JP2009001008A - セラミックス積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】最下層に形成された導体膜と他の層の導体膜との間の位置ずれ量を低減することができるセラミックス積層体の製造方法を提供すること。
【解決手段】プレート30の基準ピン32が下部ダミーシート40の貫通孔40aを挿通するように下部ダミーシートをプレートの上に配置・固定する。基準ピンが最下層積層用シート41の貫通孔24aを挿通し且つ最下層積層用シートの導体膜形成面が下部ダミーシートの上面に接するように、最下層積層用シートを配置する。最下層積層用シートを下部ダミーシートに加熱圧着する。最下層積層用シートの成形用フィルム21を最下層積層用シートのセラミックグリーンシート22から剥離する。以降、同様に積層用シートを積層し、上部ダミーシートをその積層体に加熱圧着する。積層された積層体をプレートから分離して焼成し、最後に、下部ダミーシート及び上部ダミーシートを除去する。
【選択図】図8

Description

本発明は、複数のセラミックグリーンシートを積層した後に焼成することによりセラミックス積層体を製造するセラミックス積層体の製造方法に関する。
図16は、従来から知られるセラミックス積層体の製造方法により製造されるセラミックス積層体100の分解斜視図である。従来のセラミックス積層体の製造方法によれば、図16において最も上部に示されたセラミックス層101が焼成前の積層体(仮積層体)を形成する際に最も下の層となる。従って、セラミックス層101は最下層101と称呼される。最下層101はセラミックスの薄板体101aからなる。最下層101の上面には導体膜が形成されていない。中間層102〜中間層109は、セラミックス薄板体102a〜109a及びセラミックス薄板体102a〜109aの上面に形成された導体膜102b〜109bをそれぞれ有している。中間層109は最上層109とも称呼される。セラミックス積層体100はこれらのセラミックス層101〜109が焼成により一体化された部品である。
係る部品を製造する従来の製造方法においては、図17の(A)に示したように、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)からなるセラミックグリーンシート成形用フィルム(以下、単に「成形用フィルム」とも称呼する。)201の上にセラミックグリーンシート202を成形した積層用シート203を準備する。
次いで、図17の(B)に示したように、セラミックス積層体の最下層101となる積層用シート(以下、「最下層積層用シート」とも称呼する。)205を得るために、複数の貫通孔204を金型による打ち抜きによって積層用シート203に形成する。貫通孔204は、最下層積層用シート205を含む複数の積層用シートを積層させる際にプレートに立設された基準ピンを挿通させるための孔である。
同様に、図17の(C)に示したように、中間層101〜109となる積層用シート(以下、「中間層積層用シート」又は「上部積層用シート」とも称呼する。)206を得るために、複数の貫通孔204及び必要に応じてビアホール207を金型による打ち抜きによって積層用シート203に形成する。更に、図17の(D)に示したように、中間層積層用シート206に所定パターンを有する導体膜208を形成する。なお、導体膜208は積層される複数の中間層積層用シート206のうちの少なくとも一つに形成される。
これらの積層用シートを準備した後、図18の(A)に示したように、プレート210の上に最下層積層用シート205を配置する。プレート210は、プレート210の上面に立設した複数の基準ピン211と、プレート210を貫通する複数の吸引用貫通孔212と、を備えている。最下層積層用シート205がプレート210の上に配置される際、基準ピン211は最下層積層用シート205の貫通孔204を通過させられる。最下層積層用シート205は、そのセラミックグリーンシート202の表面(露呈面)がプレート210の上面に接するように(即ち、成形用フィルム201がセラミックグリーンシート202の上方に位置するように)、プレート210上に配置される。
次いで、最下層積層用シート205を、吸引用貫通孔212を介してプレート210に向けて吸引することにより、プレート210に吸着(固定)させる。その後、図18の(B)に示したように、最下層積層用シート205の成形用フィルム201を最下層積層用シート205のセラミックグリーンシート202から剥離する。次に、図18の(C)に示したように、中間層積層用シート206の導体膜208が形成されている面(セラミックグリーンシート202の露呈面)と最下層積層用シート205の上面とが接するように中間層積層用シート206を最下層積層用シート205の上に配置する。この状態において、中間層積層用シート206を最下層積層用シート205に対して加熱・圧着する。
その後、図19の(A)に示したように、中間層積層用シート206の成形用フィルム201を中間層積層用シート206のセラミックグリーンシート202から剥離する。以降、同様に、中間層積層用シート206を所望の枚数だけ積層する(図19の(B)及び(C)を参照。)。積層終了後、積層体を基準ピン211から抜いてプレート210から分離し、その後、その積層体を焼成する(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平9−104015号公報
ところで、近年、最下層101(焼成後の最下層積層用シート205)の表面にも高精度なパターンを有する導体膜(及び、必要に応じてビアホール)を形成する要求が生じている。そこで、発明者は、上記従来の方法により積層された積層体をプレート210から分離した後、最下層の表面に導体膜を印刷によって形成し、次いでその積層体を焼成した。しかしながら、図12に「×」のプロットにより示したように、その導体膜は他の層の導体膜に対して層面に沿う方向に大きく位置ずれすることが判明した(図12の例において、約80μm)。この位置ずれは、積層体を基準ピン211から分離すると、各積層用シートが伸縮及び/又は変形するために最下層の表面の平坦性が悪化し、その平坦性が良好でない最下層の面上に導体膜を印刷することにより発生すると考えられる。
一方、発明者は、最下層積層用シート205にも導体膜を予め形成しておき、その後、上記従来の方法を用いて積層体を製造した。しかしながら、この方法によっても、図12に「三角」のプロットにより示したように、最下層の導体膜は他の層の導体膜に対して層面に沿う方向に大きく位置ずれすることが判明した(図12の例において、約40μm)。
この位置ずれは、以下の理由によるものと考えられる。
(1)最下層積層用シート205がプレート210に吸着された際、最下層積層用シート205の一部が吸引用貫通孔212に吸引される。その結果、最下層積層用シート205が変形する。
(2)最下層積層用シート205はプレート210に対して吸引により固定されている。従って、最下層積層用シート205はプレート210に完全には密着していない。そのため、最下層積層用シート205のセラミックグリーンシート202から成形用フィルム201を剥離する際、最下層積層用シート205のセラミックグリーンシート202にシワ等の変形が生じる。
従って、本発明の目的は、最下層に形成された導体膜(及び/又はビアホール)と他の層の導体膜との間の位置ずれ量を低減することができるセラミックス積層体の製造方法を提供することにある。
本発明によるセラミックス積層体の製造方法は、
複数のセラミックグリーンシートを積層した後に焼成することによりセラミックス積層体を製造するセラミックス積層体の製造方法であって、複数の基準ピンが立設されたプレートを準備するプレート準備工程と、最下層積層用シート準備工程と、上部積層用シート準備工程と、下部ダミーシート準備工程と、を含む。
最下層積層用シート準備工程は、セラミックグリーンシートの成形用フィルムと同成形用フィルムの上面に成形されたセラミックグリーンシートと同セラミックグリーンシートの上面に形成された所定パターンの導体膜とを有し且つ前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された最下層積層用シートを準備する工程である。
上部積層用シート準備工程は、セラミックグリーンシートの成形用フィルムと同成形用フィルムの上面に成形されたセラミックグリーンシートとを有し且つ前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された上部積層用シートを複数準備するとともに、同複数の上部積層用シートのうちの少なくとも一つのシートの同セラミックグリーンシートの露呈面に所定パターンの導体膜を形成する工程である。
下部ダミーシート準備工程は、前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された下部ダミーシートとしてのセラミックグリーンシートを準備する工程である。
前記プレートはセラミックグリーンシートを積層するための基台である。前記プレートの表面は平坦である。前記基準ピンは、例えば、前記プレートの表面と直交する向きに沿う中心軸を有する円柱である。前記最下層積層用シートのセラミックグリーンシート及び前記上部積層用シートのセラミックグリーンシートは非常に薄いため取り扱いが容易ではない。そのため、前記最下層積層用シート準備工程及び前記上部積層用シート準備工程において、セラミックグリーンシートはセラミックグリーンシートの成形用フィルム上に成形される。
最下層積層用シートのセラミックグリーンシートの露呈面(成形用フィルムと接触していない面)には所定のパターンを有する導体膜が形成される。更に、最下層積層用シートには必要に応じてビアホールが形成されてもよい。上部積層用シートのセラミックグリーンシートの露呈面には、必要に応じて、所定のパターンを有する導体膜が形成される。更に、上部積層用シートには必要に応じてビアホールが形成されてもよい。換言すると、積層される複数の上部積層用シートの少なくとも一つのシートに導体膜が形成される。導体膜は例えば印刷により形成され得る。ビアホールは、例えば、前記複数の貫通孔を形成する際の金型による打ち抜きにより同貫通孔と同時に形成され得る。
前記下部ダミーシートを構成するセラミックグリーンシートは、積層用シート(最下層積層用シート及び上部積層用シート)のセラミックグリーンシートに比較してその厚みを大きくすることができる。従って、下部ダミーシートは成形用フィルムの上に成形される必要がない。
更に、このセラミックス積層体の製造方法は、下部ダミーシート配置工程と、最下層積層用シート配置工程と、第1加熱圧着工程と、第1フィルム剥離工程と、を含む。
前記下部ダミーシート配置工程は、前記プレートの前記基準ピンが前記下部ダミーシートの前記貫通孔を挿通するように同下部ダミーシートを同プレートの上に配置するとともに同下部ダミーシートを同プレートに対して固定する工程である。この場合、下部ダミーシートは、プレートの上に吸引により及び/又は接着により固定され得る。下部ダミーシートをプレートの上に吸引により固定する場合、プレートに形成された吸引用貫通孔がその吸引のために使用され得る。
前記最下層積層用シート配置工程は、前記プレートの前記基準ピンが前記最下層積層用シートの前記貫通孔を挿通するように、且つ、「同最下層積層用シートの前記セラミックグリーンシートの露呈面」が「前記下部ダミーシートの上面」に接するように、同最下層積層用シートを同下部ダミーシートの上に配置する工程である。
前記第1加熱圧着工程は、少なくとも前記配置された最下層積層用シートを加熱しながら同最下層積層用シートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同最下層積層用シートに加えることにより同最下層積層用シートを前記下部ダミーシートに圧着する(加熱圧着する)工程である。
このように、最下層積層用シートは下部ダミーシートに対して加熱圧着されるので、最下層積層用シートにシワ等の変形が発生しない。加えて、仮に下部ダミーシートが吸引によってプレートに固定されることにより下部ダミーシートの下面(プレートとの接触面)に凹凸が生じていたとしても、例えば下部ダミーシートの厚さを比較的大きく設定しておくことにより、下部ダミーシートの上面は平坦性を維持する。その結果、最下層積層用シートの変形は生じ難いから、最下層積層用シートに形成された導体膜の位置ずれが発生し難い。
前記第1フィルム剥離工程は、前記圧着された最下層積層用シートの前記成形用フィルムを同最下層積層用シートの前記セラミックグリーンシートから剥離する工程である。最下層積層用シートは下部ダミーシートに加熱圧着により均一且つ適切な強度にて接合されている。従って、成形用フィルムを最下層積層用シートのセラミックグリーンシートから剥離する際、そのセラミックグリーンシートにシワ等の変形が生じ難い。その結果、最下層積層用シートの変形は生じ難いから、最下層積層用シートに形成された導体膜の位置ずれが発生し難い。
加えて、このセラミックス積層体の製造方法は、上部積層用シート配置工程と、第2加熱圧着工程と、第2フィルム剥離工程と、を含む。
上部積層用シート配置工程は、前記プレートの前記基準ピンが前記複数の上部積層用シートのうちの一つのシートの前記貫通孔を挿通するように、且つ、「同一つのシートの前記セラミックグリーンシートの露呈面」が「前記最下層積層用シートの前記成形用フィルムが剥離された面」に接するように、同一つの上部積層用シートを同最下層積層用シートの上に配置する工程である。「前記最下層積層用シートの前記成形用フィルムが剥離された面」は「最下層積層用シートのセラミックグリーンシートの露呈面(上面)」である。
前記第2加熱圧着工程は、少なくとも前記配置された上部積層用シートを加熱しながら同上部積層用シートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同上部積層用シートに加えることにより同上部積層用シートを前記最下層積層用シートに圧着する工程である。このように、上部積層用シートは最下層積層用シートに対して加熱圧着されるので、上部積層用シートにシワ等の変形が発生しない。その結果、この上部積層用シートが導体膜を備えている場合、その導体膜の位置ずれが発生し難い。
前記第2フィルム剥離工程は、前記圧着された上部積層用シートの前記成形用フィルムを同上部積層用シートの前記セラミックグリーンシートから剥離する工程である。上部積層用シートは最下層積層用シートに加熱圧着により均一且つ適切な強度にて接合されている。従って、成形用フィルムを上部積層用シートのセラミックグリーンシートから剥離する際においても、そのセラミックグリーンシートにシワ等の変形が生じ難い。
このように、本発明によるセラミックス積層体の製造方法によれば、上部積層用シートのセラミックグリーンシートのみならず最下層積層用シートのセラミックグリーンシートにもシワ等の変形が発生しないから、最下層積層用シートのセラミックグリーンシートに形成された導体膜の位置ずれ量を低減することができる。
このセラミックス積層体の製造方法は、更に、第N上部積層用シート配置工程と、第N加熱圧着工程と、第Nフィルム剥離工程と、からなる上部シート積層工程を、複数回繰り返し実行する製造方法であることが好ましい。
前記第N上部積層用シート配置工程は、前記プレートの前記基準ピンが前記複数の上部積層用シートのうちの他の一つである第N上部積層用シートの前記貫通孔を挿通するように、且つ、「同第N上部積層用シートの前記セラミックグリーンシートの露呈面」が「既に(その時点までに)下層のセラミックグリーンシートに圧着された積層済みセラミックグリーンシートの前記成形用フィルムが剥離された面(上面)」に接するように、同第N上部積層用シートを同積層済みセラミックグリーンシートの上に配置する工程である。
前記第N加熱圧着工程は、少なくとも前記配置された第N上部積層用シートを加熱しながら同第N上部積層用シートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同第N上部積層用シートに加えることにより同第N上部積層用シートを同積層済みセラミックグリーンシートに圧着する工程である。このように、第N上部積層用シートは積層済みの上部積層用シートのセラミックグリーンシートに対して加熱圧着されるので、第N上部積層用シートにシワ等の変形が発生しない。
前記第Nフィルム剥離工程は、前記圧着された第N上部積層用シートの前記成形用フィルムを同第N上部積層用シートの前記セラミックグリーンシートから剥離する工程である。第N上部積層用シートは積層済みセラミックグリーンシートに加熱圧着により均一且つ適切な強度にて接合されている。従って、成形用フィルムを第N上部積層用シートのセラミックグリーンシートから剥離する際においても、そのセラミックグリーンシートにシワ等の変形が生じ難い。
これによれば、積層されて後に焼成されることによりセラミックス積層体となるセラミックグリーンシートの何れにもシワ等の変形が発生し難い。従って、「最下層積層用シートに形成された導体膜と第N上部積層用シートの少なくとも一つに形成された導体膜との間の位置ずれ量」が小さく、且つ、所望の層数を有する積層体を容易に製造することができる。
上記上部シート積層工程を複数回繰り返すことを含むセラミックス積層体の製造方法は、
前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離する分離工程と、
前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
前記焼成工程終了後に前記下部ダミーシートを除去する下部ダミーシート除去工程と、
を含むことが好適である。
これによれば、下部ダミーシートが積層用シート(最下層積層用シート及び上部積層用シート)からなる積層体に固定された状態にて同積層体が焼成される。従って、下部ダミーシートの組成を積層用シートのセラミックグリーンシートよりも焼成時に伸長及び収縮し難い組成に設定しておくことにより、積層用シートからなる積層体の焼結時における変形量(積層用シートの主面に沿う方向の変化量)を低減することができる。即ち、下部ダミーシートを拘束焼成法における拘束層としても使用することができる。更に、下部ダミーシートを積層用シートからなる積層体の焼結完了時点において脆くなる組成から構成しておくことにより、下部ダミーシートを焼結した積層体から容易に除去することができる。
これに対し、上記上部シート積層工程を複数回繰り返すことを含むセラミックス積層体の製造方法は、
前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離するとともに前記下部ダミーシートを同積層体から除去する分離工程と、
前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
を含んでいてもよい。
この場合、下部ダミーシートに含まれるバインダーの量を調整することにより、加熱圧着によって生じる下部ダミーシートと最下層積層用シートとの間の接合力(換言すると、下部ダミーシートを最下層積層用シートのセラミックグリーンシートから剥離するのに必要な力)を容易に調整することができる。また、下部ダミーシートに含まれるバインダーの量を調整することにより、下部ダミーシートと最下層積層用シートとの間の前記接合力を、最下層積層用シートの成形用フィルムを同最下層積層用シートのセラミックグリーンシートから剥離させる際に、同最下層積層用シートのセラミックグリーンシートに変形が生じない程度の強さに容易に調整することができる。
更に、上記上部シート積層工程を複数回繰り返すことを含むセラミックス積層体の製造方法は、下部ダミーシートを積層用シートからなる積層体の下面に配置するだけでなく、上部ダミーシートを同積層体の上面に積層し、その積層体を下部ダミーシート及び上部ダミーシートと共に焼成することにより、上述した拘束焼成をより確実に実現することができる。
より具体的に述べると、上記セラミックス積層体の製造方法は、上部ダミーシート準備工程と、上部ダミーシート配置工程と、上部ダミーシート加熱圧着工程と、分離工程と、焼成工程と、ダミーシート除去工程と、を含むことが好適である。
前記上部ダミーシート準備工程は、前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された上部ダミーシートとしてのセラミックグリーンシートを準備する工程である。上部ダミーシートは、下部ダミーシートと同様、積層用シート(最下層積層用シート及び上部積層用シート)のセラミックグリーンシートに比較してその厚みを大きくすることができる。従って、上部ダミーシートは成形用フィルムの上に成形される必要がない。
前記上部ダミーシート配置工程は、前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に、前記プレートの前記基準ピンが前記上部ダミーシートの前記貫通孔を挿通するように且つ「同上部ダミーシートの一面」が「既に下層のセラミックグリーンシートに圧着された積層済みセラミックグリーンシートの前記成形用フィルムが剥離された面(露呈面)」に接するように、同上部ダミーシートを同積層済みセラミックグリーンシートの上に配置する工程である。
前記上部ダミーシート加熱圧着工程は、少なくとも前記配置された上部ダミーシートを加熱しながら同上部ダミーシートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同上部ダミーシートに加えることにより、同上部ダミーシートを前記積層済みセラミックグリーンシートに圧着する工程である。
前記分離工程は、前記上部ダミーシート加熱圧着工程終了後に前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離する工程である。
前記焼成工程は、前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する工程である。
前記除去工程は、前記焼成工程終了後に前記下部ダミーシート及び前記上部ダミーシートを除去する工程である。
これによれば、積層用シートからなる積層体が下部ダミーシート及び上部ダミーシートに挟まれた状態にて焼成せしめられる。従って、下部ダミーシート及び上部ダミーシートを拘束焼成方法における拘束層として使用することができる。更に、下部ダミーシートのみならず上部ダミーシートを、積層用シートからなる積層体の焼結完了時点において脆くなる組成から構成しておくことにより、下部ダミーシート及び上部ダミーシートを焼結した積層体から容易に除去することができる。
本発明よる他のセラミックス積層体の製造方法(以下、便宜上「第2製造方法」とも称呼する。)は、上記プレート準備工程、上記最下層積層用シート準備工程、上記上部積層用シート準備工程、及び、上記下部ダミーシート準備工程を含む。更に、前記第2製造方法は、加熱により昇温されたときに粘着性を帯びる粘着性発現面を一つの面に備えるシートであって前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された粘着性発現シートを準備する工程(粘着性発現シート準備工程)を含む。
加えて、前記第2製造方法は、粘着性発現シート配置工程と、下部ダミーシート配置工程と、を含む。
前記粘着性発現シート配置工程は、前記プレートの前記基準ピンが前記粘着性発現シートの前記貫通孔を挿通するように、且つ、前記粘着性発現面と反対側の面が同プレートの上面に接するように、同粘着性発現シートを同プレートの上に配置するとともに、同粘着性発現シートを同プレートに対して固定する工程である。この場合、粘着性発現シートは、プレートの上に吸引により及び/又は接着により固定され得る。
前記下部ダミーシート配置工程は、前記粘着性発現シートを加熱することにより昇温させた状態(即ち、粘着性発現面に粘着性を発現させた状態)において、前記プレートの前記基準ピンが前記下部ダミーシートの前記貫通孔を挿通するように同下部ダミーシートを前記粘着性発現シートの粘着性発現面の上に配置する工程である。これにより、下部ダミーシートは粘着性発現面に現れた粘着性により粘着性発現シートに接合される。下部ダミーシートは積層用シートのセラミックグリーンシートに比較して、その厚さを大きくしておくことが可能である。従って、仮に下部ダミーシートを粘着性発現シートの上に配置したとき、粘着性発現面に現れている粘着性によって下部ダミーシートの下面にシワが生じたとしても、そのシワの影響は下部ダミーシートの上面には現れ難い。
更に、前記第2製造方法は、前記最下層積層用シート配置工程と、前記第1加熱圧着工程と、前記第1フィルム剥離工程と、前記上部積層用シート配置工程と、前記第2加熱圧着工程と、前記第2フィルム剥離工程と、を含む。
このように、前記第2製造方法によれば、粘着性発現シート及び下部ダミーシートを最下層積層用シートの下に存在させた状態にて最下層積層用シート及び上部積層用シートの積層を行う。従って、仮に粘着性発現シートが吸引によってプレートに固定されることにより粘着性発現シートの下面(プレートとの接触面)に凹凸が生じていたとしても、その凹凸は粘着性発現シート及び下部ダミーシートにより吸収されるから、下部ダミーシートの上面は平坦性を維持する。更に、前述したように、下部ダミーシートを粘着性発現シートの上に配置したとき、粘着性発現面に現れている粘着性によって下部ダミーシートの下面にシワが生じたとしても、そのシワの影響は下部ダミーシートの上面には現れ難い。その結果、最下層積層用シートのセラミックグリーンシートにシワ等の変形が一層発生し難くなる。従って、最下層積層用シートのセラミックグリーンシートに形成された導体膜の位置ずれ量を低減することができる。
更に、最下層積層用シートは下部ダミーシートに加熱圧着により均一且つ適切な強度にて接合される。従って、成形用フィルムを最下層積層用シートのセラミックグリーンシートから剥離する際、そのセラミックグリーンシートにシワ等の変形が生じ難い。その結果、最下層積層用シートの変形は生じ難いから、最下層積層用シートの導体膜の位置ずれ量をより一層低減することができる。
この第2製造方法においても、前記第N上部積層用シート配置工程、前記第N加熱圧着工程及び前記第Nフィルム剥離工程からなる上部シート積層工程を複数回繰り返し実行することができる。
これによれば、積層されて後に焼成されることによりセラミックス積層体となるセラミックグリーンシートの何れにもシワ等の変形が発生し難い。従って、「最下層積層用シートに形成された導体膜と第N上部積層用シートの少なくとも一つに形成された導体膜との間の位置ずれ量」が小さく、且つ、所望の層数を有する積層体を容易に製造することができる。
更に、上記上部シート積層工程を複数回繰り返すことを含む第2製造方法は、
前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離するとともに前記粘着性発現シートを冷却した後に同粘着性発現シートを同積層体から分離する分離工程と、
前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
前記焼成工程終了後に前記下部ダミーシートを除去する下部ダミーシート除去工程と、
を含むことが好ましい。
粘着性発現シートは冷却されて温度が低下すると粘着性を失う(粘着性発現面の粘着性が消失する。)。従って、上記分離工程により粘着性発現シートを下部ダミーシートから容易に分離することができる。そして、上記第2製造方法においては、粘着性発現シートが分離された積層体を焼成した後に下部ダミーシートを除去するから、下部ダミーシートを拘束焼成方法における拘束層として使用することができる。この場合においても、下部ダミーシートを積層用シートからなる積層体の焼結完了時点において脆くなる組成から構成しておくことにより、下部ダミーシートを焼結した積層体から容易に除去することができる。
これに対し、上記上部シート積層工程を複数回繰り返すことを含む第2製造方法は、
前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離し、前記粘着性発現シートを冷却した後に同粘着性発現シートを同積層体から分離し、且つ、前記下部ダミーシートを同積層体から除去する分離工程と、
前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
を含んでもよい。
この場合においても、前述したように、下部ダミーシートに含まれるバインダーの量を調整することにより、加熱圧着によって生じる下部ダミーシートと最下層積層用シートとの間の接合力(換言すると、下部ダミーシートを最下層積層用シートのセラミックグリーンシートから剥離するのに必要な力)を容易に調整することができる。また、下部ダミーシートに含まれるバインダーの量を調整することにより、下部ダミーシートと最下層積層用シートとの間の前記接合力を、最下層積層用シートの成形用フィルムを同最下層積層用シートのセラミックグリーンシートから剥離させる際に、同最下層積層用シートのセラミックグリーンシートに変形が生じない程度の強さに容易に調整することができる。
更に、上記上部シート積層工程を複数回繰り返すことを含む前記第2製造方法は、下部ダミーシートを積層用シートからなる積層体の下面に配置するだけでなく、上部ダミーシートを同積層体の上面に積層し、その積層体を下部ダミーシート及び上部ダミーシートと共に焼成することにより、上述した拘束焼成をより確実に実現することができる。
より具体的に述べると、その第2製造方法は、
前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された上部ダミーシートとしてのセラミックグリーンシートを準備する上部ダミーシート準備工程と、
前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に、前記プレートの前記基準ピンが前記上部ダミーシートの前記貫通孔を挿通するように且つ同上部ダミーシートの一面が既に下層のセラミックグリーンシートに圧着された積層済みセラミックグリーンシートの前記成形用フィルムが剥離された面に接するように、同上部ダミーシートを同積層済みセラミックグリーンシートの上に配置する上部ダミーシート配置工程と、
少なくとも前記配置された上部ダミーシートを加熱しながら同上部ダミーシートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同上部ダミーシートに加えることにより同上部ダミーシートを前記積層済みセラミックグリーンシートに圧着する上部ダミーシート加熱圧着工程と、
を含む。
更に、その第2製造方法は、
前記上部ダミーシート加熱圧着工程終了後に、前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離し、且つ、前記粘着性発現シートを冷却した後に同粘着性発現シートを同積層体から分離する分離工程と、
前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
前記焼成工程終了後に前記下部ダミーシート及び前記上部ダミーシートを除去するダミーシート除去工程と、
を含むことが好適である。
これによれば、積層用シートからなる積層体が下部ダミーシート及び上部ダミーシートに挟まれた状態にて焼成せしめられる。従って、下部ダミーシート及び上部ダミーシートを拘束焼成方法における拘束層として使用することができる。更に、下部ダミーシートのみならず上部ダミーシートを、積層用シートからなる積層体の焼結完了時点において脆くなる組成から構成しておくことにより、下部ダミーシート及び上部ダミーシートを焼結した積層体から容易に除去することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の各実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法について説明する。このセラミックス積層体は、例えば、LTCC基板(Low−Temperature
Co−fired Ceramics)を構成することができる。LTCC基板は、例えば、誘電体積層フィルター、多層配線基板、誘電体アンテナ、誘電体カプラー及び誘電体複合モジュール等の電子デバイスに用いられるセラミックス積層基板である。
<セラミックス積層体の構造>
先ず、本発明の各実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法により製造されるセラミックス積層体について図1を参照しながら説明する。図1は、このセラミックス積層体10の分解斜視図である。
各実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法によれば、図1において最も上部に示されたセラミックス層11が焼成前の積層体を形成する際に最も下の層となる。従って、セラミックス層11は最下層11(又は、第1層11)と称呼される。
最下層11はセラミックス薄板体11a及び導体膜11bを有している。
セラミックス薄板体11aは、その厚さが10μm〜100μm程度の平板である。セラミックス薄板体11aの平面視における形状は長方形(又は、正方形)である。
導体膜11bは、セラミックス薄板体11aの一つの面(図1における上面)上に形成されている。導体膜11bは所定のパターンを有している。
上部層(上部セラミックス層)12〜19は、最下層11と同様、セラミックス薄板体12a〜19a及び導体膜12b〜19bをそれぞれ有している。
セラミックス薄板体12a〜19aのそれぞれは、セラミックス薄板体11aと同様の形状を有している。
導体膜12b〜19bのそれぞれは、導体膜11bと同様、所定のパターン(各層に固有のパターン)を有している。
なお、上部層19は最上層19とも称呼される。また、最下層11及び上部層12〜19には、必要に応じてビアホール(上下の層間の電気的接続を実現するために導電性物質が充填される貫通孔)が形成されている。
積層体10は、これらのセラミックス層11〜19を構成することになるセラミックグリーンシートを順に積層し、その積層体(仮積層体)を焼成・一体化することにより製造される多層誘電体部品(多層誘電体デバイス)である。なお、積層体10は9層からなっているが、層の数は2以上であればよい。また、焼成・一体化された積層体10の露呈している面上にICチップ(例えば、フリップチップIC及びベアチップIC等)が配設されてもよい。このようなセラミックス積層体10は、所謂「LTCCモジュール」を構成することができる。
<第1実施形態(第1製造方法)>
次に、本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法(第1製造方法)について説明する。このセラミックス積層体の製造方法は、以下に述べるステップを含んでいる。
ステップ1:図2の(A)に示したように、セラミックグリーンシート成形用フィルム21(成形用フィルム)を準備し、その成形用フィルム21の上面にセラミックグリーンシート22を成形する。成形用フィルム21は、特に限定されないが、本例においてはPET(ポリエチレンテレフタレート)からなっている。成形用フィルムの厚さは10μm〜100μm程度である。セラミックグリーンシート22の厚さは10μm〜100μm程度である。
セラミックグリーンシート22は、例えば、高い誘電率をもたらす組成(比誘電率で85程度)として、BaO−TiO−Nd−Bi系組成にZnO−SiO−B系ガラスを2〜5質量%配合した材料から作成することができる。また、 セラミックグリーンシート22は、例えば、低い誘電率をもたらす組成(比誘電率で7程度)として、BaO−Al−SiO−Bi系組成にZnO−SiO−B系ガラスを2〜5質量%配合した材料から作成することもできる。
ステップ2:図2の(B)に示したように、成形用フィルム21及びセラミックグリーンシート22を切断線CLに沿って切断する。その結果、図2の(C)に示したように、平面視において長方形の切断片23が得られる。
ステップ3:切断片23を金型により所定の形状に打ち抜き成形し、図2の(D)及び図3に示した積層用シート24を複数得る。この金型による打ち抜き成形の際、複数(本例においては4個)の貫通孔24aと、必要に応じて複数(本例においては4個)又は単数のビアホール24bと、を同時に形成する。即ち、貫通孔24aは総ての積層用シート24に形成される。これに対し、ビアホール24bは、ビアホール24bを必要とするセラミックス層を構成することになる積層用シート24のみに形成される。貫通孔24aの平面視における形状は円形である。
図4の(A)は積層用シート24を積層する際に使用するプレート30の斜視図である。図4の(B)はプレート30の縦断面図である。プレート30は、基台部31と基台部31に立設された複数(本例では4個)の基準ピン32とを備える。基台部31は金属製の板体である。基台部31の上面は平坦である。基準ピン32は基台部31の上面と直交する向きに沿う中心軸を有する金属製の円柱である。基準ピン32は基台部31と一体的となっている。基台部31には、基台部31の厚み方向に貫通する複数の吸引用貫通孔31aが形成されている。吸引用貫通孔31aは、平面視において最短距離を隔てて互いに隣接する二つの基準ピン32,32の間に直線的に配列されている。このプレート30は、プレート準備工程において別途準備される。
ステップ3において形成される貫通孔24aの径は基準ピン32の径と略同一である。また、平面視において、複数の貫通孔24a間の相対的位置は複数の基準ピン32間の相対的位置と一致する。従って、一つの積層用シート24における複数の貫通孔24aの位置は、他の積層用シート24における複数の貫通孔24aの位置と一致する。一方、ビアホール24bは、そのビアホール24bが形成された積層用シート24が後に最下層11及び上部層12〜19のどの層になるかに応じた所定の位置及び所定の個数だけ形成される。
ステップ4:図3に示したように、積層用シート24のセラミックグリーンシート22の表面(セラミックグリーンシート22の露呈面、成形用フィルム21と接している面と反対側の面)に導体膜24cを印刷によって形成する。この導体膜24cは、その導体膜24cが形成された積層用シート24が後に最下層11及び上部層12〜19のどの層になるかに応じた所定のパターンを有するように形成される。前述したように、積層用シート24の総てに導体膜24cが形成される必要はない。但し、最下層11を構成する予定の積層用シート24には導体膜24cが形成される。導体膜24cは銀(Ag)からなる。導体膜24cは、例えば、銅(Cu)等の他の導電性金属及び導電性のサーメット等から形成されてもよい。
ステップ1乃至ステップ4は、セラミックグリーンシートの成形用フィルム21と、成形用フィルム21の上面に成形されたセラミックグリーンシート22と、セラミックグリーンシート22の上面に形成された所定パターンの導体膜24cと、を有し、且つ、基準ピン32を通過させるための貫通孔24aが複数形成された最下層積層用シート24を準備する最下層積層用シート準備工程を構成している。
更に、ステップ1乃至ステップ4は、セラミックグリーンシートの成形用フィルム21と、成形用フィルム21の上面に成形されたセラミックグリーンシート22と、を有し、且つ、基準ピン32を通過させるための貫通孔24aが複数形成された上部積層用シート24を複数準備するとともに、複数の上部積層用シート24のうちの少なくとも一つのシートのセラミックグリーンシート22の露呈面に所定パターンの導体膜24cを形成する上部積層用シート準備工程をも構成している。
ステップ5:図5に示した下部ダミーシート40を少なくとも2つ準備する。下部ダミーシート40はアルミナからなる。下部ダミーシート40の材料は、後述する焼成工程において積層用シート24のセラミックグリーンシート22が焼結させられたときに、焼結することがなく、極めて脆くなるように選択されている。即ち、下部ダミーシート40は難焼結性セラミックグリーンシートである。更に、下部ダミーシート40の材料は、セラミックグリーンシート22の焼成時においてセラミックグリーンシート22よりも変形(伸長及び/又は収縮)し難くなるように調整されている。下部ダミーシート40の厚さは、セラミックグリーンシート22の厚さの数倍程度(例えば、100μm程度)である。下部ダミーシート40は、アルミナの他、例えば、マグネシア、ジルコニア及びスピネル等から形成してもよい。
下部ダミーシート40は、積層用シート24のセラミックグリーンシート22に比較してその厚みを大きくすることができる。従って、下部ダミーシート40は、成形用フィルム21の上に成形されなくても取り扱いが可能な程度の強度を有する。下部ダミーシート40は、下部ダミーシート40となるシート状のアルミナを金型により打ち抜くことにより形成される。このとき、下部ダミーシート40は、積層用シート24と略同一の外径形状を有するとともに、複数の貫通孔40aを有するように形成される。貫通孔40aの形状は貫通孔24aの形状と同一である。複数の貫通孔40aは、その複数の貫通孔40a間の相対的位置が複数の基準ピン32間の相対的位置と一致するように形成される。
このステップ5は、前記基準ピン32を通過させるための貫通孔40aが複数形成された下部ダミーシート40としてのセラミックグリーンシートを準備する下部ダミーシート準備工程に相当している。更に、このステップ5により準備される下部ダミーシート40の一つは、後に述べる上部ダミーシート50としても使用される。従って、ステップ5は上部ダミーシート準備工程にも相当している。
ステップ6:図6の(A)及び(B)に示したように、下部ダミーシート40をプレート30の基台部31の上に配置する。このとき、下部ダミーシート40は、基準ピン32が下部ダミーシート40の貫通孔40aを挿通するように配置される。
ステップ7:図6の(B)の矢印により示したように、下部ダミーシート40を吸引用貫通孔31aを通して下方(下部ダミーシート40からプレート30の基台部31に向かう方向)に吸引する。これにより、下部ダミーシート40はプレート30の基台部31に吸着(固定)される。
このように、ステップ6及びステップ7は、プレート30の基準ピン32が下部ダミーシート40の貫通孔40aを挿通するように下部ダミーシート40をプレート30(基台部31)の上に配置するとともに、下部ダミーシート40をプレート30(基台部31)に対して固定する下部ダミーシート配置工程に相当している。
ステップ8:図7の(A)及び(B)に示したように、ステップ1乃至ステップ4によって作成した積層用シート24のうち最下層11となる積層用シート(最下層積層用シート、第1積層用シート)41を下部ダミーシート40の上に配置する。このとき、最下層積層用シート41は、プレート30の基準ピン32が最下層積層用シート41の貫通孔24aを挿通するように、且つ、最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート22の露呈面(導体膜24cが形成されている最下層積層用シート41の一面)が下部ダミーシート40の上面(基台部31と反対側の面である露呈面)に接するように、下部ダミーシート40の上に配置される。このステップ8は、最下層積層用シート配置工程に相当している。
ステップ9:この状態において、最下層積層用シート41、下部ダミーシート40及びプレート30を加熱しながら最下層積層用シート41の上部からプレート30の基台部31に向かう方向の圧力を最下層積層用シート41に加えることにより、最下層積層用シート41を下部ダミーシート40に圧着(加熱圧着)する。このステップ9は、第1加熱圧着工程とも称呼される。
このように、最下層積層用シート41は下部ダミーシート40に対して加熱圧着されるので、最下層積層用シート41にシワ等の変形が発生しない。加えて、下部ダミーシート40が吸引によってプレート30の基台部31に固定されることにより、下部ダミーシート40の下面(基台部31との接触面)に凹凸が生じる場合がある。しかし、この場合においても、下部ダミーシート40の厚さは比較的大きく設定され得るから、下部ダミーシート40の上面は平坦性を維持する。その結果、最下層積層用シート41の変形は生じ難いから、最下層積層用シート41の導体膜24cの位置ずれが発生し難い。
ステップ10:図8の(A)及び(B)に示したように、最下層積層用シート41の成形用フィルム21を最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート22から剥離する。このステップ10は、第1フィルム剥離工程とも称呼される。
最下層積層用シート41は下部ダミーシート40に対し加熱圧着により均一且つ適切な強度にて接合されている。従って、成形用フィルム21を最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート22から剥離する際、そのセラミックグリーンシート22にシワ等の変形が生じ難い。その結果、最下層積層用シート41(セラミックグリーンシート22)の変形は生じ難いから、最下層積層用シート41の導体膜24cの位置ずれが発生し難い。
ステップ11:図9の(A)及び(B)に示したように、積層用シート(上部積層用シート、第2積層用シート)42を成形用フィルム21が剥離された最下層積層用シート41(セラミックグリーンシート22)の上に配置する。積層用シート42は、ステップ1乃至ステップ4によって作成した積層用シート24のうち図1に示した上部層12となるシートである。このとき、上部積層用シート42は、プレート30の基準ピン32が上部積層用シート42の貫通孔24aを挿通するように配置される。更に、上部積層用シート42は、上部積層用シート42のセラミックグリーンシート22の露呈面(導体膜24cが形成されている場合には導体膜24cが形成されている面)が最下層積層用シート41の成形用フィルム21が剥離された面(最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート22の露呈面)に接するように、配置される。このステップ11は、上部積層用シート配置工程の一つである。
ステップ12:この状態において、上部積層用シート42、最下層積層用シート41、下部ダミーシート40及びプレート30を加熱しながら上部積層用シート42の上部からプレート30の基台部31に向かう方向の圧力を上部積層用シート42に加える。この結果、上部積層用シート42は最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート22に加熱圧着される。このステップ12は、第2加熱圧着工程とも称呼される。このように、上部積層用シート42は最下層積層用シート41に対して加熱圧着されるので、上部積層用シート42にシワ等の変形が発生しない。その結果、上部積層用シート42が導体膜24cを備える場合、上部積層用シート42の導体膜24cの位置ずれが発生し難い。
ステップ13:図10の(A)及び(B)に示したように、上部積層用シート42の成形用フィルム21を上部積層用シート42のセラミックグリーンシート22から剥離する。このステップ13は、第2フィルム剥離工程とも称呼される。
上部積層用シート42は最下層積層用シート41に対し加熱圧着により均一且つ適切な強度にて接合されている。従って、成形用フィルム21を上部積層用シート42のセラミックグリーンシート22から剥離する際においても、そのセラミックグリーンシート22にシワ等の変形が生じ難い。その結果、上部積層用シート42が導体膜24cを備える場合、上部積層用シート42の導体膜24cの位置ずれが発生し難い。
ステップ14:ステップ11乃至ステップ13と同様なステップからなる上部シート積層工程を、複数回繰り返し実行する。その結果、図1に示した最上層19に対応する上部積層用シート49が積層済みのセラミックグリーンシートの上に積層され、その成形用フィルム21が剥離される。即ち、前記上部シート積層工程は、以下に述べる、第N上部積層用シート配置工程、第N加熱圧着工程及び第Nフィルム剥離工程と、からなる。
第N上部積層用シート配置工程は、複数の積層用シート24(上部積層用シート)のうちの一つであって未だ積層されてない積層用シート24である第N上部積層用シート(例えば、上部層15を構成する予定の積層用シート)を、積層済みセラミックグリーンシート(この場合、上部層14を構成する予定の積層用シート)の上に配置する工程である。このとき、第N上部積層用シートは、基準ピン32が第N上部積層用シートの貫通孔24aを挿通するように、且つ、「第N上部積層用シートのセラミックグリーンシート22の露呈面」が「既に下層のセラミックグリーンシート(この場合、上部層13を構成する予定の上部積層用シートのセラミックグリーンシート)22に圧着された積層済みセラミックグリーンシート(この場合、上部層14を構成する予定の上部積層用シートのセラミックグリーンシート)22の成形用フィルム21が剥離された面」に接するように、同積層済みセラミックグリーンシートの上に配置される。
前記第N加熱圧着工程は、プレート30、下部ダミーシート40、積層済みセラミックグリーンシート及び第N上部積層用シートを加熱しながら、その第N上部積層用シートの上部からプレート30の基台部31に向かう方向の圧力をその第N上部積層用シートに加えることにより、第N上部積層用シートを積層済みセラミックグリーンシートに圧着する工程である。
前記第Nフィルム剥離工程は、第N上部積層用シートの成形用フィルム21を、その第N上部積層用シートのセラミックグリーンシート22から剥離する工程である。
このように、第N上部積層用シートは積層済みのセラミックグリーンシート(成形用フィルムが剥離された上部積層用シート)に対して加熱圧着されるので、第N上部積層用シートの配置時及び成形用フィルム21の剥離時に第N上部積層用シートのセラミックグリーンシート22にシワ等の変形が発生しない。その結果、第N上部積層用シートに導体膜24cが形成されている場合、その導体膜24cの位置ずれが発生し難い。
ステップ15:図11に示したように、成形用フィルム21が剥離された上部積層用シート49の上に上部ダミーシート50を配置する。即ち、ステップ15は、前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に、基準ピン32が上部ダミーシート50の貫通孔40aを挿通するように、且つ、「上部ダミーシート50の一面」が「既に下層のセラミックグリーンシート(上部積層用シート48のセラミックグリーンシート22)に圧着された積層済みセラミックグリーンシート(上部積層用シート49のセラミックグリーンシート22)の成形用フィルム21が剥離された面」に接するように、上部ダミーシート50を同積層済みセラミックグリーンシートの上に配置する上部ダミーシート配置工程に対応している。
ステップ16:プレート30、下部ダミーシート40、積層用シート41〜49及び上部ダミーシート50を加熱しながら、上部ダミーシート50の上部からプレート30の基台部31に向かう方向の圧力を上部ダミーシート50に加える。これにより、上部ダミーシート50を積層済みセラミックグリーンシート(上部積層用シート49のセラミックグリーンシート22)に圧着する。このステップ16は、上部ダミーシート加熱圧着工程に相当している。以上までのステップにより、積層工程が終了する。
ステップ17:プレート30の基台部31の上に積層された積層体(焼成前積層体)をプレート30から分離する。即ち、吸引用貫通孔31aを用いた吸引を停止し、積層体を基準ピン32から引き抜く。このステップ17は分離工程とも称呼される。
ステップ18:プレート30から分離された積層体を焼成する。ステップ18は焼成工程に相当している。焼成条件(焼成温度及び焼成時間)は、積層用シート41〜49の積層体が焼結し、且つ、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50が焼結しない条件に設定する。
ステップ19:焼成終了後、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を焼成された積層体(焼結体)から除去する。下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50は、例えば、ウェットブラスト、サンドブラスト、ウォータージェット及び超音波洗浄等の方法により除去される。このステップ19は除去工程に相当している。
これによれば、積層用シート41〜49からなる積層体が下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50に挟まれた状態にて焼成せしめられる。従って、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を拘束焼成法における拘束層として使用することができる。更に、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を、積層用シート41〜49の積層体の焼結完了時点において脆くなる組成から構成しておくことにより、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を焼結した積層体(セラミックス積層体10)から容易に除去することができる。
以上により、セラミックス積層体10が製造される。図12は、このように製造されるセラミックス積層体10の平面視における形状を一辺が220mmである正方形とし、且つ、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50の厚みを100μmとした場合の測定結果を示す。このセラミックス積層体10においては、図12に「白抜きの円」のプロットにより示したように、最下層11の導体膜11bの他の層の導体膜12b〜19bに対する層面に沿う方向の位置ずれ量(この場合、15μm程度)が、「×」又は「三角」のプロットにより示される従来の製造方法による場合の位置ずれ量よりも格段に小さくなっていた。
なお、上記実験では、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50の厚みがそれぞれ100μmの場合、最下層11の面内の位置ずれ量(最下層11の導体膜11bの位置ずれ量)が15μmであった。一方、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50の厚み(以下、単に「ダミーシート厚」と云う。)を変化させて同様のセラミックス積層体10を製造し、最下層11の面内の位置ずれ量を測定した。その結果、ダミーシート厚に依存して「最下層11の面内の位置ずれ量」が大きく変化することが判明した。即ち、ダミーシート厚が50μmでは位置ずれ量は18μm、ダミーシート厚が200μmでは位置ずれ量は10μm、ダミーシート厚が400μmでは位置ずれ量は8μmであった。
更に、ダミーシート厚が50μm以下であると、ダミーシート(下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50)を取り扱うことが困難になるという問題が生じた。具体的には、ダミーシート厚が50μm以下であると、ダミーシートをPETフィルム(上述した成形用フィルムと同様のフィルム)無しの状態で扱えず、PETフィルムを付与することなく無理に扱うとダミーシートに破れやシワが発生する。一方、ダミーシートが厚くなるほど、その厚みを精度良く制御することが困難になる。即ち、ダミーシート厚が400μmより大きくなると、ダミーシートの一の端部における厚みと他の端部における厚みとの差が過大となり、ダミーシートの平坦性が損なわれ、その結果、上部層を積層する際に一定圧力を加えることが困難となる。以上のことから、少なくとも下部ダミーシート40は、その厚みが50μm以上であって400μm以下であることが望ましい。また、上部ダミーシート50の厚みも、50μm以上であって400μm以下であることが更に好ましい。
以上、説明したように、第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法によれば、下部ダミーシート40を採用したことにより、上部積層用シート42〜49のセラミックグリーンシートのみならず最下層積層用シート41のセラミックグリーンシートにもシワ等の変形が発生しない。従って、最下層積層用シート41のセラミックグリーンシートに形成された導体膜24c(11b)と上部積層用シート42〜49のセラミックグリーンシートに形成された導体膜24c(12b〜19b)との間の位置ずれ量が小さいセラミックス積層体が容易に製造される。
<第1実施形態の第1変形例>
上記第1実施形態に係る製造方法においては、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を拘束焼成法における拘束層として使用していた。これに対し、上部ダミーシート50の積層工程(上部ダミーシート準備工程、上部ダミーシート配置工程及び上部ダミーシート加熱圧着工程)を省略することにより上部ダミーシート50を省略した積層体を焼成してもよい。即ち、下部ダミーシート40のみを拘束焼成法における拘束層として使用することができる。この場合においても、下部ダミーシート40を積層用シート41〜49からなる積層体の焼結完了時点において脆くなる組成から構成しておくことにより、下部ダミーシート40を焼結した積層体(セラミックス積層体10)から容易に除去することができる。
<第1実施形態の第2変形例>
上記第1実施形態に係る製造方法においては、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を拘束焼成法における拘束層として使用していた。これに対し、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を、プレート30から分離された後であって焼成前の段階にある積層体から除去し、下部ダミーシート40(及び上部ダミーシート50)が除去された積層体を焼成することにより、セラミックス積層体10を製造してもよい。
この場合、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50に含まれるバインダーの量を調整することにより、下部ダミーシート40と最下層積層用シート41との間の加熱圧着による接合力及び上部ダミーシート50と最上層積層用シート49との間の加熱圧着による接合力)を容易に調整することができる。これによれば、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を、焼成前の積層体から容易に除去することができる。また、下部ダミーシート40と最下層積層用シート41との間の接合力を、最下層積層用シート41の成形用フィルム21を剥離する際に最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート22に変形が生じない程度の強さに容易に調整することができる。なお、上部ダミーシート積層工程(上部ダミーシート準備工程、上部ダミーシート配置工程及び上部ダミーシート加熱圧着工程)を省略することにより上部ダミーシート50を省略した積層体を作成し、その積層体をプレート30から分離した後、焼成前の段階にある積層体から下部ダミーシート40を除去し、下部ダミーシート40が除去された積層体を焼成することにより、セラミックス積層体10を製造してもよい。
<第2実施形態(第2製造方法)>
次に、本発明の第2実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法(第2製造方法)について説明する。第2製造方法は、プレートの基台部と下部ダミーシートとの間に粘着性発現シートを配設する点、及び、粘着性発現シートを積層体の焼成前に除去する点、のみにおいて上記第1実施形態に係る製造方法(第1製造方法)と相違している。従って、以下、係る相違点に焦点を当てて説明する。
第2製造方法においても、プレート30を準備する工程、上記ステップ1乃至ステップ4の積層用シート準備工程(最下層積層用シート準備工程、上部積層用シート準備工程)、及び、上記ステップ5の下部ダミーシート準備工程が実施される。第2製造方法は、更に、図13に示した粘着性発現シート(加熱時粘着性発現シート)60を準備する工程を含む。
粘着性発現シート60は、加熱により昇温されたときに粘着性を帯びる粘着性発現面61を備えるシートである。粘着性発現シート60には、複数の基準ピン32を通過させるための複数の貫通孔60aが形成されている。貫通孔60aの形状は貫通孔24aの形状と同一である。複数の貫通孔60aは、その複数の貫通孔60a間の相対的位置が複数の基準ピン32間の相対的位置と一致するように形成される。粘着性発現シート60の平面視における形状は積層用シート24と同じである。
第2製造方法は、第1製造方法の下部ダミーシート配置工程(上記ステップ6及び上記ステップ7)に代えて、次のステップ21〜ステップ23を備える。
ステップ21:図14に示したように、粘着性発現シート60をプレート30の基台部31の上に配置するとともに、粘着性発現シート60を、吸引用貫通孔31aを通して下方(粘着性発現シート60から基台部31に向かう方向)に吸引する。これにより、粘着性発現シート60はプレート30の基台部31に吸着(固定)される。このとき、粘着性発現シート60は、プレート30の基準ピン32が粘着性発現シート60の貫通孔60aを挿通するように、且つ、粘着性発現面61の反対側の面がプレート30の基台部31の上面に接するように配置される。ステップ21は粘着性発現シート配置工程と称呼される。
ステップ22:粘着性発現シート60を加熱することにより昇温させ、粘着性発現シートの上面(粘着性発現面61)に粘着性を発現させる。
ステップ23:この状態において、下部ダミーシート40を粘着性発現シート60の上(即ち、粘着性発現面61の上)に配置する。このとき、下部ダミーシート40は、プレート30の基準ピン32が下部ダミーシート40の貫通孔40aを挿通するように配置される。下部ダミーシート40は粘着性発現面61に現れた粘着性により粘着性発現シート60に接合される。このステップ23は、下部ダミーシート配置工程に相当する。
下部ダミーシート40は積層用シート24のセラミックグリーンシート22に比較して、その厚さを大きくしておくことが可能である。従って、仮に下部ダミーシート40を粘着性発現シート60の上に配置したとき、粘着性発現面61に現れている粘着性によって下部ダミーシート40の下面にシワが生じたとしても、そのシワの影響は下部ダミーシート40の上面には現れ難い。
以降、第2製造方法においては、第1製造方法と同様な積層が行われる。即ち、図15に示したように、最下層積層用シート配置工程により最下層積層用シート41が下部ダミーシート40の上面に配置され、第1加熱圧着工程により最下層積層用シート41が下部ダミーシート40に加熱圧着される。そして、第1フィルム剥離工程において、最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート成形用フィルム21が最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート22から剥離される。
このように、第2製造方法においては、粘着性発現シート60及び下部ダミーシート40の上に最下層積層用シート41を積層させる。従って、仮に粘着性発現シート60が吸引によってプレート30の基台部31に固定されることにより、粘着性発現シート60の下面(基台部31との接触面)に凹凸が生じていたとしても、その凹凸は粘着性発現シート60及び下部ダミーシート40により吸収されるから、下部ダミーシート40の上面は平坦性を維持する。その結果、最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート22にシワ等の変形が一層発生し難くなる。従って、最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート22に形成された導体膜24c(11b)と上部積層用シート42〜49のセラミックグリーンシートに形成された導体膜24c(12b〜19b)との間の位置ずれをより一層生じ難くすることができる。
その後、図15に示したように、上述した第N上部シート積層工程を所要の回数だけ繰り返し実施する。これにより、上部積層用シート42〜49が積層される。次いで、上部ダミーシート50が上部積層用シート49の上部に更に積層・加熱圧着される。
更に、第2製造方法は、第1製造方法のステップ17に代わるステップ24及びステップ25を備える。
ステップ24:プレート30の上に積層された積層体をプレート30から分離する。即ち、吸引用貫通孔31aを用いた吸引を停止し、積層体を基準ピン32から引き抜く。
ステップ25:粘着性発現シート60を冷却し、粘着性発現シート60を積層体から分離する。粘着性発現シート60は冷却されて温度が低下すると粘着性を失う。従って、このステップ25において、粘着性発現シート60を積層体から容易に分離することができる。ステップ24及びステップ25は分離工程とも称呼される。
その後、積層体を焼成し、焼成終了後に下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を除去する。このように、第2製造方法においても、積層体を焼成した後に下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を除去するから、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を拘束焼成法における拘束層として使用することができる。この場合においても、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を、積層用シート41〜49の積層体の焼結完了時点において脆くなる組成から構成しておくことにより、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を焼結した積層体(セラミックス積層体10)から容易に除去することができる。
以上により、セラミックス積層体10が製造される。このセラミックス積層体10においては、図12に「正方形」のプロットにより示したように、最下層11の導体膜11bの他の層の導体膜12b〜19bに対する層面に沿う方向の位置ずれ量(この場合、数μm)が、「×」又は「三角」のプロットにより示される従来の製造方法による場合の位置ずれ量よりも格段に小さくなっていた。
このように、第2製造方法によれば、粘着性発現シート60及び下部ダミーシート40の存在により、最下層積層用シート41のセラミックグリーンシートにシワ等の変形が一層発生し難い。従って、最下層積層用シート41のセラミックグリーンシートに形成された導体膜24c(11b)と上部積層用シート42〜49のセラミックグリーンシート22に形成された導体膜24c(12b〜19b)との間の位置ずれを、より一層生じ難くすることができる。
なお、発明者は、プレート30の基台部31の上面に粘着性発現シート60を配置し、その粘着性発現シート60を加熱・昇温させた状態にて最下層積層用シート41を粘着性発現シート60の上に直接配置する方法についても検討を行った。しかしながら、この方法によれば、図12に「黒塗りの円」のプロットにより示したように、最下層11の導体膜11bの他の層の導体膜12b〜19bに対する層面に沿う方向の位置ずれ量が比較的大きくなった。これは、粘着性発現シート60上に最下層積層用シート41を配置した際、粘着性発現シート60の粘着性により、最下層積層用シート41が変形した状態にて粘着性発現シート60に接合してしまうためであると推察される。
<第2実施形態の第1変形例>
上記第2実施形態に係る製造方法においては、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を拘束焼成法における拘束層として使用していた。これに対し、上部ダミーシート50の積層工程(上部ダミーシート準備工程、上部ダミーシート配置工程及び上部ダミーシート加熱圧着工程)を省略することにより上部ダミーシート50を省略した積層体を焼成してもよい。即ち、下部ダミーシート40のみを拘束焼成法における拘束層としても使用することができる。この場合においても、下部ダミーシート40を積層用シート41〜49の積層体の焼結完了時点において脆くなる組成から構成しておくことにより、下部ダミーシート40を焼結した積層体(セラミックス積層体10)から容易に除去することができる。
<第2実施形態の第2変形例>
上記第2実施形態に係る製造方法及び第2実施形態の第1変形例においては、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を拘束焼成法における拘束層として使用していた。これに対し、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を、プレート30から分離された後であって焼成前の段階にある積層体から除去し、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50が除去された積層体を焼成することにより、セラミックス積層体10を製造してもよい。
この場合、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50に含まれるバインダーの量を調整することにより、下部ダミーシート40と最下層積層用シート41との間の加熱圧着による接合力及び上部ダミーシート50と最上層積層用シート49との間の加熱圧着による接合力を容易に調整することができる。これによれば、下部ダミーシート40及び上部ダミーシート50を、焼成前の積層体から容易に除去することができる。また、下部ダミーシート40に含まれるバインダーの量を調整することにより、下部ダミーシート40と最下層積層用シート41との間の接合力を、最下層積層用シート41の成形用フィルム21を剥離する際に最下層積層用シート41のセラミックグリーンシート22に変形が生じない程度の強さに容易に調整することができる。なお、第2製造方法においても、上部ダミーシート積層工程(上部ダミーシート準備工程、上部ダミーシート配置工程及び上部ダミーシート加熱圧着工程)を省略することにより上部ダミーシート50を省略した積層体を作成し、その積層体をプレート30から分離した後、更に、粘着性発現シート60を積層体から分離するとともに、下部ダミーシート40を積層体から除去し、下部ダミーシート40が除去された積層体を焼成することにより、セラミックス積層体10を製造してもよい。
以上、説明したように、本発明の各実施形態に係る製造方法によれば、積層体の最下層に形成された導体膜(及び/又はビアホール)と他の層の導体膜(及び/又はビアホール)との間の位置ずれ量を効果的に低減することができる。なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、複数の積層用シートの厚さは互いに相違していてもよい。更に、上述したように、セラミックス積層体10を構成する各セラミックス層の総てに導体膜が形成されている必要はなく、最下層と、最下層の上部に位置する複数の上部層のうちの少なくとも一つの層に導体膜が配されていればよい。また、積層用シートの平面視における形状は、円形及び長円形等の長方形以外の形状であってもよい。更に、プレート30の複数の基準ピン32の径は互いに異なっていてもよい。その場合、各積層用シート等に形成される基準孔を挿通するための貫通孔の径も異なる。加えて、基準ピン32の断面形状と、貫通孔24a、貫通孔40a及び貫通孔60aの平面視における形状と、は円形以外であってもよい。更に、第1製造方法における下部ダミーシート40、及び、第2製造方法における粘着性発現シート60は、接着により基台部31に接合・固定されてもよい。
本発明の各実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法により製造されるセラミックス積層体の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の工程を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の途中の段階において作成される積層用シートの平面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法において積層用シートを積層する際に使用するプレートの斜視図、(B)は同プレートの縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の途中の段階において作成される下部ダミーシートの斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の一つの工程を説明するための図であり、(A)はプレート及び下部ダミーシートの斜視図、(B)はプレート及び下部ダミーシートの縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の他の一つの工程を説明するための図であり、(A)はプレート及び下部ダミーシート等の斜視図、(B)はプレート及び下部ダミーシート等の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の更に別の工程を説明するための図であり、(A)はプレート及び下部ダミーシート等の斜視図、(B)はプレート及び下部ダミーシート等の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の更に別の工程を説明するための図であり、(A)はプレート及び下部ダミーシート等の斜視図、(B)はプレート及び下部ダミーシート等の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の更に別の工程を説明するための図であり、(A)はプレート及び下部ダミーシート等の斜視図、(B)はプレート及び下部ダミーシート等の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の更に別の工程を説明するためのプレート、下部ダミーシート、積層用シート及び上部ダミーシートの縦断面図である。 本発明の第1及び第2実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法、並びに、従来のセラミックス積層体の製造方法によりセラミックス積層体を製造した各場合における、最下層の導体膜の他の層の導体膜に対する位置ずれ量を示したグラフである。 本発明の第2実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の途中の段階において作成される粘着性発現シートの斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の一つの工程におけるプレート及び粘着性発現シートの縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法の他の工程を説明するためのプレート、粘着性発現シート、下部ダミーシート、積層用シート及び上部ダミーシートの縦断面図である。 従来のセラミックス積層体の製造方法により製造されるセラミックス積層体の分解斜視図である。 従来のセラミックス積層体の製造方法の工程を説明するための図である。 従来のセラミックス積層体の製造方法の工程を説明するための図である。 従来のセラミックス積層体の製造方法の工程を説明するための図である。
符号の説明
10…セラミックス積層体、11〜19…セラミックス層(11…最下層、12〜19…中間層、19…最上層)、11a〜19a…セラミックス薄板体、11b〜19b…導体膜、21…セラミックグリーンシート成形用フィルム、22…セラミックグリーンシート、23…切断片、24…積層用シート、24a…貫通孔、24b…ビアホール、24c…導体膜、30…プレート、31…基台部、31a…吸引用貫通孔、32…基準ピン、40…下部ダミーシート、40a…貫通孔、41…最下層積層用シート、42〜49…中間層積層用シート、50…上部ダミーシート、60…粘着性発現シート、60a…貫通孔、61…粘着性発現面。

Claims (11)

  1. 複数のセラミックグリーンシートを積層した後に焼成することによりセラミックス積層体を製造するセラミックス積層体の製造方法であって、
    複数の基準ピンが立設されたプレートを準備するプレート準備工程と、
    セラミックグリーンシートの成形用フィルムと同成形用フィルムの上面に成形されたセラミックグリーンシートと同セラミックグリーンシートの上面に形成された所定パターンの導体膜とを有し且つ前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された最下層積層用シートを準備する最下層積層用シート準備工程と、
    セラミックグリーンシートの成形用フィルムと同成形用フィルムの上面に成形されたセラミックグリーンシートとを有し且つ前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された上部積層用シートを複数準備するとともに、同複数の上部積層用シートのうちの少なくとも一つのシートの同セラミックグリーンシートの露呈面に所定パターンの導体膜を形成する上部積層用シート準備工程と、
    前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された下部ダミーシートとしてのセラミックグリーンシートを準備する下部ダミーシート準備工程と、
    前記プレートの前記基準ピンが前記下部ダミーシートの前記貫通孔を挿通するように同下部ダミーシートを同プレートの上に配置するとともに同下部ダミーシートを同プレートに対して固定する下部ダミーシート配置工程と、
    前記プレートの前記基準ピンが前記最下層積層用シートの前記貫通孔を挿通するように且つ同最下層積層用シートの前記セラミックグリーンシートの露呈面が前記下部ダミーシートの上面に接するように同最下層積層用シートを同下部ダミーシートの上に配置する最下層積層用シート配置工程と、
    少なくとも前記配置された最下層積層用シートを加熱しながら同最下層積層用シートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同最下層積層用シートに加えることにより同最下層積層用シートを前記下部ダミーシートに圧着する第1加熱圧着工程と、
    前記圧着された最下層積層用シートの前記成形用フィルムを同最下層積層用シートの前記セラミックグリーンシートから剥離する第1フィルム剥離工程と、
    前記プレートの前記基準ピンが前記複数の上部積層用シートのうちの一つのシートの前記貫通孔を挿通するように且つ同一つのシートの前記セラミックグリーンシートの露呈面が前記最下層積層用シートの前記成形用フィルムが剥離された面に接するように同一つの上部積層用シートを同最下層積層用シートの上に配置する上部積層用シート配置工程と、
    少なくとも前記配置された上部積層用シートを加熱しながら同上部積層用シートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同上部積層用シートに加えることにより同上部積層用シートを前記最下層積層用シートに圧着する第2加熱圧着工程と、
    前記圧着された上部積層用シートの前記成形用フィルムを同上部積層用シートの前記セラミックグリーンシートから剥離する第2フィルム剥離工程と、
    を含むセラミックス積層体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のセラミックス積層体の製造方法において、
    前記下部ダミーシートは、その厚みが50μm以上であって400μm以下である製造方法。
  3. 請求項1に記載のセラミックス積層体の製造方法であって、
    前記プレートの前記基準ピンが前記複数の上部積層用シートのうちの他の一つである第N上部積層用シートの前記貫通孔を挿通するように且つ同第N上部積層用シートの前記セラミックグリーンシートの露呈面が既に下層のセラミックグリーンシートに圧着された積層済みセラミックグリーンシートの前記成形用フィルムが剥離された面に接するように同第N上部積層用シートを同積層済みセラミックグリーンシートの上に配置する第N上部積層用シート配置工程と、
    少なくとも前記配置された第N上部積層用シートを加熱しながら同第N上部積層用シートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同第N上部積層用シートに加えることにより同第N上部積層用シートを前記積層済みセラミックグリーンシートに圧着する第N加熱圧着工程と、
    前記圧着された第N上部積層用シートの前記成形用フィルムを同第N上部積層用シートの前記セラミックグリーンシートから剥離する第Nフィルム剥離工程と、
    とからなる上部シート積層工程を複数回繰り返し実行するセラミックス積層体の製造方法。
  4. 請求項3に記載のセラミックス積層体の製造方法であって、
    前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離する分離工程と、
    前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
    前記焼成工程終了後に前記下部ダミーシートを除去する下部ダミーシート除去工程と、
    を含むセラミックス積層体の製造方法。
  5. 請求項3に記載のセラミックス積層体の製造方法であって、
    前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離するとともに前記下部ダミーシートを同積層体から除去する分離工程と、
    前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
    を含むセラミックス積層体の製造方法。
  6. 請求項3に記載のセラミックス積層体の製造方法であって、
    前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された上部ダミーシートとしてのセラミックグリーンシートを準備する上部ダミーシート準備工程と、
    前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に、前記プレートの前記基準ピンが前記上部ダミーシートの前記貫通孔を挿通するように且つ同上部ダミーシートの一面が既に下層のセラミックグリーンシートに圧着された積層済みセラミックグリーンシートの前記成形用フィルムが剥離された面に接するように、同上部ダミーシートを同積層済みセラミックグリーンシートの上に配置する上部ダミーシート配置工程と、
    少なくとも前記配置された上部ダミーシートを加熱しながら同上部ダミーシートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同上部ダミーシートに加えることにより同上部ダミーシートを前記積層済みセラミックグリーンシートに圧着する上部ダミーシート加熱圧着工程と、
    前記上部ダミーシート加熱圧着工程終了後に前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離する分離工程と、
    前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
    前記焼成工程終了後に前記下部ダミーシート及び前記上部ダミーシートを除去するダミーシート除去工程と、
    を含むセラミックス積層体の製造方法。
  7. 複数のセラミックグリーンシートを積層した後に焼成することによりセラミックス積層体を製造するセラミックス積層体の製造方法であって、
    複数の基準ピンが立設されたプレートを準備するプレート準備工程と、
    加熱により昇温されたときに粘着性を帯びる粘着性発現面を一つの面に備えるシートであって前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された粘着性発現シートを準備する工程と、
    セラミックグリーンシートの成形用フィルムと同成形用フィルムの上面に成形されたセラミックグリーンシートと同セラミックグリーンシートの上面に形成された所定パターンの導体膜とを有し且つ前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された最下層積層用シートを準備する最下層積層用シート準備工程と、
    セラミックグリーンシートの成形用フィルムと同成形用フィルムの上面に成形されたセラミックグリーンシートとを有し且つ前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された上部積層用シートを複数準備するとともに、同複数の上部積層用シートのうちの少なくとも一つのシートの同セラミックグリーンシートの露呈面に所定パターンの導体膜を形成する上部積層用シート準備工程と、
    前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された下部ダミーシートとしてのセラミックグリーンシートを準備する下部ダミーシート準備工程と、
    前記プレートの前記基準ピンが前記粘着性発現シートの前記貫通孔を挿通するように且つ前記粘着性発現面と反対側の面が同プレートの上面に接するように同粘着性発現シートを同プレートの上に配置するとともに同粘着性発現シートを同プレートに対して固定する粘着性発現シート配置工程と、
    前記粘着性発現シートを加熱することにより昇温させた状態において、前記プレートの前記基準ピンが前記下部ダミーシートの前記貫通孔を挿通するように同下部ダミーシートを前記粘着性発現シートの粘着性発現面の上に配置する下部ダミーシート配置工程と、
    前記プレートの前記基準ピンが前記最下層積層用シートの前記貫通孔を挿通するように且つ同最下層積層用シートの前記セラミックグリーンシートの露呈面が前記下部ダミーシートの上面に接するように同最下層積層用シートを同下部ダミーシートの上に配置する最下層積層用シート配置工程と、
    少なくとも前記配置された最下層積層用シートを加熱しながら同最下層積層用シートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同最下層積層用シートに加えることにより同最下層積層用シートを前記下部ダミーシートに圧着する第1加熱圧着工程と、
    前記圧着された最下層積層用シートの前記成形用フィルムを同最下層積層用シートの前記セラミックグリーンシートから剥離する第1フィルム剥離工程と、
    前記プレートの前記基準ピンが前記複数の上部積層用シートのうちの一つのシートの前記貫通孔を挿通するように且つ同一つのシートの前記セラミックグリーンシートの露呈面が前記最下層積層用シートの前記成形用フィルムが剥離された面に接するように同一つの上部積層用シートを同最下層積層用シートの上に配置する上部積層用シート配置工程と、
    少なくとも前記配置された上部積層用シートを加熱しながら同上部積層用シートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同上部積層用シートに加えることにより同上部積層用シートを前記最下層積層用シートに圧着する第2加熱圧着工程と、
    前記圧着された上部積層用シートの前記成形用フィルムを同上部積層用シートの前記セラミックグリーンシートから剥離する第2フィルム剥離工程と、
    を含むセラミックス積層体の製造方法。
  8. 請求項7に記載のセラミックス積層体の製造方法であって、
    前記プレートの前記基準ピンが前記複数の上部積層用シートのうちの他の一つである第N上部積層用シートの前記貫通孔を挿通するように且つ同第N上部積層用シートの前記セラミックグリーンシートの露呈面が既に下層のセラミックグリーンシートに圧着された積層済みセラミックグリーンシートの前記成形用フィルムが剥離された面に接するように同第N上部積層用シートを同積層済みセラミックグリーンシートの上に配置する第N上部積層用シート配置工程と、
    少なくとも前記配置された第N上部積層用シートを加熱しながら同第N上部積層用シートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同第N上部積層用シートに加えることにより同第N上部積層用シートを前記積層済みセラミックグリーンシートに圧着する第N加熱圧着工程と、
    前記圧着された第N上部積層用シートの前記成形用フィルムを同第N上部積層用シートの前記セラミックグリーンシートから剥離する第Nフィルム剥離工程と、
    とからなる上部シート積層工程を複数回繰り返し実行するセラミックス積層体の製造方法。
  9. 請求項8に記載のセラミックス積層体の製造方法であって、
    前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離するとともに前記粘着性発現シートを冷却した後に同粘着性発現シートを同積層体から分離する分離工程と、
    前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
    前記焼成工程終了後に前記下部ダミーシートを除去する下部ダミーシート除去工程と、
    を含むセラミックス積層体の製造方法。
  10. 請求項8に記載のセラミックス積層体の製造方法であって、
    前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離し、前記粘着性発現シートを冷却した後に同粘着性発現シートを同積層体から分離し、且つ、前記下部ダミーシートを同積層体から除去する分離工程と、
    前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
    を含むセラミックス積層体の製造方法。
  11. 請求項8に記載のセラミックス積層体の製造方法であって、
    前記基準ピンを通過させるための貫通孔が複数形成された上部ダミーシートとしてのセラミックグリーンシートを準備する上部ダミーシート準備工程と、
    前記上部シート積層工程を所要回数だけ繰り返し実行した後に、前記プレートの前記基準ピンが前記上部ダミーシートの前記貫通孔を挿通するように且つ同上部ダミーシートの一面が既に下層のセラミックグリーンシートに圧着された積層済みセラミックグリーンシートの前記成形用フィルムが剥離された面に接するように、同上部ダミーシートを同積層済みセラミックグリーンシートの上に配置する上部ダミーシート配置工程と、
    少なくとも前記配置された上部ダミーシートを加熱しながら同上部ダミーシートの上部から前記プレートに向かう方向の圧力を同上部ダミーシートに加えることにより同上部ダミーシートを前記積層済みセラミックグリーンシートに圧着する上部ダミーシート加熱圧着工程と、
    前記上部ダミーシート加熱圧着工程終了後に、前記プレート上に積層された積層体を同プレートから分離し、且つ、前記粘着性発現シートを冷却した後に同粘着性発現シートを同積層体から分離する分離工程と、
    前記分離工程終了後に前記積層体を焼成する焼成工程と、
    前記焼成工程終了後に前記下部ダミーシート及び前記上部ダミーシートを除去するダミーシート除去工程と、
    を含むセラミックス積層体の製造方法。
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