JP2008526818A - Pde10インヒビターとしての新規のピロロジヒドロイソキノリン - Google Patents

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Abstract

本発明は、PDE10の効果的なインヒビターである新規のピロロジヒドロイソキノリン誘導体に関する。

Description

本発明は、医薬品組成物の製造のための医薬品工業で使用される新規のピロロジヒドロイソキノリン誘導体に関する。
技術背景
国際出願WO02/48144号、WO03/014115号、WO03/014116号、WO03/014117号及びWO03/051877号は、癌療法において有用なPDE10阻害活性を有するピロロジヒドロイソキノリン誘導体を開示している。
欧州出願EP1250923号は、一般に選択的PDE10インヒビターの使用と、パパベリンを、特に一定の神経学的疾患及び精神医学的疾患の治療のために用いる使用を開示している。
更に、米国出願US2003/0008806号、US2003/0018047号、US2003/032579号、US2004/162293号及びUS2004/162294号は、同様に、一般に選択的PDE10インヒビターの使用と、パパベリンを、特に一定の精神学的疾患及び精神医学的疾患の治療のために用いる使用を開示している。
なおも更に、国際出願WO03/093499号は、また一般に選択的PDE10インヒビターの使用と、パパベリンを、特に一定の神経学的疾患及び精神医学的疾患の治療のために用いる使用を開示している。
前記の国際出願WO2005/120514号は、PDE10インヒビターを投与することによって、動物の体重及び/又は体脂肪を低減させるための方法、非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)、メタボリックシンドロームもしくは糖不耐症を治療するための方法を開示している。
該国際出願WO2005/120514号は、糖尿病、例えば2型糖尿病のPDE10インヒビターの投与による治療に関する。
該米国特許US5965575号は、5HT1Bアンタゴニストとしてピロロジヒドロイソキノリン誘導体を開示している。
国際出願WO03/000269号は、PDE10Aインヒビターを、神経変性疾病、特にパーキンソン病の治療のために用いる使用を開示している。
該国際出願WO2005/003129号は、PDE10の効果的なインヒビターであるピロロジヒドロイソキノリン誘導体に関する。
該国際出願WO2005/002579号は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン構造要素を、PDE10を阻害する化合物の全構造の一体部分として用いる使用に関する。
発明の開示
ここで、以下に非常に詳細に記載されるピロロイソキノリン誘導体が、先行技術の化合物とは予想しない構造的特徴の点で異なり、かつ意想外かつ特に有利な特性を有することが判明した。
従って、本発明は、式I
Figure 2008526818
[式中、
R1は、ハロゲン、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルコキシ、C3〜C7−シクロアルコキシ、C3〜C7−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C4−アルコキシであり、
R2は、水素、ハロゲン又はC1〜C4−アルコキシであり、かつ
R3は、水素又はC1〜C4−アルコキシであるか、又は
R2及びR3は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、C1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成するか、又は
R2及びR3は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成するか、又は
R1及びR2は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、C1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成し、かつR3は、水素であるか、又は
R1及びR2は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成し、かつR3は、水素であり、
R4は、水素、フッ素、塩素、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、シアノ、C1〜C4−アルコキシカルボニル又は−CH2−O−R411であり、その際、
R411は、水素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニルであり、
R41は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R5は、水素、フッ素又はC1〜C4−アルキルであり、かつ
R51は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R4は、水素、フッ素、塩素又はC1〜C4−アルキルであり、
R41は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R5は、水素、フッ素、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、シアノ、C1〜C4−アルコキシカルボニル又は−CH2−O−R511であり、その際、
R511は、水素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニルであり、かつ
R51は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R4及びR5は、一緒になって、C1〜C4−アルキレン架橋を形成し、かつR41及びR51は、両者とも水素であり、
R6は、C1〜C6−アルキル、アミノ、ホルミル又はR61によって置換されたC1〜C4−アルキルであり、その際、
R61は、C1〜C4−アルコキシカルボニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシ、ヒドロキシル、ハロゲン又は−N(R611)R612であり、その際、
R611は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり、かつ
R612は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R611及びR612は、一緒になって、それらが結合される窒素原子を含んで、基Het1を形成し、その際、
Het1は、R611及びR612が結合される1個の窒素原子と、場合により窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される更なる1個のヘテロ原子とを有し、R613によって環窒素原子上で置換されていてよい、5員ないし7員の飽和の複素環式の環基であり、その際、
R613は、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルキル、アミノ−C2〜C4−アルキル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C2〜C4−アルキル、ホルミル、ピリジル又はピリミジニルであり、
R7は、フェニル、Het2、R71及び/又はR72及び/又はR73で置換されたフェニル、R74及び/又はR75で置換されたHet2、ナフチル又はR76及び/又はR77で置換されたナフチルであり、その際、
Het2は、ピロロイソキノリン骨格に環炭素原子を介して結合されており、かつ窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、単環式もしくは縮合二環式の5員ないし10員の部分的にもしくは完全に芳香族の複素環式の環基であり、
R71は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C3〜C7−シクロアルコキシ、C3〜C7−シクロアルキルメトキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、カルボキシル、C1〜C4−アルキルチオ、アリールオキシ−C2〜C4−アルコキシ、アリールオキシ−C1〜C4−アルキル、アリールオキシ、アリール−C1〜C4−アルコキシ、アリール、C1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C4−アルコキシ、アミノ−C2〜C4−アルコキシ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C2〜C4−アルコキシ、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C4−アルコキシ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、カルバモイル、テトラゾリル又は−N(H)S(O)2−N(R712)R713であり、その際、
アリールは、フェニル又はR711で置換されたフェニルであり、その際、
R711は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ニトロ又はシアノであり、
R712は、C1〜C4−アルキルであり、
R713は、C1〜C4−アルキルであるか、又は
R712及びR713は、一緒になって、それらが結合される窒素原子を含んで、基Het3を形成し、その際、
Het3は、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル又はモルホリン−4−イルであり、
R72は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、
R73は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R74は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、シアノ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、モルホリノ、カルボキシル、ニトロ、フェニル、フェニルオキシ、フェニル−C1〜C4−アルキル、アリールスルホニル、C1〜C4−アルキルスルホニル又は−S(O)2−N(R712)R713であり、
R75は、C1〜C4−アルキル又はハロゲンであり、
R76は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、カルボキシル又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、
R77は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R8は、R81によって置換されていてよく、かつHet4であり、その際、
Het4は、ピロロイソキノリン骨格に環炭素原子を介して結合されており、かつオキサジアゾリル基又はオキサゾリル基であり、
R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811及び/又はR812で置換されたフェニルであり、その際、
R811は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンであり、
R812は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンである]で示される化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩に関する。
1〜C4−アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。挙げられる例は、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基及び、有利にはエチル基及びメチル基である。
2〜C4−アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の2〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。挙げられる例は、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基及び、有利にはエチル基である。
1〜C6−アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表す。挙げられる例は、ヘキシル基、イソヘキシル(4−メチルペンチル)基、ネオヘキシル(3,3−ジメチルブチル)基、ペンチル基、イソペンチル(3−メチルブチル)基、ネオペンチル(2,2−ジメチルプロピル)基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基、エチル基又はメチル基である。
1〜C4−アルコキシは、酸素原子の他に直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有する基を表す。挙げられる例は、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基及び、有利にはエトキシ基及びメトキシ基である。
1〜C4−アルキルチオは、硫黄原子の他に直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有する基を表す。挙げられる例は、エチルチオ基及びメチルチオ基である。
2〜C4−アルコキシは、酸素原子の他に、2〜4個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を有する基を表す。挙げられる例は、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、有利にはエトキシ基である。
3〜C7−シクロアルコキシは、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ及びシクロヘプチルオキシを表し、そのうちシクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ及びシクロペンチルオキシが有利である。
3〜C7−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを表し、そのうちシクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルが有利である。
3〜C7−シクロアルキルメトキシは、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシ及びシクロヘプチルメトキシを表し、そのうちシクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ及びシクロペンチルメトキシが有利である。
3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルは、前記のC1〜C4−アルキル基の1つであって、それが前記のC3〜C7−シクロアルキル基の1つによって置換されている基を表す。挙げることができる例は、C3〜C7−シクロアルキルエチル基(例えばシクロヘキシルエチル基)又はC3〜C7−シクロアルキルメチル基(例えばシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル及びシクロヘプチルメチルであり、そのうちシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル及びシクロペンチルメチルが好ましい)である。
完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC1〜C4−アルコキシとしては、例えば2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ基、ペルフルオロエトキシ基、1,2,2−トリフルオロエトキシ基、特に1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、トリフルオロメトキシ基及び、有利にはジフルオロメトキシ基が挙げられる。この関連での"大部分が"とは、C1〜C4−アルコキシ基中の水素原子の半分より多くがフッ素原子により置換されていることを意味する。
1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルコキシは、前記のC1〜C4−アルコキシ基の1つによって置換されている前記のC2〜C4−アルコキシ基の1つを表す。挙げられる例は、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基及び2−イソプロポキシエトキシ基である。
1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルキルは、前記のC1〜C4−アルコキシ基の1つによって置換されている前記のC2〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、2−メトキシエチル基及び2−イソプロポキシエチル基である。
1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキルは、前記のC1〜C4−アルコキシ基の1つによって置換されている前記のC1〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、2−メトキシエチル基及び2−イソプロポキシエチル基である。
1〜C2−アルキレンジオキシは、例えばメチレンジオキシ[−O−CH2−O−]基及びエチレンジオキシ[−O−CH2−CH2−O−]基を表す。
完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC1〜C2−アルキレンジオキシ架橋としては、例えばジフルオロメチレンジオキシ[−O−CF2−O−]基が挙げられる。この関連での"大部分が"とは、C1〜C4−アルキレンジオキシ基中の水素原子の半分より多くがフッ素原子により置換されていることを意味する。
フェニル−C1〜C4−アルキルは、フェニル基によって置換されている前記のC1〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、フェネチル基及びベンジル基である。
1〜C4−アルコキシカルボニルは、カルボニル基の他に前記のC1〜C4−アルコキシ基の1つを有する基を表す。挙げられる例は、メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基である。
1〜C4−アルキルカルボニルは、カルボニル基の他に、前記のC1〜C4−アルキル基の1つを有する基を表す。挙げられる例は、アセチル基である。
1〜C4−アルキレンは、直鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基(−CH2−)又は、特にトリメチレン基(−CH2−CH2−CH2−)又はテトラメチレン基(−CH2−CH2−CH2−CH2−)である。
本発明の意味上の範囲内ではハロゲンは、臭素、有利には塩素及びフッ素である。
ヒドロキシ−C2〜C4−アルキルは、ヒドロキシ基により置換された前記のC2〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、2−ヒドロキシエチル基及び3−ヒドロキシプロピル基である。
ヒドロキシ−C2〜C4−アルコキシは、ヒドロキシ基により置換された前記のC2〜C4−アルコキシ基の1つを表す。挙げられる例は、2−ヒドロキシエトキシ基及び3−ヒドロキシプロポキシ基である。
アミノ−C2〜C4−アルキルは、アミノ基によって置換されている前記のC2〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、2−アミノエチル基及び3−アミノプロピル基である。
アミノ−C2〜C4−アルコキシは、アミノ基によって置換されている前記のC2〜C4−アルコキシ基の1つを表す。挙げられる例は、2−アミノエトキシ基及び3−アミノプロポキシ基である。
窒素原子の他に、モノ−又はジ−C1〜C4−アルキルアミノ基は前記のC1〜C4−アルキル基の1つ又は2つを含有する。ジ−C1〜C4−アルキルアミノが強調されるべきであり、かつ本願では特にジメチルアミノ、ジエチルアミノ及びジイソプロピルアミノである。
モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C2〜C4−アルキルは、前記のモノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ基の1つによって置換されている前記のC2〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、2−ジメチルアミノエチル基及び3−ジメチルアミノプロピル基である。
モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C2〜C4−アルコキシは、前記のモノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ基の1つによって置換されている前記のC2〜C4−アルコキシ基の1つを表す。挙げられる例は、2−ジメチルアミノエトキシ基及び3−ジメチルアミノプロポキシ基である。
1〜C4−アルキルスルホニルは、スルホニル基であって、そこに前記のC1〜C4−アルキル基の1つが結合されている基である。一例はメタンスルホニル基(CH3SO2−)である。
1〜C4−アルキルスルホニルアミノは、前記のC1〜C4−アルキルスルホニル基の1つにより置換されているアミノ基を表す。一例はメタンスルホニルアミノ基(CH3SO2NH−)である。
他の基又は残基の一部を形成するものを含めて本願で呼称されるアリール基には、フェニル基又はR711で置換されたフェニル基が含まれる。
アルコキシは、フェノキシ又はR711で置換されたフェノキシを表す。
アリール−C1〜C4−アルコキシは、前記のアリール基の1つによって置換されている前記のC1〜C4−アルコキシ基の1つを表す。挙げられる例は、2−アリールエトキシ基(例えばフェネトキシ)及びアリールメトキシ基(例えばベンジルオキシ)である。
アリールオキシ−C2〜C4−アルコキシは、前記のアリールオキシ基の1つによって置換された前記のC2〜C4−アルコキシ基の1つを表す。挙げられる例は、2−アリールオキシエトキシ(例えば2−フェノキシエトキシ)基である。
アリールオキシ−C1〜C4−アルキルは、前記のアリールオキシ基の1つによって置換された前記のC1〜C4−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、2−アリールエチル基(例えばフェノキシエチル)及びアリールオキシメチル基(例えばフェノキシメチル)である。
モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル基はカルボニル基の他に、前記のモノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ基の1つを含有する。挙げられる例は、N−メチルアミノカルボニル基、N,N−ジメチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N−プロピルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルアミノカルボニル基及びN−イソプロピルアミノカルボニル基である。
Het1は、R611及びR612が結合される1つの窒素原子及び場合により窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択されるもう1つのヘテロ原子を有し、かつ場合により環窒素原子上でR613によって置換されている5員乃至7員の飽和複素環基を指す。Het1の例は、例えばピペリジン−1−イル、4−メチル−ピペリジン−1−イル、4−ヒドロキシピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、イミダゾリジン−1−イル、チオモルホリン−4−イル、ホモピペリジン−1−イル、ホモピペラジン−1−イル、4−N−(C1〜C4−アルキル)−ホモピペラジン−1−イル又は環窒素原子上でR613によって置換されたピペラジニル[4−N−(R613)−ピペラジン−1−イル]、例えば4−N−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−1−イル、4−N−(ヒドロキシ−C2〜C4−アルキル)−ピペラジン−1−イル、4−N−(ジメチルアミノ−C2〜C4−アルキル)−ピペラジン−1−イル、4−N−(C3〜C6−シクロアルキル)−ピペラジン−1−イル、4−N−ホルミル−ピペラジン−1−イル、4−N−(ピリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル、4−N−(ピリミジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル又は4−N−(C3〜C6−シクロアルキルメチル)−ピペラジン−1−イルを含む。
Harは、窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個の、特に1〜3個のヘテロ原子を有する、単環式もしくは縮合二環式の5員ないし10員の部分的にもしくは完全に芳香族の複素環式の環又は環系を指す。Har基は、環炭素原子を介して隣接するピロロイソキノリン骨格に結合されている。
一実施態様(実施態様a)においては、Harは、窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、単環式の5員の完全に芳香族のヘテロアリール基を指す。
実施態様aによるHar基の例は、これらに制限されないが、フラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル又はオキサジアゾリルを含んでよい。
もう一つの実施態様(実施態様b)においては、Harは、1又は2個の窒素原子を有する単環式の6員の完全に芳香族のヘテロアリール基を指す。
実施態様bによるHar基の例は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はピリダジニルを含んでよい。
挙げるに値する実施態様aによるHar基は、ピリジニル、例えばピリジン−4−イルである。
もう一つの実施態様(実施態様c)においては、Harは、窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個の、特に1〜3個の、殊に1又は2個のヘテロ原子を有する、縮合二環式の9員又は10員の完全に芳香族のヘテロアリール基を指す。
実施態様cによるHar基の例は、これらに制限されないが、実施態様a又はbで前記に例示して挙げたHar基のベンゾ縮合された類似体、例えばキナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル又はベンゾイミダゾリル又はナフチリジニル、フタラジニル、イミダゾピリジニル、プリニル、プテリジニル又はイミダゾピリダジニルを含んでよい。
実施態様cによるベンゼン環を有するHar基は、親分子基に、ヘテロ原子含有環又はベンゼン環の任意の環炭素原子を介して結合されていてよい。
挙げるに値する実施態様cによるHar基は、インドリル、ベンゾチオフェニル又はキノリニル、例えばインドール−3−イル、ベンゾチオフェン−3−イル又はキノリン−4−イルである。
もう一つの実施態様(実施態様d)においては、Harは、第一の構成成分と、該第一の構成成分に縮合された第二の構成成分とから成る二環式の部分的に芳香族の複素環式の基であって、前記第一の構成成分が、窒素、酸素及び硫黄から無関係に選択される1又は2個のヘテロ原子を有する5員又は6員の単環式の完全飽和の複素環式の環であり、かつ前記第二の構成成分が、ベンゼン環である基を指し、その際、前記のHar環系は、親分子基に、ベンゼン部の任意の環炭素原子を介して結合されている。
実施態様dによるHar基の例は、これらに制限されないが、インドリニル、イソインドリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、1,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、2,3−ジヒドロベンゾチオフェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル又はクロマニルを含んでよい。
もう一つの実施態様(実施態様e)においては、Harは、実施態様a又はbによる任意の窒素含有のヘテロアリール環の安定なN−オキシド誘導体、特に任意のイミノ型の窒素(=N−)を有するヘテロアリール環の安定なN−オキシド誘導体を指す。
実施態様dによるHar基の例は、これに制限されないが、N−オキシ−ピリジニルを含んでよい。
特に挙げるに値する実施態様cによるHar基は、1N−オキシ−ピリジン−4−イルである。ナフチルは、ナフタレン−1−イル及びナフタレン−2−イルを含む。
N−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジニルは、4位の環窒素原子N上で前記のC1〜C4−アルキル基の1つによって置換されたピペラジン−1−イル基を表す。
本願で挙げられる複素環基は、特に示されない限りは、その全ての可能な異性形を含む。このように例えば、本願で挙げられる複素環式の環は、それらの可能な互変異性体及び位置異性体を含む(例えばピリジル又はピリジニルという用語は、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル及びピリジン−4−イルを含むように)。
本願に記載のように置換されていてよい成分は、特に記載がない限り任意の可能な位置で置換されていてよい。
置換基R1、R2及び/又はR3は、特に記載がない限り、ピロロジヒドロイソキノリン環のベンゾ環部の任意の位置に結合されていてよい。
示される複素環式の基は、特に示されない限りは、本願に挙げられる置換基によって任意の可能な位置で、例えば任意の置換可能な環炭素原子又は環窒素原子で置換されていてよい。
イミノ型の環窒素原子(−N=)を有するヘテロアリール環は、有利には、これらのイミノ型の環窒素原子上で前記の置換基によって置換(すなわち第4級化)されていなくてよい。
本発明による化合物の置換基R71、R72及び/又はR73は、ピロロジヒドロイソキノリン環のピロロ部にフェニル環が結合されている結合位置に対してオルト位、メタ位又はパラ位でそれぞれ結合されていてよく、その際、本発明の一実施態様では、メタ位での結合又はパラ位での結合が強調されるべきである。
任意の置換基が任意の成分中に1回以上存在する場合には、各定義は無関係である。
式Iの化合物についての適当な塩(置換基に依存して)は全ての酸付加塩又は塩基との全ての塩である。薬学で慣用に使用される薬理学的に認容性の無機及び有機の酸及び塩基のそれが特に挙げられる。これらの好適なものは、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のような酸との、一方では、水不溶性の酸付加塩、特に水溶性の酸付加塩であり、その際、前記の酸は塩調製において(一塩基酸又は多塩基酸のどちらが考慮されるかに依存して、そしてどの塩が望ましいかに依存して)等モル量比又はそれとは異なる比で使用される。
他方で、置換によっては塩基との塩も適当である。塩基との塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、チタン、アンモニウム、メグルミン又はグアニジニウムの塩であり、その際、この場合にも塩基は塩調製において等モル量比又はそれとは異なる比で使用される。
本発明による式Iの化合物の工業的規模での製造の間に、例えばプロセス生成物として得ることができる薬理学的に非認容性の塩は当業者に公知の方法によって薬理学的に認容性の塩に変換される。
専門知識によれば、本発明の式Iの化合物並びにそれらの塩は、例えば結晶形で単離された場合に、種々の量の溶剤を含有してよい。従って本発明の範囲内では、式Iの化合物の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物、及びまた式Iの化合物の塩の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物が包含される。
置換に応じて、式Iの化合物は、単結合の周りの回転を妨げるため、例えばキラル中心及び/又はキラル軸を有するキラル化合物であってよい。キラル軸は、特に本発明による化合物中に存在してよく、その際、R7は単環式の環がピロロ[2.1−a]イソキノリン環系に結合される結合位置に対してオルト位で置換されている二環式の環又は単環式の環である。キラル中心は、例えばR4、R41、R5及びR51の意味に応じて、ピロロ[2,1−a]イソキノリン骨格の5位及び/又は6位に位置することができる。従って本発明は、例えば全ての考えられる純粋なジアステレオマー及び純粋なエナンチオマー及び任意の混合比でのその混合物、例えばラセミ体並びにそれらの塩である。ジアステレオマー混合物は、標準的方法、例えばクロマトグラフィー法によって個々の異性体に分割できる。エナンチオマーは公知のように分割できる(例えばキラル相でのクロマトグラフィー又は分割によって)。
従って、例えば、純粋な(5R)−エナンチオマー及び純粋な(5S)−エナンチオマー並びに任意の混合比でのそれらの混合物、例えばラセミ体並びにそれらの塩は、本発明の一部を成す。
より挙げるに値する本発明による化合物は、式Iで示され、その式中、
R1は、C1〜C4−アルコキシ、C3〜C7−シクロアルコキシ、C3〜C7−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C4−アルコキシであり、
R2は、水素、ハロゲン又はC1〜C4−アルコキシであり、かつ
R3は、C1〜C4−アルコキシであるか、又は
R2及びR3は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、C1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成するか、又は
R2及びR3は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成するか、又は
R1及びR2は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、C1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成し、かつR3は、水素であるか、又は
R1及びR2は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成し、かつR3は、水素であり、かつ
R1、R2及びR3のいずれも、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の10位に結合されておらず、
R4は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R41は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R5は、水素、C1〜C4−アルキル、シアノ又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、
R51は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R4及びR5は、一緒になって、C3〜C4−アルキレン架橋を形成し、かつR41及びR51は、両者とも水素であり、
R6は、C1〜C6−アルキル又はR61によって置換されたC1〜C4−アルキルであり、その際、
R61は、C1〜C4−アルコキシカルボニル又はカルボキシルであり、
R7は、Het2、R71及び/又はR72及び/又はR73で置換されたフェニル、R74で置換されたHet2又はナフチルであり、その際、
Het2は、
窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式の5員のヘテロアリール基か、又は
1又は2個の窒素原子を有する単環式の6員のヘテロアリール基か、又は
窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜3個のヘテロ原子を有する縮合二環式の9員もしくは10員のヘテロアリールか、又は
N−オキシ−ピリジルか
のいずれかであり、
R71は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルキルスルホニルアミノ、カルボキシル、アリールオキシ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、カルバモイル、テトラゾリル又は−N(H)S(O)2−N(R712)R713であり、その際、
アリールは、フェニル又はR711で置換されたフェニルであり、その際、
R711は、ハロゲン又はC1〜C4−アルキルであり、
R712は、C1〜C4−アルキルであり、かつ
R713は、C1〜C4−アルキルであるか、又は
R712及びR713は、一緒になって、それらが結合される窒素原子を含んで、基Het3を形成し、その際、
Het3は、モルホリン−4−イルであり、
R72は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R73は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R74は、C1〜C4−アルキル、フェニル−C1〜C4−アルキル、アリールスルホニル、C1〜C4−アルキルスルホニル又は−S(O)2−N(R712)R713であり、
R8は、R81によって環炭素原子上で置換されていてよく、かつHet4であり、その際、
Het4は、ピロロイソキノリン骨格に環炭素原子を介して結合されており、かつ[1,2,4]オキサジアゾリル基又はオキサゾリル基であり、
R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811及び/又はR812で置換されたフェニルであり、その際、
R811は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンであり、
R812は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンである、化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩である。
更により挙げるに値する本発明による化合物は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C4−アルコキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、ハロゲン又はC1〜C4−アルコキシであり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C4−アルコキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R51は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R4及びR5は、一緒になって、テトラメチレン架橋を形成し、かつR41及びR51は、両者とも水素であり、
R6は、C1〜C4−アルキルであり、
R7は、Het2、R71及び/又はR72及び/又はR73で置換されたフェニル、R74で置換されたHet2又はナフチルであり、その際、
Het2は、
窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式の5員のヘテロアリール基か、又は
1又は2個の窒素原子を有する単環式の6員のヘテロアリール基、例えばピリジル、例えばピリジン−4−イルか、又は
窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜3個のヘテロ原子を有する縮合二環式の9員もしくは10員のヘテロアリール、例えばキノリニル、例えばキノリン−4−イルか、又は
N−オキシ−ピリジル、例えば1N−オキシ−ピリジン−4−イルか
のいずれかであり、
R71は、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はアリールオキシであり、その際、
アリールは、フェニル又はR711で置換されたフェニルであり、その際、
R711は、ハロゲン又はC1〜C4−アルキルであり、
R72は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R73は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R74は、C1〜C4−アルキル又はフェニル−C1〜C4−アルキルであり、
R8は、R81によって環炭素原子上で置換されており、かつHet4であり、その際、
Het4は、ピロロイソキノリン骨格に環炭素原子を介して結合されており、かつ[1,2,4]オキサジアゾリル基又はオキサゾリル基であり、
R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C5−シクロアルキル、C3〜C5−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811及び/又はR812で置換されたフェニルであり、その際、
R811は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンであり、
R812は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンである、化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩である。
更により挙げるに値する本発明による更なる化合物は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C4−アルコキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、ハロゲン又はC1〜C4−アルコキシであり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C4−アルコキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R51は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R4及びR5は、一緒になって、テトラメチレン架橋を形成し、かつR41及びR51は、両者とも水素であり、
R6は、C1〜C4−アルキルであり、
R7は、Het2、R71及び/又はR72及び/又はR73で置換されたフェニル、R74で置換されたHet2又はナフチルであり、その際、
Het2は、
窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式の5員のヘテロアリール基か、又は
1又は2個の窒素原子を有する単環式の6員のヘテロアリール基、例えばピリジル、例えばピリジン−4−イルか、又は
窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜3個のヘテロ原子を有する縮合二環式の9員もしくは10員のヘテロアリール、例えばキノリニル、例えばキノリン−4−イルか、又は
N−オキシ−ピリジル、例えば1N−オキシ−ピリジン−4−イルか
のいずれかであり、
R71は、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、カルボキシル又はアリールオキシであり、その際、
アリールは、フェニル又はR711で置換されたフェニルであり、その際、
R711は、ハロゲン又はC1〜C4−アルキルであり、
R72は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R73は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R74は、C1〜C4−アルキル又はフェニル−C1〜C4−アルキルであり、
R8は、R81によって環炭素原子上で置換されており、かつHet4であり、その際、
Het4は、ピロロイソキノリン骨格に環炭素原子を介して結合されており、かつ[1,2,4]オキサジアゾリル基又はオキサゾリル基であり、
R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C5−シクロアルキル、C3〜C5−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811及び/又はR812で置換されたフェニルであり、その際、
R811は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンであり、
R812は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンである、化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩である。
特に挙げるに値する本発明による化合物は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、塩素又はフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、水素又はC1〜C2−アルキルであり、
R51は、水素であり、
R6は、C1〜C4−アルキルであり、
R7は、ナフチル又は、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル、2−メチル−4−ヒドロキシ−フェニル又は2−フルオロ−3,4−ジメトキシ−フェニル、ピリジル又はキノリニル、例えばピリジン−4−イル又はキノリン−4−イル、又は2−メチル−ピリジン−4−イル又は3−メチル−ピリジン−4−イルであり、
R8は、Het4であり、その際、
Het4は、3−(R81)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−(R81)−オキサゾール−2−イルであり、
R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C5−シクロアルキル、C3〜C5−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811で置換されたフェニルであり、その際、
R811は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンである、化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩である。
特に挙げるに値する本発明による更なる化合物は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、塩素又はフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、水素又はC1〜C2−アルキルであり、
R51は、水素であり、
R6は、C1〜C2−アルキル又はR61によって置換されたC1〜C2−アルキルであり、その際、
R61は、C1〜C2−アルコキシカルボニル又はカルボキシルであり、
R7は、Het2、R71及び/又はR72及び/又はR73で置換されたフェニル、R74で置換されたHet2又はナフチルであり、その際、
Het2は、
窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式の5員のヘテロアリール基か、又は
1又は2個の窒素原子を有する単環式の6員のヘテロアリール基、例えばピリジル、例えばピリジン−4−イルか、又は
窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜3個のヘテロ原子を有する縮合二環式の9員もしくは10員のヘテロアリール、例えばキノリニル、例えばキノリン−4−イルか、又は
N−オキシ−ピリジル、例えば1N−オキシ−ピリジン−4−イルか
のいずれかであり、
R71は、ヒドロキシル、塩素、フッ素、C1〜C2−アルキル、C1〜C2−アルコキシ、カルボキシル又はアリールオキシであり、その際、
アリールは、フェニル又はR711で置換されたフェニルであり、その際、
R711は、塩素、フッ素又はC1〜C2−アルキルであり、
R72は、塩素、フッ素、C1〜C2−アルキル又はC1〜C2−アルコキシであり、
R73は、C1〜C2−アルキル又はC1〜C2−アルコキシであり、
R74は、C1〜C2−アルキル又はフェニル−C1〜C2−アルキルであり、
R8は、Het4であり、その際、
Het4は、3−(R81)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−(R81)−オキサゾール−2−イルであり、
R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C5−シクロアルキル、C3〜C5−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811で置換されたフェニルであり、その際、
R811は、C1〜C2−アルキル、C1〜C2−アルコキシ、塩素又はフッ素である、化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩である。
より特に挙げるに値する本発明による化合物は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつメトキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、塩素又はフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつメトキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、水素、メチル又はエチルであり、
R51は、水素であり、
R6は、メチルであり、
R7は、ナフチル又は、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル、2−メチル−4−ヒドロキシ−フェニル又は2−フルオロ−3,4−ジメトキシ−フェニル、ピリジル又はキノリニル、例えばピリジン−4−イル又はキノリン−4−イル、又は2−メチル−ピリジン−4−イル又は3−メチル−ピリジン−4−イルであり、
R8は、Het4であり、その際、
Het4は、3−(R81)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−(R81)−オキサゾール−2−イルであり、
R81は、メチル、エチル、シクロプロピル又はフェニルである、化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩である。
より特に挙げるに値する本発明による更なる化合物は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつメトキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、塩素又はフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつメトキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、水素、メチル又はエチルであり、
R51は、水素であり、
R6は、メチル、エチル又は2−メトキシカルボニルエチルであり、
R7は、ナフチル又は、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル、2−メチル−4−ヒドロキシ−フェニル、2−フルオロ−3,4−ジメトキシ−フェニル又は4−カルボキシ−フェニル、ピリジル又はキノリニル、例えばピリジン−4−イル又はキノリン−4−イル、又は2−メチル−ピリジン−4−イル又は3−メチル−ピリジン−4−イルであり、
R8は、Het4であり、その際、
Het4は、3−(R81)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−(R81)−オキサゾール−2−イルであり、
R81は、メチル、エチル、シクロプロピル又はフェニルである、化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩である。
本発明による化合物の例としては、以下の式Ia
Figure 2008526818
[式中、
R1は、メトキシであり、
R2は、水素であり、
R3は、メトキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R51は、水素であり、
R6は、メチルである]で示される化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩を、以下に示される第1表におけるR5、R7及びR8についての置換基の意味によって挙げることができる。
本発明による化合物の更なる例としては、以下の式Iaで示され、その式中、
R1は、メトキシであり、
R2は、フッ素であり、
R3は、メトキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R51は、水素であり、
R6は、メチルである化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩を、以下に示される第1表におけるR5、R7及びR8についての置換基の意味によって挙げることができる。
本発明による化合物の更なる例としては、以下の式Iaで示され、その式中、
R1は、メトキシであり、
R2は、塩素であり、
R3は、メトキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R51は、水素であり、
R6は、メチルである化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩を、以下に示される第1表におけるR5、R7及びR8についての置換基の意味によって挙げることができる。
第1表:
Figure 2008526818
Figure 2008526818
Figure 2008526818
Figure 2008526818
本発明による化合物の特定の例は、これらに制限されないが、
(5RS)−4−[8,9−ジメトキシ−3,5−ジメチル−1−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール、
(5RS)−4−[1−(3−シクロプロピル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−8,9−ジメトキシ−3,5−ジメチル−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール、
(5RS)−4−[8,9−ジメトキシ−3,5−ジメチル−1−(3−フェニル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール、
4−[8,9−ジメトキシ−3−メチル−1−(3−フェニル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール、
4−[8,9−ジメトキシ−3−メチル−1−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール、及び
4−[8,9−ジメトキシ−3−メチル−1−(5−メチル−オキサゾール−2−イル)−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール、
から選択される任意の化合物及びその塩、立体異性体及びその立体異性体の塩を含んでよい。
本発明による化合物において特に関心が持たれるのは、本発明の範囲内で、以下の実施態様の1つ又は可能であれば、それより多くにより包含される式Iの化合物である:
本発明による化合物の特定の一実施態様(実施態様1)は、式Iで示され、その式中、
R1、R2及びR3のいずれも、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の10位に結合されていない化合物を指す。
Figure 2008526818
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様2)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様3)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ塩素又はフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様4)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつメトキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ塩素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつメトキシである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様5)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつメトキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつメトキシである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様6)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつメトキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつメトキシである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様7)は、式Iで示され、その式中、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、メチルであり、かつ
R51は、水素である、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様8)は、式Iで示され、その式中、
R6は、C1〜C4−アルキル、例えばメチルである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様9)は、式Iで示され、その式中、
R7は、ナフチル、又は4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル、2−メチル−4−ヒドロキシ−フェニル又は2−フルオロ−3,4−ジメトキシ−フェニル、ピリジル又はキノリニル、例えばピリジン−4−イル又はキノリン−4−イル、又は2−メチル−ピリジン−4−イル又は3−メチル−ピリジン−4−イルである、化合物を指す。
本発明による化合物の特定のもう一つの実施態様(実施態様10)は、式Iで示され、その式中、
R7は、4−カルボキシ−フェニルである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様11)は、式Iで示され、その式中、
R8は、3−(R81)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−(R81)−オキサゾール−2−イルであり、
R81は、メチル、シクロプロピル又はフェニルであり、例えば
R8は、3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、3−シクロプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は3−フェニル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−メチル−オキサゾール−2−イルである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様12)は、式Iで示され、その式中、
R8は、3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様13)は、式Iで示され、その式中、
R8は、3−シクロプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様14)は、式Iで示され、その式中、
R8は、3−フェニル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様15)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、塩素又はフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、かつ
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、水素又はC1〜C2−アルキルであり、
R51は、水素である、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様16)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ塩素又はフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、かつ
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、C1〜C2−アルキル、例えばメチルであり、
R51は、水素である、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様17)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、かつ
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、メチルであり、
R51は、水素である、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様18)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、塩素又はフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、かつ
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、水素又はメチルであり、
R51は、水素であり、かつ
R8は、Het4であり、その際、
Het4は、3−(R81)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−(R81)−オキサゾール−2−イルであり、
R81は、メチル、シクロプロピル又はフェニルである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様19)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ塩素又はフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、かつ
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、C1〜C2−アルキル、例えばメチルであり、
R51は、水素であり、かつ
R8は、Het4であり、その際、
Het4は、3−(R81)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−(R81)−オキサゾール−2−イルであり、
R81は、メチル、シクロプロピル又はフェニルである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様20)は、式Iで示され、その式中、
R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、
R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつフッ素であり、
R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、かつ
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R5は、メチルであり、
R51は、水素であり、かつ
R8は、Het4であり、その際、
Het4は、3−(R81)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−(R81)−オキサゾール−2−イルであり、
R81は、メチル、シクロプロピル又はフェニルである、化合物を指す。
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様21)は、式Ia
Figure 2008526818
[式中、
R1は、C1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、
R3は、C1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R51は、水素であり、かつ
表Xに示されるR2、R5及びR6についての置換基の意味の以下の組み合わせ1.)〜6.)に当てはまる]で示される化合物を指す。
表X:
Figure 2008526818
本発明による化合物のもう一つの特定の実施態様(実施態様22)は、式Iaで示され、その式中、
R1は、メトキシであり、
R3は、メトキシであり、
R4は、水素であり、
R41は、水素であり、
R51は、水素であり、かつ
表Yに示されるR2、R5、R6及びR8についての置換基の意味の以下の組み合わせ1.)〜18.)に当てはまる]で示される化合物を指す。
表Y:
Figure 2008526818
本発明は、前に定義した特定の実施態様の任意の又は全ての可能な組み合わせ及び部分集合をも含むと解されるべきである。
本発明による化合物は、以下に明記されるようにして、又は以下の実施例に記載されるようにして、又は当該技術分野で知られる手順に従って、又はそれらと同様に又は類似に製造することができる。
反応式1に示されるように、式Iで示され、その式中、R1、R2、R3、R4、R41、R5、R51、R6、R7及びR8が前記の意味を有し、かつHet4がオキサゾリル基である化合物は、式IIで示される相応のアミドから、式IIIで示され、その式中、R81が前記の意味を有し、かつXが好適な離脱基、例えば臭素又は、特に塩素である化合物を用いた環化反応によって得ることができる。この環化反応は、当業者に公知のようにして、又は以下の実施例に例示されるようにして、又はそれらと同様に又は類似に実施することができる。
反応式1:
Figure 2008526818
反応式2に示されるように、式Iで示され、その式中、R1、R2、R3、R4、R41、R5、R51、R6、R7及びR8が前記の意味を有し、かつHet4が[1,2,4]オキサゾール−5−イル基である化合物は、相応のエステル化合物、特に式IVのメチルエステル化合物から、式Va又は式Vbで示され、それらの式中、R81が前記の意味を有する化合物又は両者の混合物を用いた環化反応によって得ることができる。この環化反応は、当業者に公知のようにして、又は以下の実施例に例示されるようにして、又はそれらと同様に又は類似に実施することができる。
反応式2:
Figure 2008526818
反応式3に示されるように、式Iで示され、その式中、R1、R2、R3、R4、R41、R5、R51、R6、R7及びR8が前記の意味を有し、かつHet4が[1,2,4]オキサゾール−3−イル基である化合物は、式VIで示される相応のニトリル化合物から、ヒドロキシルアミンと反応させ、その中間アミドキシムを式R81C(O)Yで示され、その式中、Yが好適な離脱基、例えば塩素又はアシルオキシ離脱基(例えばR81C(O)−O−基)である活性化されたカルボン酸誘導体を用いてアシル化し、そして最後に環化させることによって得ることができる。その際に、式R81C(O)Yの無水物、例えば無水酢酸を使用するのであれば、アシル化及び環化は一工程で得ることができる。挙げられた反応工程は、当業者に公知のようにして、又はJ.Med.Chem.1986,29,2174−2183(前記文献は、参照を以て本願に開示されたものとする)に記載されるようにして、又はそれらと同様に又は類似に実施することができる。
反応式3:
Figure 2008526818
式III、式Va、式Vb及びR81C(O)Yで示される化合物は、市販されているか、又は当業者に公知のようにその専門知識及び/又は文献から得ることができる。
式IV及び式VIの化合物は、公知のように、又は以下に記載され示されるように、又はWO02/48144号、WO03/014115号、WO03/014116号、WO03/014117号又はWO03/051877号(これらは参照をもって本願に開示されたものとする)に記載されるように、又は以下の実施例に例示されるように、又はそれと同様に又は類似に得ることができる。反応式4に示されるように、第一反応工程において、式XIIIで示され、その式中のR1、R2、R3、R4、R41、R5及びR51が前記の意味を有する化合物を、式XIIで示され、その式中のR′がシアノ又はメトキシカルボニルであり、かつLが好適な離脱基、例えば塩素又はアシルオキシ基(例えばR′−CH2−C(O)−O−基)である化合物と反応させて、好適な有機塩基又は無機塩基の存在下に相応の式XIの化合物が得られる。
反応式4:
Figure 2008526818
選択的に、式XIの化合物はまた、式XIIIで示され、その式中のR1、R2、R3、R4、R41、R5及びR51が前記の意味を有する化合物及び式XIIで示され、その式中のR′がシアノ又はメトキシカルボニルであり、かつLがヒドロキシルである化合物から、当業者に公知のアミド結合架橋試薬との反応によって得ることができる。当業者に公知のアミド結合架橋試薬の挙げられる例は、カルボジイミド(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド又は、有利には1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、アゾジカルボン酸誘導体(例えばジエチルアゾジカルボキシレート)、ウロニウム塩[例えばO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート又はO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート]及びN,N’−カルボニルジイミダゾールである。本発明の範囲において、有利なアミド結合架橋試薬はウロニウム塩及び、有利にはカルボジイミド、有利には1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である。前記の反応は、当業者に公知の条件下に、又は以下の実施例に例示するような条件下に実施される。
後続の工程に示されるように、式IXで示され、その式中のR1、R2、R3、R4、R41、R5及びR51が前記の意味を有し、かつR′がシアノ又はメトキシカルボニルである化合物は、式XIの相応の化合物の縮合環化によって得ることができる。前記の環状縮合は、当業者に自体公知のように又は以下の実施例に例として記載されるように、Bischler−Napieralski(例えばJ.Chem.Soc.,1956,4280−4282に記載されるように)に従って適当な縮合剤又は脱水剤、例えばポリリン酸、五塩化リン、五酸化リン又はオキシ塩化リンの存在下に、適当な不活性溶剤、例えば塩素化炭化水素、例えばクロロホルム中で又は環状炭化水素、例えばトルエン又はキシレン中で、又は別の不活性溶剤、例えばアセトニトリル中で、又は更なる溶剤を使用せず、過剰の縮合剤を使用して、低減された温度で、又は室温で、又は高められた温度で、又は使用される溶剤又は縮合剤の沸点で実施される。
式IXで示され、その式中、R1、R2、R3、R4、R41、R5及びR51が前記の意味を有し、かつR′がメトキシカルボニルである化合物は、式VIIで示され、その式中のR7が前記の意味を有する化合物及び式VIIIで示され、その式中のR6がC1〜C6−アルキル又はC1〜C4−アルコキシカルボニルによって置換されたC1〜C4−アルキルである化合物か、又は式Xで示され、その式中のR7が前記の意味を有し、かつR6がC1〜C6−アルキル又はC1〜C4−アルコキシカルボニルによって置換されたC1〜C4−アルキルである化合物のいずれかによって、場合によりワンポット合成において、かつ適宜無機塩基又は有機塩基(特に環状アミン、例えばピペリジン)の存在下に相応の式IVの化合物に変換される。前記と同様にして、式IXで示され、その式中、R1、R2、R3、R4、R41、R5及びR51が前記の意味を有し、かつR′がシアノである化合物は、式VIの相応の化合物に変換される。
前記の変換は、当業者に公知のように、又は以下の実施例に記載のように、又はそれらと同様に又は類似に実施することができる。
式XIII、XII、VIII及びVIIの化合物は市販されているか、又は以下の実施例に記載されるように又は当業者に公知のようにその専門知識及び/又は文献から、又はそれと同様にもしくは類似に得ることができる。従って、例えば式XIIIの化合物は、相応のベンゾアルデヒド又はアセトフェノンから出発して、好適なニトロアルカン(例えばニトロメタン又はニトロエタン)を用いたヘンリー反応と、それに引き続くニトロ基と二重結合の還元とによって当業者に自体慣用のようにして(例えばLiAlH4を使用して、例えばZhurnal Organicheskoi Khimii,1989,25(7),1477−82又はJ.Org.Chem.2005,70(14),5519−27を参照)、又はJ.Med.Chem.1987,30(10),1914−1918に記載される順序と同様にして得ることができる。
上述のベンゾアルデヒド及びアセトフェノンは、公知であるか、又は公知の手順と同様にして又は以下の実施例に記載されるようにして得ることができる。
式Xの化合物は公知であるか、又は式VIIの化合物と式VIIIの化合物とを好適な有機塩基又は無機塩基の存在下に当業者に自体慣用のように反応させることによって得られる。
式IIの化合物は、式IVの相応の化合物からアミド化反応によって得られ、該反応は、当業者に公知の手順と同様にして、又は以下の実施例に例示されるように実施することができる。
式Iで示され、そのピロロ[2,1−a]イソキノリン環の1位に結合された複素環式の環を最終工程で構成する前記の合成経路の他に、代替合成経路においては、この複素環式の環は、事前の工程で、式IXの化合物から出発して構成することができる。
得られた式Iの化合物は当業者に公知の方法によって更なる式Iの化合物に変換できる。より特化して、例えば式Iで示され、その式中、
a)R61、R71、R74又はR76がエステル基である化合物から、相応の酸を、酸性加水分解又は、特にアルカリ性加水分解によって得ることができる;
b)R6がC1〜C4−アルキル、特にメチルである化合物から、相応のハロゲン化された、有利には塩素化された基を、ハロゲン化反応、特に塩素化試薬、例えば塩化スルフリル、塩化チオニル又はN−クロロスクシンイミドとの反応によって得ることができる;
c)R6がb)により得られるハロゲンによって置換されたC1〜C4−アルキルである化合物から、C1〜C4−アルコキシ、ヒドロキシル、ハロゲン又は−N(R611)R612によって置換された相応の誘導体化されたC1〜C4−アルキル基を、好適な求核剤との求核置換反応によって得ることができる;
d)R6がc)又はe)により得られるヒドロキシルによって置換されたC1〜C4−アルキルである化合物から、C1〜C4−アルコキシカルボニルによって置換された相応の誘導体化されたC1〜C4−アルキル基を、好適な条件下での酸化及びエステル化反応によって得ることができる;
e)R6がメチルである化合物から、その相応の酸化された形(例えばヒドロキシメチル基又はホルミル基)を、段階的に又は直接的に、選択的酸化反応によって得ることができる(例えば二酸化マンガンを使用することでホルミル基が得られる);
f)R6がe)により得られるホルミルである化合物から、相応のアミノ化された化合物を、還元的アミノ化反応によって得ることができる;
g)R6がe)により得られるヒドロキシメチルである化合物から、相応のフッ素化合物を、フッ素化反応によって得ることができる;
h)R6がメチルである化合物から、相応のアミノ化合物を、ニトロ化反応と、得られたニトロ化合物の引き続いての還元とによって得ることができる。
a)〜h)に述べられる方法は、当業者に公知の方法と類似にか、又は以下の実施例に例として記載されるように適宜実施される。
場合により式Iの化合物をその塩に変換できるか、又は場合により式Iの化合物の塩を遊離の化合物に変換することができる。相応の方法は、当業者に自体慣習的である。
更に当業者には、多数の反応中心が出発化合物又は中間体化合物に存在する場合には、1つ以上の反応中心を反応が所望の反応中心だけで行われるように保護基で封鎖する必要があることもあることは知られている。多数の証明された保護基の使用のための詳細な記載は、例えば"Protective Groups in Organic Synthesis"、T.Greene and P.Wuts著(John Wiley & Sons,Inc.1999,3rd Ed)又は"Protecting Groups(Thieme Foundations Organic Chemistry Series N Group)"、P.Kocienski著(Thieme Medical Publishers,2000)で述べられている。
本発明による物質の単離及び精製は、自体公知の方法で、例えば真空中で溶剤を留去し、そして得られた残留物を適当な溶剤から再結晶させるか、又は慣用の精製法の1つ、例えば適当な担体材料上でのカラムクロマトグラフィーを実施することによって行われる。
塩は、遊離の化合物を所望の酸又は塩基を含有する適当な溶剤(例えばケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン、エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン、塩素化炭化水素、塩化メチレン又はクロロホルム又は低分子量の脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール又はイソプロパノール)中に、又は所望の酸又は塩基がその後に添加される溶剤中に溶解させることによって得られる。塩は、付加塩のための非溶剤を用いる濾過、再沈殿、沈殿又は溶剤の蒸発によって得られる。得られた塩を、アルカリ性化又は酸性化によって遊離の化合物に変換してよく、該化合物はまた塩に変換してもよい。前記のように、薬理学的に非認容性の塩を薬理学的に認容性の塩に変換できる。
適宜、本発明に挙げられる転化は、当業者に自体公知の方法と類似して又は同様にして実施することができる。
当業者はその知識に基づいて、本発明の明細書中に示され記載されたこれらの合成経路に基づいて、式Iの化合物に関して他の可能な合成経路をどのように見いだすかを知っている。全てのこれらの他の可能な合成経路もまた本発明を構成する部分である。
また本発明は、本発明による化合物の合成に有用な中間体と方法とに関する。
本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの記載される特性又は実施態様のみに制限されるものではない。当業者に明らかなように、記載される本発明に対する改変、類推、変更、誘導、対応及び適合は、本発明の開示(例えば明示、暗示又は本来の開示)に基づき、付随する特許請求の範囲によって定義される本発明の主旨及び範囲から逸脱しなければなされてよい。
以下の実施例は本発明をより詳細に説明するものであり、それを制限するものではない。同様に製造方法が明記されていない式Iの他の化合物は、同様に又は当業者に公知の方法で慣用の処理技術を用いて製造することもできる。
実施例において、m.p.は、融点を表し、hは、時間を表し、minは、分を表し、conc.は、濃縮を表し、satd.は、飽和を表し、MSは、質量スペクトルを表し、Mは、分子イオンを表し、他の略語は、当業者に自体慣用の意味を有する。
特に記載がない限り、本願に明示された化合物の例がキラル中心を有する場合に、これらはラセミ混合物として概略的に記載するが、本発明をそれらに制限するものではない。従って、純粋なエナンチオマー及びそれらの塩も本発明の一部を成す。
実施例で挙げられる式Iの化合物、特に最終化合物として挙げられる式Iの化合物並びにそれらの塩、立体異性体及びそれらの立体異性体の塩は、本発明の好ましい対象である。
実施例
最終化合物
1. (5RS)−4−[8,9−ジメトキシ−3,5−ジメチル−1−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール
68mg(918マイクロモル、2.00当量)のN−ヒドロキシアセトアミジン及び55mg(1.38ミリモル、3.00当量)の水素化ナトリウムを2mlのTHF(及び150mgのモレキュラーシーブ)中に溶かした溶液を、1時間加熱して還流させる。200mg(459マイクロモル、1.00当量)の(5RS)−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−8,9−ジメトキシ−3,5−ジメチル−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−1−カルボン酸メチルエステル(化合物A1)をTHF中に溶かした溶液を添加する。該混合物を24時間加熱して還流させる。更に68mgのアセトアミジン及び55mgの水素化ナトリウムを添加してから、更に4.5時間加熱して還流させる。水を添加し、そして該溶液を酢酸エチルで抽出する。有機層を、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、そして溶剤を減圧下で除去する。カラムクロマトグラフィーによる精製と、エタノールでの洗浄との後で、21mgの表題化合物が無色の固体として得られる。
融点:182〜184℃ MS:459.8(MH+
2. (5RS)−4−[1−(3−シクロプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−8,9−ジメトキシ−3,5−ジメチル−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール
表題化合物は、化合物A1とN−ヒドロキシシクロプロパンカルボキサミジンとから、実施例1に記載されるのと同様にして製造することができる。
融点:174〜175℃ MS:485.8(MH+
3. (5RS)−4−[8,9−ジメトキシ−3,5−ジメチル−1−(3−フェニル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール
表題化合物は、化合物A1とN−ヒドロキシベンザミジンとから、実施例1に記載されるのと同様にして製造することができる。
融点:203〜206℃ MS:522.2(MH+
4. 4−[8,9−ジメトキシ−3−メチル−1−(3−フェニル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール
表題化合物は、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−8,9−ジメトキシ−3−メチル−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−1−カルボン酸メチルエステル(化合物A2)とN−ヒドロキシベンザミジンとから、実施例1に記載されるのと同様にして製造することができる。
融点:191〜193℃ MS:508.2(MH+
5. 4−[8,9−ジメトキシ−3−メチル−1−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール
表題化合物は、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−8,9−ジメトキシ−3−メチル−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−1−カルボン酸メチルエステル(化合物A2)とN−ヒドロキシアセトアミジンとから、実施例1に記載されるのと同様にして製造することができる。
融点:218〜221℃ MS:445.9(MH+
6. 4−[8,9−ジメトキシ−3−メチル−1−(5−メチル−オキサゾール−2−イル)−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−2,6−ジメチル−フェノール
5.00mg(1.23ミリモル、1.00当量)の2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−8,9−ジメトキシ−3−メチル−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−1−カルボン酸アミド(化合物A3)と300μl(3.69ミリモル、3.00当量)のクロロアセトンと7.00mlのトルエンと7.00mlのTHFとの混合物を、密閉した管中で16時間にわたって120℃に加熱する。溶剤を減圧下で除去し、そして残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製する。エタノールで洗浄した後で、340mg(62%)の表題化合物が白色の固体として得られる。
融点:222〜224℃ MS:444.9(MH+
出発化合物
A1. (5RS)−2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−8,9−ジメトキシ−3,5−ジメチル−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−1−カルボン酸メチルエステル
MeyerによってLiebigs Ann.Chem.1981,9,1534−1544に記載される手順と同様にして、(3RS)−(6,7−ジメトキシ−3−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−イリデン)−酢酸メチルエステル(化合物B1)と、ニトロエタン及び4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンゾアルデヒドとを反応させて、表題化合物が得られる。
MS(M+H)=435.9;融点=177〜179℃
A2. (4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−8,9−ジメトキシ−3−メチル−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−1−カルボン酸メチルエステル
表題化合物の製造は、WO02/48144号の実施例20に記載されている。
A3. 2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−8,9−ジメトキシ−3−メチル−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−1−カルボン酸アミド
1.40g(26.1ミリモル、5.00当量)の塩化アンモニアを23mlのトルエン中に0℃で入れた混合物に、AlMe3をトルエン中に溶かした2Mの溶液14.4ml(28.7ミリモル、5.50当量)を滴加する。該溶液を室温で1時間にわたって撹拌する。2.20g(5.22ミリモル、1.00当量)の2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−8,9−ジメトキシ−3−メチル−5,6−ジヒドロ−ピロロ[2,1−a]イソキノリン−1−カルボン酸メチルエステル(化合物A2)を46mlのTHF中に溶かした溶液を添加する。該混合物を、80℃で16時間撹拌し、そして室温に冷却する。水酸化ナトリウムの5M水溶液を、pHが塩基性になるまで添加する。水を添加し、そして該混合物を酢酸エチルで抽出する。有機層を分離し、そして硫酸マグネシウムを用いて乾燥させる。溶剤を減圧下で除去し、そして残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製する。1.16g(45%)の表題化合物が得られる。
MS(M+H)=407.2;融点=229〜231℃
B1. (3RS)−(6,7−ジメトキシ−3−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−イリデン)酢酸メチルエステル
表題化合物は、Bischler−Napieralski反応(例えばBer.1893,26,1903)によって、N−{2−[4−メトキシ−3−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル]−エチル}−マロンアミド酸メチルエステル(化合物C1)を出発材料として使用して得ることができる。
C1. N−[(RS)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−エチル]−マロンアミド酸メチルエステル
表題化合物は、(RS)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−エチルアミン(化合物D1)と塩化メチルマロニルとの反応によって、文献(例えばBenovsky他著のTetrahedron Lett.1997,38,8475−8478)における手順と同様にして製造することができる。
D1. (RS)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−エチルアミン
表題化合物は、相応のベンゾアルデヒドとニトロエタンとから出発して、Henry反応(例えばSynthesis 1985(5)、510−512)と同様にして、かつ引き続き還元反応(例えばLiAlH4をTHF中で用いる)で得ることができる。
本発明による更なる化合物は、化合物D2〜D5から出発して製造することができる:
D2. 2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチルアミン
該表題化合物は、市販されている。
D3. 2−[4−メトキシ−3−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル)−エチルアミン
2−[4−メトキシ−3−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル)−エチルアミンは、4−メトキシ−3−ヒドロキシベンゾアルデヒドと2−ブロモメチルエチルエーテルとのアルキル化(Ashton他著のJ.Med.Chem.1994,37,1696−1703による手順と同様)に引き続き、Shepard他によってJ.Org.Chem.1952,17,568に記載される順序によって製造することができる。
MS(M+H)=226.0
D4. 2−[4−(1,1−ジフルオロメトキシ)−3−メトキシフェニル]−エチルアミン
2−[4−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−3−メトキシ−フェニル]−エチルアミンは、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾアルデヒドとクロロジフルオロメタンとの、Amschler他によって公表された手順(WO97/28131号)ジフルオロメチル化に引き続き、Shepard他によってJ.Org.Chem.1952,17,568に記載される順序によって製造することができる。
MS(M+H)=217.6
D5. 2−[3−(1,1−ジフルオロメトキシ)−4−メトキシフェニル]−エチルアミン
2−[3−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−エチルアミンは、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾアルデヒドとクロロジフルオロメタンとの、Amschler他によって公表された手順(WO97/28131号)ジフルオロメチル化に引き続き、Shepard他によってJ.Org.Chem.1952,17,568に記載される順序によって製造することができる。
MS(M+H)=217.7
産業上利用可能性
セカンドメッセンジャーcAMP及びcGMPの細胞内濃度は、シクラーゼによるその合成速度とホスホジエステラーゼによるその加水分解速度の両者によって制御される。現在知られている11種のホスホジエステラーゼ(PDE)イソ酵素のうち、PDE10は1999年に初めて記載された(Soderling SH,Bayuga SJ,Beavo JA. Isolation and characterization of a dual−substrate phosphodiesterase gene family:PDE10A.Proc Natl Acad Sci U S A. 1999 Jun 8; 96(12):7071−6; Fujishige K, Kotera J, Michibata H, Yuasa K, Takebayashi S, Okumura K, Omori K. Cloning and characterization of a novel human phosphodiesterase that hydrolyzes both cAMP and cGMP (PDE10A). J Biol Chem. 1999 Jun 25; 274(26):18438−45; Loughney K, Snyder PB, Uher L, Rosman GJ, Ferguson K, Florio VA. Isolation and characterization of PDE10A, a novel human 3', 5'−cyclic nucleotide phosphodiesterase. Gene. 1999 Jun 24; 234(1):109−17)。新規のPDEサブファミリーの最初の遺伝子は、PDE1OAと呼ばれ、最初のスプライス変異体は最近の命名に従えばPDE10A1と記載された。選択的スプライシングのため、PDE10Aの他のスプライス変異体が存在し、そして後年に記載されている(Kotera J, Fujishige K, Yuasa K, Omori K. Characterization and phoshorylation of PDE10A2, a novel aletrnative splice variant of human phosphodiesterase that hydrolyzes cAMP and cGMP. Biochem Biophys Res Commun. 1999 Aug 11; 261(3):551−7; Fujishige K, Kotera J, Omori K. Striatum− and testis−specific phosphodiesterase PDE10A isolation and characterization of a rat PDE10A. Eur J Biochem. 1999 Dec; 266(3):1118−27; Fujishige K, Kotera J, Yuasa K, Omori K. The human phosphodiesterase PDE10A gene genomic organization and evolutionary relatedness with other PDEs containing GAF domains. Eur J Biochem. 2000 Oct; 267(19):5943−51)。PDE10AはcAMP PDEの特性とcAMPに阻害されるcGMP PDEの特性を示す環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼとして記載されている。
PDE10イソ酵素の個々の代表は、脳の特定の領域(線条体、被殻、尾状核、小脳、視床)、精巣、腎臓及び胎盤において高度に発現されることを特徴としている。
新たな結果は、PDE10Aの発現が、脳内の神経伝達物質/ホルモンを分泌する細胞、ランゲルハンス島、下垂体及び副腎において特に優勢に発現されることが裏付けられた、例えばWO2005120474号を参照のこと。
cAMPは、ホルモン/神経伝達物質についてよく知られた刺激であるので、PDE10Aの神経内分泌特異的なmRNA発現が、ホルモン/神経伝達物質の分泌に重要な役割を反映することを要求することができる。例えば、PDE10Aの線条体での発現及び機能は、ドーパミン作動性神経伝達の調節と関連している(例えばUS2003/0008806号)。従って、PDE10Aの阻害は、中枢神経系の疾患(例えば精神***病)の治療に使用することができる。更に、膵臓ベータ細胞におけるPDE10Aは、cAMPの増大をもたらしうるため、インスリン分泌が誘導又は強化されることがある。この効果は、2型糖尿病患者におけるグルコース恒常性を改善することがある。
更に、PDE10の薬理学的阻害又はpde10A遺伝子の遺伝子ノックアウトは、体重の低下、体脂肪の低下、そして高まった脂肪蓄積に関連する疾患の治療の効果的な手段であることが判明した。これらの結果は、また、PDE10インヒビターが、NIDDM(非インスリン依存性糖尿病)に関連する疾患、糖不耐症、インスリン耐性及びメタボリックシンドロームの治療に有効であることに加えて、体重、体脂肪の低下と、高まった脂肪蓄積に関連する疾患の治療にも有効であることが裏付けられた、例えばWO2005120514号(該文献は、参照をもって本願に開示されたものとする)を参照のこと。
睾丸において高められたPDE10Aの発現レベルと活性は、PDE10Aが、***生成にも寄与しうることを示唆している(Fujishige K他著のEur J Biochem.1999,266:1118−27)。
本発明による化合物は、産業上利用を可能にする有用な多岐に亘る薬理学的特性を有する。
従って、例えば本発明による化合物はPDE阻害剤である。
更にこうして、例えば本発明による化合物は、強力なPDE10インヒビターであり、そのうち幾つかは、他のPDEイソ酵素(例えばPDEの1A、2A、3A、4B、5A、7A、8A、9A又は11A)間で明らかに選択的(例えば10倍より高い、又は特に30倍より高い、又は幾つかの好ましいものについては、100倍より高い)であり、それによりこれらの選択的な化合物は、本発明の関連では特に好ましい。
従って、本発明による化合物は、ヒト医学及び獣医学における疾病の治療又は予防のための治療剤として使用することができる;特に該化合物は、以下に挙げる疾病又は状態の療法において特に有用である。
その強力かつ選択的なPDE10阻害活性のため、本発明による化合物は、本発明の第一の側面では、中枢神経系の疾患、特に神経疾患及び精神障害、例えばEP1250923号に挙げられる疾患及び/又は、より特に精神病、不安障害、気分障害又は発作、薬物依存、運動障害又は症状として認知不全を含む疾患(例えば痴呆、パーキンソン病又はアルツハイマー病)の治療において潜在的な価値がある。
更に、本発明による化合物は、本発明の第二の側面では、中枢神経系の一定の疾患、特に神経疾患及び精神障害、例えばEP1250923号、US2003/0008806号、US2003/0018047号、US2003/032579号、US2004/162293号、US2004/162294号及び/又はWO03092499号(これらは参照をもって開示されたものとする)に総称され、特記され又は例示される疾患、例えば不安障害又は精神病、運動疾患、強迫障害、薬物依存、認知不全疾患、機嫌障害又は気分発作又は神経変性疾患の治療において潜在的な価値がある。
本願において、本発明による化合物によって治療できる不安障害の例は、制限されないが、パニック障害、広所恐怖症、特定恐怖症、社会恐怖症、強迫障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害又は全身不安障害を含む。
本発明による化合物によって治療できる精神病の例は、制限されないが、精神***病(例えば妄想型、解体型、緊張型、未分類型又は残存型)、***病様障害、***情動性障害(例えば妄想型又は抑鬱型)、妄想性障害、物質誘発性精神病(例えばアルコール、アンフェタミン、***、コカイン、幻覚薬、吸入剤、オピオイド又はフェンシクリジンによって誘発される精神病)、妄想型の人格障害又は***型の人格障害を含む。
本発明による化合物によって治療できる運動障害の例は、制限されないが、パーキンソン病又は下穏下肢症候群を含む。
本発明による化合物によって治療できる強迫障害の例は、制限されないが、トゥーレット症候群又は他のチック障害を含む。
本発明による化合物によって治療できる薬物依存の例は、制限されないが、アルコール、アンフェタミン、コカイン又はアヘン剤の依存を含む。
本発明による化合物によって治療できる認知不全障害の例は、制限されないが、アルツハイマー病、多発梗塞性痴呆、アルコール性痴呆又は他の薬物関連痴呆、頭蓋内腫瘍又は脳腫瘍に関連する痴呆、ハンチントン病又はパーキンソン病に関連する痴呆、又はAIDS関連痴呆、せん妄、健忘症、外傷後ストレス障害、精神遅滞、協調障害、例えば読書障害、数学障害又は文章表現力の障害、注意欠陥多動性障害又は加齢随伴認知減退を含む。
本発明による化合物によって治療できる気分障害又は気分発作の例は、制限されないが、マイルド型、中程度型又は重度型の大抑うつ発作、躁性気分発作又は混合性気分発作、軽躁性気分発作、典型的な特徴を伴う抑うつ発作、憂鬱性特徴を伴う抑うつ発作、緊張性特徴を伴う抑うつ発作、産褥開始を伴う気分発作、発作後抑うつ、大抑うつ障害、気分変調障害、軽抑うつ障害、月経前気分不快障害、精神***病の精神病後抑うつ障害、精神病と重ね合わされた大抑うつ障害、例えば妄想障害又は精神***病、双極性障害(例えば双極I型障害、双極II型障害)又は循環病を含む。
本発明による化合物によって治療できる神経変性疾患の例は、制限されないが、パーキンソン病、ハンチントン病、痴呆(例えばアルツハイマー病、多発梗塞性痴呆、AIDS関連痴呆又は前頭側頭型痴呆)、脳外傷と関連する神経変性、発作と関連する神経変性、脳梗塞と関連する神経変性、低血糖症に誘発される神経変性、てんかん性発作と関連する神経変性、神経毒中毒と関連する神経変性又は多系統萎縮症を含む。
更に本願では、本発明による化合物は、大脳基底核の異常機能が包含される疾病又は状態を治療するために潜在的な価値がある。従って、大脳基底核の異常機能は運動過程、欲求過程及び/又は認知過程の制御不全を招くことがある。大脳基底核の異常機能が包含される神経精神病状態の例は、例えばEP1250923号、US2003/0008806号及び/又はUS2003/0018047号、US2003/032579号、US2004/162293号、US2004/162294号及び/又はWO03092499号(これらは参照をもって本願に開示されたものとする)に挙げられ、例えば精神病、注意欠陥多動性障害(ADHD)及び関連注意障害、抑うつ、トゥーレット症候群及び他のチック障害を含む強迫障害及び物質乱用である。パーキンソン病、下穏下肢症候群及びハンチントン病を含む幾つかの神経学的疾患は大脳基底核機能不全に結びつくこともある。
なおも本願では、本発明による化合物は、認知、集中力、学習スキル又は超記憶を、特にその疾患が痴呆の症状である場合に改善するための潜在的な価値がある。
なおも更に、本発明による化合物は、本発明の第三の側面では、例えば***生成の低減及び/又は***運動率の低減を介して受精率を制御するために潜在的な価値がある。
なおも更に、本発明による化合物は、本発明の第四の側面では、グルコース誘発性インスリン分泌の増大を介して、糖尿病、例えばII型糖尿病を治療するための潜在的な価値がある。
本発明による化合物において特に関心が持たれているのは、精神***病の治療におけるそれらの使用である。
本発明による化合物においてもう一つ特に関心が持たれているのは、精神疾患の治療におけるそれらの使用である。
本発明による化合物においてもう一つ特に関心が持たれているのは、薬物依存の治療におけるそれらの使用である。
更に、本発明による化合物で特に関心が持たれているのは、癌以外の疾病又は状態の療法に特に有用にするそれらの特性にある。これに関連して、本発明による化合物で更に特に関心が持たれているのは、その低下した細胞毒性活性にある。
更に本発明は前記の疾病及び/又は疾患の1つに罹患するヒトを含む哺乳動物の治療のための方法に関する。本方法は、薬理学的に有効な、かつ治療学的に有効かつ認容性の量の本発明による1種以上の化合物を病気の哺乳動物に投与することを特徴とする。
本発明は、更に、PDE10の阻害方法において、本発明の1種以上の化合物の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む方法に関する。
更に本発明は疾患、特に前記の疾病及び/又は疾患の治療又は予防における使用のための本発明による化合物に関する。
また本発明は、前記の疾病又は疾患の治療のために使用される医薬品組成物の製造のための、本発明による化合物の使用に関する。
更に本発明は、前記の疾病及び/又は疾患の治療又は予防のための、1種以上の本発明による化合物を含有する医薬品組成物に関する。
更に本発明は、1種以上の本発明による化合物と製剤学的に認容性の担体又は希釈剤を含有する医薬品組成物に関する。
更に本発明は、1種以上の本発明による化合物並びに製剤学的に認容性の助剤、賦形剤又はビヒクルを含有する、例えば前記の状態の治療において使用するための組合せ物に関する。
更に本発明は、PDE、例えばPDE10の阻害に反応を示す疾患の治療で使用できる医薬品組成物の製造のための本発明による化合物の使用に関する。
更に本発明は、PDE阻害特性、PDE10阻害特性を有する本発明による化合物に関する。
更に本発明は、PDE10阻害特性を有する本発明による医薬品組合せ物又は組成物に関する。
更に本発明は、前記の病気、疾病、疾患又は状態の治療、改善又は予防のための医薬製品の製造における、1種以上の本発明による化合物を単独の有効成分として含有し、かつ製剤学的に認容性の担体又は希釈剤を含有する医薬品組成物の使用に関する。
更に、本発明は、本発明による化合物を、精神疾患、不安障害、機嫌障害又は気分発作、薬物依存、運動疾患、認知不全疾患、強迫障害又は神経変性疾患の治療のための医薬組成物の製造において用いる使用に関する。
また更に、本発明は、本発明による化合物を、2型糖尿病を含む糖尿病の治療のための医薬組成物の製造において用いる使用に関する。
なおも更には、本発明は、糖尿病を患うヒトを含む哺乳動物の治療方法において、前記それを必要とする哺乳動物に、本発明による化合物1種以上の治療学的に有効でかつ許容可能な量を投与することを含む方法に関する。
なおも更には、本発明は、精神疾患、不安障害、機嫌障害又は気分発作、薬物依存、運動疾患、認知不全疾患、強迫障害又は神経変性疾患を患うヒトを含む哺乳動物の治療方法において、前記それを必要とする哺乳動物に、本発明による化合物1種以上の治療学的に有効でかつ許容可能な量を投与することを含む方法に関する。
加えて更に、本発明は、ヒトを含む哺乳動物の受精率を制御するための方法において、それを必要とする哺乳動物に1種以上の本発明による化合物を投与することを含む方法に関する。
更に加えて、本発明は、ヒトを含む哺乳動物における***生成及び/又は***運動性を阻害するための、本発明による化合物の使用に関する。
なお更に加えて、本発明は、ヒトを含む哺乳動物における受精率を制御するための医薬組成物の製造のための、本発明による化合物の使用に関する。
更に、本発明は、例えば過体重又は肥満の患者(例えばヒト又はコンパニオンアニマル)の治療において又は食用動物(例えばウシ、ニワトリ、ブタ)における赤肉を生産する手段として、動物における体重及び/又は体脂肪を低減させるための方法において、それを必要とする被験体に、本発明による1種以上の有効量を投与することを含む方法に関する。
更に本発明は、被験体を治療して体脂肪又は体重を低減させる方法又は非インスリン依存性糖尿病、メタボリックシンドローム又は糖不耐症を治療するための方法において、それを必要とするヒトを含む被験体(例えば過体重の患者又は肥満患者)に、本発明による化合物1種以上の治療学的に有効でかつ許容可能な量を投与することを含む方法に関する。
更に、本発明は、本発明による化合物を、非インスリン依存性糖尿病、メタボリックシンドローム又は糖不耐症の治療のための医薬組成物の製造のために用いる使用に関する。
更に、本発明は、本発明による化合物を、体脂肪又は体重を低減させるための医薬組成物の製造のために用いる使用に関する。
更に、本発明は、ヒトを含む哺乳動物におけるインスリン分泌の誘導又は強化のための方法において、前記それを必要とする哺乳動物に、本発明による化合物1種以上の治療学的に有効でかつ許容可能な量を投与することを含む方法に関する。
更に、本発明は、本発明による化合物を、インスリン分泌の誘導又は強化のための医薬組成物の製造のために用いる使用に関する。
更に本発明は、慣用の二次包装手段、医薬品組成物を含む一次包装手段(例えばアンプル又はブリスタパック)及び、所望であれば、患者情報文書からなる市販製品であって、その際、前記医薬品組成物は10型環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE10)に対する拮抗作用を示し、10型環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼに関連する疾病及び/又は疾患の症状の減衰をもたらし、そして本市販製品の二次包装手段及び/又は患者情報文書において10型環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼに関連する疾病及び/又は疾患の予防又は治療に使用するための該医薬品組成物の適性について言及しており、かつ前記医薬品組成物は1種以上の本発明による化合物を含有する市販製品に関する。二次包装手段、医薬品組成物を含む一次包装手段及び患者情報文書は、他の点では、当業者がこの性質の薬剤について何を標準と見なすかに即している。
本発明による医薬品組成物は当業者によく知られた方法を用いて製造される。医薬品組成物で使用する場合には、本発明による化合物(=有効化合物)はそれ自体で、又は有利には適当な医薬品助剤及び/又は配合剤と組み合わせて、例えば錠剤、被覆(例えば糖衣)錠剤、カプセル剤、カプレット剤、坐剤、パッチ剤(例えばTTS)、軟膏剤、乳剤、懸濁液、ゲル剤又は液剤の形で使用され、その際、有効化合物の含有率は有利には0.1〜95%であり、かつ助剤の適当な選択によって、有効化合物に厳密に適合された、及び/又は作用の所望の開始に厳密に適合された医薬品投与形(例えば遅延放出形又は腸溶形)を達成できる。
当業者は、その専門知識に基づいて、所望の医薬品製剤、調剤又は組成物に好適な助剤、ビヒクル、配合剤、担体、アジュバント又は賦形剤に精通している。溶剤、ゲル形成剤、坐剤基材、錠剤助剤及び他の活性賦形剤の他に、例えば、酸化防止剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、矯臭剤、保存剤、可溶化剤、着色剤、又は殊に浸透促進剤及び錯化剤(例えばシクロデキストリン)を使用することができる。
本発明による化合物又は医薬品組成物の投与は、この分野で利用できる一般的に許容される任意の様式で実施できる。好適な投与様式の実例は、例えば静脈内、吸入、経口、経鼻、非経口、局所、経皮及び直腸内の送達である。静脈内又は、特に経口の送達が好ましい。
皮膚病の治療のためには、本発明による化合物を、特に局所適用のために適当な医薬品組成物の形で適用する。該医薬組成物の製造のために、本発明による化合物(=有効化合物)を有利には適当な製薬学的賦形剤と混合し、更に加工して適当な医薬品製剤を得る。適当な医薬品製剤は、例えば粉剤、乳剤、懸濁剤、スプレー剤、オイル剤、軟膏剤、脂肪軟膏剤、クリーム剤、ペースト剤、ゲル剤又は液剤である。
本発明による医薬組成物は自体公知の方法によって製造される。本発明による有効化合物の所望の用量は、投与様式、治療されるべき特定の状態及び所望の効果に依存して変動しうる。一般に、例えば適宜、一日4回までの分割投与で又は遅延形で投与して、全身で約0.01〜約100mg/kg(体重)の日用量で得られると満足のいく成果が示される。
その都度必要な有効化合物の最適用量及び投与法は任意の当業者によってその専門知識に基づいて容易に決めることができる。
治療されるべき又は予防されるべき特定の疾病によっては、その疾病を治療又は予防するのに通常投与される付加的な治療的活性剤を場合により、別個に、同時に、併用して、連続的に又は本発明による化合物と時間的にずらして同時投与してよい。本願で使用される場合に、特定の疾病を治療又は予防するのに通常投与される付加的な治療的活性剤は、治療される疾病に好適であるとして知られている。
当業者は、その専門知識に基づいて、同時投与される付加的な治療剤の全日用量及び投与形を認識している。前記の全日用量は広い範囲で変更できる。
このように例えば、更に本発明は、患者を治療して体脂肪又は体重を低減させるための方法又は非インスリン依存性糖尿病、メタボリックシンドローム又は糖不耐症の治療のための方法において、それを必要とするヒトを含む被験体(例えば過体重の患者又は肥満患者)に、本発明による化合物1種以上の治療学的に有効な量を投与し、更に例えばリモナバント、オルリスタット、シブトラミン、ブロモクリプチン、エフェドリン、レプチン、シュードエフェドリン、ペプチドYY3-36及びそれらの類似体から選択される、例えば抗肥満薬のような第二の療法剤を投与することを含む方法に関する。
同様に、更に本発明は、本発明による化合物1種以上と、被験体に該化合物を投与して、該被験体において体脂肪、体重を低減させるための又は非インスリン依存性糖尿病、メタボリックシンドローム又は糖不耐症を治療するための説明書とを含むキットに関し、場合により前記キットは、更に例えばリモナバント、オルリスタット、シブトラミン、ブロモクリプチン、エフェドリン、レプチン、シュードエフェドリン、ペプチドYY3-36及びそれらの類似体から選択される、例えば抗肥満薬のような第二の療法剤を含む。
生物学的調査
ホスホジエステラーゼ阻害剤の活性及び選択性を決定するための方法は、当業者に公知である。この関連において、例えば、Thompson et al.(Adv Cycl Nucl Res 10:69−92.1979)、Giembycz et al(Br J Pharmacol 118:1945−1958,1996)及びAmersham Pharmacia Biotechのホスホジエステラーゼシンチレーション近接アッセイにより説明された方法を挙げてよい。
PDE10Aの活性の阻害
PDE10AをpCR2.1−Topo(インビトロジェン社)中にPCRを介してヒトの脳cDNA全体から、プライマーOZ353(5′−ACCATGTTGACAGATGAAAAAGTGAAGGC−3′)及びOZ317(5′−TCAATCTTCAGATGCAGCTGCC−3′)を用いてクローニングする。PDE10AをコードするORFをEcoRVとBamHIで切断し、そして発現ベクターpBP9(クロンテック社)のSmaI及びBglII中にサブクローニングする。コードされたタンパク質は、N末端のアミノ酸14に欠損を有するPDE10A1(GenBankアクセッション番号AB020593)である。
組み換えバキュウロウイルスをSF9昆虫細胞で相同組み換えによって作成する。発現プラスミドを標準的プロトコール(ファーミンジェン社)を使用してBac−N−Blue(インビトロジェン社)又はBaculo−Gold DNA(ファーミンジェン社)と一緒に同時トランスフェクションさせる。野生型ウイルス不含の組み換えウイルス上清をプラークアッセイ法を用いて選択する。次いで、高力価のウイルス上清を3回増幅することによって製造する。PDE10A1を、血清不含のSF900培地(ライフテクノロジーズ、ペイズリー、UK)中で1〜10のMOI(感染多重度)で2×106細胞/mlで感染させることによってSF21細胞中に発現させる。細胞は28℃で一般に48時間培養し、次いでこれらを1000g及び4℃で5〜10分間かけてペレット化する。スピナーフラスコにおいて、回転速度75rpmで細胞を培養する。SF21昆虫細胞を約1×107細胞/mlの濃度で氷冷(4℃)均質化バッファー(20mMのTris、pH8.2、以下のものを含有する:140mMのNaCl、3.8mMのKCl、1mMのEGTA、1mMのMgCl2、10mMのβ−メルカプトエタノール、2mMのベンズアミジン、0.4mMのPefablock、10μMのロイペプチン、10μMのペプスタチンA、5μMのトリプシンインヒビター)中で再懸濁させ、そして氷上での超音波により破砕させる。均質物を次いで1000g(4℃)で10分間遠心分離し、そして上清を引き続きの使用まで−80℃で貯蔵する(以下参照)。タンパク質含量をブラッドフォード法(BioRad、ミュンヘン)によってスタンダードとしてBSAを用いて測定する。
PDE10A活性を前記化合物によって、アマシャム ファルマシア バイオテック(手順説明書"phosphodiesterase [3H] cAMP SPA enzyme assay, code TRKQ 7090"を参照のこと)によって提供された改変されたSPA(シンチレーション近接アッセイ)試験において、96ウェルのマイクロタイタープレート(MTP)中で実施して阻害する。試験容量は100μlであり、これは20mMのTrisバッファー(pH7.4)、0.1mgのBSA(ウシ血清アルブミン)/ml、5mMのMg2+、0.5μMのcAMP(約50000cpmの[3H]cAMPを含む)、1μMのそれぞれのDMSO中希釈物及び効率的な組み換えPDE10A1(1000×g上清、上記参照)を含有し、15〜20%のcAMPが前記の試験条件下に変換されることを保証する。37℃で5分間プレインキュベートした後に、基質(cAMP)を添加することによって反応を開始させ、そしてアッセイ物を更に15分間インキュベートし、次いでSPAビーズ(50μl)を添加することによって反応を停止させる。製造元の指示に従って、SPAビーズを予め水中に再懸濁させ、次いで1:3(v/v)に希釈し、IBMX(3mM)に添加した。これらのビーズが沈殿した後に(>30分)、MTPを市販の測定機器において分析し、PDE10A活性の阻害に関する該化合物の相応のIC50を濃度−効果曲線から線形回帰によって定めた。
前記のアッセイで測定された代表的なIC50値[−log IC50(モル/l)としての阻害濃度]は、以下の表Aに示されるとおりであり、そこでは化合物の番号は実施例の番号に相当する。
表A:PDE10A活性の阻害
Figure 2008526818

Claims (15)

  1. 式I
    Figure 2008526818
    [式中、
    R1は、ハロゲン、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルキル、ヒドロキシル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルコキシ、C3〜C7−シクロアルコキシ、C3〜C7−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C4−アルコキシであり、
    R2は、水素、ハロゲン又はC1〜C4−アルコキシであり、かつ
    R3は、水素又はC1〜C4−アルコキシであるか、又は
    R2及びR3は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、C1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成するか、又は
    R2及びR3は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成するか、又は
    R1及びR2は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、C1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成し、かつR3は、水素であるか、又は
    R1及びR2は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成し、かつR3は、水素であり、
    R4は、水素、フッ素、塩素、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、シアノ、C1〜C4−アルコキシカルボニル又は−CH2−O−R411であり、その際、
    R411は、水素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニルであり、
    R41は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
    R5は、水素、フッ素又はC1〜C4−アルキルであり、かつ
    R51は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
    R4は、水素、フッ素、塩素又はC1〜C4−アルキルであり、
    R41は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
    R5は、水素、フッ素、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、シアノ、C1〜C4−アルコキシカルボニル又は−CH2−O−R511であり、その際、
    R511は、水素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルキルカルボニルであり、かつ
    R51は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
    R4及びR5は、一緒になって、C1〜C4−アルキレン架橋を形成し、かつR41及びR51は、両者とも水素であり、
    R6は、C1〜C6−アルキル、アミノ、ホルミル又はR61によって置換されたC1〜C4−アルキルであり、その際、
    R61は、C1〜C4−アルコキシカルボニル、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシ、ヒドロキシル、ハロゲン又は−N(R611)R612であり、その際、
    R611は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキルであり、かつ
    R612は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
    R611及びR612は、一緒になって、それらが結合される窒素原子を含んで、基Het1を形成し、その際、
    Het1は、R611及びR612が結合される1個の窒素原子と、場合により窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される更なる1個のヘテロ原子とを有し、R613によって環窒素原子上で置換されていてよい、5員ないし7員の飽和の複素環式の環基であり、その際、
    R613は、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルキル、アミノ−C2〜C4−アルキル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C2〜C4−アルキル、ホルミル、ピリジル又はピリミジニルであり、
    R7は、フェニル、Het2、R71及び/又はR72及び/又はR73で置換されたフェニル、R74及び/又はR75で置換されたHet2、ナフチル又はR76及び/又はR77で置換されたナフチルであり、その際、
    Het2は、ピロロイソキノリン骨格に環炭素原子を介して結合されており、かつ窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、単環式もしくは縮合二環式の5員ないし10員の部分的にもしくは完全に芳香族の複素環式の環基であり、
    R71は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C3〜C7−シクロアルコキシ、C3〜C7−シクロアルキルメトキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、カルボキシル、C1〜C4−アルキルチオ、アリールオキシ−C2〜C4−アルコキシ、アリールオキシ−C1〜C4−アルキル、アリールオキシ、アリール−C1〜C4−アルコキシ、アリール、C1〜C4−アルコキシ−C2〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、ヒドロキシ−C2〜C4−アルコキシ、アミノ−C2〜C4−アルコキシ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ−C2〜C4−アルコキシ、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C4−アルコキシ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、カルバモイル、テトラゾリル又は−N(H)S(O)2−N(R712)R713であり、その際、
    アリールは、フェニル又はR711で置換されたフェニルであり、その際、
    R711は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ニトロ又はシアノであり、
    R712は、C1〜C4−アルキルであり、
    R713は、C1〜C4−アルキルであるか、又は
    R712及びR713は、一緒になって、それらが結合される窒素原子を含んで、基Het3を形成し、その際、
    Het3は、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル又はモルホリン−4−イルであり、
    R72は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、
    R73は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
    R74は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、シアノ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、モルホリノ、カルボキシル、ニトロ、フェニル、フェニルオキシ、フェニル−C1〜C4−アルキル、アリールスルホニル、C1〜C4−アルキルスルホニル又は−S(O)2−N(R712)R713であり、
    R75は、C1〜C4−アルキル又はハロゲンであり、
    R76は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、カルボキシル又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、
    R77は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
    R8は、R81によって置換されていてよく、かつHet4であり、その際、
    Het4は、ピロロイソキノリン骨格に環炭素原子を介して結合されており、かつオキサジアゾリル基又はオキサゾリル基であり、
    R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811及び/又はR812で置換されたフェニルであり、その際、
    R811は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンであり、
    R812は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンである]で示される化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩。
  2. 式Iで示され、その式中、
    R1は、C1〜C4−アルコキシ、C3〜C7−シクロアルコキシ、C3〜C7−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C4−アルコキシであり、
    R2は、水素、ハロゲン又はC1〜C4−アルコキシであり、かつ
    R3は、C1〜C4−アルコキシであるか、又は
    R2及びR3は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、C1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成するか、又は
    R2及びR3は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成するか、又は
    R1及びR2は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、C1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成し、かつR3は、水素であるか、又は
    R1及びR2は、ベンゾ環部に互いにオルト位で結合されて、一緒になって、完全にもしくは大部分がフッ素で置換されたC1〜C2−アルキレンジオキシ架橋を形成し、かつR3は、水素であり、かつ
    R1、R2及びR3のいずれも、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の10位に結合されておらず、
    R4は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
    R41は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
    R5は、水素、C1〜C4−アルキル、シアノ又はC1〜C4−アルコキシカルボニルであり、
    R51は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
    R4及びR5は、一緒になって、C3〜C4−アルキレン架橋を形成し、かつR41及びR51は、両者とも水素であり、
    R6は、C1〜C6−アルキル又はR61によって置換されたC1〜C4−アルキルであり、その際、
    R61は、C1〜C4−アルコキシカルボニル又はカルボキシルであり、
    R7は、Het2、R71及び/又はR72及び/又はR73で置換されたフェニル、R74で置換されたHet2又はナフチルであり、その際、
    Het2は、
    窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式の5員のヘテロアリール基か、又は
    1又は2個の窒素原子を有する単環式の6員のヘテロアリール基か、又は
    窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜3個のヘテロ原子を有する縮合二環式の9員もしくは10員のヘテロアリールか、又は
    N−オキシ−ピリジルか
    のいずれかであり、
    R71は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、C1〜C4−アルキルスルホニルアミノ、カルボキシル、アリールオキシ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、カルバモイル、テトラゾリル又は−N(H)S(O)2−N(R712)R713であり、その際、
    アリールは、フェニル又はR711で置換されたフェニルであり、その際、
    R711は、ハロゲン又はC1〜C4−アルキルであり、
    R712は、C1〜C4−アルキルであり、かつ
    R713は、C1〜C4−アルキルであるか、又は
    R712及びR713は、一緒になって、それらが結合される窒素原子を含んで、基Het3を形成し、その際、
    Het3は、モルホリン−4−イルであり、
    R72は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
    R73は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
    R74は、C1〜C4−アルキル、フェニル−C1〜C4−アルキル、アリールスルホニル、C1〜C4−アルキルスルホニル又は−S(O)2−N(R712)R713であり、
    R8は、R81によって環炭素原子上で置換されていてよく、かつHet4であり、その際、
    Het4は、ピロロイソキノリン骨格に環炭素原子を介して結合されており、かつ[1,2,4]オキサジアゾリル基又はオキサゾリル基であり、
    R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル、C3〜C7−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811及び/又はR812で置換されたフェニルであり、その際、
    R811は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンであり、
    R812は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンである、請求項1記載の化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩。
  3. 式Iで示され、その式中、
    R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C4−アルコキシであり、
    R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、ハロゲン又はC1〜C4−アルコキシであり、
    R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C4−アルコキシであり、
    R4は、水素であり、
    R41は、水素であり、
    R5は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
    R51は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
    R4及びR5は、一緒になって、テトラメチレン架橋を形成し、かつR41及びR51は、両者とも水素であり、
    R6は、C1〜C4−アルキルであり、
    R7は、Het2、R71及び/又はR72及び/又はR73で置換されたフェニル、R74で置換されたHet2又はナフチルであり、その際、
    Het2は、
    窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式の5員のヘテロアリール基か、又は
    1又は2個の窒素原子を有する単環式の6員のヘテロアリール基か、又は
    窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜3個のヘテロ原子を有する縮合二環式の9員もしくは10員のヘテロアリールか、又は
    N−オキシ−ピリジルか
    のいずれかであり、
    R71は、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はアリールオキシであり、その際、
    アリールは、フェニル又はR711で置換されたフェニルであり、その際、
    R711は、ハロゲン又はC1〜C4−アルキルであり、
    R72は、ハロゲン、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
    R73は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
    R74は、C1〜C4−アルキル又はフェニル−C1〜C4−アルキルであり、
    R8は、R81によって環炭素原子上で置換されており、かつHet4であり、その際、
    Het4は、ピロロイソキノリン骨格に環炭素原子を介して結合されており、かつ[1,2,4]オキサジアゾリル基又はオキサゾリル基であり、
    R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C5−シクロアルキル、C3〜C5−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811及び/又はR812で置換されたフェニルであり、その際、
    R811は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンであり、
    R812は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンである、請求項1記載の化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩。
  4. 式Iで示され、その式中、
    R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
    R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、塩素又はフッ素であり、
    R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
    R4は、水素であり、
    R41は、水素であり、
    R5は、水素又はC1〜C2−アルキルであり、
    R51は、水素であり、
    R6は、C1〜C2−アルキル又はR61によって置換されたC1〜C2−アルキルであり、その際、
    R61は、C1〜C2−アルコキシカルボニル又はカルボキシルであり、
    R7は、Het2、R71及び/又はR72及び/又はR73で置換されたフェニル、R74で置換されたHet2又はナフチルであり、その際、
    Het2は、
    窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環式の5員のヘテロアリール基か、又は
    1又は2個の窒素原子を有する単環式の6員のヘテロアリール基か、又は
    窒素、酸素及び硫黄からなる群からそれぞれ選択される1〜3個のヘテロ原子を有する縮合二環式の9員もしくは10員のヘテロアリールか、又は
    N−オキシ−ピリジルか
    のいずれかであり、
    R71は、ヒドロキシル、塩素、フッ素、C1〜C2−アルキル、C1〜C2−アルコキシ、カルボキシル又はアリールオキシであり、その際、
    アリールは、フェニル又はR711で置換されたフェニルであり、その際、
    R711は、塩素、フッ素又はC1〜C2−アルキルであり、
    R72は、塩素、フッ素、C1〜C2−アルキル又はC1〜C2−アルコキシであり、
    R73は、C1〜C2−アルキル又はC1〜C2−アルコキシであり、
    R74は、C1〜C2−アルキル又はフェニル−C1〜C2−アルキルであり、
    R8は、Het4であり、その際、
    Het4は、3−(R81)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−(R81)−オキサゾール−2−イルであり、
    R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C5−シクロアルキル、C3〜C5−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811で置換されたフェニルであり、その際、
    R811は、C1〜C2−アルキル、C1〜C2−アルコキシ、塩素又はフッ素である、請求項1記載の化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩。
  5. 式Iで示され、その式中、
    R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
    R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ水素、塩素又はフッ素であり、
    R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシであり、
    R4は、水素であり、
    R41は、水素であり、
    R5は、水素又はC1〜C2−アルキルであり、
    R51は、水素であり、
    R6は、C1〜C4−アルキルであり、
    R7は、ナフチル又は、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル、2−メチル−4−ヒドロキシ−フェニル又は2−フルオロ−3,4−ジメトキシ−フェニル、ピリジル又はキノリニル、又は2−メチル−ピリジン−4−イル又は3−メチル−ピリジン−4−イルであり、
    R8は、Het4であり、その際、
    Het4は、3−(R81)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル又は5−(R81)−オキサゾール−2−イルであり、
    R81は、C1〜C4−アルキル、C3〜C5−シクロアルキル、C3〜C5−シクロアルキルメチル、フェニル又はR811で置換されたフェニルであり、その際、
    R811は、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又はハロゲンである、請求項1記載の化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項記載の式Iの化合物であって、以下の
    R1は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の8位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、
    R2は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の7位に結合されており、かつ塩素又はフッ素であり、
    R3は、ピロロ[2,1−a]イソキノリン環の9位に結合されており、かつC1〜C2−アルコキシ、例えばメトキシであり、
    R4は、水素であり、
    R41は、水素であり、
    R5は、メチルであり、かつ
    R51は、水素である
    の1つ以上を含む化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩。
  7. 請求項1から5までのいずれか1項記載の化合物であって、式Ia
    Figure 2008526818
    [式中、
    R1は、メトキシであり、
    R3は、メトキシであり、
    R4は、水素であり、
    R41は、水素であり、
    R51は、水素であり、かつ
    以下のR2、R5、R6及びR8についての置換基の意味:
    Figure 2008526818
    のいずれかが当てはまる]化合物及び立体異性体並びにこれらの化合物及び立体異性体の塩。
  8. 療法において使用するための、請求項1から7までのいずれか1項記載の化合物。
  9. 請求項1から7までのいずれか1項記載の化合物を、神経学的及び/又は精神医学的な疾患、例えば精神疾患、不安障害、機嫌障害又は気分発作、薬物依存、運動疾患、認知不全疾患、強迫障害又は神経変性疾患の治療のための医薬組成物の製造において用いる使用。
  10. 有効成分として、請求項1から7までのいずれか1項記載の化合物少なくとも1種の有効量と一緒に、好適な医薬品助剤及び/又は賦形剤を含有する医薬組成物。
  11. 神経学的又は精神医学的な疾患を患うヒトを含む哺乳動物の治療方法において、前記の病気の哺乳動物に、請求項1から7までのいずれか1項記載の化合物1種以上の治療学的に有効でかつ許容可能な量を投与することを含む方法。
  12. ヒトを含む哺乳動物における受精率の制御のための方法において、前記哺乳動物に、請求項1から7までのいずれか1項記載の化合物1種以上の治療学的に有効でかつ許容可能な量を投与することを含む方法。
  13. 糖尿病を患うヒトを含む哺乳動物の治療方法において、前記の病気の哺乳動物に、請求項1から7までのいずれか1項記載の化合物1種以上の治療学的に有効でかつ許容可能な量を投与することを含む方法。
  14. 被験体を治療して、体脂肪又は体重を低下させるための方法又は非インスリン依存性糖尿病、メタボリックシンドローム又は糖不耐症を治療するための方法において、それを必要とする被験体に、請求項1から7までのいずれか1項記載の化合物1種以上の治療学的に有効でかつ許容可能な量を投与することを含む方法。
  15. 請求項14記載の方法において、更にリモナバント、オルリスタット、シブトラミン、ブロモクリプチン、エフェドリン、レプチン、シュードエフェドリン、ペプチドYY3-36及びそれらの類似体から選択される抗肥満薬を投与することを含む方法。
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