JP2009004423A - キャリア箔付き銅箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレキシブルプリント配線板等における回路配線の微細化に対応可能な、キャリア箔の安定した剥離性と回路配線の優れた画像認識性を併せ持ったキャリア箔付き銅箔を提供する。
【解決手段】フレキシブルプリント配線板等における回路配線の微細化に対応可能な本発明のキャリア箔付き銅箔は、キャリア箔の片面または両面に直接接触する回路形成用銅箔として所定の銅合金めっき層を備え、かつ前記回路形成用銅箔が基材と接着する面の色調を、L表色系において、L≦40、−10≦a≦10、−10≦b≦10とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、キャリア箔付き銅箔に関し、特に、フレキシブルプリント配線板等の微細配線部品の製造に好適な、回路配線の画像認識性に優れたキャリア箔付き銅箔に関するものである。
銅箔は導電体用途としてよく用いられている。特にフレキシブルプリント配線板の分野では、回路用銅箔にポリイミド系樹脂フィルムをラミネート(積層)したり、あるいはポリイミド系樹脂の前駆体であるポリアミック酸を主成分とするワニスを塗布したりすることによってプリント配線板用部材が製造される。その後、該プリント配線板用部材の回路用銅箔部分に対し、エッチング等によって回路配線を形成することでプリント配線板が製造される。以下、この時に用いるポリイミド系樹脂フィルムやワニス、またはワニスを硬化させたもの等を「プリント配線板用基材」または単に「基材」と表し、回路用銅箔と基材を積層する工程を「接合工程」と称する。
近年、電子機器の小型化の進展により、フレキシブルプリント配線板の回路も微細化の一途を辿っている。回路配線の微細化(配線幅および配線間隔の縮小化)のためには、例えば、回路用銅箔の厚みを薄くしてエッチング量を精密に制御する必要があるが、極薄の銅箔を使用すると、上記接合工程において該銅箔にシワが発生しやすくなる。また、そのシワからクラックが発生し、回路部分が破断に至ってしまう場合がある。このような問題を防止するため、キャリア箔として厚さ18μm程度の銅箔を用いたキャリア箔付き銅箔を用いて接合工程を施し、その後、回路形成前にキャリア箔を剥離するプリント配線板の製造方法が用いられるようになってきた。
図1は、キャリア箔と回路用銅箔の境界部分に剥離層を設けたキャリア箔付き銅箔の断面構造例を示す模式図である。従来、キャリア箔付き銅箔10においては、接合工程後にキャリア箔1の剥離を容易にするための剥離層5が、キャリア箔1となる銅箔と回路用銅箔2’の境界部分に設けられていた。この剥離層5としては、例えば、特許文献1(特許第3690962号公報)や特許文献2(特開2003−94553号公報)で開示されているような金属、合金、または金属酸化物皮膜によって構成される無機系剥離層と、特許文献3(特許第3612594号公報)で開示されているような有機化合物によって構成される有機系剥離層に大別される。しかしながら、いずれの剥離層5においても剥離層形成のための処理工程が必要であることから、キャリア箔付き銅箔10の製造工程は、一般の銅箔の製造工程に比して煩雑なものとなってしまい、製造コストが高くなる問題を有していた。
この問題を解決するために、特許文献4(特開2005−307270号公報)では、キャリア箔と回路形成層のいずれか一方を電解により形成した有機剤を含有する析出銅層とし、他方を99.9mass%以上の純銅層としたキャリア箔付き電解銅箔が開示されている。このキャリア箔付き電解銅箔は、前述した剥離層が不要であるため、製造プロセスおよび製造コストを削減できるとしている。
特許第3690962号公報 特開2003−94553号公報 特許第3612594号公報 特開2005−307270号公報
一方、フレキシブルプリント配線板の製造において、回路形成後(キャリア箔は剥離済み)に行われるビアホールの形成工程やシリコンチップのボンディング工程は、形成された回路配線をプリント配線板用基材側からの画像認識によって自動位置決めして行われることが多い。このため、配線の微細化に伴ってより良好な画像認識性が要求されており、回路用銅箔の基材との接着面は、黒色を呈することが求められるようになった。
しかしながら、上述した従来のキャリア箔付き銅箔は、回路形成前にキャリア箔を剥離する際の剥離性に主眼を置いたものであり、回路形成後に良好な画像認識性が確保されない懸念がある。これは、回路配線が微細化されたフレキシブルプリント配線板の製造に対し、製造速度の低下や歩留まりの低下を引き起こす要因となる。
従って、本発明の目的は、フレキシブルプリント配線板等における回路配線の微細化に対応可能な、キャリア箔の安定した剥離性と回路配線の優れた画像認識性を併せ持ったキャリア箔付き銅箔を提供することにある。
本発明者らは、キャリア箔付き銅箔において、キャリア箔表面上に直接形成する回路形成用銅箔を所定の銅合金めっき層とすることで、キャリア箔の安定した剥離性を確保すると共に、回路形成用銅箔の表面(回路形成用銅箔が基材と接着する面)の色調を望ましい黒色に制御できることを見出したことに基づき、本発明を完成した。
本発明は、上記目的を達成するため、キャリア箔の片面または両面に直接接触する回路形成用銅箔を備えるキャリア箔付き銅箔であって、前記回路形成用銅箔が基材と接着する面の色調が、L表色系において、40以下のL、−10以上10以下のa、−10以上10以下のbであることを特徴とするキャリア箔付き銅箔を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係るキャリア箔付き銅箔において、前記キャリア箔の前記回路形成用銅箔を形成する面の表面粗さが、R≦0.2μmであり、特に、前記キャリア箔が圧延銅箔であることを特徴とするキャリア箔付き銅箔を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記の本発明に係るキャリア箔付き銅箔において、前記回路形成用銅箔が銅合金めっき層であり、特に、銅−モリブデン合金めっき層であることを特徴とするキャリア箔付き銅箔を提供する。
また、本発明は、上記の本発明に係るキャリア箔付き銅箔を用いて得られる銅張積層板を提供する。
本発明によれば、フレキシブルプリント配線板等における回路配線の微細化に対応可能な、キャリア箔の安定した剥離性と回路配線の優れた画像認識性を併せ持ったキャリア箔付き銅箔を低い製造コストで提供することができる。
(キャリア箔付き銅箔の構造)
図2は、本発明の実施の形態に係るキャリア箔付き銅箔の構造例を示す断面模式図である。図2(a)はキャリア箔1の片面に回路形成用銅箔2が形成されているキャリア箔付き銅箔20の場合であり、図2(b)はキャリア箔1の両面に回路形成用銅箔2が形成されているキャリア箔付き銅箔30の場合である。
キャリア箔1としては圧延銅箔または電解銅箔のいずれを使用しても良いが、回路形成用銅箔を形成する面の表面粗さは、R≦0.2μmであることが望ましい。該表面粗さが0.2μm<Rであると、アンカー効果によりキャリア箔1と回路形成用銅箔2の接合性が高まり、キャリア箔1の剥離が困難になる。より望ましい表面粗さは0.06μm≦R≦0.2μmであり、更に望ましくは0.06μm≦R≦0.1μmである。上記の観点から、キャリア箔の両面に回路形成用銅箔を形成する場合(図3(b))、キャリア箔1として両面とも平滑な圧延銅箔を用いることは非常に有効である。また、キャリア箔表面の平滑性を向上させるために、キャリア箔1の表面に銅めっきを施すことも有効である(例えば、特開2005-340635号公報を参照)。なお、該表面粗さがRa<0.06μmになると、平滑性向上のための製造コストの増大に見合った剥離性への効果が見られない。また、Rは、JIS B 0601 (1994)に準拠するものとする。
このようなキャリア箔1の表面に銅−モリブデン合金めっきを施すことにより、回路配線の画像認識性に優れた黒色を呈する回路形成用銅箔2を得ることができる。ここで言う黒色とは、JIS Z8729に定義されるL表色系において、L≦40、−10≦a≦10、−10≦b≦10である色調を示す。なお、色調の測定は、色彩色差計(例えば、コニカミノルタ製、型式:CR-400)を用いて行うことができる。Lが40より大きいと灰色となり、回路配線の画像認識性が劣化する。また、aが−10より小さいと緑色が強くなり、10より大きくなると赤色が強くなるため回路配線の画像認識性が劣化する。また、bが−10より小さいと青色が強くなり、10より大きくなると黄色が強くなるため回路配線の画像認識性が劣化する。より望ましい色調はL≦35、−9≦a≦9、−9≦b≦9であり、更に望ましい色調はL≦30、−8≦a≦8、−8≦b≦8である。
また、前記回路形成用銅箔2の平均厚さは、0.5〜3μmであることが望ましい。該回路形成用銅箔の平均厚さが0.5μm未満では、上述した色調を確保することが困難になる。一方、該回路形成用銅箔2の平均厚さを3μmより厚くすると、回路形成時のエッチング量制御が困難になり、所望の微細配線パターンが得られない。
さらに、フレキシブルプリント配線板等の製造においては、上述の回路形成用銅箔2に対し、基材との密着性、耐薬品性、耐熱性、および耐湿性といった接着信頼性の向上を図るため、防錆処理やシランカップリング処理などの表面処理がしばしば施される。このとき、いずれの処理においても公知の技術を用いて構わない。ただし、防錆処理における金属種や皮膜量、シランカップリング液の種類などは、積層する基材や接合工程における熱処理条件等を考慮して適宜選択することが好ましい。
(回路形成用銅箔の形成方法)
前述したように、回路形成用銅箔2の形成は銅合金めっきによって行う。基材との接合工程後、キャリア箔1の剥離を容易にするため、回路形成用銅箔2はキャリア箔1との密着性が制御され、かつ接合工程における熱処理等に対して安定な(不活性な)層であることが望ましい。
回路形成用銅箔の銅合金めっきは、銅母相中にモリブデンを微量添加した銅‐モリブデン合金めっきを行うのが好ましい。銅めっきへ添加する異種金属として、融点が高く熱的に安定なモリブデンを用いることで、接合工程における熱処理に対しても安定な層を得ることができる。また、該銅合金めっきは、限界電流密度以上の電流密度で行うことが望ましい。回路形成用銅箔を銅合金めっき層とし、かつ限界電流密度以上の電流密度でめっきを行うことにより、格子ひずみを内在しためっき皮膜が形成される。これにより、めっき皮膜の素地であるキャリア箔の格子定数と回路形成用銅箔の格子定数に差異が生じ、結果としてキャリア箔と回路形成用銅箔の密着性を低く制御することができる(例えば、0.1N/mm以下)。
次に、銅合金の電解めっき条件の一例を示す。銅(Cu)の供給源としては硫酸銅やピロリン酸銅、モリブデン(Mo)の供給源としてはモリブデン酸ナトリウムやモリブデン酸カリウムなどの金属塩を使用しても構わない。また、めっき装置に特段の制限は無い。
Cu: 0.4〜0.5 mol/L
Mo: 0.01〜0.04 mol/L
硫酸: 0.03〜0.1 mol/L
液温: 30〜50℃
電流密度: 10〜30 A/dm2
処理時間: 1〜4秒
上記条件の範囲から大きく逸脱した場合、キャリア箔との密着性が高くなり剥離が困難になったり、液抵抗が増大してめっき処理自体が困難になったりするような不具合が生じる場合がある。よって、量産(安定した製造)を考慮した場合、上記の範囲が好ましい。また、回路形成用銅箔の色調や基材との密着性などを制御するために、上記めっき浴に対しクエン酸や鉄、ニッケルなどを微量添加してもよい。
(フレキシブルプリント配線板の製造工程)
本発明に係るキャリア箔付き銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板の製造工程を概略的に説明する。図3は、本発明に係るキャリア箔付き銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板の製造工程の模式図である。図3に示したように、キャリア箔1の表面上に直接設けられた回路形成用銅箔2を有するキャリア箔付き銅箔に対し、ポリイミドフィルムなどの基材3を積層する(接合工程)。なお、接合工程の前に、回路形成用銅箔に対する表面処理を予め行っておくことは好ましい。次に、キャリア箔1を回路形成用銅箔2から剥離する(剥離工程)。その後、基材3上の回路形成用銅箔2に対し、エッチング等により微細配線(配線幅および配線間隔の縮小化)の回路パターンを形成する(回路パターン形成工程)。回路パターン形成工程の後、配線に要求される導電性を確保する(配線抵抗を低減する)ために、極薄・微細配線パターン上に配線用銅めっき4を施して、配線厚みを増やす場合もある(配線形成工程)。このときの配線用銅めっき4は、電解めっき、無電解めっきのいずれを用いてもよい。
〔実施の形態の効果〕
上記の本発明の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)キャリア箔表面上に直接形成する回路形成用銅箔を所定の銅合金めっき層とすることにより、回路形成用銅箔の表面(回路形成用銅箔が基材と接合する面)の色調を望ましい黒色に制御でき、微細化された回路配線の優れた画像認識性を有するキャリア箔付き銅箔が得られる。
(2)キャリア箔表面上に直接形成する回路形成用銅箔を所定の銅合金めっき層とすることにより、付加的な剥離層を省略してもキャリア箔の安定した剥離性が確保され、製造プロセスおよび製造コストを削減したキャリア箔付き銅箔が得られる。
(3)キャリア箔表面上に直接形成する回路形成用銅箔の平均厚さを0.5〜3μmと制御することにより、回路パターン形成工程におけるエッチング制御が容易となり、微細配線の精度が高いプリント配線板が得られる。
(4)回路配線の優れた画像認識性を有するキャリア箔付き銅箔を用いることにより、フレキシブルプリント配線板の製造における製造速度や歩留まりを向上でき、製造コストの低いプリント配線板が得られる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜6および比較例1〜5の作製)
キャリア箔として厚さ16.3μmの圧延銅箔(無酸素銅、JIS H3100 C1020)を用意した。このキャリア箔に対し、水酸化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、品番:194−02135、分子式:NaOH)が1mol/L、炭酸ナトリウム(純正化学株式会社製、品番:43350−1250、分子式:Na2CO3)が0.2 mol/Lの水溶液において、温度40℃、電流密度5A/dm、処理時間10秒で陰極電解にて電解脱脂処理を行った。その後、硫酸(純正化学株式会社製、品番:83010−0330、分子式:H2SO4)0.5 mol/Lの水溶液において温度25℃、処理時間10秒で浸漬することにより酸洗処理を施した。
上記のキャリア箔に対し、表面粗さ測定機(株式会社小坂製作所製、型式:SE500)を用いて表面粗さを測定したところ、R≒0.08μmであった。
次に、上記キャリア箔の1つに対し、下記に示す条件で銅めっき粗化処理を行った。なお、銅(Cu)成分原料として硫酸銅(純正化学株式会社製、品番:83435−1201、分子式:CuSO4・5H2O)、鉄(Fe)成分原料として硫酸鉄(純正化学株式会社製、品番:83380−1201、分子式:FeSO4・7H2O)を用い、電流値制御でめっきを行った。
Cu: 0.40 mol/L
Fe: 0.07 mol/L
硫酸: 1.3 mol/L
液温: 30℃
電流密度: 40 A/dm2
処理時間: 4秒
粗化処理を行ったキャリア箔に対し、表面粗さ測定機(株式会社小坂製作所製、型式:SE500)を用いて表面粗さを測定したところ、R≒0.25μmであった。この粗化処理を行ったキャリア箔を比較例5用のキャリア箔とし、粗化処理を行わなかったキャリア箔を実施例1〜6および比較例1〜4用のキャリア箔とした。
上記キャリア箔に対して、表1に示すようなめっき浴組成・電解条件で銅−モリブデン合金めっきを施し、平均厚さが約0.5μmの回路形成用銅箔を形成した。なお、モリブデン(Mo)成分原料としてモリブデン酸ナトリウム(例純正化学株式会社製、品番:77080−1201、分子式:Na2MoO4・2H2O)、鉄(Fe)成分原料として硫酸鉄(純正化学株式会社製、品番:83380−1201、分子式:FeSO4・7H2O)、ニッケル(Ni)成分原料として硫酸ニッケル(和光純薬工業株式会社製、品番:148−01175、分子式:NiSO4・6H2O)、亜鉛(Zn)成分原料として硫酸亜鉛(純正化学株式会社製、品番:83060−0301、分子式:ZnSO4・7H2O)、調整剤としてクエン酸(純正化学株式会社製、品番:26040−1201、分子式:C6H8O7・H2O)を用い、電流値制御でめっきを行った。
Figure 2009004423
(回路形成用銅箔の色調および剥離強度の測定)
上記の各試料に対して、回路形成用銅箔の色調およびキャリア箔の剥離強度を測定した。回路形成用銅箔表面の色調は、色彩色差計(コニカミノルタ製、型式:CR-400)を用いて測定した。測定結果を表2に示す。
また、キャリア箔の剥離強度は次のような手順で測定した。まず、プリント配線板用基材としてFR−4基材(JIS C6480におけるGE4F)を用い、上記で作製したキャリア箔付き銅箔と温間プレス(175℃×1時間、面圧:0.4MPa)により接合した。次に、塩化第二鉄エッチング液(サンハヤト株式会社製、品番:H−20L)を用いてキャリア箔と回路形成用銅箔をエッチングして、線幅1mmの直線配線を形成した。次に、直線配線を形成した該キャリア箔付き銅箔に対し、万能試験機(株式会社島津製作所製、型式:AGS−500A)を用いて、直線配線のキャリア箔を基材面に対して略直角方向に50mm/minの速さで引っ張る引き剥がし試験を行い、その時の強度を剥離強度とした。接合工程後のキャリア銅箔の剥離強度が0.1N/mm以下であれば、容易に引き剥がすことが可能と言われていることから、良好な剥離性の判断基準を0.1N/mmとした。測定結果を表2に併記する。
Figure 2009004423
表1,2から明らかなように、実施例1〜6のキャリア箔付き銅箔は、回路形成用銅箔の表面(基材と接合する面)が望ましい色調(L≦40、−10≦a≦10、−10≦b≦10)を有し、かつ接合工程後に良好な剥離性(0.1N/mm以下)を有していることが判る。これに対し、比較例1〜5は、色調および/または剥離強度が望ましい範囲から外れており、回路配線の画像認識性および/またはキャリア箔の剥離性に劣ることが判る。
比較例1においては、実施例1のめっき浴組成に比して硫酸濃度が過剰になっており、その結果、色調が明るく光沢を持った表面状態となり、剥離性も劣化していた。
比較例2においては、実施例1のめっき浴組成に比してモリブデン濃度が過少になっており、その結果、通常の銅の粗化めっきに近づくことから、色調が明るい。また、キャリア箔との格子定数の差異が小さくなることから、剥離性が劣化したものと考えられる。
比較例3は、実施例1のめっき浴組成に対して亜鉛(Zn)を添加したものであり、その結果、色調が望ましい範囲に到達しなかった。また、剥離性も悪かった。
比較例4においては、実施例の電解条件に比して電流密度が低く限界電流密度未満になっており、その結果、光沢を持った表面状態となり色調も明るい。また、めっき皮膜に内在する歪みが小さくなったために、剥離性が劣化したものと考えられる。
比較例5においては、キャリア箔の表面粗さが実施例のそれに比して大きくなっており、その結果、キャリア箔と回路形成用銅箔の密着性が増大したことから、剥離性が劣化したものと考えられる。
(回路形成用銅箔の組成分析)
表1に示した条件と同じ条件で別途用意した実施例1〜6および比較例1〜4のキャリア箔付き銅箔を用いて、回路形成用銅箔の付着金属量を測定して組成分析を行った。測定手順を次に示す。
まず、各試料に対し、前述と同様に基材の接合を行った。次に、接合工程後の試料を40mm×100mmの大きさに切り出した後、キャリア箔を剥離して基材上に回路形成用銅箔のみを残した。次に、回路形成用銅箔を酸溶解させた後、誘導プラズマ発光分光分析装置(IPC−AES、株式会社島津製作所製、型式:ICPS−7000)を用いて測定を行った。酸溶解には、体積比として硝酸1(濃度60 〜61質量%、比重1.38)に対して純水9を混合させた硝酸水溶液を用いた。該硝酸水溶液30mLを用いて回路形成用銅箔を溶解し、基材を取り出す。その後、該溶解液に純水を加えて100mLとした。この溶解液中の金属濃度をIPC−AESにより測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2009004423
表1〜3の結果を総合的に見ると、回路形成用銅箔が好ましい黒色を呈し、キャリア箔が安定した剥離性を有するためには、銅とモリブデンの付着金属量そのものよりも、めっき条件(めっき浴組成と電解条件)やキャリア箔の表面粗さが重要であることが判る。
キャリア箔と回路用銅箔の境界部分に剥離層を設けたキャリア箔付き銅箔の断面構造例を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るキャリア箔付き銅箔の構造例を示す断面模式図である。図2(a)はキャリア箔の片面に回路形成用銅箔が形成されているキャリア箔付き銅箔の場合、図2(b)はキャリア箔の両面に回路形成用銅箔が形成されているキャリア箔付き銅箔の場合である。 本発明に係るキャリア箔付き銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板の製造工程の模式図である。
符号の説明
1…キャリア箔、2…回路形成用銅箔、2’…回路用銅箔、3…プリント配線板用基材(基材)、4…配線用銅めっき、5…剥離層、10,20,30…キャリア箔付き銅箔、40…プリント配線板。

Claims (6)

  1. キャリア箔の片面または両面に直接接触する回路形成用銅箔を備えるキャリア箔付き銅箔であって、
    前記回路形成用銅箔が基材と接着する面の色調が、L表色系において、L≦40、−10≦a≦10、−10≦b≦10であることを特徴とするキャリア箔付き銅箔。
  2. 請求項1に記載のキャリア箔付き銅箔において、前記キャリア箔の前記回路形成用銅箔を形成する面の表面粗さが、R≦0.2μmであることを特徴とするキャリア箔付き銅箔。
  3. 請求項1または請求項2に記載のキャリア箔付き銅箔において、前記回路形成用銅箔が銅合金めっき層であることを特徴とするキャリア箔付き銅箔。
  4. 請求項3に記載のキャリア箔付き銅箔において、前記回路形成用銅箔の銅合金めっき層が銅−モリブデン合金めっき層であることを特徴とするキャリア箔付き銅箔。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のキャリア箔付き銅箔において、前記キャリア箔が圧延銅箔であることを特徴とするキャリア箔付き銅箔。
  6. 請求項1乃至請求項5に記載のキャリア箔付き銅箔を用いて得られる銅張積層板。
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