JP2008514271A - 腫瘍の治療のための機構 - Google Patents

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体の内部に局在した腫瘍を処置するための機構であって、この腫瘍へ挿入されるように意図された針、体の外表面に適用されるように意図された接地電極、および針の周囲の組織において熱が生成されるよう、針と接地電極との間に高周波エネルギを加えるように意図された高周波発生装置を有している機構。さらにこの機構が、新規な温度測定手段、および従来技術のRFA機構に比べてより良好な針の腫瘍への進入をもたらす手段を有している。

Description

技術分野
本発明は、腫瘍の治療のための機構であって、高周波アブレーション(Radio Frequency Ablation:RFA)技法に適用することができる機構に関する。従来技術のRFA機構と比べ、本発明による機構は、腫瘍への針のより良好な貫通をもたらす手段を有している。本発明の好ましい実施形態においては、機構が、より正確な温度制御をもたらす温度制御手段を有している。さらに本発明の機構は、より効果的な腫瘍の処置を提供する。また本発明は、上述の利点をもたらす腫瘍の処置方法に関する。
背景技術
西欧諸国の多数の女性が、乳がんの可能性に直面している。最近の乳がん治療の傾向は、より侵襲の少ない腫瘍の局所的処置に向かってきており、処置ゆえの***の形状の変化を最小限にすることも、現代の治療においては重要になってきている。したがって、***保存術が、多くの場合に、根治的***切除術よりも支持されるようになってきている。根治手術の目的は、悪性の***の組織のすべてを取り除くことにあり、リンパ節の切除と組み合わせられることが多く、かなりの入院期間につながるとともに、後に***の復元を必要とする。さらに、腫瘍のない領域が、局所的再発を防止するために切除される。通例のマンモグラフィ検査など、最近の診断方法によれば、多数の小さな腫瘍が検出される。腫瘍が未だ広がっておらず、すなわち小さな腫瘍の大部分が10mm以下である場合には、従来からの乳腺手術は、「やり過ぎ」の処置であると見ることができる。したがって、従来からの手術以外に、侵襲が最小限であって、罹患率の低減、治療の継続期間の短縮、患者が良好でない医学的状態にあっても治療を実行することができる可能性、および外来患者ベースで処置を続けることができる可能性などといった他の潜在的利益を得られることが多い手法が探索されている。
そのような手法の1つは、凝固壊死によって腫瘍の熱破壊を生じさせる高周波アブレーション(RFA)技法である。肝腫瘍は、RFAによって処置される最も一般的な種類の腫瘍であるが、この処置は、肺、骨、前立腺、および副腎など、今や体の他の領域においても実行されている。乳がん治療におけるRFAの使用は比較的新規であるが、本発明の発明者らによって行われた研究は、この技法が***の腫瘍の治療、とくには乳管の腫瘍の治療によく適していることを示している。
単極RFA技法は、針を治療対象の腫瘍へ直接挿入すること、およびより大きくて平坦な接地電極を体の外表面に適用することを必要とする。電源によって生成された高周波(RF)エネルギが接地電極と針との間に印加されると、前者が対向電極として機能して、電極間に電流の経路が確立される。針における電流密度は、接地電極における電流密度よりもはるかに高く、したがって後者は不関電極と称されることが多く、温度の上昇を伴わない。組織内の温度の上昇は、イオンの攪拌が摩擦によって熱へ変換されることによって生じ、したがってRFエネルギが、組織の電気抵抗によって組織を加熱する。針の周囲の組織において生成された熱が、神経の刺激および苦痛を伴うことなく、腫瘍細胞を破壊する。変性した細胞が体内に残され、後に体によって再吸収される。腫瘍の再成長を防止するため、安全な領域である周囲の組織の層を、同様に破壊しなければならないことが多い。過剰温度によって影響を受ける総体積が、病変体積として知られており、したがって影響を受ける領域の形状およびサイズは、それぞれ病変形状および病変サイズとして知られている。
充分に長い時間のあいだ過剰温度にさらされた組織が、完全に殺傷されることはよく知られている。一般的にハイパーサーミアと称される技法においては、生成される温度が、ほぼ42〜43℃である。この範囲の過剰温度において、腫瘍を効果的に処置するために必要とされる暴露時間は、例えば病変のサイズに応じて、通常は数分間であり、ときには1時間にもなる。したがって、RFAの分野におけるハイパーサーミア温度は、必然的に患者の治療の時間を引き延ばして、不必要な苦痛を引き起こし、腫瘍の破壊が不均一になることも多い。
組織の加熱は、熱伝導による受動的な冷却ならびに血液の環流による能動的な冷却の両者にて、治療の最中に常に冷却されている。したがって、後者は、熱の除去にかなりの程度で寄与している。しかしながら、血液の環流は、熱によって左右される。温度の緩やかな上昇は、血液の環流を増大させるが、より高い過剰温度においては、血液の環流は弱くなる。したがって、後者は、温度拡散の顕著な増加をもたらす。
さらに、処置される組織の温度は、きわめて重要なパラメータである。例えば、充分に高い温度において、電極表面に隣接する組織が炭化し、伝導度の劇的な低下ゆえに組織のさらなる加熱を弱める。さらに、特定の用途においては、電極を組織から絶縁する傾向にある針表面における気泡の発生を回避することが、重要であると考えられる。病変体積の大きさは、上述の作用ゆえに限定される。
したがって、腫瘍の効果的な処置を達成するために、温度を効果的に監視および制御すること、ならびに針を効果的なやり方で冷却することが重要である。
RF源の出力は、組織において生成される温度を調節する。RFA技法においては、処置の最中に、例えば針および不関接地電極を含む回路のインピーダンスを測定するとともに、針先端の温度を測定し、インピーダンスおよび温度の測定値に従って電極間の電圧を調節することが知られている。また、処置の最中にインピーダンスおよび温度の値を制御ユニットへ継続的に供給し、制御ユニットによってRF源へフィードバック信号を送信し、RF源の出力を増減させることも知られている。
インピーダンスの増加は、例えば気泡が発生したこと、または組織の炭化が生じたことを示している。組織の炭化および気泡の形成を防止すべく針を冷却するために、針の内側において冷却用媒体を利用している針を使用することが知られている。針の内側にそのような冷却用媒体を有することの結果の1つは、組織の温度の真の最高温度が、温度偏差ゆえに針の表面には位置せず、組織の内側のこの針からある距離に位置する点にある。これは、組織の真の最高温度の測定を困難にし、組織の温度の温度制御のための公知の手段が、充分には満足できるものではないことが明らかになっている。
近年においては、例えば検診マンモグラフィおよび超音波診断走査の技術的な発展を通じて、ますます小さな腫瘍を検出できるようになってきている。わずか数ミリメートルの大きさの腫瘍が検出されることも、珍しいことではない。とくにはこのような小さな腫瘍であるが、直径が10〜20mmといった大きさの腫瘍も、触診が不可能であることが多く、針が触れた場合に解剖学的ひずみまたは少なくとも転位を受ける。その理由は、乳腺組織が緩い脂肪組織および結合組織によって囲まれており、そのために針を腫瘍へ正しく位置させ移動させることが難しいためであり、腫瘍が硬質または繊維質である場合(そのような場合が最も多い)には、この問題がさらに悪化する。したがって、腫瘍への針の挿入は、困難であることが多く、不可能なことさえある。
現時点において、RFA技法は、がんの治療に適用されるとき、最も頻繁には治療用ではなく一時的であると見られており、この技法は、多くの場合には、外科手術を回避することができるよう腫瘍を小さくするために使用されている。したがって、とくには小さくて硬い線維腫であるが、処置対象の腫瘍のより効果的な貫通をもたらす手段など、RFA技法の改善についてニーズが存在している。また、実際の処置時間の短縮および腫瘍細胞のより効果的な殺傷についても、ニーズが存在している。さらには、組織の温度のより正確な温度制御について、ニーズが存在している。
発明の開示
したがって、本発明の目的は、RFA技法によって腫瘍を処置するための機構であって、従来技術のRFA機構に比べて処置対象の腫瘍をより効果的に貫通するための手段をもたらす機構を提供することにある。
この目的は、独立請求項の前段部分による機構であって、独立請求項の特徴部分による特徴によってもたらされる機構によって達成される。
好ましい実施形態において、本発明による機構は、従来技術のRFA機構に比べ、処置の最中に組織の温度をより正確に温度制御するための手段を提供する。さらにこの機構は、従来技術のRFA機構に比べ、腫瘍をより効果的なやり方で処置する。
さらに本発明は、本発明の機構の使用方法に関する。好ましい実施形態が、従属請求項に記載される。
本発明の機構は、針2(図3)と、患者の体の外表面に適用され、好ましくは患者の背中へ適用される平たい接地電極4を有している。針2の寸法は、例えば処置される腫瘍1の大きさおよび形状によって決まる。好ましくは、針2は、約5〜100mmの長さおよび1〜4mmの範囲の直径の有効部分を有している。この機構は、針2が処置対象の腫瘍1の内側に正しく配置されたときに接地電極4と針2の有効部分との間にRFエネルギを加えるように構成されている低インピーダンスRF発生装置10をさらに有している。RFエネルギが加えられるとき、電極2、4間に電流経路が確立されるよう、針2が活性電極として機能し、上述のように、針2の周囲の組織の球状の病変12において熱が生じる。
本発明によれば、例えば***の腫瘍を処置するときに、組織の温度を、通常使用されているハイパーサーミア温度よりも顕著に高くすることができる。この組織温度は、例えば、50〜99℃の範囲、すなわちいわゆる温熱療法温度であってよい。腫瘍および脂肪(脂質)組織の物理的パラメータが相違するがゆえ、熱は腫瘍へ「引き寄せ」られる。腫瘍は、周囲の脂肪組織よりも高い電気電導度を有している。結果として、腫瘍が、脂質から電気エネルギを引き付ける。したがって、腫瘍においては、脂肪組織と比べて比吸収率(SAR)が比較的高い。実際、本発明の発明者らは、コア腫瘍から延びる薄い腫瘍帯は殺傷されるが、周囲の脂肪組織は影響を受けないことを確認している。効果的な治療を達成するために、高められた温度を維持しなければならない時間は、病変のサイズおよび形状に依存する。通常は、この時間は5〜15分の範囲にあり、したがって同じ腫瘍の処置において、ハイパーサーミア温度の範囲の温度において必要とされる処置時間よりも短い。しかしながら、例えば肝臓の腫瘍など、他の種類の腫瘍が処置される場合、処置温度が、例えば最大約130℃など、さらに高くてもよいことを理解すべきである。
いずれの場合においても、RF発生装置の出力が、高められた組織の温度を調節する。
一般に、RF発生装置は、例えば***の腫瘍を処置する場合には***の形状、使用される針の直径、および処置の最中の組織の特性の変化に応じ、5〜100W、好ましくは20〜60Wの範囲で動作する。加えられるRF周波数は、0.2〜20MHzの範囲にあってよいが、好ましくは約0.5〜1.5MHzである。本発明によれば、RF発生装置の出力が、後述のとおり処置の最中に自動的に調節される。
図3を参照すると、本発明の機構の針2には、針の外側を例えばテフロン(登録商標)などの絶縁材料7で覆うことによって、絶縁部3および非絶縁部5が設けられている。針の絶縁部は、有効電極長さを調節できるよう、針上でスライド可能であってよい。
本発明の機構の好ましい実施形態によれば、腫瘍1へ挿入されるべき針2に、針2内で冷却用の液体の循環を可能にする手段が設けられている。冷却用の液体は、液体導入口9を通って針へ案内され、この針2の水平軸に沿って針2の中央に設けられた液体流入チャネル13aに沿って案内される。針の先端において、冷却用の液体は流れの方向を変え、液体流出チャネル13b、すなわち液体流入チャネル13aと針の外表面との間の空の空間を通って案内され、液体排出口11から出る。液体導入口9および液体排出口11には、好ましくは、ルアーロック(Luer−Lock)式の接続部(図示されていない)が設けられている。針2内で冷却用の液体の循環を可能にする手段は、例えばポンプなど、液体を液体導入口9を通って針2へ導き、流入および排出チャネル13a、bを通り、液体排出口11を通って外へ、好ましくは一定であってあらかじめ定められた流量にて導くように構成された液体流生成装置14をさらに有している。したがって、チャネル13a、bの直径は、好ましくは液体流入チャネルおよび液体流出チャネルに等しい流れを可能にするために充分である。好ましい流量は、5〜30ml/minの範囲にある。
冷却用の液体は、発生しうる漏れに対して患者を保護するため、好ましくは無菌の等浸透圧の液体である。
針2は、好ましくは使い捨ての物品として供給される。あるいは、針2は、好ましくは加圧滅菌器の使用によって殺菌されるように構成される。しかしながら、他の従来から使用されている殺菌方法も、同様に使用可能である。
好ましい実施形態によれば、さらに機構に、温度制御手段が備えられている。この手段は、針2の内側を循環している液体の流量値Qを測定するように構成された手段(図示されていない)を、好ましくは液体流生成装置14に設けて有している。この手段は、例えば、一般的に知られている流量測定センサなどである。
温度制御手段は、さらに温度測定手段を有しており、温度測定手段は、第1の実施形態においては、一般的に知られた温度センサまたは光ファイバ(図示されていない)を針2の非絶縁部分に取り入れて有するとともに、好ましくは液体導入口9に設けられて導入される液体の温度T1を測定するように構成された温度センサを有している(第1組の温度測定手段、図1)。この場合には、第1組の温度測定手段によって測定される針の温度TmeasおよびT1、ならびに液体の流量の値Q=dV/dt(ml/s)が、好ましくはコンピュータなどである制御ユニット26へ、連続的に供給23、20、24される。制御ユニット26には、さらに詳しく後述するように、Tmeas、T1の値および流量Qの値に従って組織の真の温度Ttissueを計算する手段が設けられている。
あるいは、温度測定手段は、第2の実施形態においては、導入される液体の温度値T1ならびに排出される液体の温度値T2を測定するための手段(図示されていない)を有してもよい(第2組の温度測定手段、図2)。上記手段は、好ましくは、例えば液体導入口
9および液体排出口11にそれぞれ設けられる一般的に知られた温度センサである。第2の実施形態(図2)においては、T1、T2、および液体の流量の値Q=dV/dt(ml/s)が、制御ユニット26へ連続的に供給20、22、24される。この場合には、制御ユニット26に、T1とT2との間の温度差の値、すなわちTdiff=T2−T1、および流量Qの値に従って組織の真の温度Ttissueを計算する手段が設けられている。
本発明の機構の好ましい実施形態によれば、さらに制御ユニット26に、針2および不関接地電極4を含む回路のインピーダンスの値Z、ならびに生成される高い組織温度を調節するRF発生装置10の出力P=U*Iが、継続的に供給28される。すなわち、本発明の機構は、インピーダンスを測定するように構成された一般的に知られた手段16、および出力を測定するように構成された一般的に知られた手段18を有している。したがって、制御ユニット26には、Z、Pの値および組織の真の温度Ttissueに応じてRF発生装置10へフィードバック信号30を送信し、Ttissueを高くすべきか、あるいは低くすべきかにそれぞれ応じて、上記RF発生装置の出力を増加または減少させる手段が、さらに設けられている。
特定の組織温度を維持するために必要とされる出力は、熱抵抗とも称され、組織の潅流状態、すなわち組織の破壊の程度の良好な指標であり、潅流の低下は、治療セッションの品質についての良好な指標となりうる。さらに、処置電極と不関電極との間で測定されるインピーダンスは、電極周辺の状態、すなわち炭化および/または気泡が存在するか否かについての良好な指標である。したがって、制御ユニット26には、好ましくは、組織の潅流を監視するための道具として、熱抵抗を計算するための手段が設けられる。
真の組織の温度値Ttissueを割り出すときにQの値を使用すること、ならびにRF発生装置へフィードバック信号を送信するために上記値を使用することで、従来技術のRFA機構に比べ、組織の温度についてより正確な温度制御がもたらされる。
本発明の機構は、温度測定のための上述の手段のいずれかとの組み合わせにおいて機能する。第1組の温度測定手段の使用、すなわち例えば針に取り入れられた温度センサの使用は、単刀直入な温度測定方法である。一方で、T1、T2のそれぞれの測定は、針に温度センサを使用する場合に比べ、より安価な温度測定をもたらすことができる。なぜならば、針の寸法が小さくなる場合、針への温度センサの取り入れが問題になり、かなり高価な手順になると考えられるためである。
温度センサから得られる低いレベルの信号は、加えられるRF出力場からの干渉を受ける可能性がある。この場合、極端なRF場の環境において高品質の測定を得るべくRF信号をフィルタ処理によって取り除くために、機構に、好ましくは低域通過フィルタ手段(図示されていない)が設けられる。さらには、機構が、EN 60−601−1国際規格およびECに従った患者漏れ電流(PLC)および接地漏れ電流(ELC)を保証するため、好ましくは心臓浮遊(Cardiac Floating:CF)として設計される。
本発明によれば、機構に、針2へ長手方向の振動運動6を加えるように構成された長手運動手段8が設けられる。適切な周波数および振幅を有する針2の長手方向の振動6は、その加速度成分ゆえ、例えばわずか数ミリメートルの腫瘍など、小さくて硬い腫瘍であっても効果的に貫通し、実際に本発明の発明者らは、250Hzの周波数を加えた場合に、貫通時の抵抗を最大で10倍も小さくできることを確認している。例えば針2の寸法、ならびに腫瘍1のサイズ、状態、および位置に応じて、例えば処置を担当する医師である機構の操作者は、針2がまさに腫瘍に進入しようとするときに、この針へ加えるべき適切な周波数、振幅、および波形を自由に選択できる。好ましくは、加えられる正弦波周波数は
、30〜300Hzの範囲にあり、振幅は、0〜4mmの範囲にある。貫通力は、周波数および振幅を増加させるにつれて小さくなり、加速力は、これらのパラメータとともに大きくなる。
針2の振動運動6は、腫瘍1への針のより良好な進入をもたらすために加えられている。
第1組の温度測定手段を使用した真の組織温度の計算
真の組織温度Ttissueは、例えば式(1)に従ってTmeasの値および流量Qの値を使用することによって割り出される。
dT=Ttissue−Tmeas=k1(Ttissue)*Q+k2(Ttissue)*Q2 (1)
ここで、dTは針を横切る温度勾配であり、k1およびk2は定数である。
1およびk2は、較正を使用して見つけ出される。例えば、図4は、70℃(下側の曲線)および95℃(上側の曲線)の温度に保った槽ユニットを使用し、異なる較正温度(架空の組織温度として機能する)における流量依存の測定温度Tmeasを示している。較正の測定においては、槽ユニットを上記較正温度にそれぞれ保ち、20種類の異なる流量においてTmeasを測定した。針の内部を循環している冷却用の液体は、15℃に維持した。最小2乗のアルゴリズムを使用し、k1およびk2を、70℃および95℃の組織温度について計算した。一定の流量においては、TmeasとTtissueの間に線形の関係が存在する。したがって、Ttissueは、すべての流量において70℃の曲線と95℃の曲線との間の線形補間によって計算される。導入される流れの温度が変化した場合、定数k1およびk2も、既知の関係に従って変化する。
第2組の温度測定手段を使用した真の組織温度の計算
この仕組みにおいては、真の組織温度Ttissueが、Tmeasの代わりに、導入口温度と排出口温度との間の差Tdiff=T1−T2によって割り出される。それ以外では、この手順は、好ましくは上述の測定計算方法と同じ仕組みに従う。
本発明の機構を、ヒトの***の腫瘍の治療のための手順によって説明したが、この機構を、そのような手順のみに限定されると考えてはならない。この機構は、前立腺腫瘍、肝腫瘍、ならびに動物の腫瘍など、他の種類の腫瘍においても完全に機能できる。
本発明が、上述した本発明の典型的な実施形態には限られず、本発明について考えられるいくつかの変形が、以下の特許請求の範囲の技術的範囲において可能であることを、理解できるであろう。
第1組の温度測定手段を備える本発明の機構を概略的に示している。 第2組の温度測定手段を備える本発明の機構を概略的に示している。 本発明の機構の針の断面を概略的に示している。 種々の較正用の温度について、流れに依存して測定される温度を示している。

Claims (10)

  1. 体の内部に局在した腫瘍を処置するために、
    該腫瘍へ挿入されるように意図された針(2)、
    体の外表面に適用されるように意図された接地電極(4)、および
    針の周囲の組織において熱が生成されるよう、針と接地電極との間に高周波エネルギを加えるように意図された高周波発生装置(10)
    を有している機構であって、
    長手方向の振動運動を針へ加えるように、好ましくは前記腫瘍へ針を挿入するときに加えるように構成されている長手運動手段(8)
    を有することを特徴とする機構。
  2. 針(2)に、液体流入チャネル(13a)と連通する液体導入口(9)および液体流出チャネル(13b)と連通する液体排出口(11)が設けられ、前記チャネルが、前記針の水平軸に沿って針(2)の内部に設けられ、
    当該機構に、前記チャネル(13a、13b)に液体の流れを生じさせるように構成された液体流生成装置(14)が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の機構。
  3. 液体の流量値を測定するように構成された手段
    が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の機構。
  4. 組織の温度を測定するように構成された手段を有しており、
    該手段が、針(2)へ取り入れられた温度センサ、液体導入口(9)の液体の温度を測定するように構成された手段、および液体の流量値を測定するように構成された前記手段を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機構。
  5. 組織の温度を測定するように構成された手段を有しており、
    該手段が、液体導入口(9)の液体の温度を測定するように構成された手段、液体排出口(11)の液体の温度を測定するように構成された手段、および液体の流量値を測定するように構成された前記手段を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機構。
  6. 針(2)および接地電極(4)を含む回路のインピーダンスを測定するための手段(16)、および高周波発生装置(10)の出力を測定するように構成された手段(18)を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の機構。
  7. 制御ユニット(26)を有しており、
    該制御ユニットが、
    a)針(2)のチャネル(13a、13b)における液体の流量、
    b)針(2)に取り入れられた温度センサによって測定された温度、および液体導入口(9)の液体の温度、
    c)針(2)および接地電極(4)を含む回路のインピーダンス、ならびに
    d)前記高周波発生装置(10)の出力
    の値を受け取るように構成されるとともに、
    a)およびb)の値に依存して組織の温度を計算するように構成された手段を備えており、
    組織の温度を下げるべきか、あるいは上げるべきかに応じて、前記高周波発生装置の出力を減少または増加させるための指示を有している信号(30)を、高周波発生装置(10)へ送信するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜4および6に記載の機構。
  8. 制御ユニット(26)を有しており、
    該制御ユニットが、
    a)針(2)のチャネル(13a、13b)の液体の流量、
    b)液体導入口(9)の液体の温度、および液体排出口(11)の液体の温度、
    c)針(2)および接地電極(4)を含む回路のインピーダンス、ならびに
    d)前記高周波発生装置(10)の出力
    の値を受け取るように構成されるとともに、
    a)およびb)の値に依存して組織の温度を計算するように構成された手段を備えており、
    組織の温度を下げるべきか、あるいは上げるべきかに応じて、前記高周波発生装置の出力を減少または増加させるための指示を有している信号(30)を、高周波発生装置(10)へ送信するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3ならびに5および6に記載の機構。
  9. 制御ユニット(26)に、所定の組織温度を維持するために高周波発生装置(10)に必要とされる出力を計算するための手段が設けられていることを特徴とする請求項7または8に記載の機構。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の機構の使用方法。
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