンエーテルモノアルキルアルコールであるか、または、下記式(1)で示されるポリオキシエチレン側鎖含有ジオールであることが好適である。
Figure 2009007409
(式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R3は、炭素数6〜15の2価の炭化水素基を示し、nは、8〜50の整数を示す。)
また、本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物は、上記した水分散性イソシアネート組成物と、水性ポリウレタン樹脂とを含んでいることを特徴としている。
本発明の水分散性イソシアネート組成物は、水に対する安定性や耐水性に優れる。そのため、本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物は、作業性や塗膜物性の向上を図ることができる。
本発明の水分散性イソシアネート組成物は、アロファネート変性イソシアネートと、少なくとも1つの活性水素基とポリオキシエチレンユニットとを含む親水性化合物との反応により得られる水分散性アロファネート変性イソシアネートを、少なくとも含んでいる。
本発明において、アロファネート変性イソシアネートは、炭素数5以上のモノオールとジイソシアネートとの反応により得ることができる。
炭素数5以上のモノオールとしては、例えば、炭素数が5以上、好ましくは、5〜300であり、さらに好ましくは、5〜20であり、1つの水酸基を含む有機化合物が挙げられる。具体的には、例えば、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール(テトラデカノール)、ペンタデカノール、セチルアルコール(ヘキサデカノール)、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール(オクタデカノール)、ノナデカノール、その他のアルカノール(C20〜50)、オレイルアルコール、ポリエチレンエーテルモノオール、ポリブチレンエーテルモノオールなどの脂肪族モノオール類、例えば、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどの脂環族モノオール類、例えば、ベンジルアルコールなどの芳香脂肪族モノオール類などが挙げられる。
これら炭素数5以上のモノオールは、単独または2種以上併用することができる。好ましくは、脂肪族モノオール類が挙げられる。
ジイソシアネートとしては、2つのイソシアネート基を含む有機化合物が挙げられる。具体的には、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。
これらジイソシアネートは、単独または2種以上併用することができる。好ましくは、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
そして、アロファネート変性イソシアネートは、炭素数5以上のモノオールとジイソシアネートとを、まず、ウレタン化反応させた後、引き続き、アロファネート化反応させることにより、得ることができる。
ウレタン化反応は、特に制限されず、公知の反応条件で反応させることができる。例えば、反応効率の観点から、まず、ウレタン化反応において、炭素数5以上のモノオールに対してジイソシアネートを大過剰の配合割合で反応させ、その後、アロファネート化反応させることが好ましく、そのため、炭素数5以上のモノオールとジイソシアネートとの配合割合は、炭素数5以上のモノオールの水酸基に対するジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)として、例えば、2〜100、好ましくは、5〜20である。また、反応温度は、例えば、40〜100℃であり、反応時間は、例えば、0.5〜10時間である。また、好ましくは、不活性ガス雰囲気下で実施する。また、ウレタン化反応では、例えば、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエートなどの公知のウレタン化触媒を添加することや、後述する有機カルボン酸ビスマス塩(触媒)および有機亜リン酸トリエステル(助触媒)を予め添加することができる。
次いで、ウレタン化反応に引き続いて、アロファネート化反応させる。アロファネート化反応は、ウレタン化反応で生成したウレタン結合を有する生成物同士の間で進行する。なお、アロファネート化反応を開始するときに、さらに同種または異種のジイソシアネートを追加することもできる。
アロファネート化反応では、有機カルボン酸ビスマス塩(触媒)および有機亜リン酸トリエステル(助触媒)を共存させる。
有機カルボン酸ビスマス塩において、カルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸、ポリカルボン酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸などの飽和脂肪族モノカルボン酸、例えば、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸などの飽和単環モノカルボン酸、例えば、ビシクロ(4.4.0)デカン−2−カルボン酸などの飽和多環モノカルボン酸、例えば、ナフテン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸などの不飽和脂肪族モノカルボン酸、例えば、ジフェニル酢酸などの芳香脂肪族モノカルボン酸、例えば、安息香酸、トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸などが挙げられる。
ポリカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α、β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
これらカルボン酸は、単独または2種以上併用することができる。有機カルボン酸ビスマス塩として、好ましくは、炭素数10以下のモノカルボン酸のビスマス塩が挙げられる。
有機カルボン酸ビスマス塩の添加割合は、ジイソシアネート100重量部に対して、例えば、0.0005〜1重量部であり、好ましくは、0.001〜0.1重量部である。有機カルボン酸ビスマス塩の添加割合が、上記範囲未満であると、実質的に反応が遅くなり、反応に長時間を要する場合がある。一方、上記範囲を超過すると、反応制御が困難となり、得られた水分散性イソシアネート組成物を硬化剤として使用するときに、ポットライフが短くなる場合がある。なお、このアロファネート化反応では、有機亜リン酸エステルを助触媒として添加するため、有機カルボン酸ビスマス塩の添加割合を低減させることができる。
有機亜リン酸トリエステルとしては、例えば、下記式(2)に示す有機化合物が挙げられる。
(RO)P (2)
(式中、R4は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、または、炭素数1〜20のアルキル基で置換されていてもよいアリール基を示す。なお、前記アルキル基は、ハロゲン元素で置換されていてもよい。)
具体的には、例えば、モノホスファイト類、ジ、トリまたはテトラホスファイト類などが挙げられる。
モノホスファイト類としては、例えば、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイトなどが挙げられる。
ジ、トリまたはテトラホスファイト類としては、例えば、ジステアリル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、ジ・トリデシル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、ジノニルフェニル・ペンタエリスリトール・ジホスファイト、テトラフェニル・テトラトリデシル・ペンタエリスリトール・テトラホスファイト、テトラフェニル・ジプロピレングリコール・ジホスファイト、トリペンタエリスリトール・トリホスファイトなどの多価アルコールから誘導されたジ、トリまたはテトラホスファイト類が挙げられる。
さらに、例えば、炭素数1〜20のジ・アルキル・ビスフエノールA・ジホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ・トリデシル)ホスファイトなどのビスフェノール化合物から誘導されたジホスファイト類、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー(分子量2400〜3000)などのポリホスファイト類、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイトなども挙げられる。
有機亜リン酸エステルの添加割合は、ジイソシアネート100重量部に対して、例えば、0.005〜1重量部であり、好ましくは、0.01〜0.5重量部である。有機亜リン酸エステルの添加割合が、上記範囲未満であると、助触媒としての作用が十分に得られない場合がある。一方、上記範囲を超過すると、得られた水分散性イソシアネート組成物を硬化剤として使用した最終製品の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
アロファネート化反応では、反応温度が、通常、0〜160℃、好ましくは20〜120℃である。また、反応時間が、通常、0.5〜20時間である。また、好ましくは、不活性ガス雰囲気下で実施する。
上記反応では、イソシアネート基またはウレタン基の含有量や、最終生成物の粘度を測定することにより、反応の進行度合を追跡することができる。
そして、ウレタン結合がアロファネート結合に完全に変換した時点で、例えば、リン酸、モノクロル酢酸、塩化ベンゾイル、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などのアロファネート化反応停止剤を反応液に添加して、アロファネート化触媒を失活させて反応を停止させる。この場合、キレート樹脂やイオン交換樹脂などの、触媒または助触媒を吸着する吸着剤を添加して、反応を停止させることもできる。
なお、ウレタン結合のアロファネート結合への変換が十分でないと、未反応のジイソシアネートが最終生成物から析出する場合がある。また、反応停止剤を添加せずに反応を継続すると、ジイソシアネートの二量体および三量体が生成する場合がある。
そして、アロファネート化反応後に、未反応のジイソシアネートが残存している場合には、好ましくは、それを除去する。未反応のジイソシアネートを除去することにより、臭気や経時的な濁りの発生を防止することができる。未反応のジイソシアネートは、例えば、蒸留、再沈、抽出などの公知の除去方法により、除去することができる。好ましくは、溶剤などが不要である蒸留により除去する。より具体的には、薄膜蒸留により除去する。薄膜蒸留の条件は、例えば、圧力が0.2kPa以下、好ましくは、0.1kPa以下であり、温度が100〜200℃、好ましくは、120〜180℃である。
未反応のジイソシアネートは、上記の除去により、アロファネート変性イソシアネート中、好ましくは1重量%以下とする。
なお、上記反応では、必要により有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶剤、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系有機溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系有機溶剤、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系有機溶剤、例えば、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル系有機溶剤、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系有機溶剤、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素系有機溶剤、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの極性非プロトン系有機溶剤などが挙げられる。
これら有機溶剤は、単独または2種以上併用することができる。
そして、上記の方法では、アロファネート化反応が、優先的かつ安定的に一定速度で進行するため、反応の制御が容易でありながら、アロファネート化反応が終了した時点で反応を停止させることにより、最終生成物であるアロファネート変性イソシアネートは、実質的にアロファネート結合のみから形成される。
つまり、本発明において、アロファネート変性イソシアネートは、実質的に、ウレタン結合、ウレア結合、ビウレット結合、ウレチジオン結合(二量体)およびイソシアヌレート結合(三量体)を含有しておらず、実質的にアロファネート結合のみから形成されている。なお、これら結合の有無は、IR分析やNMR解析において、当該結合に特徴的なピークが存在するか否かにより判断することができ、実質的に含有していない場合とは、IR分析やNMR解析において、当該結合の特徴的なピークが検出限界以下の場合として定義される。例えば、下記実施例に示されるH−NMR測定において、検出限界以下であることが、その一例として挙げられる。
また、上記の方法により得られるアロファネート変性イソシアネートでは、イソシアネート当量(アミン当量)から算出されるイソシアネート基含有量(NCO%)が、例えば、3〜20%、好ましくは、5〜18%であり、その粘度(25℃)が、例えば、10〜10000mPa・s、好ましくは、50〜5000mPa・sである。このアロファネート変性イソシアネートは、実質的に着色がなく、低粘度であり、取扱性に優れている。
本発明において、少なくとも1つの活性水素基とポリオキシエチレンユニットとを含む親水性化合物(以下、親水性化合物とする。)は、少なくとも1つ、好ましくは、1〜3つ、さらに好ましくは、1〜2つの活性水素基を含んでいる。活性水素基は、イソシアネート基と反応し得る活性水素基であれば、特に制限されないが、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などが挙げられる。好ましくは、水酸基が挙げられる。また、ポリオキシエチレンユニットは、(CHCHO)の繰り返し単位であり、その繰り返し数(重合度)は、例えば、3〜100、好ましくは、5〜50である。
このような親水性化合物としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンエーテルモノアルキルアルコール、ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールなどが挙げられる。
ポリオキシエチレングリコールとしては、例えば、数平均分子量が200〜5000、好ましくは、300〜2000のポリオキシエチレングリコールが挙げられる。
ポリオキシエチレンエーテルモノアルキルアルコールは、例えば、下記式(3)で示される。
Figure 2009007409
(式中、R5は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、mは、3〜100の整数を示す。)
式中、R5で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。好ましくは、メチル、エチルが挙げられる。式中、mは、ポリオキシエチレンの重合度であって、3〜100、好ましくは、5〜50である。
具体的には、メトキシポリオキシエチレンアルコール(メトキシPEG)、エトキシポリオキシエチレンアルコール(エトキシPEG)などが挙げられ、それらの数平均分子量は、例えば、200〜5000、好ましくは、300〜2000である。
ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールは、下記式(1)で示される。
Figure 2009007409
(式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R3は、炭素数6〜15の2価の炭化水素基を示し、nは、8〜50の整数を示す。)
式中、R1で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。好ましくは、メチル、エチルが挙げられる。
式中、R2で示される炭素数1〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびブチレン基が挙げられる。R2は、互いに同一または相異なっていてもよく、好ましくは、互いに同一である。さらに好ましくは、共にエチレン基である。
式中、R3で示される炭素数6〜15の2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数6〜15の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜15の2価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜15の2価の芳香脂肪族炭化水素基、炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基が挙げられる。好ましくは、炭素数6〜13の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜13の2価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜13の2価の芳香脂肪族炭化水素基が挙げられる。R3で示される炭素数6〜15の炭化水素基は、後述する方法で合成する場合には、具体的には、ジイソシアネート残基が相当する。
ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールは、例えば、次のように合成することができる。すなわち、まず、ジイソシアネートと、ポリオキシエチレンエーテルモノアルキルアルコールとを、ポリオキシエチレンエーテルモノアルキルアルコールの水酸基(OH)に対するジイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/OH)が、NCO過剰となる割合、例えば、2〜50、好ましくは5〜20となる割合でウレタン化反応させた後、必要により未反応のジイソシアネートを除去することにより、ポリオキシエチレン基含有モノイソシアネートを得る。
次いで、ポリオキシエチレン基含有モノイソシアネートと、ジアルカノールアミンとを、ジアルカノールアミンの2級アミノ基(NH)に対するポリオキシエチレン基含有モノイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の当量比(NCO/NH)が、NCOとNHがほぼ等量となる割合、例えば、0.9〜1.1、好ましくは0.95〜1.05でウレア化反応させる。これによって、ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールを得る。
このようなポリオキシエチレン側鎖含有ジオールの合成において、ジイソシアネートとしては、例えば、上記したジイソシアネート、好ましくは、脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。また、ポリオキシエチレンエーテルモノアルキルアルコールとしては、上記したポリオキシエチレンエーテルモノアルキルアルコール、好ましくは、メトキシポリオキシエチレンアルコール(メトキシPEG)、エトキシポリオキシエチレンアルコール(エトキシPEG)が挙げられ、その数平均分子量が、200〜5000であり、好ましくは、300〜2000である。
また、ジアルカノールアミンとしては、例えば、炭素数1〜3のジアルカノールアミンが挙げられ、具体的には、例えば、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどの対称性ジアルカノールアミン、例えば、メタノールエタノールアミン、エタノールプロパノールアミンなどの非対称性ジアルカノールアミンなどが挙げられる。好ましくは、対称性ジアルカノールアミンが挙げられ、さらに好ましくは、ジエタノールアミンが挙げられる。
本発明において、水分散性アロファネート変性イソシアネートは、アロファネート変性イソシアネートと親水性化合物との反応により、得ることができる。
この反応において、アロファネート変性イソシアネートと親水性化合物との配合割合は、親水性化合物の水酸基に対して水分散性アロファネート変性イソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、NCO過剰となる割合、例えば、2〜50、好ましくは、3〜30である。また、反応温度は、例えば、40〜100℃であり、反応時間は、例えば、0.5〜10時間である。また、この反応は、好ましくは、不活性ガス雰囲気下で実施する。また、この反応では、必要により、上記したウレタン化触媒や上記した有機溶媒を添加することもできる。
また、本発明の水分散性イソシアネート組成物には、水分散性アロファネート変性イソシアネート以外に、他の水分散性イソシアネートを含有させることもできる。
そのような他の水分散性イソシアネートは、例えば、上記したジイソシアネートまたはその変性体と、親水性化合物との反応により得ることができる。
上記したジイソシアネートの変性体としては、例えば、上記したジイソシアネートの二量体、上記したジイソシアネートの三量体、上記したジイソシアネートと水との反応により生成するビウレット変性体、上記したジイソシアネートとアルコールまたは低分子量ポリオールとの反応により生成するアロファネート変性体(アロファネート結合以外の結合を含むアロファネート変性体、例えば、イソシアヌレート結合を含むアロファネート変性体(以下、アロファネートトリマーとする。))、上記したジイソシアネートと炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオン変性体、上記したジイソシアネートと低分子量ポリオールとの反応により生成するポリオール変性体などが挙げられる。
なお、低分子量ポリオールとしては、例えば、水酸基を2つ以上有する分子量60〜400の有機化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの脂肪族トリオールなどが挙げられる。
このような上記したジイソシアネートまたはその変性体は、単独または2種以上併用することができる。好ましくは、脂肪族ジイソシアネートの変性体、脂環族ジイソシアネートの変性体が挙げられ、その変性体としては、アロファネート変性体(アロファネート結合以外の結合を含むアロファネート変性体)、三量体が挙げられる。
そして、他の水分散性イソシアネートは、例えば、水分散性アロファネート変性イソシアネートとともに、得ることができる。すなわち、他の水分散性イソシアネートは、アロファネート変性イソシアネートと親水性化合物とを反応させるときに、共通の親水性化合物に対して、アロファネート変性イソシアネートとともに、上記したジイソシアネートまたはその変性体を同時に配合して、ウレタン化反応させる。この反応において、当量比(NCO/OH)、反応温度および反応時間などの反応条件は、上記したアロファネート変性イソシアネートと親水性化合物との反応条件と同一条件である。
これによって、本発明の水分散性イソシアネート組成物には、水分散性アロファネート変性イソシアネートとともに、他の水分散性イソシアネートが含有される。他の水分散性イソシアネートとして、好ましくは、ジイソシアネートの三量体と親水性化合物との反応により得られる水分散性イソシアネートトリマー、または、ジイソシアネートのアロファネートトリマーと親水性化合物との反応により得られる水分散性アロファネート変性イソシアネートトリマーが挙げられる。
このようにして得られる水分散性イソシアネート組成物では、イソシアネート基含有量(NCO%)が、例えば、2〜20%、好ましくは、3〜18%であり、ポリオキシエチレンユニット含有量が、例えば、1〜40重量%、好ましくは、3〜30重量%であり、炭素数5以上の炭化水素基含有量が、例えば、1〜30重量%、好ましくは、2〜25重量%であり、25℃での粘度が、例えば、50〜10000mPa・s、好ましくは、50〜8000mPa・sである。
そして、水分散性イソシアネート組成物は、水分散性に優れ、水に対する安定性や耐水性を確保することができるため、水性ポリウレタン樹脂の硬化剤として、好適に用いることができる。
本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物は、硬化剤として、上記した水分散性イソシアネート組成物と、主剤として、水性ポリウレタン樹脂とを含む、水性二液型樹脂組成物として調製することができる。
水性ポリウレタン樹脂は、親水性基を有し、水溶性または水分散性を示すポリウレタン樹脂であり、例えば、主鎖または側鎖にポリオキシエチレンユニットを有するノニオン型水性ポリウレタン樹脂、側鎖にアニオン性基(例えば、カルボキシル基など)を有するアニオン型水性ポリウレタン樹脂などが挙げられる。水性ポリウレタン樹脂は、通常、水に乳化または分散される、ポリウレタンエマルションまたはポリウレタンディスパーションとして調製されている。これらの固形分は、例えば、5〜60重量%、好ましくは、10〜50重量%である。
また、水性ポリウレタン樹脂は、好ましくは、主鎖末端または側鎖に水酸基を有するマクロポリオールとして調製されている。例えば、主鎖末端に水酸基を有し、側鎖にカルボキシル基を有するアニオン型水性ポリウレタン樹脂では、その数平均分子量が、例えば、2000〜1000000、好ましくは、3000〜500000であり、その水酸基価が、例えば、0.2〜120mgKOH/g、好ましくは、1〜100mgKOH/gであり、その酸価が、例えば、3〜50mgKOH/g、好ましくは、5〜40mgKOH/gである。
水性ポリウレタン樹脂組成物において、水分散性イソシアネート組成物と水性ポリウレタン樹脂との配合割合は、水性ポリウレタン樹脂(固形分)100重量部に対して、水分散性イソシアネート組成物が、例えば、0.5〜200重量部、好ましくは、1〜200重量部である。
そして、水性ポリウレタン樹脂組成物は、上記の割合にて、水分散性イソシアネート組成物と水性ポリウレタン樹脂とを配合して混合することにより、得ることができる。
また、水性ポリウレタン樹脂組成物には、目的および用途に対応して、ウレタン化触媒、有機触媒、充填剤、軟化剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、安定剤、シランカップリング剤、レベリング剤、チキソ化剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラーおよび顔料などの着色剤、粘着付与性樹など、公知の添加剤を適宜、添加することもできる。
このようにして得られる水性ポリウレタン樹脂組成物は、作業性や塗膜物性の向上を図ることができる。そのため、例えば、塗料、接着剤、各種結合剤、印刷インキ、磁気記録媒体、コーティング剤、シーリング剤、アンカーコート材、エラストマー、封止剤、合成皮革、建築材料、その他各種成形材料に適用することができる。
次に、本発明を合成例、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。
合成例1(アロファネート変性イソシアネートAの合成)
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI、三井化学ポリウレタン社製)886g、オクタデカノール114gおよびトリス(トリデシル)ホスファイト0.5gを仕込み、80℃で2時間ウレタン化反応させた。次いで、得られた反応液に、オクチル酸ビスマス0.05gを添加し、100℃で7時間反応させた後、塩化ベンゾイル0.03gを添加して反応を停止させた。
得られた反応液900gを、薄膜蒸留装置(真空度0.05kPa、温度140℃)を用いて蒸留し、未反応のHDIを除去して淡黄色のアロファネート変性イソシアネートAを得た。このアロファネート変性イソシアネートAのイソシアネート基含有量(NCO%)は13.3%、粘度(25℃)は130mPa・sであった。
また、アロファネート変性イソシアネートAを下記の条件により、H−NMR測定して、ウレタン結合、アロファネート結合およびイソシアヌレート結合の生成割合(ピーク面積の積分値の割合)を算出した。なお、上記以外の結合がないことも、併せて確認した。その結果、ウレタン結合が0%、アロファネート結合が100%、イソシアヌレート結合が0%であった。
装置:AL400(JEOL社製、399.65MHz、プローブ:TH5ATFG2、30度パルス、パルス繰り返し時間:15秒、分解能:0.06Hz、積算回数32回、シフト値の基準:TMS(dDMSO溶媒)、サンプル濃度:0.2重量%、試料管:5mmφ)
ウレタン結合のピーク:6.7〜7.5ppm
アロファネート結合のピーク:8.5ppm
イソシアヌレート結合のピーク:3.7ppm
合成例2(アロファネート変性イソシアネートBの合成)
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI、三井化学ポリウレタン社製)966g、イソブタノール34gおよびトリス(トリデシル)ホスファイト0.5gを仕込み、80℃で2時間ウレタン化反応させた。次いで、得られた反応液に、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム(アロファネート化触媒)0.05gを添加し、100℃で3時間反応させた後、塩化ベンゾイル0.03gを添加して反応を停止させた。
得られた反応液900gを、薄膜蒸留装置(真空度0.05kPa、温度140℃)を用いて蒸留し、未反応のHDIを除去して淡黄色のアロファネート変性イソシアネートBを得た。このアロファネート変性イソシアネートBのイソシアネート基含有量(NCO%)は20.0%、粘度(25℃)は120mPa・sであった。
また、アロファネート変性イソシアネートBを上記と同一条件により、H−NMR測定して、ウレタン結合、アロファネート結合およびイソシアヌレート結合の生成割合(ピーク面積の積分値の割合)を算出した。なお、上記以外の結合がないことも、併せて確認した。その結果、ウレタン結合が0%、アロファネート結合が95%、イソシアヌレート結合が5%であった。
合成例3(ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールAの合成)
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メトキシPEG#400(数平均分子量400、東邦化学社製)600gと、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製)2523gとを仕込み、窒素雰囲気下90℃で9時間反応させた。得られた反応液を、薄膜蒸留装置(真空度0.05kPa、温度140℃)を用いて蒸留し、未反応の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを取り除き、ポリオキシエチレン基含有モノイソシアネートを得た。
次いで、攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、ジエタノールアミン156.1gを仕込み、窒素雰囲気下、空冷しながら上記ポリオキシエチレン基含有モノイソシアネート843.9gを、反応温度が70℃を超えないように徐々に滴下した。滴下終了後、約1時間、窒素雰囲気下70℃で攪拌し、イソシアネート基が消失したことを確認し、ポリオキシエチレン側鎖含有ジオールAを得た。
実施例1
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコにおいて、上記で合成したアロファネート変性イソシアネートA167.4gと、タケネートD−170HN(HDIトリマー、NCO%=22.6%、三井化学ポリウレタン社製)703.0gとを70℃で混合し、窒素雰囲気下、それにメトキシPEG#400(数平均分子量400:東邦化学社製)129.6gを投入し、75℃で4時間反応させ、水分散性イソシアネート組成物Aを得た。
この水分散性イソシアネート組成物Aのイソシアネート基含有量(NCO%)は16.8%、エチレンオキサイドユニット含有量は11.9重量%、炭素数5以上の炭化水素基含有量は7.0重量%で、25℃での粘度は500mPa・sであった。
実施例2
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、上記で合成したアロファネート変性イソシアネートA172.7gとタケネートD−177N(アロファネート変性HDIトリマー、NCO%=20.0%、三井化学ポリウレタン社製)597.5gとを70℃で混合し、窒素雰囲気下、それに上記で合成したポリオキシエチレン側鎖含有ジオールA229.9gを投入し、75℃で4時間反応させ、水分散性イソシアネート組成物Bを得た。
この水分散性イソシアネート組成物Bのイソシアネート基含有量(NCO%)は11.5%、エチレンオキサイドユニット含有量は12.6重量%、炭素数5以上の炭化水素基含有量は7.2重量%で、25℃での粘度は4500mPa・sあった。
比較例1
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、タケネートD−170N(HDIトリマー、NCO%=21.0%、三井化学ポリウレタン社製)857.1gを投入し、窒素雰囲気下、それにメトキシPEG#400(数平均分子量400:東邦化学社製)142.9gを投入し、75℃で4時間反応させ、水分散性イソシアネート組成物Cを得た。
この水分散性イソシアネート組成物Cのイソシアネート基含有量(NCO%)は16.5%、エチレンオキサイドユニット含有量は13.1重量%、炭素数5以上の炭化水素基含有量は0重量%で、25℃での粘度は3200mPa・sあった。
比較例2
攪拌機、温度計、還流管および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、上記で合成したアロファネート変性イソシアネートB159.1gとタケネートD−170HN(HDIトリマー、NCO%=22.6%、三井化学ポリウレタン社製)704.5gとを70℃で混合し、窒素雰囲気下、それにメトキシPEG#400(数平均分子量400:東邦化学社製)136.4gを投入し、75℃で4時間反応させ、水分散性イソシアネート組成物Dを得た。
この水分散性イソシアネート組成物Dのイソシアネート基含有量(NCO%)は17.7%、エチレンオキサイドユニット含有量は12.5重量%、炭素数5以上の炭化水素基含有量は0重量%で、25℃での粘度は450mPa・sであった。
(水分散性、イソシアネート安定性評価)
各実施例および各比較例で合成した水分散性イソシアネート組成物5部に水95部を加えて、ホモディスパーにてよく混合し、水分散液を得た。それぞれの水分散液についての水分散性、イソシアネート基残存量(NCO%)の経時変化を評価し、その結果を表1に示した。なお、経時変化において測定時に発泡ゲル化したものは、その旨を表1に記載した。
表1において、水分散性は目視にて確認し、イソシアネート基残存量(NCO%)は、ジブチルアミンの塩酸による逆滴定法(JIS K 7301:熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法 6.3 イソシアネート基含有率に準拠)により測定した。
Figure 2009007409
(塗膜評価)
各実施例および各比較例で合成した水分散性イソシアネート組成物を、タケラックW−605(固形分30%、酸価28mgKOH/gのカルボキシル基含有アニオン型水性ポリウレタン樹脂分散液、三井化学ポリウレタン社製)に、表2の配合比で混合し、ブリキ鋼板上に乾燥厚み20μmとなるように塗布した。次いで110℃、5分で水を乾燥後、60℃、24時間で硬化させて塗膜A〜Dを形成した。塗膜A〜Dの塗布面を60℃の温水に浸漬し、一定時間(1時間後、1日後)経過後の塗布面の状態を目視にて観察した。その結果を表2に示す。
Figure 2009007409

Claims (5)

  1. 炭素数5以上のモノオールとジイソシアネートとの反応により得られ、反応により得られる化学結合が実質的にアロファネート結合のみからなる、アロファネート変性イソシアネートと、
    少なくとも1つの活性水素基とポリオキシエチレンユニットとを含む親水性化合物と
    の反応により得られる水分散性アロファネート変性イソシアネートを含んでいることを特徴とする、水分散性イソシアネート組成物。
  2. 前記アロファネート変性イソシアネートは、有機カルボン酸ビスマス塩および有機亜リン酸トリエステルの存在下、反応させることにより、得られていることを特徴とする、請求項1に記載の水分散性イソシアネート組成物。
  3. 前記親水性化合物が、ポリオキシエチレンエーテルモノアルキルアルコールであることを特徴とする、請求項1または2に記載の水分散性イソシアネート組成物。
  4. 前記親水性化合物が、下記式(1)で示されるポリオキシエチレン側鎖含有ジオールであることを特徴とする、請求項1または2に記載の水分散性イソシアネート組成物。
    Figure 2009007409
    (式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R3は、炭素数6〜15の2価の炭化水素基を示し、nは、8〜50の整数を示す。)
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の水分散性イソシアネート組成物と、
    水性ポリウレタン樹脂と
    を含んでいることを特徴とする、水性ポリウレタン樹脂組成物。
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