JP2008532514A - 固定化酵素 - Google Patents

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Abstract

本発明は、固体多孔性支持体に酵素を固定化する方法、および固体多孔性支持体に固定化された酵素に関する。詳細には、本発明は、高圧下(25ないし50MPaのような)で酵素を含有する流体を使用して、多孔性支持体(シリカのような)に酵素(CALBのような)を固定化する。得られる多孔性支持体は、大気圧下で行う方法によって得られる他のものよりもより固定化された酵素を含む。

Description

本発明は、固体多孔性支持体に酵素を固定化する方法、および固体多孔性支持体に固定化された酵素に関する。
有機合成および医薬品合成における最も重要な分野のうちの一つとして、酵素触媒不斉反応が現れた。ラセミ体混合物の動力学的分割は、産業スケールにおいておよび学術的研究においてエナンチオマー的に純粋な化合物を得るためのいまだ最も一般的な方法である。動力学的分割を介して、ラセミ体混合物のうちの1つのエナンチオマーが選択的に反応し、一方で他のものは変換率の差に起因して未反応のままである。
固体支持体上に酵素を固定化することにより、それは機械的により強くなり、より熱的に安定になり、反応媒体からより容易に分離される。また、酵素凝集が低下するために、酵素を固定化した場合は触媒活性が向上し、特に非極性有機溶媒中では向上することができる。ポリマーおよび無機支持体が典型的に酵素の固定化に使用される。共有結合および非−共有的相互作用の両方が酵素固定化に使用されている。酵素と支持体表面との間の相互作用は、酵素負荷、触媒活性、および反応の間の酵素溶脱(leaching)に対する安定性に対して顕著な効果を有する。
ほとんどが物理的吸着を介した、メソ多孔性シリカに対する酵素固定化に対する研究が行われている。多孔性で、疎水性のシリカ材料は固定化酵素用の支持体として良好な候補である。その疎水性が、その孔内に捕捉された酵素に基質が近づくことを促進することができるからである。また、酵素と支持体との間の弱い疎水性相互作用により、前者がその活性コンフォメーションを維持することが許容され、これは高い活性に通じる。しかしながら、酵素を疎水性の多孔性シリカ上に固定化することには、いまだいくつかの挑戦すべき点が存在する。従来、固定化には多孔性シリカ支持体と酵素ストックとを攪拌することが含まれる。水性酵素ストック溶液と疎水性シリカ支持体との低い親和性に起因して、比較的低い酵素負荷が一般的に達成される。支持体からの酵素の溶脱は、従来の方法と関係するもう1つの問題点である。Blancoらは、疎水性のメソ多孔性シリカからのリパーゼの溶脱は無水溶媒中で起こらなそうなこと、および固定化したリパーゼがエタノールアミンをラウリン酸でアシル化する15の反応サイクルで活性のままであったことを報告している(Blanco, R.M.; Terreros, P.; Fernandez-Perez, M.; Otero, C.; Diaz-Gonzalez, G., J. Mol. Catal. B: Enzym., 2004, 30, 83)。しかしながら、各サイクルの時間はわずか1時間である。無水有機溶媒中でより長時間攪拌した場合は、酵素の溶脱が起こりそうである。
したがって、支持体からの酵素の溶脱が減少するように、固体支持体の上および/または中に酵素を固定化する方法に対する要望が存在する。当該方法は、好ましくは、非固定化酵素と比較して、酵素の高い反応性および酵素の改善された熱安定性を提供する。
発明の目的
本発明の目的は、上記の不利益のうちの少なくとも1つを克服または実質的に緩和することである。また、さらなる目的は、上記の要望を少なくとも部分的に満足することである。
発明の概要
本発明の第1の態様において、高圧下で生物種を含む流体を多孔性支持体に通過させることを含む多孔性支持体の中および/または上に生物種を固定化する方法を提供する。
高圧とは約10MPaよりも高くすることができ、約25ないし50MPaとすることができる。当該方法は、高圧下で液体を多孔性支持体を通して再循環させることを含むことができる。生物種はタンパク質、タンパク質フラグメント、糖類、DNAフラグメント、ペプチドまたはこれらのうちの2つ以上の組合せとすることができる。生物種は酵素とすることができる。生物種を含む流体は液体とすることができ、水性液体とすることができ、水性溶液とすることができる。多孔性支持体は、無機多孔性支持体とすることができ、シリカを含むことができ、あるいは金属、または金属酸化物、または混合金属酸化物を含むことができる。金属は、例えば、鉄、チタン、ジルコニウムまたはアルミニウムとすることができる。多孔性支持体はフォームとすることができ、例えば通気性フォームとすることができ、または焼成したものなどの多孔性とすることができる。それは、メソ構造の通気性フォーム(MCF)またはFDU−12とすることができる。多孔性支持体はメソ多孔性とすることができる。それは、約2ないし50nmの平均細孔径を有することができる。多孔性支持体は粒子とすることができ、約100nmないし200ミクロンの平均粒径を有することができる。それは狭い粒径分布を有することができる。多孔性支持体は疎水性とすることができる。当該方法には、多孔性支持体を化学的に修飾する工程を含むことができ、生物種を含む液体をそれに通過させる前に多孔性支持体を疎水化する(すなわち、それを疎水性にする)ことを含むことができる。化学的に修飾する(例えば、疎水化する)工程は、多孔性支持体を化学修飾剤(例えば、疎水化剤)、例えばアルキルシランに曝すことを含むことができ、多孔性支持体を化学修飾剤の溶液、懸濁液、エマルジョンまたは分散液に曝すことを含むことができる。多孔性支持体は、液体をそれに通過させる前に乾燥することができる。
方法は、さらに、以下の1またはそれを超える工程を含むことができる:
−化学的修飾の工程の後に有機洗浄液で多孔性支持体を洗浄すること、
−化学的修飾の工程の後に水性洗浄液で多孔性支持体を洗浄すること、
−化学的修飾の工程の後、所望により洗浄の工程のうちの1つまたは両方の後に、多孔性支持体を乾燥すること、
−生物種を含む流体をそれに通過させる工程の後に有機洗浄液で多孔性支持体を洗浄すること、
−生物種を含む流体をそれに通過させる工程の後に水性洗浄液で多孔性支持体を洗浄すること、
−生物種を含む流体をそれに通過させる工程の後、所望により通過の工程の後の洗浄の工程のうちの1つまたは両方の後に、多孔性支持体を乾燥すること。
1の形態において、方法は以下の工程を含む:
−多孔性支持体を疎水化すること、
−多孔性支持体を乾燥すること、および
−10MPaよりも高い圧力下で、酵素を含む液体を多孔性支持体に通して再循環させること。
多孔性支持体は多孔性シリカ支持体とすることができる。
もう1の形態において、方法は以下の工程を含む:
−多孔性支持体を疎水化すること、
−多孔性支持体を有機洗浄液で洗浄すること、
−多孔性支持体を水性洗浄液で洗浄すること、
−多孔性支持体を乾燥すること、
−10MPaよりも高い圧力下で、酵素を含む液体を多孔性支持体を通して再循環させること、
−多孔性支持体を有機洗浄液で洗浄すること、
−多孔性支持体を水性洗浄液で洗浄すること、および
−多孔性支持体を乾燥すること。
多孔性支持体は多孔性シリカ支持体とすることができる。
本発明の第2の態様において、本発明の第1の態様にかかる多孔性支持体の中および/または上に生物種を固定化することを含む方法によって作製した、多孔性支持体の中および/または上に固定化された生物種を有する多孔性支持体を提供する。多孔性支持体は、その中に固定化する支持体グラム当たり約50mgを超える生物種を有し、その中に固定化する支持体グラム当たり約50ないし300mgの生物種を有することができる。生物種は、タンパク質、タンパク質フラグメント、糖類、DNAフラグメント、ペプチド、またはそれらの2またはそれを超える組合せとすることができる。それは酵素とすることができる。その中に固定化された生物種を有する多孔性支持体は、熱的に安定性となることができ、80℃にて15時間維持した後に活性における実質的損失を示さない。その中に固定化された生物種を有する多孔性支持体は再循環可能であり、8の連続した再使用後に約20%未満の活性の損失を示すことができる。
1の形態において、
−シリカ支持体を疎水化すること、
−シリカ支持体を乾燥すること、および
−10MPaよりも高い圧力下で、酵素を含む水性液体をシリカ支持体に通して再循環すること
を含む方法によって作製した、中に固定化された酵素を有する疎水性のメソ多孔性シリカ支持体を提供する。
また、本発明は、中および/または上に固定化された生物種を有する多孔性支持体も提供し、ここに多孔性支持体は、その中および/またはその上に固定化する支持体グラム当たり約50mgを超える生物種を有する。多孔性支持体は、大気圧で行う方法によってその中および/またはその上に固定化された生物種を有する多孔性支持体よりも、その中および/またはその上に固定化された生物種のより高い負荷を有することができる。それは、大気圧下で生物種で負荷した場合よりも低い割合の生物種の溶脱を有することができる。生物種は、タンパク質、タンパク質フラグメント、糖類、DNAフラグメント、ペプチド、またはこれらの2またはそれを超える組合せとすることができる。それは酵素とすることができる。多孔性支持体は無機多孔性支持体とすることができ、シリカを含むことができ、あるいは金属、または金属酸化物または混合した金属酸化物を含むことができる。金属は、例えば、鉄、チタン、ジルコニウムまたはアルミニウムとすることができる。多孔性支持体はフォームとすることができ、例えば通気性フォームとすることができ、または焼成したものなどの多孔性とすることができる。それは、メソ構造通気性フォーム(MCF)またはFDU−12とすることができる。多孔性支持体はメソ多孔性とすることができる。それは、約2ないし50nmの平均細孔径を有することができる。多孔性支持体は粒子とすることができ、約100nmないし200ミクロンの平均粒径を有することができる。それは狭い粒径分布を有することができる。多孔性支持体は疎水性とすることができる。
本発明の第3の態様において、その中に固定化された生物種を有する多孔性支持体に出発物質を曝すことを含む化学反応を触媒する方法を提供し、ここに該生物種は、出発物質の反応を触媒して生成物を生成する酵素を含む。その中に固定化された生物種を有する多孔性支持体は、本発明の第1の態様にかかる多孔性支持体の中および/または上に生物種を固定化することを含む方法によって作製することができる。それは、その中および/またはその上に固定化した支持体グラム当たり約50mgを超える生物種を有することができる。多孔性支持体は、大気圧下で生物種で負荷した場合の多孔性支持体よりも、その上に固定化した生物種のより高い負荷を有することができる。生成物はキラル生成物とすることができ、約95%を超えるエナンチオマー過剰率(ee)を有することができる。化学反応は不斉反応またはエナンチオ選択的化学反応とすることができる。方法は、それによって出発物質が溶液状態で存在するように行うことができる。方法は、溶液を多孔性支持体に通過させることを含むことができ、出発物質が反応して生成物を生成するのに十分な時間を有するような速度で溶液を多孔性支持体に通過させることを含むことができる。方法は、溶液中に多孔性支持体を懸濁し、攪拌し、またはその他分配することを含むことができる。それは、さらに、出発物質が反応して生成物を生成するのに十分な時間放置することを含むことができる。十分な時間は生物基、出発物質および反応の性質に依存することができる。それは、例えば約10分ないし24時間とすることができる。溶液は試薬も含むことができ、該試薬は生物種の影響下で出発物質と反応して生成物を生成することができる。
方法は、以下の1またはそれを超える工程も含むことができる:
−溶液から多孔性支持体を分離すること、
−多孔性支持体を洗浄すること、
−多孔性支持体を乾燥すること、および
−溶液から生成物を分離すること。
多孔性支持体を洗浄および乾燥する工程は、つづく反応における多孔性支持体の再使用を可能とすることができる。洗浄の工程は、1またはそれを超える個々の洗浄工程を含むことができ、各々の個々の洗浄工程は異なる洗浄液を使用することができる。各洗浄液は、独立して水性または有機性とすることができる。多孔性支持体は、いずれか2の個々の洗浄工程の間に乾燥しても、しなくてもよい。
1の形態において、
−出発物質および試薬を含む溶液を、その中に固定化された生物種を有する多孔性支持体に曝すこと、
−出発物質および試薬の反応に十分な時間放置すること、
−溶液から多孔性支持体を分離すること、および
−溶液から生成物を分離すること
を含む化学反応を触媒する方法を提供し、
ここに、生物種は、試薬と出発物質との反応を触媒して生成物を生成することができる酵素を含む。その中に固定化された生物種を有する多孔性支持体は、本発明の第1の態様にかかる多孔性支持体の中および/または上に生物種を固定化することを含む方法によって作製することができる。本発明は、第3の態様の方法によって触媒された化学反応によって生成した生成物も提供する。
本発明の第4の態様において、本発明の第1の態様の方法によりその中に固定化された生物種を有する多孔性支持体を含む生成物に出発物質を転化する反応器(例えば、充填床反応器)を提供し、該多孔性支持体はハウジング内に配置されている。生物種は出発物質を生成物に転化することができる。ハウジングは、例えばHPLCカラムハウジング、圧力ハウジング、圧力管またはいくつかの他の好適なタイプのハウジングを含むことができる。それは、多孔性支持体がハウジングを出ることを防ぐ抑止デバイスを含むことができる。抑止デバイスは多孔性とすることができ、HPLCカラム製造の分野において知られているフリット、フィルタまたはいくつかの他の多孔性デバイスとすることができる。
本発明は、出発物質を生成物に転化するのに使用する、本発明の第4の態様にかかる反応器も提供する。
本発明の第5の態様において、その中に固定化された生物種を有する多孔性支持体でハウジングを少なくとも部分的に満たすことを含む、出発物質を生成物(例えば、本発明の第4の態様にかかる反応器)に転化する反応器を調製する方法を提供する。生物種は出発物質を生成物に転化することができる。その中に固定化された生物種を有する多孔性支持体は、本発明の第2の態様にかかるものとすることができ、または、本発明の第1の態様の方法に従って多孔性支持体中に生物種を固定化することによって作製することができる。ハウジングは、ハウジングから多孔性支持体が出ることを防ぐための手段を有することができる。該手段には、例えば、フィルタ、フリット、またはいくつかの他の多孔性材料を含むことができる。該手段は、多孔性支持体よりも小さい細孔径を有することができる。該手段およびハウジングは、反応器中で使用する圧力に耐えることができるものとすることができる。それは、少なくとも10MPaの圧力に耐えることができるものとすることができる。ハウジングは、例えばHPLCカラムハウジングとすることができ、その構造はHPLCカラム製造分野においてよく知られている方法およびパラメータに準じるものとすることができ、あるいはいくつかの他のタイプのハウジングとすることができる。少なくとも部分的に満たすことには、混合物、例えば多孔性支持体のスラリーまたは懸濁液と、満たす液体とを形成し、その混合物をハウジングに入れることを含むことができる。方法には、以下のことも含むことができる:
−ハウジング内の圧力を満たす圧力まで上昇すること、
−満たす圧力にて、第2の液体をハウジングに通過させること、および
−所望により、ハウジング内の圧力を大気圧まで降下すること。
第2の液体は満たす液体と同一とすることができ、あるいはそれは第2の液体と異なるものとすることができる。
本発明の第6の態様において、
−少なくとも部分的にハウジングを多孔性支持体で満たすこと;ついで
−高圧力下で、生物種を含む液体を多孔性支持体に通過させることによって多孔性支持体の中および/または上に生物種を固定化すること
を含む出発物質を生成物に転化するための反応器(例えば、本発明の第4の態様にかかる反応器)を調製する方法を提供する。
固定化する工程は、本発明の第1の態様の方法に従って行うことができる。生物種は、出発物質を生成物に転化することができる。ハウジングは、本発明の第5の態様について記載したものとすることができる。
本発明は、本発明の第5または6の態様の方法によって作製した、出発物質を生成物に転化する反応器も提供する。さらに、出発物質を本発明の第4の態様にかかる反応器、または本発明の第5または6の態様によって作製した反応器に通過させることを含む、出発物質を生成物に転化する方法を提供する。
ここに、本発明の好ましい形態は、添付する図面に参照しつつ実施例によって記載する。
図1は、実施例におけるCALB/MCF−C18(四角)、CALB/MCF−C(円)および遊離CALB(三角)の触媒活性を示すグラフである。
図2は、(a)従来の固定化方法、および(b)本発明の圧力−運転法によって調製したCALB/MCF−Cにわたる一連の実施における転化率−対−時間を示す2のグラフを示す。
図3は、市販の固定化CALB(Novozym 435)(四角)、本発明の圧力−運転法によって固定化したCALB/MCF−C(円)および本発明の圧力−運転法によって固定化したCALB/MCF−C18(ひし形)による、一連の実施で達成された1時間転化を示すグラフである。
図4は、(a)本発明の圧力運転法、(b)従来の方法、(c)Novozym 435、および(d)遊離CALBによって調製したCALB/MCF−Cの転化率の4のグラフを示し、ここでは触媒を熱処理の前(実線)および後(点線)に試験した。
好ましい形態の詳細な説明
本明細書は、疎水性シランで修飾したメソ多孔性シリカ支持体のような固体支持体(マトリクス)の孔内に酵素または他の生物基を捕捉または固定化する新規な圧力運転法を開示する。固定化酵素の溶脱および熱安定性を調べた。固体支持体は、より小さいサイズのウィンドウによって結合したセル様のメソ細孔を含むことができる。好適な細孔径を有する固体支持体を使用することができる。好適な細孔径は、生物種が固体支持体のセル様メソ細孔に適合するように、生物材料のサイズに依存する。MCFの場合、細孔径(ウィンドウ細孔径およびセル細孔径)はその合成の間に容易に制御することができる。
本発明の方法には、高圧下にて、生物種を多孔性支持体に通過させることが含まれ、所望により多孔性支持体を通して該種を再循環させることが含まれる。高圧は、例えば多孔性支持体の粒径および細孔径に依存することができる。それは約10MPaより大きいものとすることができ、約15、20、25、30、35、40、45または50MPaより大きいものとすることができ、約10ないし50、20ないし50、30ないし50、40ないし50、10ないし40、10ないし30、10ないし20、20ないし40、または20ないし30MPaとすることができ、約10、15、20、25、30、35、40、45または50MPaとすることができる。通過または再循環は、少なくとも30分間、または少なくとも1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5または5時間の時間とすることができ、約0.5ないし5時間、または約0.5ないし2、0.5ないし1、1ないし5、2ないし5、または1ないし3時間とすることができ、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5または5時間の時間とすることができる。0℃のような低温を、通過または再循環の間に使用することができる。これは、生物種が不安定の場合に有用となる場合がある。低温は約0ないし15℃、または約0ないし10℃、0ないし5℃、5ないし10℃または10ないし15℃とすることができ、0、5、10または15℃とすることができる。生物種はタンパク質、タンパク質フラグメント、糖類、酵素、DNAフラグメント、ペプチドまたはそれらの2またはそれを超える組合せとすることができる。生物種は流体中に存在してもよく、該流体は液体、例えば水性液体とすることができ、流体中に溶解、懸濁、乳化または分散することができる。流体中の生物種の濃度は、生物種の性質に依存する。濃度は約1ないし50mg/ml、または約1ないし25、1ないし10、1ないし5、5ないし50、10ないし50、25ないし50、5ないし25または5ないし10mg/mlとすることができ、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45または50mg/mlとすることができる。流体は、他の種、例えば、塩、緩衝液、栄養分ほかも含むことができる。流体のpHは、生物種の性質に依存することができ、生物種が安定なようにすべきである。それは、約2ないし9、または約2ないし7、2ないし5、4ないし9、7ないし9、または4ないし7のpHを有することができ、約2、3、4、5、6、7、8または9のpHを有することができる。生物種は、生物種を変性または分解しない温度にて多孔性支持体に通過させ、またはそれを通して再循環させることができ、該温度は生物種の性質に依存する。
本発明にかかるその上に固定化された生物種を有する多孔性支持体は、グラム多孔性支持体当たり50mgを超える生物種を有することができ、または75、100、125、150、175、200、225、250、275または300mg/gを超える、約50ないし300mg/g、もしくは約100ないし300、150ないし300、200ないし300、250ないし300、50ないし250、50ないし100、100ないし250もしくは150ないし200mg/gを有することができ、約50、75、100、125、150、175、200、225、250、275または300mg/gを有することができる。多孔性支持体は、それを大気圧下で生物種で負荷した場合に多孔性支持体が有するであろうよりも高い負荷の、その上に固定化された生物種を有することができる。それは、多孔性支持体を大気圧下で生物種で負荷した場合にそれが有するであろうよりも少なくとも約10%高い、または少なくとも約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%高いものとすることができる。それは、例えば、多孔性支持体を大気圧下で生物種で負荷した場合にそれが有するであろうよりも、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140または150%高いものとすることができる。生物種は多孔性支持体の中および/または上に物理的に吸着することができる。
多孔性支持体はメソ多孔性とすることができる。それは、約2ないし50nm、または約10ないし40、10ないし30、10ないし20、20ないし50、30ないし50、40ないし50、20ないし40、または20ないし30nmの平均細孔径を有することができ、約10、15、20、25、30、35、40、45または50nmの平均細孔径を有することができる。多孔性支持体は無機多孔性支持体とすることができ、シリカ、または金属もしくは金属酸化物もしくは混合した金属酸化物とすることができる。金属は、例えば鉄、チタン、ジルコニウムまたはアルミニウムとすることができる。多孔性支持体は、フォーム、例えば通気性フォームとすることができ、あるいは焼成したもしくは他の多孔性とすることができる。それは、Schmidt-Winkelら, Science, 1999, 548, Lettowら, Langmuir, 2000, 16, 8291およびFanら, Angew. Chem. Int. Ed., 2003, 42, 3146に記載されているようなメソ構造通気性フォーム(MCF)またはFDU−12とすることができる。それは、「Mesocellular Foam Particles」なる発明の名称の同時係属出願にかかるシリカフォームとすることができる。多孔性支持体は粒子、例えばマイクロ粒子またはナノ粒子とすることができ、約100nmないし200ミクロンの粒径を有することができる。粒径は約500nmないし200ミクロン、または約1ないし200、10ないし200、50ないし200、100ないし200、1ないし100、1ないし50または1ないし10ミクロンまたは約100nmないし100ミクロン、100nmないし10ミクロン、100nmないし1ミクロンまたは500nmないし1ミクロンとすることができ、約100、200、300、400、500、600、700、800または900ミクロン、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200ミクロンとすることができる。多孔性支持体は狭い粒径分布を有することができる。平均粒径から10%を超えて異なる(平均粒径よりも大きいまたは小さい)粒径を有する粒子が約50%未満存在することができ、あるいは平均粒径から10%を超えて異なる粒径を有する粒子が約45、40、35、30、25、20、15、10または5%未満存在することができ、平均粒径から10%を超えて異なる粒径を有する粒子が約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45または50%存在することができる。多孔性支持体の粒子は、例えばより小さいサイズのウィンドウによって結合されたセル様メソ細孔を含むことができる。メソ細孔のサイズとウィンドウのサイズとの割合は、約10:1ないし1.5:1、または約10:1ないし2:1、10:1ないし5:1、5:1ないし1.5:1、3:1ないし1.5:1、5:1ないし3:1または8:1ないし4:1とすることができ、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4.5:1、4:1、3.5:1、3:1、2.5:1、2:1または1.5:1とすることができ、あるいはいくつかの他の割合とすることができる。多孔性支持体の粒子は、いくつかの他の構造を有することができる。かかる材料の「細孔径」に言及する場合、それは有効細孔径、すなわち材料を通るフローチャネルの最も狭い部分のサイズ、をいうことは理解される。したがって、より小さいサイズのウィンドウによって結合されたセル様メソ細孔を含む構造においては、「細孔径」とはウィンドウのサイズをいい、メソ細孔のサイズをいうものではない。粒子は、約0.5ないし5cm/gの細孔容積を有することができ、約0.5ないし2、0.5ないし1、1ないし5、3ないし5または1ないし3cm/gの細孔容積を有することができ、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5または5cm/gの細孔容積を有することができる。それは、約50ないし90%、または約50ないし70、60ないし70、70ないし80、80ないし90または75ないし85%の気孔率を有することができ、約50、55、60、65、70、75、80、85または90%の気孔率を有することができる。それは、約0.2ないし1g/mlの嵩密度、または約0.5ないし1、0.2ないし0.5、0.2ないし0.4、0.2ないし0.3、0.3ないし0.4または0.25ないし0.35g/mlの嵩密度を有することができる。それは、約0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95または1g/mlの嵩密度を有することができる。
支持体は疎水性支持体とすることができる。方法には、多孔性支持体を疎水化する工程を含むことができる。疎水化の工程には、多孔性支持体を疎水化剤に曝すことを含むことができる。疎水化剤は溶液でよく、溶媒に溶解することができる。疎水化剤は、多孔性支持体と反応することができる基を有することができ、少なくとも1つの疎水基も有することができる。例えば、多孔性支持体がシリカを含む場合には、疎水化剤はクロロシリル基、アルコキシシリル基、シラザン基またはいくつかの他の好適な基のような加水分解可能な基を含むことができる。疎水性剤はシランとすることができ、例えばハロシラン、シラザンまたはアルコキシシランまたはいくつかの他のタイプの加水分解可能なシラン(アセトキシシラン、オキシモシラン(oximosilane)、アミドシランほか)とすることができる。疎水基は、アルキル基、例えばC1ないしC24のアルキルまたはC24アルキルよりも大きいアルキル基、またはアリール基、例えばC6ないしC12のアリール、またはいくつかの他の好適な疎水基とすることができる。アルキル基は直鎖または分枝鎖とすることができ、1ないし24の炭素原子、または1ないし18、1ないし12、1ないし6、6ないし24、12ないし24または6ないし18の炭素原子を有することができ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22または24の炭素原子を有することができる。それは、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルのようなシクロアルキル基を含むことができる。アリール基は、例えばフェニル、ビフェニル、ナフチルまたはいくつかの他のアリール基とすることができる。アリールまたはアルキル基は、フッ素化またはポリフッ素化もしくは過フッ素化することができる。疎水化剤は、分子当たり1、2、3またはそれを超える疎水基を有することができる。それは、例えば、式RSiX4−nまたはRMeSiClを有することができ、ここにRは疎水基とすることができ、Xは加水分解可能な基であり、nは1、2または3である。あるいは、疎水化剤は、シロキサンまたはシクロシロキサンを含むことができる。好適な疎水化剤には、クロロジメチルオクチルシラン、クロロジメチルオクタデシルシラン、メトキシトリメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)または他のシクロシロキサンを含むことができる。疎水化の方法には、多孔性支持体を、所望により触媒と一緒に疎水化剤に、約1ないし48時間、例えば1ないし24時間、1ないし12時間、12ないし48時間、24ないし48時間または12ないし36時間(例えば、1、2、3、4、5、6、12、18、24、30、36、42または48時間)、約10ないし80℃の温度にて曝すことを含むことができる。温度は、約10ないし60、10ないし40、10ないし20、20ないし80、40ないし80、60ないし80、20ないし60または40ないし60℃とすることができ、約10、20、30、40、50、60、70または80℃とすることができる。触媒は疎水化剤および多孔性支持体の性質に依存することができる。それは、例えば第三級アミンのようなアミンとすることができ、例えばトリメチルアミンまたはトリエチルアミン、ピリジンまたはいくつかの他の塩基とすることができる。疎水化剤および、存在する場合には、触媒は、溶媒に溶解することができる。溶媒は有機とすることができ、非−水酸基性とすることができ、例えばトルエン、キシレンまたはいくつかの他の好適な溶媒とすることができる。曝すことには、多孔性支持体を溶媒中の疎水化剤の溶液に浸漬することが含まれ、その中に多孔性支持体を含む溶液を攪拌する、渦巻かせる、振盪する、音波処理するまたはその他混ぜることを含むことができ、あるいはそれには、溶液を多孔性支持体に通過させること、および所望により溶液を多孔性支持体を通して循環させることを含むことができる。本発明は、多孔性支持体および生物種の性質に依存して適当となり得る他のタイプの化学的修飾も認識している。
多孔性支持体は、化学的に修飾または疎水化する前に脱気および/または乾燥することができる。それは、約100ないし200℃、例えば100ないし150℃、100ないし120℃、150ないし200℃、170ないし200℃および125ないし175℃(例えば、約100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200℃)の温度に加熱することができる。それは、前記した温度にて、加熱することができ、および所望により乾燥、それにガスを通過させることができる。それは、常温にてガスを有する、および所望により乾燥したガスを有することができ、それを通過するガスを有することができる。それは、前記した温度にて真空に曝すことができる。真空とは、約10−2トル未満、または約5×10−3、10−3、5×10−4、10−4、5×10−5、10−5、5×10−6または10−6トル未満の絶対圧力を有することができ、約10−2ないし10−6トル、または約10−3ないし10−6トル、10−4ないし10−6トル、10−5ないし10−6トル、10−3ないし10−5トルまたは10−4ないし10−5トルの絶対圧力を有することができ、約5×10−3、10−3、5×10−4、10−4、5×10−5、10−5、5×10−6または10−6トルの圧力を有することができる。
化学的に修飾(例えば、疎水化)した後、多孔性支持体は1回またはそれを超える回数洗浄することができる。各洗浄は異なる洗浄溶媒を用いて行うことができ、あるいはいくつかの洗浄を同じ溶媒で行うことができる。溶媒は水性または有機とすることができる。有機溶媒は、極性または非極性とすることができる。好適な溶媒には、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ジクロロメタン、酢酸エチル、トルエンおよびキシレンが含まれ、好適な溶媒のいずれの混和性の組合せともすることができる。いずれかまたはすべての洗浄の後に、多孔性支持体を乾燥することができる。乾燥には、例えば多孔性基体を加熱(例えば、前記したように)する、それにガスを通過させる、または多孔性基体を真空(例えば、前記したように)に曝すことを含むことができる。ガスは、空気、窒素、二酸化炭素またはいくつかの他のガスとすることができ、加熱しても加熱しなくてもよい。
生物種を多孔性支持体に通過させる工程の後に、多孔性支持体は前記したように1回またはそれを超える回数洗浄することができる。いずれかまたはすべての洗浄の後に、多孔性支持体を乾燥することができる。乾燥には、例えば、多孔性基体を加熱する、それにガスを通過させる、または多孔性基体を真空に曝すことを含むことができる。ガスは、空気、窒素、二酸化炭素またはいくつか他のガスとすることができ、加熱しても加熱しなくてもよい。加熱(および/または加熱ガス)には、生物種を分解または変性しない温度を用いることができる。これは、生物種の性質に依存するであろう。その中に支持された生物基を有する多孔性支持体は熱的に安定性となることができる。それは、約50℃、または約60、70、80、90または100℃の温度まで熱的に安定とすることができる。それは、約15時間、または約14、13、12、11、10、9、8、7、6または5時間、該温度に加熱して、約10%未満、または約9、8、7、6、5、4、3、2または1%の触媒活性の損失を示してもよい。加熱は空気中またはいくつかの不活性ガス、例えば窒素または二酸化炭素中とすることができ、それは真空中とすることができる。
中に固定化された生物種を有する本発明にかかる多孔性支持体を用いて、出発物質から生成物への化学反応を触媒することができる。化学反応は、生物種によって触媒することができるものとすることができる。それは、不斉反応とすることができ、キラル生成物を生成する反応とすることができる。キラル生成物のエナンチオマー過剰率は、約95%よりも大きい、または約96、97、98、99、99.5、99.6、99.7、99.8または99.9%より大きいものとすることができ、約95、96、97、98、99、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9または100%とすることができる。エナンチオマー過剰率は、多孔性支持体に固定化していない生物種を用いて反応を行う場合とほぼ同じ、または異なるものとすることができる。
反応を触媒する方法には、溶媒中の出発物質の溶液を多孔性支持体に通過させることを含むことができ、あるいは溶液中に多孔性支持体を懸濁、攪拌そのほか分配することを含むことができる。溶液は試薬も含むことができ、該試薬は生物種の影響下にて出発物質と反応して生成物を生成することができる。溶媒は、出発物質および、存在する場合は試薬を溶解することができるいずれの好適な溶媒であってもよい。それは水性溶媒または有機溶媒、または水性および有機溶媒を含む混合物とすることができる。好適な溶媒には、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ジクロロメタン、酢酸エチル、トルエンおよびキシレンならびに溶媒の組合せが含まれる。したがって、反応は、溶媒中の出発物質のストリームを、所望により試薬と一緒に、多孔性支持体に通過させることによって連続的に行うことができる。あるいは、それは、例えば単一のバッチが溶媒中の出発物質のバッチと、多孔性支持体とを、所望により試薬と一緒に接触させて反応に十分な時間放置することを含むバッチ法で行うこともできる。いずれの場合においても、出発物質を、反応が起こるのに十分な時間多孔性支持体と接触させることが重要である。十分な時間は、出発物質、反応および多孔性支持体(例えば、多孔性支持体の生物種の負荷)の性質に依存するであろう。十分な時間は、約10分ないし24時間とすることができる。十分な時間は、10分ないし12時間、10分ないし6時間、10分ないし3時間、10分ないし1時間、10分ないし30分、1ないし24時間、6ないし24時間、12ないし24時間、18ないし24時間、1ないし12時間または1ないし6時間とすることができ、約10、20、30、40または50分、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24時間とすることができ、あるいは24時間を超えることもできる。前記したように反応を連続して行う場合は、中に固定化された生物基を有する多孔性支持体を通る溶液の流速は、反応が起こる十分な時間を許容するのに十分なものとすることができる。したがって、流速は、(前記に詳記した)十分な時間当たり1カラム長以下であろう。したがって、実際の流速(例えば、ml/分での)は、中に固定化された生物基を有する多孔性支持体が中に位置する容器(例えば、カラム)の寸法(特に、断面積)に依存するであろう。流速は、例えば出発物質を含む溶媒に加える圧力を調節することによって、調節することができる。
方法は以下のうちの1またはそれを超えることも含むことができる:
−溶液から多孔性支持体を分離すること、
−多孔性支持体を洗浄すること、
−多孔性支持体を乾燥すること、および
−溶液から生成物を分離すること。
多孔性支持体を分離する工程には、濾過、遠心分離、超遠心、沈降、デカンテーションまたはそれらの組合せを含むことができ、あるいは、いくつかの他の好適な方法を含むことができる。洗浄の工程には、洗浄溶媒中に多孔性支持体の懸濁する、洗浄溶媒中で多孔性支持体を攪拌、渦巻かせる、振盪、音波処理またはその他洗浄溶媒中で多孔性支持体をかき混ぜること、洗浄溶媒を多孔性支持体に通過させるまたはこれらのいずれかの組合せを含むことができる。洗浄溶媒は、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ジクロロメタン、酢酸エチル、トルエンおよびキシレンなどのいずれかの好適な溶媒、または溶媒のいずれかの組合せとすることができる。洗浄の工程は数回行うことができ、異なる洗浄溶媒を用いて行うことができる。各洗浄工程の後に、多孔性支持体は乾燥することができ、あるいは乾燥しないこともできる。乾燥は、例えば多孔性支持体を加熱する、ガスをそれに通過させる、または多孔性支持体を真空に曝すことを含むことができる。ガスは、空気、窒素、二酸化炭素、またはいくつかの他のガスとすることができ、加熱しても加熱しなくてもよい。加熱(および/または加熱ガス)は、生物種を分解または変性しない温度を用いることができる。これは、生物種の性質に依存するであろう。通過または再循環の間は0℃のような低温を用いることができる。これは、生物種が不安定な場合に有用となる場合がある。低温は約0ないし25℃、または約0ないし20℃、0ないし15℃、0ないし10℃、0ないし5℃、5ないし10℃、10ないし15℃、15ないし20℃、20ないし25℃、5ないし20℃、5ないし15℃または10ないし20℃とすることができ、約0、5、10、15、20または25℃とすることができる。溶液から生成物を分離する工程は、そのように行う技術分野で知られているいずれかの方法を用いて行うことができる。それには、例えば分取型HPLC、分取型GC、カラムクロマトグラフィー、蒸発、蒸留、再結晶、溶媒沈殿または昇華のうちの1またはそれを超えるものを含むことができる。
上に固定化された生物基を有する支持体は、複数のバッチに再使用すること、すなわち、(第1のバッチを除いて)いずれか1のバッチにおいて上に生物基を有する支持体をより早期の反応において使用することができる。それは、1バッチを超えて、または2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20バッチを超えて再使用することができる。いずれかの再使用における触媒活性は、約20%未満だけ、または約20、15、10または5%未満だけ元の触媒活性から低下することができ、約0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、10、15または20%だけ低下することができる。
実験
材料
支持体材料は、刊行物(Schmidt-Winkelら, Science, 1999, 548, Lettowら, Langmuir, 2000, 16, 8291およびFanら, Angew. Chem. Int. Ed., 2003, 42, 3146)にしたがって合成した、メソ構造の通気性フォーム(MCF)およびFDU−12とした。遊離酵素、カンジダ・アンタルクティカ(Candida Antarctica)2リパーゼB(CALB)はRoche社から購入した。Novozyme 435(市販の固定化酵素)はNovo Nordisk社から提供を受けた。クロロジメチルオクチルシランおよびクロロジメチルオクタデシルシランは、Aldrich社から購入した。
方法
メソ多孔性材料の化学修飾
2の長鎖アルキル基、オクチルおよびオクタデシル、を用いて疎水性のメソ多孔性材料を調製した。真空下、150℃にて一晩脱気した後に、MCF(3.0g)をトルエン(40ml)に懸濁し、ついで、攪拌しつつ、トリエチルアミン(12.0ミリモル、1.67ml)およびクロロジメチルオクチルシラン(6.0ミリモル、1.42ml)を順次添加した。その懸濁液を60℃にて24時間攪拌し、濾過した。固形物をトルエン、メタノール、アセトンおよびジクロロメタンで数回洗浄し、真空下で乾燥した。修飾したMCFをMCF−C8と命名した。MCF−C18は、クロロジメチルオクチルシランの代わりにクロロジメチルオクタデシルシラン(6.0ミリモル、2.08g)を用いた以外は同じ方法によって調製した。FDU−12−C8も、MCFの代わりにEDU−12を用いる同じ方法によって調製した。
酵素固定化
従来の負荷方法
機能化したMCF(0.6g)を、50mlのCALBストック溶液(8mg/ml)中で24時間激しく攪拌した。その懸濁液を濾過し、蒸留水およびヘキサンで洗浄した。真空下で乾燥した後に、遊離酵素中の窒素の比率に基づいて、酵素負荷のC、H、N分析に付した。ブラッドフォードアッセイを介して固定化後の上清中のタンパク質量を測定することによって結果を確認した。
圧力運転負荷法
機能化したMCF(0.6g)をシクロヘキサンに分散し、ついでスラリー充填機を用いて、高圧下で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カラム(100mm×4.6mm)に充填した。充填したカラムは真空下で完全に乾燥した。5000psi(約35MPa)の高圧下で、酵素ストック溶液(50ml、8mg/ml)をシリカカラムを通して2時間循環させた。ついで、酵素負荷シリカをカラムから収集し、蒸留水およびヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥した。酵素負荷は、前節に記載したようにC、H、N分析およびブラッドフォードアッセイによって測定した。
触媒反応
酢酸イソプロペニルでアシル化した1−フェニルエタノールの動力学的分割を用いて、触媒活性を調べた(反応図式1)。
Figure 2008532514
反応図式1:CALBによる酢酸イソプロペニルを用いた1−フェニルエタノールの動力学的分割
典型的な方法において、ある種の量の触媒(10mgの固定化した合計CALB負荷を含有する)を無水トルエン(15ml)に分散し、ついで、1−フェニルエタノール(10.8ミリモル、1.34ml)および酢酸イソプロペニル(17.4ミリモル、1.58ml)を室温にて順次添加した。完全な転化が達成されるまで、反応をガスクロマトグラフィー(GC)でモニターした。ついで、エナンチオマー過剰率(%ee)をHPLCによって測定した。
触媒再循環
反応が終了した後に、触媒を濾過し、トルエンで数回洗浄し、真空下にて乾燥した。乾燥した触媒を、新たな反応サイクルで使用する基質の正確な量を測定するように再計量した。
充填床反応器
250mm×4.6mmのHPLCカラムを用いた圧力運転法によってCALBをMCF−C18上に固定化した。カラムを高圧下(2000psi)、蒸留水で数回洗浄した。ついで、それは真空下にて乾燥し、充填床反応器として直接使用した。トルエン中の0.65Mの1−フェニルエタノールおよび0.97Mの酢酸イソプロペニルを充填床反応器を通して流した。完全な変換を達成する流速を決定するために、生成物をGCで連続的に分析した。
結果およびディスカッション
機能化したMCFの特徴付け
か焼MCFをよく明らかにし、それは24nmの平均細孔径を有する超巨大メソ細孔であることが判明した。その細孔容積および表面積は各々2.2cm/gおよび680m/gであった。細孔径は、合成条件を変化することにより容易に制御することができる。MCFのC基での修飾は、2nmだけ細孔径を減少した(表1)。C18基で修飾した場合、MCFは4nmだけ細孔径の減少を示した。MCF−CおよびMCF−C18の表面積および細孔容積も、未修飾のものよりも低かった(表1)。
Figure 2008532514
酵素負荷
従来の方法と比較して、圧力運転法は、より短時間でのMCF−C、MCF−C18およびFDU−12−Cに対する遙かに高い酵素負荷(3ないし4倍も高い)を与えた。例えば、24時間の攪拌は92mg/g MCF−Cの酵素負荷に通じ、一方で275mg/g MCF−Cの酵素負荷はちょうど2時間で圧力運転法によって達成された。MCF−Cよりも小さい細孔径および細孔容積を有するFDU−12−Cは、MCF−Cよりもより低い酵素負荷を示した。また、従来の方法よりも圧力運転法によるより大きな酵素負荷も示された。
1−フェニルエタノールの動力学的分割における活性および選択性
CALBによる1−フェニルエタノールのアシル化をトルエン中、室温にて行った。圧力運転法によって調製したCALB/MCF−CおよびCALB/MCF−C18は同様な触媒活性を示した(図1を参照されたい)。典型的な反応条件下(上記「触媒反応」を参照されたい)、(R)−1−フェニルエタノールから酢酸(R)−1−フェニルエチルへの完全な転化(すなわち、50%転化率)は両方の場合において5時間後に達成された。それに対して、遊離CALBは5時間で45.5%の転化を生じ、より遅い反応速度を示した。遊離酵素は通常有機溶媒中で凝集を形成する。MCFシリカのメソ細孔内に均一にCALBを負荷することによって、凝集が回避または減少し、より大きな酵素触媒活性を生じた可能性がある。図1の3のすべての触媒は高エナンチオ選択性(ee>99.7%およびee>99.7%)を示し、圧力運転負荷法がCALBの選択性を変化させなかったことが示された(eeとは基質のエナンチオ選択性をいい、換言すれば、残りの反応物をいい、eeは生成物のエナンチオ選択性を表す)。
複数の反応を運転する間にわたる酵素溶脱
反応の間のいずれの酵素溶脱も、つづく反応における転化の低下に通じるでろう。それは、C、H、N分析によっても定量的に決定し得る。従来の方法によって調製したCALB/MCF−Cは、5の反応にわたって転化率の実質的低下(50%から37%)を示した(図2a)。それに対して、圧力運転法によって調製したCALB/MCF−Cは、8の反応または48時間の反応後に変換のわずかな低下(50%から46.5%)しか示さなかった(図2b)。C、H、N分析の結果は、従来の方法によって固定化した場合、5の反応の後に65%を超えるCALBがMCF−C溶脱したことを示した(表2)。
Figure 2008532514
圧力運転法によって導入した場合、8の反応の後に検出した約10%のみの溶脱だけで、CALBはほとんどがメソ多孔性支持体内に残存した。圧力運転法は酵素負荷を改善するのみならず、酵素の溶脱も減少したことを特記する。
酵素分子は圧力運転法によってMCF−Cのメソ細孔内に深く押し込められ、定着したようである。それに対して、従来の攪拌法では、実質的な量の酵素分子がおそらく支持体の外部表面上に弱く吸着したようである。このことは、2の固定化法からの酵素溶脱の量における差を説明している。
圧力運転法によって酵素を負荷した後に、固定化した酵素触媒を蒸留水で数回洗浄した。これらの洗浄からの濾液は、ブラッドフォード・アッセイによって測定してもいずれの酵素も含んでいなかった。このことも、酵素がMCF−Cのメソ細孔内に強固に捕捉されたことを示した。
再使用可能性の評価
圧力運転法によって調製したCALB/MCF−CおよびCALB/MCF−C18の再使用可能性を、市販されているNovozyme 435と比較した。Novozyme 435と比較すると、CALB/MCF−CおよびCALB/MCF−C18は複数の反応にわたる優れた1時間転化率を示した(図3)。この実験は、圧力運転法によってメソ多孔性シリカ支持体に固定化された酵素が、市販のポリマーマトリクスに固定化されたもの(Novozyme 435)よりもより安定な活性を有することを示している。
熱安定性
その熱安定性を調べるために、遊離および固定化CALB触媒を80℃にて15時間処理し、ついで動力学的分割反応で試験した。圧力運転法によって調製したCALB/MCF−Cは熱処理によって活性のいずれの損失も示さなかった(図4a)。それに対して、従来の方法によって調製したCALB/MCF−CおよびNovozyme 435は、熱処理後に活性における実質的低下を示した(図4bおよび4c)。遊離CALBは熱処理の際にかなり失活し、その活性の大部分を損失した(図4d)。この実験は、酵素触媒を固定化してより大きな熱安定性を達成することの必要を示し、圧力運転法がこれに特に有効であることを示している。
CALB/MCF−C18の充填床反応器
CALB/MCF−C18充填床反応器は、250mm×4.6mm HPLCカラムを用いる圧力運転法によって調製した。(R)−1−フェニルエタノールから酢酸(R)−1−フェニルエチルへの完全な転化は、トルエン中の0.65Mの1−フェニルエタノールおよび0.97Mの酢酸イソプロペニルを用い、1.5ml/分の流速で行った。0.5ml/分未満の流速では、CALBによる酢酸イソプロペニルの重合から白色の生成物を生じた。このポリマー生成物は背圧を上昇した。最適化した反応条件(1.5ml/分)下では、重合は生じなかった。充填床反応器の活性およびエナンチオ選択性は、6時間の連続反応の間に変化しなかった。
結論
酵素固定化の新規な圧力運転法は、疎水性のメソ多孔性シリカ支持体に対する酵素負荷をおおきく高めた。280mg/g支持体にのぼる非常に高い酵素負荷が達成された。固定化酵素は、市販のNovozyme 435よりも複数の運転の間により少ない溶脱を示した。酵素の熱安定性も、新規な固定化アプローチによって顕著に改善された。圧力運転法によって調製したCALB/MCF−C18は、充填床反応器として首尾よく適用された。
本発明の方法は、メソ多孔性シリカに対する他の酵素にも広く適用し得る。この実験は、酵素固定化用の最高の支持体としてのMCFも示している。MCFの細孔径はを容易に制御することができて、異なるサイズの酵素の溶脱を最適化することができる。
図1は、実施例におけるCALB/MCF−C18(四角)、CALB/MCF−C(円)および遊離CALB(三角)の触媒活性を示すグラフである。 図2は、(a)従来の固定化方法、および(b)本発明の圧力−運転法によって調製したCALB/MCF−Cにわたる一連の実施における変換−対−時間を示す2のグラフを示す。 図3は、市販の固定化CALB(Novozym 435)(四角)、本発明の圧力−運転法によって固定化したCALB/MCF−C(円)および本発明の圧力−運転法によって固定化したCALB/MCF−C18(ひし形)による、一連の実施で達成された1時間変換を示すグラフである。 図4は、(a)本発明の圧力運転法、(b)従来の方法、(c)Novozym 435、および(d)遊離CALBによって調製したCALB/MCF−Cの変換の4のグラフを示し、ここでは触媒を熱処理の前(実線)および後(点線)に試験した。

Claims (36)

  1. 高圧下で、生物種を含む流体を多孔質支持体に通過させることを含む、多孔質支持体に生物種を固定化する方法。
  2. 該圧力が、約10MPaよりも大きい請求項1記載の方法。
  3. 該圧力が、約25ないし50MPaである請求項1記載の方法。
  4. 該生物種が酵素である請求項1記載の方法。
  5. 該流体が水性液体である請求項1記載の方法。
  6. 該多孔性支持体が多孔性シリカを含む請求項1記載の方法。
  7. 該多孔性支持体が約2ないし50nmの平均細孔径を有する請求項1記載の方法。
  8. 該多孔性支持体がメソ構造通気性のシリカを含むフォームを含む請求項1記載の方法。
  9. 該多孔性支持体が疎水性である請求項1記載の方法。
  10. 液体を多孔性支持体に通過させる前に多孔性支持体を疎水化する工程を含む請求項1記載の方法。
  11. 高圧下で流体を多孔性支持体に通して再循環させることを含む請求項1記載の方法。
  12. 流体を多孔性支持体に通過させる前に多孔性支持体を乾燥することを含む請求項1記載の方法。
  13. 中に固定化された生物種を有する多孔性支持体であって、該多孔性支持体が、大気圧で行う方法によって中に固定化された生物種を有する多孔性支持体よりも、高い負荷の中に固定化された生物種を有する多孔性支持体。
  14. 高圧下で、生物種を含む流体を多孔性支持体に通過させることを含む方法によって作製した、中に固定化された生物種を有する多孔性支持体。
  15. 該方法において、圧力が約10MPaよりも大きい請求項14記載の多孔性支持体。
  16. 該方法において、圧力が約25ないし50MPaである請求項14記載の多孔性支持体。
  17. 該生物種が酵素である請求項14記載の多孔性支持体。
  18. 該方法において、流体が水性液体である請求項14記載の多孔性支持体。
  19. 多孔性シリカを含む請求項14記載の多孔性支持体。
  20. 約2ないし50nmの平均細孔径を有する請求項14記載の多孔性支持体。
  21. メソ構造通気性のシリカを含むフォームを含む請求項14記載の多孔性支持体。
  22. 疎水性である請求項14記載の多孔性支持体。
  23. 該方法が、液体を多孔性支持体に通過させる前に多孔性支持体を疎水化する工程を含む請求項14記載の多孔性支持体。
  24. 該方法が、高圧で流体を多孔性支持体に通して再循環させることを含む請求項14記載の多孔性支持体。
  25. 該方法が、流体を多孔性支持体に通過させる前に多孔性支持体を乾燥することを含む請求項14記載の多孔性支持体。
  26. 中に固定化された酵素を有する疎水性のメソ構造多孔性のシリカ支持体であって、
    シリカ支持体を疎水化し、
    シリカ支持体を乾燥し、ついで
    高圧下で、酵素を含む水性流体をシリカ支持体に通して再循環する
    ことを含む方法によって作製した疎水性のメソ構造多孔性のシリカ支持体。
  27. 中に固定化された生物種を有する多孔性支持体に出発物質を曝すことを含む化学反応を触媒する方法であって、該生物種が出発物質の反応を触媒して生成物を生成することができる酵素を含み、該中に固定化された生物種を有する多孔性支持体が高圧下で生物種を含む流体を多孔性支持体に通過させることを含む方法によって作製される該方法。
  28. 該生成物がキラル生成物である請求項27記載の方法。
  29. 該出発物質が溶液中に存在する請求項27記載の方法。
  30. 該溶液を中に固定化された生物種を有する多孔性支持体に通過させることを含む請求項29記載の方法。
  31. 該溶液が試薬も含む請求項29記載の方法。
  32. 該中に固定化された生物種を有する多孔性支持体をより早期の反応において使用している請求項27記載の方法。
  33. 請求項27ないし32のいずれか1項に記載の方法によって触媒される化学反応によって生成する生成物。
  34. 中に固定化された生物種を有する多孔性支持体を含む、高圧下で、生物種を含む流体を中に固定化された生物種を有する多孔性支持体を通過させることを含む方法によって出発物質を生成物に転化する反応器であって、該多孔性支持体がハウジング内に配置されており、該生物種が該出発物質を該生成物に転化することができる該反応器。
  35. 高圧下で、生物種を含む流体を多孔性支持体に通過させることを含む方法によって中に固定化された生物種を有する多孔性支持体でハウジングを少なくとも部分的に満たすことを含む、出発物質を生成物に転化する反応器を調製する方法であって、該生物種が該出発物質を該生成物に転化することができる該方法。
  36. 出発物質を生成物に転化する反応器を調製する方法であって、
    −多孔性支持体でハウジングを少なくとも部分的に満たし;ついで
    −高圧下で、生物種を含む流体を多孔性支持体に通過させることを含む方法によって多孔性支持体に生物種を固定化する;
    ことを含み、ここに該生物種が該出発物質を該生成物に転化することができる該方法。
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