JP2009006217A - 液体の噴霧システム及び噴霧方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴霧終了時における噴霧ノズルからの液ダレ現象を防止できる噴霧システムを提供する。
【解決手段】液体を加圧することで霧を形成する噴霧ノズルを用いる噴霧システムであって、液体への加圧停止後に、噴霧ノズル12内の圧力が所定圧力値まで降圧したときに開弁される残圧排出弁と、噴霧ノズル12のノズル噴霧孔Hの後方に配置され、所定圧力未満であり、2.0MPa以上の圧力値で噴霧ノズル12への液体の供給を停止させるように作動するチェックバルブ124と、を少なくとも備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体の噴霧システム及び噴霧方法に関する。より詳しくは、噴霧ノズルの液ダレ現象を防止できる噴霧技術に関する。
液体を噴霧する技術は、加湿、消臭・脱臭、除菌・殺菌、リラクゼーション等を目的として幅広く用いられている。そして、前記液体を加圧することで噴霧ノズルのノズル噴霧孔から前記液体を噴霧する手法が用いられている。
液体を噴霧する際、前記噴霧ノズルからの液ダレ現象をいかに防ぐかが重要である。これに関して、噴霧ノズルの内部にチェックバルブ(チャッキ弁)を設け、所定圧まで降圧したら噴霧防止する構造等が用いられている。例えば、球体と弾性体によって構成されるチェックバルブにあっては、前記弾性体が作動することで球体を弁体に押圧することで液体の噴霧を防止する構造が用いられている。
また、粘性流体の塗布ノズルに関するものとして、塗布ノズルを、シリンジと連通する管体と吐出部とで構成し、吐出部内に弁座と弁体とスプリングより構成される吐出制御弁を内蔵したものが開示されている(特許文献1参照)。
特開2001−79473号公報。
しかし、従来の噴霧ノズルを用いた噴霧技術では、噴霧終了時に噴霧ノズルからの液ダレが発生してしまうという問題を十分に解決することができなかった。より具体的には、噴霧を終了させるべく液体への加圧を停止した後であっても、ノズル噴霧孔からの液体の噴霧が即座に停止されずに、流径が大きすぎる粗大霧や、ひどい場合には水鉄砲状の放水となったり、更には水滴となってボタ落ちしてしまう現象等が起こってしまう。このような現象は、特に一流体ノズルにおいて顕著にみられる。
そこで、本発明は、噴霧終了時における噴霧ノズルからの液ダレ現象を確実に防止できる噴霧システムを提供することを主目的とする。
本願発明者は、前記液ダレ現象がなぜ起こりうるかについて鋭意研究する際に、噴霧ノズル内の残留液体や、前記噴霧ノズル近傍の配管中の残留液体が、液ダレ現象の主な原因であることに着目した。そして、前記噴霧ノズル内の残留液体や、前記噴霧ノズル近傍の配管中の残留液体を、いかに排除し得るかについて鋭意研究したところ、残圧排出条件や、チェックバルブ等によるノズル噴霧孔への液体供給の停止条件等が重要であるとの新規着想を得て、以下の本発明を完成させた。
まず、本発明は、液体を加圧することで霧を形成する噴霧ノズルを用いる噴霧システムであって、前記液体への加圧停止後に、前記噴霧ノズル内の圧力が所定圧力値まで降圧したときに開弁される残圧排出弁と、前記噴霧ノズルのノズル噴霧孔の後方に配置され、前記所定圧力値未満であり、2.0MPa以上の圧力値で前記噴霧ノズルへの液体の供給を停止させるように作動するチェックバルブと、を少なくとも備える噴霧システムを提供する。
本発明の噴霧システムは、噴霧ノズルと残圧排出弁とチェックバルブとを備えている。この噴霧システムでは、液体への加圧を停止すると前記噴霧ノズル内の圧力が降圧していく。その圧力が所定圧力値まで降圧した段階で、まず前記残圧排出弁が開弁される。これによって、残圧を排出すると同時に、前記噴霧ノズル近傍の配管中の残留液体を引き込み排出すると共に、前記噴霧ノズル内の残留液体をも配管内に引き込み排出することができる。そして、略連続的に、前記噴霧ノズル内の圧力が前記所定圧力値から更に降圧し、前記所定圧力値未満であり、2.0MPa以上の圧力値に達した際にチェックバルブが作動することで、ノズル噴霧孔への流路を遮断できる。前記チェックバルブが作動することで、液ダレ現象の原因と考えられる液体の供給を停止することができる。これらの一連の動作の結果、前記液ダレ現象を確実に防止することができる。本発明のチェックバルブとは、前記液体の逆流を阻止する機能を有するものを包含し、例えば、チャッキ弁、逆止弁等と呼ばれることもある。
さらに、本発明は、前記所定圧力値は、2.5MPa以上である噴霧システムを提供する。前記所定圧力値を2.5MPaとすることで、2.5MPaまで降圧したときに前記残圧排出弁が開弁され、残圧を外部に排出することができると同時に、噴霧ノズル内に残存する液体等も噴霧ノズル外に排出することができる。
また、本発明は、液体に圧力を加えることで霧を形成する噴霧ノズルを用いて噴霧し、前記噴霧ノズル内に備えられたチェックバルブにより液体の供給を停止する噴霧方法であって、少なくとも(1)噴霧を終了させるために加圧を停止する工程、(2)前記噴霧ノズル内の圧力が所定圧力値まで降圧したときに、前記噴霧ノズル内から残圧を排出するとともに、前記噴霧ノズルのノズル噴霧孔と前記チェックバルブとの間に残る液体を排出する工程、(3)前記噴霧ノズル内の圧力が前記所定圧力値未満であり、2.0MPa以上の圧力値で、前記チェックバルブが作動することにより前記噴霧ノズルのノズル噴霧孔への液体の供給を停止させる工程、を行なう噴霧方法を提供する。
本発明によれば、噴霧ノズルの液ダレ現象を防止することができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る噴霧システムの好適な実施形態について説明する。なお、添付図面に示された実施形態は、本発明に係わる代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
まず、本発明を完成するにあたり、本願発明者らは噴霧ノズル内等に存在する前記残留液体が前記液ダレ現象の原因の一つではないかと考え、前記残留液体をいかに排除するかを中心に鋭意研究した。
一方、従来から、噴霧ノズルへの液体供給を遮断するためにチェックバルブ等を備えた噴霧システム等は用いられてはいたが、前記チェックバルブを設けただけでは前記液ダレ現象を防止することは困難であった。この原因についても本願発明者は研究をしたところ、前記チェックバルブが作動する前に残圧を排出することや、前記チェックバルブの作動圧等の条件が重要であるとの知見を得た。この知見を踏まえて、本願発明者らは本発明を完成させた。そして、本発明は、噴霧技術に関する基本的技術として、多種多様な噴霧技術に応用可能な技術である。
まず、図1は、本発明に係る噴霧システムの一実施形態の概念図であり、図2は、同実施形態の噴霧ノズル12の一部の簡略断面図である。
図1の符号1は、本発明に係る噴霧システムを示している。該噴霧システム1は、噴霧ノズル12と、送液管14と、残圧排出弁16とを備えている。噴霧すべき液体は、送液管14内で矢印W方向に加圧・送液されることで、噴霧ノズル12から霧Mとして噴霧される。
前記噴霧ノズル12は、筒体120と、ノズル噴霧孔Hを有するチップ122と、チェックバルブ(チャッキ弁)124と、液体をろ過するストレーナー126と、を備えている。該チェックバルブ124は、前記チップ122の上方に配置されている。また、前記ストレーナ126は、前記チェックバルブ124の上方に配置されている。
前記チェックバルブ124は、ボール1240と、該ボール1240を配置する弁座1242と、バネ1246と、該バネ1246を配置する止座1248と、を備えている。前記ボール1240はバネ1246の矢印F方向への付勢により前記弁座1242に押圧される。これにより、前記ボール1240が前記弁座1242に嵌着することで、チェックバルブ124は「閉」の状態となる。従って、図2に示す状態は前記チェックバルブ124が「閉」の状態であり、この状態はチェックバルブが作動した状態である。
前記チェックバルブ124は、弁座1242と、該弁座1242に嵌着可能なボール1240と、該ボール1240を前記弁座1242に押圧するバネ1246と、を有する構造である。この場合、チェックバルブ124の作動圧は前記バネ1246の弾性強度に依存するため、前記バネ1246の弾性強度を調節することで前記チェックバルブ124の作動圧を調節することができる。また、前記ボール1240が弁座1242に嵌着する構造とすることで、噴霧ノズル12内への液体の流入をより確実に防止できる。
そして、噴霧時には液体を矢印Wの方向に加圧・送液するため、その圧力によって前記ボール1240は前記弁座1242から下方に押し出される。そして、前記ボール1240と前記弁座1242との間に隙間が生じて、チェックバルブは「開」の状態になる。これによって液体が領域Aに流れ込むことができ、その結果、ノズル噴霧孔Hから液体を噴霧することができる。
また、本発明では、前記チェックバルブ124の配置位置は特に限定されないが、前記ノズル噴霧孔Hの後方50mm以内に配置されることが望ましい。ノズル噴霧孔Hから50mm以内にチェックバルブ124を配置しておくことで、噴霧ノズル12内の残留液体を配管14内へ引き込み排出することがより確実にできるとともに、液体が噴霧ノズル12内へ逆流してくる現象もより確実に防止できる。
本発明では、チェックバルブの構造は、前記バネ1246等を用いる構造に限定するものではなく、適宜、従来公知のチェックバルブ構造を採用することができる。
前記残圧排出弁16は、加圧されている噴霧ノズル12内の残圧を外部に放圧する電磁弁である。より詳しくは、前記液体への加圧停止後に噴霧ノズル12内の圧力が所定圧力値まで降圧した時に、前記残圧排出弁16が開弁する。前記残圧排出弁16が開弁することで、残圧を外部に排除することができる。この所定圧力値等については後述する。
前記残圧排出弁16は、電磁弁により自動化されていることが望ましいが、本発明では、前記残圧排出弁16は前記電磁弁に限定するものではなく、前記所定圧力値で作動する構造であればよい。従って、前記残圧排出弁16としては、例えば、手動弁や、電動弁等の他の自動弁を用いることもできる。
さらに、本発明では、前記残留液体をより確実に外部に排出すべく、別途、真空ポンプ等を送液管14に接続してもよい。前記真空ポンプを接続ことでより確実に減圧することができる。
また、必要に応じて、圧力センサー(圧力計)等を用いることもできる。前記圧力センサーとしては、適宜、好適なセンサーを採用することができ、例えば、電子式やスプリング式等の圧力センサーを用いることができる。
図3は、本発明に係る噴霧システムを説明するためのフロー図である。図4は、図3のフロー図に対応する概念図である。以下、液体への加圧停止から噴霧終了までの手順についてより詳細に説明する。
S0状態は、液体への加圧を停止した状態である。S0状態では、噴霧ノズル内の圧力がPである状態である。即ち、加圧は停止したが、噴霧ノズル12内の圧力は依然として高圧である状態である。そして、S0状態では、残圧排出弁16は作動していない(「閉」状態)。そして、チェックバルブ124も作動していない(「開」状態:ボール1240が弁座1242から離れている状態)。
S0状態では、噴霧ノズル12内の圧力がPから徐々に降圧していく。そして、前記圧力がPまで降圧した時に、残圧を排出するS1状態となる。このS0状態からS1状態までの間では、前記噴霧ノズル12の前記領域A(図2参照)等に液体が残存している。そして、チェックバルブ124は作動していない状態(「開」状態)であるので、前記液体はP以上P以下の圧力で加圧されて前記ノズル噴霧孔Hから噴霧されている。
S1状態は、噴霧ノズル12内の圧力がPからPへと降圧した時点で、残圧を外部に排出する状態である。即ち、前記噴霧ノズル12内の残圧が圧力Pに達したと同時に、噴霧ノズル12内の残圧が外部へと排出される。前記残圧排出弁16を開弁することで、噴霧ノズル12内の残圧が一気に外部へと放圧される。S1状態では、残圧排出弁16は作動しており(「開」状態)、チェックバルブ12は作動していない(「開」状態)。そして、噴霧ノズル12内の圧力がPからPまで降圧した時に、チェックバルブが作動するS2状態となる。
前記圧力P,Pの圧力値をどの程度に設定するかにもよるが、前記残圧排出弁16が開弁されることで噴霧ノズル12内の残圧は一気に外部へと排出されるため、前記S1状態からS2状態へと移行する時間は極めて短時間である。従って、噴霧ノズル12内の圧力がPから急激に降圧されていくが、その圧力がPにまで降圧された時にチェックバルブ12が作動するS2状態となる。
前記したS0状態〜S1状態の間では、前記噴霧ノズル12内の残留液体や、前記配管14内の残留液体が存在している。しかし、S1状態〜S2状態の間では、まず、残圧排出弁16が作動することで残圧が放出され、前記残留液体が残圧排出弁16側等に引かれる(図4の矢印W1等参照)。より詳細には、前記噴霧ノズル12内の残留液体は配管14内へと引き込まれ、前記噴霧ノズル12近傍の配管14中の残留液体は残圧排出弁16側に引き込まれ、排出される。従って、本発明では残圧排出とともに前記残留液体を配管14内に引き込み排出することができる。また、前記噴霧ノズル12近傍の配管14内の残留液体も引き込み排出することができる。その結果、液ダレ現象の原因である前記残留液体が排除されるため、ノズル噴霧孔Hから液体が液ダレすることを防止できる。
これにより、液ダレ現象の原因となり得る噴霧ノズル12内の残留液体をできる限り少なくするため、例えば、残圧排出とともに前記残存する液体を矢印W1方向(図4参照)に引き抜くことができる。従って、圧力Pから圧力Pへと降圧する間に、ノズル噴霧孔Hから液体がだらだらと噴出すること等を防止できる。その結果、ノズル噴霧孔Hの液ダレ現象を確実に防止できる。
S2状態は、前記噴霧ノズル12内の圧力がPへと降圧した時点で、チェックバルブ12が作動する状態(「閉」状態)である。該チェックバルブ12が「閉」状態となることで、前記噴霧ノズル12内の領域Aが閉塞されるため、前記ノズル噴霧孔Hからの液体の噴霧するための液体の供給を遮断することができる。
従来は、前記チェックバルブ124の作動圧と、前記残圧排出弁16の作動圧の詳細な関係等については、特に着目されていなかったが、本発明ではこれらにも着目した。即ち、従来では、液体の噴霧終了後からチェックバルブ作動時までの間に、圧力が徐々に降圧する。その間は、液体を微細霧化するための十分な圧力が加圧されていない状態でありながら、噴霧ノズル12内や送液管14内等に残存する液体がノズルから噴霧されてしまっていた。その結果、粒径が大きすぎる粗大霧や、水滴や、ボタ落ちや、水鉄砲状放水となっていた。
これに対して、本発明では、チェックバルブ124と残圧排出弁14を併用し、その動作タイミングについて着目した。チェックバルブ124の作動圧Pを、残圧排出弁14の作動圧Pよりも低くすることで、ノズル噴霧孔Hの液ダレ現象を確実に防止できる。より詳しくは、加圧を停止した後において、前記液体(例えば、残留液体)を液ダレせずに噴霧するとともに、不要な残留液体を残圧排出とともに外部へと排出できる。
その後に、前記チェックバルブ124が作動することで、加圧停止後の前記噴霧ノズル12への不要な液体の供給をより確実に停止すること等が可能となる。従って、例えば、一流体ノズル等の如く単純な構造であるノズルを用いた場合であっても、効果的に液ダレ現象を防止することができる。そして、前記チェックバルブ124の作動圧Pは、2.0MPa以上である。このような作動圧とすることで液ダレ現象を防止できる。
また、本発明では、前記残圧排出弁16の作動圧Pは、前記チェックバルブ124の作動圧Pよりも高い圧力であればよく、その圧力値は限定されないが、好適には2.5MPa以上であることが望ましい。このような圧力値とすることで、液ダレ現象をより確実に防止できる。
そして、本発明では、残圧排出弁16が作動圧Pで作動(残圧を排出)してからチェックバルブ124の作動圧Pまでの降圧所要時間が極めて短時間である。その結果、残圧排出してチェックバルブ124により液体供給が停止されるという一連の工程を極めて短時間に行なうことができる。従って、噴霧終了後に加圧を停止させると略同時に液ダレすることなく噴霧を終了できる。
また、本発明では、前記チェックバルブ124の作動圧Pをどの程度の圧力値に設定するかに応じて、前記バネ1248の付勢強度を決定することができる。本発明では、前記チェックバルブ124の構造について、前記ボール1240や前記バネ1248を用いる構造に限定されず、適宜、好適な構造を採用することができる。
さらに、本発明に係る噴霧システム1では、本発明の効果の範囲内で、適宜、噴霧条件を決定することができる。例えば、霧Mの粒子径をより小さくしたり、噴霧流量を増加させたりする場合には、本発明の範囲内で、加圧する圧力Pをより高圧に設定することもできる。逆に、前記圧力Pをより低圧に設定できることは勿論である。例えば、霧Mの粒子径を小さくすることで、人体や各種部材等に付着しても濡れることが少ない微細な霧Mとすることができる。
そして、前記圧力Pの好適な圧力値としては、9.8MPa以下であることが望ましい。例えば現状の噴霧技術を参酌すれば、9.8MPaを越えると、噴霧システム1に構造上の負荷がかかりすぎるため経済的に好ましいものとは言えなくなる。
従来から、プランジャーポンプや噴霧ノズル構造等については頻繁に研究されており、プランジャーポンプの高圧仕様化や、二流体ノズルの構造の研究等が行われている。これに対して、一流体ノズルは、その構造の単純さ等から画期的な改良はなされていないのが現状である。特に、近年の噴霧技術は、高圧プランジャーポンプや、ノズル噴霧孔が小さい噴霧ノズル等を用いることで、より微細な霧を形成することが望まれており、このような場合には、前記液ダレ現象の問題が重要となる。
これに対して、本発明に係る噴霧システム1では複雑な構造の改良等を要することもなく、液ダレ現象を防止でき、噴霧ノズル12から垂れた液体が床等を濡らすことがない。本発明では、前記噴霧ノズル12の構造は限定されないが、一流体ノズルを好適に用いることができる。
そして、噴霧時の液体への加圧は、適宜、従来公知の加圧手法を採用することができ、例えば、プランジャーポンプ等の加圧ポンプ等を用いることができる。
また、前記チップ122等の素材についても限定されず、適宜、好適な材料をノズル先端部として用いることができる。例えば、耐圧性や耐腐食性等に優れたセラミックス製のチップ等を用いることができる。
本発明では、噴霧される液体の性質・性状についても限定されない。例えば、前記液体の比重や粘度や液温等について、噴霧目的や環境等を考慮して、調節・決定することができる。例えば、液体に薬剤等を溶解させて噴霧したり、粘性がある液状の薬剤を噴霧したりすることができる。
このように、本発明の噴霧システム1は、簡単な構造でありながら前記液ダレ現象を効果的に防止できるため、噴霧ノズル等の構造設計や噴霧条件や使用環境・使用目的等について厳しい制限を受けずにすむ。従って、噴霧技術が用いられ得る幅広い分野に応用可能な技術である。
さらに、本発明では、噴霧システム1の噴霧方向等について制限されることもなく、所望の方向に噴霧しても液ダレすることもない。前記S1状態で前記残留液体を確実に外部へと排出し、続くS2状態でチェックバルブ124が作動する(「閉」状態となる)という構造であるため、下方向(重力方向)に噴霧しても液ダレすることはないからである。従って、噴霧システム1の噴霧方向は制限されることなく、適宜、所望の噴霧方向に霧Mを噴霧することができる。
また、噴霧システム1には、別途、送風手段を噴霧ノズル12の後方に配置して、噴霧ノズル12の後方から送風することで噴霧することもできる。霧Mは、送風によってより遠方に、かつ正確な位置に噴霧することができる。前記送風手段は、従来公知の手法を用いることができ、例えば送風機等を用いることもできる。
そして、本発明で噴霧する液体は、特に限定されず、水やアルコール等であってもよいし、溶質を溶解させた溶液であってもよい。例えば、種々の薬剤を溶解させた溶液を噴霧することもできる。
さらに、噴霧システム1では、液ダレ現象を防止するための別途の部品等も不要であるため、構造上の制限がないため使用用途・設置場所等の制限を受けることも少ないため好適である。あるいは、適宜、他の部材等を組み合わせて使用することもできるため、汎用性や応用性にも優れている。かかる観点からも、幅広い技術分野で応用可能な基本的技術として用いることができる。
また、本発明に係る噴霧方法は、液体に圧力を加えることで霧を形成する噴霧ノズルを用いる噴霧方法であって、液体への加圧を停止する工程(図3のS0状態参照)と、前記噴霧ノズル内の圧力が所定圧力値(図3の作動圧P参照)まで降圧したときに、残圧を系外に排出するともに、系内に残存する液体を系外へ排出する工程(図3のS1状態参照)と、前記所定圧力(図3の作動圧P参照)からさらに低い圧力であり、2.0MPa以上の圧力値(図3の作動圧P参照)まで降圧したときに、前記噴霧ノズルへの液体の供給を停止させる工程(図3のS2状態参照)と、を少なくとも行う噴霧方法である。
前記噴霧ノズル内の圧力が所定圧力値(作動圧P)まで降圧したときに、残圧を系外に排出する手段としては、残圧の排出とともに系内に残存する液体を系外へ排出することが可能であればよく、その手法については限定されない。例えば、前記残圧排出弁16を用いることができる。
前記噴霧ノズルへの液体の供給を停止させる手段としては、前記作動圧Pで作動するものであればよく、その手段は特に限定されない。例えば、前記チェックバルブ124等を用いることができる。
本発明の効果を検証するために、以下の試験を実施した。具体的には、本発明に係る噴霧システム1について、前記噴霧ノズル12内の前記チェックバルブ124と、前記残圧排出弁16の条件を変えて試験を行い、液ダレ現象が確認できるか否かについて検証した。
<実験条件>
噴霧ノズル12は、ノズル噴霧孔Hの直径が0.1mmの一流体噴霧ノズル(セラミックス製)を用いた。チェックバルブ124は、弾性体1246がコイルスプリングであるバルブを使用した。チェックバルブ124の作動圧Pは、前記コイルスプリングの弾性強度を調節することで適宜所定の圧力値で作動するように設定した。残圧排出弁16は、電磁弁を用いた。また、吐出圧力9.8MPaのプランジャーポンプを用いた。
<試験>
実施例1〜9、比較例1〜6の噴霧システムを用いて上水を噴霧し、噴霧後の液ダレ現象の有無を判定した。なお、判定では、噴霧後に粗大霧、水滴、ボタ落ち、水鉄砲状の放水等を確認した場合に、「液ダレ現象あり(×)」、と判定した。
<霧の粒子径の測定>
参考として、実施例の一部について、噴霧された霧の平均粒子径(SMD)について測定した。霧の粒径は、レーザー光回折法に基いて、測定装置「LDSA−1300A」(東日コンピュータアプリケーションズ(株)製)を用いて測定した。測定は噴霧ノズル12から50mmの位置(スプレー中央部)で行なった。
<実施例1〜9>
チェックバルブ124の作動圧Pは2.0MPaとして、残圧排出弁16の作動圧Pを変化させた条件で噴霧した(実施例1〜9)。そして、残圧排出弁作動圧Pが、3.0MPa(実施例2)、4.0MPa(実施例4)、5.0MPa(実施例5)、6.0MPa(実施例6)、7.0MPa(実施例7)、8.0MPa(実施例8)、9.0MPa(実施例9)については、参考として、霧の平均粒子径(SMD)を測定した。
<比較例1〜4>
残圧排出弁16を設けない噴霧システムとし、チェックバルブ124の作動圧Pを0.7MPa(比較例1)、2.0MPa(比較例2)、5.0MPa(比較例3)、7.0MPa(比較例4)とした点以外は、実施例1と同様にして試験した。
<比較例5>
残圧排出弁16の作動圧Pを1.5MPaとし、チェックバルブ124の作動圧Pを残圧排出弁作動圧Pより高い2.0MPaとした点以外は、実施例1と同様にして試験した。
<比較例6>
残圧排出弁16の作動圧Pを2.5MPaとし、チェックバルブ124の作動圧P2を0.7MPaとした点以外は、実施例1と同様にして試験した。
実施例1〜9、比較例1〜6の結果を表1、表2に示す。
<考察>
比較例1〜6はいずれも液ダレ防止の効果が認められなかったのに対して、実施例1〜9はいずれも液ダレ防止の効果が認められた。実施例1〜9では、噴霧終了後の噴霧ノズル12を下方に向けてみても、噴霧ノズル12からの水の滴下は確認されなかった。以上より、本実施例によれば、本発明に係る噴霧システム及び噴霧方法は液ダレ現象を防止できることが示された。
本発明に係る噴霧システム及び噴霧方法は、例えば、加湿、細霧冷房、空気冷却、消臭、脱臭、除菌、殺菌、衛生(感染症対策や食中毒対策等)、静電気防除、リラクゼーション、コンクリート養生、アロマテラピー等をはじめ幅広い分野で利用できる。
本発明に係る噴霧システムの一実施形態の概念図である。 同実施形態の噴霧ノズル12の簡略断面図である。 本発明に係る噴霧システムを説明するためのフロー図である。 同実施形態の噴霧停止時の液体の流れを説明する概念図である。
符号の説明
1 噴霧システム
12 噴霧ノズル
14 送液管
16 残圧排出弁
124 チェックバルブ

Claims (3)

  1. 液体を加圧することで霧を形成する噴霧ノズルを用いる噴霧システムであって、
    前記液体への加圧停止後に、前記噴霧ノズル内の圧力が所定圧力値まで降圧したときに開弁される残圧排出弁と、
    前記噴霧ノズルのノズル噴霧孔の後方に配置され、前記所定圧力値未満であり、2.0MPa以上の圧力値で前記噴霧ノズルへの液体の供給を停止させるように作動するチェックバルブと、
    を少なくとも備える噴霧システム。
  2. 前記所定圧力値は、2.5MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の噴霧システム。
  3. 液体に圧力を加えることで霧を形成する噴霧ノズルを用いて噴霧し、前記噴霧ノズル内に備えられたチェックバルブにより液体の供給を停止する噴霧方法であって、少なくとも以下の(1)〜(3)工程を行なう液体の噴霧方法。
    (1)噴霧を終了させるために加圧を停止する工程、
    (2)前記噴霧ノズル内の圧力が所定圧力値まで降圧したときに、前記噴霧ノズル内から残圧を排出するとともに、前記噴霧ノズルのノズル噴霧孔と前記チェックバルブとの間に残る液体を排出する工程、
    (3)前記噴霧ノズル内の圧力が、前記所定圧力値未満であり、2.0MPa以上の圧力値で、前記チェックバルブが作動することにより前記噴霧ノズルのノズル噴霧孔への液体の供給を停止させる工程。
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