JP2008543328A - ハイブリダイゼーションを安定化するコンストラクト - Google Patents

ハイブリダイゼーションを安定化するコンストラクト Download PDF

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Abstract

互いに連結された少なくとも2つのオリゴヌクレオチドから生産された、二本鎖DNAにトランス様式でハイブリダイズして転写に影響を与える能力を有するZ型コンストラクトであって、ここにおいて、オリゴヌクレオチドは、配列特異的なワトソン−クリック塩基対形成;共有結合のリンカー、または、前記オリゴヌクレオチドの主鎖間もしくは塩基間の直接的共有結合;または、非共有結合のリンカー、または前記オリゴヌクレオチドの主鎖間もしくは塩基間の直接的非共有結合の1つを介して互いに連結される。
【選択図】 図8

Description

本発明は、遺伝子工学分野に関係し、特にDNAまたはRNAの両方の鎖間のトランス型安定化ハイブリダイゼーション(trans−stabilizing−hybridization)を介する二本鎖DNAまたはRNAへのハイブリダイゼーションを安定化するためのコンストラクトに関する。
異常な遺伝子発現は、悪性腫瘍のような多くのヒトの疾患に関連している。これらの病気の治療において、特異的な遺伝子発現のサイレンシングが非常に大きな影響を有する可能性がある。配列特異的な方法でDNA二重鎖に結合する低分子物質は、遺伝子操作のための魅力的な候補であり、遺伝子ベースの治療剤に開発される見込みがある。
ロックト核酸(LNA)塩基は、リボース環の2’と4’位との間で架橋したメチレン炭素を含む(1,2)。この制約によりオリゴヌクレオチド主鎖をプレオーガナイズ(preorganize)させ、LNA塩基1個置換毎にTm値を10℃も増加させることができる。LNAは、ワトソン−クリック塩基対を形成する点で天然核酸に類似している。LNA塩基は標準的なDNA/RNA合成プロトコールによって導入されるので、LNAは純粋なLNAオリゴマーまたは混合型のLNA/DNAオリゴマーとして合成することができる。その上、LNAは相補的核酸に極めて効率的に結合し、インビトロおよび培養した哺乳動物細胞において活性なアンチセンス剤であり(3〜5)、さらにデコイ(6)、アプタマー(7)、LNAザイム(LNAzyme)(8)、およびDNA修復物質(9)でもあることが実証されている。しかしながら、LNAは、インビトロまたはインビボのいずれにおいても、DNA二重鎖へのストランドインベーション(strand invasion)のための低分子物質としても、アンチジーン剤としてもあまり高くない有効性しか示していない。
ペプチド核酸(PNA)は、繰り返しのN−(2−アミノ−エチル)−グリシン単位からなる中性のプソイドペプチド主鎖を有するオリゴヌクレオチド類似体である(10)。PNAは、ワトソン−クリック塩基対形成のルールに従うDNAおよびRNAを配列特異的に認識することができ(11)、そのハイブリッド複合体は非常に高い熱安定性と特有のイオン強度の効果を示す。また、PNAはDNAの二重鎖ホモプリン配列を認識することもでき、これにストランドインベーションによって結合し、ループを形成したDNA鎖と極めて安定なPNA−DNA−PNAの三重鎖を形成する(12〜14)。ピリミジンPNAをフレキシブルなリンカーによって連結してビスPNAを形成する場合、ストランドインベーションが最も効率的であり、この中の一つのPNA鎖がワトソン−クリック塩基対形成によってDNAにハイブリダイズし、一方、他方のPNA鎖がフーグスティーン塩基対形成によって結合する。PNAは、細胞のヌクレアーゼおよびプロテアーゼの両方に対して耐性を有するようである(15)。さらに近年、テール−クランプPNAによって、ストランドインベーションに関する応用が広がって、該PNAが二重鎖DNAに結合でき、インビトロで転写を阻害することが報告されている(16,17)。これらのPNAの特性は、アンチジーン分子としての使用に利点を有していてよいはずであった。これまで、インビトロでの無細胞実験から、三重鎖インベーション複合体が、特にテンプレート鎖に位置する場合、転写開始、加えて転写伸長の有効な阻害剤であるということが十分に確立されているにもかかわらず(16〜19)、遺憾ながら、本発明者等は、これらの三重鎖インベーション複合体が、培養した哺乳動物細胞において転写伸長を停止させることに成功できるということの直接的な証明について何も知らない。
WO96/02558A1(PCT/US95/09084)は、非環状の主鎖を有するDNA類似体、すなわちペプチド核酸の含有に基づくコンストラクトに関する。さらに、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが、フーグスティーン結合を示す。また、2種のオリゴヌクレオチドおよび/またはペプチド間のリンケージは、共有結合であることも明確に述べられている。本発明に係るコンストラクトの主な利点の一つは、塩基対を形成するリンケージである。
WO03/091455A1(PCT/US03/12480)では、一種のZ型LNAが示されているが、ただし一つの鎖がワトソン−クリックで結合し、第二がフーグスティーンで結合している点で重要な差を有するものである。二つの鎖は、同じ(シス)鎖と結合していてもよいし、または異なる(トランス)鎖と結合していてもよい。フーグスティーン結合した鎖は、同じ位置、またはその他の位置のいずれかで結合し、Z様の構造(ただしフーグスティーンを含む)を作出することができる。
WO95/01369A1(PCT/IB94/00211)は、主にデコイ、アンチセンス、蛍光プローブのための、およびDNA結合タンパク質を結合/ブロックするためのオリゴヌクレオチドとしてのPNAの使用を開示している。ワトソン−クリックを介した塩基対形成は、2つのオリゴヌクレオチド間に存在し得るリンカーとして記載されていない。リンカーは、共有結合または非共有結合で結合し、水素と塩基対を形成し、二本鎖構造を形成するための場所に2個のオリゴヌクレオチドを保持するために付加されている。さらに、直鎖状の主鎖しか問題とされていない。
WO99/22018A2(PCT/US98/22785)には、類似体プローブの使用が記載されているが、検出、同定および定量化に限られている。機能化する手段(遺伝子サイレンシング、遺伝子移入など)については何も述べられていないようである。この文書は、本発明に係るZ型の内部リンケージと間違えられる可能性がある2つのオリゴヌクレオチド間の部分的なハイブリダイゼーションを記載しているに過ぎない。この記載はむしろ、ハイブリダイズさせて2つのオリゴヌクレオチド間のクエンチングを達成することに焦点を当てており、分離すると蛍光シグナルを与える(正しい配列が存在しており、オリゴヌクレオチド−オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションが競合している場合に、そのサンプルは発光する)。
本発明者等は、数々の報告において、ビスPNAは、インビトロでは作用する可能性があると示されているにもかかわらず、ビスPNAは、適切なモル量を超過すると遺伝子のダウンレギュレーションを引き起こさない可能性があることを見出した。この研究において、本発明者等は、培養した哺乳動物細胞においてテール−クランプPNAをテンプレート鎖の内部に持たせることによって遺伝子の転写をブロックする可能性を調査することを試みた。膨大な量のPNA(150倍モル過剰(150-fold molar excess))が6個のPNA結合部位を有するプラスミドに付加された場合だけ、タンパク質発現の減少が観察された。この現象は、膨大な量のPNAが結合したことによって複数の結合部位の周囲に大きな複合体が形成されたことに起因する可能性がある。
しかしながら、本発明者等は、一方のLNA鎖がコード鎖に結合し、他方の鎖が逆のテンプレート鎖に結合し、7個の塩基対形成を含む架橋によって2つの直鎖状LNA鎖が連結された新規のアンチジーン試薬である「Z型LNA」を作製した(図1)。本発明者等は、Z型LNAが、DNA二重鎖への有効なストランドインベーションを誘導し、培養した哺乳動物細胞において「Z型LNA」がアンチジーン試薬として極めて強力な遺伝子のダウンレギュレーション(95%〜100%)を誘導したが、それに対して直鎖状LNAおよびビス−PNAはいずれも誘導しなかったことを証明した。
本発明者等は、二本鎖DNAにトランス様式でハイブリダイズして転写に影響を与える能力を有するコンストラクトを提供し、本コンストラクトは、互いに連結された少なくとも2個のオリゴヌクレオチドから生産され、ここにおいて、これらのオリゴヌクレオチドは、配列特異的なワトソン−クリック塩基対形成;共有結合のリンカー、または前記オリゴヌクレオチドの主鎖間もしくは塩基間の直接的共有結合;または非共有結合のリンカーまたは前記オリゴヌクレオチドの主鎖間もしくは塩基間の直接的非共有結合の1つを介して互いに連結される。
本発明およびそれらの実施態様は、添付された特許請求の範囲でさらに定義され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
図面の説明
本発明を、以下の説明と非限定的な実施例で、添付の図面を参照しながらより詳細に説明するが、図面は以下の通りである:
図1は、LNAおよびPNAオリゴマーとハイブリダイズした標的部位および配列の概略図を示す。このようなLNAおよびPNA標的部位を含むオリゴヌクレオチドを、プラスミドPN25のBglIIとAvrIIとの間の位置にクローニングした。a.テール−クランプビスPNA、PNA2582にハイブリダイズした59−merの二重鎖オリゴヌクレオチド、b.PN25プラスミドコンストラクト、c.PN252BSプラスミドコンストラクト、d.PNA2582およびそれに対応する標的部位、e.Z型LNAコンストラクト、ここにおいて、14−merのアーム(LNA389)はコード鎖に結合するが、それとは別の16−merのアーム(LNA390)は、7個の塩基対を含む架橋によって連結される2つのアームでテンプレート鎖に結合する。f.LNA389(Z型LNAの上半分)およびそれに対応する標的部位、g.LNA390(Z型LNAの下半分)およびそれに対応する標的部位、h.27−merのLNA7472およびそれに対応する標的部位、i.27−merのLNA7473およびそれに対応する標的部位。大文字は、LNAであり;小文字は、DNAであり;Cy−3、Cy−5は、標識されたプローブであり、Acrは、挿入される9−アミノアクリジンであり;Lysは、結合親和性を強化するためのリシンであり;Jは、プソイドイソシトシンであり、例えばエチレングリコール(8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸)リンカー単位である。
図2は、PNA2582結合の分析を示す。a.二重鎖DNAオリゴ(1μM)の固定濃度を、20mMリン酸ナトリウムを含む高濃度のPNA(20μl)と37℃で一晩インキュベートした。iDNAは、標的部位が欠失した無関係のコントロールDNAである。b.固定濃度の一本鎖DNA(1μM)を、高濃度の20mMリン酸ナトリウムを含むPNA(20μl)と37℃で一晩インキュベートした。この反応を、15%未変性(native)ポリアクリルアミドゲル中で電気泳動によって分析した。
図3は、不安定型緑色蛍光タンパク質発現に対するPNA三重鎖の作用を図示する。a.PNA結合部位を含んで、またはそれらを含まないプラスミドPN25を、PNA2582とプレハイブリダイズさせ、その後U−2OS細胞にトランスフェクションした。2日後に、d2EGFPタンパク質発現の強度を蛍光顕微鏡分析によってモニターした。1は、PNAを含まないPN252BSであり、2は、20倍モル過剰のPNA2582とプレハイブリダイズしたPN252BSであり、3は、PNAを含まないPN256BSであり、4は、20倍モル過剰のPNA2582とプレハイブリダイズしたPN256BSであり、5は、150倍モル過剰のPNA2582とプレハイブリダイズしたPN256BSであり、6は、PNAを含まないPN25であり、7は、150倍モル過剰のPNA2582とプレハイブリダイズしたPN25である。b.プラスミドPN25およびPN252BSは、20倍モル過剰のZ型LNAオリゴマーおよびビスPNA2582とそれぞれプレハイブリダイズさせ、続いて、UV4細胞にトランスフェクションした。48時間後、細胞を採取し、ウェスタンブロットでd2EGFPタンパク質発現を測定した。c.ゲル移動度の実験、プラスミドPN25およびPN256BSの消化物を、20倍モル過剰のPNA2582でプレハイブリダイズし、またはそれを用いないでプレハイブリダイズした;左のパネル;コントロールプラスミドPN25においてシフトを観察することができず、右のパネル;プラスミドPN256BSに対して約100%の標的DNAが飽和し、シフトした。d.プラスミドPN25、PN25−1BS、2BS、4BSおよび6BSを、それぞれ150倍モル過剰のPNA2582とプレハイブリダイズさせ、続いてU−2OS細胞にトランスフェクションした。48時間後、細胞を採取し、FACSでd2EGFP発現を解析した。
図4は、その他のコンストラクトと比較した、DNA二重鎖とZ型LNAとの結合を示す。a.プラスミドPN25およびPN252BS(5μg)を、20mMリン酸緩衝液(pH6.8)中で、10倍モル過剰のZ型LNA、LNA389、LNA390、LNA7472、およびLNA7473それぞれと37℃で一晩混合し、4〜20%ポリアクリルアミドTBEゲルで分析した。(1)SYBRゴールド(SYBR GOLD)で染色されたスーパーコイルプラスミドからのシグナルである。(2)Cy−5プローブで標識されたLNAからのシグナルである。(3)Cy−3プローブで標識されたLNAからのシグナルである。b.プラスミドPN25およびPN256BS(3μg)を、20mMリン酸緩衝液(pH6.8)中で、10倍過量のモル量のZ型LNA、LNA389、LNA390、混合型のPNA5171/LNA390それぞれと混合し、37℃で一晩インキュベートした。(1)SYBRゴールドで染色されたスーパーコイルプラスミドからのシグナルである。(2)Cy−5プローブで標識されたLNAからのシグナルである。(3)Cy−3プローブで標識されたLNAからのシグナルである。右のパネルは、Z型の混合型のPNA5171/LNA390の概略図である。c.20mMリン酸緩衝液(pH6.8)中で、プラスミドPN252BS(3μg)を、10倍モル過剰のZ型LNA、ブロック化Z−LNA(2つのZ−LNAアームと混合する前に、2つのLNAオリゴマーを連結する架橋を、相補的なLNA71およびLNA72とのハイブリダイゼーションでブロックした)とそれぞれ混合し、37℃で一晩インキュベートした。(1)Cy−5プローブで標識されたLNAからのシグナルである。(2)Cy−3プローブで標識されたLNAからのシグナルである。(3)SYBRゴールドで染色されたスーパーコイルプラスミドからのシグナルである。右のパネルは、ブロック化Z−LNAの概略図である。d.様々なLNAコンストラクトの結合効率のデンシトメーター解析である。(1)Cy−5強度である。(2)Cy−3強度である。
図5は、Z型LNAによって引き起こされた不安定型EGFP発現の阻害を示し、a.プラスミドPN25およびPN252BSが、10倍モル過剰のZ型LNAオリゴマー、およびコントロールLNAオリゴマーLNA389、LNA390、LNA7472、LNA7473のそれぞれとプレハイブリダイズさせ、その後、U−2OSにトランスフェクションした。48時間後、細胞を採取し、ウェスタンブロットによってd2EGFPタンパク質発現を測定した。b.d2EGFPタンパク質発現における阻害のデンシトメーター解析である。c.aで説明されているようにしてトランスフェクションした細胞のイメージングであり、d.プラスミドPN25およびPN252BSを、Z型LNAおよび混合型のZ−PNA/LNAのそれぞれとプレハイブリダイズさせ、その後、U−2OSにトランスフェクションした。48時間後、細胞を採取し、ウェスタンブロットによってd2EGFPタンパク質発現を測定した。e.d2EGFP発現における阻害のデンシトメーター解析である。f.プラスミドPN252BSを、Z型LNA、およびブロック化Z−LNA(図4の説明文を参照)それぞれとプレハイブリダイズさせ、その後、U−2OSにトランスフェクションした。48時間後、細胞を採取し、ウェスタンブロットによってd2EGFPタンパク質発現を測定した。g.d2EGFP発現における阻害のデンシトメーター解析である。h.d2EGFPmRNAレベルを、RT−PCRによって測定した。細胞のトランスフェクションは、aで説明されているようにして行った。i.プラスミドPN25およびPN252BSを、20倍モル過剰のZ型LNAとそれぞれプレハイブリダイズさせ、続いて、U2OS細胞にトランスフェクションした。48時間後、細胞を採取し、ウェスタンブロットによってd2EGFPおよびNPTタンパク質発現を測定した。
図6は、マイクロインジェクション後の、Z型LNA結合が介在するd2EGFP遺伝子発現のブロックを示す。LNAに結合したPN252BSプラスミド、およびmock処理したプラスミドを核内にインジェクションしてから16時間後に、d2EGFP遺伝子発現を測定した。全てのケースにおいて、コントロールプラスミドであるpDsRed2−N1を共にインジェクションした(co−injected)。上部のパネルに、d2EGFPの蛍光を示し、下部のパネルに、DsRed2蛍光を示す。aおよびcは、PN252BSプラスミドDNA単独をインジェクションしたNIH−3T3細胞である。bおよびdは、Z型LNAに結合したPN252BSをインジェクションしたNIH−3T3である。
図7は、U6プロモーター遺伝子を転写するRNAポリメラーゼIIIをブロックすることによってEGFPタンパク質のその他のプロモーターをダウンレギュレーションすることを示す。レーン1、EGFPlucプラスミド単独でのトランスフェクションである。レーン2、EGFPlucおよびU6−shlucプラスミド(0BS)(1:4)両方でのトランスフェクションである。レーン3、EGFPlucおよびZ型LNAでプレハイブリダイズされた−U6−shlucプラスミド(0BS)(1:4)両方でのトランスフェクション(co−transfected)である。レーン4、EGFPluc、およびU6−shlucプラスミド(2BS)(1:4)両方でのトランスフェクションである。レーン5、EGFPluc、およびZ型LNAでプレハイブリダイズされた−U6−shlucプラスミド(2BS)(1:4)両方でのトランスフェクションである。
図8は、a)ワトソン−クリック様塩基対形成、b)共有結合のリンケージ、c)非共有結合のリンケージによって形成された本発明のZ型コンストラクトの略図である。オリゴヌクレオチドの方向は逆平行(anti−parallel)であり、y’は、5’または3’のいずれかである。
図9は、LNAの代替の化学組成を図示しており、ノース(North)またはサウス(South)リボース環のいずれかである。a)は、オキシ−LNAであり、b)は、アミノ−LNAであり、c)は、PNAである。
図10は、本発明の実施態様において、どのように両方のオリゴヌクレオチドが、ワトソン−クリック様塩基対形成によって逆平行のトランスの形態で二本鎖DNAにハイブリダイズするかを示す。
図11は、コンストラクトが、伸長したZ型構成要素の複数のZ型構成要素を含むような実施態様を説明する。
説明
本発明に係るコンストラクトの目的は、DNA(理論上RNAも可能)の両方の鎖のトランス−ハイブリダイゼーションを介する、二本鎖DNA(RNA)間のハイブリダイゼーションを安定化させることである。本発明者等は、転写伸長を停止させるために本発明のコンストラクトを利用したが、その他の用途も可能であり、例えば、これらに限定されないが、真核性(ゲノム)の、および細菌またはウイルスのDNA/RNAの翻訳、ならびに転写および翻訳の阻害、または固定(アンカー)するための実体としての用途があり、これらは、本出願人によるWO00/15824(PCT/SE99/00398)で説明されている通りである。その説明、実施例および特許請求の範囲において、用語「オリゴヌクレオチド」は、用語「オリゴマー」と置き換えることができる。
本発明者等は、少なくとも第一および第二のオリゴヌクレオチドを含むコンストラクトを提供し、試験しているが、ここにおいて、前記第一のオリゴヌクレオチドは、3’または5’末端それぞれで、前記第二のオリゴヌクレオチドの3’または5’末端それぞれに連結され、前記第一のオリゴヌクレオチドの3’末端は、前記第二のオリゴヌクレオチドの5’末端に向かっており(逆もまた同様)、好ましくは配列特異的なワトソン−クリック塩基対形成を介して、逆平行の方向に向いている。このコンストラクトは費用効率が高く、組み合わせが柔軟であり、合成が簡単である。
用語「逆平行」は、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドに関して、DNAの2つの鎖は、逆の化学極性を有すること、または、別の言い方をすれば、それらの糖−リン酸主鎖が、逆の方向に進んでいることを意味する。核酸の方向は、DNAの糖−リン酸主鎖におけるリボース環の炭素を参照することによって特定される。5’は、リボース環中の、酸素原子から時計回りに数えて5番目の炭素と特定され、3’は、環中の3番目の炭素と特定される。次いで、これらの炭素との関係で、DNA分子の方向およびDNA分子に準拠した方向が特定される。例えば、結果として起こる発現のための転写、すなわちDNAをRNAに転写する作用は、常に5’から3’への方向で起こる。5’メチル基と、ヒドロキシル基に結合した3’環炭素との間の化学的性質が異なるために、核酸の重合が、逆方向、3’から5’への方向で起こり得ない。
ある実施態様によれば、前記オリゴヌクレオチドは、共有結合のリンカー、または前記オリゴヌクレオチドの主鎖間もしくは塩基間の直接的共有結合を介して互いに連結される。
その他の実施態様によれば、前記オリゴヌクレオチドは、非共有結合のリンカー、または前記オリゴヌクレオチドの主鎖間もしくは塩基間の直接的非共有結合を介して互いに連結される。
その他の実施態様によれば、前記オリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、それらの類似体、またはそれらの任意の混合物から選択され、ここにおいて、前記オリゴヌクレオチドの組成は、様々なオリゴヌクレオチドから独立して選択することができる。好ましくは、前記DNAおよび/またはRNAオリゴヌクレオチドは、LNAを少なくとも1個含有する。
その他の実施態様によれば、前記DNAおよび/またはRNAオリゴヌクレオチドは、機能化したアミノ−LNAを少なくとも1個含有する。アミノ−LNAは市販されていないが、その中性電荷のために、これが好ましい選択の場合がある。R側鎖は何であってもよく、最も簡単な形態は、水素となる。予備実験では、通常のオキシ−LNAを用いた。二本鎖DNAへのストランドインベーションのために、リボース環のサウス(DNA様の)立体配置は、LNAおよびアミノ−LNA両方に関して好ましいと予想された。しかしながら、ノースの立体配置のみが利用可能であった。
さらにその他の実施態様によれば、前記DNAおよび/またはRNAオリゴヌクレオチドは、PNAを少なくとも1個含有する。
さらにその他の実施態様によれば、前記コンストラクトは、トランス様式で二本鎖DNAにハイブリダイズする。前記オリゴヌクレオチドの標的配列が、好ましくは、5塩基以下を隔てて近接している。あるいは、前記オリゴヌクレオチドの標的配列が、隣接している。好ましくは、前記オリゴヌクレオチドの標的配列が、部分的にオーバーラップしており、最も好ましくは1〜8塩基がオーバーラップする。このようにすることによって、目的とするDNA結合領域において自己ハイブリダイゼーションを併発することなく、ハイブリッドに最良の安定性が付与されることになる。予備実験において、本発明者等は、1塩基のオーバーラップを用いた。
ここ数年、多くの前駆細胞(様々な組織に関する幹細胞を含む)の特徴付けが行われてきた。胚性幹(ES)細胞は細胞の最も未成熟の形態とみなされており、これらはその他のあらゆる細胞系統に分化する能力を有する。また幹細胞の成熟型も存在する。この分化プロセスは、多数の転写活性化因子および阻害物質を介して調節される。Z型コンストラクトは、これらのプロセスの新規な合成レギュレーターとして用いることができる。一つの非限定的な実施例において、培養したES細胞(または成熟幹細胞)は、1種またはそれ以上のZ型コンストラクトの添加を介して特定の細胞系統に分化するように作製することができる。特定の細胞期が始まったら、もはや分化を誘導する物質を添加する必要がなくなるため、Z型コンストラクトの使用は一過性となる。このような細胞は、ヒトまたはその他の種において再生治療に用いることができる。
しかしながら、本発明者等はまた、オリゴヌクレオチドの標的配列が、実質的に、または完全にオーバーラップしたコンストラクトも予定しており、このようなコンストラクトの完全な自己ハイブリダイゼーションは、改変された塩基および/または改変された主鎖を使用することで妨げられる。
また本発明には、前記オリゴヌクレオチドのいずれかの内部に、またはその末端のいずれかに追加の接合体(conjugates)が付加された、上述のようなコンストラクトも含まれる。前記追加の接合体は、オリゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、標識、例えば蛍光または同位体標識、生物学的に活性な分子または不活性分子から選択される。
方法
細胞培養
U−2OS、COS−7、NIH−3T3細胞を、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC、HTB−96、ロックビル,メリーランド州)から得、UV4細胞系を、Thomas Helleday博士(ストックホルム大学(Stockholm University),スウェーデン)から入手した。これらの細胞を、10%(v/v)の熱で不活化したウシ胎児血清および100μg/mlのペニシリン−ストレプトマイシン(インビトロジェン(Invitrogen),ストックホルム,スウェーデン)が補足されたダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養した。細胞を、加湿した5%CO2インキュベーター中で、37℃で培養した。
プラスミドコンストラクト
1、2、4または6個の結合部位(BS)、PN251BS、PN252BS、PN254BSおよびPN256BSを有するプラスミドを標準的な分子クローニング法によって構築した。DNAフラグメントを、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーター/エンハンサー要素で駆動する不安定化強化緑色蛍光タンパク質(d2EGFP)レポーターを固定したPN25プラスミドのBglIIおよびAvrII部位に挿入した(20)。元のプラスミドは、Piruz Nahreini博士(コロラド大学(University of Colorado),コロラド州)から入手した。
トランスフェクション
細胞を、ウェルあたり1×106細胞の密度で6枚のウェルプレートに播種し、トランスフェクションの18時間前に付着させた。プラスミドPN252BSおよびPN256BS(1μg)を、20mMリン酸緩衝液(pH6.8)中で、10倍モル過剰のLNAオリゴマー、または20倍または150倍モル過剰のビスPNA(2.5μM)と37℃で一晩インキュベートした。フージーン6(Fugene 6)試薬(ロシュ・モレキュラー・バイオケミカルズ(Roche Molecular Biochemicals),ストックホルム,スウェーデン)を用いて、PNA/LNAが結合したプラスミドDNAを導入した。トランスフェクション溶液を、製造元のプロトコールに従って無血清培地を用いて調製した。タンパク質発現を解析するために、細胞をトランスフェクションの48または72時間後に採取した。コトランスフェクション実験において、トランスフェクションの直前に、プラスミドPN256BSを量を増加させたPNA2582(90倍、180倍、270倍、360倍モル過剰)と混合し、続いて、フージーン6によって、PNAとプラスミドとの混合物をU−2OS細胞にトランスフェクションした。タンパク質発現の解析のために、細胞をトランスフェクションの48時間後に採取した。全ての実験を少なくとも3回繰り返した。値は、代表的な実験からの3連の平均((+/−)SD)として示した。
オリゴヌクレオチド、 PNAおよびLNA
ビスPNA、およびZ型LNA結合部位(5’−CAGCGCATGGGTGCCCCTCCTCTTTCTTCA−3’、および5’−TGAAGAAAGAGGAGGGGCACCCATGCGCTG−3’)、およびこの研究で用いられるプライマーを含むオリゴヌクレオチドは、DNAテクノロジー社(DNA Technology A/S,オーフス,デンマーク)、またはサイバージーン社(Cybergene AB,フッディンゲ,スウェーデン)によって合成されたものであり、これらをカートリッジ型の精製装置(Cartridge Purification)を用いて精製した。図1に示されるペプチド核酸のPNA2582(Acr−Lys−Lys−CCCCTCCTCTTTCTT−(eg1)3−TTJTTTJTJJ−Lys−NH2、Acr(挿入される9−アミノアクリジン);Lys(リシン))を、Peter Nielsen教授(コペンハーゲン大学(University of Copenhagen),デンマーク)から入手した。これまでに述べられたようにしてPNAを合成した(21)。図4bに示されるPNA5171(n−OTCAATCTGCACCCATGCGCTGCTG−n)を、バイオシンセシス社(BioSynthesis Inc.,ルイスビル,テキサス州)から購入し、HPLCで精製した。図1および図4cに示される一連のCy−3またはCy−5末端が標識された、HPLCで精製したロックト核酸を、プロリゴ社(Proligo SAS,パリ,フランス)から購入した(図1)。
PNA結合分析
標的の二重鎖に結合するPNAを、ゲル移動度のシフト分析を用いることによって測定した。PNA結合部位を含む2つの相補的な59−merを合成した。この二重鎖DNAを、TE緩衝液(10mMトリス/1mMのEDTA、pH8.0)中で両方の59−merを1:1の比率で混合し、この溶液を95℃で5分間インキュベートし、続いて、それを室温にゆっくり冷却することによって製造した。PNA結合部位を含む59−merの固定濃度の二重鎖DNA、または一本鎖DNA鎖(1μM)をそれぞれ、20mMリン酸ナトリウムを含む溶液20μL中で濃度を増加させたPNAと37℃で一晩インキュベートした。この反応を、15%天然ポリアクリルアミドゲル中で電気泳動によって解析した。
LNA結合分析
プラスミドの標的部位に結合するCy−3/Cy−5で標識したLNAを、モレキュラー・イメージャーFX(Molecular Imager FX)装置(バイオ・ラッド・ラボラトリーズ(Bio−Rad Laboratories),スンドビーベリ,スウェーデン)を用いて検出した。プラスミドDNAのPN25、PN252BS、または、PN256BS(1μg)を、20mMリン酸緩衝液(pH6.8)中で、10倍過量のモル量のLNAオリゴマー、または、混合型のLNA/PNAオリゴマーと混合し、それぞれ37℃で一晩インキュベートした。この反応を、ノヴェックス(Novex(R))の4〜20%ポリアクリルアミドTBEゲル(インビトロジェン)での電気泳動によって分析した。
RT−PCR
キアゲン(Qiagen)のRNA/DNAミニキット(キアゲン,ストックホルム,スウェーデン)を用いてトータルRNAを製造し、キアゲンワンステップRT−PCRキット(キアゲン)と遺伝子に特異的なプライマーを用いて、製造元のプロトコールに従ってRT−PCRを行った。d2EGFPに関するフォワードおよびリバースプライマーは、それぞれ、5’−TCAGATCGCCTGGAGACG−3’、および5’−TGTTCTGCTGGTAGTGGTC−3’であった。GAPDHプライマーは、それぞれ、5’−GGGTGTGGGCAAGGTCATCC−3’、および5’−TCCACCACCCTGTTGCTGTA−3’であった(22)。RT−PCR産物を、ノヴェックス(R)の4〜20%ポリアクリルアミドTBEゲル(インビトロジェン)で分析した。d2EGFPプライマーによって、それぞれ680bp(PN25)および738bp(PN252BS)のフラグメントが増幅された。対数増幅期におけるd2EGFPおよびGAPDH転写物を検出するために、分析条件(すなわち、サイクル数、プライマー濃度、およびRNA テンプレートの量)を最適化する最初の実験を行った。
ウェスタンブロット解析
細胞を沸騰する溶解緩衝液(2%SDS、10mMトリスHCl、pH6.8)中で溶解させ、タンパク質溶解産物を、4〜20%のノヴェックス(R)SDS−PAGEゲル(インビトロジェン)で分画し、ニトロセルロースメンブレン(アドバンテックMFS(Advantec MFS),ダブリン,カリフォルニア州)に移した。このニトロセルロースメンブレンを、ブロッキング緩衝液(PBS中5%の粉乳、および0.1%トゥイーン(Tween)−20)を用いてインキュベートし、ウサギ抗GFP抗体(BDバイオサイエンス(BD Biosciences),ストックホルム,スウェーデン)の1:5000希釈液、それに続いてホースラディッシュペルオキシダーゼに接合したヤギ抗ウサギIgG(1:2000希釈)で探索した。免疫複合体を、スーパーシグナル(R)ウェスト・フェムト(Supersignal(R)West Femto)化学発光ウェスタンブロッティング検出システム(ピアース(Pierce),ロックフォード,イリノイ州)を用いて検出した。抗SUMO−1抗体(インビトロジェン)を用いて、インターナルコントロールとして重い90kDaのスモレート化した(sumolated)タンパク質を検出した。抗ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(アップステート,チャーロッツビル,バージニア州)をアプライして、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼを検出した。
マイクロインジェクションおよび免疫蛍光法
プラスミドPN252BS(2μg)を、20mMリン酸緩衝液(pH6.8)中で、10倍モル過剰のZ型LNA(2.5μM)と共に、またはそれらを含まないで37℃で一晩インキュベートした。LNAが結合したプラスミド、およびmock処理したプラスミドを0.1μg/μlの濃度に調節した。22mmのカバースリップ上で、NIH−3T3細胞を50%の密集度に増殖させ、0.25μg/μlのpDsRed2−N1(インビトロジェン)と、0.1μg/μlのLNAが結合したプラスミドまたはmock処理したプラスミドを、エッペンドルフの5246マイクロインジェクターを用いてそれぞれ細胞核に共にインジェクションした。マイクロインジェクションの16時間後に、細胞をカール・ツァイス(Carl Zeiss)の蛍光顕微鏡で可視化した。
FACS解析
細胞を6ウェルに予め播種し、トランスフェクションの章で説明されているようにトランスフェクションさせた。トランスフェクションの48時間後に、細胞を採取し、FACSキャリバー(FACSCalibur)フローサイトメーター(BDバイオサイエンス(BD Biosciences))で解析した。
結果
PNAの直鎖状DNA標的配列への効率的な結合
PNAのホモプリン標的配列への結合を試験するために、ゲル移動度のシフト分析を適用した。単一の中央の固定部位を有する59bpの合成DNAオリゴマーを、PNA結合の二重鎖の標的として用いた(図1a)。固定部位は、伸長したビスPNAに相補的な15個のヌクレオチドからなり、これは、ワトソン−クリック塩基対を形成することを通してハイブリダイズするが、その一方で10個のヌクレオチドがフーグスティーン様式で結合する。ハイブリダイゼーションを最適化するために、本発明者等は、電荷の相互作用によってDNA結合を高める3個のリシン残基を含むテール−クランプPNA(PNA2582と称する)を用い、加えて、最大限の活性のために挿入されるアミノアクリジン成分を用いた。アミノアクリジンの付加は、DNA結合親和性を20〜150倍強化することが報告されている(23)。PNA2582において、ハイブリダイゼーションをさらに促進するために、シトシン残基をプソイドイソシトシン(またJ−塩基とも称される)で置換した。サンプルを、未変性PAGEを用いるゲル移動度のシフト分析によって、結合ついて解析した(図2a)。増加させた量のPNAを、固定濃度の二重鎖標的DNAとインキュベートした。特異的なPNAの濃度として、PNA2582を増大させたところ、減少したPNA−DNA複合体の移動度から明らかなように、結合した標的の二重鎖の比率は増加した。5μMの濃度(PNA:DNA比は5:1)で、実質的に全ての59−merの標的オリゴをシフトさせたところ、より遅い移動度の2種のフラグメントが得られた。これら2種の正確な組成は正確にはわっていないが、より低い移動度の形態に適度なスタッキングが存在する可能性がある。20μMのPNA濃度から、さらに減少した移動度を示す59−merの標的オリゴを含む不鮮明なパターンが観察された。この結果は、おそらくスタッキングによるDNAとPNAとの大きい複合体の形成によるものと思われる(24)。標的配列が欠失しているコントロール二本鎖の59−merのDNAオリゴ(iDNA)に、極めて弱い結合が検出され、これは、30μMの最大PNA濃度でのみ目視できた(図2a)。PNAがDNAに結合する能力は、PNA:DNA比が直線関係の場合に発揮されることを実証するために、単一の中央の固定部位を有する59bpの一本鎖DNAオリゴ(1μM)を、増加させた量のPNAとインキュベートした。このサンプルを、未変性PAGEを用いるゲル移動度のシフト分析によって、結合について解析した(図2b)。これらの結果によれば、直鎖状DNA二重鎖への結合から明らかなように、PNAは、有効なストランドインベーションを誘導し、適度なPNAとDNA標的部位との比率で高度に安定な三重鎖を形態することが可能であり、さらにPNAのDNA二重鎖へのインベーションは、厳密に濃度依存性である。このような主としてPNAの配列特異的な結合を確認するのに用いられる条件下で、PNA:DNA比は、最大30:1で最も適度であったことが示唆される。本発明者等は、複合体の形成は、この最適化されたPNAオリゴヌクレオチドの強い結合有効性と共にDNAオリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションする際に適用された比較的高い最終濃度で起こりやすいと考えている。
哺乳動物細胞におけるビスPNA三重鎖の不安定型緑色蛍光タンパク質発現への作用
インビトロでの転写に関してこれまで報告されているように(16、17)、哺乳動物細胞においてテール−クランプビスPNAが、転写伸長を停止させることができるかどうかを確認するために、PNAを、EGFPレポータープラスミドに生じたアンカー部位に結合させ、培養したヒトU−2OS骨肉腫細胞にトランスフェクションした。EGFPタンパク質の8の高い安定性により、本発明者等は、半減期がわずか2時間の不安定化形態であるd2EGFP(25)を用いた。プラスミドを、それぞれ15個のヌクレオチドからなる単一または複数の2、4または6個のホモプリンストレッチが含まれるように作製し、それらをCMVプロモーターとd2EGFPレポーター遺伝子との間に位置するBglIIおよびAvrII制限部位に導入した。ホモプリンストレッチは、アミノアクリジンを含むテール−クランプPNA2582の固定部位として役立つ。図1のパネルbおよびcに示される構築されたPN25およびPN252BSプラスミド、加えてPN256BSプラスミド(1μg)を、結合部位毎に20倍モル過剰PNA2582と混合し、20mMリン酸緩衝液中で37℃で一晩インキュベートし、PNA−DNA−PNA三重鎖構造を形成した(図1d)。PNAが結合したプラスミド、およびmock処理したプラスミドを、フージーン6を用いてU−2OS細胞にトランスフェクションした。培養の2日後に、d2EGFPタンパク質発現の強度を蛍光顕微鏡による解析によってモニターした(図3a)。20倍モル過剰PNA2582前処理された1、2または6個の固定部位を含むプラスミドでトランスフェクションされたU−2OS細胞において、GFP発現の減少は検出されなかった(図3a、データ示さず)。興味深いことに、制限酵素(HindIII)で消化したプラスミドのゲル移動度のシフトによって、プラスミドにおける本質的に全ての標的部位が、PNA2582によって占められていることが証明されたにもかかわらず(図3c、右のパネル、データ示さず)、作用が失われていることが観察された。それに対して、結合部位毎に150倍モル過剰PNA2582で前処理されたPN256BSプラスミドでトランスフェクションされたU−2OS細胞において、d2EGFPタンパク質発現における有意なダウンレギュレーションが観察された(図3a、パネル5)。この場合におけるPNA:プラスミドのモル比が、900:1であったことから、この現象は、極めて過量のPNAの存在によって引き起こされる複数の結合部位の周辺に大きい複合体の形成による可能性がある。遺伝子発現の阻害のための結合部位の数が9であることの影響を調査するために、本発明者等は、テール−クランプPNA、PNA2582の作用を観察するために1、2、4または6個のPNA固定部位を有するプラスミドを研究した。全てのプラスミドを、結合部位毎に150倍モル過剰PNA2582とプレハイブリダイズさせ、続いて、PNAが結合したプラスミドを、U−2OS細胞にトランスフェクションした。48時間培養した後、d2EGFPタンパク質発現の強度を、FACS解析によってモニターした(図3d)。デンシトメーター測定から、6個の結合部位を有するプラスミドがd2EGFP発現の85%阻害されたことが明らかになった。結合部位の数が減少するにつれて、阻害の程度も減少するようになる(4BSプラスミドは65%阻害、2BSプラスミドは40%阻害、1BSプラスミドは20%以下の阻害;コントロールプラスミドPN25において、d2EGFPの発現における減少は観察されなかった)。その後、本発明者等は、PN256BSプラスミドと増加させた量のPNA2582とを共にトランスフェクションした。培養の48時間後、d2EGFPタンパク質発現を、ウェスタンブロット解析によってモニターした。デンシトメーター測定から、360倍モル過剰のPNAによって、最大のd2EGFPの阻害(90%)が引き起こされたが、それに対してPNAの量が減少するにつれて、阻害効率も減少したことが明らかになった。同様に、NIH−3T3、COS−7細胞系でも類似の結果が観察された(データ示さず)。PNAの転写における特異的な作用を定義するために、本発明者等はまた、シス位に位置し、LTRプロモーターによって駆動するネオマイシン耐性遺伝子の発現レベルも測定した(図1c)。この分析から、PNAは、ネオマイシン耐性遺伝子の転写に影響を与えないことが実証された。
Z型LNAのDNAへの結合の作用
PNA:DNA比が20:1で標的部位の結合が飽和している場合、PNAはレポーター遺伝子の転写をブロックしないことから、本発明者等は、その他の核酸類似体、すなわちLNAの作用を分析することを試みた。本発明者等は、LNAを用いた以前の経験から、ビスPNAと比較して、LNAは、二本鎖DNAにあまり十分に結合しないということを知っている(26)(および未発表のデータ)。この理由のために、まず同時にDNA二重鎖両方の鎖に結合する新規なタイプのコンストラクト(図1e)を試験した。このオリゴマーのZ様の構造を形成する形状のために、さらにDNAの左巻きの形態との混同を回避するために、本発明者等は、これらのコンストラクトを「Z型LNA」と命名した。さらに、本発明の者等は、LNAのDNAへのハイブリダイゼーションは、ゲル移動度のシフト分析において、チャージされていないPNAと比較してリターディションが少なくなることも確認している。この理由のために、それらの検出を簡単にするために、この研究で用いられる全てのLNAオリゴマーの末端を、Cy−3またはCy−5蛍光団で標識した。高度に精製したスーパーコイルプラスミドPN25およびPN252BS(5μg)を、16−merのLNA390と共に14−merのLNA389によって形成された10倍モル過剰のZ型LNAと混合した。コントロールとして、LNA7472およびLNA7473と命名された27−merの直鎖状LNA(図1hおよびi)を含めた。LNAが結合したスーパーコイルプラスミド、およびコントロールプラスミドを、4〜20%ポリアクリルアミドTBEゲルで泳動した(図4a)。スーパーコイルプラスミドをSYBRゴールドで染色した(図4a、パネル1)。Cy−5と接触させた結果から、Z型LNAにより誘導された結合は、直鎖状Z−アーム、LNA390(16−mer、Z型LNAの下半分;図1g)の1つにより誘導された結合よりもかなり強力であり、それに対して、結合部位が欠失したコントロールプラスミドPN25においては、Z型LNAによる極めて弱い非特異的な結合しか観察されなかった(図4a、パネル2)ことが明らかになった。Cy−3と接触させた結果から、Z型LNAにより誘導された結合も、その他のアーム、LNA389(14−mer、Z型LNAの上半分;図1f)により誘導された結合よりも強かったことが明らかになった。同様に、Cy−3を分析した場合、コントロールプラスミドに対して、Z型LNAの極めて弱い非特異的な結合しか観察されなかった(図4a、パネル3)。二重鎖DNA結合においてZ型LNAによって強化されたシグナルは、特徴的なZ−構造によるものであるという可能性、または「Z」の両方の半分が寄与するより長いハイブリダイゼーション領域によって引き起こされるという可能性を区別するために、2種の直鎖状の27−merのコントロールLNAオリゴマー、すなわちそれぞれ11個のアンチセンスLNA7472、およびセンスLNA7473(図1hおよびi)を用いた。これらの伸長した27−merの一本鎖LNAの結合も極めて有効であることが見出された。本発明者等は、図4aで観察されるように、アンチセンスの27−merの直鎖状LNA7472が、センスの27−merの直鎖状LNA7473シグナルと比較して強いシグナルを付与する(図4a、パネル2および3)ことを認識していたが、これはLNA7473オリゴに含まれるフルオロフォア標識の量が比較的低いことが理由である可能性が最も高い(データ示さず)。
Z型PNA−LNAハイブリッドのDNA二重鎖への結合
Z型LNAの同様の形状のPNAへのハイブリダイゼーション能力を比較するために、PNA化学に基づいて同じ2つのアームを合成した。溶解性を促進するために、2個のアスパラギン残基を、N末端(5’末端)に付加した。プラスミドへのハイブリダイゼーションを起こりやすくすることによって、負電荷を有するLNAとの比較を妨げるといった電荷の相互作用の影響を回避するために、リシンではなくアスパラギンを用いた。逆に言えば、正電荷を有するリシン残基と負電荷を有するLNAとの想定される相互作用がむしろ、そのストランドインベーションする能力を損う可能性がある。しかしながら、混合してハイブリダイゼーションによる架橋を形成させると、各PNA−アームが可溶性であるにもかかわらず、溶解性が顕著に減少することが観察され、このような現象は長いPNA配列を用いた場合に往々にして観察された(27)。それゆえに、本発明者等は、LNA−PNAZ型コンストラクトのハイブリッド形態を結合について調査し、ここにおいて、Z型LNA中の1つのアーム(LNA389)を、同一な配列を有する(図4b、右のパネル)PNAアーム(PNA5171)で置換した。この分析によれば、Z型LNAの1つのアーム(LNA389)をPNA5171で置き換えると、Cy−5シグナルがよりいっそう弱くなることが示された(図4b、パネル2)。同様に、Cy−3と接触させることから、Z型LNAにより誘導された結合は、1個のPNAと1個のLNAアームとを有するZ−ハイブリッドにより誘導された結合よりもかなり強力であった(図4b、パネル3)ことが明らかになった。この結果は、DNA/PNAハイブリッドの融解温度は、DNA/LNAの融解温度よりも低いこと(28)による可能性がある。結合に関する2つのLNAアーム間の架橋構造の重要性を理解するために、2種の7−merのLNAオリゴマー(LNA71およびLNA72;図4c、右のパネル)を用いて、Z型LNAの2つのLNAアームの相互結合をブロックした。この実験によれば、Z型LNAの架橋構造がブロックされると、Cy−5シグナルがかなり弱くなることが示された(図4c、パネル1)。同様に、Cy−3と接触させることから、無傷のZ型LNAにより誘導された結合は、Z−LNAにおいて架橋形成をなくした後に誘導された結合よりも効率的であった(図4c、パネル2)ことが示された。要約すると、14−merまたは16−merの直鎖状LNAのDNA二重鎖への結合活性は、Z型LNAまたは27−merの直鎖状LNAと比較して相当限定される。デンシトメーター測定から、Z型LNAにより誘導された結合は、LNA390により誘導された結合よりも10倍効率的であり、LNA389により誘導された結合よりも7倍効率的であった(図4d)ことが明らかになった。さらに、Z型LNAの1つのアームをPNAオリゴマーで置換した場合、DNA二重鎖に結合する作用は有意に減少した。第三に、Z型LNAの2つのLNA間の架橋構造のリンケージをブロックした場合、同様に結合は有意に減少した。
Z型LNAによって引き起こされる不安定化緑色蛍光タンパク質の阻害
LNAが、配列特異的な方法で遺伝子の転写をブロックするためのアンチジーン試薬として役立つ可能性があるのかどうかを調査するために、本発明者等はさらに、ヒト骨肉腫細胞におけるd2EGFPタンパク質の発現に対する、新規なZ型LNAコンストラクトの作用を研究した。13種の2つの結合部位を有するPN252BSプラスミド(1μg)を、10倍モル過剰のZ型LNAオリゴマー、またはコントロールLNAオリゴマーLNA389、LNA390、LNA7472、LNA7473それぞれと、20mMリン酸緩衝液中で、37℃で一晩プレハイブリダイズさせた(図1f−i)。Z型のLNAが結合したプラスミド、mock処理したプラスミド、およびその他のコントロールサンプルを、予め播種したU−2OSにトランスフェクションした。48時間後、細胞を採取し、細胞溶解産物のウェスタンブロットによって、d2EGFPタンパク質発現を測定した(図5a)。デンシトメーター測定から、Z型LNAが結合したプラスミドにおいて、d2EGFPタンパク質発現の特異的な阻害が90%を超えることが解明された。mock処理したプラスミド、またはコントロールLNAオリゴマーのいずれかを用いたところ、d2EGFPタンパク質発現における有意な減少は観察されなかった(図5b)。蛍光顕微鏡でトランスフェクションした細胞を分析したところ、同じ結果が得られた(図5c)。転写に対するPNAの特異的な作用を定義するために、本発明者等は、LTRプロモーターによって駆動されるネオマイシン耐性遺伝子の発現レベルも測定した(図1c)。Z型LNAは、ネオマイシン耐性遺伝子の転写に影響を与えないことが実証された(図5i)。加えて、d2EGFPのmRNAのレベルをRT−PCRで評価した。mRNAレベルは、Z型LNAが結合したPN252BSプラスミドによってトランスフェクションした細胞において同じく90%以上減少したが、Z型LNAで処理されたPN25コントロールプラスミドでトランスフェクションした細胞で検出されたd2EGFPmRNAのレベルにおいて有意な減少はなかった。GAPDHのmRNAレベルは、等しいRNAローディングを示した(図5h)。線維芽細胞系のNIH−3T3でも類似の結果が観察された(データ示さず)。また本発明者等はさらに、骨肉腫細胞における遺伝子転写の阻害に対するZ型LNAの能力と、Z−PNA−LNAハイブリッドの能力とを比較した(図4b、右のパネル)。プラスミドPN25およびPN252BSを、Z−LNAまたはZ−PNA−LNAハイブリッドそれぞれとプレハイブリダイズさせ、その後、U−2OS細胞にトランスフェクションした。48時間後、細胞を採取し、ウェスタンブロットによって解析した(図5d)。デンシトメーター測定から、d2EGFPタンパク質の発現14において、Z型LNAにより顕著な減少が誘導されたが、それに対して、Z−PNA−LNAハイブリッドは、d2EGFPの発現において30%の減少しか誘導されない(図5e)ことが明らかになった。mockプラスミドにおいては、タンパク質発現における有意な減少は観察されなかった。同様にして、改変されていないZ型LNAと、架橋の形成をなくしたブロックした型との骨肉腫細胞における遺伝子転写の阻害に対する比較(図4c、右のパネル)を行った。デンシトメーター測定から、Z型LNAによるd2EGFPタンパク質の発現における顕著な減少が明らかにあったが、それに対して、結合解析からの結果によれば、架橋の形成が阻害されたZ−LNAは、d2EGFPの発現において20〜30%の減少しか誘導させなかった(図5g)。細胞による取り込みまたは核への導入が、Z型LNAの結合によって影響される可能性を除外するために、本発明者等は、Z型LNAを有するプレハイブリダイズしたPN252BSの、NIH−3T3細胞への核内のマイクロインジェクションを行った。LNAに結合したPN252BSプラスミド、およびmock処理したプラスミドをインジェクションしてから16時間後に、d2EGFP遺伝子発現を測定した(図6)。プラスミドDNA単独がインジェクションされた細胞におけるd2EGFP発現の強度と比較すると(図6a)、Z型LNAが結合したプラスミドがインジェクションされた細胞においてd2EGFP遺伝子発現の強度は有意に減少した(図6b)。全てのケースにおいて、コントロールプラスミド、pDsRed2−N1がマーカーとして共にインジェクションした(図6cおよび6d)。
Z型LNAによって引き起こされたポリメラーゼIIIによって転写された緑色蛍光タンパク質の阻害
LNAは、その他のポリメラーゼに関するアンチジーン試薬として役立つ可能性があるかどうかを調査するために、EGFPの転写のためにU6プロモーターを用いた。U6プロモーターは、RNAポリメラーゼIIIによって転写される。pH6.8の20mMリン酸緩衝液中で、LNAをプラスミドと共に37℃で一晩インキュベートした。フージーン6試薬(ロシュ)とインキュベートした後に、トランスフェクションを行った。48時間後、細胞を採取して、前述したようにウェスタンブロットによってEGFPluc融合タンパク質の発現を検出した。
DNA修復は、DNAが結合したPNAを除去していない
生きた細胞において転写をブロックすると、飽和したPNAが結合できないことに関して考えられる説明は、転写の間にPNAが除去されることであり、その他の可能性は、DNA修復機構が変更された構造を認識し、プラスミドのこの部分を切り出すことである。三重鎖を形成するPNAが、細胞におけるDNA修復メカニズムを活性化できるかどうかを調査するために、PNAが結合したレポーター遺伝子プラスミドを、ヌクレオチドの切り出しによる修復に欠陥を有するUV4細胞にトランスフェクションした(29)。48時間後、細胞を採取し、細胞の溶解産物のウェスタンブロットによってd2EGFPタンパク質発現を測定した(図3b)。20倍モル過剰のビスPNA2582でプレハイブリダイズしたプラスミドを用いたところd2EGFPタンパク質発現の減少は検出されなかったが、それに対して、Z型LNAが結合したプラスミドを用いたところ、このサンプルにおいて遺伝子サイレンシングは容易に観察された。ゲルシフト解析によれば、20倍モル過剰のPNAは、プラスミド上の標的部位を飽和させるのに十分であった(図3c)。従って、ヌクレオチドの切り出しによる修復に欠陥を有するUV4細胞などの異なる由来の数種の哺乳動物細胞系において、タンパク質発現の阻害は観察することはできなかった。150倍モル過剰のPNA中でプレハイブリダイズした場合に、PN256BSでトランスフェクションされた細胞において阻害が観察できるにもかかわらず、この現象は、このプラスミド中の複数の結合部位の周辺に上記の分子複合体が形成されることによるためであり得る。
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LNAおよびPNAオリゴマーとハイブリダイズした標的部位および配列の概略図を示す。 PNA2582結合の分析を示す。 不安定型緑色蛍光タンパク質発現に対するPNA三重鎖の作用を図示する。 その他のコンストラクトと比較した、DNA二重鎖とZ型LNAとの結合を示す。 Z型LNAによって引き起こされた不安定型EGFP発現の阻害を示す。 マイクロインジェクション後の、Z型LNA結合が介在するd2EGFP遺伝子発現のブロックを示す。 U6プロモーター遺伝子を転写するRNAポリメラーゼIIIをブロックすることによってEGFPタンパク質のその他のプロモーターをダウンレギュレーションすることを示す。 a)ワトソン−クリック様塩基対形成、b)共有結合のリンケージ、c)非共有結合のリンケージによって形成された本発明のZ型コンストラクトの略図である。 LNAの代替の化学組成を図示しており、ノース(North)またはサウス(South)リボース環のいずれかである。 本発明の実施態様において、どのように両方のオリゴヌクレオチドが、ワトソン−クリック様塩基対形成によって逆平行のトランスの形態で二本鎖DNAにハイブリダイズするかを示す。 コンストラクトが、伸長したZ型構成要素の複数のZ型構成要素を含むような実施態様を説明する。

Claims (21)

  1. 少なくとも第1および第2のオリゴヌクレオチドを含み、互に連結したコンストラクトであり、該コンストラクトが二本鎖DNAにトランス様式でハイブリダイズして転写に影響を与える能力を有するコンストラクトであって、ここにおいて、これらオリゴヌクレオチドが以下:
    −配列特異的なワトソン−クリック塩基対形成、
    −共有結合のリンカー、もしくは上記オリゴヌクレオチドの主鎖間もしくは塩基間の直接的共有結合、または
    −非共有結合のリンカー、もしくは上記オリゴヌクレオチドの主鎖間もしくは塩基間の直接的非共有結合、
    の一つを介して互いに連結することを含むコンストラクト。
  2. 2つより多いオリゴヌクレオチドが用いられる場合に、少なくとも1つが、両末端で連結している、請求項1に記載のコンストラクト。
  3. オリゴヌクレオチドが、DNA、RNA、それらの類似体、またはそれらの任意の混合物から選択され、ここにおいて、該オリゴヌクレオチドの組成が、その種々のオリゴヌクレオチドから独立して選択することができる、請求項1または2に記載のコンストラクト。
  4. DNAおよび/またはRNAオリゴヌクレオチドが、LNAを少なくとも1個含有する、請求項3に記載のコンストラクト。
  5. DNAおよび/またはRNAオリゴヌクレオチドが、通常のLNA、および/または機能化したアミノ−LNAを少なくとも1個含有する、請求項3に記載のコンストラクト。
  6. DNAおよび/またはRNAオリゴヌクレオチドが、PNAを少なくとも1個含有する、請求項3に記載のコンストラクト。
  7. 二本鎖DNAにおけるオリゴヌクレオチドの標的配列が、5塩基以下の隔りで近接している、請求項1に記載のコンストラクト。
  8. オリゴヌクレオチドの標的配列が隣接している、請求項1に記載のコンストラクト。
  9. オリゴヌクレオチドの標的配列が、部分的にオーバーラップしている、請求項1に記載のコンストラクト。
  10. オリゴヌクレオチドの標的配列は、1〜8塩基がオーバーラップしている、請求項9に記載のコンストラクト。
  11. オリゴヌクレオチドの標的配列が、実質的にまたは完全にオーバーラップしており、コンストラクトの完全な、または部分的であるが有意な自己ハイブリダイゼーションが、改変された塩基および/または改変された主鎖の使用によって妨げられる、請求項9に記載のコンストラクト。
  12. 追加の接合体が、オリゴヌクレオチドのいずれかの内部に、またはその末端のいずれかに付加されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載のコンストラクト。
  13. 追加の接合体が、オリゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、標識、例えば蛍光または同位体標識、生物学的に活性な分子または不活性分子から選択される、請求項12に
    記載のコンストラクト。
  14. DNA/RNAの翻訳、ならびに転写および翻訳の阻害のための、請求項1〜13のいずれか一項に記載のコンストラクトの使用。
  15. DNAまたはRNAが、真核性(ゲノム)、細菌、またはウイルス由来である、請求項14に記載の使用。
  16. DNAまたはRNAが、腫瘍遺伝子である、請求項14に記載の使用。
  17. DNAまたはRNAが、組織培養における細胞の分化を調節する遺伝子である、請求項14に記載の使用。
  18. 治療のために遺伝子発現をサイレンシングする薬剤を製造するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載のコンストラクトの使用。
  19. 遺伝子が、腫瘍遺伝子である、請求項18に記載の使用。
  20. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のコンストラクトを使用した、DNAまたはRNAの翻訳および転写を阻害する方法。
  21. DNAまたはRNAが、真核性(ゲノム)、細菌、またはウイルス由来である、請求項20に記載の方法。
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