JP2008535613A - 多次元データセットにおける生体構造をセグメント化する方法、装置及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
本発明による方法1は、好ましくは、多次元データセットの適切な取得3の直後にリアルタイムに実行される。多次元データセットは、ステップ5でアクセスされ、多次元データセットを有する画像が、ステップ8で分類される。好ましくは、ステップ6で処理されるデータ量を削減するため、画像データは、制限的な注目領域決定の対象とされる。ステップ9において、その分類された心臓画像は、画像シニング演算子の適用対象となる。その結果として生じる画像は、ステップ14で更に解析される複数の接続画像要素を有する。シニングステップ9の後、ラベル付けステップ11が実行され、そこでは、多次元データセットにおける異なる接続要素がそれに従ってラベル付けされる。このステップは、好ましくは、後に領域拡張ステップ13が続き、領域拡張ステップは、ステップ8bで用いられるバイナリ閾値により制約される。各接続画像要素に対して、係数Fがステップ14で計算される。所定の基準を満たす係数Fを備える接続画像要素を選択することにより、生体構造はステップ16でセグメント化される。この後ステップ18において、セグメント化された生体構造が適切なフォーマットで記憶される。本発明は更に、装置、作業端末、表示端末及びコンピュータプログラムに関する。
Description
本発明は、ターゲット物質及び他の物質に関するデータを有する、時間間隔の空いた(temporally spaced)複数の心臓画像を有する多次元データセットにおける生体構造をセグメント化する方法に関する。
本発明は更に、ターゲット物質及び他の物質に関するデータを有する、時間間隔の空いた複数の心臓画像を有する多次元データセットにおける生体構造をセグメント化する装置に関する。
本発明は更に、ターゲット物質及び他の物質に関するデータを有する、時間間隔の空いた複数の心臓画像を有する多次元データセットにおける生体構造をセグメント化するコンピュータプログラムに関する。
冒頭部に記載されるような方法の実施形態は、米国特許第5,903,664号より知られる。その知られた方法は、適切な診断画像から同じターゲット物質の連続領域を特定する目的で画像セグメント化ステップを実行するよう構成される。特に、その知られた方法は、適切な診断心臓画像から左心室をセグメント化するのに適している。この目的のため、その知られた方法においては、心臓画像における適切な注目領域が、操作者の監督の下に決定され、それにより、想定される注目領域内の画像の初期シードポイントが配置される。また、ピクセル又はボクセル分類のための初期閾値が特定される。時間的に間隔の空いた心臓画像を有する多次元データセットから選択される適切な初期画像から始めることで、注目領域内の画像のポイントが分類される。シードポイントと同じ分類を持つ連続的な画像要素で、その同じ分類を持つすべての画像ポイントを通りそのシードポイントに接続される要素が特定され、こうして、考慮対象であるセグメント化される構造が画像において規定される。
考慮対象の生体構造、特に心臓における心室のセグメント化を可能にするため、操作者との対話が必要とされ、それにより、分類に使用される閾値が規定される点がその知られた方法の短所である。これは、結果として、ユーザ再現性及びセグメント化精度の両方に関して、その知られた方法の堅牢性を低くすることをもたらす。前者の問題は、同じ多次元データセットに対して、異なった操作者が異なる閾値を選択することができるという事実により説明される。後者の問題は、心臓画像において脂肪を表す画素又はボリューム要素の強度が、心室組織と脂肪組織との間の区別がつかないことをもたらす血液の強度に似ているという事実により説明される。これは、劣ったセグメント化結果をもたらす。
本発明の目的は、ターゲット物質と他の物質とに関するデータを有する、時間間隔の空いた複数の心臓画像を有する多次元データセットにおける生体構造をセグメント化する方法を提供することにある。それにより、その方法は、特に心臓の心室といった生体構造の一層正確なセグメント化を提供する。
上記目的のため、本発明による方法は:
‐ ターゲット物質と他の物質との間を区別し、ターゲット物質を有する分類済み心臓画像を生み出すよう、心臓画像の分類を実行するステップと、
‐ 接続された画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、その分類済み心臓画像にシニング(thinning:細線化)演算子を適用するステップと、
‐ 個別のラベル付けされた接続画像要素を生み出すよう、異なる接続画像要素にラベル付けするステップと、
‐ 各ラベル付けされた接続画像要素に対して、時間でのボリューム変化度に基づき係数を計算するステップと、
‐ 所定の基準を満たす係数を備える接続画像要素を選択することにより、生体構造をセグメント化するステップとを有する。
‐ ターゲット物質と他の物質との間を区別し、ターゲット物質を有する分類済み心臓画像を生み出すよう、心臓画像の分類を実行するステップと、
‐ 接続された画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、その分類済み心臓画像にシニング(thinning:細線化)演算子を適用するステップと、
‐ 個別のラベル付けされた接続画像要素を生み出すよう、異なる接続画像要素にラベル付けするステップと、
‐ 各ラベル付けされた接続画像要素に対して、時間でのボリューム変化度に基づき係数を計算するステップと、
‐ 所定の基準を満たす係数を備える接続画像要素を選択することにより、生体構造をセグメント化するステップとを有する。
本発明の技術手段は、以下の洞察に基づかれる。
i) 心臓の心室が、特に4次元データセットのすべての次元に沿って、コヒーレンス(coherence)を示すこと。特に、異なる長手位置及び異なる時間フェーズに対して取得されるスライスに関し、断面スライス空間内で心室の芯(core)が実質的に静止していること。
ii) 脂肪組織とは異なり、心室は、心臓サイクルの間に明らかに収縮及び拡張すること。
i) 心臓の心室が、特に4次元データセットのすべての次元に沿って、コヒーレンス(coherence)を示すこと。特に、異なる長手位置及び異なる時間フェーズに対して取得されるスライスに関し、断面スライス空間内で心室の芯(core)が実質的に静止していること。
ii) 脂肪組織とは異なり、心室は、心臓サイクルの間に明らかに収縮及び拡張すること。
こうして、これらの観測に基づき、例えば4次元データセットにおける明るい領域の中で心室は自動的に識別されることができる。それにより、明るいピクセル又はボクセルの接続されたクラスタとして領域が規定される。このため、それ自体は知られている画像処理技術が利用されることができる。
従って、本発明による方法の第1のステップにおいては、特に血液といったターゲット物質と特に非血液といった他の物質とを区別して、大部分がターゲット物質である分類済み心臓画像を生み出すよう、心臓画像の分類を実行するステップが行われる。このステップは、3次元及び時間的画像全体の強度ヒストグラムを計算することにより、自動的な教師なし(unsupervised)バイナリボクセル分類を用いて可能にされることができる。この後、バイナリ持ち株(shareholding)法が適用される。適切なバイナリ閾値法の例は、N.Otsuによる「A threshold selection method for gray-level histograms」、IEEE Transactions on System Man and Cybernetics、smc-9(1):62-66、Jan、1979に与えられる。分類済み心臓画像が得られた後、接続された画像要素を有する処理済心臓画像を生み出すよう、適切なシニング演算子がその分類済み心臓画像に適用される。例えば、8接続2次元カーネルを備える「E」形態学的侵食(erosion)ステップを用いることにより、そのシニング演算子が断面画像に適用される。ここで、Eは、好ましくは6.25 mm/ボクセルXサイズという値にセットされる。次に、接続画像要素のラベル付けステップが行われ、それにより、8接続4次元カーネルを用いて接続性が決定される。そして、心臓画像のすべての時間的フェーズにおける接続画像要素の第1のボリュームと接続要素の第2のボリュームとの距離に好ましくは基づかれる係数が、各ラベル付けされた接続画像要素に対して計算される。好ましくは、時間におけるボリューム変動の堅牢な推定を確実にするため、第1のボリュームが2番目に大きなボリュームにセットされ、第2のボリュームは2番目に小さなボリュームにセットされる。最後に、所定の基準に合致する係数を備える接続要素を選択することにより、生体構造がセグメント化される。好ましくは、所定の基準は、その差の最大値としてセットされる。
本発明による方法の実施形態において、その方法は、多次元データセットの心臓画像における心臓の周囲の限定的な注目領域を自動的に計算する準備ステップを更に有する。注目領域に属さない画像の一部は無視されないので、この技術的手段は、セグメント化目的の画像情報の実質的な削減を確実にする。好ましくは、C.A. Cocoscoらによる「Automatic cardiac region-of interest computation in cine 3D structural MRI」、Computer Assisted Radiology and Surgery (CARS)、2004で開示される方法が使用される。
本発明による方法の更なる実施形態においては、その方法は:
‐ 多次元データセットに対して領域拡張処理を実行するステップを更に有する。その領域拡張処理は、分類済み心臓画像から推測されるパラメタにより制約される。
‐ 多次元データセットに対して領域拡張処理を実行するステップを更に有する。その領域拡張処理は、分類済み心臓画像から推測されるパラメタにより制約される。
好ましくは、このステップは、再構成による開口(opening)を用いて実行される。2接続1次元カーネルを用いる長手方向の「D2」拡張ステップだけでなく、例えば、断面スライス平面における4接続2次元カーネルを備える形態拡張を用いて実現される。係数D2は、好ましくは、16 mm/ボクセルZサイズにセットされる。
本発明による方法の更なる追加的な実施形態において、その方法は:
‐ 追加的な接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、その分類済み心臓画像にシニング演算子を適用するステップと、
‐ 個別のラベル付けされた追加的な接続画像要素を生み出すよう、異なる追加的な接続画像要素をラベル付けするステップと、
‐ 各ラベル付けされた追加的な接続画像要素に対して、時間におけるボリューム変動に基づき係数を計算するステップと、
‐ 追加的な所定の基準を満たすその追加的な係数の値を備える追加的な接続画像要素を選択することにより、追加的な生体構造をセグメント化するステップとを更に有する。
‐ 追加的な接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、その分類済み心臓画像にシニング演算子を適用するステップと、
‐ 個別のラベル付けされた追加的な接続画像要素を生み出すよう、異なる追加的な接続画像要素をラベル付けするステップと、
‐ 各ラベル付けされた追加的な接続画像要素に対して、時間におけるボリューム変動に基づき係数を計算するステップと、
‐ 追加的な所定の基準を満たすその追加的な係数の値を備える追加的な接続画像要素を選択することにより、追加的な生体構造をセグメント化するステップとを更に有する。
結果として生じるセグメント化は、有利なことに、正確にセグメント化された2つの生体構造、特に左心室と右心室とを有することになる。
本発明による方法の更に追加的な実施形態において、その方法は、セグメント化された生体構造とセグメント化された追加的な生体構造との間の比較に基づき、更なる追加的な生体構造をセグメント化するステップを更に有する。
この技術手段は、心筋が左心室の周りを囲っており、部分的に右心室と境界をなしているという洞察に基づかれる。従って、左心室と右心室とが正確にセグメント化され、それによりセグメント化ステップの間、脂肪組織が堅牢に削減されると仮定すると、2つの心室をセグメント化すれば、実質的に心筋のセグメント化が行われることになる。心筋のセグメント化は、壁厚向けに行われる臨床研究及び運動解析にとって重要である。
本発明による方法の更に追加的な実施形態において、その方法は:
‐ 係数と追加的な係数との関係に基づき更なる追加的な係数を計算するステップと、
‐ 更なる追加的な係数の値を更なる追加的な所定の基準と比較するステップと、
‐ その更なる追加的な係数とその基準とが、所定の態様で相互に関連するイベントに応じて、心臓画像のスタックの自動訂正を行うステップとを更に有する。
‐ 係数と追加的な係数との関係に基づき更なる追加的な係数を計算するステップと、
‐ 更なる追加的な係数の値を更なる追加的な所定の基準と比較するステップと、
‐ その更なる追加的な係数とその基準とが、所定の態様で相互に関連するイベントに応じて、心臓画像のスタックの自動訂正を行うステップとを更に有する。
この技術的手段は、不正確なスキャン計画又は実質的なアクシャルな心臓の動きが原因で、基礎の短軸の横方向(transverse)スライスが、心室セグメント化の精度を減少させる可能性がある心房へと拡張するという追加的な洞察に基づかれる。これより先、斯かるイベントの再現可能なインジケータが存在することが経験的に決定される。特に、更なる追加的な係数として、上述された係数の2つの最大値の比が選択されるとき、その基準は、単純な数値にセットされることができる。例えば、更なる追加的な係数がF1/F2で与えられるとき、その比F1/F2が4,0より大きいと画像のスタックの訂正が必要とされる。ここで、F1は、左心室に対する心臓画像のすべての時間的フェーズにおける接続画像要素の第1のボリュームと、接続画像要素の第2のボリュームとの間の差の最大値であり、F2は、右心室に対する同じ値である。その訂正は、シニング演算子が分類済み画像に適用された後に得られる4次元画像におけるトップZスライスをトリミングする(cropping)ことにより、そして、ラベル付けステップを繰り返すことにより、そしてラベル付けされた要素をトップZスライスに後退的に(back)拡張し、好ましくは、再構成形態処理による開口(opening)を用いて、可能とされることができる。最後に、領域拡張ステップとセグメント化ステップとが実行される。画像スタックエラー検出及び訂正に対する完全に自動化された手段を提供し、完全に自動化された正確で堅牢な画像セグメント化方法を可能にするので、この技術的手段は特に有利である。
本発明による方法の更に追加的な方法において、その方法は:
‐ セグメント化された生体構造、セグメント化された追加的な生体構造及びセグメント化された更に追加的な生体構造のいずれか少なくとも1つを表示手段上に視覚化するステップを更に有する。
‐ セグメント化された生体構造、セグメント化された追加的な生体構造及びセグメント化された更に追加的な生体構造のいずれか少なくとも1つを表示手段上に視覚化するステップを更に有する。
ユーザによるセグメント化結果の調査を可能にすることが有利であると考えられる。特に、画像スタックが誤って準備され、短軸横方向スライスの心房への拡張が起こり得るとき、経験のあるユーザなら、小さなセグメント化エラー(failure)を発見することができる。これを訂正するため、ユーザは左心室と右心室との間の境界に手動でマークを付けることができる。それは、従来のコンピュータマウスアクションにより可能とされることができる。実際に、駆出分画(ejection fraction)測定だけが必要とされるような通常の状態において、2つの2次元スライス上の境界をマークすれば十分である。1つは、拡張末期の、もう1つは、収縮末期の時間的フェーズに対するものである。この特徴は、図4を参照して詳細に説明されることになる。
本発明による装置は:
‐ 多次元データセットにアクセスするための入力部と、
‐ 計算手段とを有し、その計算手段が:
i. ターゲット物資と他の物質とを区別し、ターゲット物質を有する分類済み心臓画像を生み出すよう、心臓画像の分類を実行するステップと、
ii. 接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、分類済み心臓画像にシニング演算子を適用するステップと、
iii. 個別のラベル付けされた接続画像要素を生み出すよう、異なる接続画像要素をラベル付けするステップと、
iv. 各ラベル付けされた接続画像要素に対して、時間でのボリューム変化度に基づき係数を計算するステップと、
v. 所定の基準に合致する係数を備える接続画像要素を選択することにより、生体構造をセグメント化するステップとを行う。
‐ 多次元データセットにアクセスするための入力部と、
‐ 計算手段とを有し、その計算手段が:
i. ターゲット物資と他の物質とを区別し、ターゲット物質を有する分類済み心臓画像を生み出すよう、心臓画像の分類を実行するステップと、
ii. 接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、分類済み心臓画像にシニング演算子を適用するステップと、
iii. 個別のラベル付けされた接続画像要素を生み出すよう、異なる接続画像要素をラベル付けするステップと、
iv. 各ラベル付けされた接続画像要素に対して、時間でのボリューム変化度に基づき係数を計算するステップと、
v. 所定の基準に合致する係数を備える接続画像要素を選択することにより、生体構造をセグメント化するステップとを行う。
本発明による装置は、作業端末として構成されることができる。その作業端末は、スタンドアローン(stand-alone)デバイスとして構成されても、インターネットのような適切なリモートアクセス設備を用いてリモートユニットに接続可能なように構成されてもよい。好ましくは、本発明による装置は、セグメント化された生体構造を表示する適切なディスプレイユニットを更に備えるよう構成される。有利なことに、斯かる構成は、セグメント化結果の調査に使用される表示端末として構成されることができる。好ましくは、本発明による装置は、多次元データセットを取得する適切なデータ取得ユニットを更に備えるよう構成される。適切なデータ取得ユニットの好ましい実施形態は、磁気共鳴イメージング装置、コンピュータ断層撮影ユニット、X線デバイス、及び超音波プローブを有する。磁気共鳴イメージングユニットにとって好ましいデータ取得ユニットは、「バランスド・ファースト・フィールド・エコー(balanced Fast Field Echo)」(bFFE)である。本発明による装置の追加的な有利な実施形態が図2を参照して説明されることになる。
本発明によるコンピュータプログラムは:
‐ ターゲット物質と他の物質とを区別し、ターゲット物質を有する分類済み心臓画像を生み出すよう、心臓画像の分類を実行するステップと、
‐ 接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、その分類済み心臓画像にシニング演算子を適用するステップと、
‐ 個別のラベル付けされた接続画像要素を生み出すよう、異なる接続画像要素にラベル付けするステップと、
‐ 各ラベル付けされた接続画像要素に対して、時間におけるボリューム変動に基づき係数を計算するステップと、
‐ 所定の基準に合致する係数を備える接続画像要素を選択することにより、生体構造をセグメント化するステップとをプロセッサに実行させる命令を有する。
‐ ターゲット物質と他の物質とを区別し、ターゲット物質を有する分類済み心臓画像を生み出すよう、心臓画像の分類を実行するステップと、
‐ 接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、その分類済み心臓画像にシニング演算子を適用するステップと、
‐ 個別のラベル付けされた接続画像要素を生み出すよう、異なる接続画像要素にラベル付けするステップと、
‐ 各ラベル付けされた接続画像要素に対して、時間におけるボリューム変動に基づき係数を計算するステップと、
‐ 所定の基準に合致する係数を備える接続画像要素を選択することにより、生体構造をセグメント化するステップとをプロセッサに実行させる命令を有する。
好ましくは、本発明によるコンピュータプログラムは、多次元データセットの心臓画像における心臓の周囲の個別の注目領域を自動的に計算する追加的なステップ、及び/又は
‐ 横方向のスライス平面に対する領域拡張処理を実行する追加的なステップであって、その領域拡張処理が、分類済み心臓画像から推測されるパラメタにより制約される、追加的なステップをプロセッサに実行させる追加的な命令を有する。
‐ 横方向のスライス平面に対する領域拡張処理を実行する追加的なステップであって、その領域拡張処理が、分類済み心臓画像から推測されるパラメタにより制約される、追加的なステップをプロセッサに実行させる追加的な命令を有する。
更に好ましくは、本発明によるコンピュータプログラムは、請求項4、5、6、7に記載されるような追加的なステップをプロセッサに実行させる命令を更に有する。
本発明のこれら及び他の側面が、図面を参照して、以下詳細に説明されることになる。
図1は、本発明による方法の実施形態の概略的な図を提供する。本発明の方法1は、時間間隔の空いた複数の適切な心臓画像を有する多次元データセットから心臓構造をセグメント化するのに特に適している。好ましくは、方法1は、多次元データセットの適切な取得3の直後にリアルタイムに実行される。好ましくは、その取得は、バランスド・ファースト・フィールド・エコー(bFFE)データ取得モードで動作可能な磁気共鳴イメージング装置を用いて行われる。取得された多次元データセットは、ステップ5でアクセスされ、予備的なステップ2をファイナライズする。その後、多次元データセットは、考慮対象の心臓構造をセグメント化する目的のため処理される。ローカルで、又は、特にインターネット若しくは同等の技術によるリモートアクセスを用いて、ステップ5が予め記憶されたデータにアクセスすることが想定されるとき、本発明の方法を実行することが可能であることに留意されたい。多次元データセットがアクセスされるイベントに応じて、多次元データセットを有する画像がステップ8で分類される。ステップ8aでは例えば、多次元データセットのすべての次元に対して強度ヒストグラムが計算される。強度ヒストグラムは好ましくは、3次元データであり、時間的な情報である。この後、ステップ8bにおいて、例えば、N.Otsuによる「A threshold selection method for gray-level histograms」、IEEE Transactions on System Man and Cybernetics、smc-9(1):62-66、Jan、1979に基づく適切なバイナリ閾値アルゴリズムが適用される。
好ましくは、ステップ6で処理されるデータ量を削減するため、画像データは、制限的な注目領域決定の対象とされる。それにより、心臓組織が実質的に画像に残され、背景又は他の組織情報は、抑圧又は削減される。好ましくは、注目領域を自動的に決定する方法は、C.A. Cocoscoらによる「Automatic cardiac region-of interest computation in cine 3D structural MRI」、Computer Assisted Radiology and Surgery (CARS)、2004に基づき実行される。
ステップ9において、その分類された心臓画像は、横方向平面で選択され、それ自体は知られている画像シニング(thinning:細線化)演算子の適用対象となる。好ましくは、8接続2次元カーネルを備える「E」形態学的侵食(erosion)ステップを用いることにより行われる。ここで、Eは、好ましくは6.25 mm/ボクセルXサイズという値にセットされる。その結果として生じる画像は、ステップ14で更に解析される複数の接続画像要素を有する。シニングステップ9の後、ラベル付けステップ11が要求され、ラベル付けステップでは、多次元データセットにおける異なる接続要素がそれに従ってラベル付けされることに留意されたい。このステップは、好ましくは、後に領域拡張ステップ13が続き、領域拡張ステップは、ステップ8bで用いられるバイナリ閾値により制約される。
次に、各接続画像要素に対して、係数Fがステップ14で計算される。その係数は、心臓画像のすべての時間的フェーズにおける、接続画像要素の第1のボリュームと接続要素の第2のボリュームとの差に基づかれる。好ましくは、これらのボリュームの堅牢な推定を確実にするため、第1のボリュームが2番目に大きなボリュームにセットされ、第2のボリュームは2番目に小さなボリュームにセットされる。最後に、所定の基準を満たす係数Fを備える接続画像要素を選択することにより、検索対象の生体構造がステップ16でセグメント化される。好ましくは、所定の基準は、その差の最大値としてセットされる。この後ステップ18において、セグメント化された生体構造、特に心室が適切なフォーマットで記憶される。
本発明による方法1は、セグメント化結果の堅牢性を更に増加させる追加的な有利なステップを有することができる。特に、心臓画像の領域が下方に(inferiorly)準備され、基礎の短軸の横方向スライスが心房にまで拡張する可能性があるような場合において、本発明によるセグメント化方法では左心室と右心室とを区別するのが困難である場合がある。この問題を解消するため、本発明による方法1において、画像領域自動訂正ステップ17が想定される。この技術的手段は、斯かるイベントの再現可能なインジケータが存在するという経験的に決定された事実に基づかれる。特に、このインジケータとして心室に関するF係数の2つの個別の最大値の比が選択されるとき、その基準は単純な数値にセットされることができる。例えば、その比がF1/F2で与えられるとき、その比F1/F2が4,0より大きいと画像スタックの訂正が必要とされる。ここで、F1は、左心室に対する心臓画像のすべての時間的フェーズにおける接続画像要素の第1のボリュームと、接続画像要素の第2のボリュームとの間の差の最大値であり、F2は、右心室に対する同じ値である。その訂正は、シニング演算子が分類済み画像に適用された後に得られる4次元画像におけるトップZスライスをトリミングすることにより、ラベル付けステップを繰り返すことにより、及びラベル付けされた要素をトップZスライスに後退的に拡張することにより、好ましくは、再構成形態処理による開口を用いて、可能とされることができる。最後に、領域拡張ステップとセグメント化ステップとが実行される。画像スタックエラー検出及び訂正に対する完全に自動化された手段を提供し、完全に自動化された正確で堅牢な画像セグメント化方法を可能にするので、この技術的手段は特に有利である。
別の実施形態においては、セグメント化ステップ16の後、その方法はステップ19へと進み、それにより、セグメント化結果が適切な表示手段上でユーザに対して表示される。表示態様として、好ましくは、心臓画像におけるセグメント化された生体構造が、特にカラーでオーバーレイされる。操作者が結果に納得する場合、その方法はステップ20で終了する。また、操作者がステップ22で左心室と右心室との境界を指示すると、その後、それ自体知られている適切なグラフィック・ユーザ・インタフェースによりステップ21でユーザ入力が受け付けられ、その後、その方法はステップ14及び16へと戻る。その方法は、新しい幾何学的制約、つまり左心室と右心室との境界を用いて実行される。2つの横方向のスライスにおいてだけその境界をマークすれば十分であることに留意されたい。1つは、収縮末期フェーズに対して、1つは、拡張末期フェーズに対してである。ステップ19で新しいセグメント化がユーザに対して示され、ユーザがその結果に納得すれば、ステップ20でその方法は終了する。
図2は、本発明による装置の実施形態の概略図を提供する。装置30は、時間的に間隔の空いた複数の心臓画像を有する多次元データセットにアクセスするための入力部32を有する。多次元データセットは、ローカル又はリモートに配置されることができる適切なストレージユニット(図示省略)からアクセスされることができる。「又は」及び/又は「更に」、入力部32は、多次元データセットを提供する適切なデータ取得ユニットからデータを受信するよう構成されることができる。すると、多次元データセットは、入力部32により、装置30の計算ユニット35に対して利用可能にされる。計算ユニットは、考慮対象の生体構造、特に2つの心室を生み出すよう、本発明による画像セグメント化を実行するよう構成される。これらのステップは、以下に説明されるそれ自体は知られた個別の計算アルゴリズムを用いて実現される。
装置30の中核は、入力部32、計算ユニット35、ワーキングメモリ36及びバックグラウンドストレージユニット38といった装置30の要素を動作させるよう構成されるプロセッサ34により形成される。適切なプロセッサ34の例は、従来のマイクロプロセッサ又はシングルプロセッサ、バックグラウンドストレージ38(通常、ハードディスクに基づかれる)、及びワーキングメモリ36(通常、RAMに基づかれる)である。バックグラウンドストレージ38は、処理されないとき適切なデータセット(又はその一部)を記憶し、画像セグメント化ステップの結果、個別のボリューム、F係数、適切な基準及び閾値を決定するステップの結果、並びにいずれかの他の適切な中間又は最終計算ステップの結果を記憶するのに使用されることができる。ワーキングメモリ36は通常、処理されるデータセット(の一部)及び生体構造のセグメント化の結果を保持する。計算ユニット35は好ましくは、適切な数の実行可能なサブルーチン35a、35b、35c、35d、35e及び35fを有する。サブルーチン35aは、血液といったターゲット物質と脂肪組織といった他の物質とを区別するため心臓画像の分類を実行し、分類済み心臓画像を生み出すよう構成される。サブルーチン35bは、その分類済み心臓画像にシニング演算子を適用し、個別の接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう構成される。サブルーチン35cは、接続画像要素の最大ボリュームと接続画像要素の最小ボリュームとの差に基づき、各接続画像要素に対し、F係数を計算するよう構成される。サブルーチン35dは、接続画像要素の適切なラベル付けを実行するよう構成される。サブルーチン35eは、F係数の最大値を備える接続画像要素を選択することにより、生体構造をセグメント化するよう構成される。
好ましくは、計算ユニット35は、特に左心室と右心室といった異なる生体構造に対する個別のF係数間の比に基づき、更なる追加的な係数F'を計算するよう構成されるサブルーチン35fを更に有する。F'係数が所定の基準に所定の態様で関係する場合、この事実は、精度減少を伴う構造セグメント化のイベントとして、プロセッサ34に信号通知される。この場合、プロセッサ34は、上述の本発明の方法に基づき心臓画像のスタックの自動訂正を行うよう構成される更なる追加的なサブルーチン35gへと進む。
本発明による装置30は、セグメント化ステップの結果を用いて、オリジナルデータの適切なオーバーレイ(overlay)のレンダリングを生み出すよう構成されるオーバーレイ・コーダー(overlay coder)37を更に有する。好ましくは、計算されたオーバーレイがファイル37aに記憶される。好ましくは、オーバーレイ・コーダー37、計算ユニット35及びプロセッサ34は、好ましくはメモリ38に記憶されるコンピュータプログラム33により動作可能である。出力部39は、セグメント化された構造の適切なレンダリングと共にオーバーレイされる心臓の生体構造を表すオーバーレイ画像データのような処理結果を出力するのに使用される。更なる詳細は、図5及び図6を参照して与えられる。
図3は、本発明による装置の追加的な実施形態の概略表示を与える。装置40は、時間的に間隔の空いた複数の心臓画像を有する多次元データセットにおける生体構造をセグメント化するよう構成される。好ましくは、装置40は、特に磁気共鳴イメージャー、断層撮影ユニット、超音波装置、又はX線ユニットといった多次元データセットを取得するためのデータ取得ユニット41を有する。通常、そのデータは、適切にコード化された信号Sを用いてデータ取得ユニット41からプロセッサ42へ送信されることが想定される。プロセッサは、図2を参照して説明されるように、適切なデータセグメント化を実行する。それにより、その出力において、様々な可能なデータが生成されることができる。例えば、データ42aが左心室のセグメント化を有し、データ42bが右心室のセグメント化を提供し、及びデータ42cが、データ42ab及び42bから推察される心筋のセグメント化を提供することが可能である。好ましくは、装置40は、データ取得ユニット41から離れて配置されることができるワークステーション44に組み込まれる。
データ42a、42b、42cのそれぞれ、又はそれらの適切な組み合わせは、適切なビューワー43の追加的な入力部45に対して利用可能とされる。好ましくは、その追加的な入力部45は、ユーザインタフェース48を制御するよう構成されるプログラム46を用いて適切なインタフェースを動作させるよう構成される適切な追加的プロセッサを有する。その結果、生体構造データの画像は、セグメント化ステップの結果、特にデータ42a、42b及び/又は42cと共に適切にオーバーレイされ、こうして画像部分48a、48b、48cを生み出す。好ましくは、ユーザの都合に合わせて、ビューワー43は、高分解能表示手段47を具備する。そのユーザインタフェースは、例えば、マウス、キーボード又はいずれかの他の適切なユーザ入力デバイスといった適切な対話的手段49を用いて動作可能である。好ましくは、そのユーザインタフェースは、必要な場合左心室と右心室との境界にマークする目的で、ユーザが画像と対話することを可能にする。適切なグラフィック・ユーザ入力は、コンピュータプログラム46により幾何学的な閾値へと変換される。その後、この閾値は、画像セグメント化ステップの追加的な反復のため装置の計算手段へと提供される。このオプションは、入力心臓画像の領域が下方に準備される場合でさえ、心室の正確なセグメント化が行われることを可能にする。好ましくは、装置40及びビューワー43は、表示端末45aを形成するよう構成される。
図4は、本発明によるコンピュータプログラム50のフローチャートの実施形態の概略図を提供する。本発明のコンピュータプログラム50は、時間的に間隔の空いた複数の適切な心臓画像を有する多次元データセットから心臓構造をセグメント化するのに特に適している。好ましくは、そのコンピュータプログラム50は、多次元データセットの適切な取得53の直後にリアルタイムに実行される。好ましくは、その取得は、バランスド・ファースト・フィールド・エコー(bFFE)データ取得モードで動作可能な磁気共鳴イメージング装置を用いて行われる。取得された多次元データセットは、その後ステップ55でアクセスされ、予備的なステップ52をファイナライズする。その後、そのデータセットは、考慮対象の心臓構造をセグメント化する目的のためコンピュータプログラムにより処理されることが想定される。ローカルで、又は、特にインターネット又は同等の技術によるリモートアクセスを用いて、ステップ55が予め記憶されたデータにアクセスすることが想定されるとき、本発明の方法を実行することが可能であることに留意されたい。多次元データセットがアクセスされるイベントに応じて、多次元データセットを有する画像が、適切な計算アルゴリズムを用いてステップ58で分類される。ステップ58aでは例えば、多次元データセットのすべての次元に対して強度ヒストグラムが計算されることができる。強度ヒストグラムは好ましくは、3次元データであり、及び時間的な情報である。この後、ステップ58bにおいて、例えば、N.Otsuによる「A threshold selection method for gray-level histograms」、IEEE Transactions on System Man and Cybernetics、smc-9(1):62-66、Jan、1979に基づく適切なバイナリ閾値アルゴリズムが適用される。
好ましくは、ステップ56で処理されるデータ量を削減するため、画像データは、適切なコンピュータアルゴリズムを用いて、制限的な注目領域決定の対象とされる。それにより、心臓組織が実質的に画像に残され、背景又は他の組織情報は、抑圧又は削減される。好ましくは、注目領域を自動的に決定する方法は、C.A. Cocoscoらによる「Automatic cardiac region-of interest computation in cine 3D structural MRI」、Computer Assisted Radiology and Surgery (CARS)、2004に基づき実行される。
ステップ59において、その分類された心臓画像は、横方向平面で選択され、それ自体は知られている画像シニング演算子の適用対象となる。好ましくは、8接続2次元カーネルを備える「E」形態学的侵食ステップを用いることにより行われる。ここで、Eは、好ましくは6.25 mm/ボクセルXサイズという値にセットされる。その結果として生じる画像は、ステップ64で更に解析される複数の接続画像要素を有する。シニングステップ59の後、ラベル付けステップ61が要求され、ラベル付けステップでは、多次元データセットにおける異なる接続要素が、個別の(respecting)計算ルーチンを用いて、それに従ってラベル付けされることに留意されたい。このステップは、好ましくは、後にステップ63で領域拡張アルゴリズムが続き、領域拡張ステップは、ステップ58bで用いられるバイナリ閾値により制約される。
次に、各接続画像要素に対して、係数Fがステップ64で計算される。その係数は、心臓画像のすべての時間的フェーズにおける、接続画像要素の第1のボリュームと接続画像要素の第2のボリュームとの差に基づかれる。好ましくは、これらのボリュームの堅牢な推定を確実にするため、第1のボリュームが2番目に大きなボリュームにセットされ、第2のボリュームは2番目に小さなボリュームにセットされる。最後に、所定の基準を満たす係数Fを備える接続画像要素を選択することにより、考慮対象の生体構造がステップ66でセグメント化される。好ましくは、所定の基準は、その差の最大値にセットされる。この後ステップ68において、セグメント化された生体構造、特に心室が適切なフォーマットで記憶される。
本発明によるコンピュータプログラム50は、セグメント化結果の堅牢性を更に増加させる追加的な有利なステップを有することができる。特に、心臓画像の領域が下方に準備され、基礎の短軸の横方向スライスが心房にまで拡張する可能性があるような場合において、本発明によるセグメント化方法では左心室と右心室とを区別するのが困難である場合がある。この問題を解消するため、本発明によるコンピュータプログラム50において、画像領域自動訂正ステップ67が想定される。この技術的手段は、斯かるイベントの再現可能なインジケータが存在するという経験的に決定された事実に基づかれる。特に、このインジケータとして心室に関するF係数の2つの個別の最大値の比が選択されるとき、その基準は単純な数値にセットされることができる。例えば、その比がF1/F2で与えられるとき、その比F1/F2が4,0より大きいと画像スタックの訂正が必要とされる。ここで、F1は、左心室に対する心臓画像のすべての時間的フェーズにおける接続画像要素の第1のボリュームと、接続画像要素の第2のボリュームとの間の差の最大値であり、F2は、右心室に対する同じ値である。その訂正は、シニング演算子が分類済み画像に適用された後に得られる4次元画像におけるトップZスライスをトリミングすることにより、ラベル付けステップを繰り返すことにより、及びラベル付けされた要素をトップZスライスに後退的に拡張することにより、好ましくは、再構成形態処理による開口を用いて、可能とされることができる。最後に、領域拡張ステップとセグメント化ステップとが実行される。画像スタックエラー検出及び訂正に対する完全に自動化された手段を提供し、完全に自動化された正確で堅牢な画像セグメント化方法を可能にするので、この技術的手段は特に有利である。
別の実施形態においては、セグメント化ステップ66の後、その方法はステップ69へと進み、それにより、適切なグラフィック・ユーザ・インタフェース・ルーチンを用いて、セグメント化結果が適切な表示手段上でユーザに対して表示される。表示態様として、好ましくは、心臓画像におけるセグメント化された生体構造が、特にカラーでオーバーレイされる。操作者が結果に納得する場合、そのコンピュータプログラムはステップ70で終了する。また、操作者がステップ72で左心室と右心室との境界を指示すると、その後、それ自体知られている適切なグラフィック・ユーザ・インタフェース・サブルーチンによりステップ71でユーザ入力が受け付けられ、その後、そのコンピュータプログラムはセグメント化ステップ74へと戻る。そのプログラムは、新しい幾何学的制約、つまり左心室と右心室との境界を用いて実行される。2つの横方向のスライスにおいてだけその境界をマークすれば十分であることに留意されたい。1つは、収縮末期フェーズに対して、1つは、拡張末期フェーズに対してである。ステップ69で新しいセグメント化がユーザに対して示され、ユーザがその結果に納得すればステップ70でそのコンピュータプログラムは終了する。
図5は、エラーのある画像スタックをユーザが訂正することを可能にするディスプレイ表示の実施形態の概略図を提供する。好ましくは、斯かるディスプレイ表示は,対話的画像処理を可能にする適切なグラフィック・ユーザ・インタフェース80に組み込まれる。本発明の実施例は、特に心室といった検索対象の生体構造の不正確なセグメント化をもたらしたエラーのある画像スタックをユーザが訂正することを可能にする3つのステップ80a、80b及び80cを示す。明確さのため、対話ボタンを示す適切なグラフィック・ユーザ・インタフェース・ウィンドウを参照して、第1のステップ80aのみが表示される。当然、追加的なステップ80b及び80cも、同じグラフィック・ユーザ・インタフェースを用いて実行される。そのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、好ましくは、特に診断データといったオリジナルデータ88上に適切なカラーコードとしてオーバーレイ表示されるセグメント化された生体構造86a、86bを視覚化するよう構成される。そのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、様々な英数字情報が投影されることができる専用ウィンドウ82を更に有する。更に、その専用ウィンドウ88は、適切な複数の対話ボタン84を有する(明確さのため、ただ1つの対話ボタンのみが表示される)。いずれかの対話ボタン84が動作されるとき、そのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、対応する所定の処理を実行する。図5の実施例は、エラーのある画像スタックが原因で、セグメント化ステップの間、右心室が左心室と区別されていないような状況を示す。右心室と左心室とが同じコーディング、特に同じカラーコードを用いてオーバーレイされることで、ユーザはこのことに気づくことができる。このイベントがユーザにより通知されるとき、ユーザは、訂正処理のステップ80bへ進む。このため、ユーザは、収縮末期及び拡張末期の基礎スライスを選択する。この処理は、手動で実行されることができるか、又はタイプ84の特定の所定動作可能なボタンにより自動化されて規定されることができる。基礎スライスが見つかり、ユーザに投影されるとき、ユーザは、ステップ80cにおいて近似ライン87を描く。それは、左心室と心房との間の空間的な境界を規定する。そのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、ライン87の座標を受け入れ、画像セグメント化ステップに戻る。その訂正は、シニング演算子が分類済み画像に適用された後に得られる4次元画像におけるトップZスライスをトリミングすることにより、ラベル付けステップを繰り返すことにより、及びラベル付けされた要素をトップZスライスに後退的に拡張することにより、好ましくは、再構成形態処理による開口を用いて、可能とされることができる。最後に、領域拡張ステップとセグメント化ステップとが実行される。画像スタックエラー検出及び訂正に対する手段を提供し、正確で堅牢な画像セグメント化方法を可能にするので、この技術的手段は特に有利である。
図6は、セグメント化ステップの結果が与えられるディスプレイ90の実施形態の概略図を提供する。好ましくは、セグメント化の結果が、ユーザとの対話を可能にする適切なグラフィック・ユーザ・インタフェースを用いて表示される。更に好ましくは、そのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、直交画像表現を用いてセグメント化結果を表示するよう構成される。例えば、そのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、サジタル断面を表すウィンドウ90a、コロナル断面を表すウィンドウ90b、及びトランスバーサル断面を表すウィンドウ90cを有することができる。各ウィンドウ90a、90b、90cは、例えば右心室91及び左心室93といったセグメント化された生体構造のレンダリング表示と共に、生体構造データ95のオーバーレイを与える。好ましくは、セグメント化された生体構造91、93がカラーコードを用いて表示される。
Claims (13)
- ターゲット物質と他の物質とに関するデータを有する時間的に間隔の空いた複数の心臓画像を有する多次元データセットにおける生体構造をセグメント化する方法において、
‐ 前記ターゲット物質と前記他の物質とを区別し、前記ターゲット物質を有する分類済み心臓画像を生み出すよう、心臓画像の分類を実行するステップと、
‐ 接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、前記分類済み心臓画像にシニング演算子を適用するステップと、
‐ 個別のラベル付けされた接続画像要素を生み出すよう、異なる接続画像要素をラベル付けするステップと、
‐ 各ラベル付けされた接続画像要素に対して、時間におけるボリューム変動に基づき係数を計算するステップと、
‐ 所定の基準を満たす前記係数を備える前記接続画像要素を選択することにより、前記生体構造をセグメント化するステップとを有する、方法。 - 前記多次元データセットの前記心臓画像において前記心臓の周りの個別の注目領域を自動的に計算する予備的ステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
- 前記多次元データセットに領域拡張処理を行うステップを更に有し、前記領域拡張処理が、前記分類済み心臓画像から推測されるパラメタにより制約される、請求項1又は2に記載の方法。
- 追加的な生体構造が前記心臓画像においてセグメント化されることが想定され、
‐ 追加的な接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、前記分類済み心臓画像にシニング演算子を適用するステップと、
‐ 個別のラベル付けされた追加的な接続画像要素を生み出すよう、異なる追加的な接続画像要素をラベル付けするステップと、
‐ 各ラベル付けされた追加的な接続画像要素に対して、時間におけるボリューム変動に基づき追加的な係数を計算するステップと、
‐ 追加的な所定基準を満たす前記追加的な係数の値を備える前記追加的な接続画像要素を選択することにより、前記追加的な生体構造をセグメント化するステップとを更に有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。 - 前記セグメント化された生体構造と前記セグメント化された追加的な生体構造との間の比較に基づき、更に追加的な生体構造をセグメント化するステップを更に有する、請求項4に記載の方法。
- 前記係数と前記追加的な係数との間の関係に基づき、更に追加的な係数を計算するステップと、
前記更に追加的な係数の値を更に追加的な所定基準と比較するステップと、
前記更に追加的な係数と前記基準とが、所定の態様で相互関連するイベントに応じて、心臓画像のスタックの自動訂正を行うステップとを更に有する、請求項4に記載の方法。 - 前記セグメント化された生体構造、前記セグメント化された追加的な生体構造及び前記セグメント化された更に追加的な生体構造の少なくともいずれか1つをディスプレイ手段上に視覚化するステップを更に有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
- ターゲット物質と他の物質とに関するデータを有する時間的に間隔の空いた複数の心臓画像を有する多次元データセットにおける生体構造をセグメント化する装置であって、
‐ 前記多次元データセットを評価する入力部と、
‐ 計算手段とを有し、該計算手段は、
i. 前記ターゲット物資と他の物質とを区別し、前記ターゲット物質を有する分類済み心臓画像を生み出すよう、心臓画像の分類を実行するステップと、
ii. 接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、前記分類済み心臓画像にシニング演算子を適用するステップと、
iii. 個別のラベル付けされた接続画像要素を生み出すよう、異なる接続画像要素をラベル付けするステップと、
iv. 各ラベル付けされた接続画像要素に対して、時間でのボリューム変動に基づき係数を計算するステップと、
v. 所定の基準に合致する前記係数を備える前記接続画像要素を選択することにより、前記生体構造をセグメント化するステップとを行う、装置。 - 前記セグメント化された生体構造を表示するディスプレイユニットを更に有する、請求項8に記載の装置。
- 前記多次元データセットを取得するデータ取得ユニットを更に有する、請求項8又は9に記載の装置。
- 請求項8に記載の装置を有する作業端末。
- 請求項9に記載の装置を有する表示端末。
- ターゲット物質と他の物質とに関するデータを有する時間的に間隔の空いた複数の心臓画像を有する多次元データセットにおける生体構造をセグメント化するためのコンピュータプログラムであって、プロセッサに、
‐ 前記ターゲット物質と前記他の物質とを区別し、前記ターゲット物質を有する分類済み心臓画像を生み出すよう、心臓画像の分類を実行するステップと、
‐ 接続画像要素を有する処理済み心臓画像を生み出すよう、前記分類済み心臓画像にシニング演算子を適用するステップと、
‐ 個別のラベル付けされた接続画像要素を生み出すよう、異なる接続画像要素をラベル付けするステップと、
‐ 各ラベル付けされた接続画像要素に対して、時間におけるボリューム変動に基づき係数を計算するステップと、
‐ 所定の基準を満たす前記係数を備える前記接続画像要素を選択することにより、前記生体構造をセグメント化するステップとを実行させる命令を有する、コンピュータプログラム。
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